絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!

神崎くんの武器名募集中!!
神崎くんの格好いい中二病溢るる武器名を考えてみませんか?感想でも活報でも良いのでカキコよろしくです!!
テーマは、【重力】です!!


八六話

Re:

 

 

「あ………ううっ……………じゃあ、脱ぐよ!?」

 

フェイトちゃんが、決死の覚悟の表情でバリアジャケットの肩口を掴み脱ぐ真似をした。ここで、俺の弱みを使って脅しているのだろうが……残念。

その脅しは、現状意味が無かった。

 

「…………全次元『生』放送イケる!?」

 

「ーーーカメラ回しますっ!!」

 

「ーーーーー中継局、確保しました!!」

 

だから、適当にテオルグに声を掛けた訳なのだが……テオルグが、ゴツイカメラを担いでレンズをフェイトちゃんに向ける。ラヴォルフが、いつの間にか開いていた全使い魔通信で呼び掛けて即テレビ局が抑えられてしまう。

こういう時だけは、鉄壁の結束を見せてくれる使い魔達だった。

 

「…………ほら、脱いでみなよ。全次元『生』放送で、裸体を晒してみろよ……ウチの使い魔舐めてると痛いぞ?」

 

「ううっ……」

 

『生』中継を演出する為か、それぞれのロゴの入った画面が空中に投影される。見れば、ラヴォルフの依頼を受けた使い魔達がまるで本物のテレビを乗っ取っているかのような演出をしているようだった。即ち、八百長(笑)。

しかし、フェイトちゃんにはそれが本当なのか八百長なのかわからない。何故ならば、しっかりとニュースキャスター達まで再現されていたからである。普段、テレビニュースを見ている者ならば直ぐに気が付けるトラップ。

見慣れたニュースキャスターが、画面に映る自分自身を困惑気味にカメラの前の人々に伝えていたからである。

結果、羞恥心が天元突破しちゃったフェイトちゃんは身体を抱き締めてヘタリ……としゃがみ込んでしまった。

 

「あるぇ?脱がないんですかぁ?」

 

「ううっ……酷いよ。双夜っ……」

 

「脱がないのなら、なのはママ一人に任せてないで……フェイトちゃんも戦場に向かったら?因みに、首都では八神はやてが守護騎士達と頑張ってるから援軍は望めないよ?」

 

「ううっ……どこまで、本気なの!?」

 

「どこまでって……世界を滅ぼす事も辞さない!」

 

「何で!?何で、こんなことをするの!?」

 

「このイベントは、本来ならば君達が幼い時に起きていなければならない事件だったんだ。少し、遅くなったけれど世界のバランスの為に起こす事にした訳だ」

 

「バランス?」

 

「まあ、頑張っておいでよ。僕達は、手伝わないから♪」

 

フェイトちゃんがここにいる為か、僕達まで攻撃対象になっている状況で観戦する気満々の俺を神崎が呆れたような顔で見ているが知らんぷり。神崎は、行きたいだろうけど空を飛ぶ事が出来ない故に観戦している。

神崎の魔法が使えないっていうのは、魔法の基礎を知らない事が原因だろう。まずは、その辺りから教えていく必要がありそうだ。とはいえ、流石に神域の魔法を教える訳には行かないので……根本はそのままだけど、構造の違う妖精魔法や精霊魔法の方を教える予定だ。

一度見たキリだけど……土属性系の魔法ならば、応用編に突入すれば『重力』も操る事が出来るようになるだろう。

派生属性は、『上手くかち合えば』って条件はあるけれど……四代元素の一つだ。『土』から派生するモノは少なくはない。特に、妖精魔法との相性は高いだろう。

園芸系方面なら、最強を手にする事ができる。

因みに、『園芸』と聞いて農業的なモノを考えるのは間違いだ。この場合の『園芸』は、『植物に関して』や『それに属する全てに通ずる』という意味合いになる。

妖精の悪戯に出てくる、薬品や物品は多いから間違いなく専門家に成れるレベルだな。後は、当人の気力次第だ。

 

「ねぇ、双夜ぁ……手伝って?」

 

「ヤダヨー」

 

「ね?お願いだから……ユーリだけでも、ね?」

 

「フェイトちゃんは、大人なんだから……見た目幼児な僕等に頼まないでくれるかなぁ?」

 

「ううっ……」

 

「にゃあああ……はぁはぁ。フェイトちゃあんまだぁ!?」

 

 

フェイトちゃんが、俺達に食い下がる中……疲れた感じのなのはママが、俺の防壁の中へと入ってきた。その為、ナハトヴァールの砲火が俺の防壁に集中し始める。

 

「もう!ソウニャくん、何でも良いから手伝って!!」

 

「エー……ヤダヨーォ↘。面倒臭いぃー……」

 

「アレ、呼び出したのソウニャくんだよね!?」

 

「だからこそ、嫌なんじゃないかぁ……」

 

「手伝ってくれたら、罪も軽くなるんだよ!?」

 

「前みたいに、僕がいなくなったらみんな忘れるよ?」

 

『……………………』

 

それ程、重要な事を言ったつもりは無かったはずなんだけど……俺が『忘れる』と言った瞬間、なのはママ達にとても悲しそうな顔をさせてしまった。

 

「そんな、悲しくなる事言わないで……」

 

「そうだよ、双夜……それが、当たり前何だとしても、あまり言って欲しくはないかな……」

 

「師匠、女性を悲しませるのはどうかと思うのですが……」

 

「親を困らせるのは、子供の特権!」

 

「……………………それは…………」

 

「……うっさいなぁ!」

 

指をピンッ!と弾いて、先程から集中砲火をしていたナハトヴァールの一体を蒸発させる。神崎が、それを見て『ゲッ!?』とか言ってたけど、何をそんなに驚く必要があるのか俺にはわからない。

 

「………………復活しない!?って事は、完全沈黙!!?」

 

