絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
Re:
「【魔法少女リリカルなのは】……そういう、アニメがあったんだそうだ」
そう言われた彼女達は、何を言われたのか全くわかっていない様子だった。まあ、そんな事言われても誰もが似たような反応をすると断言できる。自分達が、アニメや漫画の登場人物だなんて1ヨクトメートルも考えていないからだ。
生まれた世界しか知らなければ、俺だってその可能性に気が付きもせず日々を謳歌していただろう。
「転生者の中には、全員という訳ではないけれど……そのアニメを見ていた奴等がいる。んで、その知識をフルに活用して自分に都合の良い対人関係を作りにこの世界に転生して来ているらしい……」
『……………………』
「そうだなぁ。例えを上げるなら、今世でパッと見た感じイケメンや美形の奴は……生前、社交性の無い引きこもりのブサメンか……アニメや漫画の世界に逃げた、『ヲタク』と呼ばれる真性のロリコンだろうな。特に、『なのはは、俺の嫁』とか言ってる奴……生前、恋人どころか友人も少なかっただろうから対人能力が低いんだよね。でもって、形成された人格は転生後も出来上がっている生前の人格が適応されているから。変化・成長している様子もないし……見た目がイケメンになれば、モテモテになれるって理論をガチで信じちゃってる残念思考なアホメンとなってます」
『ーーーーーーーーーー』
一部、開いた口が塞がらないって表情で固まっている奴もいる……が、今度こそ全員が完全に言葉を失った状態で停止してしまった。もしかすると、俺の毒舌が原因かもしれないけど。いきなり、常識の範囲外の現実を叩き込んでしまったので反応出来ないもようだった。
「あ、ああ、ア、アニメェ!?ちょ……ちょぉ、待って!それって……私等が、アニメのキャラとしてテレビで放送されとったとでも言うんか!?」
話を続け様としたのに、それを止めて真っ先に問い質してくるのは八神だった。流石、元文学少女。
その辺りの対応力は、他の方々と比べると一目両全だ。
「さあ?この世界が先か、アニメ?漫画?それらの創作後に生まれたのかは不明だけど……転生者は、それを見て主人公キャラ達を手に入れる為に行動するってのが通説になっているらしいよ?」
世界、五分前創造説を信じたくないけれど……あるにはあるらしい。今は、世界を複製して別の可能性を突っ込むのが主流だけど。
「……………………何やそれ!?何やねん、それぇ!!」
激昂する八神。フェイトちゃんは、無反応なので話に付いて来られなかったと判断。意識外へと追いやってしまう。
今は、目の前で怒りを露にする八神の対応を優先する。
「『高町なのは』を中心に、【痛みと悲しみと少しの希望】をテーマに創られた物語らしいね。地球歴2004年から半世紀程、放映された大人気アニメらしい。僕は、見てないっていうより……生まれてすらいない時代の話かな?」
「あー……2638年生まれなんやっけ?」
少しだけ、八神の怒りが散無する。
だけど、怒りが継続している事はわかっていた。
「うん。だから、人から聞いた話なんで申し訳ないんだけど……アリシアは生き返らず、プレシアと共に虚数空間へ落ちていき、リインフォース・アインスが消滅するのが『原作』と呼ばれる通常ストーリーで、それをブレイクした話が転生者の御都合主義で改編された物語……になるのかな?」
「つまり、今の私等は『原作』沿いの物語展開をしとるって事やな?フェイトちゃんのお母さんもお姉ちゃんもリインフォースもおらへんのやから、間違いあらへんよな!?」
それは、そうなんだけど……でも、それは『アニメ』のストーリーに関してのお話なだけである。もしかすると、それ以外の所が改変されている可能性があるかもしれない。
「さあ?そこら辺は、転生者次第だからわからないけど……僕的には、転生者がいる時点で改変されていると判断しているから。そっちの方が、間違いではないからね」
「それもそうやね。しかし、良お考えたら段々腹が立ってくるわ。未来を知っとって、改変せえへんとか……」
「アインスの事?それとも、プレシア達の事?僕としては、放置してくれてありがとう……何だけどね」
