絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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狂戦士クロノ・ハラオウンとの戦い。
如月双夜は、どんな戦いを見せてくれるのでしょうか!?


では、どうぞ!!


序章12

今、俺の耳に「犯罪者は、全員、死ね」と聞こえた。

うっかり、「ああ、うん」と納得してしまった辺り、自分自身犯罪者の自覚が出てきた模様。

とはいえ、実際問題。

俺を【広域次元犯罪者】扱いしているのは、クロノ・ハラオウンとクロノ・ハラオウン率いる次元航行艦の乗組員ぐらいである。他の方々は、どちらかっていうと厄災とか天災認識だったり。

まあ、犯罪者と言われるような事をガッツリやった記憶もあるので否定はしない。惑星消し飛ばしたり、人を殺したり、時空管理局から次元航行艦の修復材料を盗んだりした訳だから。

とにもかくにも、クロノ・ハラオウンは犯罪者を撲滅したいという事なのだろう。それは、先程のセリフにも表れている。

『犯罪者は、全員、死ね』と呪いにも似た言葉は、この半年の間に彼が受けた何かしらに起因していると思われた。

半年前、エイミィさんとラブイチャしていた現実逃避気味のヘタレくんというイメージは最早ない。どちらかっていうと、憎しみに囚われた狂戦者と言ったところか……。

 

 

「この半年の間に、何を見た!?」

 

 

「スティンガーレイ!!」

 

 

直射型の射撃魔法が、放たれる。

それが、答えだ!と言わんばかりにこちらを睨んでいた。

まあ、こちらの問いに答えられなくてもその答えを得る方法はある。

それは、【我々】を代表するスキルだ。

自身としては、不本意かつ主義主張に著しく反するのだが、便利過ぎてつい使ってしまうスキル。

【鮮血の】はもちろん、【風紀委員】や【始まりの魔法使い】も持っている特殊スキル。

最終結論とか、究極のとか言われる……曰く、『人生のカンニングペーパー』。

スキル名、【真実の瞳】。

名前の通り、【真実】を見せる瞳だ。

善悪の基準無く、ありとあらゆる【真実】を見せる瞳。

そこに、手加減とか融通とか全く無い。

問答無用で、善悪制限無く、ただ【真実】を見せてくれる特殊スキルである。

中には、知りたくなかった【真実】も含まれるので、使いどころを間違えると際限無く後悔させられる能力だ。

もう、わかったと思うが……これが、一目見ただけで魔法や事象を解析&アレンジできる理由である。

その魔法や事象の本質(真実)を見抜き、対応や対処を的確かつ最適で行う事ができる。

便利過ぎて、基本的にこの【真実の瞳】は劣化封印していなければならない。

それでも、完全には封印はできてない。

視認したり……視界に入れたりすると、うっかり【真実】が見えたりする。

例えば……月村すずかは、吸血鬼の亜種である……とか、あれを看破したのも【真実の瞳】だ。

彼女が、その事に悩んでいることも……誰にも打ち明けられないでいることも……俺は、【真実の瞳】を通して知っている。ただ、俺は彼女に血を分け与える事ができないだろう。

理由は、俺の魂の中に封印されているモノが原因だ。それが俺の魂と肉体、そして資質にまで影響を及ぼしている。

 

 

「ディバインバスター!!」

 

 

ピンクの極太砲撃が、クロノ・ハラオウンへ放たれる。

俺が思考の海にダイブしている間、クロノ・ハラオウンを牽制していたのはなのはママだ。本来なら、止めに入るべきなのだが(治療者として)……なのはママが、ちょっと怖い。

何て言うか……砲撃を撃つたびに、ニコやかというか……楽しそうというか……うん。すごく、嬉しそう。

 

 

「……ヤバイ?あれ、ヤバイ???」

 

 