「はい、手伝ったよ。後一体は、なのはママ達で頑張って!さあ、行った行った!!」

 

面倒臭そうに、手を数回払う。

何故か、今度はとっても不満そうに俺を見ているママ達だが、そんな事を気にはしていられないので俺はお茶をコップに注いで飲む。

 

「…………行くよ!フェイトちゃん!!」

 

「……わかったよ!なのは!!」

 

ママ達は、残りの一体を倒す為に僕の障壁から出でナハトヴァールに向かって行く。それを見送って、支援系魔法を発動させた。この世界の魔法ではない、俺等人外の魔法だ。馬鹿にすら、気が付かれ無かった事から俺の隠蔽魔法はそこそこ高いらしい。たまに、超直感で気が付くから侮る事は出来ないけど、その直感を魔法習得にも遺憾なく発揮して欲しい処だ。

 

「本当に、見ているだけなんですね……」

 

「誰かさんが、空を飛べないからだよ!!僕等がいなくなっても、空飛べない奴では修正もクソも無いだろう!?」

 

「あ……スンマセン……」

 

「魔法が使えないんじゃあ、障壁走りも出来ないし……ユーリとタッグ組ませた処で、そんな熟練の技術をにわか仕込みで出来る程世の中は御都合的に出来てないからな?」

 

「デスヨネー……」

 

「お前が、フェイトちゃんと付き合っている時間をそっちに回していれば、こんな事にはならなかったんだが……」

 

「ブーメラン!?」

 

「普通は、考えて当たり前なんだよ!魔法が使えないなら、使えない者なりの戦い方ってのを!!ユーリだって、頑張ろうとしている者の熱意を踏みにじったりはしない。ちゃんと、手伝ってくれていたはずだ。それを、この踏み台様は……」

 

「スイマセン!ごめんなさいっ!!頑張ります!!」

 

「口先だけは、達者なんだから……」

 

「ううっ……そんなぁ…………」

 

「兎に角、お前はユーリに頭を下げて手伝って貰え。ある程度、使えると判断したら前線に引っ張ってやるから!」

 

「はい……」

 

「結局、使えない守護騎士になるのなぁ……お前……」

 

「ううっ…………」

 

「…………とっと、位置的にヤバイかな?」

 

気が付けば、目の前にナハトヴァールが迫っていた。

別にナハトヴァールが、俺達に向かって突っ込んで来た訳ではない。なのはママ達が、戦闘を通じてナハトヴァールを誘導しただけの話である。

そして、見上げればなのはママが収束体制に入っている訳で……俺達纏めて、SLBで八つ当たりを実行するつもりなのだろう。

 

「全力ぅ……全開いぃっ!!スターライトォ……」

 

「雷光一閃、プラズマザンバー……」

 

「リンカーコア生成……ブレイクッ!」

 

なのはママ達の声が聞こえる。だから、その収束魔法を強化する為に魔力を追加で散布した。その上で、神崎を障壁の外に追い出して『神崎バリアー』を実行。

 

「ちょ、師匠っ!洒落になりませんて!!!」

 

「頑張れ、神崎っ!!もしかしたら、覚醒して魔法が使えるようになるかも知れないぞ?」

 

「なるか!?師匠も言ってたじゃないですか!!基礎を知らないから使えないって!!」

 

「さあ、目覚めの時だ。神崎大悟!!頑張って、魔力障壁を張るんだ!!」⬅鬼

 

「は、張れるかぁ!!!!」

 

『ブレイカアアアァァァーーー!!!!!!』

 

「ぎゃあああぁぁぁ!!!!!」

 

神崎の悲鳴が、空に響き渡る。

魔力強化をして、防御に徹していればダメージなんて受けなかっただろうに……直ぐに、それに思い当たらないとはサボっている証拠だった。

 

「はあ……」

 

「…………ん……」

 

「あ、ユーリ起きた?」

 

「……双夜?」

 

「終わったみたいだよ?」

 

「え?終わったんですか!?」

 

ガバッ!と起き上がって、周囲を見回すユーリ。

その視界には、無限再生の能力で血を骨を肉を盛り上がらせて再生するナハトヴァールの姿が写る。小さな悲鳴と共に、ユーリが俺に飛び付いて来たので抱き締めて頭を撫で撫でしてみた。

 

「ごめん、ごめん。まだだったみたいだ……そっか、無限再生機能が有る限り、倒せないんだったなぁ……」

 

ラヴォルフに神崎の回収を任せて、俺達はその場から退避する。もう、ぶっちゃけ殺る気なし。なのはママ達が、涙目で追いかけて来るけど気にせずに逃げる事にした。

 

「待って!どうして、逃げるの!?」

 

「その台詞は、後ろを見てから言って欲しかった!!」

 

「後ろ…………っ!?」

 

「兎に角、僕は行くね?」

 

「さっきみたいに、倒しちゃってよっ!!」

 

「何で僕が!?エースオブエースなんだろう?ガンバッ!なのはママ!!管理局の『白い悪魔』の名は伊達なのかい!?」

 

「悪魔じゃないよっ!!」

 

「言われてるじゃん!!」

 

「マスター、回収してきました!!」

 

「おう、お疲れ!!じゃ、撤退だ!!」

 

「ソウニャくんっ!!」

 

「あーハイハイ。転移(ボソッ)……」

 

てな訳で、俺達を追い回していたナハトヴァールは八神はやて達の元へと送られたのでした。多分、ミッドの方では、八神と守護騎士達が二体目の出現に泣いている頃でしょう。そして、目の前から消えた事により、倒されたと勘違いしたなのはママ達が今度は俺達を追い掛け始める。

 

「もう!なんで、付いてくるの!?」

 

「ソウニャくんが逃げるからでしょ!?」

 

通信妨害を展開してあるので、ミッドの状況をまだ理解していないらしい。まあ、まだ教えるつもりもないのでこのまま追いかけっこは継続するのだが(笑)。

 