「なんでや!?」
八神達的には、改変してくれた方が嬉しいのだろうけど……僕等《神殺し》的には、改変しないでくれた方が嬉しい。
「だって、死者が26年後に生き返るんだよ?死んで直ぐ生き返るなら未だしも……それに対応させる為に、世界の調整が何十年掛かると思ってんのさ!?下手をすれば、人類どころか生命全てが全滅もあり得るレベルの大惨事だ。因果律が……世界の運営システムが、エラーの末にフリーズして落ちたら、修正力も働かなくなるから!……ロストロギアの暴走とかで起きた次元の歪みとか、虚数空間の穴とか開いたらそのままなんだよ!?最終的に行き着くのは、システム崩壊だっ!!そんな事になったら、一度システムを再起動させなきゃいけなくなるから電源落とした時点で生命維持の為のシステムも落ちて全てが死に包まれる……どちらにしろ、生命が残らないってオチだから洒落にならないんだ!!」
「おおぅ……」
世界運営システムの話を始めると、八神がドン引きしてしまった。まさか、そっち方面の話をされるとは思ってもいなかったのであろう。しかし、世界の運営や理方面を担当しているこちらからすれば、そこら辺が最も重要視されてくる。改編するのは構わないが、それによって歪んでしまったシステムを放置されるのは困るのが俺等運営側の本音だった。
「だからといって、神様の神通力で仮初めの命を与えてゾンビみたいに生き返らされても……変なハッキングみたいなモノだ。世界の運営システム的には訳のわからないバクを発生させんなよ!?みたいな話に……」
「何れにしても、世界の運営に関わってくるんかいな……」
そもそも、異物混入事件だから全てに置いて世界の運営システムに関わっていく話にしかならない。しかも混入された異物が、世界の根底を揺るがす改編を加えてそのまま放置されると【内側】のシステムでは支えきれなくなって【外側】に排出される恐れもある。
「どうせ、複製した世界だから消滅したって問題にならないよ…的なフレーズで、間違った常識が横行。それらの不正を、摘発したり修正したりすんのは僕等の仕事ではないんだけど……それをする人材が、いない為に僕等が代行してる。それなのに、無理無茶無謀を行って放置とか……もう、止めて欲しい……(泣)」
「……………………えっと……(焦)」
両手で顔を覆い、嘆く俺を見てフェイトちゃんが慌て始める。『なのは』さんも、微妙に顔を引きつらせているから俺達の苦労を理解してくれているのだろう。
「ごめん。愚痴になった。兎に角、今尚世界の運営システムの調整をしながら……情報の整理。無限書庫とか、犯罪者のリストとか……犯罪者の摘発に逮捕。報告書の作成とか……低ランク魔導師の指導とか……僕に掛かっている仕事量は、半端じゃないんだよね(笑)」
「ええぇ……えっと、ごめんね?」
「おおぅ……なんか、ごめんなぁ?」
関係者ーーこの場合は、八神とフェイトちゃんからの謝罪が行われる。なのはママは、身体を動かすのが仕事の様で書類の山と格闘するのは、フェイトちゃんや八神の仕事なのだろう。それでも、申し訳ない的な顔をしているのでその謝罪の気持ちは受け取っておく事にした。
「とりあえず、君等の管轄はお返しするね?」
と言って、クロノん達の目の前に提示された情報は億を超えていてドン引きされる。まあ、それは仕方がない。
まさか、俺が一人でそんなにも抱えているなんて思ってもいないだろうし……実際、現在進行形で増え続ける犯罪に対応していたらそんな感じになってしまった。
無限書庫の整理に至っては、それを更に上回る情報量になって『なのは』達もドン引きしている。
「もう、一人でやる仕事じゃないよね?これ……」
「ヤれるだけの能力を持ってるが故の仕事量だよね!普通なら、過労死してるよ。でも、僕は不老不死なんで問題なし!にゃははは。精神に異常を来しても、【真実の瞳】が真っすぐに直してくれるんで……ぶっちゃけ、拷問」
「おおぅ……」
八神が更に身を(物理的に)引いて行く。
それは、便利でチートな能力のとても嫌な弊害だった。
「まあ、それは僕の能力が高いせいでもあるので気にする必要はないかな?ところで、なのは、さん?転生者に関しての感想を聞いても良いかな?」
「言いにくいなら、『ママ』でも良いよ?」
