絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
翼
神崎大悟が、チンク達と接敵する前に遡る。
シグナムとヴィータが、急接近するという相手へと向かって行った後……私とフェイトは、航空武装隊と交戦しているという戦闘機人を目指して飛んでいた。
神崎の話では、本来は二人の戦闘機人が空で暴れているはずだったのだけど……今は、一体の戦闘機人が空戦魔導師を撃沈して回っているらしい。
空に上がって、その方向に飛んで行くと思う以上に空戦魔導師の撃破光がチラチラと見える。
それにつられる形で、フェイトのスピードが上がって行く。焦る気持ちはわかるけど、私を置いて行かれてフェイトが拐われる事態になるとチビッ子が恐ろし過ぎるので堪忍して欲しい。フェイトのスピードに合わせて、飛行魔法に魔力というガソリンをドンドン突っ込んで行くのだが、これ以上魔力を突っ込むと術式が壊れないか心配になる。
それでなくても、私の魔力は推定ランクEX。
普通の魔導師とは、格が異なるので魔法術式が壊れる可能性があった。実際、魔力の注ぎ込み過ぎで術式が壊れた事がある。あの時は本当に焦った。
突然、魔法が消失して思っていた結果と違った結果になってしまったから。いや、まさか魔法を失敗する事になろうとは考えもしなかった。
「とりあえず、全てが終わったら……チビッ子に、術式見て貰う必要があるわね……」
そう、愚痴って私達は空戦魔導師を撃沈し回っている戦闘機人へと接敵した。フェイトはそのままのスピードで、戦闘機人との距離を詰めてバルディッシュで攻撃する。
その間私は、後方から相手の牽制と攻撃妨害に徹していた。私の基本的な戦術は、遠距離からの誘導弾と砲撃だ。
接近戦となれば、ゼロ距離からの砲撃や誘導弾と直射弾圧・バインドを駆使しての攻撃となるが現在はフェイトという前衛がいる。それ故、油断は出来ないけれど心強くはあった。だからと言って、大人しくチマチマ攻撃していたりはしないんだけどね。
時折、背後から戦闘機人の女を足蹴にして砲撃魔法を叩き込む。砲撃は回避されたけど、相手への牽制にはなったはずだ。こうやって、背後から……また、正面から攻撃を仕掛ければ、目の前のフェイトだけでなく私にも意識を割いていなければならないからプレッシャーにもなる。
飛んでくるブーメランは、デバイスを変化させた剣で切り払い。空手となった敵には、直射弾を打ち込んで態と回避させる。回避した先には、フェイトがいるから相手は怯む。そこへ、念話で『行くよー?』と声を掛けてから間髪入れずに砲撃を叩き込んだ。
《ちょっと、今の……なのはみたいだったよ!?》
《わかりやすくて良いじゃない。ほら、ドンドン行くわよ?》
《そりゃ、わかりやすいけどっ!!》
良くわからないけど、フェイトから文句の念話が飛ぶ。
とても、フェイトが困惑しているのがわかった。
その様子を見ていると、この世界のフェイトもなのはに背後から頻繁に砲撃を叩き込まれたりしたのだろう。
私は気にせず、砲撃と共に誘導弾とバインド弾を織り混ぜたシューターを打ち放つ。バインド弾は、速度は遅いけど当たれば相手の足止めが出来るので多用する魔法だ。
最初の頃は当たらなかったけど、段々相手の回避ルートや癖がわかってきたので上手くハマる様になってきた。
《はい、捕まえた!!》
「バルディッシュッ!!」
《Yes sir.》
鎌のモードで、フェイトが相手に接敵して切り裂いた。
追撃の砲撃は回避されたけど、こちらの制度は上がって来ている。と、背後からブーメランが飛んで来て当たりそうになったけど何とか回避。段々、鬱陶しくなって来たので力一杯ブーメラン目掛けて剣を降り下ろした。
バキン!という音と共に、ブーメランが真っ二つにへし折れる。一瞬驚いて、自分のデバイスに視線を落としてしまったけれどヒビすら入っていなかった。
