絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一一二話

Re:

 

 

 

翌々日、戻って来た機動六課の面々にジェイル・スカリエッティ一味を見せると何故か叱られる事になった。

 

「解せぬ……」

 

「ちょぉ、黙って聞いとり!!」

 

「……………………」

 

良くわからないお説教をされて、俺はうんざりした気分で八神はやての話を聞いている。出来る事なら、今すぐヴィヴィオを拐った転生者を探しに出掛けたいのだが……このままだと、俺も犯罪者として拘束しなければらならいと言われてしまっては仕方がない。だが、下手をすると八神のお説教で一日が終わってしまう可能性も否定できないのでどうしたものかと考える。ちょっと、羽目を外していただけなのに全くもってメンドイ。

事は、戦闘機人の四番。クアットロを幼女化させて、キャロのアルケミックチェーンでグルグル巻きにし、海に投下して遊んでいたのがイケなかったらしい。遊んでいたと言っても、別にふざけてやっていた訳ではない。

四番が、余りにも周囲を馬鹿にしたかのように煽るのでそれを止めさせる為に始めたんだ。後で知った事だが、ジェイルの話では戦闘機人でも水中用の強化はしてないらしい。うっかり、その耐性があるんだと思って水攻めごっこ(拷問)をしていた俺は少しだけ反省した。

うん。思い込みは良くない。

 

「四番が悪いんだ。変な煽りをしてくるから……」

 

まあ、それ以上にヤバかったのはジェイル・スカリエッティだ。何故かはわからないけど、幼女化させた戦闘機人達を見て異常な程興奮して手が付けられなくなっていた。

何が『良い』のかはわからなかったけれど、幼女化した戦闘機人に対して息を荒くして変態ッポクニヤニヤ見詰めていたので、触り出す前に六課の隊舎にあるとある別室に《エタナモォト》を掛けて放り込んで置いたのだ。

 

「まあ……まさか、ティーダと意気投合するとは……思いもしなかったけどな……」

 

ストーカー・シスコンと意気投合するって事は、ジェイル・スカリエッティにもそういうシスコン?の資質があるという事だ。もしくは、ロリコンの気配。キャロには、あの変態には近付かない様に言い聞かせてある。

ついでに、それをウーノ(ジェイルの保護者?)に言ってみた所……『どうでも良い事です』と言われる。

別に元からキチ○イだったから、今更変態度が上がった所で気にもならないらしい。

 

「何、ブツブツ言うとんねん!?私の話、ちゃんと聞いとんのか!?」

 

「別に良いじゃん。ジェイル・スカリエッティ一味は壊滅したんだから……手柄は全部渡しただろう?」

 

「手柄の話なんてしとらへんわ!私は、捕まえた容疑者を拷問にかけとった事を怒ってんねん!!」

 

「だから、言ってるじゃん……周りの不安を煽ったり、僕やユーリをヴィヴィオの事で小馬鹿にして来るから……つい」

 

「……ヴィヴィオちゃんの事は聞いとる。まさか、鉄くんが誘拐犯やなんて信じられへんけど……」

 

「でも、戦闘中なのに途中からいなくなったんだ。今のところ、最有力容疑者だよ……」

 

ただ、それは状況的な推測なので本当に誘拐犯なのかは……今となっては、わからないというのが正直な気持ちだ。

日が明けて、時間が経った事により冷静になった故の再判断である。今は、本人から話を聞いて……それから、誘拐犯であるかを判断したいと考えられるくらいには冷静に戻っていた。

だから、フレールくんにお願いして日が登ってから改めてジェイル・スカリエッティが隠れ潜んでいた施設を探索して貰う。その結果、聖王のゆりかごが盗まれていると報告を受けた。ジェイルに確認した所、聖王核と呼ばれていたレリックも盗まれている事も判明する。

要訳すると、何時でも『凌辱系転生者』は聖王のゆりかごを空に飛ばせる事が出来ると言っても過言ではない。

 

