絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
サブ登場人物の名前も募集中です!

神崎くんの武器名募集中!!
神崎くんの格好いい中二病溢るる武器名を考えてみませんか?感想でも活報でも良いのでカキコよろしくです!!
テーマは、【重力】です!!


九四話

双夜

 

 

フェイトちゃんの問題は、神崎に押し付けといたので俺は翼がいる取調室へと足を運ぶ。

半開きになった扉を覗いてみると、翼が生き生きとしながら【フェティッシュ】に金槌を押し付けて変態転生者達を虐めている場面に出くわした。

変態転生者達は、翼が金槌を振り上げる度に怯えている。

 

「貴方達の罪状を自分で宣言しなさいと言ったのよ?」

 

「だ、だから言ってるじゃないか……俺は、嫁のフェイトとイチャラブしようとしただけであって……」

 

「はあ!?何言ってんだ!フェイトは、俺の嫁だぞ!?」

 

「ああ!?やんのかコラァ!?」

 

「上等だ!表出ろや!!」

 

その様子が、ちょこっと俺の逆鱗に触れる。

次の瞬間には、ズガンッ!!と凄まじい音を鳴らして俺が床をハンマーで叩き壊していた。

 

「あ、ハズレちゃったぁ……」

 

『…………ひぃ!?』

 

「ちょ、双夜……貴方、何処からそんなモノ(ハンマー)を持ってきたのよ!?」

 

慌てたように、翼が椅子から立ち上がり俺から少し距離を取った。俺は、土木用のハンマーをヨロヨロしながら持ち上げ、大きく振りかぶって見せる。

そして、おもむろに【フェティッシュ】目掛けて振り下ろした。今度も外れてあらぬ方向へ。

その結果、机を吹き飛ばしコンクリート製の床を貫通してハンマーは止まった。転生者達は、恐怖のあまりお互いを抱き合いながら真っ青な顔でハンマーを見ている。

 

「うん。コツが、掴めてきた……」

 

「貴方達、どうする訳?このままじゃあ、さっきの倍以上のダメージを体験する事になりそうよ?」

 

俺は、机の上にあった【フェティッシュ】を床に落としハンマーを振り上げる。ニイィと邪悪な笑みを浮かべ、ハンマーを全力で振り下ろした。

 

「ひょおぉぉあああぁぁぁ!!!!!」

 

しかし、神林ではない方の転生者に邪魔されてまたも何もない場所を破壊してしまう。チラッと、【フェティッシュ】を取って行った転生者に視線を向けた。

 

「ヒィヒィ……」

 

「返せよ……」

 

「い、嫌だっ!!」

 

「まあ、良いや……」

 

と言いつつ、新たな【フェティッシュ】を床に落とす。

それを見た、転生者達がギョッ!?とした顔をする。

 

『や、止めてくれぇっ!!』

 

「翼。二人にバインドを……」

 

「ちょ、止め……つ、翼っ!俺とお前の仲だろ!?なぁ!や、止めてくれるよなぁ!?」

 

「あら?いつから、私……貴方と仲良くなった事になってるのかしら?赤の他人よね?」

 

「そ、そんな……馬鹿、な……」

 

何故か、愕然とした表情で翼を見上げる。

【真実の瞳】情報では、神林尊(カンバヤシミコト)16歳。

魔力がSSS。神様特典:①魔力SSS②無限剣製③身体能力向上……とあった。魅了系のスキルは無い様だが、先程の発言はどういう意味だったのか?

まさかとは思うが、神林は自分の語源力で女性を落とせるとでも思っていたりするのだろうか?だったら、ハッキリ言っておかないとイケないだろう。

 

「おい、コミュ障者!」

 

「ああん!?誰が、口下手だって!?まさか、俺の事を言っているのか?この【口先の魔術師】に!?」

 

「……………………」

 

【口先の魔術師】って、自信満々に言われてしまった。

ってか、【口先の魔術師】とはなんぞ?

