絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!
神崎くんの武器名募集中!!
神崎くんの格好いい中二病溢るる武器名を考えてみませんか?感想でも活報でも良いのでカキコよろしくです!!
テーマは、【重力】です!!
神崎
師匠が、時空管理局を好き勝手に改編している頃……俺はというと、転生者共と仲良く戯れていた。
殺伐とした雰囲気の中、『死ねえ!新参者!!』と言いながら殺傷設定のデバイスを振るう転生者。それを、デバイスの腹の部分を弾き刃を避けるだけで回避する俺。ってか、避けなくても当たらない様な気がする。
シューター系の魔法は、覇王流の旋掌波で投げ返す。バレットを壊さない様に受けとめ、投げ返すという荒業ーーを思い出したのでーーで驚かせてみた訳だ。ぶっつけ本番だったけど、うまく行ったので調子に乗った俺は……砲撃魔法ですら受けとめてみせる。
すると、周囲の原作人物達が沸き上がった。
「ヤベー……」
超楽しかった。だが、その度に翼から絶対零度の気配が漏れて来て俺の恐怖が鰻登りだ。帰ったら、今日こそ食われるかもしれない。
今までも、幾度となく食われ掛けてきた。だが、その度に俺の素晴らしいまでの機転で回避し続けてきた訳だ。
我ながら、惚れ惚れするほどの言語能力だと思う。
「……………………」
嘘です。俺は、俺自身の首を締め付けて全力で命乞いをしているだけだ。
俺の息子を護る為に、全身全霊を掛けて翼に『潰さないでください』と懇願している。なのに、端から見ていると俺が翼を口説いているかの様に見えるらしい。何故!?
俺は、転生者同士の恋愛をしに来た訳じゃないんだ。
俺が、この世界に転生したのは原作人物と恋愛をする為であって不知火翼と恋愛する為ではない。
だが、彼女を前にすると俺の口が勝手に思ってもいない事を囁き始めるんだ。本当は、『助けてください』とか『握り潰さないで……』と言いたいのに全力で口説きに行ってしまう。
そして、ついにこの間……翼の唇を奪ってしまった。
「し、仕方がないじゃないか……」
だって、翼が目の前で灰皿(ステンレス)を握り潰して脅して来るんだもん。『私じゃ、ダメ?』とか、瞳を潤ませて上目遣いで聞いてきた所までは普通に可愛い女の子って感じだった。しかし、その後の灰皿潰しはダメだ。
アレだけで、俺の息子は縮み上がりその後の逢瀬も恐怖の為に命乞い以外の何者でもなくなってしまった。
ぶっちゃけ、奴は俺の事なんて好きでも何でもない。ただ、自分が女として見られないのが嫌なだけなのである。
レジアス・ゲイズ閣下の助言に従い、翼にそれとなく聞いてみた所……自分が女として、魅力のない女と見られるのが嫌だとのたまりやがった。
その上で、俺を使って実験をしているらしい。
その話を聞いて、頭に血が登り翼を押し倒したあげくその唇を無理矢理奪ってやったのである。本当なら、そのまま犯しても良かったのだが、翼の奴が本気で抵抗してきやがった為、壁に叩き付けられて動けなくなってしまった。それはもう、ポーンとボールを投げる様な感じで軽々と壁にめり込まされて動けなくされてしまう。
その後、俺は面倒にも翼を褒めちぎって壁から解放して貰うという苦行までさせられた。得たモノは、なにもない。ただ、目と鼻の先に全裸で眠る美女が俺から何もかもを奪い引き裂いていく。
