絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一二〇話

ユーリ

 

 

神崎さん達が、資金集めに出掛けて行くのを見送ってから、私と双夜はすずかさんの紹介でハラオウン家に行く事になりました。すずかさんが、車で送ってくれるというので言葉に甘えてハラオウン家を目指します。

 

「……双夜。なのはちゃんは、今回も会うの?」

 

「うーん。『なのは』は良いとしても、桃ちゃんはちょっと……余り、顔を会わせたくないかな?」

 

「呼び捨てなんだ……」

 

「『なのは』?精神人格が、ママじゃないもん。ママは、この世界軸ではすじゅかママだけだよ?」

 

「…………そっか……それで、双夜の腕に抱き付いているその子は、何処の誰なのかな?」

 

双夜と優しそうな目と笑顔で談笑していたすずかさんが、少しキツい目をして私を睨みました。どこか、探るような視線で私を上から下まで眺めています。

 

「初めまして、ユーリ・エーベルヴァインです。双夜のデバイスをさせていただいてます」

 

少し遅れた自己紹介をして、双夜の腕に絡まります。

前回、置いていかれた分の双夜養分を補充しなければなりません。

 

「デバイス?でも、双夜には……」

 

「レイジングハートやバルディッシュ。それとクラールヴィントがありますけど。なのはさん達当人の前で、使うのは避けたいそうなので……当人達の前で使うのは、私が優先されるんです」

 

「…………そうなんだ……別に、恋人とかじゃないんだね?」

 

「一緒にお風呂に入ったり、一緒のベットで寝たり、キスしたりしましたが、まだ恋人とかではないですよ?」

 

両頬を両手で押さえて、素直に告白してみる。瞬間、すずかさんが纏っていた空気が変わった気がしました。

 

「へぇ……そうなの?双夜……」

 

「ほぇ?あ、うん?何の話?」

 

「惚けないで……って、何見てるの?」

 

「アルカリアからの奇妙な伝言……どうも、暗号化されてるらしくって……謎解き中?それで、何かな?」

 

双夜は珍しく、開かれたウィンドを眉をひそめて見ていました。私も覗いて見ましたが、良くわからない文字が並んでいるだけで訳がわかりません。と、良く見れば……それは、メールではなく別のアプリ。つまり、双夜は全力全開で話を聞いていなかった振りをしていたのでした。

 

「……………………」

 

「うん?どうした、ユーリ?」

 

表面上は、優しげで爽やかな笑顔なのに背筋がゾワゾワする感じがしました。どうやら、私は双夜の踏み込んではイケない場所に踏み込もうとしていたみたいです。

とりあえず、何でもない事を伝え私は黙って双夜にしがみつく事にしました。ぎゅうぅ……と、しがみ付きつつ双夜がどうして偽装してでも誤魔化したのか考えてみました。

多分、すずかさんが『黒化』と呼ばれる状態になってしまうのを双夜が恐れているからだと思い、そういう意味なんだと受け取って余計な事は控える事にします。

今はまだ。でも、何時かは胸を張って。

 

「すじゅかママ。とりあえず、翠屋に寄って?流石に、手ぶらって訳にも行かないだろうから……」

 

「そうだね。わかったよ……ファリンーーーー」

 

という訳で、私達はまず手土産を買う為に翠屋に行く事になりました。お金の方は、後で返すという事ですずかさんに借りる事になります。

その際、桃子さんから私達の事を聞かれたすずかさんは、ちょっとワケ有りの子供とだけ紹介していた様です。

明確にするには、時間が足りなさ過ぎて私達の身分証も準備が出来ていないので、そういう風に言葉を濁す結果となったそうです。

 

「…………こっち見てる……(震)」

 

翠屋で買い物中、双夜が桃子さんの視線に耐えきれず私の影に隠れて震えている場面もありました。側にいる訳では無かったのですが、流石に恐怖の対象が数メートル圏内にいるという状況は双夜に堪えた様です。

何とか、翠屋から無事に出た双夜は我先にとハラオウン家があるマンションの方へと駆けて行きます。

 

「流石に、苦手意識が強いですね……」

 

「うん。平行世界の話は聞いてたけど、ここまで苦手にしてるとは思わなかったかな?」

 

「私も、桃子さんを知ってはいますが……こうなる、キッカケを作った時間軸にはいなかったですから……」

 

ここまでとは、思いもしませんでした。

双夜を追って、翠屋から徒歩5分程でハラオウン家があるマンションの前に到着。

双夜は、そのマンションの前で待っていました。

双夜が、何かをジッと見詰めている所へ行って声を掛けると振り返って中に入ろうと急かされます。理由はわからなかったのですが、今はまだ接触したくない人物がいたそうです。私達は、双夜に急かされるままエレベーターに乗りハラオウン家のある階で降りました。

双夜が、未来・平行知識でハラオウン家の前に行き……何やら怪しい動きをしています。

何を、警戒しているのかはわかりませんが、フレールくんを呼び出してハラオウン家の玄関内にに突っ込んでいる所を見ると余程の事と考えられました。

 

「どうしたんですか?」

 

「さっき、アリちゃが落ちた転生者がいたんだ。ハラオウン家から、出て来たみたいだったから一応警戒を……」

 

良くはわかりませんが、双夜の行動は転生者が関わっているようです。TAKE1の事もあって、慎重になるのはわかりますが今は行動あるのみです。

 

「私達がこの世界軸に来て、まだ半日程度ですよ?まだ、後手に回るのは早すぎませんか?」

 