 

「……………………」

 

考察するに、『口が上手い人』って意味だと思われる。

ニュアンス的に考えて、口先だけで物事を自分の思う方向に持っていく特技を持っている……だと思われた。

だが、こいつがそんなスキルを持っているとは思わない。

実際、そんなスキルコイツ持っていない訳だしな。

既に、【真実の瞳】で確認済みだ。

 

「口下手」

 

「ああ!?殺すぞ!?糞餓鬼!!」

 

「OK」

 

振り上げたハンマーを、全力全開で『フェティッシュ』の上に叩き落とした。バチンッ!!という音と共に馬鹿が、泡と白目を剥いてゆっくりと倒れていく。

もう一人の方も、股間を両手で押さえながら何か悟った様な顔で倒れていた。

 

「どこら辺が、『口先の魔術師』なんだ?もっと、死力を尽くして欲しかった……」

 

俺が、ハンマーを振り降ろしたく無くなるくらいの誘導を見せて欲しかった。だが、馬鹿は何もしないまま呪いを受け取って気を失ってしまう。

 

「容赦ないわね……」

 

「容赦する必要が、あるとでも?」

 

「…………無いわね」

 

「で?この口先さんは、翼を攻略したと思い込んでいたみたいだけど……心当たりは?」

 

「……ある訳ないでしょう」

 

「そっか……あ。そうそう、前回の世界でね神崎が翼について報告書を上げてくれたんだ。そのデータを、デバイスの方に送るから暇な時にでも読んでおいて(笑)」

 

「神崎くんの報告書?どうして、そんなモノを?」

 

「んー……僕が、君を此方側に引き込んだ理由みたいなモノだからってのもあるけど……神崎が、君の事を酷く気にしてたから……かな?」

 

「……………………」

 

着信音が鳴った瞬間、翼はすぐそのデータを開けて読んでいた。しばらく無言で、一心不乱にそれを見ていたけど読み終えたのかウィンドを消して落ち込んでしまう。

あの文面で、翼が落ち込む様な内容があったかな?と考えるが、きっと乙女特有の『女心』の可能性もあるので考察を止めてソッとしておくことに。燃料も投下したし。

俺は、未だに気を失っている馬鹿共に視線を向けた。

黒織釼(クロオリ ツルギ)16歳。MPがニアS。神様特典:①ラッキースケベ②黄金律EX③最高のデバイス……魅了系能力無し。デバイスは、神崎がコアごと破壊したらしいので③をブレイクした感じに。

多分、③がこの世界にとっての異端だと思われる。

後は、神林尊と同じく手を加える必要性は無さそうだ。

まあ、やるとしても黄金律のランク降下くらいだろう。

 

「あれ?もう一人、いるって話じゃなかったか?」

 

「…………本局に来た時にはぐれたみたいよ?私は、見てないからわからないわ……」

 

「そっか。なら、仕方ない……」

 

残念だが、今回はコイツ等と顔合わせ出来ただけで良しとする。今の所、神崎が他に【転生者】と会った的な報告は受けてないから問題になるのはコイツ等ともう一人だろうと考えた。使い魔達からも、【凌辱系転生者】発見の知らせも入っていない。その痕跡すら無いのなら、今回は本当にコイツ等の根性を叩き直せば終了となるだろう。

 

「……………………うん。絶対それはない!」

 

「???どうしたの?」

 

「あ、や、こっちの話……」

 

普通に考えて、それだけで済んだ試しはないのである。

神崎の世界だって、その後……神崎が、言う3期で225人の転生者を逮捕・送検したらしい。

しかも、その内三人は有栖川達が殺害したという。

何でも、リンカーコア封じのスキル保持者だった彼等は、その場にいるだけで大体半径約10000㎞内でその現象が確認された。ぶっちゃけ、危険極まりない能力者と認定されて管理局から殺害許可まで出たらしい。まあ、完全魔法否定能力だから仕方がないと言えば仕方がない。

そんなスキルの持ち主が、ミッドチルダのド真中に出現したらあっという間に地上管理局は落ちるだろう。

いや、それは何も地上管理局だけに関わらない。

下手をすれば、時空管理局すら落とされていたはずだ。

有栖川達に渡したISには、それ等を見分ける為のシステムも組み込んであったし……その為の対応マニュアルだって渡しておいた。これで負けてたら、もう一度あの馬鹿共を召喚して神崎同様にガッツリ鍛え直してやるところだ。

