絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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踏み台くん名募集中!!
名前だけでも良いのでくださいませんか?
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神崎くんの武器名募集中!!
神崎くんの格好いい中二病溢るる武器名を考えてみませんか?感想でも活報でも良いのでカキコよろしくです!!
テーマは、【重力】です!!


九九話

???

 

 

「さあ、僕達の卒業式を始めよう!!」

 

『はいっ!!』

 

彼の号令を聞いて、訓練校の低魔力ランクの強者達が一斉に声を上げた。誰も彼もが、自信溢れる顔をして胸を張り、今か今かと開始の合図を待っている。

既に、教員達には宣戦布告をしてあり、こちらの要求を伝えてあった。望むのは、実践形式のガチバトル。

低魔力ランクと言えど、実践ではどこまで出来るかまだ不明な為……純粋な力試しが目的で、学長ファーン・コラードの首を取ると宣言してあった。かつて、あの『管理局の白い悪魔』や『金色の死神』を育てたという英傑。

その首をいただく……と。

ルールは簡単。双方が、相手をテロリスト認識でこれまでに学んだ全てを持って制圧する事が目的である。

だから、行動が読みやすく対処も簡単……な訳がない。

高ランク魔導師は、高ランク魔導師らしい戦い方をするだろうし、低ランク魔導師は低ランク魔導師らしい戦い方をするのである。

高ランク魔導師は、従来のやり方で。それに対して、低ランク魔導師は彼が教えた技術で。だけど、彼がそれだけで満足するはずもなく……それ等を、踏まえた戦術まで考案してしまう始末。かなりの乱戦が、予想されていた。

その時、爆音と凄まじい閃光が双夜達が立て籠っている模擬戦レイヤー近くで起こる。

 

『ん?何だ、何だ!?』

 

「教員の襲撃!?」

 

「既に、戦闘が開始されてます!!」

 

怒号の様な戦況報告が、部屋に駆け込んできた仲間からもたらされる。

 

「うわぁ……教員達も必死だねぇ。まあ、晴れの卒業式。潰されたくないのはわかるけど……さて、賽は投げられた。開戦だ!派手にやらかそうぜ!!」

 

『おうっ!!』

 

声を揃えて応じた者達が、我先にへと建物から飛び出して行く。残されたのは、双夜と数人の生徒のみ。

 

「さて、僕達は状況の確認と指示を出す監督だ。必要に応じて、手を出すけどファーン・コラードの首を取るのは君達にお任せする。で?下の状況は?」

 

「当初は、戸惑っていた様ですが……混乱は、回復。現在は、一部の教員を撃破。捕らえて、例の部屋へ……」

 

「うんうん。良い感じになってるねぇw」

 

双夜の悪戯に耐えて、突発的な事柄に精神的な対応力を得ていた彼等は、突如襲ってきた教員達の奇襲にもすんなり対応。逆に教員が、撃破されてしまうという状況に陥っていた。その上、既に数人の教員が捕まっているらしい。

 

「被害状況は?」

 

「二名負傷。いずれも、軽傷との事。問題はありません」

 

「コーチ、レイヤーを出る前に待ち伏せされていたと報告が……一部が、対応の為に残るとの事です!」

 

「うん。抜けたのは?」

 

「問題なく。当初の予想より多いくらいです!」

 

レイヤーを抜けると、グラウンドがあり……グラウンドを抜けると校舎がある。その校舎棟の奥側には、現在卒業式が行われている体育館があった。そこには、管理局からの来賓やたくさんの著名者達が集まっている。教員達としては、来賓達に気が付かれる前に彼等を押さえ何事も無かったかのように卒業式を終えたいのだろう。

だが、それは無理な相談であった。

 

「レイヤー内、制圧完了!」

 

「出入り口、制圧完了!」

 

戦況を確認していた生徒達が、制圧完了の声を上げる。

双夜は、それを聞いて満足そうに頷いた。

 

「それじゃあ、校内にある放送室を奪えw」

 

「体育館へは、行かないのですか?」

 

「メインディッシュは、後回しだ。直ぐに終わってもつまらないだろう?著名人の中には、現役の高ランク魔導師がいるんだぜ?ソイツ等にも、協力して貰おうやw」

 