「逃げて無いよ!移動中なだけだよっ!!」

 

「まだ、何かするつもりなのっ!?」

 

「と、捕捉……うっさいなぁ……良いだろう?何でもっ!」

 

「ダメだよ!はやてから、目を離すなって言われてるんだから!!」

 

「エー……」

 

等と面倒そうに、非難の声を上げつつ急降下。

そして、逃げるジェイル・スカリエッティの目の前に降り立った。

 

「こんにちは♪!!」

 

「くっ!?管理局の追ってか!?」

 

急ブレーキを掛けて、ジェイル・スカリエッティ一味が立ち止まる。それを確認した上で、一歩踏み込みジェイル・スカリエッティを背負っているトーレに一気に捲し立てつつお願いを押し付けた。

 

「悪いんだけど、僕の代わりに管理局の白い悪魔と金色の死神に追い掛けられて!!」

 

『は!?』

 

唐突に告げられた事に、全く着いていけないジェイル達を放置して、俺は背後に降り立ったなのはママ達に大声で言った。

 

「ジェイル・スカリエッティだあ!!ここに、広域次元犯罪者がいるぞー!!!!!」

 

『って、ええっ!?』⬅ママ達

 

『って、ええっ!?』⬅ジェイル達

 

「サラバ!!」

 

ジェイル・スカリエッティ一味を囮に、俺達はそこからミッド方面へと飛び去って行く。

 

「調度、良い所に次元犯罪者がいて良かったぁ!!」

 

「鬼だ……ここに、鬼がいる……」

 

「なのはママ達は……追い掛けて来ないね♪ このまま、離脱して隠れちゃおう!!」

 

「かくれんぼですね!!」

 

「うん!多分、ナハトヴァールが倒されたら僕達は別の平行世界に行く事になる訳だけど……その前に、寄りたい場所があるから……《ルール・ブレイカー》が使えそうな場所を確保する必要がーー」

 

「こらぁ!!ソウニャくん、待ちなさーい!!」

 

「って、追い掛けて来たよ!!?」

 

「なのはさん、ジェイル・スカリエッティはどうしたんですか!?」

 

「プレシアさんが、来てくれたの!!」

 

『親バカ参戦!?』

 

「プレシアちゃんが……来なくて良いのに……」

 

「ジェイルが、ミディアム風になるイメージしか沸かない……ナムナム(ー人ー)……」

 

「拝まないで下さい!!」

 

神崎が、不吉な事をしているが気にせずにスピードを上げて行く。ユーリと神崎を紫天の書に収容し(躯体放棄ではない)、テオルグとラヴォルフを他の使い魔達の元へと送る。

最終的には、全員を回収してから《時渡り》をする訳だが……と、背後から迫って来るような気配がして、俺は【真実の瞳】に従って左に避けた。

その直後、真横をピンクの極光が通り過ぎて行く。

 

「ーーーーー」

 

『あー……流石、なのはさん……』

 

紫天の書から発せられる、神崎の声を聞きながら振り返るとレイジンクハートをこちらに向けて再度DBをチャージするなのはママの姿があった。

 

「らしいっちゃー、らしいけどなぁ……」

 

『次、来ますよー?』

 

言ってるそばから、第二射が来た。

とりあえず、非殺傷設定があるからって無茶し過ぎである。先程、SLBを撃って疲弊した状態でのDBが、リンカーコアに掛ける負担を考えると色々とマズイ気がした。

 

「…………兎も角、逃げるよぉー!!」

 

「あ!待って、ソウニャくん!?」

 

『師匠、あまり離れると……』

 

「超遠距離砲撃が来るんだろ!?知ってるよ!!」

 

『来ましたよ!!』

 

「ディバイン……バスター!!」

 

演算処理は、マルチタスクで代理演算して収束込みのDBを撃ち返す。ほぼ、一瞬の収束だったけれど、威力の方は折り紙付きだ。俺のDBは、ママのDBを呑み込んで飛んで行った。そのまま、一気に距離を稼ぐ為に飛ぶ。

しばらくして、背後から再度迫って来る気配を感じたけれど難なく回避して俺はトップスピードへ。

砲撃を撃つ為に、一々止まって撃たないと標準が狂うなのはママと違って、こちらは【真実の瞳】が提示する標準に従って撃てば確実に当たる。そのスキル差で逃げ切った。

 

『卑怯ですね……師匠は!』

 

『なのはさんが、可哀想です……』

 

「勝てば官軍。聞ーこーえーなーい!!」

 

『なんて、子供ッポイ事を……』

 

「ともかく、ここにいればなのはママにはーーー」

 

「私には、何なのかな?」

 

「にゃ!?」

 

振り返れば、ブイサインをしている笑顔のアリシアとなのはママがいた。一息で、間合いを離すと首を傾げて考える。とりあえず、この場から離脱するにしても見付かった理由を見破らないと同じ事の繰り返しだ。

 

「ふっふっふっ。逃げても無駄だよ!私がいる限り、逃げられないからね!!」

 

「じゃあ、アリシアを撃破すれば良いんじゃないかな?」

 

「おおぅ……なのはちゃん、私を助けてくれるよね!?」

 

「大丈夫!護るよっ!!」

 

「…………むしろ、二人共捕まえた方が良いのかな?」

 

『……………………』

 

リンカーコアを胸から排出して握り潰す。

それを見たアリシアが、俺を卑怯者呼ばわりしているけど……そもそも、俺はリンカーコアを持ってない魔法使いだ。

ズゴゴゴゴ……と魔力を引き出し、一歩一歩なのはママ達に近付いて行く。すると、アリシアがなのはママの背後に隠れて背中を押した。

 

「ちょ、アリシアちゃん!押さないでよ!?」

 

「護ってくれるんだよね!?」

 

「えっと……ちょっと、キツいかな?」

 

「にゃははは。さあ、捕まえてやるぅ~♪……ッ!?」

 