まあ、出来ないけど。条件、揃えてないし必要もない。

神崎の召喚だって、一回目はノーリスクだけど二回目からはリスクが伴う。所謂、代償・対価の魔法と同じだ。

まあ、それ以前にインスタント・ソウルにだってリスクがあるんだけど。実際にやってみてわかった事だが、魂の劣化はもちろん破損等もあるし……一番は、中身と本来あるべき【魂の形】が完全に歪な状態になってしまう。

しかも、神崎はマスター・ソウルのコピーのコピーだから『孫データ』になるが、それでも魂の歪みは酷いモノだった。放置して置けば、必ず《闇堕ち》となっていただろう。《闇堕ち》って事は、業に焼かれた魂と同等かそれ以上……即ち、人工的に造られる《堕ち神》だ。

《堕ち神》ーー元々は、古き神々が人間の欲望や悪意を食らって……でも、浄化仕切れずにその闇に堕ちてしまった状態の事を言う。だが、転生者の魂はそれを逆手に取って人意的に《堕ち神》を造る方法だった。

魂を歪め、欲望や悪意を肥大化。それにより、自意識の過剰度合いを天元突破させ、あえて理不尽な状況に置いて認識阻害を掛ける。思い通りに行っている様に見せ掛けつつ、絶対に転生者が思い描いた状況に持ち込ませない事で更なる歪みを植え付ける訳だ。

 

「よぉー……思い付くは、こんな事……」

 

【魂の歪】は、年月を経て大きくなるから最終段階で再コピー。しかも、量産が可能。その上で、歪み切った魂に、【簡略式神格】を与えれば……現在の【管理者】程度の力を得た《堕ち神》が完成する。

《旧・神族》の目的は、《神殺し》との戦争かな?

その間に、自分達の欲望を満たす為の玩具を“内側”から持ち出して仲間達に売り付けるのか……自らの玩具にするのかは不明だが……《堕ち神》を使って、《神殺し》と戦争を始められてしまえば……現状、《神殺し》側が不利だろう。

 

「とりあえず、報告して……対策を考えて貰わないと……」

 

となると、翼を此方側に引き込んだのは失敗だった可能性がある。翼は特に異質だから、【管理者】の気を引くには持って来いだと思ったんだが……いや、だから何?的な話ではあるんだけど(笑)。

 

「……………………」

 

繰り返すが、俺は囮で本命は使い魔達だ。

アイツ等が、【凌辱系転生者】共を見付け出し排除してくれても良いし、対策を練ってこちらで原作人物達と協力して逮捕しても良い。まあ、正確には【特典持ち】の【転生者】を見付け出して回収すれば良い訳だ。

いずれにしろ、最終的に“内側”が《旧・神族》共がいる世界に繋がらなければ問題ない。

それだけは、絶対に阻止しなければならない。

それにだ、《神殺し》達が《旧・神族》と殺り合うっていうなら……ぶっちゃけ、大々的に殺ってくれて構わない。

此方にさえ、被害が来なければ問題は無い訳だから、戦争でも何でも幾らでも殺ってしまえば良いのだ。

《ルール・ブレイカー》で、神格を無効化して蹂躙してしまえば問題ない訳だし……“内側”で殺らないのなら、魂の存在意味に干渉して全損させてやれば《人工堕ち神》は消滅せざるをえない。

 

「って、あるぇ?前提条件として、僕を亡き者にしないと成功しないよね?どうするんだろう……まさか、そこで僕の両親の魂を出して来るのかな?うはっ、面倒だ……」

 

ウザイ《旧・神族》らしいやり方である。

だが、構う必要は無いんだよね……無視して、戦場に駆け付ければミッションコンプリートだ。無視できない、何かを用意しているかも知れないけれど……その時は、《魔王化》すれば良い。前回は、《ルール・ブレイカー》に気が付かなかったけれど、今は使い方もやり方もわかっている。