クロノ・ハラオウンに魔法を笑顔で放つなのはママ。

超必死で、砲撃から逃げるクロノ・ハラオウン。

シューターとディバインバスターが飛び交うなか、クロノ・ハラオウンは全力アクロバット飛行をしている。

顔が段々、苦しそうになっているのはまだ癒えていない傷が開きつつあるからだろう。

なんだか、段々可哀想になってきた。

「的」にされている彼を見て、ハンカチで目元を押さえる。

 

 

「ブレイズキャノン!!」

 

 

クロノ・ハラオウンが、こちらに砲撃魔法を撃つ。

それを軽く受け止めて、上空に向けて弾いた。

そして、忘れていた状態異常系の魔法を使用。

効果は、一瞬行動が阻害されてしまうモノ。

攻撃系魔法は、天文クラスの広域魔法だけしか使えないので、状態異常系魔法を使った。

今まで、うっかり記憶の彼方に放置していた魔法だ。

そもそも、【鮮血の】や【風紀委員】に状態異常系魔法は効果がないので使うだけ無駄。魔力消費の無駄として、使わなくなっていた魔法だった。

 

 

「っ!?」

 

 

「ディバインバスター!!」

 

 

今度こそ、ディバインバスターの直撃である。

傷が完全に開いたのか、爆発で起きた煙が晴れると腹部を押さえて苦しそうな顔をしたクロノ・ハラオウンが現れた。

 

 

「クロノくん、なんでこんなことするの?」

 

 

「へ!?」

 

 

ちょぉーと、言動おかしいよ!?

そこは、デバインバスター撃つ前の段階では?

 

 

「黙れっ!!」

 

 

撃ってからじゃ、相手も興奮(怒)して話どころじゃ無いよね!?

 

 

「お話してくれなきゃ、わからないんだよ!?」

 

 

ガションと、レイジングハートから薬莢が飛び出す。

レイジングハートは、レイジングハートで《Divine……》とか言ってるし……もう、なにがなんだか……。

 

 

「バスター!!」《Buster!!》

 

 

「ええっ!?」( ; ゜Д゜)!?

 

 

それ、お話じゃ無いよ!?

お話じゃあ無いからね!?

 

 

「もしかして……俺、余計なことした?」

 

 

なのはママの《リンカーコア》、治さない方が良かったかもしれないと今更ながら後悔する。

二人の戦闘は、一方的ではあるが段々激化しているようにも感じた。砲撃や魔力弾を駆使して、クロノ・ハラオウンを追い詰めようとするなのはママ。負傷者でありながら、なのはママの弾幕を掻い潜りチマチマと攻撃するクロノ・ハラオウン。それを時々、状態異常系魔法で横から邪魔する俺。

ついでに、なのはママの攻撃に合わせて見よう見まね《ディバインバスター》でクロノ・ハラオウンの動きを牽制する。

言うなれば、地上へと押し込んで行く。

そして、クロノ・ハラオウンが地上に最も近付いた瞬間、《パラライズ・ウィンドウ》で完全麻痺へと追い込んだ。

麻痺を促す成分を含んだ衝撃波で、相手に無理矢理麻痺成分を吸わせるという中級魔法である。

それにより、クロノ・ハラオウンは動きが鈍くなって落下していった。

 

 

「よしっ!!」

 

 

クロノ・ハラオウンを、無力化できたことにガッツポーズをする。これで……。

 

 

「全力全開!!」《Starlight Breaker!!》

 

 

勇ましい声に振り返ると、周囲の魔力を巻き込んで集束魔法を準備しているなのはママがいた。

 

 

「え!?ええっ!?」

 

 

既に、クロノ・ハラオウンの無力化は済んでいる。

これ以上の攻撃は過剰攻撃になるので、できればその魔法を引っ込めてほしい。

しかし、なのはママはお構いなしに魔法を準備中であった。

 

 

「とりあえず、アレ……止めないとなぁ……」

 

 

なのはママとクロノ・ハラオウンの間に割り込んで、なのはママの説得を開始。

だが、良く見れば……なのはママの目が据わっている。

 

 

「うふふふ。いっくよぉー?」

 

 

「ちょ、ええっ!?」

 

 

防御術式多重展開魔法を準備。

防御障壁枚数、275枚。広域でカバーしないといけないから、薄くなるかもしれないけど……抜けないよね?