「ーーーーー紫電……一閃!!」

 

笑いながら、二人を捕まえようと近付こうとするとガションという音と共にシグナムが落ちてきた。

 

「お前っ!?ナハトヴァールは、放置か!?」

 

「…………あれは、主はやてがお相手されている。私は、お前を捕まえるよう特命を受けているだけだ!」

 

「んん!?八神だけで、何とか出来るはずないんだけどなぁ……その為に、ロストロギア『聖王のゆりかご』突っ込んだのに……はてさて?」

 

『……………………』

 

「ちょっと聞きたいんだけど……『聖王のゆりかご』って何かな?」

 

「古代ベルカ発祥のロストロギアだよ?『聖王』は、ベルカ人なら知ってると思うけど……」

 

「……………………」

 

「まあ、超巨大な質量兵器だよ?まあ、火力だけは保証出来るんで突っ込んでみた訳だけど……役に立たないなぁ……」

 

「……………………」

 

「ソウニャくんは、何がしたいの!?」

 

「何がしたいか……しいて言うなら、調整?」

 

「調整???」

 

「そう。本来、迎えるべき未来が変則化したんで……そのバランスを取っているだけだよ?ついでに、次の事件も潰して置こうかなぁって……っていうか。本当に八神だけで、抑えられているの?アレを?」

 

魔力のブラックホールと神崎が称した、ゲペ〇ニッチを八神はやてだけで抑えられているはずは無いのだが……何が起きているのかサッパリわからない。

使い魔達からの情報収集も途絶えているみたいだし……そろそろ、本気で動くべきなのかも知れない。

ヒョイッとジャンプして、ビルの屋上へと飛び上がる。

ミッドチルダを見回せば、大暴れしている二体のナハトヴァールが確認できた。ただし、管理局の魔導師達の動きと同時に初めて見る新顔の姿もあったのである。

 

「ああ!そういう事ね!!」

 

『まさか、新たな転生者!?』

 

「だろうねぇ。成る程、ならこちらの動きがバレていてもおかしくはないか……つーか、見事に女性オンリーだな」

 

見渡す限りで、ゲペ〇ニッチの触手を切り払って魔力吸収を回避しつつ、再生し続ける血肉を削いでいる【転生者】とおぼしき影が幾つか見える。

女に生まれ、凌辱される悔しさと絶望を知って改心した元男達なのか……転生する前から、女性だったのかはわからないが魔力資質の高い者達は管理局に就職したのだろうと推測された。結果は、見ての通りだ。こちらが用意した『敵』は、彼女等によって抑えられている。

 

「さあ、双夜くん。観念しなさい!!」

 

「…………観念?なんで?」

 

「え!?何でって……これだけ、色んな人に迷惑を掛けておいてまだ逃げるって言うの!?」

 

「逃げる?僕が、何時、逃げたっていうのさ?僕はずっと逃げてないじゃんか。逃げたって言うなら、戦場にはいないはずだろう?」

 

「……………………あれ?」

 

「僕はどちらかと言うと、『戻って来た』んだけどなぁ……戦場に……さ。さて、ママ?サッサとアレ、倒しちゃってくれないかなぁ?シグナムも、僕ばっか見てると足元掬われちゃうよ?って訳で、僕は逃げも隠れもしないからチャチャッと行って、サクッと片付けて来てよ」

 

そう言いつつ、用意するのはパラソルと簡易ビーチベットをいそいそと設置して、適当なテーブルとトロピカルジュースを置いた。

 

「何、寛ごうとしてるのかな?」

 

「え?戦闘が終わるまで、僕は暇なので……」

 

「暇じゃ無いよ!!手伝ってって言ってるでしょう!?」

 

「ちょ、シグナム!ママってば、犯人に手伝えって言ってるよ!?これ、職権乱用なんじゃない!?」

 

「……………………」

 

シグナムが、珍しくとても困った顔をして俺とママを交互に見ている。きっと、どっちの言い分も正しいのでどうしたものか……とでも考えているのかも知れない。

 

「職権乱用何かじゃないっ!!私は、少しでもソウニャくんの罪が軽くなるように言ってるのっ!!」

 

「だから、一体倒したじゃん!それで、十分じゃないか!!それとも、後の分も僕に押し付けるつもりなの!?だったら、ミッドチルダは諦めてよね!?」

 

「……………………ん?」

 

「諦めるって、どういう意味!?」

 

「あー……な、なのはちゃん!ヤバイよ!!」

 

「高町、それどころでは……」

 

「こう言う事だよっ!!」

 

ブゥンと右手に力を溜めて、一気にこちらに迫っていたゾ〇ド諸共【転生者】も纏めて薙ぎ払って見せた。

テーブルの上にあった、全てのモノを床に薙ぎ落とした時の様に視界を埋めていたビル群が一瞬で荒野に早変わり。

誰が見ても、どう考えても、俺の罪状がうなぎ登りだ。

残念ながら、最早回避不可能な状況にシグナムが片手で顔を覆う。

 

『……………………』

 

「ふぅ……♪ 僕の罪状が増えたね!ヤッター♡!!