これは、大きな違いだ。

使えるか、使えないかが運命の分け目となるだろう。

とりあえず、苦虫を噛み潰した様な顔をして頭を抱え慌てた風を装いコンソールを呼び出して、今考察した内容を纏めてメールで【始まりの魔法使い】に送ってやった。

これで、《旧・神族》や【管理者】には今回の【転生者事件】のカラクリに気が付いた《神殺し》側が慌てて対策を練っている風を装う事ができる。

まあ……【始まりの魔法使い】からは、驚きとそれに気が付いた理由を問う返答メールが届いたけど。兎も角、何で知らないんだ!?のクレームと実際にやってみたと返答。

何故か、逆ギレされた。とりあえず、『対策を考えろ!』とクレーム風を装いメールを入れて着信拒否にする。

その後も、苛立った風を装いつつ馬鹿共が目覚めなかった為、その日は解散となった。

因みに、ルクレイド・ヴァーバスは神崎に殴られて留置所へ。証拠品や盗撮データ等は、リンディちゃん達が押収したとのこと。まあ、そこで神崎が翼に盗撮データのバックアップをしてないかと疑われて一悶着あったけど……【正直者の陣】と【真実の瞳】で、疑惑を解消する事となった。

もちろん、【真実の瞳】に関してはリンディちゃん達には内緒でである。全く、面倒な話だ。

 

「このまま、恐怖の翼をトラウマになるくらい神崎に刻み込んで置きたい所なんだけど……そしたら、神崎が原作人物に手を出さなくなるかもしれないだろう?」

 

「残念ながら、し……双夜が思い描く未来は来ません。何が悲しくて、転生者と恋愛をしなければならないんですか?俺は、この世界にこの世界の人物と恋愛をする為に転生したんですよ?はっきり言って、翼は恋愛対象外です!!」

 

【正直者の陣】は、基本的に魔法陣内に対象者を入れる事でその効果を発揮する。

なのに、設置型の魔法じゃないんだなぁ……これが!

よって、足下に展開した魔法陣を拡げる事で会話の途中から強制的に本音を言わせる事が可能だった。

 

「神崎……お前の命は、ここまでの様だ……」

 

「神崎……覚悟は出来ているかしら?」

 

「ちょ、し……双夜!ここで、【正直者の陣】はダメです。ほら!俺が、殺されてしまいます!!」

 

「頑張って、この極地を乗りきってくれ……」

 

「頑張っても、死亡フラグが成立しちゃってますっ!!」

 

「……そうか……短い人生だったな。お疲れさま~w」

 

「ちょ、つ、翼さん!?あ、や、止めて……」

 

「私の……生まれたままの姿を見ておいて、恋愛対象じゃないですって!?ふざけるのも大概にしなさい!!」

 

「ひぃ……あーーそうやって、すぐ暴力で訴えるから俺はお前を恋愛対象外にするしかないんだろう!?」

 

「……………………え?」

 

神崎の本音に、何故か翼が固まった。

本音によって、拗れた関係は本音でしか修復は出来ないので怯える神崎をもう一度【正直者の陣】に入れて喋らせる。それにより翼が、何か信じられないモノを見るような表情で驚いているけれど気にせず煽ってみた。

 

「おおぉ!?暴力というより、恐怖で相手を縛ってたのか……翼は、恐怖政者なんだな?」

 

「目の前で、ステンレス製の灰皿を握り潰したり、地面を蹴り砕いたり、俺を壁にめり込ませたり……そうやって、脅してくるんだっ!!」

 

「あるぇ?翼、神様特典は使い道がないから消して欲しいって言ってたじゃないか?なのに、超有効活用してるの?まあ、残りカス程度なんだけど……」

 

「残りカス?ですか……」

 

「もう、スキルブレイクしちゃったからねぇ……流石に、翼が自分を鍛えて得てしまった筋力を消すのは無理だけど……サイヤ人?と念スキルは、ブレイクしちゃったんだぁ……」

 

「はあ、それでもあんなに強いんですね……怖いッス!」

 

とりあえず、神崎には正直な心の内を吐露して貰う。

その上で、翼には今後の事を考えて貰う事にした。

 

「……だってさ。…………翼って、コミュニケーション障害持ってるでしょ?」

 

「……………………」

 

「うん。翼は、その辺りを隠すのが上手いからわからないだけで、間違いなく他人との関わり合い方が単調だよね。特に男性に対してw」

 

「や、翼がコミュ障だってのは知ってますけど?」

 

「そうなんだ。じゃあ、神崎を練習台に色々してたって事は?男性との関わり合い方みたいな……」

 

「あー……何となくわかるッス。だから、あんな変な事ばかりしてきたんですね……はあ。そういうことか……」

 

何か、ゲッソリした顔の神崎が納得したと言わんばかりに頷いていた。翼は、……何だろう?落ち込んでる?

