絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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これで、纏めたかった。orz

今回も練習回。

主人公は、中規模チートかもしれない。
途中半端な主人公。
最強と言えない理由が、今回チョロっと出てくるよ?

では、どぞ!


序章10

Side   ???

 

 

 

 

 

 

 

けたたましい、アラームが鳴り響く。

「お楽しみ」をしていた者も、眠りに就いていた者も、驚いて状況把握に奔走する。

 

 

《地上にて高エネルギー反応!!高エネルギー反応!!》

 

 

艦内放送に耳を済ませば、状況をある程度は把握できるが……しかし、彼等は開かれたウィンドに釘付けになっていた。

凄まじいまでの、極光がミッドチルダ上空の衛星を貫いている。一撃で半分以上を消し飛ばし、二撃目で月を一つと半分。三撃で二つの月は、この世から無くなってしまった。

 

 

「んな……アホな……」

 

 

呟く言葉に、力はない。

だが、事実は事実である。

突如、出現した高エネルギー反応と先程の月破壊。

それらが、意味する事を考えればすぐに答えは出た。

だが、その答えは誰も受け止められない。

なぜならば、惑星を破壊できる程の存在が自分達の懐に飛び込んで来るのだ。迎撃に出たところで、倒せる訳がない。

怒りや闘志よりも先に、恐怖心が彼等を縛っていた。

更に、【ゆりかご】の全機能が通常のモノへと戻っている。

失われた、二つの月の力を得ることはない。

これでは、【ゆりかご】陥落も時間の問題である。

抵抗は、無意味だろう。

 

 

 

 

ーー地上ーー

 

 

「彼等は、戦意喪失状態になっています」

 

 

「え……?」

 

 

「あれ程の魔法を見た後ですから間違いありません」

 

 

「…………」

 

 

「逃げ出す者もいるでしょう。自暴自棄に成って向かって来る者もいるのでしょう。ですが、私達にはそれを打ち倒すだけの力があります。そして、彼の助力もあります」

 

 

地上では、聖王教会の騎士達が【ゆりかご】に突入する準備を整えて今か今かと待ち構えていた。

その様子を眺めているのは、敵の心情予想を話半分に聞いていた如月双夜である。

 

 

「この戦いに勝って、未来を勝ち取りましょう!!」

 

 

『オオオオオオオォォォォォォ!!!!』

 

 

重鎮の鼓舞に、教会の騎士達が雄叫びを上げる。

それを冷めた目で見ながら、彼は聖王教会の重鎮が考える《敵の心情》に納得していなかった。ざっと考えて、惑星を破壊する存在に対して恐怖心を抱くというのはわかる。

それだけの恐怖を、彼は見せた。

だけど、恐怖に縛られているかは不明である。

だが、重鎮は恐怖のあまり彼等が「逃げ出す」という。

せっかく、手に入れたモノを放棄するのは惜しいだろう。

だが、命には替えられない……っというのが、聖王教会騎士全員の共通認識だ。

 

 

「それでは、【ゆりかご】に突入します!!」

 

 

それでも、彼は彼等が『既に諦めている』という考えは違うと思っている。

彼等は、諦めていない。

あれだけのモノを見ておきながら、彼が予想する敵の動きは全力抵抗。逃げる者は、少ないと思われる。

何故ならば、この程度で逃げるような相手が【次元消滅術式】搭載型の爆弾なんて用意しない。

そもそも、そんなモノを用意する彼等が自らの命を勘定に入れているはずがないのだ。

彼等は、この計画が失敗に終わるようなら、全次元世界を巻き込んで無理心中をするつもりだろう。

そんな奴等が、高々あの程度の光景で逃げだすはずがない。きっと、【ゆりかご】内部で起こるであろう戦闘は、死に物狂いで向かって来る彼等との乱戦になるだろうと予想していた。

 

 

 

 

 

ーーー【聖王のゆりかご】内部ーーー

 

 

 