「流石、チビッ子特製フレーム!ちょっとやそっとでは、壊れたりしない訳ね!!」
それは、とても有り難かった。
昔なら、この一撃で私のデバイスは使い物にならなくなっていただろうから、それを考えるとチビッ子に魔改造を頼んで正解だったと言えるだろう。
視線を敵に戻す。すると、敵は自分のすぐ近くにまで接近していた。それを阻止しているのは、フェイトで余所見をしている私を庇うように相手を牽制している。
それを見て、少しだけホッとした。
これがチビッ子だったら、私はもう撃沈されてシャマルさんのいる救護室に運び込まれていただろう。
だけど、今の相手はチビッ子じゃなくて本物の犯罪者だ。
神崎からは、何も言われてないけど取り逃がす訳には行かない。とは言え、自分から私の間合いに飛び込んで来てくれたのだ。最大限の歓迎をして上げようとした所で、何処からかメールが入って来た。この忙しい時にと思いつつ、敵の攻撃を回避してメールを開ける。
「全く、妙な指示が来たわね……」
良くわからなかったけど、メールに書いてあった指示通りに戦闘機人の背後に回って全力で蹴り飛ばした。
方向は下。敵を蹴り飛ばすのと同時に、フェイトを連れて高度を下げていく。
「ちょ、翼!?」
「良いから!そういう、指示があったのよ!!」
「指示!?誰から!?」
「チビッ子よ!良くわからないけど、戦域高度を下げろって指示が来たのよ!!」
相手が空中で、静止するのを確認しても私達は降下を止めなかった。相手も、そんな私達を追い掛けて高度を下げていく。すると、敵の戦闘機人に向かって細いヒモの様なモノが上下左右からたくさん飛んできた。
その内の何本かが、敵に絡まって行く。
それをフェイトと共に、『?』を浮かべて見ていると更にメールが届く。内容は、『手伝ってやってくれ!』である。それを見て思うのは、何をどう手伝うのかであった。
ハッキリ言うと、完全な説明不足なのだけれど私はそれで大体の事を把握した。
「あれね!プロテクション!!」
ビルの屋上に視線を向けて、目的のモノを見付ける。
その手前に、プロテクションを展開して『手伝って』みた訳だ。その次の瞬間、戦闘機人の背後に転移したように現れた青年がズドッ!と鈍い音を立てつつ拳を敵の後頭部に叩き込む。戦闘機人の目から、光が消えて視線があらぬ方向に。ゆっくりと、力を失った戦闘機人は地上へと落下して行った。青年も、そのまま重力に従い戦闘機人と同じ様に落ちて行く。
「正気の沙汰ではないわね……」
全くもって、正気の沙汰では無かった。
共に落ちると解っていながら、プロテクションを足場に空中に飛び出てくるなんて自殺行為もいい線逝っている。
「ちょ、人が現れて、落ちて行ったよ!?」
「あー……フェイト、申し訳無いんだけど助けて上げてくれるかしら?彼、きっと飛べないから……」
「え?え?ええっ!?」
フェイトは、困惑しながらも落ちて行った彼を慌てて追っ掛けて行った。たぶん、転移してきたなら転移すれば良いんじゃ無いかとか後で考えるかもだけど……相手は、ミソッカス魔力の低ランク魔導師。
転移の『て』の字も使えない、チビッ子の弟子達である。
「良く、飛び込もうと思ったわね……」
ふぅと息を吐き出し、ふと馬鹿が飛んできたビルの方を見るとヒモを掴んだまま、戦闘機人を支えているチビッ子の弟子を見付けた。しかも、一人だけではない。
数人の弟子達が、人命救助のつもりなのか戦闘機人を頑張ってささえている。
「…………戦闘機人の体重って、普通の女性レベルなのかしら?」
機械の身体ということだから、普通の人間よりかは重いと思われる。
「あーーーーー!!」
当然、そんなモノを支えられる訳もなく一人……また一人と小修羅達は落ちて行った。離してしまえば、そんなことにはならなかっただろうに……しかし、彼等にそんな考えなど思い至らないのか最後の一人まで落ちて行く。