 

 

 

……………………。

 

 

 

神崎達と別れた後、俺は原作人物達がいなくなった施設に戻って来ていた。ここには、ユーリもいるので今の状況ではこの施設を拠点にするしかない。

だが、ハッキリ言ってここは退屈だ。

他にも、子供がいない訳ではなかったが……それでも、退屈だった。そろそろ、ここから脱走する方法を考える必要があるかもしれない。

何せ、囮としての本分がここでは果たせないのである。

 

「ユーリ、どうだった?」

 

「ごめんなさい、双夜。まだ、全然わかっていません」

 

「流石に、局員に聞く事でもないからなぁ……」

 

そういう俺は、この施設から抜け出してリンディちゃんの所に通っていた訳だけど……ちゃんと、リンディちゃんから連絡が来ていたから問題にもなっていなかった。

だが、俺達が施設から脱走しようとしている……みたいな噂が流れている為か、局員の視線には緊張の色が見える。

 

「全く、素人じゃ無いんだから……」

 

「最近、先生の方々が多いです……」

 

「まあ、俺達が暴れたら……止められる局員が、いないからなぁ……大変なんだろうさ……」

 

「他人事ですよね……」

 

「他人事だからな……とりあえず、リンディちゃんに聞いてみるよ。ここから、正式に出る方法を……」

 

「はい!お願いします!」

 

ユーリも、退屈な施設が嫌らしく今にでも暴れそうな雰囲気を出していた。まあ、ユーリみたいな子が本当に暴れるかは置いといて、俺は施設を脱出する為の行動を開始する。と言っても、リンディ・ハラオウンに相談してみるだけなのだが……。

 

 

 

翌日。

 

「そうね……管理局で、働くってのはどうかしら?」

 

「職を持てと?嫌だ……」

 

何が悲しくて、見た目五歳で働かなきゃいけないんだ!?

いや、まあ、働いてるっちゃぁ……働いてるけど。

 

「…………後は、保護監督者に引き取って貰うだけど……」

 

「もう、脱走するしかないかもしれない……」

 

秘密基地があるから、脱走しても全然問題にはなりそうになかった。まあ、追手が付く位なモノだ。

 

「局員の前で堂々と……捕まって、隔離施設に入れられるのが関の山よ?」

 

「大丈夫。僕もユーリも強いから!!」

 

つーか、神崎曰く【ラスボス】な俺達が負ける事はない。

 

「…………思考が、犯罪者よりなのね……はぁ……」

 

話せば話す程、リンディちゃんの顔色が悪化している。

もう、最後の手段を取るしかないと思い掛けた時、リンディちゃんからハラオウン家に来ないかと誘いを受けた。

だけど、それでも俺は別の可能性を追求する。

 

「ねぇ、保護観察を受けている人達が、僕等を引き取る事は出来ないの?」

 

「その人達も、保護観察対象なんでしょう?それはちょっと、難しいわね……」

 

「そっかー、難しいのか……あ、別にハラオウン家に行きたくないとかじゃないんだ。ただ、約束している人達がいるんで、可能かどうかを聞いているだけだよ!」

 

「そう……だったら、待つしかないんじゃないかしら?」

 

「待つのは嫌だ。自由をGETして、会いに行くんだ!」

 

「でも、双夜くんは魔導師って訳でもないし……」

 

「むー……じゃ、脱走するにょ!!」

 

「……だから、局員の目の前で堂々と言わないでくれるかしら?悪い子は、捕まえて牢屋にいれるわよ?」

 

「捕まらないよ?僕を捕まえたければ、エースオブエースでも呼ぶんだね!!じゃ、またねー♪」

 

「あ、ちょっと…………」

 

リンディちゃんと色々話をしてみたけど、どうやら俺やユーリが自由を手にするには脱走する以外に方法はないらしい。施設に戻り、ユーリにその事を伝えても良かったのだけれど、リンディちゃんの目の前で宣誓した手前、施設に戻るのは色々と面倒になりそうだった。

