一話完結
独自設定などが目立つかも知れませんが生暖かい目でご覧下さい。
舞台は現代で博麗神社もある設定です。
幻想郷はありません。
タイトルとタグで悩んだ……
何つければ良いんや……
学校が騒がしい。
ああ、そう言えば明日はホワイトデーだったわね。
バレンタインでチョコレートを貰った男子が女子にお返しを渡す日。
有り体に言えばそんな日。
博麗霊夢は自分の席で興味無さげに浮わついたクラスを見渡す。
イベントとして数えられているけどバレンタインよりは弱く感じるし、マシュマロやキャンディの箱のラッピングも地味なものが多くイマイチ盛り上がりに欠ける。
まあ、バレンタインが面倒で誰にもあげなかった私には関係の無い話だ。
ホントは渡すことが出来なかっただけなんだけど……
それにどうせ、あいつは今年も用意しているんだろう。
放課後になり教室ではホワイトデーを話題に何人かのクラスメートが雑談をしている。
でも、その中にまざって会話するほど仲が良いわけでも無いのでスルーする。
バレンタインもホワイトデーも私には関係ない。
別に家が神社だからとかそういう理由では無く、ただ面倒くさい。
面倒だから今日も明日も早く帰ろう。
靴を履きそそくさと校門を出る。
今年も彼から貰えるだろうか……
ふと、そんなことを思ってしまう。
今まではずっとあげてなくても貰ってきた。
彼は優しいからそれに甘えてきた。
でも、だからと言って今年も貰えるとは限らない。
やっぱり、チョコあげれば良かった……
1か月前に行動しなかった自分を責めるが既に手遅れ。
誰に対しても平等に接してきたのにいつから彼のことばかりを考えるようになったのか……
笑っちゃうわね。
「霊夢、一緒に帰ろう」
すぐ後ろから彼の声がした。
噂をすればなんとやら……
振り向くと私の想いをなにも知らない彼がニコニコしていた。
私があんたのことで悩んでるのに、あんたは能天気に私に話しかける。
嬉しいけどバレたくないから本心を必死に隠す。
「おいおい、そんなに睨むなよ。傷付くだろ……」
なんか勘違いされたみたい。
まあ、いいわ。
「あんたはいつも何なの?
私に付きまとって楽しいわけ?」
つい、きつい言葉が出てしまう。
これもいつものこと。
ホント、なんで彼は私に付き合ってくれるのかしら?
でも、今日はいつもと違うことがあった。
「なあ、霊夢。
今日、お前の神社に行ってもいいか?」
「そういえば、あんたが来るのは久しぶりよね。
ほら、素敵なお賽銭箱はあそこよ」
「そういうところは相変わらずだな……
しかし、ここはいつ来ても人がいないなぁ」
あははと彼は苦笑いしている。
うるさい、大きなお世話よ。
確かにうちの神社は寂れているけれど全然人が来ないわけじゃないのよ?
たまにお参りに来る人もいるんだから。
「ちょっと待ってて、お茶入れてくるわ」
流石に見知った客人をもてなさない訳にはいかない。
と、言うよりは少しでも彼によく見られたいだけなのだが……
学校の制服を脱いでいつもの腋が空いた巫女服に着替える。
鏡で自分の姿を確認する。
巫女服におかしなところはない。
髪型もよし。
その場でクルッとターンして笑顔を作る。
ロングスカートがフワリと動く。
うん、可愛い。大丈夫、大丈夫。
いつもの熱いお茶と少し高値のお茶請けを戸棚から出して彼のもとに急ぐ。
「待たせたわね。お茶の準備出来たわ……よ?」
彼は熱心になにかを拝んでいた。
私の声も聞こえてないようで。
何をそんな熱心に拝んでいるんだろう。
聞きたいけど聞きたくない。
彼は自分のことは自分で解決する。
神頼みしている姿は初めて見た。
「ねえ、そんなに何を拝んでいるの?」
なんで、聞いてしまうんだろう。
彼はやっと気づいたのか少し慌てていた。
「え!? れ、霊夢!?