「世話の焼ける子達ね!!」
フェイトに続いて、私も慌てて落ちていくチビッ子の弟子達を追って行った。
何とか、最後に落ちて行った一人を捕まえて地上へと降ろしてあげた私は疲れてヘタリ込んでしまっている。
実質、戦闘機人+数人の修羅をゆっくり安全に下ろしたからだ。まさか、本当に筋力超過特典を失った事を後悔することになろうとは思いもしなかった。
「次は、手伝わないわよ!?」
チビッ子もチビッ子だけど、その弟子達も弟子達である。
次は、手伝わないと誓いを新たにしながらチビッ子から送られてきた新たなメールに目を通していた。
先程の労いと、今度はとある地点の海上で収束砲を撃って欲しいという依頼である。良くはわからないけど、私は言われるままにその依頼のあった地点へと向かう。
意識を失った、戦闘機人の子はフェイトに押し付けて来た。依頼メールにも、フェイトに押し付ければ良いと書いてあったし、そもそも戦闘機人に関しては原作に任せれば良いのだ!というのがチビッ子の方針だ。
それから、数分空を飛んでチビッ子の依頼地点に到着した。周囲を見回して見るけど、何にもないここで収束砲を撃つ理由がわからない。
とりあえず、指示されるままに収束を開始した。
すると、どうだろう。何処からともなく、ガジェットがワラワラと涌いて出て来たのである。それは、こちらも同じで蜥蜴をデフォルメしたチビッ子の使い魔がワラワラと出現した。
『きゅきゅー!!』(o>`△<)o壁
良くわからないけど、現れたヌイグルミはガジェットの攻撃を自分の正面に展開したプロテクション?で防御する。
「えっと……これは、フォローして貰っているということなのかしら?」
ぶっちゃけて言おう……すごく、和む。
カプセル型のガジェットはまあ良いとするが、チビッ子の使い魔の方は攻撃を防ぐ度に『きゅー!』とか『きゅきゅー!』と鳴くのである。その上、防御成功と同時にコロコロと背後に転がるのだ。チビッ子の趣味なのかは、不明だけれどその姿はとても可愛らしかった。
「って、眺めてる内に収束が終わってしまったわ……」
再度来たメールには、この収束砲をどの地点に穿つかが記載されていて意味は不明だ。とりあえず、撃って見ればわかるので指定された地点に穿つ。
「一閃撃滅!!スターゲイズ……ブレイカー!!!!!」
『拡散タイプで放て!』とあったので、マルチシフトでSGBを広域に放った。本当は、テイルズシリーズの魔法をと考えていたのだけれど……詠唱が面倒臭くなってしまった結果だ。その結果、突然現れた眼鏡の戦闘機人が私の青い魔力光に飲み込まれて海の藻屑と消えて行く。
「ここにもいたのね……戦闘機人……」
こんな、何もない所で何をしていたのかは不明だけれど……必要な措置だったから、潰させたのだろうと納得する。
兎も角、あれも犯罪者なので拘束して持って帰る必要があるのだろうけど……また、女性に重労働をさせるのかとうんざりした。いつか、仕返ししてやろう。
まあ、返り討ちに合うのは間違いないのだろうけど。
……………………。
陸地に戻ってくると、何故か小修羅達がいて戦闘機人を預かってくれた。その大半が女性で、見た目とは裏腹に物騒な事を口にしている。
「起きたら、殴るんだよね?」
「意識を刈り取るだけで良いんでしょ?」
「つまり、サンドバッグだね!!」
少し、小耳に挟んだだけで戦闘機人が哀れに思えてきた。
そんなところまで、チビッ子に似なくても良いのに……地上管理局の小修羅達は『修羅』への道をひた走る。
一瞬だけ、管理局の未来が【ヤ】の付くお仕事に思えてきて考えるのを止めた。いずれにしろ、それはこの世界だけでの積み重ねられた歴史であって全てに該当する話ではない。ここだけ……この世界だけの特性なのだ。チビッ子だって、それがわかっているから今回の強化をやった訳だろう。
それに、本当にそうなるかは私にはわからない。
