絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一〇六話

Re:

 

 

聖王教会に着くと、シスターシャッハ……もとい、チャ姉に案内されてカリ姉が待つ奥の部屋に通された。チャ姉っていうのは、次元航行艦内で生活していた頃、俺が幼児後退化した時に呼んでいた愛称みたいなモノである。

まあ、舌っ足らずな幼児の口では『シャッハ』と発音出来なかったのでそうなっただけなのだが。『チャッハお姉ちゃん』の略称でチャ姉である。

とりあえず、シスターシャッハには早々に模擬戦の約束を取り付けて『わーい♪』と喜んでおく。

ああ、チャ姉も次元航行艦の中ではぶれない戦士のままだった。暇があれば、幼児化してない俺と戦いまくっていたからなぁ……模擬戦の申し込みに、シグナム同様直ぐ頷く事は知っている。全てが終わったら、チャ姉とシグナムと模擬戦三昧も良いかもしれない。

神崎も誘って、楽しく遊びたいものだ。

ま、無理だろうけどね(笑)。

カリ姉の、執務室兼用の応接室に通されてクロノ・ハラオウンと顔を合わせる。ヤッホーと挨拶したら、顔をしかめているクロノんがいた。だから、ニヤニヤしながら『仕事増やしに来たー♪』と報告したら泣きそうな顔に変化する。

 

「また、君は仕事を持って来たのか……」

 

「無限書庫の分と合わせて、執務官と執務官権限持ってる奴全員、過労死させに来たよ♡」

 

「止めてくれないか!?冗談に聞こえないんだが……」

 

「何時、冗談と言った?ガチだよ!」

 

クロノんが、『え!?』という表情で固まる。

兎も角、その後苦しむクロノんにフェイトちゃんが『お兄ちゃん』と発言すると顔を真っ赤にしたクロノんが、『お兄ちゃんは止めてくれ……』と嘆く一幕もあった。

それらを見ていたカリ姉が、ひとしきり口元を隠して笑うと俺に向けて自己紹介を始める。

 

「私は、聖王教会騎士カリム・グラシアです」

 

「……民間協力・無限書庫で司書をやってます如月双夜です。よろしく♪お噂はカネがね……あ、僕個人の情報網にも引っ掛かってますよ?確か、レアスキル持ちの騎士さんですよね?プロフェーティン・シュリフテンっていう、未来予知の……」

 

「あ、やっぱり知っとんのか……」

 

「そりゃ、機動六課設立の裏を知ってりゃあ耳にも入るさ……それと、個人情報。シスターシャッハに隠れて、名店のお菓子を貰っては良く食べてるって……」

 

「な!?なぜそれを……」

 

慌てた様なカリ姉を見て、米神をピクピクさせながらチャ姉はニッコリ『どういう事ですか?』とカリ姉を問いただす。うん。カリ姉もぶれない人だった。

 

「何時も思うけど、どっから仕入れてんねん……幽霊ネットワークやないやろ!?」

 

「情報屋のネタを簡単に教えられるか!?ちゃんと、出すもんは出せや?」

 

「善意の情報提供、お待ちしてまーす!」

 

「にゃははは。お断りしまーす♪」

 

「なのはちゃ~ん!」

 

「来るか!?魔法制裁っ!!」

 

「しないよ!?」

 

「ふふふ。仲がよろしいんですね」

 

「そう見えるのは、カリ姉だけだよ……はあ……」

 

そろそろ、本題に入って行く。

部屋を暗くして、カリ姉達が主導を取り機動六課設立の裏話を始める。その内容は、俺が調べたものと何ら変わらないモノだった。それを、俺は静かに聞く。

カリ姉のレアスキル、【プロフェーティン・シュリフテン】の説明に差し掛かり良く当たる占い程度だという話を耳にした。それは、未来の知識と比較しても変化なしだ。

カリ姉が、予言カードを手に持ち話している所へ近付いてヒョイっとそのカードを奪い取る。

 

「あ、こら!?」

 

八神が、俺の唐突な行為に抗議の声を上げるが気にしない。【真実の瞳】の力を強化して、それを見るが神様特典による妨害などは無かった。その中身も、使い魔が調べてきた内容と変わらない。問題はなさそうだ。