み、見てたのか!? いつから!!」
はた目から見てもわかるくらいにテンパってる。
知られたくないことなんだろうか……
「あんたが神頼みしてる姿なんて初めて見たわ。
それと、何を慌ててるのかは知らないけど、今お茶を用意してきたところだから、心配しなくていいわよ」
そういうと、彼はあからさまにホッとしていた。
人に言えないような願い事だろうか?
いかがわしいことかな?
神社の奥の私の家に招待し縁側でお茶を飲む。
なんだかこんな時間は久しぶりな気がする。
いや、事実久しぶりなんだけど……
最近はお互いの家にも行かなかったから余計にそう感じるのかしら?
彼とこうして時間を過ごすのは嫌いじゃない。
むしろ、幸福感まである。
でも、だから気になってしまう。
「ねえ、さっきは何を拝んでいたの?」
「え!? え、えーっと……」
彼は明らかに驚いた顔をした。
聞かれると思わなかったんだろうか?
まあ、私が聞くはずないと思ってたんだろう。
実際、私も彼じゃなかったら聞かなかったかも知れない。
目が合う。
いつもなら、私の方が目をそらしてしまうが今はそうはならなかった。
彼が目をそらす。
「ねえ、教えて」
彼が逃げられないように手をつかんで真っ直ぐに見つめる。
「あ、あんまり言いたく無いんだけど……」
彼は拒否をするが私が聞きたいのだ。
「教えて」
もう一度言う。
観念したのか彼はため息を吐いた。
少し頬が赤いような……?
「……誰にも言うなよ?
こ、恋が実りますようにって……」
頭が真っ白になった。
は? 今なんて言ったんだ?
「……もう一回言って」
「え? あ、うん。
恋が実りますようにって」
好きな人がいたのか……
知らなかったし、気がつかなかった……
そう、なんだ……
「へー。そうなの。
その恋が実るといいわね。ま、うちの神社なんの神様かはわからないけど」
こういうときに思ってもないことが言えるとは思わなかった。
横目で彼の顔を伺う。
変な顔してるけどそれだけみたいね。
「おう。そうだな。
ずっと片想いは辛いからな。
まあ、明日ホワイトデーだし、そんときに伝えるよ」
「そう。ま、精々頑張りなさい」
その後のことはよく覚えていない。
あまりのショックで呆然としていたのだろうか……
断片的に夕飯を食べてもらって彼が帰ったというのは覚えていた。
一人になったあと、彼と話した縁側ですっかり冷めたお茶を飲む。
明日、彼は告白すると言っていた。
こんなに嫌な気分でホワイトデーを向かえるのは初めてだった。
俺は神社を出て一人、街灯で照らされている夜道を歩いていた。
「しかし、霊夢があんなことを聞いてくるとはな……」
本当に驚いた。
基本的に彼女は誰に対しても平等で興味が無いように見える。
その態度で周りからは敬遠されるが、興味が無いと言いつつ話し掛ければちゃんと返事をしてくれるし、喜怒哀楽がはっきりしているため、表情が豊かで可愛い。
そんな霊夢に俺が惚れるのはしごく当然だったんだろう。
霊夢は俺のことを何とも思ってないようで何度アピールを、失敗したことか……
バレンタインにワクワクして何も貰えなかった夜は思わず泣いてしまった。
少しでも意識して貰えるようにホワイトデーにマシュマロを毎年あげたけど効果はあるのかわかったもんじゃない。
「明日……だよな、うん」
そう明日だ。
想いが通じるように滅多にしない神頼みをした。
霊夢に聞かれたときは焦ったがあの様子では気づいてないだろう。
ホワイトデーが俺にとっての勝負の日になる。
言い結果になることを祈るばかりだ。
こんなドキドキしながらホワイトデーを向かえるのは初めてだ。
明日に淡い希望をかけながら俺は家に急いだ。
ホワイトデー遅れました……
ホワイトデー用のものが途中で東方とホワイトデーが関係の無いリアルでエグい話になっちゃたんで急いでこれを書きました。
東方の小説書くの初めてなんですよ……
好きなんですけどね。
以上、言い訳でした。