もしかすると、そうならない未来もあるかもしれない。
チビッ子自身が、言っていたじゃないか。
『……無限の可能性である未来を、確定事項と捉えるのは危険な行為だよ……』
そう言って、チビッ子は未来をあやふやなモノにした。
即ち、人の心次第で未来はどんなものにでもなると言った訳である。それは、私の未来をも信じているという事だ。
その事は、嬉しく思わない無い訳じゃない。
「メールは……無しか。もしかして、私の活躍はこれだけなのかしら?」
この様子だと、功績にはならないだろう。
本当に、何時になったら【転生】の切符は手に入るのだろうか?このままだと、本格的に時間が掛かる可能性があるかもしれなかった。
「はあ……」
割りと、大きなため息が出てしまう。
だが、ため息を吐く口を止められない。
だって、ここまでして功績も何も無いのだ。
ため息の一つや二つ、吐いた所で何も変わらない。
「ため息をつくと、幸せが逃げますよ?」
背後から、声を掛けられて振り返る。
私に声を掛けて来たのは、チビッ子の弟子達の一人だった。即ち、私が『小修羅』と呼んでいる局員だ。
「わかっているわ……」
わかっていても、吐き出したくなる気分なのだ……気にせず、放って置いて欲しい。
「では、修羅からの伝言です!」
「え?」
目の前にディスプレイが投影され、何処かの地図と赤いマークが表示される。そこは、地上管理局の近くだった。
「この地点の上空で、シグナム二尉とヴィータ三尉が交戦中です。交戦中の敵を撃破もしくは確保出来たら功績ポイントを加算するとの事です!!」
「功績ポイント!?」
まさかの言葉に、私は耳を疑った。
ここに来て、『功績ポイント』なんてモノをチラ付かせる理由は私を良いように使い回す事以外に他ならない。
要するに、飴と鞭である。だけど、その対価は破格だ。
「くっ……どう考えても、シビアな状況何でしょうね……」
今から、駆け付けても逃げられた後かシグナム達に撃破された後だろう。シグナム達が負けるはずがないので、この場合は前者が正解だろう。
かなり、急がなければならない。
しかし、私の飛行魔法は脆く指定された地点に行くまで持つかは賭けだった。それでも行って、敵を撃破するか確保しなければならない。
私は、伝言を伝えてくれた子にお礼を言うと全力で空へと飛び立った。
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………………………………
……………………
指定された地点に到達するまで、私はかなりイライラしていた。時間が、掛かれば掛かる程シグナム達と交戦している敵が逃げる可能性が上がって行く。
「チッ!」
何度目かの舌打ちをして、私は更に魔力をフィンに込める。余り込め過ぎると、術式が壊れる恐れがあるのでここら辺が限界だった。
私が、シグナム達のいる地点に到着した頃には……シグナムと問題の相手が、シグナム達を吹き飛ばして撤退しようとしていた所。そこへ、割り込みというよりも逃げようとしている敵を足止めした(?)っという状況だった。
「くっ……そこを退けぇ!!」
赤く小さい妖精みたいな少女が、男を庇うように両手を広げて前に出て私を睨み付けて来る。
「悪いけど、そうは行かないのよ!」
「翼か……」
こちらに気が付いたシグナム達が、体制を直して男を囲むような位置へと移動する。それに気が付いた赤い妖精が、男に寄り添うように近付いた。
「くそっ!旦那は、これ以上戦えねぇってのに……」
「悪いけど、貴方を撃破するか……確保しろって命じられているのよ!」
剣を向けると、相手が槍を構え私を睨み付けて来る。
それを見て、少しだけ『恐い』と感じてしまうけど……ここで、逃げる事は出来ない。だって、何を基準に功績とされているのかがわからない以上……ここで、功績を上げて置かないと何時まで経っても【転生】なんて……夢のまた夢だ。