『おおっ!!』

 

彼等、低ランク魔導師達は双夜の影響をモロに受けていた。完全な、生粋のバトルジャンキーである。

 

「ナイスアイデアです!」

 

「各員からも、賞賛の嵐が巻き起こってます!」

 

「よっしゃ!なら、放送室を制圧して館内放送で現役の魔導師達にも胸を借りようぜ!!」

 

『はいっ!!』

 

双夜の指示で、捕まえた教員達を一ヶ所に集め写真撮影を実行。意識を失っていない教員が、その画像を何に使うのかと問いただす。それに対して、バトルジャンキーと化していた生徒達は……その映像を添付して、体育館の現役魔導師達に宣戦布告をして乱撃をするんだと言い切った。

それを、聞いた教員達は青冷め辞めるように言うが『修羅』に育てられた生徒達は聞いちゃいない。

そして、悪夢の校内放送が始まった。

 

 

 

……………………。

 

 

 

『初めましての人もそうでない人も、こーんにーちわー♪』

 

突然の通信開始に、戸惑いを隠せないファーン・コラード。それに対して、いつも通りの双夜の声がスピーカーから聞こえてくる。

 

「なっ!?あ、貴方達は、何をやっているのですか!?」

 

『残念だったねぇ……ファーン・コラード学長。教員達は、もう全滅して捕虜になっているよ?ほらw』

 

体育館内に、大量のウィンドを展開して戦況を伝える。

グッタリとした教員達が、鎖やら縄やらでグルグルにされて捕まっている映像をメインにして学長に宣言した。

 

『本当なら、教員達を全滅させた所で終了なんだろうけど……僕達、それじゃあ詰まらないんだよねー。でね。今、そこにお偉いさんと一緒に来ているであろう現役の魔導師達にも胸を借りようと思ってるんだぁ♪』

 

「ちょ、正気ですか!?」

 

彼はまともではないが、正気で狂っていた。

 

『正気だよ?だって、仕方がないじゃないか……僕達は、低ランク魔導師だけど……高い魔力持ちだからって、それに胡座をかいている無能に使われたくないもん!だから、アピールするんだよ。低ランク魔導師だって、戦い方を工夫したら前線で普通に戦えるんだって!って、え?高ランク魔導師が乱入してきた?誰さ…………フェイト・T・ハラオウン!?おおっと、言ってるそばから高ランク魔導師の乱入です!状況は!?三人ヤられたの!?にゃははは!良い!良いねぇ!!ファーン・コラードの首なんていらないや、フェイトちゃんの首取って来いよ!!』

 

途中から、ファーン・コラードを無視した会話となり、キチガイな発言後ブッと通信が切れて体育館内が静まって行く。体育館外では、彼等が言っていた通り戦闘音が響いてきた。それを、しばらく聞いていたファーン・コラードは頭を抱えて座り込む。

 

「…………何故……何故こうなった……!?」

 

ブッ。通信がまた、ONになる。

 

『つー訳で、現役魔導師達に挑戦状を叩き付ける!僕達を捕まえてみろ!僕達は、ファーン・コラード学長の首を取れば勝利だ!!よし、宣戦布告は終了した。祭りだ!野郎共、暴れるぜっ!!』『おう!!!』

 

ブッ。今度こそ、それは切れた様だった。

 

「ファーン・コラード。これは、どういう事だ?」

 

「レジアス中将……これは、その……」

 

あたふたとした彼女が何かを言い切る前に、フェイト・T・ハラオウンが窓を突き破って落ちてきた。それを追うように、一人の生徒が突き破られた窓から侵入。床に降り立って、間合いを詰めると倒れているフェイトのマウントポジションを取る。振り上げた拳を、振り下ろす前にフェイトはそこから逃げ出すが、勢いの付いた拳を止められなかった生徒が床を叩き壊し陥没させるという光景をファーン・コラード達は目撃した。

 

「うわっ!?やっべー、叱られるぅ!!修理代は、出世払いでお願いしますっ!!」 

 

そう、叫び一礼したその生徒はフェイトを追って外へと出て行った。後に残ったのは、破壊されて陥没した床とフェイトが突き破った窓と、あれが低ランク魔導師!?と呆然とする来賓達のみである。