 

「……………………」

 

カリ姉に、予言が書かれたカードを返して席に戻る。

カードに書かれていたのは、以下の通りだ。

 

『旧い結晶と無限の欲望が交わる地。死せる王の下、聖地より彼の翼が蘇る。死者(使者?)達は踊り、中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち。それを先駆けに数多の海を守る法の船は砕け落ちる』

 

だが、それらだけでは何の事かサッパリなので未来知識と掻き集めた情報から導き出した答えをも告げる。

 

「とりあえず、僕の情報網に引っ掛かったあげくに解析された結果というか情報を整理するとこうなる。旧い結晶が、レリックで。無限の欲望は、コードネーム『アンリミテッドデザイア』であるジェイル・スカリエッティだ。死せる王とは、聖王『オリヴィエ・ゼーゲ・ブレヒト』の事を指し……プロジェクトFateによって、クローニングされてる事もわかっている。彼の翼とは、『聖王のゆりかご』で『死者(使者)』に関してもわかってはいたりするんだ。後は、言葉通りで……機動六課は、それを回避する為に設立された……という事らしい」

 

カリ姉の説明を途中から引き受けて、俺は俺の持つ情報を公開して結論付けた。その上で、リンディちゃんと執務官権限を持つ提督達に語った黒幕の話を告げていく。

即ち、時空管理局には最高評議会と呼ばれる管理局の指針を取る意思決定機関があって、ジェイル・スカリエッティはソイツ等によって造られた存在であるという事を公開する。それを皮切りに、時空管理局が加担した犯罪の記録&歴史をついでに公開。更には、その暗黒歴史に関してもその場にいた全員にわかるように説明した。

 

「因みに、最高評議会の方々は現在こんな形で脳髄だけとなって、この次元世界を裏から思うがままにコントロールしようとしている。それが、今の彼等の命題だ。元々は、全次元世界を平和にする事が彼等の命題だったんだが……様々な理由と、脳髄だけで過ごす内に精神が歪んで行ったもよう。つーか、彼等が切り捨てたモノは寿命だけじゃない。人として……いや、人間として最も必要とされる部分を彼等は切り捨てた。その結果、彼等は得体の知れないモノとなってしまったんだ……」

 

「得体の知れないモノ……」

 

クロノんが、難しい顔で俺の言葉を復唱する。

それに頷いて、【あの組織】が調べたり実験したりしたデータをアップ。それを踏まえて、人間の精神構造についての説明を開始して結論を述べる。

 

「人間は、順応性の高い生き物だ。それが、脳髄だけで生き続けてるんだぞ?人間のままの精神で、いられるはずがないだろう?人間としての営みも捨てて、あんな風に考え続けるだけのモノに成り果てたら……それはもう、人間じゃない。時空管理局は、得体の知れないモノに舵を任せて運営される化け物の一部って事だ!」

 

「流石に、それは言い過ぎや!」

 

「言い過ぎ!?じゃあ、お前はあんな風になっても今の人格と精神を保ち続けられると言い切れるか!?僕は無理だ。きっと、あんな風になったら……それ専用の人格と精神を構築して、順応しようとするよ……」

 

『……………………』

 

全員が、息を飲む様に押し黙った。

実際に人間の精神構造についての論文と、どういう風に順応していくかを詳しく説明出来るんだからどれだけ否定したとしても結論はかわらない。

難しい顔のまま、彼等はこちらの結論に反論できずに黙り込む。

だから、その反論すら封殺して最高評議会の終演を告げた。

 

「ま、それも……終ったんだけどね。だって、昨日……」

 

そう言いつつ、リンディちゃん達にも見せた最高評議会の末路を見せようと動画データのファイルを開き……うっかり、別の動画を押してしまった。

『おっと……』と、直ぐに再生を停めて切り替えようとするのだが……あれ?おかしい。

停止のボタンを押しても、動画の再生が止まらない。

 

『あー!なのはママ~♪』

 

「ちょ、え?なんで!?」

 

舌っ足らずな自分の幼げな声で、ママ達を呼び駆け寄って行く画像が止まらない。焦って、停めようとするけど何故かこちらの操作を受け付けなかった。直接、画面の❎ボタンをタップしてプログラムを終了させようとする。だが、全く反応ないまま画像は再生され続けた。