「結局の所、相手が動き出さん限り……何も出来へんってことやな。双夜の情報網にも、何も引っ掛からへんのやろ?」

 

「多分、転生者に肩入れしてる【管理者】が邪魔してるんだろう?全く、見付け次第【神権】を剥奪してやる!!」

 

「……そっちはそっちで、大変やなぁ……」

 

未だに、こちらの感知に引っ掛からないところを考える限り……それが、一番ありえる可能性だ。

 

「…………外の連中は、何やってんだ?」

 

ここまで、『内側』に干渉されているのだから直ぐにでも干渉している【管理者】を特定し確保していないとおかしい。なのに、これだけ時間が掛かるという事は別の【管理者】か《旧・神族》の妨害を受けているという可能性がある。全く、面倒な話になってきた。報酬10倍なんぞに釣られたばっかりに。

 

「だよね!早々、美味しい話なんて無いよね!!」

 

加速していく……超後悔。

 

「……そうまでして、世界を欲する理由か……第二次魔導兵器開発とか?だけど、《古き神々》が造った【始まりの魔法使い】以上の魔導兵器なんて造れないだろう?」

 

遥か昔に、失われてしまった《神々の技術》。

最近になって、再現出来たなんて話聞いた事がない。

それに【始まりの】は、自分自身で自らを進化・魔改造しているから、あのレベルを再現する事は出来ないはずだ。

それに……素質問題にしても、先天的な高レベル魔力資質持ちは基本生まれない様になっている。

余程の突然変異か、天変地異クラスの何かが無いと生まれて来ない様に世界の運営システム的に封印がされていた。

一応、そういう資質が生まれそうになる事はある。だけど、死産になるか肉体に障害が発生するかで、まともに生まれない様になってる上、とてもとても成体するとは考えにくい。何故なら……以前、神崎にも説明したと思うが『魔力』は人間にとって猛毒以外の何物でもない。普通に、魔力を持っているだけでも大きな影響を受けるというのに……それが、人間の体内に常にあるという状態はプルトニウムを抱いて生きるのと同義だ。この世界の人間だって、最大で推定魔力ランクがダブルS程度で生まれながら人外レベルの魔力なんて持ってはいない。それが、普通なのである。

因みに、【始まりの魔法使い】は生まれながらに人外レベルのトリプルSだったって言うから存在がおかしい。

そんなレベル、死産確定のお話である。ってか、その話を聞いたほとんどの奴は本人を目の前にして『良く成体まで成長したなぁ!?』と不思議がる程だ。

彼が生まれた世界の運営システムが、一体どんな事になっていたのか俺としてはとても不思議に思う。

そもそも、世界を運営するシステム的に魔力を持って生まれる子が強制的に排除されるようになっているのは、人間が魔力を持って生まれると最終的に滅びへの道をひた走るからだ。魔力というエネルギーを、戦争の道具として扱い……その果てに、コントロールを失って滅ぶ事がある。

割りと、高確率かつ死活問題レベルで。

便利であるが故に、安全に対しての危機感が薄れて来た頃に『あ、やらかしたー!?』って感じで滅びる。

 

「…………うっかりで、滅びる人類とか……笑い話にもならないし……」

 

その確率が、ちょっと目に余る状況になった頃……誰かが、『よし、運営システム的に生まれないようにしよう!』と言い出して、それに賛同者がたくさん現れた結果……世界運営システム封印案が可決されたという話だ。

俺はまだ、その頃いなかったからその騒動の事は知らない。でも、聞いた話だと【永久(トワ)】や【軍】の奴等がちょっとしたお祭り騒ぎをやっていたらしい。

 

「案件可決の為と、例題の為に何万っていう世界を犠牲にしたらしい【軍】がマジウザい件!!」

 

態々出向いて、魔導を広めてその結末を記録するとか止めて欲しい。おまけ感覚で、『《堕ち神》大量発生(笑)』とか言われても頭痛いだけだから!!(苛)