 

「……ファーン・コラード三佐。今のは……」

 

「あー……とある特殊技術を身に付けた低魔力ランクの生徒ですが……」

 

「とある特殊技術?それは、どんなモノなのだ!?」

 

「え?えっと……」

 

余り詳しくないファーン・コラードは、マジ顔のレジアス中将に迫られ苦笑いしながら、どうしたものかと頭を悩ませるのであった。

 

 

 

……………………。

 

 

 

所変わって、フェイトが相手をしている生徒達との戦場である。本当なら、フェイトは双夜を見付け出して捕まえればこの騒動を止められると考えて動いていた訳だが、己の考えの甘さを痛感する思いでいっぱいだった。

相手は、低ランク魔導師。だけど、その戦い方は双夜の強化を受けているという無茶振り仕様。

一撃、二撃程度では倒せない。もっと、思い切った一撃じゃないと……と、ファランクスシフトを使ったら、受け止めて投げ返されてしまった。それならばと、ソニックムーブを使って素早く懐に潜り込んだら、攻撃を読まれていたらしく武器の軌道をズラされて反撃を受けてしまう。

更には、次から次へと入れ替わり立ち替わり相手が替わって行くせいで標準が定まらない。

次の瞬間、背後からの衝撃に一瞬息が出来なくなった。

生徒の一人が、『鎧通し』を決めたのである。その結果、呼吸不全となったフェイトが動きを止められてしまった。

その瞬間を彼等は見逃さず、フェイトの意識はそこで途絶えてしまう。だが、彼女が生徒達に回収される前にピンクの極光がフェイトモロ共生徒達を薙ぎ払った。

 

「フェイトちゃん!?」

 

「うわっ!?か、管理局の……し、白い悪魔!?」

 

忙しいリンディ提督の代わりに、双夜の卒業式を見に来たフェイトのSOSを受けて駆け付けたエースオブエース。

油断なく、デバイスを訓練校の生徒達に向けたままフェイトの状態を確認する。だが、この今一良くわからない状況下で、撃沈されたフェイトを揺すり起こしながらカートリッジを二発ロード。25発のシューターを展開し、一斉に穿ち放つ。誘導性を組み込んだシューターは、周囲を取り囲んでいた生徒達を後退させるには十分なモノで、その隙をついてなのははフェイトを連れて離脱した。

標的を失った生徒達は、新たな標的を探して散っていく。

その後に彼等が接敵したのは、一般の現役魔導師達だった。中には、Sランクの魔導師も含まれていて生徒の何人かが撃沈される事となる。

それでも、双夜が考案した戦術で盛り返し、Sランク魔導師をCランク魔導師が撃破すると、その情報が瞬く間に体育館と双夜達本部に伝達される。

 

『何人で!?』

 

『混合チームの様ですが……五人ですね……』

 

『E~Cランク魔導師が、Sランク魔導師を五人で撃破かぁ……箔が付いたんじゃないかなぁ?』

 

『その後に、管理局の白い悪魔に薙ぎ払われた様です……』

 

『被害は?』

 

『D・Eランクの魔導師が、撃沈されCランクの魔導師が足止めしつつ、増援を求めてます……』

 

『じゃ、増援を……他は、どうなってる?』

 

ブッと、通信が切られた双夜側では、戦況がドンドン報告されていく。中には、蹴散らされたというモノもあり、それには『流石、歴戦の現役魔導師!』という声もあった。

だが、それを言うのはバトルジャンキーな双夜の生徒達だ。狂気に近い笑みを浮かべて、我先にと現役魔導師に突っ込んで行く。

現状、激戦区の中央区が決戦場で……右翼が蹴散らされ、左翼が呑み込めたという状況である。現在は、全ての生徒達が中央区に集中を始め、かなりの乱戦が予想された。

 

「高魔力ランクの生徒達は?」

 

「まだ、動いた気配はありません!」

 

「なんで、動かない訳!?」

 

「こちらが、疲弊するのを待ってから参戦するつもりなのかも……もしくは、高見の見物かと……」

 

「それが本当なら、嫌らしいクズ共だねぇ……」

 

「右翼側から、敵襲っ!!」

 

「ん。じゃ、出るよ!!」

 