 

「ちょ!コンソール!!」

 

ドダダダ!!とコンソールを操作して、動画プログラム自体を消そうとするが……これも、反応しない。

仕方がないので、壊れる可能性もあったけど強制終了を使って消し去ろうとした。だが、それですら反応無し。

 

「はあ!?なんで!?」

 

その後も、様々な方法を試したけど全く止まらない。

画像を見れば、なのはママに抱き付いて頬擦りしてヴィヴィオやすじゅかママ達……それに、カリ姉達まで映している。

停まる気配もなく、そのデータは垂れ流し状態で何の対応も対策も取れない。周囲の反応は、最初ざわめいていたけれど最終的には俺に視線を固定した状態で説明を求められているのがヒシヒシと伝わってきた。

【真実の瞳】からも、そういう感情が彼女等に芽生えている事を伝えているし……もう、誤魔化せないだろう。

画像と俺に対して、不信感の様な感情がその場を支配していた。

思い当たる節を考えた所で、頭を過ったのは【鮮血の小悪魔】の顔。

そういやぁ、妖刀の件でうやむやになってたけど……アイツの事だから、何かしらの悪戯をしていてもおかしくはなかった。ガン!と机に腕を降り下ろす。

 

「クソッ!ランダムで、ウィルスを仕掛けやがって……」

 

ギロッと動画に視線を向ける。すると、不思議な事にそれに関連する動画が何枚も展開され始めていた。

 

「しかも、連動型!?」

 

人のトップシークレットを、こうも簡単に公開しやがって……あんのクソッ馬鹿野郎はああぁぁぁーーー!!!!!

 

「悪戯にしたって、ドが過ぎてんだろ!?人の足引っ張ってんじゃねぇよ…………っ!せぇんけぇつのおおぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!」

 

どれだけ叫んでも、もう後の祭り。諦めて、全てを語らない事には場を納められそうには無かった。

 

「……………………」

 

「えっと、双夜くん……これは?」

 

ショックを隠しきれず、打ちひしがれていると『なのは』から当然な質問が問われてきた。でも、一度目はスルーを決め込む。所謂、無言の『ちょっと待って!』である。出来る事はそれだけで、二度目以降は通じない。

相手との信頼関係を損ねたく無いのなら、二度目で答えるべきであろう。

ザッと、言わなければならない事を纏め、隠蔽出来そうな事は隠すべきなんだろうが……もう、良いや。そんな面倒、背負いたくもないし全部ぶっちゃけた方が楽そうである。

 

「……………………」

 

「これ、『私』だよね?『私』が、『ママ』?」

 

二度目の質問が来た。ってか、早いよ。なのはママ!?

この世界の『高町なのは』が、自分に似た存在を指差して事情を聞いてくる。まあ、それも仕方がないと言えば仕方がないか。

 

「違う。この画像の『高町なのは』とアンタは別人だ!!……っ、別人だけど同一でもある……」

 

「え?えっと……どういう事かな?」

 

「……その前に、僕について話をしないとイケないかな?……うん。一見百聞にしかず!!」

 

そう言って、俺は立ち上がり姿勢を正した。

『神化』と呟いて、己の存在を開放する。

結果。肉体は一度光の粒子に変わって拡散し、今度はそれ等が集束し光の玉と化す。その後、光の翼から展開されて輪郭のない人形へと変化した。この一連の光景は、【組織】で何度やって記録して確認したけど変化はしなかったから、この場にいる誰もがそれと同じ光景を見ているだろう。

そう考えて、その場にいる人達限定で意思を送った。

流石にこの状態では、声を出すのは難しいのでテレパシーみたいな会話を余儀なくされる。

 

《見ての通り、我は人間ではない。所謂、高次元精神生命体だ。汝等の物差しで、測った所で納める枠はないと知れ!…………実化……》

 

それだけ言って、己の密度を上げて形を固定化した後、質量化していく。それにより俺は、見た目五歳のチビッ子へと変化した。

 

「喋れないのは、ストレスだな。しかも、またこの姿から?劣化は、してないはずなんだけど……」

 