「えっと……」
『なのは』は、苦笑いしてそう言うと少し考える様に眉間を押さえ……しばらくしてから質問を返してきた。
「…………神林君達なんだよね?転生者って……」
「うん。それと……神崎に翼も、転生者だったかな?今、神崎は『原作知識』関連で契約していて……翼は、悪質な管理者の玩具になりさがっていたから救済してるところ。ユーリは、《旧・神族》によって無理矢理引きずり出されてイレギュラー化しちゃったので保護した形だけど……」
ついでなんで、神崎達の事もバラした。すると、何故か八神が落ち込んだ様子で大きく頷いている。
「そうなんや……」
「うん。兎も角、ちょっと無理矢理になるけど……ここまでを、僕個人の事情って事にしておくよ?その上で、ジェイル・スカリエッティと聖王のゆりかごを何とかしてね?と八神にお願いしておく!」
「何や、スカリエッティを押し付けられたみたいな状態やなぁ……」
みたいではなく、事実押し付けた形だ。
そもそも、スカリエッティは『原作』関連の事なので八神達が対処するのが正しい。
「聖王のゆりかごは、どないしたらエエんかなぁ?」
八神の視線が、カリ姉に向けられる。
カリ姉は、難しい顔をして悩んでいるようだ。
「……『原作』では、どうなったのですか?」
悩んで悩んで、個人では決めきれなかったカリ姉は『原作知識』に頼る形で『聖王のゆりかご』の今後を決めようとしているみたいだけど……『原作』で、『聖王のゆりかご』がどうなったかなんて俺はまだ聞いていなかった。
「え……ゆりかご?…………知らないよ?神崎に聞いて?」
「なんで、知らんのや!?」
初めて、『原作知識』を持っていない事に他人から文句を言われたが……そもそも、こんなにも早くこの時代に来るとは思ってもいなかったから仕方がない。
「まだ、何も聞いてないからだけど。まあ、改変は適当にその場のノリでやってるから……因みに、神崎曰く。現時点で、原作よりもジェイル・スカリエッティ側の戦力がガタ落ちしているらしい。まあ、頭は潰したし……協力者の離反も確定したし……ジェイル・スカリエッティの孤立は確定事項だから……」
「双夜君の行動の場合は、改変に該当せえへんのん?」
「するよ?でも、僕の役割は管理者の目を引き付けておく囮だから……目立たないといけないんだよ。というのを免罪符に、無茶をしてます(笑)」
「あかん方の免罪符や!悪い事は許さへんで!?」
現時点で、俺的には悪い事はしていない。
使い魔達の方はわからないけど、時空管理局にバレる様な規模の犯罪行為は行っていないと報告されている。
つまり、時空管理局にバレないレベルの犯罪を犯してる可能性は大だった。とは言え、『なのは』達がとても心配している様なので安心させる為に問題ないと答えた。
「大丈夫。なのは、さん達の周りで騒いでいれば良いだけのお仕事です。後は全て、原作主人公であるなのは、さんにお任せしますのでよろしくお願いします!!」
ペコッと頭を下げて、よろしくお願いしておく。
なのはママは、お願いされるとちょっと苦笑いをしてから『わかったよ』と頷いた。
……………………。
その後、機動六課に戻った『なのは』達はラウンジで寛いでいた神崎を取調室に連行して、かなり厳しい尋問を行ったらしい。まあ、俺の用意した珍入者をも含めて尋問に次ぐ尋問を行ったとのことだった。
因みに、『珍入者』とは翼の事である。
神崎が『なのは』達に連れて行かれた後、ヴィヴィオに面会へ行く途中でバッタリ遇ったので神崎が取調室でフェイトちゃん達と激しい運動をしているよ?と言ったのが原因だ。瞬間、顔色を変化させた翼が取調室へと急いで走って行く。その後、彼女が何をしたのかは神崎の顔を見たら直ぐに判明した。
何故なら、左側の顔がパンパンに腫れていて翼に殴られたって事が見て取れたからだ。思わず、大笑いしてしまう。
まあ、そんな俺に気が付いた神崎が凄く怒っていたけど……それは、仕方がない。お叱りは、甘受する事になる。
ヴィヴィオの方は、ぬいぐるみに埋もれてエリキャロと共にお休みしていたので、それぞれの頭をナデナデして写メった。後で、フェイトちゃんに渡しておけばもうちょっと激しい悪戯をしても許して貰えるだろうと打算したからである。