だから、俺の理性と精神力よ……無我の境地に至るのだ。
そんな事を考えながら、転生者共のデバイスを破壊する。
一人は、デバイスを破壊されて直ぐ変身が解けてバリアジャケットが消滅した。どうも、手加減を忘れていたらしくデバイス・コアをも破壊してしまったらしい。
壊れたデバイスを、呆然と眺めながら……えっと、誰だっけ?ああ、確か黒織釼くんだったっけ?違うかもしれないけど……その彼が、戦意喪失して固まってしまっていた。
それを容赦なく蹴散らして、向かってきた神林を鎧通し込みの一撃で沈ませる。どうやら、胃にクリティカルヒットしたらしく、神林は嘔吐しながら沈んで行った。
最後の一人は、瞬殺されて行った仲間を呆然と眺めながらどこから取り出したのか小さな白旗を振っている。
それを、俺は首を横に振って拒否した。
「そんなっ!敗けを認めてるじゃないですか!?」
「とりあえず、空飛ぼうか?」
「うっ……うわあああぁぁぁっ!!」
背後に一息で回り込んだ俺は、最後の一人の襟と腰のベルトを掴んで一本背負いの要領で投げ飛ばす。最後の一人は、悲鳴を上げながら飛んで行った。それを見送り、周囲に敵がいないのを確認した俺は翼の元へと歩みより、絶対零度の視線を送り続けていた彼女の頬を優しく撫でる。
それだけで、翼はビゥクッ!?と驚き俺を見上げて来た。
「この勝利、君に捧げるよ……」
優しく微笑み、自然な流れで彼女を抱き寄せると、それだけを彼女の耳元で囁いて、俺は自分の荷物と翼の荷物を手に取る。
俺的には、翼が機嫌を治してくれるなら……程度の気持ちだったのだけど、見れば耳まで赤くした彼女は両頬を両手で押さえながら固まっていた。
「羨ましい……」
「は、はやて!?」
「翼ちゃんだけ、彼氏がおるやなんて……自信なくなってまうわ……」
「アレは?」
親指で後ろを指し、聞いてみると原作人物全員がブルブルと頭を振って拒絶の言葉を羅列する。俺は、昔の自分すら否定されているような気分にされて悲しくなった。俺もこんな風な扱いだったんだろうなぁ……。
「あんなんが彼氏とか……変な事言わんといて!!ゾッとするわ……」
「なら、2号さんになってみるかい?」
そう言った瞬間、ズガンッ!という爆音と地響きと地震の様な揺れが俺達を襲う。ゆっくりと振り返って見れば、翼の足元が壊れていた。
コンクリート製の床が、木っ端微塵である。
「…………と、電話だ……」
バイブで震える通信端末を取り出し、通信をONにする。
耳に当てると、何故か師匠の声が聞こえてきて時空管理局の本局まで来るように指示があった。
「翼、し……双夜が本局に来いって言ってるんだけど一緒に来るか?」
「双夜が?何でまた、本局なの?ってか、さっきのナンパに対する言い訳はないの?」
「えー……お前、押し倒したら嫌がったじゃん……アレが、お前の答えなんだろう?」
「あれは、いきなりだったから……それに、女には何かと準備があるのよ!」
「ちょ、痴話喧嘩は他所でやってくれへんか!?」
「兎も角、本局に行かないと……」
「ねぇ……本局って、行ったらホイホイ入れてくれるモノなのかしら?」
「無理だな。だが、ここには局員の方々がいるんだぜ?もちろん、案内してくれるよな?それと、アレ等も付いてくるだろうし……」
言って、絶望的表情をしている馬鹿共に視線を向けた。
「お、俺様の【最高のデバイス】が……」
【最高のデバイス】?って、神様特典か?