 

゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚

 

「…………な、何て事してるの!?」

 

「にゃははははは!!」

 

「笑い事じゃないよっ!!」

 

『……………………』

 

真っ青な顔で、なのはママが怒る。

だけど、やっちゃったモノは仕方がない。

まあ、例によって人は死んでないけど。

 

「でも、もう一体はいなくなったよ?」

 

「そうじゃないっ!そうじゃないよっ!!どうして!?何でこんな事をしたの!?」

 

「だから、君達があの一体を倒しきるまでに起こる事象を僕が再現したまでの話だよ?等価交換の原則って言ってね?その結果を得る為には、それ相応の代価や代償が生じるっていう話。あの一体をみんなで倒した場合……ミッドチルダはこうなっていたんだよ……」

 

SLBで、倒したら間違いなくこうなっている。

実際には、そうはならないようにできたけど……そうする気はなかった。

 

「違うっ!そうじゃないっ!そんな話をしてるんじゃない!!それを、ソウニャくんがする必要が無いって話だよっ!!ただ、あの敵だけを倒せば済む話でしょ!?なのに、何で!?」

 

「それは、違う。僕は今、世界の調整をしているんだ……なら、前提にくるのは等価交換の原則だ。等価交換の原則を前提にしている以上、こうする事が最善なんだよ……等価交換の原則は、生半可な事を許さない。問答無用、手加減なしで、善悪の基準なく、全てに置いて平等で、人から見ると残虐非道に見えるかも知れないけれど……これが、同等」

 

「そんなのをソウニャくんがやる必要ないでしょ!?」

 

「いい加減にしなよ、なのはママ。僕は、『人間』じゃないっ!元から、世界を調整する存在なんだ。だから、みんなに忘れられる……僕が、君達の記憶や記録に残らないのはその辺の石ッコロと何ら代わり無い存在だからだ」

 

「違うっ!そうじゃないっ!そんな事を言ってない!!」

 

「じゃあ僕は、犯罪者で良い。人々の心に痛みを刻んで、世界に取っての利益を得るだけだ……」

 

『……………………』

 

「ラスト一体。さあ、町を破壊しない方法で……アレを倒せると僕に見せてよ……そしたら、僕のやり方は間違っていたと謝罪してあげる。この街を瞬時に直してあげるよ?」

 

「……ホント?本当に、謝罪して直してくれるの!?」

 

「ああ。アレを倒すのに、街を破壊しないのであるならば……だけどね?」

 

「良いよ……やって見せてあげる!!」

 

そう言って、なのはママは空へと上がって行った。

その場に残ったのは、シグナムとアリシアのみ。

 

「シグナム達は、行かないのかい?」

 

「行くとも……しかし、アレを倒す為には……」

 

「そうだね……なのはママの発言は、夢物語だ。街を破壊せずに、アレのみを倒すのは不可能だろう……なのはママだけが、それを守っても他の局員が街を破壊すれば同じ事だ」

 

「ええっ!?それって、条件に入って無くない!?」

 

「まさか……入っているよ。言ったろう?等価交換の原則を用いた、『その結果を得る為にある代償』だって……聞いてなかったのかい?」

 

「あ…………シグナム!なのはちゃんに、この事をっ!!」

 

「心得た!!」

 

シグナムは、大きく頷いて直ぐ様なのはママを追い掛けた。その場に残ったのは、俺と紫天の書とアリシアである。

俺は、アリシアを無視してビーチベットに座るとトロピカルジュースを片手にサングラスを掛けてマッタリとし始めた。ついでに、神崎オススメのライトノベルを出して読み始めるとアリシアも怒り出す。

 

「ちょっと、そこの私を蘇生した人!!」

 

「なんだよー?蘇生された人……」

 

「本当に手伝わないの!?」

 

「……今は、ママと賭けをしている所だしなぁ……アレが終わったら、手伝うかもね……」

 

「アレが終わったらって……ええっ!?」

 

「第三ラウンド……は、未だなんだよねぇ……」

 

「第三ラウンドまであるの!?」

 

「あるよ?疲弊しきった所に、最悪とまで評された悪夢を投入予定……にゃははは!!SLBでも、PZBでも倒し切れないんじゃないかな?」

 

「SLBは、スターライトブレイカーだとしても……PZB?あ!PZBって、フェイトのプラズマザンバーブレイカーか……でも、それでも倒し切れない!?」

 

「そそっ!今は、【闇の書事件】だけど……この後に【砕けぬ闇事件】が、スタンバってるから余力を残しておかないと……ミッドチルダは、消滅するんじゃ無いかなぁ……」

 

「そ、そんなぁ…………どうして?どうしてこんな事をするの!?こんな事件、起こさなければ良いじゃないっ!!どうしてっ!!?」

 

「《旧・神族》の置き土産だよ……」

 

「きゅう、しん、ぞく?」

 

「自分の思い通りにならぬ世界など、滅んでしまえ!!……と宣っているアホゥ共がいるんだよ。ソイツ等の一匹を倒したら、この世界に《滅びの呪い》をお土産として置いてっちゃったんだよ……」

 

「《滅びの呪い》?」

 

「うん。僕がいなくなってから、それが発動すると……100%の確率で、全次元世界が滅びるんだけど……その方が良かった?」

 

「うえっ!?全次元世界が、滅ぶ!?」

 

「だーかーらー!世界の調整をしているんだよっ!!何度言えば、君等は理解するんだ!?もーもぉー!!!」

 

何の意味もなく、俺が破壊活動をするはずが無いだろう。

ちょっと考えれば、わかる事じゃないか。アリシア蘇生の影響から、秘密基地に籠って世界の調整をしていた俺が、偶々気が付いたから良かったモノの。まさか、【転生者】の肉体を奪って暴れた時、この世界に《呪い》の因子を残していただなんて誰が思うか!?

生きていても死んでいても、周囲に迷惑を掛けまくるアレが鬱陶しくて溜まらない。

 

早く、滅んでくれないかなぁ……割りと真剣にっ!!