【ゆりかご】内部に如月双夜の転移魔法で移動した聖王教会騎士。そのすぐ後に、如月双夜がジャンプアウト。

早速、騎士達はAMFの洗礼を受けて魔法が使い辛くなっていた。だが、リンカーコアは正常可動中で《リンカーコア封じ》の影響はまだ無いようだ。

《リンカーコア封じ》……最も効果的な戦法としては、危機的状況下で使って殲滅しにかかって来る……が、妥当だろう。両サイドが、壁で前後からの挟み撃ち。

囲まれた状況で、リンカーコアを封じて一気に殲滅。

魔法を使わずに、騎士達がどれだけ戦えるかにもよるが……基本的に、そういう状況に陥る可能性は低い。

なったとしても、騎士達には補助系魔法が使える彼の使い魔が就く手はずになっていた。

言い出したのは、如月双夜本人だ。

《リンカーコア封じ》というレアスキルの存在を伝え、騎士達全員の魔法を使わない状況下での戦闘能力を確認。

その上で、彼の使い魔によるブースト後の戦闘を経験させて、使えるレベルであれば参加を許可した。

更に、使い魔との混合チームを組ませて死亡率を下げている。

 

 

「これで死んだら、運が無かったと諦めてくれ……」

 

 

「ええ。ここまでしていただいているのですから問題ありません!大丈夫です!」

 

 

シスター・シャッハが、彼の言葉に答え頷いた。

彼は、勇ましいシスターを見上げて溜め息を吐く。

そして、呟く言葉は「シスターって、こんなのじゃ無いんだけどなぁ……」と、どこか諦めた様な嘆きだった。

 

 

「防御魔法は、基本的に三角形になるから突っ立っていると頭撃ち抜かれて死ぬからな?しゃがむんだぞ?」

 

 

『はい!!』

 

 

「ここを拠点にするから、護衛と回復はここで待機な?負傷者が出たら、ビーストが引きずって戻るから……扱いに関しては、先に謝っておく!!」

 

 

『はい!!』

 

 

「この周辺は、既に俺が殲滅済みなのであしからず。ルートの確保は、使い魔がするから気にせず蹂躙してくれ!」

 

 

『はい!!』

 

 

「って訳で、一部の使い魔はここに残りまーす。医療班の護衛として頑張って!!」

 

 

『はい(ヘーイ)(うッス)(了解)』

 

 

「負傷者は、ビーストが運んで来るからサクッと治療して前線に送り出すように!」

 

 

『はい(ヘーイ)(うッス)(了解)』

 

 

「彼等は、戦闘初心者じゃないけどリンカーコアが封じられたらフォローをよろしく!!」

 

 

『はい(ヘーイ)(うッス)(了解)』

 

 

「じゃ、戦闘開始だ!!」

 

 

『オオオオオオオォォォォォォ!!!!』

 

 

騎士達が、我先にと拠点から出て行く。

彼は、とても清々しい気分でそれを見送った。

そして、騎士達の後を追うのはピクニックへ行くような足取りで拠点を後にする使い魔達。

それを彼は、鬱な気分で見送り溜め息を吐いた。

 

 

「いや、マジで再教育しなきゃ……」

 

 

彼は、使い魔達の再教育を心に誓い、自分も拠点から出て行く。

 

 

 

     ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

彼がしばらく歩くと、マシンガンを持った一団とカプセル型のガジェットと呼ばれる機械の混合部隊と鉢合わせする。

彼は、前面に防御魔法を展開。

それと同時に、敵はマシンガンやレーザーを乱射した。

敵の攻撃が、自分の防御魔法を貫く程では無いことを確認した彼は後ろを振り返る。

 

……誰もいない。

 

前に向き直り、片足を少し上げてトンと床をノックする。

すると、影が意思を持ったように動きだし、盛り上がって蕾が開花するかのように広がった。

次の瞬間、その開花した影が敵に向かって爆発的に伸びて行く。ソレは、敵の近くまで至ると刃の形に成って暴れた。

【闇】又は【影】を操る魔法だ。

正確には、【魔力の刃】を【闇】又は【影】に見立てて操る魔法である。

今回は、【影の刃】ーー魔力刃ーーとして操っているわけだが、本来は暗闇の中で敵を暗殺する為の魔法だ。

物理的な刃と化した魔力が、敵を切り裂く。

僅か数秒程で、ガジェットも敵もバラバラのオブジェクトと成り果てた。

 