「……………………」
「…………投降しろ!次は、逃がさん!!」
「ここで、捕まる訳には……」
「……オーバードライブッ!!」
相手が向かって来ようとした瞬間、私はデバイスの耐久性や術式の事を忘れる事にした。
魔力を解放して、一気に相手との距離を詰める。
「なっ!?何だよ、この魔力!?」
「悪いわね。スフィア、槍形態!!」
デバイスを剣から槍に変化させて、私は足の裏に小さなプロテクションを展開すると瞬動術を発動させて相手の懐に飛び込んだ。
「っ!?」
鎧通しで、頭を撃ち抜くつもりで放つ。
プロテクションを展開して、防がれたけれど相手の表情は苦悶。十分に衝撃を、体内に通せたとわかった。
「あら?痛そうね……」
「てめぇ……何しやがった!?」
「別に……普通に攻撃しただけよ?」
適当に、赤い妖精の言葉をあしらって男の顔を見た。
「……………………」
表情は苦悶のままだけど、男は諦めずに再度武器を構えて来た。だけど、今の攻撃で相手の実力や疲労度がわかってしまったので……このまま、攻撃を仕掛け続けるか迷ってしまう。その辺りの技術は、何処かのチビッ子がしっかり叩き込んでくれたのでとても良くわかった。
「…………そんな身体で、何をしようとしているのかしら?今ここで、戦っても寿命を縮めるだけよ?」
そんなに、死に急ごうとする男の目的が少し気になった。
「……それでも、俺にはやらなければならんのだ!!」
「…………聞いても良くて?貴方、今にも死にそうなのに何をしようというの?」
「……俺は……」
「旦那ぁ!話すことなんてねぇよ!」
私の質問は、赤い妖精に遮られて男は何も答えず攻撃を仕掛けできた。その攻撃を、自身の槍でズラし回避して鎧通しを加えた『秋沙雨』で押し返す。
「くっ……」
「この野郎!轟炎!!」
目の前で、赤い炎が膨れ上がる。ホンの一瞬、怯んでしまったけれどチビッ子の黒炎とは比べようのない程に小さい炎だった。気にせず、槍で振り払って瞬動術で相手の初動タイミングをキャンセルする。
前に出ようとしていた男は、斬り込みのタイミングを外されて無理矢理防御行動へと変更した。何とか間に合わせた防御だったが、めいいっぱい力を込めた私の攻撃をいなし切れずにミシミシとデバイスが悲鳴を上げる。
それでも、私は男のデバイスを破壊仕切れなかった。
相手の技量が、格上である事は最初の数撃でわかっている。私程度の技量で、この男と拮抗していられるのは男の身体が限界を迎えているからに他ならない。
「貴方程の男が、こんな方法でしか成し遂げられない目的って何?もっと、真っ当な方法で成せば良いでしょう!?」
「……………………」
つばぜり合いをしつつ、生じた疑問を投げ掛ける。
しかし、相手は無言。ここにいたのが、私ではなく神崎であったならば相手の目的をわかって上げられたのだろうか?そして、別の選択肢を提示出来たのかもしれないけど……私には、ここで彼を撃破する方法しか取れない。
私は、男と距離を取る為に無理矢理弾いて下がった。
「良いわ。ここで、終わらせて上げる……」
「んだとぉ!?」
「アギト……良いだろう。俺も、全身全霊を賭けて撃ち破らせて貰おう!!」
男が、改めて武器を構え直す。
それを見ながら、私はやる事を反芻していた。
ヤる事は、決まっている。
それは、『カウンター』で決着を付けるという事だ。
相手が、どんな技を使おうとも私の勝ちは変わらない。
そう……テイルズシリーズには、チート攻撃と呼ばれた技が幾つか実在する。その一つを使って、カウンターで相手を撃破するつもりだ。
技の名は、『極光波』。
『エターニャ』で、出てきたハメ技の一つである。
ゲームでは、回復アイテムが続く限り使い続ける事が出来た技だったが……私が使える『極光波』は、そういう括りのない『極光波』だ。私が、使いたいだけ使い続けられる様に変更して貰っている。