じゃあ、もうダメだな。デバイス・コアが砕けた以上、どうあがいても直らないと思うよ?師匠なら、直せるかもだけど……直してはくれないだろうから。
「しゅ、修理費が……」
修理費は、出しません。デバイス・コアが砕けた訳じゃないんだから、頑張って自分でなんとかしてください。
「魔法無くても、空って飛べるんだなぁ……」
何か、一人嘆いているけど大丈夫だろう。
そういう訳で、八神はやてに連れられて俺と翼は本局へと転移していく。その後に続くのは、『俺の嫁をNTRてたまるかぁ!!』と叫ぶ馬鹿達。
師匠に会ったら、即行で奴等を引き渡して俺は原作人物達と楽しくお喋りと洒落込みたい所である。まあ、先程から俺の腕をシッカリと絡め取り身を預けている彼女を振り切れればの話だけれど。
「それにしても、何の用かしらね……」
「さあな……あ!とりあえず、向こうに着いたら保護監督者に連絡しておかないと……」
「別に大丈夫じゃない?」
「いやいや、それが大丈夫じゃないんで……本局って言っても、次元跳躍する訳だし……」
……………………。
という訳で、本局のテレポーターに着いた俺は公衆次元通信で保護観察者のデバイスに連絡を入れる。
『そういう話は、本局に行く前にして欲しかった!』
「すいません。テレポーターに乗ってから、思い出したもので……」
『はあ。ま、本局なら悪さはできんだろうし……良いとしておこう。今日は、ゆっくりしてきなさい……』
本局だから、悪さが出来ないと言い切る保護監督者の言葉には少し反論したくなったが、それを言い出すと終わらないので黙っておく。実際、悪い事をサクサクやっていそうなチビッ子がいるから何とも言えなかった。
「ありがとうございます!」
話のわかる人で本当に良かった。下手をすると、レジアス・ゲイズ閣下から連絡が入ってドン引きされるなんて事もあり得た訳だし。OK貰えた!と、はやて達と合流して待ち合わせ場所を目指す。
「それにしても、保護観察受け取ったんやなぁ二人は……で?何したん?」
『全く、一際、何もしてない(わ)!!』
「ただの、連帯責任を押し付けられただけだよ……」
「連帯責任?」
「自然保護区の禁猟区域で、ドラゴンをブチのめした少女が俺達の旅の連れでさ……その連帯責任だよ……」
「ああ。そら、アカンわ……」
「まあ……私達は、その時ブレイカー魔法を受けて気を失っていたんだけどね……」
「……………………御愁傷様や……」
「今日は、そのブレイカー魔法を撃った少女と一緒にいるチビッ子の方に用があるんだけどな……」
「用っていうか……呼び出されたんだけど……」
『あのチビッ子は、何言い出すかわかったもんじゃない』
「えっと……どういう子なん?」
「一言で言うなら、『悪戯っ子』だ!」
「何や、悪戯っ子かいな。二人して、青い顔するから……また、とんでもない事しでかしとんかと思ってもうたやん!」
『……………………』
何となく、平行世界を渡り歩く師匠の気持ちが理解出来た様な気がした。確かに、これはキツいかもしれない。
幾度となく、心通わせた人達と人間関係をやり直すというのは心に響いてくる。翼を見れば、微妙な顔ではやてを見ていた。その表情からは、はやてを憐れんでいるのか……師匠を憐れんでいるのかはわからない。
まあ、帰ってから聞いてみるのも良いだろう。
「見付けたぞぉ!!」
「うわっ!来よった!?」
振り返ると、転生者の二人が息を荒上げながら目を血走らせ、焦点の合わない視線をあっちこっちに向けながらーーどう見ても、犯罪者としか思えない形相で追い付いて来た。
「アウト」
「完全なストーカーよね」
『俺のはやてに変な事してないだろな!?ああ!?』
完璧なユニゾンを果たした転生者達は、今度はお互いの胸ぐらを掴んで睨み合いを始める。俺も昔、白亜と良くあんな感じの事をしたなぁ……と懐かしい思いでそのいがみ合いを見ていた。
「男って、馬鹿よね……」
「否定はしない」
「あら、だったら今晩私と……」
「つつもたせは結構です」
「しないわよ!」
「本番になると、怖くなるんだろ?」
「……………………」
やっぱり、図星らしい。
どれだけ強くても、本来の性質は中々変わらない様だ。
「……と、ここやね。っていうか、リンディ提督の執務室やん。ホンマにここで合っとるん?」
「ええ。みたいですよ?」
そう言いながら、扉を開けて中を覗くと(意味はない)真っ裸で壁に貼り付けられたフェイトとリンディさんの膝の上で泣き叫ぶ師匠がいた。
『……………………』
兎も角、静かに扉を閉めて一度出直そうと相談を開始する俺達。そこへ、慌てて出て来たのはレティ・ロウランさんだった。ガシッ!と服を掴まれて、懇願される。
「待って!お願いだから少しだけ待ってて!!」
「あ、や……あー……はい」
俺達に、ここにいる様に言い聞かせるとまた部屋の中へ。
その直ぐ後に、師匠が逃げ出てきた。
俺に、全力アタックで飛び付いてくる師匠。
余程、怖い思いをしたに違いないのだろうけど……何時もながら、裸の女性に怯えるのは如何なものかと遠い目を廊下の先に向けて思う。
「悪戯っ子って、この子……施設におった子やん……」
はやてが、師匠を見て何か言ってるけど問題無さそうなのでスルー。
「大丈夫よ。もう、怖いのはいないから……」
流石の翼も、怯えた師匠にムチを打つ事はしないらしい。
むしろ、同情的なので助かっている。
ふと、ある事が気になって振り返ってみた。
「……………………」
先程まで、俺達の後ろを付いて来ていたはずの転生者達がいない。すぐに、翼の肩をチョンチョンと突ついて後ろを振り向かせた。
「なに?」
「変態達がいない……」
まさか、あの一瞬で中に入ったというのだろうか!?