まあ、障害にすらならないだろうけど。

 

「紫天の書よ、ここに……」

 

自称俺のデバイスを呼ぶ。

 

「じゃあ、脱走するよ?良いね?」

 

瞬時に現れた、見た目……《夜天の書》なそれが、局員が往来する管理局の廊下に転移してくる。人目を気にする事なく、呼び出したそれに俺は話し掛けていた。

基本、ユーリと紫天の書は繋がっているので離れていても、紫天の書を召喚して話し掛ければ普通に会話が可能だ。

 

「双夜くん!?」

 

「来たれ、無限の力を秘めし《永遠結晶》を宿し者……召喚!!紫天の明主・ユーリ・エーベルヴァイン!!」

 

俺の足元に、三角形の魔法陣が現れる。

誰が見ても、それがエンシェントベルカの魔法陣である事は明らかだった。そして、その魔法陣からバリアジャケットに身を包んだユーリが出現する。

 

「じゃあ、行くか?」

 

「はい!双夜の望むままに……」

 

「双夜くん、貴方……魔導師だったの!?」

 

俺を追い掛けて来たらしい、リンディちゃんが疑問の声を投げ掛けてくる。

 

「はあ!?魔導師?魔導師は、リンカーコアがないとなれないんだろう?だったら、僕は魔導師じゃないよ!!」

 

「でも、そのデバイスは……それに今、召喚魔法を……」

 

「にゃ?」

 

首を傾げて、全力でわからない振り。

 

「双夜くん、誤魔化してもダメよ!!」

 

流石のリンディちゃんでも、それは許せなかったらしく……唐突に怒り始めた。

 

「だから、僕はリンカーコア持ってないよー!!」

 

「リンカーコアが無くても、魔法が使えない訳じゃないわ!!とっても少ない例だけど、リンカーコアが無くても魔法を使える人が確かにいるっ!!」

 

「…………じゃあ、良いの?」

 

そんな事言うなら、使っちゃうよ?

管理局の機能が、麻痺しちゃう様な魔法を……この場にいるみんなに掛けた上、再現魔法でピンクのトラウマを植え付けちゃうよ?

 

「え……?」

 

何をされるかわからない恐怖に、リンディちゃんが一瞬怯んだ。それを【真実の瞳】で、看破した俺がスルーする事はなく一歩踏み込んで告げる。

 

「僕の魔法を、本当に使っても良いのか?と聞いているんだよ。使ったが最後、この管理局はその機能の大部分を失う事になるかもしれないよ?」

 

《リヴゥフロー・ザナー》ーー《ザナー》広域展開用の追加術式(妖精魔法用)ーー何て使ったら、間違いなく本局の機能は大部分を失う事になるだろう。

その他にも、色々と厄介な魔法が実在する。

それ等を、この本局で広域展開した場合……いったい、何れだけの人材が混乱せずに働けるだろうか?

ニタァ……と邪悪な笑みを浮かべ、ユラリ……ユラリ……と一歩一歩、リンディちゃんへと近付く。

リンディちゃんは、得体の知れない魔法の実在に強気には出られない様だった。

 

「クックックッ……本当に良いのかなぁ?」

 

「お、脅しには、屈しないわよ!?」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

異様な雰囲気に、周囲の局員達もこちらを包囲し始めていた。背後から、近付いていた局員の一人が突然俺に飛び掛かって来たけど、その前にユーリの魄翼にバチーン!と弾き飛ばされる。

 

「残念~♪僕を捕まえる前に、ユーリを撃破しないと無理だよ?にゃははは!!」

 

「どうやら、その様ね……」

 

多分、念話で命令を飛ばしているのだろうリンディちゃんが黙ったまま此方を睨んでいる。その間にも、状況は刻一刻と変化していく。

俺は、秘密基地のシステムにアクセスして一本の棒を召喚する。それを手に取り、クルクルと回して見せた。

チラッと周囲を確認する。既に何人かの魔導師が、バリアジャケットを展開してデバイスを構えていた。

 