ヴィヴィオが寝ている間に、『なのは』には他の事も教えた。ヴィヴィオが、聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローンであり『聖王のゆりかご』を実際に動かせる事(未来知識)や、『なのは』を『ママ』と認識しているのは魔法のデータを収集する為に必要だからだとか。とは言え、ヴィヴィオに母親が必要なのにかわりはないからこのまま既成事実にしてしまえば良いとも助言する。『なのは』は、まだ覚悟が決まって無いのか里子に出す云々と言っていたけど。
「僕には、『ママ』って言って良いって言ってたくせに…」
と言って、その無責任さを指摘すると……俺が、『なのは』を呼ぶ時に『白い悪魔』とか言いにくそうにしていたからと反論される。だけど、ヴィヴィオには関係の無い事なので『ママ』と呼ばれるなら『なのは』はもう親なのだと言い切った。
すると、様子を伺っていたフェイトちゃんが神崎に聞いたらしい原作知識を持ち出して来て、機動六課の隊舎が襲撃されてヴィヴィオが拐われるという聞きたくもなかった情報を教えてくれる。
ぶっちゃけ、俺がいる限りヴィヴィオがジェイル・スカリエッティに回収される事は出来ないとも言った。
手を出されたとしても、その時はパンドラの箱が開くだけの話だ。気にするだけ、無駄だと思われる。
即ち、俺の妹分に手を出した奴は『全力全開で、叩き潰す!』と宣言した訳だ。
「史上最強の守り神やなぁ……」
とは、八神の言である。そこら辺は、蓋を開けてからの話になるので明言は避けたけど……多分、予想通りかそれ以上の事になるとだけは予言した。
何故なら、俺にはヴィヴィオに対して大きな後悔がある。
かつて、彼の次元航行艦内で最も早く死亡したのがヴィヴィオだった。それは、ゆりかごを動かす為の【鍵】だった影響もあり肉体が変質していたヴィヴィオは寿命がとても短くなっていたのだ。ヴィヴィオの死後、艦内の雰囲気はとても暗くなり……生き残った者達は、一様に自分達には未来は無いんだと、その現実を突き付けられてうちひしがれていた。それを払拭する為に、フェイトちゃんに《リヴゥフロー》を掛けたのは良い思いでだろう。
フェイトちゃんが、なのはママの事を『ママ』と呼んで八神が大はしゃぎしてフライパンで殴られていたけど。と、そこまで思い出したところで、俺は思考を放棄した。
何故なら、神崎の尋問を終えた『なのは』達がラウンジに来て、事もあろうに『双夜くん、今晩は私達の所に来る?』とか言い出したからだ。
そこは、『積もる話もあるから私達の所に……』……フム。
何れにしても、誤解を招く発言にしかならない訳か。
何と言う罠。そして、『なのは』はショタコンの疑いを掛けられる事となる。
まあ、フェイトちゃんには兼ねてからそういう疑いがあったらしいので問題は無かった様だが、『フェイトちゃんのショタコンがなのはちゃんに移った!?』と『なのは』達に聞こえないレベルの声で誰かが言った。
だから、俺は秘密基地のシステムに干渉してとあるモノを取り出す。それを、おもむろになのはママに手渡してニッコリ笑うとハッキリと告げてあげた。
「管理局の白い悪魔さん。そちらの、歩くロストロギアさんから伝言です……フェイトちゃんのショタコンがうつった?……と(笑)」
「私、『ショタコン』じゃないよ!?」
伝言を伝えた瞬間、超反応で否定してくる『金色の死神』さん。そんなに素早く、否定しなくても良いのに……よっぽど、施設の時に弄り倒したのが堪えているらしい。
「ちょっと、はやてちゃん!?どういう意味!?」
「ちょ、なのはちゃん!フライパン、振り上げんといてぇ!?」
「上からは、ダメだよ!下から、顎を狙うんだ!!」
「ちょ、顎はアカン!フライパンで、顎はアカンて!!」
「大丈夫、一・二回やれば砕かないコツ覚えるから!!」
「じゃあ、覚悟してね?はやてちゃん……」
「止めて!それなら、魔法制裁の方がよっぽどマシや!」
逃げ惑う八神を追って、なのはママがフライパンを振り回しながら走り回る。それをティアナ達が、ポカーンと見ていた。ただ、エリオがラウンジの隅でガタガタ震えているのが気になる。
フェイトちゃん、エリオに何かしたのかな?