抜かれないよね!?という不安もあるけど、この下にはすずかさんやアリサさんもいるので全力で防御しなければならない。

 

 

「スタァーライトォ……ブレイカァー!!!!!」

 

 

放たれるは、ピンクの壁。

魔力の壁が、迫って来る。

 

 

「防御術式多重展開!!!!」

 

 

大量の障壁魔方陣が、目の前に展開して行く。

空間遮断に匹敵する、防御術式275枚の多重防御。

重ねて、広げて、聖王教会系列病棟も保護。

魔力をガッツリ使って、ズッシリ来る負担に耐えつつ広域をフルカバー。

着弾後、爆発。

20~30秒ほど耐えきって冷や汗を拭った。

 

 

「あー!駄目だよ、双夜。クロノくんには、お仕置きがーー」 

 

 

《スターライトブレイカー》を防がれたなのはママが、抗議の声をあげている。レイジングハートも少し残念そうに、チカチカと光っていた。

 

 

「なのはママ、ちょっと……アリサママが、呼んでるから……逝こうか……」

 

 

だが、それ以上に怒っている人がいるのでなのはママを連行しなければならない。

即ち、使い魔に状況を聞いたアリサさんが、使い魔を通してなのはママを呼んでいるのである。ブー垂れるなのはママを引っ張って、アリサさん達がいる病院の中庭へ降り立った。

 

 

「なぁのぉはぁあああぁぁぁぁ!!!」

 

 

「にゃ!?」

 

 

怒気を含んだアリサさんの声を聞いて、正気(?)に戻ったなのはママが悲鳴を上げる。

 

 

「あんたどういうことよ!?私達がいるのに、集束魔法って!!?」

 

 

「ご、ご、ごめんなさーい!!!」

 

 

とりあえず、なのはママはアリサさんに任せるとして、俺はクロノ・ハラオウンの元へと飛ぶ。

暫く飛ぶと、クロノ・ハラオウンが地面でピクピクと痙攣していた。

 

 

「よぉ、クロノ・ハラオウン。ちょっと、お話……聞かせてくれるかな?」

 

 

俺が近付くと、クロノ・ハラオウンは憎しみに濁り切った眼で睨み付けてきた。

 

 

「さて、その様子だとエイミィさんは死亡か?」

 

 

「ぐっ!!あ……が……っ!!」

 

 

身体が麻痺しているせいで、言葉すらまともに話せない様だった。それはそれで、好都合なので使い魔が集めて来てくれた情報に目を通しながら確認作業に入る。

【真実の瞳】は……使う暇もなく。

クロノ・ハラオウンやなのはママと戦闘していた間に、使い魔が情報を上げてくれていた。

 

 

「うん。ハッキリ言って良いかい?……君、馬鹿だろう?」

 

 

「……がっ!!あ、ぐぅっ!!」

 

 

「カレルとリエラを取り戻した事は、評価するが……その後が、馬鹿としか言えない。喜び勇んで、抱き締めるより先に身体検査は絶対だろう?」

 

 

「あ……くっ……」

 

 

「相手はテロリスト……何するかわかったもんじゃない。そんな奴等から、子供を取り戻した……としても、まずは身体検査。その後からでも遅くはなかったはずだ……自分の子供が、人間爆弾になっているかもしれないんだから……」

 

 

「ーーーーー」

 

 

助け出した……もしくは、わざと助け出させた人質を喜び勇んで抱き締めて爆発。先に抱き締めたエイミィさんは、爆発の中心にいたため即死。

部下に呼び止められて、遅れたクロノ・ハラオウンは爆発の衝撃で大怪我を負う事となる。

 

 

「……それで、犯罪者は皆殺し……かぁ?これはもう、つける薬はないなぁ……」

 

 

「うぐっ……!がぁ……っ!!」

 

 

「言いたいことは予測できるし、きっと言われた事がある類いの言葉だろうから、無理に話さなくても問題ない。だけど、逆恨みも良いところだ。自分の間抜けさを呪え」

 

 

リンディ・ハラオウンは、カレルとリエラを取り戻す前の交渉時に頭を撃ち抜かれて死亡。どんな交渉をしたのかは……不明。

だが、人質が死亡するような交渉って……どんな交渉だ?