それの大半を、俺に押し付けられたのは言うまでも無い。

『倒し切れないから、浄化して来て?』とか言われても、ガチしんどいだけですから!!(怒)

 

「自分等が造って置いて、報酬ケチるとか頭おかしいんですけど!?財政に余裕あるんだから、ぽーんと100倍くらい出したって罰当たんないだろう!?」

 

プシュー……と、頂点まで登り切ったボルテージを冷ましてブツブツと【組織】がやらかした過去の暗黒歴史を思い出す。何で、こんな不毛な記憶を掘り起こしているのか疑問だけど……思い出せば思い出す程、ムカムカしてくる記憶だった。とりあえず、気分を切り替えて目の前にいる八神はやてを見据える。

 

「胃に穴が開けば良いのに……」

 

「胃潰瘍!?精神攻撃してくるつもりかいな!?」

 

「フェイトちゃんやなのは、さんが、黒織に媚薬飲まされ掛けていたのを知っているか?」

 

「媚薬って……エッチな気分になるっていう薬品か!?」

 

まあ、その通りと言えばその通りなんだが……生物を、強制的に発情させる薬品である。似たようなのを持ってはいるけど、効果が違い過ぎてヤバイ。ってか、俺の現状では使えない薬品の一つだ。

 

「ココアに混ぜられてた……僕が、回収したけど……」

 

「ちょ、そんなん報告されてへんで!?」

 

「ここに、現物が……ってか、六課の防犯警備レベルも割りとザルだった件……あ、これツマラナイ物ですが……」

 

以前、なのはママの部屋で回収したココアパウダーが入った市販の袋を取り出して八神に渡す。そして、俺の所で止めていた情報を公開していく。それには、八神の胃に穴を穿つには十分な威力を秘めた情報だった。

 

「止めて!聞きとうない!その話は、聞いたら毎日徹夜せなアカン様になる情報や!!せやから、言わんといて!!」

 

「ほうほう。なら、カリ姉経由で伝えて貰うね?」

 

「どっちにしろ、私の胃に穴が開く運命なんか!?」

 

「先伸ばしには出来ない、悪夢の連徹……頑張れぇー部隊長ぉー!!コツコツとやって行けば、きっと終わるよ……」

 

「全く、気持ちが込もっとらへんなぁ!?」

 

「込める必要があるとでも?」

 

八神はやては、憂さ晴らしには調度良い人材だった。

【組織関連】で、荒んでいた心が少しだけ晴れる。

敵が動き出すまで暇なので、こんな感じで周囲を煽って遊んでいようかと思った。どうせ、探した所で妨害されてて見付からないんだ。問題にもならないだろう。

そこへ、神崎が青ッポイ顔をして戻って来た。

先程まで、シャマル先生の救護室に行っていた訳だけど、一直線で俺の元にやって来る辺り……あの、大男の件と思われる。

 

「師匠!!」

 

「あ゛!?」

 

「……………………何、凄んでいるんですか!?」

 

「凄んでなんてねぇーよ!」

 

眉を眉間に寄せて、顔を神崎に近付けると目に力を入れて睨み続ける。所謂、ガン付けであった。神崎は、段々見据えられなくなったのか視線を外してしまう。

 

「えっと、何でゼストとメガーヌさんを治しちゃったんですか……?」

 

「翼を殺人犯にしない為だけど?後は、フレールくんが持ち帰って来ちゃった生存者だ。治さない訳には行かないだろう?わかって言ってるのか?前から言ってるが……僕は、遠回しな言い方が嫌いだ!」

 

「知ってますが……原作では、メガーヌさんは生きてますが……ゼストは、死んでるんですよ?」

 

「良いじゃんか!そんなモンに囚われるな。未来は、無限の可能性を秘めてるんだ……」

 

「まあ、今更ではありますが……大丈夫かな?あ、メガーヌさんが目を覚ましましたよ?」

 