「え!?」
「なんやて!?」
はやても慌てて振り返り、サーという血の気が引く様な音が聞こえてきそうな程に青冷めてから、再度リンディさんの執務室の扉を開け放った。
「いやあああぁぁぁっ!!!!」
『フェ、フェイトタソ!真っ裸で俺を待っててくれたんだね!!今、一つにいいぃぃっ!!!!』
「婦女暴行罪でーーー」
真っ裸のフェイトに、飛び掛かろうとする変態共。
それを止めようと、必死に制止を掛けるリンディさん達。
室内は、大混乱に陥っていた。
「欲望に忠実ね……」
「あー師匠、フェイトのバインド解いてやってください……今すぐにっ!!」
「《Chain Bind》……」
師匠が、怯えながらそう呟くと変態共を青い光のバインドが拘束して、リンディさんの執務室から変態共を引きずり出してくる。待ち構えているのは、拳を握り振り上げてる翼。
ああ、終わったなぁ……と俺は目を閉じた。
……………………。
結論だけを言おう、変態共は現在取調室で拷問を受けているらしい。良くはわからなかったが、師匠の指示で翼が金槌を渡されていたから、とても怖い拷問となっているだろう。普通の状態で、筋力最強の彼女が鈍器を渡されるっていうのは色々と邪推してしまうところだ。
そして、俺達はというと……。
「双夜くん。確か、リンカーコアは持ってなかったよね?どうして、バインドの魔法が使えたのかな?」
服を着終えたフェイトに、どうして魔法が使えるのかを尋問されていた。それに対して、師匠は「うにゃ?」とか言いながら首を傾げて誤魔化している。
仕方がないので、助け船を出してみた。
「しかし、フェイトさんが執務室内を裸でウロウロする人だったとは……驚きでした……」
「違うよ!?普段は、そんな事しないからね!?双夜くんをシャワー室に連れて行っただけだよ!?」
「そんな……真実だからって、全力で否定しなくても……」
「真実じゃないよ!?ちょ、はやても何か言ってよ!!」
「あー……私は、フェイトちゃんが普段なにしてるかなんて知らへんからな……まあ、そういう事もあるんとちゃう?」
「無いよ!?濡れ衣だよ!!!」
「本局に痴女の執務官がいるという噂を聞いた事がありましたが……フェイトさんだったんですね……」
「痴女じゃ無いよ!!!!」
「怖かったの~……」
未だ、半泣きの師匠が俺の服を握り締めて俺を盾にフェイトから距離を取っている。子供に怯えられるフェイトが、微妙に引きつった笑みをこぼしているが仕方がない。
「まあ、し……双夜は、女性の裸が苦手ですからねぇ……火事場のバカ力みたいなのが働いたのでは?」
「火事場のバカ力ですか?」
「まあ、目の前に恐怖の象徴が現れたら誰でも普段以上の力が出たりしません?」
「まあ、それは……あるけど……でも、リンカーコア無しで魔法が使えるってのは聞いた事が……」
「あー。あるにはありますよ?『灯れ、力の源よ……』」
簡易詠唱で、指の先に火を起こして見せる。
瞬間、リンディさん達がギョッ!?とした顔をした。
「『集え、たゆたう源よ……』」
次に、掌の上に出したのは氷。
「神崎さんも、魔法使いなん!?」
驚いた表情で、俺の掌の上から氷をもぎ取って行ったはやてが氷を弄びながら聞いてくる。
「あ、いえ。俺はまだ、簡単なモノしか出来ないですよ?し……双夜は、どうなんですかねぇ?」
と、首を傾げて知らない振りをする。
「でも、神崎さんの様に詠唱の様なモノは……」
「熟練の者なら、無詠唱でも使えますよ?まあ、俺はこれよりも体を動かした方が早いんでこっち方面は鍛えてませんが……まあ、し……双夜の場合は、火事場のバカ力的なモノだろうからイメージをそのまま形にしちゃったんじゃないですかね?」