『はい!!』

 

指揮官を残し、双夜達が窓から飛び出て行く。

眼下を見れば、見た事もない顔ぶれが低ランク魔導師達と混戦状態になっていた。そこへ、上からの奇襲で数人をノックアウトし、更なる乱戦へと発展させていく。

 

「ぐっ!?」

 

「がぁ!?」

 

下から上へと、棒状の獲物が現役魔導師の顎を打ち抜きその意識を刈り取って行く。背後から、飛び掛かってきた魔導師には礫の部分で、側面から殴り掛かって来た者は殴ったり蹴ったりで対応する。それにより、現役魔導師の猛攻を抑えることに成功した生徒達の一部は、双夜に前衛魔導師を任せて後方で支援していると思われる魔導師を蹴散らしに向かった。

双夜が参戦した事で、戦況は大きく変化して行く。

後方支援を担当していた、現役魔導師達が撃破されてしまったという理由もあるが……双夜が、鬼畜な方法(神殺し用の奥義)で一度に数人の魔導師を屠った事により、後方支援を受けられなくなっていた現役魔導師達が劣勢に追い込まれて行く事に。そこへ、後方支援隊を蹴散らしに向かった生徒達が戻ってきて、挟撃状態となり現役魔導師達が殲滅されていく。最後の一人を撃ち取った双夜は、気を失っている現役魔導師を持っていた手錠で拘束したあと、今度は中央区を目指して駆け抜けて行った。

 

 

 

……………………。

 

 

 

中央区では、高町なのはと復帰したフェイト・T・ハラオウンが生徒達を翻弄し吹き飛ばしていた。それでも、生徒達の大半が健在で微妙に苦戦を強いられている。

シューター系の魔法は、受け止められるので砲撃魔法縛りのなのはは中々手を出せず、砲撃を撃ち込もうと部隊を下がらせると生徒達は蜘蛛の子を散らす様に散って行き砲撃が当たらない。突破しようと、地上部隊が前に出ると瞬時に戻ってきてまた乱戦となり膠着状態へ戻ってしまう。

その上、次々に撃ち取られていく高ランク現役魔導師。

段々、ジリ貧となっていた。

 

「この子達、低ランク魔導師なんだよね!?」

 

「そのはずだよ!?でも、なんでこんなに……」

 

『強いの!?』と続く言葉は、増援として来た双夜に遮られた。陣形を保っていた魔導師達が、一度に倒された事により総崩れとなってしまう。

 

「更に、増援だあ!!」

 

『ソウニャくん!?』

 

双夜参戦直後、更に数人の現役魔導師が討ち取られると状況は一変した。現役魔導師の半数が、一気に倒されて残ったのはなのはとフェイト、それから指折りで数えれる程の陸戦魔導師のみ。

 

「ええっ!?ちょ、何したの!?」

 

「ああ!?近付いて、殴っただけだよ!!」

 

「ちょ、シグナムみたいな事を……」

 

「じゃ、野郎共!」

 

『おうっ!!』

 

双夜が合図を送ると、現役魔導師達と同人数だけ残って他の生徒達が体育館へと駆け抜けて行く。

 

「ええっ!?」

 

「ファーン・コラードの首を取る部隊だよ。それは、僕の役目ではないし……それに、討ち取れなくても現役魔導師相手にここまで善戦したんだ。既に、十分な箔が付いてる!」

 

「箔!?」

 

「そんな事の為に!?」

 

「だが!!低ランク魔導師を蔑む高ランク魔導師がいるのは事実だろう!?この戦いは、そんなアホぅ共に現実を見せる為のパフォーマンスでもあるんだ!!」

 

「……………………」

 

「魔力が低くても、努力すれば高ランク魔導師にだって勝てるって、僕達の背中を追い掛ける後輩達にそれを示す戦いでもある!!つー訳で、無理矢理ではありますが……先輩方、その胸をお借りさせていただきます!お覚悟を!!」

 

『お願いしますっ!!』

 

生徒達が、双夜のお願いの言葉終了と共にそれぞれの構えをとる。それを、苦笑いと共に現役魔導師達も構えを取った。一発触発の状況の中、最初に動いたのは双夜だ。

 