「おー……そうか。おーい、ルーゥ。お母さん、目を覚ましたってさぁー!」

 

「……………………コクリ!」

 

ルーテシアが慌てたように立ち上がり、続いてエリオとキャロが立ち上がった。赤い妖精ッポイのが、ルーテシアの周囲を飛び回り『良かったな!』と声を掛ける。

エリオとキャロは、率先してルーテシアをシャマル先生の救護室に案内して行った。二人が笑顔を見せる。ユーリがルーテシアを保護(?)してから、ずっと心配そうに一緒にいたので、仲良くなっていたのはわかっていたけど予想以上の成果だ。

因みに、六課には現在ジェイル・スカリエッティ一味とルーテシア家族等が治療の為連れて来られている。

ジェイル一味から、ジェイル・スカリエッティ。ウーノ。クアットロ。チンク。セイン。セッテ。オットー。ノーヴェ。ウェンディー。ディード。

アルピーノ一家とゼスト・グランガイツ。

彼女達が大人しいのは、俺とユーリの存在が大きい。っていうか、既にジェイル達は一度逃げ出そうとして捕まっている。ええ。それはもう、瞬殺でした(笑)。

それと、ジェイル・スカリエッティは【ユーリ】の事を知っていた。正確には、GODの【ユーリ】をである。

ジェイルは、【ユーリ】がいるなら今回のテロは起こさなかったのに……と嘆いていた。ニヤニヤとはしていたけど。

その後、当然これだけの戦闘機人が揃っているのだからとウーノとクアットロ達が共謀して逃げ出そうとしたのだが……俺と神崎が、ほぼ一瞬で過半数を無力化したら『あ、端っこの方に寄っときますね?』とニコやかに灯台の端に歩いて行きウーノは三角座りをして海を眺めて黄昏ている。

どうも、理不尽過ぎる存在に拗ねてしまった様だ。

 

「えっと……もっと、気合い入れて逃げようよ!ほら、放牧してあるんだから、逃げ様と思えば逃げられるって!!」

 

「そう言いつつ、逃げる戦闘機人を蹂躙するのが目的な師匠だった。要は、暇潰しッスね!!家畜扱いッスか!?」

 

「OK。神崎……神崎が、死にたがり屋だったとは思わなかったよ……さあ、木端微塵の時間だ!!」

 

「止めなさい!貴方には、ヤるべき事があるでしょう?」

 

そう言って、翼が指し示す先にはなのはママの姿がある。

酷く落ち込んだ様子で、それでも気丈に後片付けの指示を出していた。

 

「……………………どう、慰めれば良いのさ?僕、ヴィヴィオ防衛に失敗したんだよ!?」

 

「そんなん、仕方あらへんやろ!?神様相手に、どう防衛するんや?世界そのモノが、敵みたいなモンやんか……」

 

「それでも、防衛しなきゃいけなかったんだ……僕は!」

 

アレへの理不尽と、ブチギレ怒り度合いは棚上げして普段通りを装いつつ、出来るだけ早目に行動を起こしてくれないかなぁーと考えている俺がいた。

何故なら、今すぐにでも爆発しそうでヤバイ。

主に俺の精神力と抑制心が、本当にリミットオーバーしてしまいそうだ。導火線に、火が点いちゃっているのにギリギリの所で一時鎮火して燻っている状態……と言えばわかり易いのだろうか?再点火されれば、核弾頭よろしく何もかも消し飛ばしてしまいたい気分になってしまっている。

そこに付け込んで、四番の『護れなかったおバカさん』って煽りだ。それが俺に与えた影響が、どれ程のモノだったか言うまでもないだろう。だから、ヴィヴィオの未来を守る為には四番を拷問に掛ける他に方法は無かった。

アレは、正当な拷問だったんだと八神に釈明する。

 

「拷問に、正当も何もあらへんやろ!?」

 