「イメージをそのまま形に?」
「あー……多分。すいません、あやふやな説明で……」
「あ、いえ。そうですか……とは言え、前例が無い訳ではないんです。ただ、少なすぎるので。そういう事なら、問題にはならないでしょう……」
「専門の奴がいたら良かったんですけど……俺達のパーティーには、そっち方面の専門者がいなくて……」
「そうですか……少し、残念ですが……それで、神崎さんが呼ばれた理由なんですが……」
「あ、はい……俺に何か用だったんですか?」
「神崎!金儲けしようぜ!!」
唐突に復活した師匠が、立ち上がり万歳した状態で固まっている。呆然としていると、俺の両肩に手を置いて管理局の財政問題を持ち出してきた。それだけで、俺はこの人が暴走を始めている事に気が付く。
「暇なんッスね?」
「え?」
「さっき、翼が連れて行った変態が探していた奴等ッスよ?良いんですか、放置しちゃって?」
「あ……うー……」
「管理局は、管理局の人達に任せて我々は我々の仕事をしましょうよ!ね?」
「でも……その……」
「ん?なんですか?もう、何かやらかしちゃってるんですか?」
「うん。100件程……内部告発を……」
師匠の場合、内部告発ではないとは思うが話が進まなくなるので突っ込みは控えておく。
「100件程度で済んだんですか?」
『え!?ちょっと、それどういう意味!?』
リンディさん達が、妙な反応を見せるけどスルーする。
下手に構うと、ダラダラと続けたくもない話を続けるハメになりそうだったからだ。俺としては、サッサと切り上げて本来するべき仕事へ師匠の行動指針を戻したい所。
「うん。100件だけ、告発したの……でね?100件だけだったんだけど……蓋を開けたら、一万人程捕まっちゃった♪てへ♡」
「あんた、なんばしとっとか!?」
「にゃー!」
師匠が、頭を抱えてしゃがみ込み俺に背を向けた。
何となくだが、師匠は楽しんでいるようにも思える。
「一万人!?万年人手不足の管理局を、更に人手不足に貶めてどうするんですか!?」
「ああ、うん。じゃあ、組織解体するしか……」
「いや、それも無理でしょう!?誰も彼もブチギれるわ!!って、エーって顔しない!!!!」
「で、代替案……お金稼いで、一般人でも良いから人を雇おうよって話になったの……」
「それで、俺ッスか。し……双夜のレアスキルと俺のレアスキルを使えば、そりゃ簡単にお金は集まりますよ?でも、局員が怠け者になるのは目に見えてますよね!?」
「…………無理?」
「無理です。諦めてください」
師匠が、『チェッー』とか言いながらリンディさん達に謝り始める。リンディさん達は、仕方なさそうに苦笑いしながら師匠の頭を撫でていた。
「し……双夜。司法取引で、無料奉仕させれば良いんじゃないッスか?そういうシステムが、あったしょ?」
「でも、今回は横領してる奴らオンリーだからなぁ……流石にソイツ等を無料奉仕させるのは……ちょっと……」
「楽をして金儲けの味を占めたナマケモノか……確かに、司法取引で無料奉仕とは行かないかぁ……」
「ぶっちゃけ、アレ繋がりで殺人罪のあるヤツもいるんだけど……手を出すと、面倒な事にしかならないしなぁ……」
「さ、殺人罪!?」
リンディさん達が、ギョッ!?とした顔をして驚いている。それを見て、思うのは『ああ。やっぱり知らなかったかぁ……』という諦めにも似た感情だった。
「管理局のダークサイドですね。正規の局員は、知らないとは思いますけど……管理局には、ダークサイドがあるんですよ……」
「正規の局員が知らない、管理局のダークサイド?」
リンディさんが、俺の言葉を鸚鵡返しに聞き返す。
だが、詳しくは説明しない。