 

 

 

……………………。

 

 

 

そして、ゲペ〇ニッチは多大な被害を残して衛生軌道上の次元航行艦アースラに討ち取られた。こちらが予測していた通り、ミッドチルダは跡形もなく消しとんでいる。

街云々ではない。見る者が誰であろうと、かつてここがミッドチルダと呼ばれていた首都であろうとは思わない。

それ程に、地上管理局跡地を中心に広がるクレーターは強大で広範囲に広がっていた。

結局の処、ゲペ〇ニッチは一発二発のブレイカー魔法では倒し切れず、衛生軌道上にリンカーコアのみを転移魔法で送った上でアルカンシェルで蒸発させる事になった訳だ。本来なれば、結界の中に取り込んで攻撃となるのだが、《旧・神族》の呪いを受けたゲペ〇ニッチは……幾度、結界を展開しても結界の中には納まらず、現実世界を攻撃し続ける怪物と化していた。

結論だけを上げるのなら、ママとの賭けは俺の勝ちで……もうすぐ、第三ラウンドの幕が上がる。ただ、問題があるとすれば……地上管理局も、局員達も全力全開で疲弊しているという事だろう。魔力が残っていない者や、撃沈されて搬送される者が続出しているのである。ここまでくると、原作人物だけでなく【転生者】達にも負傷者が出ていて引き続き戦うのは不可能だろうと思われていた。

そして、今俺の目の前には。

 

「これで、満足!?これだけの事をして、双夜くんは満足なの!?」

 

「……………………」

 

興奮して、勘違いまで増長させたなのはママが、他の局員と共に俺の元を訪れていた。中には、新顔の【転生者】達もいる。それを放置して、俺は空を見上げていた。

世界に飛び散っていた、《呪い》が一点に収束して形を持って現れようとしている。もって、数分程でU-Dが覚醒して、また破壊を尽くそうとするだろう。

 

「あー、うん。えっと、まだ終わってないかな?」

 

『……………………ええっ!?』

 

「流石、《呪われた神様》。死んでも、すんなり終わってくれない……さて、【転生者】諸君初めましてだね。僕は《神殺し》。君達を転生させた神々を殺し、本来あるべき世界の形に修正する者だ。ぶっちゃけて言おう、君達【転生者】は世界を歪ませ『道』を開く為にこの世界に送り込まれた……所謂『鍵』だ……」

 

「何を言っているの?」

 

「アレを見よ……」

 

俺がソレを指し示すと、全員の視線がソレに集中する。

そこには、黒い卵の様な物体が浮かんでいた。

 

「もうすぐ、彼処から全次元を滅ぼさんとする破滅の存在が生まれてくるだろう。君達には、時間稼ぎをお願いしたい。アレは、君達を転生させた者が生み出した欲望の塊だ。自分は、神々の掌の上で踊る人形じゃないと言うのならアレから生まれる存在を倒して己の潔白を証明すればいい。まあ、普通に倒せないモノが出てくるから時間を稼ぐだけで良いんだ。そうだなぁ……一分程よろしく!」

 

「ねぇ!何を言ってるのっ!!?」

 

「これが、僕のお仕事だ。何も聞きたくないのなら耳を塞げ。見たくないのなら目を塞げ!……駄々を捏ねるだけなら、邪魔だ。ここから去れば良い……」

 

「ーーーーー」

 

「最終決戦だ。来たれ、神崎大悟!ユーリ・エーベルヴァイン!!ラヴォルフ、神崎のフォローを頼む」

 

「承知いたしました!」

 

 

ーーアクセス。術式解放……

 

 

原作人物達をそっちのけで、俺はとある魔法の準備に入る。頭上に、縦横帯平面等複数の魔法陣が展開された。

その時、黒い卵が割れて出てきた黒いU-Dが魄翼を広げてこちらを確認した後、大量の剣を乱数展開。

言葉なき、叫びと共にその剣を撃ち放って来た。

 

「ああ、もう!なんや、良うわからへんけど……あんなもんが、地上に落ちたら溜まったもんやあらへん!双夜の事は後回しで構わへんから、先にアレから片付けるでぇ!!」

 

『『はいっ!!』』

 

八神はやての機転で、他の局員達ものんびりしている暇が無い事を認識して、黒いU-Dを撃破する為攻撃を開始。

二体のユーリ・エーベルヴァインに困惑していた【転生者】達も黒い方のU-Dに向かって行く。

 

 

ーー術式・神槍式典、神居城より《神槍グングニル》……

 

 

魔力を解放して、肉体の外に放出された魔力を一点に収束。ソレを棒状に固めて、一本の槍と化す。

足元には、平面の魔法陣が一つ。

自身を囲むように六つの法陣。更にその外側には、数本の帯状の魔法陣が六つの魔法陣と俺を押さえ込むように展開される。

 

 

ーー魔力の凝固を確認……更に追加術式……

 

 

空では、残った魔力を絞り出すかのように黒いU-Dに向かって放つ局員達と、いつの間にか現れていたディアーチェ達によって黒いU-Dが攻撃されていた。

なのはママは、ただジッと俺の側で突っ立っていて無言のまま俯いている。

 

 

ーー付属属性附与……雷鳴!

 

 

魔法陣の中心にあった、光の槍に雷光が轟く。

閃光と爆音と共に稲妻が槍の周囲に放出された。

光の槍を中心に、数十もの帯状魔法陣。更には、歯車の様な魔法陣も浮かび上がり光の槍へとまとわり付いていく。

 

「じゃ、更に魔力を追加だ!!」

 

更に魔力を増大させる。既に、通常モードから戦闘モードへの移行をして本気を出せる体制は整えてあった。

 

 

ーー回転式魔力増幅炉、始動……

 

 

己の中心に向かって、魔力を凝縮し加速させていく。

己の内にある術式は、永久機関と同じく半永久的に魔力を生成し続ける術式。本来であるならば、特殊な施設で展開構築されるはずのモノ。されど、それをあえて己の内に内蔵したのは……意思の力で、ソレを制御する為らしい。

外に設置すれば、誰かに奪われる可能性もある為……一つの術式として、己の内に内包した特殊永久機関。

中心に凝縮されていた魔力は、反転して外へと放出されようとするが……それを更に、循環させる事で押し止めて加速させる。加速が最高潮に至った時、俺は太陽とのリンクを全開にした。

 

 

ーー出力上昇……70……80……90……臨界点突破!