「エースオブエースの首、貰ったぁ!!」

 

『ああ!?ずるいぃ!!!』⬅生徒達

 

『ええっ!?』⬅現役側

 

校舎を駆け登り、なのはに向けて何かを飛ばす。

それが、なのはの足に絡まり次の瞬間には引っ張られる。

なのはが慌てて、それを目視で確認するとワイヤーみたいなモノが足に絡まっていた。と、ガシッと腕が何かに掴まれる。はっ!?として見れば、双夜がいて。肩を掴まれたと思った瞬間、意識が暗転した。

意識を失い、地上に落ちるなのは。

それを双夜が、先に地上に降り立ち受け止める。

 

「エースオブエース、撃破っと(笑)」

 

「こちらも、先輩方を撃破しました」

 

「キャー !ちょ、手伝ってぇえぇぇぇ!!」

 

見れば、フェイト・T・ハラオウンがまだ生き残っていた。彼女を、担当した生徒が助けを呼ぶ。

だが、誰も助けてはくれない。

 

「ちょぉ!?」

 

「お前が落ちたら、順に殺るからw」

 

『ええっ!?』

 

フェイトと戦っている生徒の両方が、驚きの声を上げる。

 

「僕は、最後かな?」

 

『畜生っ!!』

 

その後、一人一人討ち取ったフェイトは双夜に美味しくいただかれましたとさ。

 

「一対一が、あの状況の基本だろう?」

 

等と、全てが終わった後の彼の弁である。

ファーン・コラードを取りに行った生徒達は、何故か全滅していた。体育館に到着した、双夜達が目にしたのは生徒相手に神様特典で無双している神林の姿。

 

「はっ!ゴミ共が、分を知るが良い!!雑魚は、雑魚らしく這いつくばって高ランク魔導師様の奴隷となれ!!」

 

「殺して良いよね……アレ」

 

ボソッと双夜が呟く。

 

『ちょ!?殺しはダメ(だよ!?)ですよ!?』

 

それを聞き付けた、生徒達と現役魔導師達が慌てて双夜の肩に手を置いて押さえにかかる。だが、どれだけ力を入れても押さえ付けようとしてもビクともしない。

 

「じゃあ、ちょっくら半殺しにしてくるよ(笑)」

 

双夜は、ニッコリ笑うとナマクラソードを取り出し棍の先を外すと中は空洞になっていた。その部分にナマクラソードの柄を入れてカチンと音がするまで捻る。その後、槍と化した棍を振って無限剣製で生徒達を吹き飛ばし無双している馬鹿の元へ、一息で間合いを殺し足払いで転ばして矛先(刃)で刺し貫いた。

だが、間一髪それを逃れた馬鹿が突然乱入してきた現れた双夜を見て激怒する。

 

「この糞餓鬼があぁぁ!!」

 

太極図が描かれた、黒と白の双剣を造り出した馬鹿が大振りで向かってくる。

それを、双夜は矛先のみで弾いてズラし尚も攻撃を重ねていく。速く、細かく、力強く……技術を持って、相手の武器を跳ね飛ばし一撃必殺の機会を伺う。

最初こそ、双夜が圧されていたように見えた戦況は、今では双夜の方が押し返している。すると、馬鹿は突然の強撃で双夜を弾き飛ばし間合いを引き離してしまう。

その上、馬鹿が後方に大きく跳んだ。

見れば、その手に握られていたのは深紅の槍だった。

 

「死ねっ!!ゲイ……ボルグ!!!」

 

「【クレッセント・ノヴァ】!!」

 

真名を解放して、双夜の心臓を貫かんとした紅い槍は白銀の光に触れた瞬間、軌道をそのままに体育館の床に突き刺さる。

 

「………馬鹿なっ!?俺の放った槍は、一度放たれれば相手の心臓を貫くまで相手を追い掛ける呪われた槍だぞ!?」

 

その説明を聞いて、数人の局員が神林の正気度を疑っているが魔導師ではないので手が出せない。

 

「…………浄化系のアーティファクトだ。因果すら歪める呪いだろうが、浄化してみせるさ!!だけど、そんな武器を使うなんて……正気か?」

 

「そんな宝具が、あってたまるかぁ!!」

 