今ここで、リンディさんを失う訳には行かないからだ。
「ええ。下手に手を出すと、管理局の精鋭が暗殺に来ます……ぶっちゃけ、し……双夜、何人見かけた?」
「ここに、通い始めてから数人はマークしてるよ?」
「あー、結構いますねぇ……」
「いますねぇ……じゃないよ!早く、捕まえないと!!」
フェイトが、慌てたように声を荒上げる。しかし、それが出来るなら俺も師匠も苦労はしてないだろう。
「無理ですよ。例え、捕まえれたとしても蜥蜴の尻尾切りされるだけだし……何より、捕まえた局員が黒幕を話してはくれませんから……」
「ねぇねぇ。悪い事した人は、拘置所って所に入れるんだよね?なら、局内だから暗殺したい放題だ(笑)」
「そうなんですよー。局内なので、簡単に暗殺されちゃうんです。しかも、自殺風に……ハッキリ言って、捕まえても意味がないんですよね……」
「……………………」
「黒幕さんは、セキュリティが洒落にならないくらい高いので、ちょっとやそっとじゃあ……尻尾も掴めないし……」
「…………掴めてないんですか?」
「はあ?僕を誰だと思ってんの?掴めてるに決まってるじゃん。つーか、内部の人間ではわからなくても外部の者には筒抜けの話だからね。ま、手を出してないだけだよ……」
「まあ、こちらも手が出せないんですよねぇ……居場所もわかってるのに……はぁ……」
下手を打つと、修正力の力で新たな黒幕が作成される恐れもあるので、手が出せないだけだったりする。レジアス・ゲイズ閣下の事もあるし、手を回せるなら回したいのが本音だ。あの人を此方側に引き込めたなら、今よりもっと簡単な話になるんだけれど……そうそう、御都合主義の様には行かない。
「ねぇ……そこまで、言ったのなら黒幕について教えてくれないかしら?」
『ダメ!!』
「教えたら、探るでしょう!?」
「今、リンディさんやレティさんを失う訳には行かないんですよ。残念ですが、忘れてください!」
「ううっ……そこをなんとか……」
「なら、僕の情報網を暴けたら教えてあげる♪」
また、無理難題を押し付けやがったよ……ウチの師匠が。
師匠の情報網を暴く?そんなの無理に決まっている。
目に見えるなら兎も角、姿形すら見えないフレールくんを暴けなんて不可能な話だ。
「双夜くんの情報網を暴けば良いんだね?わかった。やってみるよ!!」
「…………うん。まあ、寝惚けたフェイトちゃんがベットを降りて歩き出した瞬間に、脱ぎ捨てた衣服に足を取られて転ぶ。その拍子に顔面強打。半泣きで立ち上がり、文句を言いつつ衣服を片付けてシャワー室に入り、朝シャンして外に出ようとしたらバスタオルが無くて……アルフの名前を呼ぶも、アルフは無限書庫。結局、素っ裸で部屋をウロウロ。その際、滴り落ちた水滴に滑って後頭部強打。しばらく、悶絶した後……何とかバスタオルをゲット。滴り落ちた水滴を雑巾で拭いて、雑巾は洗濯籠へ。でも、湯冷めしてくしゃみを三回。再度、シャワーを浴び直しーーー」
「止めて!!って、何で知ってるの!?」
「と、まあ……こんな感じの情報網を暴くのは、かなり難題だろうけど頑張って?レベル高いよ?」
「それ、犯罪やんなぁ!?」
「え?つーか、この情報……フェイトちゃんの部屋で得た情報じゃないよ?フェイトちゃんのストーカーが、盗撮してたから得れた情報なんだけど……」
「ストーカー!?」
「盗撮!?」
「犯人は、局員です♪」
「嘘!?ちょ、いつから!?」
「大分前からだと思うけど……気が付いて無かったかぁ……」
残酷な事実を告げる師匠。そういう話なら、もっと早くに当人に教えてあげてください!ってか、今すぐフェイトの部屋に行って、全てのカメラと盗聴機を回収して来ねば!