「だから、私は『ショタコン』じゃないよ!!」
「……エリオにトラウマ植え付けて、『ショタコン』違う言われても説得力無いよ!!」
フェイトちゃんが、『え?』とか言いながら視線をエリオのいるラウンジの隅へ。
釣られて、その場にいた全員の視線がエリオに集中した。
エリオ、何故かフェイトちゃんの視線に気が付いたのか振り返り、強ばっていた顔を恐怖の表情へと変化させ涙目となり更に震えを激しくする。当然、それを目撃した面々はフェイトちゃんに疑惑の視線を向けた。
「違うよ!?違うからね!?」
「エリオの表情が、全てを物語っている……コイツ、『ショタコン』だ!!!!」
等と、フェイトちゃんを指差し大声で騒いでみた。
因みに、本物のエリオはトイレで拘束中。ラウンジの隅で震えているエリオは、報告に来ていた俺の使い魔くんだ。
ついでだったので、悪戯する?と誘ったらノリノリでエリオを付け回しトイレで拘束。別の使い魔が、エリオに変身してフェイトちゃんがラウンジに現れた所で部屋の隅に移動して怯えた振りをしていたって訳だ。
その隣で、いつもと様子の違うエリオを見詰め、しきりに首を傾げているキャロがネタバレしそうだけど……もう少しだけ、黙っていて貰って俺は総仕上げに入ろうとする。
「キャロ、キャロ!」
「ん?何、ソウニャくん?」
「この間、行った地球では……人参の事をキャロって言うらしいよ?キャロも、キャロ好きにならないとね?」
「……………………」
「凄い、嫌そうな顔をするね……まあ、そんなキャロはこの後……大っ嫌いな人参をパクパク食べる事になるのだった」
「ならないよ!エリオくんが、食べてくれるから!!」
等と言っていたが、ヴィヴィオの好き嫌いを無くす為にキャロは人参をパクパク食べる事になる。
その後で、キャロが俺に予知能力があるのかと聞いて来ることになって、地獄耳なティアナの耳にその話が聞き取られるのだが……恐怖のティーダさんとのデートが堪えたのか何も言われなかった。
「フムフム。ってか、二人は同じフォークでご飯を食べれるんだね……まるで、恋人みたい!」
「はうっ!?」
「ありゃ?気が付いて無かった?じゃあ、同じフォークでご飯を食べる行為が、間接キッスと呼ばれてる事は?」
「間接キッス?」
「わからないなら、年長組に聞いてみると良いよ……詳しく教えてくれるだろうから……」
今一、要領を得てないキャロは首を傾げつつティアナ達の元へ。そして、爆弾を投下された年長組はあたふたしながら説明を始めた。
それを眺めてから、フェイトちゃんの元に行き『ショタ好きなの?』とニコニコしながらトドメを刺す準備をする。
「別に、小さい男の子が好きな訳じゃないよ!!」
「え?キャロも対象なの!?」
「双夜は、私をどんな人間にしたいのかな!?」
トドメを刺す予定が、上手い切り返しをされてしまった。
微妙に、行き着く先が遠退いて行く。フェイトちゃんも、中々に成長している様だ。
「つまり、フェイトちゃんは幼い子が好きなの?」
「話を聞いて!別に私は、幼い子が好きって訳じゃ……」
「え?エリオもキャロも嫌いなの?」
「そんな訳ないよ!って、わかってて言ってるよね!?」
フムフム。どんどん、俺が進めたい方向性から離れて行ってしまう。これは、トドメ……無理かもしれない。
とは言え、俺の目的は撹乱だ。
どんな形でも良いので、周囲が大混乱してしまえば良い。
とりあえず、この会話を続けてみようと思った。
「何が?わかってるって、どういう事?」
「そんなに、私を貶めたいの!?」
「じゃあ、エリオのあの反応はどう説明するのかな?」
「え?し、知らないよ!?」
「でも、フェイトちゃんが来てから怯えてるよ?」
「わかった!エリオに、話を聞いてくるよ!!」