 

「悪いねぇ、俺の攻撃には非殺傷設定とか無いんだわ……」

 

 

言って、オブジェクトを踏み越えて前へ進む。

バラバラにしたソレを踏み越えると、十字路に出た。

選択肢は、三つ。前か、右か、左か。

 

 

「フム。ここで、敵が来るのを待つ……という選択肢もありか……」

 

 

スパンッ!!と快音が如月双夜の後頭部で発生する。

 

 

「痛い……」

 

 

「そんな選択肢はありません!!」

 

 

彼が振り返れば、使い魔がハリセンを持って出現していた。

戦闘時には、廊下の先まで誰もいなかったというのにどこから出現したのやら。

彼は、首を捻って使い魔を見ている。

彼の使い魔の中には、空気に融けるように同化して情報を集めてくる者もいるので、そういう類いの魔法で隠れていたのだろうと彼は自己完結した。

 

 

「ここは、こちらが引き受けますから……マスターは、三択をお願いします」

 

 

どうやら、後からやって来た使い魔がこの十字路を受け持つらしい。

彼は、不満気に使い魔を睨むと右の通路へと進んでいく。

もちろん、歩きではない。

基本、無重力ではあるが……飛行魔法で移動している。

体力は、できる限り温存。身体が縮んでいる分、体力も落ちている事は明白だ。その代わり、魔力は溢れんばかりにあるので、どんどん使っていく。

しばらく進むと、部屋全体が真っ白な場所に出る。

床に降り立ち、周囲を良く観察するとこの部屋全体がライト張りされていることがわかった。

つまり、この短時間で闇魔法対策を整えたということだ。

ライトアップされれば、闇の魔法が使えないとでもおもったのだろう。しかし、魔力の刃を闇に見立てて操る魔法であって純粋な闇の魔法ではないのでこの対策は失敗に終わる。

そう結論に行き当たった彼が溜め息を吐いた瞬間、ダガッ!ダガッ!と、全方位から光を浴びせられた。

 

 

「くっ!!……闇魔法対策かっ!!」

 

 

あたかも、苦虫を噛み潰した様な顔をする如月双夜。

悔しげな声と態度で、憎々しげに吐き捨てる姿を見る限りノリノリであることが伺える。

生体反応からして、彼は包囲されていた。

注意深く、周囲を伺っていると輝く柱の影から、敵が現れて銃口を向けてきた。彼は、渋々防御魔法で苦戦しているかのように360度全域障壁を展開する。

そんな彼に対して、哀れみの表情を浮かべ攻撃を開始する敵。しかし、彼の障壁には罅一つ入ることはない。

 

 

「っ!!援軍はまだかっ!?」

 

 

俯いて、そんなことを喚く彼。

 

 

「ぐあっ!!……くっ、も、もう、持たないっ!!」

 

 

パリンッ(?)と割れた隙間から、アサルトライフルの銃弾が腕を掠めて行く。

 

 

「く、クソッ!こ、ここまでかっ……!!」

 

 

ある意味、全力でこの状況を楽しんでいる様にも見えた。

 

 

「ああ!?プロテクションがぁっ!!!!」

 

 

ヒビの入ったプロテクション(?)が割れ、防御を失いその小さな体を銃弾の嵐の中に晒す。

 

 

「っ!!」

 

 

敵は敵で、そんな彼の言葉を真に受けてニヤニヤと笑っている。

そして、彼は蜂の巣(?)にされて倒れた。

 

 

「なーんちゃって……人間の体の中にも闇は溢れているんだぜ?《シャドウエッジ(影の刃)》!」

 

 