「なら、僕が八つ当たりでミッドチルダを消し飛ばしても良かったと!?ヴィヴィオの未来を考えたら、出来る訳無いだろう!?」

 

「おおぅ……そんなレベルの話やったんか!?」

 

「兎も角、今は精神的に不安定なんだ。僕に、話し掛けないでくれないかな?ほら、散った散った!」

 

「…………それで、なのはちゃんの事はどないするねん?」

 

「……話し掛けないでって言ってるだろ?」

 

『……………………』

 

「あ゛?」⬅威嚇

 

瞬間、周囲にいた全員の視線が俺に集中してくるのがわかってギロッと睨み返してしまう。

しかし、誰も目を反らす者はいなかった。

 

「今の師匠を放っては置けないッスよ……」

 

「ほら、溜め込んだモノを吐き出しちゃいなさい……」

 

「ねぇよ。そんなもん……」

 

「ヴィヴィオの事とか、色々あるやろう?拐われて、ブチギレカウントダウンとかしとんとちゃうか?」

 

「吐き出したら、何か変わるの?ヴィヴィオが、戻って来るの?来ないよね?なら、この怒りは溜めたままで良いんだよ。神と誘拐犯をブチ抜く時に取っておくから!」

 

『……………………』

 

それだけ言って、俺は彼等から離れてなのはママの所に駆け寄る。後ろから、飛び付いてしがみ付いてみた。

 

「きゃ!?って、双夜くん?どうしたの?」

 

「ごめんね?ヴィヴィオ、盗られちゃった……」

 

「…………双夜くんのせいじゃないよ……」

 

一瞬、ヴィヴィオの名前を聞いた時、なのはママの瞳に涙が滲んだのを俺は見逃さなかった。何かを思う前に、なのはママの袖をグイッと引っ張って体制を崩させると頭に手を乗せる。そのまま、手を左右に動かした。

 

「ごめんね?ごめん……なのは、ママ……」

 

「え、えっと……双夜くん?私は、大丈夫だよ?」

 

「良いよ。嘘言わなくても……僕には、なのはママが寂しい時とか、悲しい時とかわかるから……」

 

「あ…………」

 

「ムリしちゃ、ダメだよ?」

 

ポムポムとしばらく俺は、なのはママの頭をナデナデしていた。俺が、なのはママを『ママ』と呼んでいるのを疑問に思ったティアナ達が質問をぶつけてくるまで。

 

「えっと……お二人は、どういう関係なんですか?」

 

「なのはさん、ママってどういう事なんですか!?」

 

「あー……えっと……」

 

ティアナとスバルの質問に、どう説明して良いのかわからずなのはママが口ごもる。その次の瞬間、虹色の光に身を包み光を弾くと共に12歳の姿からエリオ達と同じ9歳くらいの姿へと変化して見せた。

 

「あ……大人モード、解けちゃった……」

 

『……………………』

 

元より、年齢不詳をでっち上げてた俺が更に幼くなった事により周囲が混乱を始めるけど、妖精魔法の事もあってかそれ程大きな騒ぎに至る程の混乱は起こらない。

 

「ちょっと、待ちなさい……あんた、いったい何歳が本当なのよ!?大人なの?子供なの?ハッキリ、しなさいよ!?」

 

「ふっふっふっ。何々?こんなチビッ子に、良いように掌の上で転がされていたのが癪?」

 

「くっ……そういうことじゃないわよ!!」

 

「そう?じゃあ、《エタナモォト》!ついでに、妖精転移魔法!座標、ティーダさんの部屋!!今なら、変態科学者ジェイル・スカリエッティもいるよ?」

 

「ちょ!?止めt……」

 

ティアナが、五月蝿くなってきたので問答無用でジェイルとティーダがいるであろうシスコン・ストーカー&変態IN部屋に送ってやる。(鍵かかってます)

しばらくすると、隊舎の方から泣き叫ぶ声が聞こえて来たのでちゃんと転移出来たのがわかった。

 

「スバルは……」

 