 

 

「お前の事は、聖王教会の重鎮にでも伝えておくから……それまで、そこで寝っ転がってろ……」

 

 

「まっ……げぇ……!!」

 

 

言葉に詰まりながらも、呻き叫ぶクロノ・ハラオウン。

俺は、振り返らずになのはママ達の元へと飛び去った。

もう、二度と会うこともない。

彼の絶望は、既に切り払う予定なのだから。

 

 

 

 

     ◇          ◆

 

 

 

 

中庭に戻り降り立つと、なのはママはアリサさんに説教されていた。頬っぺたをつねられて、横に伸ばされている。

 

 

「…………」

 

 

自業自得なので、何も言わない。

ふと、視線をすずかさんに向けると見たことない人がいた。

 

 

「え?誰!?」

 

 

「あ。さっきは、ありがとうな?一瞬、覚悟したんよ?」

 

 

「さっき」のというのは、《Starlight Breaker》の事だろう。

アレは、知っている人なら覚悟を決める要素があるのか。

非殺傷設定という謎技術があっても、覚悟を決めないといけない魔法とはどういうことだろう?

 

 

「で、そちらは?」

 

 

「ああ、この子は私の家族で……」

 

 

「八神シャマルといいます。よろしくね?」

 

 

「はぁ……よろしく?」

 

 

プログラムの魔法生命体?

【闇の書】とか【夜天の書】とか、【真実の瞳】のおかげで様々な情報が流れ込んでくる。

 

 

「とりあえず……なのはママが、魔法を持つと危険人物に早変わりした件」

 

 

「ぶふっ!」

 

 

「ぷっ。ちょ、あかんて!」

 

 

八神シャマルが、口許を押さえて笑いを止めようとする。

八神はやては、口許をヒクつかせながら何とか呑み込み。

すずかさんは、止めきれずに笑っていて……なのはママやアリサさんには、聞こえなかったもよう。

 

 

「集束魔法を嬉々として撃とうとした件」

 

 

「ああ、うん。言いたいことは、わかるんよ?せやけど、それは言うたらあかん」

 

 

「一瞬、白い悪魔とか考えちゃった件」

 

 

「言うたら、あかんて!聞こえてまうやろ?」

 

 

「怒られうぐっーーー」

 

 

もうちょっと、文句を言おうとしたら八神はやてに口を塞がれた。八神はやては、俺よりもなのはママの方を気にしている。余程、聞かれたくないらしい。

冗談はさておき、今後の予定は……と考えて、埋まっている事に思い当たった。次元航行艦で、『地球』に戻ってなのはママ達をチロー……士郎達の元へ帰す事。

モモちゃんに関しては、すずかさんが何とかしてくれるらしいので良いとして……ヴィヴィオは、ちゃんと紹介しないといけない。

 

 

「後は、アレだな……後回しに出来たら良いけど……」

 

 

アレに関しては、それほど時間は無いだろう。

地球に戻るのが先か、地球に戻れてからかは状況に準じる。最も、あまりダラダラしていれば、今ここでソレが全てを呑み込むだろう。

 

 

「シスター・シャッハ。話は付いたので、皆の退院手続きをお願いします!」

 

 

八神はやての近くにいたシスター・シャッハが、驚いた様な顔で問い返される。

 

 

「え?もうですか?」

 

 

「はい。もう、です☆」

 

 

「こちらは、構いませんが……」

 

 

