オラ、龍神になっちまった 作:パンパン
「あってほしい人がいるだってぇ?」
現在、悟空は縁側でお茶を飲みながら、紫、霊夢と話している。魔理沙は今、自由勉強タイム。なぜなら、幻想郷の一般常識は学び終えているので、魔法の勉強しようとしたが悟空は魔法関係には疎い、よって勉強は一人ですることとなり、一旦自分の家に戻った。悟空も霊夢の弾幕ごっこの講義を受けていたが紫が用事でやってきたので中断。
「えぇ…。貴方が幻想郷に来たことをここの重鎮達に話さないといけないのよ。そのときの顔見せね。私だけで行ってもいいのですが共に行った方が説明の手間がある程度省けますから。」
ふうーん…挨拶かぁ…と悟空はポツリと呟いた。
「まぁ、別にいいけどよぉー。何処に向かうんだ?」
紫はお茶を一飲みして、一呼吸おいて応えた。
「まずは冥界かしら。」
「冥界?なんでまたそんなとこに行くのよ?」
普通、人里じゃないの?と霊夢は紫に聞く。
「ほら、今は人里の方は龍神祭のための準備で色々と忙しいのよ。」
「「龍神祭?」」
悟空と霊夢はキョトンとして声をハモらせた。
「えぇ、そうよ。人里ではね、年に一回龍神祭っていうね、龍神を祭る祭りがあるのよ。花火とか縁日とか出て結構盛り上がるのよ。そこの場で悟空様に顔を出していただきます。」
「で?何時なのよ?」
霊夢は紫に尋ねる。
「本来は秋口からのはずなんだけど、昨日、藍を人里へ説明に向かわせたのよ。何でも、里の人間達はせっかく龍神が来てくださったのに祝わないないんて、とんでもないって言って、今、準備をしてるわ。大体、2〜3週間といったところかしらね。」
人里の大体の様子を話していく紫。
「へぇ〜祭りかぁ〜。」
食いもんとかいっぱい出るんだろうなと思い、ヨダレがじゅるり。
「山の天狗、太陽の畑、地底…行くところはたくさんあるんだけど、今回の件について、従者達を動かせてる最中なのよ。」
「まぁ行ってもいいけどよ、条件がある。」
「何なりと…」
「あのよ、悟空様ってやめてくれねぇかな?オラどうもそういうの苦手で…」
「はぁ…」
悟空の呼び方云々の話は終わり、
「それでその中の行き先の一つに冥界があるんですが私の親友が冥界を管理しているのよ。」
と指を上に向けそう言った。
「友達いたんだ…。」霊夢は紫に友達がいたことに驚いている。
「ちゃんといますわ!……その親友にも私の口から直接説明しましたし、親友も逢いたがっていましたわ。」
やたら、親友を強調するわね…と思った霊夢。もちろん口には出しはしない。
「私の口から直接説明しましたし、幽々子も逢いたがっていましたわ。」
空を眺めながら、昨日、あった親友を思い出す。
「幽々子?誰よ、そいつ?」
「えぇ、そうよ。西行寺幽々子…冥界に存在している白玉楼の主人よ。」
「じゃあ、霊夢。悟空君を少し連れて行くわね。」
紫は自身の能力を使い、隙間を開く。中々から幾つもの異形の目がジロリとこちらを睨んでくる。
「うわっ、こんなか入るんか?」
悟空が恐る恐る中に入る。
「えぇ、すぐに着きます。」
「いってらっしゃい。お土産よろ…あっ紫…ちょっ」霊夢が紫を呼び止めようとしたがもう隙間が閉じた後だった。
「…神社の食糧のことを言い忘れた…。」悟空が来たことによって、食糧がかなりまずい。はぁ〜まぁ、後でまた来るわよねぇとため息を一つ吐いた。
「いいわ、コタツに入ってお茶飲もうっと。」
〜白玉楼門前〜
隙間が開くと中から、尻尾を生やした少年と白と紫が合わさったドレスを着た美女が出てきた。
「着いたのか。便利なもんだなー。んっ?うわー!でっけぇなぁ!」
悟空の目に飛び込んできたのは装飾が施された大きい木製の門。
「ふふふ。中はもっとすごいですわ。」
そんな悟空を微笑ましく見つめながら、傘を差して歩いてくるのは紫。