 

 

全開にされた繋がりから、大量の魔力が流れ込み加速に拍車を掛けて行く。宇宙に……次元に……平行世界に存在する、数百……否、数万の太陽からほぼ無限に等しい魔力が己の内に弾けんばかりの魔力を無理矢理押し込めた。

天然の永久機関と術式の永久機関が、更なる加速と魔力生成を活発化させて……その結果、俺の魔力が爆発的に膨らむ様な事象が観測される訳だ。

 

 

ーー出力340%……470……リミットオーバー!!

 

 

解き放たれるは、全身を貫く様な魔力の本流。

背中を突き破り、溢れ出た魔力が一枚の翼となった。

そこから放出される魔力を、一気に光の槍に流し込んで散無しそうになるソレを掴んで握り……魔法を完成させる。

暴れ狂う魔力を直径約15㎝。

長さ190㎝の槍に押し込めて、一度クルリと回す。

それだけで、空を覆っていたどんより雲が晴れ渡り青空が視界いっぱいに広がった。

 

「払いたまへ、清めたまへ……邪なるモノを正し、魔を滅し、汚れを穿ち、混沌たる世界を……在るべき姿へ……真名解放っ!聖なる浄化の光にて、彼の者を苛みし《呪い》を打ち払いたまへ!!」

 

ダン!とビルの屋上を蹴り、黒いU-D目掛けて飛び上がる。ただし、今度のミッションは相手を打ち下すのが目的ではない。U-Dは、本来在るべき者の元へ送り届けなければならない。即ち、本当のディアーチェの元に。

ならば、俺が成すべきは……U-Dに取り付いている、《呪い》を打ち払い永遠結晶エクザミアの機能を停止させる事だ。もし、仮に俺が展開した魔法が《ニーベルンヴァレスティ》だったとしたら……U-Dを打ち砕いているだろう。

まあ、《グングニル》でも同じ事なんだけど、それでもモノはヤり様なのである。

矛先に、己が内に封印されているモノを出現させタイミングを計りながら敵の抵抗を諸ともせずに切り払って行く。

直撃させたら即死。ならば、どうするか……そんな事は決まっている。附与された属性で、焼き払うのみだ。

 

「轟け、雷光っ!【クレッセント・ノヴァ】!!!!!」

 

アーティーファクトを発動させる。

《グングニル》の附与属性《雷光》に【クレッセント・ノヴァ】の効果を付属させて……効果を付属させた《雷光》は、ズガンッ!!と黒いU-Dを打ち貫く。一撃で、U-Dを蝕んでいた《呪い》は払われ【クレッセント・ノヴァ】へと吸収されて行った。

俺と入れ替わりに、紫天の書を持った緋色・水色・闇色の三枚の翼を生やしてディアーチェがU-Dに突っ込んで行く。

その結果、U-Dは沈静化してユーリ・エーベルヴァインに。ディアーチェが、大喜びで何かを言っているって言うのに彼方のユーリとこちらのユーリが並んで俺の方を見ていた。

 

「えっと……何かな?」

 

「お強いんですね!私が、一撃でした……!」

 

「はい!双夜は、【私】よりも遥かに強いです!!」

 

「ずっと、私を止められる人はいないと思ってました」

 

「世界は広いですよ?【私】を止められる人だっています!でも、【私】は止めてくれたのが双夜で良かったと思ってますよ?」

 

「……羨ましいです……」

 

「双夜は上げませんよ?【私】のですから!!」

 

「誰がお前のだ!?ユーリが、僕のモノなんだろう!?」

 

「……はい!【私】は、双夜の所有物ですっ!!」

 

「んん!?…………あるぇ!?何でだろう……貶められた様な気がする…………」

 

「そんな事は、していませんよ?」

 

「ま、良いけど……って事で、《Chain Bind!!》」

 

問答無用に、その場にいる全ての人々をチェーンバインドで拘束して空へと持ち上げる。

 

「ちょ、何するんや!?」

 

「おぅンもっ!!」

 

「双夜くん!?これ以上、罪を重ねるのは止めて……お願いだから……」

 

「………………なのはママの僕に対する株が奈落の底だ……」

 

それだけの事はしたので、当たり前と言えば当たり前な訳だけど……これはこれで、悲しいモノがあった。

その辺を、ウロウロされていると邪魔でしかないからチェーンバインドで纏めただけなんだけど……なのはママ達からしたら、狂気に走る犯罪者にしか見えていないらしい。

ぶっちゃけ、やる気の無くなる話である。段々、面倒になって来たのでこのまま放置しても良いかなぁ……と思い掛けていた。

 

「私の双夜が、そんな事をするはずが無いでしょう!?」

 

「ちょっと、双夜は【私】の双夜ですよ!?勝手に、自分のモノにしないでください!!」

 

ユーリとU-Dが、何故か俺の取り合いを始める。

全くもって、意味不明なので面倒な事になる前に、この世界から離脱したいところ。まあ、その前に……久しぶりに、これ程の魔力を放出しているのだからヤれる事はやってしまおうと思う。

 

「《リ・ヴァイル》!!」

 

その言葉を発した瞬間、ミッドチルダが甦った。

瞬き程の時間で、ミッドチルダの中心から外へと向かって光が駆け抜けて行く。その光が駆け抜けた後には、荒野と化していたはずのミッドチルダが嘗ての姿を取り戻して行った。

 

「さて、なのはママ?僕が、なんだって?」

 

「はうっ!?……え、えっと…………」

 

「ぶっちゃけ、これから破壊されるのがわかってるのに直す馬鹿はいないよねぇ?そんな、魔力の無駄遣い……出来る訳ないじゃん!!」

 

「ううっ…………」

 

「そんな、二度手間、三度手間……やる馬鹿はいないよ?」

 

「ううっ…………」

 

全員を、近くにあるビルの屋上に下ろして俺は神崎達を見た。そして、何食わぬ顔で紫天の書を呼び出すと神崎とユーリを回収。管制通信を開き、使い魔達に戻るように命令する。一応、【転生者】をどうするかについての抗議みたいなモノが上がり、少々騒然としていたみたいだが……俺は、その必要は無いと判断していた。