困った顔で、八神はやてに視線を向けるシスター・シャッハ。八神はやては、その視線を受けて問いかけてきた。

 

 

「そんなに急ぐこと無いやろ?もうちょいーー」

 

 

「急ぐんだ。もう、半年も経ってるっ!!恭にぃ達にすぐ取り返して来るぜ☆!とか言っちゃったのに半年も経っちゃったっ!!!」

 

 

「あー……それは…………」

 

 

「こっから先は、プロフェッショナルの担当だ☆!とか、断言しちゃったのにぃ!!」

 

 

八神はやてが、呆れたような顔をしている。

それ以上に俺には、心配事があった。

下手すると、モモちゃんだけでなく忍ババァとかも悪くノリして自分を貶め(幼児後退化)に来るかもしれないのだ。

 

 

「是非、俺の明日の為に急いでいただけるとありがたい!」

 

 

「双夜。あんた、その半年間何やってたのよ!?」

 

 

「え?え……っと…………………………」

 

 

アリサさんの問いに、答える術がない。

言っても良いけど、アリサさんの後ろで頬を擦っている人が恐すぎる。

 

 

「何やってたの?」

 

 

アリサさんが、振り返って使い魔に問う。

問われた使い魔は、じぃーと見る俺の視線を感じたのかニヤァと笑って語りだした。

 

 

「マスターは、次元世界を滅ぼして回っておられました」

 

 

「ぐはぁ!!こいつもかよ!!」

 

 

主人を追い詰めたり、貶めたりする系の使い魔が多すぎる。

バラされた俺は、頭を抱えてorzの状態へ。

 

 

「ちょぉ、お話聞かせてもらおか?」

 

 

「お前、時間無いんだぞ!?わかってるのか!?」

 

 

「次元消滅術式搭載型爆弾起爆まで、残りわずかですね。もう、足掻いても無駄ですので、世界終演まで楽しみましょう!!」

 

 

「わかってて、何で時間稼ぎすんだよ!?」

 

 

「人格が破綻してますので♪」

 

 

「くそっ!!自覚ありかよ!?」

 

 

「あはっはっはっはっ♪」

 

 

壊れた笑い声を上げる使い魔。

皆が呆然とする中、俺は決断した。

 

 

「色々言いたいことや聞きたいことあるかもだけど、時間が無いんだ!!ってわけで、強制転移!!」

 

 

ピリピリと、他の次元世界が消滅を始めている気配を感じながら、転移魔法を展開発動する。

超長距離転移になるが、魔力量的な問題はない。

調度、この場にはフェイトちゃんを含む全員が揃っている。

多少、無理矢理になるが『地球』に戻ってしまえば問題ない。正確には、モモちゃん達に帰って来ましたと報告できれば万事OKだ。

 

 

「既成事実さえ作ってしまえば、上書きしても大丈夫なはずっ!!」

 

 

能力的な括りがある分、やらなければ成らないことは多い。

できれば、なのはママ達には『地球』の近くにいて欲しい。

『いた』という事実さえあれば、上書き時に『地球』にいたことにできるのだ。時空管理局も、転生者が何かしら関わった人達も、その死を無かった事にできる。

アレが、直接に関わった転生者だからこそできる、たった一度だけの裏技。その為の条件を、揃えなければならない。

 

 

「そして……」

 

 

去る。それが、【我等】の役割でもあった。

例え俺が、突然いなくなってもなのはママ達に何ら影響はない。まあ、最初の頃は寂しいかもだけど……俺の存在的にも、世界のシステム的にも問題は起きないはずだ。

要するに、時間が経てば経つほど記憶が薄れて消えていくのである。消滅する訳では無いので、顔を合わせたりすると記憶が戻ったりするけど。

 

 

「とにもかくにも、アースラへ!!」

 

 

転移………………転移完了。

 

 

「なぁ、ちょっと……どういうことなん?」

 

 