後ろを振り向く悟空は紫のさらに後ろの長い階段を見ていた。
「すげーな!この階段、下までかなりあるぞ!」
うわぁといいながら、階段を見る悟空。
「この一番下は幻想郷の遥か上空へと繋がっているの…」
紫は階段を見て、そういうと悟空をみた。
「悟空君…入る前に少しお話が…。」
「んっ?なんだ?」
「悟空君の説明はしたのですが悟空君が龍神と一体になる前のことは私自身まだ知らないのです。それでもしよろしければ記憶を探らせてもらえませんか。」
恐る恐る悟空に尋ねる紫。正直、期待はしていない。いくら何でも、記憶を探らせてくれる人なんていないのだから。誰だって、人には見られたくない嫌な記憶がある。
「別にいいぞ。ほれ、やってくれ。」
悟空はいつもの軽い調子で言う。
「まぁ、ダメですわよねぇ……って、いいの?」
驚く紫に悟空は
「別にいいぞ。見られて困るようなもんはないしな。」
結構珍しいタイプの人ね。それともまだ、子供だからかしらと紫は思った。
「分かりました。でも、ここではしません。今、ちょうど良いことに閻魔もこちらにいるようなので…。」
と門の奥を見つめる紫。紫の一言に悟空は驚いた。
「えっ、閻魔のおっちゃんが来てんのか?」
自分の知る大きな身体をした鬼の閻魔を思い浮かべる。
「いえ、ここ幻想郷の閻魔は女性ですわ。」
「幻想郷の閻魔?」
「閻魔は地域ごとで担当があるのです。幻想郷で死んだ者は幻想郷の閻魔によって裁かれるといった具合に。」
紫は悟空に軽く説明をする。
「へぇ〜ここの世界ではそうなんか…。オラがいた世界の閻魔って、閻魔のおっちゃん一人だけだからな…地球の人間がみんな死んだ時、ひーこら言いながらハンコを押してたなぁ。」何かとんでも無いことを言った悟空。
「………その事も後で聞かせてもらいます。」今の話も気になるところだが、これ以上待たせては悪いので門の前に立っている悟空と同じくらいの背丈の白髪頭の少女の前に悟空と紫は行くのだった。
「これはこれは、紫様よくお出でになられました。」
と礼儀よくお辞儀をする少女。
「して、かの龍神様は一体どちらに?是非とも、挨拶をさせていただきたいのですが…」
「ご機嫌よう妖夢。龍神様なら貴方の目の前にいるわよ。ふふふ…。」
「目の前…子供が…本当ですか?紫様?」
疑いの目を向けながら、紫に話す。
「えぇ、本当よ。」
「オラは、子供じゃねぇーぞ!」
「これは失礼しました。私はここ白玉楼の庭師兼剣術指南役の魂魄妖夢と言います。」
「妖夢っていうのか!オラは孫悟空ってんだ。よろしくな!妖夢。」
とお互い自己紹介をする。しかし、そこで妖夢は疑問を感じた。
「あはは。はい、よろしくおね…えっ?孫悟空?あの斉天大聖?」
あの天界を荒しまわったと言われる…あれ、龍神じゃない?いや、でも幽々子様が今日、紫様と共に龍神様もお出でになると言ってましたし…紫様も今、龍神って…えっ…と今にも知恵熱で頭が沸騰しそうなぐらい妖夢は考えている。
「その斉天大聖ってのはしらねぇけど…オラは孫悟空だ。」
「妖夢。後で幽々子にでも話してもらいなさい。とりあえず、先に幽々子のところへ。」
紫はテンパる妖夢に催促をする。
「はっ!失礼しました。どうぞ、私について来てください。幽々子様と閻魔様がお待ちかねです。」
とあの大きな門を開きながら、悟空と紫を白玉楼の中へと案内する妖夢。
「どうぞ、此方です。お連れいたしました。幽々子様。」
と悟空と紫達が連れて来られた部屋は、大きな机がある和室。悟空と紫はその机の前に腰を置いた。
「ありがとう。妖夢。あら?あらあら?じゃあ、この子が…うふふ…。貴方が龍神でいいのかしら?」
悟空と紫の対面に座る二人の内の一人。そう聞くのは特徴的な帽子を被った淡い水色の和服を着たピンクの髪の女性。