「なんでもありませんでした!!」

 

ビシッ!と敬礼して、スバルはそそくさと退散して行く。

その後ろ姿を見送って、ペシッ!と頭を叩かれる。

見れば、なのはママの困ったような顔。

 

「もー、ダメだよ?ティアナ達をイジメちゃあ……」

 

「空気読まない子はいらないです!」

 

「もう……。それにしても、私の事『ママ』って呼んでくれるんだね?てっきり、嫌われてるんだと思ってたよ……」

 

「ヴィヴィオの『ママ』になってくれたら、もっと呼んであげるよ?その覚悟を決めるなら……とは言っても、ヴィヴィオが誘拐されて、そこまで悲しむのなら……ずっと、ヴィヴィオの『ママ』でいてあげれば良いじゃないか……」

 

「そ、それは……私には、難しいと思うから……ヴィヴィオに、寂しい思いとかさせちゃうかもしれないし……」

 

まだ、迷っているかのような事をなのはママは言う。

そんな迷い、ヴィヴィオ本人に会えば解決する話なのに……と、そう言えばヴィヴィオは行方不明だったのを思い出す。これも全て、この世界の歴史が原作に近い歴史を辿ったせいなのだろう。余程、原作から逸脱しようとしていなければ修正力によって原作に近い歴史を再現しようとする力が働いてしまう。今回のヴィヴィオ誘拐は、それを利用した【管理者】の巧みさによるモノだ。

 

「まあ、転生者から出た案件かもしれないけど……」

 

この世界の行く末を知っている者達が、色々と自分の思い通りになるように手を打っている世界だ。

何が起きても、おかしくない状態になっているだろう。

まあ、世界の運営システムは今のところ問題ないので【外】に排出される恐れは無いと言える。

流石に、世界の根底を揺るがすレベルの事件が転生者によって起こされた場合はヤバイだろうけど……現状では、問題無いと思われた。

 

「んー……そろそろかな?」

 

漸く、俺の感覚を狂わせていた超至近距離での空間攻撃の影響が抜けてきたので管制通信の準備に取り掛かる。

システムを立ち上げて、メールを確認すると二万通近い未開封メールが一度に上がって来た。しかも、メール項目の頭に『緊急!』の文字が踊っているのが山程。

嫌だなぁ……と思いながら、一通ずつ確認して行った。

すると、その『緊急!』メールは【外】の奴等からのモノ。狂化した《堕ち神》が、大量に涌き出て来て手が足りないという助けを求めるメールだった。

その切迫度合いから見て、【外】の連中は消滅はしてないけど全滅している可能性があるレベルである。後半に行くに連れて、メールが送られてくる時間感覚が開き数時間前からピタリと止まっていた。

 

「《旧・神族》から、横槍が来ていたか……」

 

兎も角、【外】にいる《神殺し》の連中を【内側】へと召喚する事にした。……とその前に、管制通信を開いて使い魔達全員に一旦切り上げて集合するように伝える。

多少、『横暴!』という声が上がったけれど、【外】の状況を伝えると仕方がない的な雰囲気が生まれた。

 

「それじゃあ……行っくよー!我が血肉を分け与えし者よ……我が呼び声に応え、世界を……空間を飛び越え、我が元に馳せ参じよ!召喚!《ミリオネア・アガシオ》ッ!!」

 

次の瞬間、大地を天空を埋め尽くさん限りの魔法陣が展開されて、そこから現れるは人、人、人、人っ!!