「さてと、施設に閉じ込められて……遊び相手とは引き離された鬱憤、晴らさせて貰うぞぉ!!」

 

「ちょっと、待ちなさい!何か、色々と違うわよ!?」

 

「問答無用にゃー!!」

 

気合を入れる様に叫んで、俺はバリアジャケットを展開していた魔導師へと接近する。魔導師は、デバイスをこちらに向けて魔力弾を練っている所だった。だけど、それより早く俺の突き出した棒の先がバリアジャケットに当たる。

バリアジャケット……というか、対象物に棒が触れた瞬間に俺は一歩分だけ間合いを踏み込んで棒を捻りながら押し出した。その結果、魔力弾の準備をしていた魔導師が吹き飛んで壁に叩き付けられる。そして、ズルズルと床に落ちると立ち上がる事なく沈んだ。

 

「はい。一人目~♪」

 

「え!?ちょ、嘘!?バリアジャケットがあるのよ!?」

 

「鎧通しっていう技術だよ。元々は、鎧を着ている敵に衝撃のみを体内に叩き込んで内蔵を破裂させる技なんだけどねぇ……ああ、死なない程度に手加減してるよ?」

 

「…………それは……防げないって事かしらね?」

 

そんな事をリンディちゃんと話ながら、俺は返しの一手で隣にいた奴の顎を抜く。

そのまま、放射線状にいた魔導師も撃沈した。

 

「うーん。どうだろうね?プロテクションなら、防げるんじゃない?」

 

と言いつつ、プロテクションを展開していた魔導師をプロテクション諸とも撃破して見せた。正確には、プロテクションを割り裂いて魔導師を鎧通しで撃沈する。

 

「プロテクションが、割れた!?」

 

「うふふふぅ……次は、誰かなぁ?こんなチビッ子に……魔法も使えない子供に、ブチのめされる気持ちってどんな感じ?ねぇねぇ、どんな感じ?」

 

「ちょ、ちょっと……」

 

「リンカーコアさえ持たない、一般人の五歳児に体も大きくて魔力もある魔導師が、何も出来ずに撃沈される気分ってどんな感じ?」

 

「管理局の根底を、引っくり返すつもり!?」

 

少しあった距離を、一息で詰めて鎧通しを乗せた何の変鉄もないただの棒でプロテクションとバリアジャケットを展開していた魔導師を一撃で粉破していく。後は、その繰り返しだった。次から次へと現れる、局員と魔導師を接近しては一撃必殺で叩き伏して撃破するだけの簡単な作業。

そんな感じで、局員と遊んでいたのだが……遊び過ぎてしまったらしく、俺は広いホールへと誘い出されていた。

 

「あ……」

 

そこには、予め集めてあったのであろう魔導師達が扇状に陣形を展開し待ち構えていた。見渡す限り、デバイスとバリアジャケットを展開した魔導師達がデバイスの矛先をこちらに向けて待機している。

それに対して、俺は一人でここに来ていてユーリは別の場所で暴れていた。完全にリンディちゃんにしてやられた感じではある。

しかし、その程度で俺を出し抜いたと思っているならば、考えを改めて貰わないといけない。

俺はニヤニヤしながら、おもむろに右手で持っている武器をその場にいる全員にわかる様に掲げて見せる。

武器は、棒からハンマーに替わっていた。

更には、左手で持っていた男の象徴であるアレを型どった【フェテッシュ】を見せびらかす。

 

「残念でした♡」

 

「え……ええっ!?ちょ、待ってぇーーーーー!!!!」

 

それに気が付いたリンディちゃんが、何かを必死に叫んでいるけど……待ったは無し。【フェテッシュ】を床に落とし、落ちた衝撃でその場にいる全員にソレが何であるかを認識させた。瞬間的に、全員が顔色を変える。

ニイィ……と邪悪な笑みを浮かべ、ハンマーを振り上げつつ見詰めるのは青冷めた局員達。その上で、全員が俺を止める為に魔力弾を撃ち放とうとしたところで、全力全開でハンマーを振り降ろしソレを叩き潰した。

バチン!!という音が響き渡り、それに一息遅れてホールに集まっていた魔導師達(男)が白目を剥いて倒れて行く。

 