だが、それは不便だし色々と問題もあるので目を閉じて集中し、身体の構成率を変動させて普段の12歳の状態へと変化させる。

手をグパーさせて、状態の完全把握を実行。

何の問題も出なかったので、そのまま自分の席に座った。

その後、顔を上げて全員の顔を見渡すと目を見開き口を開けたままの状態で固まっているフェイトちゃん達が目に留まる。

 

『……………………』

 

無言。

フェイトちゃんの目の前で、手をヒラヒラと動かすと瞬きするので気を失っている訳ではないらしい。

 

「まあ、驚くよなぁ……架空存在だと思ってる存在が、目の前にいて一緒に暮らしていたと知れば誰でもこうなるか……ああ、因みに神崎と翼は違うからな?ユーリは、魔法生命体だけど……あの二人は、紫天の書の守護騎士だ……紫天の書に取り込んで、守護騎士化させた。あ、ちゃんと二人の了承は得てるからな?」

 

ついでに、神崎達の存在についても暴露。穴に落ちるなら、みんな道連れにしてしまえの精神である。即ち、ヤケクソ。

 

「あー、うん。そ、それはかまへんよ……あ、いや、構いません!」

 

「あ。僕、神様とは違うからな?天使でもないぞ?」

 

とは言え、存在力が限界突破しているので基本的に人間は膝ま付きたくなってしまうんだけど。本能が、本人の意思関係なくかしづきたい的な状態になるんだとか『先輩』達がそう言っていたのを思い出す。

 

「あ、そうなんーーそうなんですか!?」

 

「僕は、《神殺し》。君達が、神と崇め祈りを捧げる奴等を監視し……不正を働いたら、神権を剥奪したり断罪したりするのが役割だ。で、ここへは……その神が、送り込んだ【転生者】と呼ばれる馬鹿共を観測する為に来た」

 

「は、はあ……」

 

何故か、一番に復帰した八神が俺の対応をする。

この場合は、クロノんかカリ姉のお仕事のはずなんだけど。何と言うか、八神は何処までも幸の薄い女性だった。

 

「クロノん。八神に任せてないで、お前が対応しろよ。一番上だろ?階級!」

 

「え?あ、階級だったら……」

 

クロノんが、視線をカリ姉に向ける。

 

「お前、そういう事を女性に押し付けて我関せずを決め込む気か?それでも男か!?金たま付いてんのかよ?」

 

「む?……わかった……」

 

微妙に居心地が悪いのか、クロノ・ハラオウンは渋々といった感じで司会役を引き受ける。男なら、もっとシャキッとして欲しいモノであった。

 

「とりあえず、僕の所属を言っておくね?零次元・セフィロト……ユグドラシル所属。アロザイド軍・総長……第七世代《神殺し》如月双夜だ。これが、僕の正式な肩書きになるのかな?」

 

「…………それは、我々も行ける場所にあるのかな?」

 

その発言は、ちょっと正気を疑う発言だった。

零次元が、何であるかがわかっていないから出た質問なんだろうけど……一瞬、クロノんの正気度を疑ってしまう。

 

「無理だね。あそこかなりの高密度の次元だよ?次元航行艦で突入したら、次元航行艦が持たないよ。一瞬で、グシャッとなるんじゃないかな?持ったとしても、零次元では、生命体は存在出来ないから即死は確定かな?」

 

「……………………」

 

クロノんが、苦笑い状態で固まっている。むしろ、そんな所に住んでいるのかみたいな表情をしていた。

 

「まあ、僕達は『はみ出し者』だからねぇ……【内側】では、誰の記憶にもどんな器具の記録にも残らないのが通説だ。まあ、残そうとすると一手間、二手間掛かるんだよ……」

 

「待て、記憶にも記録にも残らないだと!?あ、いや……ですか?」

 

「はあ。言い直さなくて良いよ。普通に喋ってくれ……」

 

「ム。そ、そうか……助かる」

 

「神格は持ってるけど、『神様』ではないよ。まあ、厳密に言うと神様よりも上の存在だけどね……」

 

『上!?』

 

漸く、他の方々も反応を始める。

段々、説明が面倒になってきた。

 