再度、深紅の槍を剣製して目の前にいる双夜に飛び掛かる神林。自分の持てる最速で、双夜の心臓目掛けて槍を突き出す。しかし、それは簡単に弾き退けられてしまった。

 

「知らんて。だけど、取り敢えず……僕の逆鱗に触れた事は後悔して貰おうかな?」

 

「あaーーBgぉっ!?」

 

声になる前に、馬鹿の首に双夜の槍の柄が食い込む。

その勢いのまま、槍を振り抜いた双夜は吹き飛んで行く馬鹿の足にナマクラソードの鍔を引っ掻けて引き戻し、槍を棄て戻ってきた馬鹿の脇腹に鎧通しを撃ち込んだ。

馬鹿の体が、くの字に曲がりステージの壁に叩き付けられた。

馬鹿は、ステージの床に手を付いて倒れまいと体を支えようとしたが……残念ながら、その行為事態が失敗でビギィ!という音と共に凄まじい衝撃が自身の胸から全体に叩き込まれる。

見れば、双夜の足元の床が螺旋を描き大きく捻れていた。

 

「ぐっ……がはっ!?」

 

双夜が槍の柄を踏み、立ち上がった槍を手にすると礫の方で馬鹿の顎を下からの右払いで撃ち掠めてくる。

その瞬間、馬鹿の視界がグニャリと歪み自分が立っているのかさえわからなくなってしまう。

 

「ぅえ!?あ……」

 

その上で、足を払われて転ばされる。

それと同時に、勢い良く側頭部を床に叩き付けられた。

原理は簡単。足払いを仕掛けたまま、足を槍で支えて持ち上げるだけで人は勢い良く頭を床に叩き付けられる。

 

「雑魚って言ったなぁ?だったら、お前は何だ!?僕は、魔力を持たない非魔導師だ!!非魔導師にボコられて、何も出来ないお前は雑魚以下か!?」

 

「非魔導師だと!?」

 

別の方向から、彼の言葉を反芻する声が聞こえたが……彼はそれを無視して、馬鹿のバリアジャケットを槍の矛先で突き刺して捻って片手で馬鹿を持ち上げた。

それをブンッ!!と振り払い、槍を両手で持ち構える。

 

「流水流秘技……なんちゃって死線!!」

 

ゆっくり、放物線を描きながら落ちる馬鹿の横を通り過ぎる。通り過ぎる際には、幾度も馬鹿を切り刻み間合いを離した。馬鹿が床に落ちると同時に、バリアジャケットがバラバラに散って馬鹿はパンツ一丁になる。

 

「風幻流秘技、青龍衝撃波……」

 

槍を床に突き刺して、彼は一気に馬鹿との間合いを詰めて半裸の馬鹿をポーンと投げ上げるとクルッと右回りに一回転をして両手を馬鹿の背中に押し当てた。彼が、両腕を伸ばすと馬鹿が弾丸の様に吹き飛び壁に叩き付けられる。

 

「我皇流、白虎……猫パンチ!」

 

壁に叩き付けられた馬鹿は、ゆっくりと落ちて行くが……更に間合いを詰めた双夜が、タイミングを合わせて馬鹿を更に痛め付ける。馬鹿は、壁にめり込むが……双夜の打撃に耐えきれなくなった壁の方が先にひび割れて決壊した。

決壊した壁が、噴煙を上げて崩れて行く。

 

「…………あれが、本当に非魔導師なのか……」

 

「か、彼には、確かにリンカーコアはありませんが……」

 

誰も彼もが、信じられないモノを見るような目で彼を見ている。彼は、淡々とした様子で拳を振り上げ、何かに気が付いた様にバックステップを踏んだ。噴煙の中から、何本もの剣や槍か射出され床に突き刺さって行く。

双夜は、自分の槍が突き刺さっている場所まで戻り、それを引き抜くと飛んで来る武器を払い落としてダン!と前へ出る。飛んで来る武器を、斬り払いながら進み彼は一瞬で馬鹿に肉薄した。

 

「クソォオオォォォ!!!!」

 

馬鹿が、怨嗟の雄叫びを上げるが双夜は止まらない。

顎を撃ち抜かれて、馬鹿は意識を失った。

 

《あははは!!》

 