局員のお兄さん達や、機動六課の面々。それから、ジェイル一味が目を白黒させて周囲を見回している。

 

「ジェイル一味は、逃がすなよ?」

 

一応、大事な事なのでそれだけは声を掛けておいた。

すると、何処からともなく四番の「離しなさい!?」という声が聞こえてくる。早速、この混乱に乗じて逃げ出そうとしたらしい。

 

「まあ、逃げても問題無かったけどね……」

 

「地獄の追い駆けっこの始まりですね。もしくは、悪夢の始まりか…………どちらにしろ、明るい未来ではない……」

 

「えっと……ど、どういう事かな!?双夜くん、だよね?この子達呼んだのは……!?」

 

「ミリオネア・アガシオ……僕の使い魔達だよ。ザッと、百万体程いるかな?」

 

『ひゃ、ひゃくまん!?』

 

ジェイル一味や六課の面々を含む者達が、声を裏返してドン引きしつつ周囲を見回していた。

 

「せ、せやけど、使い魔は普通……魔導師一人に対して、二、三体しか使役出来へんのとちゃうの!?」

 

「えっと、そのはずだよ?」

 

八神の疑問に、フェイトちゃんが答える。

 

「まあ、そうなんだけどねぇ……発想事態で、こうなるんだよ……ぶっちゃけ、僕本来の使い魔はフェイトちゃんが言った通り二体だけだよ?でも、その子達はある特定の事しか出来ないように創ったんだ……」

 

「特定の事しか出来ない?」

 

「そ。一体は、使い魔の核を造る事しか出来ない使い魔で、もう一体は……魔力を無限に精製するだけの使い魔さ。それらを同時運用すると、こうなっちゃった訳だ(笑)」

 

「使い魔量産システムと魔導炉の永久機関……ってところか……まさに、発想の転換だよなぁ……」

 

閃いた当初は、【組織】の連中に『その手が、あったか!!』とか言われたけど、スキル《神殺し》が再現出来なくて使い物にならないとダメ出しをされたシステムだ。

と言っても、最近ではそのスキル《神殺し》の代わりになるスキル《神格堕ち》が開発されたんだけどね。

報告してないけど(笑)。

 

「使い魔一体に、振り分けられる推定魔力ランクはSってところかな?」

 

「地上管理局及び本局の問題が、解決されますね……」

 

人間に、魔導炉の永久機関が造れるのなら本当に問題解決になるんだろうけど……不可能な話だよね。

 

「……………………局の人手不足が、解決してもうた……」

 

「あ、本当に解決しちゃった……」

 

フェイトちゃんが、遠い目をしながら納得している。

だけど、俺はこの技術を広めるつもりはなかった。

 

「僕の財産だ。渡さないよ?」

 

「って事は、ロストロギア扱いになりますね……」

 

「管理局に技術を搾取されちゃう!?でもそれって……技術泥棒じゃないか……」

 

「自分達は良くて、他はダメ!!の鬼ルールですよ!?」

 

「最低な組織だな、管理局ってのは……」

 

神崎の相槌を聞きながら、管理局をディスっておく。

 

「ちょ!?そんな事、する訳ないやろ!?」

 

「そうだよ!そこまで、酷くないよ管理局はっ!!(そりゃあ……双夜達の言い分が、正しい様に聞こえたけど……)」

 

「兎も角、そんな事はどーでも良いんだよ!!じゃあ、お前等……ちょっと、手を借りるぞ?」

 

『了解しました。My Master!!』

 

「外界より、来たれ。神々を呪う使徒達よ……我が呼び声に応えよ。神を殺し、『内界』を彼の者達へ渡さんと身を……魂を砕き支えし者。永遠の戦いに身を投じし者よ……召喚!」

 

百万の使い魔に続いて、血にまみれた怪我人が続々と出現する。腕はもげ、腸を撒き散らし、脳幹を剥き出しにした《神殺し》達が次々と出現した。

なのはママ達は、そんな彼等を見て悲鳴を上げる。

 

「救護班急げ!復元魔法班、彼等の外体の修復!治療と回復は後回し!魔法薬もジャンジャン使え!!」

 

『はいっ!!』

 

「マスター!魂の修復をお願いします!!」

 

「おう!任せろ!!」

 