「まあ、僕の話はこの辺で良いだろう。それで、神々が送り出した【転生者】だが……彼等は、この世界にとって異物だ。彼等が行う行為は、全てがイレギュラーとなり世界の根底を揺るがす事態になりかねない。それは、こちらとしても不都合なのでこうして事態の収集を計っているという訳だ……」

 

「成る程……」

 

「無限に広がる世界。僕等の人員は、五億ちょっと……時間転移魔法や時渡り……様々な方法を用いて、対処しているが……圧倒的に人手不足なんだよねぇ。なのに、時空管理局マジウザイ。高々、人間が仕出かす事位でガタガタ抜かすなよ……こっちは、世界の運営にまで手を付けられるんだぞ!?一つの世界を調整するだけでも一苦労なのに……【真実の瞳】や《ルール・ブレイカー》を持ってた所でチートには該当しないんだよ!!」

 

最後の方は、愚痴ッポクなったけれど……ここにいる理由は、理解して貰えたと思う。さて、今度は世界についての話をしなければならない。

 

「次に話すのは、基本的に君達では知覚出来ない事に関してかな?君達が、『次元世界』と呼んでいる世界だが、僕達は『並列世界』と呼んでいる。まあ、イメージ的には横並びの世界と考えて貰えれば良い。横並びの世界は、それぞれ固有の世界観を持っている世界だ。そして、もう一つが【平行世界】。イメージ的には、縦並びの世界だね。こちらは、決して交わる事のない世界だ。ま、交わられるととっても困る世界だね。絶対、行けないようになっているから行こうとしても無駄だよ?」

 

「…………釘を刺して来よった……」

 

「もし、交わったら……僕達、《神殺し》が全勢力を上げてそれに加担した全てを殺すか滅ぼすかします。じゃないと、双方の世界が消滅する所か……その周辺ーーこの場合は、平行・並列世界数万?ーーを全部巻き込んで消滅するからねぇ……」

 

「ゲッ!!」

 

八神が、俺を咎めようとしたが理由を理解するととても嫌そうな顔をして固まった。以前は、双方の世界だけが消滅するくらいだったのに……最近は、更に技術が進んでそこまでわかるようになったらしい。ってか、前例が生じたもよう。

因みに、この事は俺がこの世界を担当している間に生じた事だ。

ただ、二つの世界だけで済む事もあるらしいので、一概に判断は出来ないと言う事だった。

 

「まだまだ、【世界】の事はわからない事が多いから……大変だよ。とりあえず、同じ世界観なのに歴史や人物がいたりいなかったり違うだけの世界を見付けたら即行で引き上げてログにも残さないで欲しいかな?下手すると、バッドエンドになるから」

 

全員が頷くのを待って、俺は未だに思い出を垂れ流す画像を見る。

そして、それを指差して言った。

 

「で、これは……平行世界での一幕。僕が、なのはママ達に保護された世界でのお話……ってか、思い出だ……」

 

「ああ、そうなんだね……」

 

『なのは』が、納得したように何度も頷く。

 

「一応、言っておくけど……平行世界は、可能性の世界。簡単に言うと、『もしも』の世界だ。それは、良いかい?で、この『なのはママ』だが……リンカーコアが、損傷して魔導師ではなくなってしまった『なのは』さんだ」

 

『えっ!?』

 

とっても、驚いた表情をするフェイトちゃん達。

『なのは』に至っては、こちらに振り返った上マジマジと画像を食い入るように見ている。そういう可能性も、あったという事を説明した。

 

「まあ、僕のママは三人いてなのはママとすじゅかママとアリちゃママなんだけど……なのはママは、パティシエの専門学校に通ってたんだよ……」

 

「そ、そうなんだ……アリサちゃん達が……」

 

「え?ちょっと待って、じゃあなのは達が双夜を虐待してたの!?」

 

「それは、違う。そっちは、僕の実の親がやってた事だよ。地球歴で、2640年位の話だよ?」

 

「そっか……『………………って、ええっ!?』

 

割りと自然を装って告げた事に、一々予想通りの反応を見せてくれる『なのは』達。そんな風に反応されると、楽しくなって来るじゃないか。

 

「うん。完全な、未来人ですが……それが、何か?」

 