代わり映えしない戦術に飽きたのか、ネタバラシ。

そして、一人の敵が『内側から弾けた』。

まるで、風船になった様にブクブクと膨れ上がり、ボンッ!と血と肉を撒き散らしてバラバラに。

 

 

「うわああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

それを直に見てしまった運の無い敵が、悲鳴をあげる。

もしかしたら、飛び散った肉片が、顔にでも貼り付いたのだろう。敵は、精神ダメージを負った。

 

 

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

身体から黒い針状の刃が突き出て、針ネズミになっている敵がいた。「ゴフッ」と吐血して、絶命する。

他にも、たくさんの死が溢れていた。

頭があった場所に、黒い塊が鎮座している者もいた。

血は、噴き出してはいない。

だが、見るからに死亡している。

【影】が、口から溢れ仲間の頭を殴り潰している者いた。

阿鼻叫喚地獄の叫びが上がる中、彼は冷徹な表情を崩さない。それどころか、積極的に残虐な方法で拷問・殺害を展開し始めた。

 

 

「があっ!!」

 

 

最後の一人を始末すると、真っ白だった部屋は8割近くの赤黒に染まっていた。

如月双夜が、周囲を見回して溜め息を吐く。

どうやら、突き当たりの部屋だった事に落胆したようだ。

元来た道を戻り、十字路を真っ直ぐ通り過ぎる。

左側には、何故か道の真ん中で腕を組み仁王立ちをしている使い魔がいた。

それを、怨念を込めた視線でビビらせながら進む。

暫く惰性に任せて飛んでいると、通路を埋め尽くさんばかりのガジェットシリーズがこちら目掛けて進んできた。

如月双夜は、意を介すことなく進んでいく。

そして、何もしないままガジェットシリーズを無視して突き抜けた。追っかけて来るガジェットすら、気に留める事なく進んで行く。それもそのはずだ。

ガジェットシリーズが、どれだけ攻撃しても彼には傷どころか掠り傷一つ付けることができない。

彼は、ガジェットの一団から少し離れると立ち止まった。

そして、目を閉じて待つ。割りと早い段階で、「ぎゃあああぁぁぁ!!」と悲鳴が聞こえた。

 

 

「うっし!報復完了!」

 

 

ニヤニヤしながら、そう呟くと彼はそのまま先へと進む。

どうやら、十字路の使い魔の態度にムカついていた彼がガジェットを使って報復した様だ。

だが、忘れてはいけない。

今も彼は、蜘蛛型のガジェットから攻撃を受けている。

その刺々しい刃の足で、ガスガスと攻撃されていた。

「うーん♪」と伸びをし、ニヤニヤとした顔で進む彼のせいで最早攻撃にすらなっていない様に見えるそれは、間違いなく死傷レベルの攻撃だ。しかし、完全無視の上完全放置状態のソレは哀れを通り越して『愛嬌』になりつつあった。

 

 

 

 

閑話休題

 

 

 

 

突き当たりまで行って、何もない事を確認した彼は十字路まで戻って来た。

見れば、ガジェットの残骸が山積みになっている。

『きっと、使い魔が一人で片付けたのだろう』と考えて彼は固まった。そこにいたのは、使い魔が三体。

 

 

「…………」

 

 

「あ、マスター…………えっと……」

 

 

未だにガスガス攻撃されている彼と、ガジェットをチームプレーで片付けた使い魔達。微妙に気まずい空気が流れる。

 

 

「遠隔操作カット」

 

 

蜘蛛型のガジェットが、ピタリ、と停止する。

 

 

「操作術式起動」

 

 

新たな命を吹き込まれたガジェットが、ガション!と音を立てて立ち上がった。

 

 

「強化術式最大展開」

 

 

グレーだったガジェットが、赤色へと変色した。

 

 

「防御術式最大展開」

 

 

蒼白いオーラーに包まれたガジェットが、彼を護るように前に出る。

 

 

「オレノイイタイコトハワカルカ?」

 

 

「え、えっと……」

 

 