「あぁ、そうだ。龍神だけど、龍神じゃなくてオラの名前は孫悟空だ。」
「あら、可愛い…うふふ。私はここ白玉楼の主人をしている西行寺幽々子…。よろしくね、悟空君。」
そして、幽々子の隣に座る特徴的な冠を着けた緑髪の少女が、
「こんにちは…私はここ幻想郷地区担当閻魔…四季映姫と申します。」と丁寧にお辞儀をしながら自己紹介をした。
「おう!よろしくな。映姫に幽々子!」
「あら、元気ねぇ〜。うふふ…ちっちゃくて可愛い…悟空君はまだ子供なのね〜。」
「だから、子供じゃねぇって…失礼しちゃうぞ。まったく」とぷりぷり怒る悟空。
「そうねぇ〜悟空君は大人よ〜。私が保証するわぁ〜。」ふわふわした感じを出す幽々子。
「やめなさい。失礼ですよ。」
と幽々子を軽く叱る映姫。
「ふんだ。じゃあ、今からオラが大人だっていう証拠を見せてやるよ。」
とそんなことを言いながら、フンッと悟空は立つ。
そんな様子を紫、幽々子は微笑ましげに見る。映姫は興味深く悟空を見ている。
「…(ふふふ、ムキになっちゃって…悟空君はまだ子供なのかしら。いろんな者たちを見てきたけど、分からないわねぇ……昨日のことを聞く限り、恐らく人柱のようなもので龍神と一体になったみたいだけど…。それにさっきの閻魔の話…一体、どんな世界でどんな人生を送ってたのかしら?……。早く記憶を見たいわね…。)」
「…(証拠……前、そういえば、紫が持ってきてくれた下界の本の中に大人の証拠を見せるためにおち◯ちん出してた子がいたわねぇ〜…………悟空君、出すのかしら?)」
とんでも無いことを考えているのがいるが突っ込むのはやめておこう。
各々が悟空を見ている。
悟空は拳を握ると悟空の力が爆発的に上がっていく。
「………なっ!」
「…えっ…!」
「………何を…!」
「はぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
悟空が声を上げると突如、悟空の身体からカァっととてつもない光を発した。
そのとてつもない光で三人は咄嗟に目を瞑る。
バンッと襖が開いた。
「幽々子様っ!何事で…。」
妖夢は目の前のある者を見て、言葉を失った。
部屋の異変を感じ駆けつけた妖夢の声を聞きながら、目を開けると…
一方その頃、博麗神社
「あれ?悟空はどこだ?」
魔理沙が魔法の勉強を終え、帰ってきたところだった。
「おーい、悟空ぅーどこだぁ〜?」
魔理沙は、博麗神社の中を探していく。
「あら、どうしたの?あんた?」
霊夢がコタツのところでゴロゴロしながら、庭でウロウロしてる魔理沙に声をかける。
そんな霊夢の声を聞き、霊夢の側まで行くと
「悟空知らないか?」
「あぁ、あいつなら紫が冥界に連れてったわよ。」
「死んだのか!?」
「違うわよ。死んでないから、それにすぐ戻ってくるから安心なさい。っていうか、あんた、私にリベンジするまで会わないのかと思ってたけど、普通に話すのね…。」
寝転びながら、魔理沙に話す。
「それはそれ、これはこれだぜ!私は要領のいい女になるのぜ!」
と魔理沙はフンッと鼻息を鳴らして応えた。そして、魔理沙もコタツの中に入った。
「何でアンタは私のコタツの中に入って来るのよ…。」
と霊夢は魔理沙をジロリと睨む。
「そんな睨むなよ。悟空が来るまで暇だからな!一緒に話しでもしようぜ!」
元気よく魔理沙は霊夢に言った。
「はぁぁ〜。」
霊夢はため息をこぼした。
そして、白玉楼
「……さぁ、これでどうだ。…おいおいどうしたよ…。そんな固まって……ささっとオレの記憶を探っちまってくれよ。」
次回予告
第四話「紫…あの件、私でも構わないかしら?」
お楽しみに!
追記
GT悟空について、GT悟空はZと違い子供っぽいと思ったので、GT子供状態では少しムキになりやすかったり幼児退行してます。といっても、少しなのでご安心を…