何故か、馬鹿の持つデバイスが笑い声を上げていて、妙な雰囲気となっているが双夜は槍を一振り払うととても面倒そうな顔をしてステージに上がって行く。

その、ステージ中央にある演台からマイクを拝借して、彼は生徒側を向き一言。

 

『高魔力ランク生徒達に問う。何故、参加しなかった!?高見の見物のつもりか?全く、見損なったよ……』

 

大きな溜め息と共に告げられた言葉に生徒達がザワめく。

 

『言ったはずだよね?これは、全卒業生参加のイベントだって……もしかして、進むべき道が決まってるからアピールしなくても良いやとか、子供ッポイとかいう理由かい?』

 

双夜は、そう言い切ると呆れた様子で額に手を当てて首を横に振る。そして、また溜め息を吐き出した。

 

『ぶっちゃけ、この手のイベントは君達の正義感等も試しているんだよ。言っただろう?これは……【双方が、相手をテロリスト認識でこれまでに学んだ全てを持って制圧する事が目的である】って……参加の有無は、当人の意思に任せるが出来るだけ参加しろとも言ったよね?』

 

ニィマァ……と、笑って彼は全員を見てから言った。

 

『卒業式って訓練校での日々を締め括るイベントで、騒ぎを起こす理由が何かわかるか?ちゃんと、前日に宣戦布告までして教員・現役魔導師まで巻き込んでガチバトル的な騒ぎを起こす理由だ!』

 

「何だと言うのかね?」

 

『…………誰よ?アンタ……まあ、良いか。ってかさ、普通にそういう騒ぎを見掛けたら止めに入るのが当たり前だろう?それが、同じ教室で授業を受けた仲間なら尚更だ。明日からは、管理局で共に犯罪者と戦う奴等もいるんだよ!?高ランク・低ランク関係なく、双方をテロリストに見立て戦わせる事を目的としているのに……俺、何も知りません見てませんなんて言ってられないっしょ!?』

 

「フム。確かに……」

 

誰よ?と言われ、少し難しい顔をしていたレジアス中将だったが、双夜の話を聞いてそれに同意する。

 

『そういう事をする奴って大抵、出世して権力を得るとそれに胡座をかいて不正行為に走る確率が高いんだよねぇ……統計だけど(笑)。魔力ランクが、高いっていうのも後押しの材料になるかな?』

 

「……………………」

 

『まあ、怠け者癖が付いているというか……高ランク魔導師だからって、周囲がチヤホヤするから粋がって暴走する馬鹿が多くってねぇ……だから、彼等の正義感ってヤツを試した訳よ(笑)。でも、誰も反応しなかったねぇ(笑)』

 

「成る程な……では、ここにいる高ランク魔導師は犯罪者予備軍と言う訳か?」

 

『いやいや。まさか……そんな事は言わないよ?今後、彼等が今日の事を戒めとして努力していく可能性も否定できない訳だし……無限の可能性である未来を、確定事項と捉えるのは危険な行為だよ……』

 

「フム。中々、口が回りよる……」

 

『事実だよ。さて、今回の卒業生の中には僕によって強化された生徒もいるから、僕考案の戦術や技術が何処まで広がるかは判らないけれど……ガンガン広めて、ガンガン働いて有名になれよぉ!』

 

『おおっ!!』

 

『その前に、教員達からのお叱りが待っている!』

 

『えええーえーぇぇっ!!!?』

 

『当たり前だろう?それ込みで、こっちは予定を立ててるんだから……あ、逃がすなよ!?』

 

ワラワラと逃げ始めた卒業生達を、既に諦めている生徒達が捕まえ始める。ファーン・コラード学長は、それを見て苦笑いをしながら手伝いに行ってしまった。

それを見送りつつ、双夜はマイクを元に戻してレジアス中将の隣に立つ。

 

「どうだい?慌ただしくなったけど、中々面白い余興だっただろう?」

 

「ふん。確かに、低ランク魔導師が高ランク魔導師を倒しているのを見るのは痛快であった……」

 

「毎日30分の講義と、たった半年である程度はモノに出来るからな……後の一年半で、連携を高めてみた感じだ」

 

「!高々二年で、現役の高ランク魔導師を倒せるだと!?」

 