「OK。死にさらせっ!!!!!」

 

 

赤色へと変色したガジェットが、使い魔達へと飛び掛かった。

 

 

 

 

     ◆     ◇

 

 

 

 

如月双夜の加護をフルで受けた蜘蛛型ガジェットは、使い魔三体をあっという間に倒し、彼のお供として今は行動を共にしていた。

 

 

「全く、広域魔法専門の俺に個人戦させといて、自分らはチーム戦とか頭おかしんじゃないか?」

 

 

ブツクサと文句を呟いているが、普通に戦えている分広域だろうと個人だろうと関係はない。

そして、今や【ゆりかご】のシステムすら掌握し始めている辺り、まともに戦う気もなさそうだった。

 

 

「侵食術式は、通常稼働中……ってか、あんまり抵抗らしい抵抗感が無いんだが……使われている魔法系統が、違うのが理由か?」

 

 

一割程、彼の侵食を受けているにも関わらず、未だに抵抗する気配がない。気が付かれていないのかなぁ?と首を傾げる彼とは裏腹に侵食されている側はというと……。

 

 

『侵食、停まらないぞ!?』

 

 

『防衛システムちゃんと動いているのか!?』

 

 

『動いてるよ!?なのに……停まらないっ!!』

 

 

大慌てだった。数人がかりで、彼の侵食の対応をしているが、全く侵食が停まらない。それどころか、防衛システムも防衛魔法もスルーしてどんどん侵食していく。

 

 

『これ、防衛システムも侵食されてないか!?』

 

 

『闇の書の防衛プログラム並なんだろう?ゆりかごの防衛システムって!?』

 

 

『はあ!?なにそれ、恐い……』 

 

 

『ってか、意味無いじゃん……防衛システムとか……』

 

 

防御系統が、紙扱いと化しているらしい。

そもそも、彼が使っている術式にしろ技術にしろ【鮮血の小悪魔】が関わっている代物だ。

アルハザードの流出物であろうが、神様特典だろうが関係ない。問答無用で、ガリガリと削る様に侵食していくだけである。

 

 

 

     ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

世界の枠から、溢れた者達が集う場所がある。

そこは、まだ世界どころか次元とも言えない混沌とした【次元誕生予定地】扱いのままの場所。

通称【ゼロ次元】。

『神』も『悪魔』も『命ある者』も至れない【死の空間】。虚無に等しいその場所に【世界】を構築した奴がいた。

【始まりの魔法使い】。

別名、【神々が造りし魔導兵器】。

世界創世時代で、神魔戦争に参加させられた魔導師。

元々は、人間だったらしい。

ただ、魔導師としてのポテンシャルが圧倒的に高く、『神族』ですら凌ぐと言われていた為に神々に捕まり、兵器改造を受けさせられた存在。

それまでの記憶と人格を失い、悪魔と戦うだけの戦闘兵器と化していた。それがある時、人間だった時の人格が戻ってしまい反乱を起こす。

『唯一絶対神』を殺し、『魔王』を殺し、強制的に【神魔戦争】を終了させた功労者。

更には、【創世中世界】ですらも消滅させた人物である。

その後、【始まりの魔法使い】は【世界】に“とあるシステム”を追加して再構築した。すなわち、【世界創造】を“元”人間の身でやらかしたのである。

そんな彼が創った【世界】の一つが、【セフィロト】と呼ばれる恒星級惑星であった。

そこには、【世界】から溢れたありとあらゆる【存在】が集まっている。逸脱した【バグ系】や【チート系】の能力を所有したキチガイもいる訳で。

その中に、【科学専門チート】があった。

オーバーテクノロジーを造り扱う天災(天才)科学者。

必要な理論は、レアスキルで世界の基本物理構造からデータを抽出。それを基にスキル&知識を駆使して、技術力をガンガン昇華。

まさに、【神域の科学者】と言われている。

 

 

 

     ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

そんな馬鹿が造った、キチガイ侵食系理論。

それを基に造られた術式が、そうそう簡単に破られるはずもなく……抵抗らしい抵抗もできないまま、【聖王のゆりかご】は侵食されていくだけだった。

 