「何処に仕掛けられているんッスか!?」
「盗聴機は二つ。コンセントの裏と、時計の中。カメラは、五台。バスとトイレ。部屋は、入り口から向かって右奥の風通口。入り口から向かって、正面のエアコンの中。エアコンから入り口に向いて、棚の上に置いてある植木バチの中だけど……」
割りとアッサリ、盗聴機とカメラの場所を告げた師匠の言葉を最後まで聞いて、俺とはやてはリンディさんの執務室からフェイトが寝泊まりしている部屋へと駆け出した。
「つーか、知ってて黙っとったんか!?あの餓鬼は!?」
「いや、案外……苦手分類なんで、スルーしてた可能性も否定できないんですけどね!!」
「ああ、もう!!もっと、早ぉ言うてくれれば……」
いや、師匠からしてみれば……十分早い報告だったと思う。
基本的に、エロい方面の情報はカットされる事の方が多いのだ。
今回は、フェイトちゃんを『困らせてやれ』的な意地悪感情が挟まった結果、報告が早まった可能性がある。何にせよ、俺とはやては急いで駆けて行った。フェイトが寝泊まりしている部屋は、普通に局内にあって別段警備があったりする訳では無いという事がわかる。
しかも、部屋に入る方法としても簡易ロックが一つある程度で、局員であるならそこそこ簡単に開けれるタイプのモノ。とは言え、専用の機具が無いとダメッポイから盗聴機や盗撮カメラを設置した犯人は研究系の人員だと思われる。
「よっしゃ!フェイトちゃんから、パスワードを教えて貰ったから入れるで!!バスとトイレと風通口。それから、エアコンと植木バチやったな!?」
「フェイトさん!後で、パスワードは変更しておいてください!!」
『つーか、神崎がフェイトちゃんの部屋に入るのマズくない?』
「あ!そうですね。じゃあ、俺は盗撮犯を捕まえに行きます!!」
「え!?ちょ、私……盗聴機の外し方とか知らへんで!?」
『犯人は、研究塔の……』
『犯人もわかってるんだ……』
何だか、フェイトが全力で師匠の情報網にドン引きしている。
まあ、何でもかんでも知っていたらそんなもんだろう。
『だから、その気になれば何でもわかるんだって……兎も角、神崎は研究棟の開発部にいるルクレイド・ヴァーバスって人をブン殴って来て……』
『ルクレイド・ヴァーバス?』
犯人の名前を聞いて、フェイトが反応した。
知り合いだったのだろうか?もし、知り合いだとしたら……転生者ェ(笑)。
『知ってる人なんか!?』
『え?あ、うん……良い人だよ?食事に誘ってくれたり、遊びに誘ってくれたりしてくれる人……』
『ははあん。フェイトちゃんに、気があったんやね……』
『え?』
はやての言葉に、フェイトがとても驚いた表情をしていた。
その様子を見て、リンディさん達が米神を押さえて呆れた表情で首を横に振る。天然も、ここまで極めれば凶器だと思う。
「転生者、モブに出し抜かれる(笑)」
まあ、一番残念なのはこの世界の転生者達であろう。
まさか、モブと罵っている存在に出し抜かれていたのだから。
アレだね。『二頭を追う者一頭も得ず』ってヤツだ。
全方位を見ているが故に、自分の嫁と称した女性がチョッカイを受けていても気が付かない。ザマァ!!(爆笑)
踏み台の末路が見える回となりましたwww
神崎、翼に食われたりしないと良いけどwww食われたら、女性恐怖症とかになるんじゃない?そしたら、恋愛どころじゃないよねwwwさて、どうなることやら……www
そして、ストーカー達と女性の裸を見て泣き叫ぶ双夜の図。
大混乱は必至!!大変だなぁ……原作人物も神崎達もwww
神崎の詠唱は、スレ○ヤーズのをチョロっと拝借。まあ、お気に入りのをってだけなので全部ではないけどww
双夜の情報網が、超ヤバイ件。あそこまで、詳細が出てくると洒落になってないような気もする。まあ、本人がそれを使って犯罪を行おうとしないのがせめてもの救いか……。
今回の、一番残念なのは転生者達だろうね。
モブに出し抜かれるとかwww
後、神崎の現ステータスは『設定・紫天の書』で確認してね?転生者を蹂躙している理由もわかるからw
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。