「基礎は、普通に出来てるからな。後は、方向性を決めて適格な師事をしてやれば、最短で一年。最長で二年と言ったところか……一日30分の座学と、二・三時間の訓練でノンビリやった結果がアレだなw」

 

驚いた表情で、双夜の方を見るレジアス。

 

「信じられん……では、もっと早く大正する事も可能なのか!?」

 

「前線にいる局員の大半が、ある程度体を鍛えているんだろう?なら、半年でイケなくもないかな?」

 

「……………………」

 

「まあ、バトルジャンキーが大量発生するけど……人造魔導師や戦闘機人なんかに金使わなくても、やり方を変えるだけで十分戦力の増強は可能だからな……」

 

それを聞いた瞬間、レジアスの表情が強張った。

双夜に振り返り、その言葉の真意を探ろうとして彼の何もかもを見通す様な目と目が合ってしまう。

 

「っ!?き、貴様……」

 

「例のあの人達から、手も引ける……どうだい?僕に、任せてみないかい?」

 

「……………………」

 

ゴクリ、とレジアスは生唾を飲み込んだ。

 

「違法に手を出す方が楽で良いかい?だけどね、人間の可能性を切り捨てて目新しいモノに飛び付くのはどうかと思うよ?」

 

「小わっぱが、知った様な口をっ!!」

 

「だが、戦力の底上げは出来る……見ただろう?低ランク魔導師の本当の強さを……まあ、気が向いたらで良いさ。ただ、君が描く未来が世界の未来を紡ぐ子供達に胸を張れるモノであるならば問題ないんだがねぇ……」

 

「……………………くっ!!」

 

レジアスを放って置いて、双夜も逃げる生徒達の捕縛に駆け寄って行った。

その後、紆余曲折はあったものの無事訓練校の卒業式は終了する。双夜は教員達に絞られた後、現役の局員達に叱られて、なのはとフェイトに叱られて……ハラオウン家に戻れば、報告を受けていたリンディにクドクドと文句を言われる苦行を通過儀礼だと言って大人しく受けていた。

 

 

 

 

 




訓練校の卒業式ですw
修羅化した、修羅レベル3~5のキチガイ共が大暴れ。
間合いを瞬動術で詰めて、鎧通しでプロテクションとバリアジャケットを無害化してダメージを与える小修羅共w
何か、簡単に事を進めている様に見えるけど、実際は双夜以外は全滅してますw
簡単に見えるのは、テンポのせいかとw

ゲイ・ボルグをクレッセント・ノヴァでキャンセル。
数万年分の人々の感情を呑み込んだ《堕ち神》を浄化する事が出来るアーティファクトなので、ゲイ・ボルグくらいの解除は可能かとw
その後、神林に鬼畜なまでの攻撃をしてますが……彼は、ここでのダメージが原因で三期には参加できなくなりますw

そして、レジアスの改革に望みますw
まあ、簡単には行かないだろうけれどw
非魔導師な双夜の推奨する方法は、とても魅力的かと思われwしかも、違法でもないし、コストも掛からない上に現状を打破出来る案件。どや!(`▽´)♪
因みに、レジアスが訓練校の卒業式にいるのは神崎の仕業w
訓練校で高ランク魔導師が、低ランク魔導師にボコられていると密告したもようww

オリジナル技w
つーか、黒歴史とも言うwww

流水流(水の流れの如く)秘技《死線》
元々は無手系の技で、殺傷力の高い技だったりしますw
指の先から、ミリマイクロメートル程の気の糸を伸ばし切り刻む技。

風幻流(吹き行く幻風の如く)秘技《青龍衝撃波》
本来は、気をかめはめ波みたいに打ち出す技。
《神殺し》スキルで、極光クラスの波動砲みたくなっている。

我皇流(大地にそびえ立つ鋼の如く)、《白虎猫パンチ》
猫のパンチですwただし、キチガイレベルの威力w

一年続きましたw
去年の今頃、書き始めたこの小説……一年続いても、何の達成感もなく。まあ、楽しいっちゃぁ楽しいけどw……と言う感じだwまあ、私の(作者の)創作意欲を満足させる為のモノでもあるので、私の創作意欲が尽きたら終わらせますwww

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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