額に青筋を浮かべた、怒り顔の八神はやてが話しかけて来る。まあ、立場的にもだろうが当然と言えば当然なのでそこのところの説明は必要だ。

 

 

「……えっと、幼児後退化しちゃったので時間がない。次元消滅術式搭載型爆弾処理が不可能。いっそ、爆発させてやれ!!みたいな?」

 

 

「なんや、それ!?わかるように説明せいや!!」

 

 

「詳しく説明したいのは山にゃまあああぁぁぁーーー!!!」

 

 

誰かに首根っこを捕まれて、話の途中で拉致られる。

視線を上げれば、取り残された様なポカンとした顔の八神はやて。とりあえず、ヴィヴィオを確保して一緒に拉致る。

人命優先。治療優先。未来は、全力確保。

 

 

「マスター、御歓談のところ申し訳ありませんが、エネルギージェネレーターになってください」

 

 

「前者は、先に言って!後者は、意味不明っ!!」

 

 

拉致る前なら、「逃げた!」とか言われなかった。

ジェネレーターは、意味不明だけど理解出きるのが嫌だ。

半年では、船の動力源を確保出来なかったから、俺の魔力をそれに当てるつもりなんだろう。でもせめて、やらせる前に一言許可を得てからにして欲しい。

 

 

「時間が無いのは、わかるけどさぁ……」

 

 

「ご決断を「やるさ!」では、お願いします」

 

 

言われて、艦長席に放り投げられた。

魔力で、空中制御をして艦長席に座る。

しばらくすると、力が抜けていくような感覚が生じた。

きっと、船の動力源としての機能。俺の魔力を吸い上げて、船の動力源として活用するのだろう。

 

 

「目標、第97管理外世界地球!」

「空間誤差中和フィールド展開」

「機関始動。動力炉……安定」

「50㌔次元圏内に機影無し!」

「微速前進!」

「サブブースト点火!」

「フィールド出力上昇!」

 

 

「こぉらぁ!逃げるなや!!説明せえ!!」

 

 

「逃げてねぇよ!?説明したくても、時間が「第97管理外世界に行くまでにできるやろ!?」……それで、良いのなら……」

 

 

「ブスートフル点火!!」

「次元航行に入ります!」

 

 

「えっと、俺がこの世界に来たのは“世界”に喚ばれたからなんだ「呼ばれた?」うん。召喚されたとも言う」

 

「中和フィールド良好!」

 

「召喚されたって、誰にや!?」

 

「次元壁突発!問題なし!」

 

「いや、だから“世界”に喚ばれたんだよ!」

 

「目的の次元座標に到達」

 

「意味わからんいうとうやろ!?わかるように説明せいや!」 

 

「通常空間に戻ります!」

 

「いや、だから「マスター、地球に着きました!」あ、うん。了解……」

 

 

「へ?」

 

 

画面には、「地球」が映っていて座標も「地球」を示している。だけど、八神はやて達はポカンと口を開けたまま固まっていて状況を理科いてきてない。

 

 

「なんや、これ……?」

 

 

「使われている技術が違うんだよ。って訳で、地球に着くまでだったから説明は終了ってことで……」

 

 

「マスター!次元消滅反応です!!」

 

 

「ああ!?管理外世界なんだろう!?関係無いんじゃないのか!?」

 

 

「違います!消滅源は、第1世界ミッドチルダ!!超規模消滅!!衝撃、来ます!!」

 

 

「対次元消滅術式出力最大!!全力防御!!」

 

 

「対次元消滅術式出力最大!!対衝撃防御!!」

 

 

 

次の瞬間、次元航行艦アースラが衝撃シェイクされた。

 

 

 

 

 

      ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一年後。

 

誰もいなくなった、次元航行艦アースラ改で、俺は一人艦橋で七色に輝く剣を持っていた。魔方陣のみで構築されたソレは、世界の理(ことわり)を砕く鍵だ。

 

 

通称《ルール・ブレイカー》。

 

 

「なのはママ……」

 

 