呼ばれて、駆け付ければ魂の半分を失い消滅し掛かっている者がいた。後少し、召喚をするのが遅れたら【始まりの魔法使い】に再再現して貰う事になっていただろう。

魂の崩壊を防ぐ魔法を展開して、崩壊していく魂の補完を開始した。食われた(?)魂は、本体の【羽】を使って修復する。【羽】は、彼等を召喚した際に送られて来ているので問題は無かった。己の内側から、【羽】を取り出して魂を食われた者に与える。それだけで、魂の修復は成った。

その後は、肉体を復元魔法で復元して救護班と入れ替わる。ザッと、周囲を見回して俺が必要とされている怪我人を探すが……今回は、俺を早急に必要としたのはこの者だけだったようだ。

 

「他には、いないか!?」

 

「こちらは、大丈夫です!」

 

「こちらも、問題ありません!」

 

「マスター!問題ないのであれば、世界の調整を手伝って下さい!!」

 

「わかった!コンソール……」

 

救護班と防護班以外の使い魔達は、陸から海へと誘導しつつ俺と共に世界の調整をする。防護班というのは、救護班を現地人から護る為の者達だ。救護班は、その名の通り医療系に傾倒したプロフェッショナルなので、そっち方面の方々からしたら喉から手を出すほど欲しい人材だろう。

そんな方々から、救護班を保護し護るのが防護班である。

周囲に耳を澄ませば、救護班の手際と技術力に賞賛の嵐が巻き起こっているのがわかる程だ。針に糸を通すかの様な繊細な技術に、周りが圧倒され始めている証拠である。

特に、人材不足を声高に叫ぶ管理局からしてみれば、俺達と戦争をしてでも確保したいレベルだろう。

まあ、負けは確実だけど。

 

「えっと、双夜くん……あの子達、すごいね!あんなレベルの魔導師は初めて見るよ……」

 

「時空管理局には、貸さないよ?」

 

「……………………」

 

「ウチの子達は、転生者探しに使ってるから手が空いてない子ばかりだからね!?人手不足は、お互い様なんだよ」

 

「まだ、何も言ってないよ?」

 

「人手不足を謳ってる所が、何もしないはずがないから先手を打ってるだけだよ。なのはママ達だって、世界が無くなったら困るでしょう?」

 

俺は、基本的に悪目立ちする方なので囮役以外が出来ない。だから、この子達を失う訳には行かないので牽制は必要な行為である。とまあ……そんなこんなをしていた頃、地上管理局には【聖王のゆりかご】を保有するという者から、とある宣言と要求が押し付けられていた。

 

 

 

『24時間以内にエースオブエース・高町なのはを含む機動六課の面々を、デバイスを取り上げてゆりかごまで連れて来い!さもなくば、ミッドチルダに主砲を叩き込む!!』

 

 

 

 

 

 

 




はい。三期終了だよ?やったね!!
ノーヴェ達に纏めて、《リヴゥフロー》。これは、戦闘機人の戦闘能力を無害化する為の処置だ。要望もあったので、見た目だけ幼女と化しました。チンクには、掛けなくても問題なかったかもwガチ姉に成れたと喜びが大きすぎて動けなくなったかも知れないから。でも、纏めて《リヴゥフロー》。更にちっちゃくなってorzのまま過ごす事に……(泣)

八神はやての胃に穴を開けようと頑張る双夜が笑えた。
なのはママは、どうやって慰めようか迷ったのは事実。
安心しきっていたのに……拐われてしまったからね。
フェイトちゃん、管理局が技術泥棒なのを納得しちゃダメ!

《神殺し》を一旦内側へ、調整が面倒なのである程度治ったら【外】へポポイッと捨てられましたとさ。
まさか、全滅しているとは思わ無かっただろう?普通にあり得る話なんだよ?数で押されたら、負ける事もあります。
前に言っていた、人工《堕ち神》の出現によりお仕事が出来なくなっちゃった《神殺し》達。双夜に《堕ち神対応のルール・ブレイカー》を託されて、再度戦いに赴きました。

5月まで、連投します!!

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。
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