ケタケタ笑って、隣にいるフェイトちゃんの頭を撫でる。

もう、驚き過ぎて何が何だかわからなくなって来た状態だろう。

だが、ここからが本題になる。

 

「ついでに言うと、この世界はバッドエンドを迎えてしまった世界でもある」 

 

「バッドエンド!?」

 

「うん。詳しくは、言いたくないんだけだ……まあ、【転生者】の中に『自分の思い通りにならない世界なんて滅びてしまえ』なんて言っていた奴がいて……」

 

「なんやそれ!?アホちゃうか!?」

 

八神が、呆れた声で怒る。

アホというより、突き抜けようとした馬鹿なのだが……そこは、神崎の名誉の為に黙っておくことにする。

 

「ああ、うん。まあ、【管理者】……じゃないや、神様がそうなるように仕組んでいたんだよ。多分、神様イコール正義的な認識してる奴には馬の耳に念仏なんだけど……実際の神様は、世界を管理しているだけの存在なんで善悪関係ないんだよねぇ……だから、若い世代の神様は人間の若者と似たような感性を持ってるんだ。で、やっぱり人間の若者と似たような悪さをするんだよ……」

 

「なんや、神様って言っても私等と変わらへんねんなぁ」

 

わかった様な事をいう八神だったが、カリ姉とクロノんが揃って苦笑いをしているのを見て、八神も似た者同士なんだなぁ……と認識を新たにする。

 

「問題の転生者は、周囲の転生者を巻き込んで自爆テロを行った訳だ。自爆テロと言っても、質量兵器の爆弾を使ってドッカーン!したところで一部しか消し飛ばせないぞ?次元消滅術式搭載型爆弾を造って、それにロストロギアのエネルギーを突っ込んで全次元世界を文字通り滅ぼしたんだよ……それで、バットエンドになった訳だ……」

 

クワッ!と目を見開き、カタカタと小刻みに震えながら(演出)その原因と結末だけを告げる。

 

『……………………』

 

ありゃ?無反応!?

ちょっと、ノリノリで演出したのに……恥をかいただけだったもよう。気を取り直して、次元消滅術式搭載型爆弾の説明を開始する。

 

「ロストロギアが封印されていようが関係なく、ロストロギアに内包されたエネルギーを吸収蓄積出来る術式があってな?それが、エネルギージェネレータの所に仕掛けてあったみたいだ。で、時空管理局の近くに設置して起動。いやー、爽快な一撃だったよ?一瞬で、全次元世界が無の暗黒へと変化する様は……」

 

『……………………』

 

ちょっと、反応が無かったので煽ってみた。それでも、反応が返ってこないのでどうしたのかとそれぞれの顔を見ると何やら苦虫を噛み潰したかの様な顔をしている。

 

「つーか、時空管理局が馬鹿過ぎるよね。たくさんのロストロギアを一ヶ所に集めて封印とか……ああいう方法を取られると、時空管理局の取ってる政策も間違いの様に思えてくる……なあ?」

 

「……………………」

 

無言の反応が、いただけなかったので罵ってみた。

ちょっと、睨まれる。だけど、そこにつけ込まれたのは事実なので仕方がない。対策としては、保管場所の拡散だけど……その場合は、監視が行き届かなくて割りと簡単に持ち出され、ジェイル・スカリエッティみたいな科学者に使われる可能性があるという事だろう。他にも、様々な障害があり……実現は、現状では出来そうにない。

まずは、時空管理局・最高評議会の方々が犯した犯罪行為をマスコミにリーク、全次元世界に公開して断罪する。その上で、ジェイル・スカリエッティを逮捕し聖王のゆりかごを奪還……もしくは、完全破壊してしまえば問題はない。

 

「とりあえず、ジェイル・スカリエッティから聖王のゆりかごを奪還するのが先だろうな……」

 

そう言いつつ、連動して流れている画像を切り替えて、八神がリインフォース・アインスの胸に顔を埋めてリアルパフパフをしているのをメインに出す。

 

「リインフォース!?それにここ、ミッドチルダやないか!?何で、リインフォースが生きとるん!?」

 