 

『くそっ!隔離とかできないのか!?』

 

 

『そんなことしたら、【ゆりかご】の制御に支障が……』

 

 

『だが、これ以上の侵食は……』

 

 

『……やもを得ないかっ!!』

 

 

迫られる決断に、彼等は苦虫を噛み潰した様な顔で応じた。一部、システムの遮断。それにより、一時的に侵食を受けている区画のシステムが停止する。

 

 

『これで……』

 

 

『バカなっ!?侵食、なお拡大っ!!【ゆりかご】艦首方面とのリンク切断された!?』

 

 

『はあ!?』

 

 

『切断された艦首方面の侵食……は、速いっ!!駆動炉侵食……う、嘘だろう!?【ゆりかご】のシステム、今ので六割持っていかれたぞ!?』

 

 

『……( ; ゜Д゜)』

 

 

『……( ; ゜Д゜)』

 

 

『……( ; ゜Д゜)』

 

 

対策に駆り出されていた全員が、その決死の決断による結果に呆然とした状態で硬直することになった。

その間にも、侵食は進んで行く。

【聖王のゆりかご】の全システムが乗っ取られたのは、その数分後だった。

 

 

『…………はは。どんなチート特典持ってたら、こんなことになるんだよ!?』

 

 

『該当するスキル……思い当たるか?』

 

 

『……とある超電磁砲……とか?科学系チート?』

 

 

『惑星破壊が可能な能力あったか?』

 

 

『アクセラレーター……いや、それじゃあの攻撃の説明が……』

 

 

現実逃避を始めたバカ達。

彼等に、最早戦意はなかった。

これだけ完璧にシステムを乗っ取られるとぐうの音も出ない。その中には、科学系チート特典を貰った……【次元消滅術式】搭載型爆弾を造った科学者もいた。

決断をしたのも彼である。真っ白に燃え尽きた状態で、グッタリと椅子に座っている。

その間にも、【ゆりかご】のシステムが侵食されていく。

そして……【ゆりかごの鍵】であった少女が、王座からアッサリ切り離された。

それと同時に使い魔達が、【ゆりかご】の玉座になだれ込み少女は、使い魔達によって救出される。

 

 

「…………」

 

 

少女が切り離された事によって、本来なら【聖王のゆりかご】はシステムダウンして休眠状態になるはずだった。

しかしなお、【聖王のゆりかご】のシステムが維持されていたのは如月双夜の都合である。

理由は簡単。【ゆりかご】を地上へ降ろすためだ。

ゆっくりではあるが、【ゆりかご】は衛星軌道を外れ降下を開始。数十分後には、大気圏に突入するだろう。

 

 

「……さて、迷った……」

 

 

何処まで行っても、代わり映えしない通路に辟易する。

背後を振り返り、誰もいない事に溜め息を吐く。

 

 

「とりあえず、大気圏に入ったら……一直線に突き抜いて……」 

 

 

その考え方は、どこぞの『白い悪魔』に通じるのだが……本人は、気が付いていない。自分が、影響を受けている事も彼女らに執着していることも全く。

ただ、彼は焦っていた。この半年、ずっと救出したかった人達がここでどんな目にあっているのかわかっていたはずなのに後回しにしてしまった事に。

あの若き母親達が、どんな状態なのか想像できるが故に焦って……周り全て破壊してでも、探し出したかった。

でも、自分の魔法では安全確実には探し出せない。

時間がかかっても、一部屋一部屋を捜し回らなければならなかった。

フワフワと浮遊魔法で漂いながら、彼女達が捕まっているであろう牢屋か部屋を探す。できれば、わかりやすい牢屋が良いなぁ……などと考えながら、ある部屋の扉を開けた。

中を覗いて、硬直。

扉を閉めて、回れ右。

直後、全力疾走で離脱する。

 

 

「無理!!彼処には、入れまてん!!」

 

 