「あは。あははは!!ザマァ無いなぁ?君達は、この程度なのかい?」

 

「【フェテッシュ】は、卑怯よっ!!」

 

「自分の使えるモノを使うのは当たり前だろう!?」

 

こちらの手の内を、既に公開しているんだからちょっと考えればわかりそうなモノなのに……態々、こんな開けた場所に人を集めてくれるなんて気持ち良く倒してくれと言っている様なモノだ。

ハンマーを一振りして、たくさんの局員を一網打尽にした俺はとても気分が良かった。だって、こんな簡単に引っ掛かってくれる敵なんて俺の周りにはいない。

強敵が現れたからって、一対多数をやるのはそこそこリスクがあるモノなんだという事をあの【組織】の連中は知っているからな。

 

「高々、指折り程度で学習しやがって……」

 

全くもって、何の面白味もない奴等である。

ハンマーを片手で振り上げて、その矛先をピタリとリンディちゃんに向けて止めて見せた。

 

「さあ、仕切り直しだ!次は、どんな戦法を取るのかな?」

 

「ううっ……」

 

まあ、大体次の戦法はわかっている。

切り札と称される、高位魔導師の投入だろう。

例えば、エースオブエースとか……歩くロストロギアとかだ。

なのに、何故かこちらの予想と違う人物が現れた。

 

 

 

 

 




【フェティッシュ】……元々は、誰が作ったんだろね?
多分、史上最凶のトラブルメーカーじゃないかな?
ヤツなら、やりかねない!!男性の象徴を型どった呪いのアイテム!!金槌で叩いて痛みの擬似体験!!
したくないなぁ……。
結界系のアイテムなんで、有効範囲に入らなければ問題はない。それと、術者も除外される優れモノ!!さあ!みんなで叩きまくろう!!きっと、白目に口から泡吹いてビックンビックンすることになるだろう!!

世界を渡る前、神崎くんをフェイトちゃんとゴールインさせて上げようよ!という話を読者の方々から、意見・アイディアとして受けてましたw インスタント・ソウルを複製できるなら、それも簡単だろう?と。でも、その時にはこの話を書き掛けていて……ずっと、難題としていた《堕ち神》の材料(歪み切った魂)について纏まった所だったのでバッサリ切り捨てましたww 案を出してくれた方々、ごめんなさい。
でも、神殺しと旧・神族の決着を付ける為にも必要な措置だったんだ。漸く、見付けた数年越しの難題解決の糸口をミスミス手放したくは無かったし……旧・神族との全面戦争に簡易式量産型《堕ち神》は欠かせない要素だったので神崎くん再複製は断念しましたwww
神様転生……様々なルールや設定は創ったけど、この発想だけは出て来なかった。便利な話ですよね!こんな、悪質な魂の作り方があったなんて……思いもしなかったよwwwww

あ、と、黒織 釼くんの特典に注目!!
①ラッキースケベ②黄金律EX③最高のデバイスです!!
①は言うまでもなく、エロを求めた者らしい特典だろう。
あわよくば……的な感情が見え隠れしていますw
②は、お金に困らない様にがありありと見え隠れしている。
③が、『最高のデバイス』と来たら戦闘面で…………と思うよね!?しかーし、このデバイスは別の使い方がされていたっ!!それは、①のラッキースケベで得た女性達のあられもない姿を激写する為のデバイスなのだ!!瞬間起動!!すぐ、超鮮明高画質で激写♪それ等を、大量に保存していた訳ですよw そんな大事な画像諸とも木端微塵にww
神崎、ナイス!!釼くんは、涙目必至ww

特撮系は、専門外www。
仮面ライダー系の踏み台を頂いたが……もう、駄目ッポイ(泣)
仮面ライダー鎧武の戦国ドライバーとゲネシスドライバーと各錠前(ロックシード+エナジーロックシード)を求められたがデバイスが多すぎる!!デバイスだけで、一話書けそうなレベル。
ヤメテェ……(ヾノ・∀・)。
基礎知識の為に色々見て回ったりした……が……それで、段々面倒になってしまった所だ。もう、諦めてバッサリ!!とか、考えちゃうwwwそれでも、書かないという選択肢は無かったりww書くんだぁ……www

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