目の前で、二度と動かなくなった女性を見下ろす。

さっきまで、息もしてたし僕を見て笑っていた人。

大丈夫だよって、皆が次々死に逝くなかでも弱音も吐かず、優しく僕を撫でてくれていた。

 

 

「僕の正体もわかっていたはずなのに……お人好しだね?なのはママ……」

 

 

剣状の鍵の柄を両手で掴み、振り上げる。

砕くは、『時間』。なのはママが、撃沈された直後。

それにより、すずかママとアリサママを含めたはやて、シャマル先生、カリムさん、シャッハさんの記憶が上書きされる。フェイトちゃんは、ある事情で不許可。上書きしない。

次元消滅術式搭載型爆弾の事や、転生者の存在。他にも、色々な事が彼女達に引き継がれる手はずになっている。

そして、次元世界の重鎮の方々にも、微々たる影響がでるだろう。全次元世界終演の記憶が一部上書きされるのだ。

上書きされると言っても、全部の記憶が100%引き継がれる訳では無いので未来に大きな影響はない。

次元消滅術式は、記録からはもちろん研究者達の記憶からも排除される。例え、思い出したとしても結末の記憶は引き継がれるので、同じ過ちを繰り返すバカはいないだろう。

 

 

ーーー……いないと信じたい。

 

 

「…………じゃあ、バイバイ。楽しかったよ、なのはママ……」

 

 

“世界”に鍵が突き立てられた。

半回転。鍵が、回される。

ガコン、という音と共になにもかにもが真っ白に染まって行く。なのはママの遺体も、白く消えて行き完全なる虚無へ。

《無限の可能性》と呼ばれる、時間の分岐点。

木々の枝の様に、無限に枝分かれする時間をイメージしてもらうとわかりやすいだろう。

その結論へと至った“未来”を《ルール・ブレイカー》で切り払い無かった事にする。これにより、この結論へと至ったルートは消滅した。即ち、なのはママが非魔導師になる事もフェイトちゃんが行方不明になる事もない。

そして、彼女達は早期から次元消滅術式搭載型爆弾の捜査が可能になる。説明や説得も、僕の時より楽にできるだろう。各次元の代表者だって、その技術が誰かの掌の上であることは上書きによって理解している。

それを、回避する後押しにもなるはずだ。

誰だって、全次元世界を滅ぼそうとする者の掌の上では踊りたく無い。例え、時空管理局に対して絶大な威力を誇る武装であったとしても、自分達の不利益になるようなことはできない。

 

 

「……これにて、終演。僕の役割も終了。さようなら、世界。さようなら……優しき母達よ」

 

 

 




はい。無理矢理ですね!!
日常系は、後回しなので飛ばし捲りました!!

しかも、戦ってるのなのはさんでしたね☆!
途中から、なのはさんがラスボスになってしまったね!!
スターライトブレイカーとか撃ってましたよ!?
防御術式・障壁魔方陣275枚とか、出さなくても問題無かったかもですね☆♪

そもそも、アレ(障壁魔方陣275枚)は隕石を止めた事があると設定資料にありました(笑)
SRB、普通に止めれそう(笑)

そして、ついに【次元消滅術式】搭載型爆弾の起爆です!
「ああ!?管理外世界なんだろう!?関係無いんじゃないのか!?」は、戦争を始めたアホ共が『管理外世界・地球』に来るはずがないという台詞をはぶいた結果。

そういえば、クロノ・ハラウオンのこと聖王教会の重鎮に言い忘れた(笑)ってか、重鎮もついでにアースラへ招待しちゃった♪☆テヘ(ゝω<)ヾ

では、次章にスライドします。
次章は……何だろ?
ぶっちゃけ、双夜は『任務』を終わらせて無い。
『任務』で来たのにねぇ?
世界からの任務は、何とかしたみたいだけど……。
【次元の果てから】の方々から、頼まれた任務が終わってない。よって、続く(笑)
蛇足になるのだろうか?

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