何故なら、【真実の瞳(真)】で見る限り、彼等が歪んでいたり悪意や情欲に呑まれているようには見えないからである。

 

「さて、異論がある奴はいるか?」

 

『いえ、ありません!!』

 

「外部からの干渉もあるだろうし……それに、人間という生き物は基本的に順応性とか慣れる事に関してはピカ一だ。女としての生活が、何れだけ自分の精神に影響を及ぼすか……わかってないだろう?」

 

『……………………』

 

「男の格好をして生活している女が、男らしくなっていくのと同じ様に……女の格好をして生活し続ければ、『男』であろうと関係なく『女』になっちゃうんだよなぁ……」

 

気に恐ろしきは、人間の適応能力である。

まあ、それで男だった者が男を愛せるようになるかはわからない。

 

「それに、ヤヴァイ事になれば呼び戻されるって。って訳で、次の世界に行きます!」

 

《ルール・ブレイカー》を展開して、その時を待つ。

偽装とか、様々な方法で隠してはいるが……このミッドチルダを修復魔法で修復した辺りから、《時渡り》の前準備が始まっていた。即ち、己の内から溢れんばかりの金色の粒子が放出されている訳だ。

世界の調整や世界の歪みに関しては、多分気にしなくても大丈夫だと思われる。何故なら、微調整の為に立ち寄る事がわかっている以上、その時に纏めてやってしまえば良い。

神崎には、とんでもなく歪んでいると言ったけど、それぞれのイベントさえ起こしてしまえば、元の状態に戻ってしまうという事はそれ程大きな歪みでは無かったと思われる。

それにもし、世界がヤバイ程の歪みであるのなら《時渡り》をしようとすれば弾かれるし……もしくは、《自動時渡り》は起きないはずだ。

チラッと、ママ達を見る。

ママ達は、修復されたミッドチルダに釘付けだった。

 

「《ステルス》オン……」

 

姿を消して、更に《ルール・ブレイカー》を振るう。

誰にも気が付かれぬ内に、俺は《時渡り》の穴に《ルール・ブレイカー》を打ち立てた。

 

「じゃ、またね……なのはママ♪」

 

 

 

 

 




ちょっと、長くなったが……これにて終了です。さあ、次の世界に……と行きたい処ですが、その前にちょっと寄り道しますw

フェイトちゃんのストリップショー、始まってたら逃げてたんじゃ無いかな?双夜は……。まあ、神崎が使い物にならない(踏み台だから)から見学のみと化していますw
踏み台設定がここまで邪魔をするとは……私も予想すらしてませんでした。
そして、他にもいた【転生者】のお陰で計画が狂って行く始末。いるならいるって、自己主張してくれないと双夜が困ります。まあ、入局しないとわからないんだけどね……。
後、ナハトヴァールがマ○ロス7ネタです。
神崎に一任したところ、こんな感じになりました。
ゾムドとゴモラ……ならびに、ゲペルニッチw魔力のブラックホールとして出現してますが、ゲペルニッチには、駆動炉が組み込まれているので強いですよ?AMFもありますしw

三期終了のお知らせw
ジェイル・スカリエッティが、プレシアちゃんに焼き捨てられた件w 親バカ怖いなぁ……ってことでw
え?どうやって?そりゃもちろん、ジェイルが『Fの残子』発言した時点でプレシアちゃんがオーバードライブしてリミットブレイクでマジギレしちゃったんじゃない?
条件付きダブルSを怒りで補って、超ド級の雷撃をお見舞いしたら終了じゃんww 黒化現象が確認されたかもww
まあ、溺愛してる娘達を『Fの残子』等と称したら当たり前の話w 親バカの前で、『Fの残子』扱いっww しかも、『欲しかったなぁ』なんて超禁句ワードじゃんww
普通に、死ぬっ!!焼き捨てられるっ!!ww
更にそのまま気が付かずに、ジェイルなら『オリジナル』がどうのこうのとか言い出しそうだからプレシアちゃんの神経を逆撫でしまくりだwww
ジェイルの未来が、普通に予想できるwwwww
え?戦闘機人?あー、超努級の雷撃に焼かれるジェイルを見て、ドン引き。機械の肉体なので、プレシアちゃんには従順化。え?雷撃対策されてないのかって?ブチギレで、黒化したオーバードライブでリミットブレイクな覚醒中のプレシアちゃんが放つ雷撃を防げる訳ないじゃんww
雷撃に親バカ補整とか入ってそうで怖い。

てな感じで、一気に駆け抜けました。
後、色々とあったのですが……カットして短縮。本当は、もう一話入れて第三者視点でプレシアちゃんの話を殺りたかった。でも、ジェイル・スカリエッティが焼き捨てられるだけのお話なので掲載するか迷いに迷ってタイムアップ。
過去編で、やり残した事があるとすれば……ユーノくんとまた会えなかった事くらいですかね?

《リ・ヴァイル》に関しては、《バルス》の再生版みたいなモノです。そんな感じの呪文があったらラ○ュタも復活したのになぁ……っと夢想した結果の産物w
俗に、黒歴史ともいうww

しかし、今回のお話は……ループした辺りで、こういう結末にしようと付箋にストーリーを一応書いていたりしたのですが……その付箋を失ってわからなくなっちゃったんですよねぇwwwwwで、適当にカキカキ。段々、訳のわからないマッタリ系に……そして、全うな話にするのを諦めてしまった結果の成れの果てが、この無茶苦茶なお話だw!!
反省も、後悔もしている!!って状態だよっ!!
あの付箋さえあれば…シフトーBーも、もうちょっとマシなお話になったはずなのに……無念。
因みに、作者のベットの枕元にはストーリーの書かれた付箋が山のようにペタペタと貼られているwwwww
あ、青い…青い壁が…!!ヤヴァイ……捨てられるっ!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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