これだけは、ちゃんと確認もしたから間違いはない。デバイスが無くても使える、唯一の技が『極光シリーズ』だ。
『極光剣』という選択肢もあるけど、空中で敵のタゲを外さずやるのは難しいと思われるので全方位に対して有効な『極光波』という選択だった。
「……………………」
《Full Drive...Start!!》
「だ、旦那ぁ!ダメだ……それだけはっ!!」
武器を構え、正面に敵を見据えて……向かって来るスピードに驚いた。速い……というのが、初撃に対しての感想。
パワーもあったけれど、これが全盛期であったならば危険だったかもしれない。
いや、一撃で落とされていた可能性が高いだろう。
だが、次の攻撃に移られる前に私の『極光波』が相手とデバイスを焼き尽くす。数十にも及ぶ、衝撃波と魔力波が男の肉体と意識を焼き尽くし刈り取って行く。デバイスは砕け散り、敵はゆっくりと傾向いて落ちて行った。
「だ、旦那ぁ!……旦那あああぁぁぁ!!」
赤い妖精が、男に飛び寄ろうとして私のバインドに拘束される。落ちて行く男は、なるべく衝撃を与えないようにバインドで固定して拘束した。
直ぐ様、飛び寄って相手の状態を見る。
「マズイわね……死にかけてるわ……」
「お前が……お前が、殺したんだろう!?旦那は……旦那はっ!!」
「五月蝿いわ。それに、まだ死んでない!私の知り合いに、治療師がいるからそこへ連れていきましょう。逮捕は、それからでも遅くないわ……」
治療師の知り合いと言っても、六課にいる理不尽なチビッ子を頼るだけだ。あのチビッ子ならば、死にかけている者の一人や二人簡単に回復してくれる事だろう。
だけど、六課まで持たない可能性もあるので『リザレクション』を掛けておく。どこまで、戦闘機人に有効かはわからないが無いよりマシだろう。
「それで、貴女達はどうするの!?」
「お?空気から、解放か?」
ヴィータが、何やらメタな事を言っているが気にしない。
シグナムは少し考えた後、地上管理局の方へ戻ると言った。はやての事が、心配なんだって。
「じゃあ、私は治療師の方へ行くわ!」
「一人で、大丈夫か?」
「問題無いわよ?彼処には、理不尽な怪物と公式チートがいるから……ちょっと、暴れられた位で負けたりしないわよ」
チビッ子とユーリなんて、最強処が揃っているのだから男と赤い妖精が本気を出したって逃げられない。
私が、反旗を翻して男達に付いたとしても不可能だろう。
「そうか。なら、そちらは任せたぞ?」
ヴィータはそういうと、シグナムと共に本部の方へ飛んで行く。私は、それを見送ってから男と赤い妖精を連れて六課へと急いだ。その間中、赤い妖精に文句ばかり言われたけれどチビッ子と会う頃には大人しくなっていて……瀕死だと、思われていた男をアッサリ回復されてしまった結果、六課にいたお仲間と遠い目をしている。それを見て、思うことは私も出来ればその仲間になりたいって事だ。
でもそれは、立場上出来ないので黙々と与えられた作業をこなす。だけど、敢えて言っておきたいことがあった。
でも、自分の言葉では表現出来ないので神崎風に表現すると『三期終了のお知らせ』だ。
セッテ。クアットロ。ゼスト。翼に撃破される。
そして、翼から『三期終了のお知らせ』……。
前回の段階で、チンク。ウェンディー。ノーヴェが撃沈された時点でわかっていたと思いますが、ゆりかごは飛びませんwそして、双夜も起爆しないようです!やったー!回避でけたー♪長かったぜ……☆!!
え?不完全燃焼?いやいや、双夜キレさせても蹂躙しに来るだけのお話ですよ?なら、キレさせずにいかに原作を終わらせるかを模索した方が良いじゃないですか!!( )
つー訳で、次回……点火します!!
誤字?訂正。
命一杯➡めいいっぱい
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。