回線を開いて、使い魔達に助けを求めた。

自分だけでは、荷が重いので部屋にマーカーを打ち込むだけ打ち込んで、その場からトンズラしたのである。

 

 

「はいはい。逃げちゃダメでぎゃ!!」

 

 

救援を求められた使い魔の一人が、彼の元にやって来て現状を理解し、彼を止めようとして跳ねられた。

跳ねられてしまった使い魔は、切りもみしながら壁に激突。

そのまま、壁から脱け出せなくなる。

 

 

「ちょ……酷い……」

 

 

それも、仕方がないと言えよう。

彼の意識が、恐怖で染められて逃げるのに必死。

しかも、限界突破した身体能力を更に強化魔法で強化。

今の彼を止められるのは、側近の使い魔ぐらいである。

 

 

その後、使い魔達がその部屋に突撃し、中にいた女性達を無事救出。

彼女達を弄んでいたアホ共は、如月双夜が最も残酷な方法で殺害した。

また、最深部を探索していた使い魔達が首謀者とおぼしき数人を見付け出し確保。

聖王教会の重鎮に差し出す。

その数人以外は、全滅という結末となった。

 

 

 

      ◆     ◇

 

 

 

◆◆◆被害報告◆◆◆

 

 

時空管理局、襲撃時に20人死亡。

第一回【聖王のゆりかご】突入時に57人が死亡。

【次元消滅術式】搭載型爆弾処理時に13人が死亡。

次元世界に出向していた営業担当&技術者が27人死亡。

第二回【聖王のゆりかご】突入時に113人が死亡。

確保された8人。合計238人の転生者が、この【聖王のゆりかご】に関わっていた計算だ。

救出された女性達、スカリエッティの戦闘機人含む22人。

リンディ・ハラオウン…死亡。

戦闘機人クワットロ…死亡。

名も無き時空管理局職員(使い魔曰く美人)28人…死亡。

次元世界(有人)……52世界消滅。

次元世界(無人)……64世界消滅。

時空管理局……全滅。

地上管理局……消滅。

ミッドチルダ……消滅。

これからも被害は、拡大すると予測される……。




被害が、適当に(笑)

そして、戦闘機人までも被害者に……。
クアットロさん、抵抗&煽り過ぎで死亡した?

リンディ・ハラオウン、死亡。
本来なら、エイミィさんだったはずなのに……どうして!?

主人公に至っては、『裸』の集団に逃げ出す始末。

はてさて、10話で纏まりませんでした(笑)
12話で、無理矢理にでも纏める所存です。

感想があれば、カキコよろしくです。



〇作者が主人公を、チート認識できない理由です。
注※主人公の生まれた世界ではありません。
アレとは、別のお話になります。

オリジナル小説の『その後』に如月双夜が至った世界での話。まあ、世界という枠組みから外れてしまった……もしくは、外されてしまった人達の集まる場所。
そこで、外れた者同士皆でワイワイするお話です。
題名は、【次元の果てから】。
如月双夜に関係する登場人物達ですね。
それほど多くは無いのでチョロチョロ出て貰ってます(笑)

【始まりの魔法使い】=【神々が造りし魔導兵器】←絶望

【創世の湖】=【風紀委員】←最強

【神域の科学者】=【鮮血の小悪魔】←悪夢

とかとかあるけど、二つ名(黒歴史)ではなく呼び名です。

一応、普通の名前もあるんだけど如月双夜が勝手に呼び始めた愛称で、そのまま定着したモノ。
因みに、「セフィロト」のスリートップ。

代表というか王様(?)の【魔導兵器】(魔導系チート)。
副代表の【風紀委員】(生産系チート)。
組織代表の【鮮血の小悪魔】(科学系チート)。

こいつらがいるせいで、如月双夜がチートにならなかったり……(笑) ぶっちゃけ、【風紀委員】と【鮮血の】がいれば軍隊チートは普通にできるし……(笑)

如月双夜の【S・ミリオネア・アガシオ】いらねぇ(笑)
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