「夜天の書の基礎構造を、神様特典として得ていた転生者がいたんだろう?だから、存続してるだけさ……」

 

そう言いながら、今度はプレシア・テスタロッサとアリシア・テスタロッサをメインに画面に上げる。

 

「か、かあさん!?それに、姉さんが生きてる!?」

 

「死者蘇生の神様特典を持ってる奴がいたんだろう?」

 

「さっきから気になっとんのやけど……【神様特典】って何や!?」

 

まあ、気になるところでもあるよね。

だから、説明する。

それで、彼女達がどんな感想を得るのか少し楽しみだった。

 

「超便利な、レアスキルだよ。それが、転生者には付与されているんだ。それによって、転生先で楽して生きられるようになっている。元々、神様転生する者は……神様のミスによって死んだ事になっていて、そのお詫びとして神様が転生させてくれて……更に特典をくれるっていうんだから、至れり尽くせりだよね……」

 

「つまり、転生者にとって最初っから自分等の思い通りになるようにレアスキルが付与されているちゅうんやな?」

 

「まあ、御都合主義は僕が抑えてるんで出来ないんだけどね。それ以外なら、ある程度は自由にできるかな?」

 

「そうか……」と複雑そうな顔をする八神。

 

「何だろう……転生者の人達には、未来予知みたいな能力でもあるのかなぁ?どうして、アリシアちゃんやリインフォースさんの事が前からわかっていたかの様な……」

 

それに気が付いたのは、やっぱり『なのは』さんが先だった。

どれだけ隠蔽しようとしても、彼女の目と感性だけは誤魔化されない。

流石、主人公!これが、『主人公』と呼ばれる者の実力だ。

アリシアの存在やリインフォースの消滅を、転生者が事前に知っているという状況が理解出来ないといった風に質問してくる。

転生者は、みんな予知能力者なんだよ!と言っても納得はしないだろう。

そんな能力があるなら、神様特典なんて必要ないもんね。

予知能力があるなら、事前に翌日の対話を予測しておけば人気者にもモテモテにもなれたはずだ。事前に相手の言動がわかってしまうんだから、それに対して相手が欲しい言葉を用意しておけば良い。円滑に余裕を持って、恋人だろうがハーレムだろうが作る事は可能だろう。

もしくは、神様が転生者にこの世界の事情を話している線だけど……これまでの説明には、知ってて当然のニュアンスを含ませているから納得はさせられるけど矛盾して来るから余りオススメは出来ない。

ここはもう、正直に話した方が良いと思われる。

だから、その題名を一息ついてからそれを告げた。

 

「【魔法少女リリカルなのは】……そういう、アニメがあったんだそうだーーー」

 

 

 




チャ姉とカリ姉。カリ姉の方は、最初からカリ姉と呼んでいるが気が付いていないw周りも気にしてないので問題無いよね!!って、思ってたら【鮮血の】の悪戯が炸裂!!
という訳で、何度目かの説明を開始。面倒になったので、自分の正体を曝して簡単に解説。転生者について、クロノが『成る程』とか言ってるけどわかってないんじゃないかな?
そして、原作人物が平行世界の色々に驚いてるけど……仕方がない。死んじゃったり、消えちゃったりしているんだからそうならなかった世界の結末を見せれば驚いても仕方がないんだ!!最後に、最大の衝撃を暴露wwww

はい。【鮮血の】の置き土産ですね!特定の画像にウィルス仕込んで、再生すると問答無用で関連動画を強制再生☆!!
最早、嘆くことしか出来ない双夜が哀れでしたwww
調子に乗っていたから、ああなったんだよ!って訳で、双夜の計画を大きく狂わせてみましたww
つーか、元々悪戯好きな鮮血のが何もしていない訳が無い訳で……妖刀の事でうやむやになっていたモノがうっかり出て来ちゃった感じにしてみましたwwwざまぁwww
それによって、双夜の最初っから~が開始。
なのはさんに、自分の子認識されてしまいますww
ついでに、ヴィヴィオも子供にしてしまえwwってか、双夜が「妹欲しい」って言えば全て解決!!ヴィヴィオも自分の子認識で、引き取ってくれることでしょう。

この回を含めて、後10話程となりますw

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m(_ _)m

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