そう言って、フェイトちゃんはエリオ……もとい、エリオに変身した使い魔の元へと歩み寄って行く。
「……………………」
フェイトちゃんを見送って、俺はニヤニヤしながらその様子を伺う事にした。使い魔から、どうしたら良いのかと指示を仰ぐ思念が届くが無視する。
「エリオ!」
「ひぃ!?こ、来ないで下さい……」
「ううっ……エリオ、どうしたの!?」
近付こうとするフェイトちゃんに対し、エリオ(使い魔)は慌てた風に遠退いて行く。その様子は、ラウンジにいる全員がしっかりと目撃していた。
「エリオ!!」
「僕には、フェイトさんを受け止められません!と、年だってスッゴク離れてますし……ぷ、プロポーズされても困ります!!!」
瞬間、ラウンジの雰囲気が緊張してヒビが入った様な音がした気がした。当然、その様子を見守っていた方々がザワザワと騒ぎ出す。
「フェ、フェイトちゃん!?」
「フェイトちゃん、ヤるなぁ…………」
「ま、まま、ま、待って!な、何の話!?」
「フェイトちゃん、エリオにプロポーズしたのー!?」
「してないよ!?してないったら!!」
野次を飛ばすと、フェイトちゃんが超反応で答えてくる。
本当に、弄りがいのある女性であった。しかし、使い魔もとんでもない修正を掛けてきたなぁ……まさか、俺が目指していた最終結論に無理矢理持って行くなんて流石である。
伊達に何千年も、俺の使い魔をやってはいない。
「フェイトちゃん、『ショタコン』疑惑……判定は、ギルティッ!!観念するんだ!フェイトちゃん!!」
「違うよ!?何かの間違いだよ!私は、エリオ『のお尻が』好きなんだよ!!別に、『ショタ』が好きな訳じゃないからっ!!私は、『エリオのお尻が』好きなだけなんだから!!!!」
『え゛!?』
とてつもない告白に、周囲から音が消えた。
風の魔法で、空気の振動を止めてテンポ良く別の音を割り込み。まるで、フェイトちゃんが変態的な言葉を発しているかの様に喋らせる。因みに、フェイトちゃんには割り込みを掛けた音声は聞こえないようにしていたので、自分が何を言わされたのかは全くわかっていない。
「???『脚も良いよね?』」
周囲の反応を見て、フェイトちゃんが首を傾げて頭の上にハテナマーク(比喩)を浮かべる。今一、わかっていない感じがフェイトちゃんの変態性を引き上げていた。
『なのは』さんも、フェイトちゃんの発言に驚いた様に固まっている。元々あった百合疑惑を払拭して、フェイトちゃんには新たな『ショタコン』疑惑で上書きしてやった。
ウンウンと満足気に頷いて、この日の悪戯は終了。
積もる話は、翌日に回して今日はエリオの所でフォローに徹する。大丈夫だよ、フェイトちゃん。エリオは、フェイトちゃんの寄行を知らないままだから!!
とか思っていたけど、何処から聞き付けたのか数日後にはエリオもフェイトちゃんに疑惑の視線を向けていた。
フェイトちゃんに、ショタコン疑惑!!
エリオにプロポーズ!?まさかの逆源氏物語!?
とか、やってみましたwww最低の悪戯ですね。わかります。わかっていますが、止められませんでした。
まあ、時間稼ぎ?(何で、時間稼ぎしているのかは忘れたけど……)の延長線です。あ!起爆させたく無いんだよ。
大騒ぎになるからwwって訳で、話を引き伸ばしています。
それも、後数話程度のモノですがww
とりあえず、スマホが戻って来たので次回の分を上げたら急ピッチで話を作って行く予定ですww遅更するかもですが、待っていてください!!
仮面ライダーは、もう少し掛かります。
勉強中なのでwそれと、変身の際のフルーツが出で来て鎧になる間は、無敵タイム状態なのかな?……誰か、知ってる?
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。