「思い過ごしなら、良いさ。だが、TAKE1の事もあるからな……警戒はするだけしておかないと……」

 

「じゃあ、チャイム押すの止める?」

 

「……中に入った方が、アポ取ってるから怪しまれる事は無いだろう?おし、管理局関連の部屋には入れた。行こう」

 

そう言って、双夜がササッと呼び鈴を押してしまいました。更に、ハラオウン家の人が出迎えに出て来る前に扉を開けようとするので、すずかさんが双夜を抱き抱える様に止めて貰います。双夜は、ドアノブに手を掛けたままの状態で……直ぐ、エイミィさんが出迎えてくれました。

 

「いらっしゃい。すずかちゃんだけなんて、珍しいね?」

 

「ご無沙汰してますエイミィさん。それで、リンディさんは?」

 

「いるよ?大丈夫。さあ、上がって……君達もね」

 

そう言って、私達を招き入れたエイミィさんはキッチンの方へ。私達は、そのままリビングへと進みます。

 

「ん……まだ、活動して二時間程なのに……何故?」

 

双夜が、何か呟いていましたが気にせず私達はリンディ提督が寛いでいるソファーの元へ行きます。

リンディ提督は、私達を確認するとニッコリと優しく笑い掛けて来ました。

 

「あら、いらっしゃい。すずかちゃん……でも、あいにくフェイトさんは今いないのよ……ごめんなさいね?」

 

「あ、いえ。今日は、リンディさんに用事がありまして……ほら、双夜……」

 

「ん?ああ。初めまして、リンディ提督。時空管理局関連で、ちょっと謝罪と許可をいただきたく参上させて貰ったよ?」

 

リンディ提督が、目を見開いて驚きの表情をしてからキリッと提督の顔へと変化します。

 

「それを知っているということは、あなた達は管理世界の子達と考えて良いのかしら?」

 

「あー……どちらかというと、次元漂流者扱いで良い。さて、今から数時間前に次元震起きただろう?アレ、僕等が原因だから……ごめんなさい」

 

双夜は、そう言ってペコリと頭を下げた。

リンディさんは、呆気に取られた顔をしてフゥと溜め息を吐きます。

 

「色々とワケ有りみたいね……それで?許可と言うのは?」

 

「その前に、僕と同じ時期にこの世界に来たのに犯罪者登録されてる仲間達の指名手配を解除して貰っても良いかな?つーか、つい数時間前に現着してる存在が数日前に魔法で殺人?とか……時空管理局は、頭がおかしいのか?」

 

「…………えっと、ちょっと良いかしら?その情報をどうやって?って、サラッと毒を吐いたわね!?」

 

「フレールくん!」

 

リンディさんに問われて双夜がフレールくんを呼んだ瞬間、ちょっと間抜けな音を発しながらフレールくん達が姿を現し始めます。直ぐに、部屋の中はフレールくんで溢れかえってしまいました。

 

「僕の探索用の使い魔……フレールくんだ。ザッと、兆単位いるから捜索や探索に使用しているよ?」

 

「……………………」

 

「とりあえず、フレールくんは消えて探索を再開。先程、このマンションから出て行った奴を追ってくれるかな?」

 

『きゅ!』

 

返事をしたフレールくん達は、ポポン!と音を発て姿を消してしまった。リンディ提督は、それを見送って双夜と私達に疑いとも見える視線を向けて来ました。

 

「……許可が、欲しいという事だったわね……何をするつもりなのかしら?」

 

「その前に、突拍子もない事になるんだけど……僕等の話を聞いて欲しいんだ。それなりの手土産もあるから、協力してくれると有難いかな?」

 

そして、双夜が語って聞かせたのは平行世界の概要と転生者の有無でした。それをただ、無言で聞いていたリンディ提督は眉間をグリグリしながら困惑の表情で悩んでいるようです。双夜は、粗方説明を終えるとリンディ提督にこれ等の事柄を転生者と色々話し合って丸く収まる様にしたいから、時空管理局は手を出さずに傍観していて欲しいという旨を伝えました。

 

「……もし、それを転生者が拒んだらどうするのかしら?」

 

「ん……彼等の行い次第かな?こちらにとって、不具合が生じる様な事をしている……もしくは、するようであるなら排除、去勢、知識の封印、人格の封印とかが妥当かなぁ?」

 

「排除と言いましたね?それは、殺すという事かしら?」

 

「厳密にいうと、ちょっと違うけど……この世界での存在を失うという事になるから、それで合ってると言えば合ってる。そもそも、両親がいない転生者は突発的にこの世界に現れた存在なんで、こんな感じで消えてしまうんだ」

 

そう言って、双夜が展開したウィンドで見せるのは突発出現した転生者の末路。視覚的には、人が光の粒子に変化して消えていくというおかしな光景です。

 

「……………肉体があると、どうなるのかしら?」

 

「えっと、犯した罪はそのまま……転生者の人格と記憶が抜けて、善良な一市民化して罪を償う感じ?でも、何も覚えてないので……常識や知識を持った状態で生まれた、赤ん坊と同じと考えた方が正確かと……」

 

「最悪だわ……それじゃあ、無罪じゃない……」

 

「まあ、人格と記憶のアレやコレやで言えばそんな感じ。でも、罪状が消えて無くなる訳じゃないから誰かが罪を償う必要があるのはわかる?」

 

ついに、リンディ提督が頭を抱えてしまった。

顔色は真っ青で、眉間のシワも私が知る限りでは過去最大。もう、コレくらいにして楽しい話題にしてあげたい気持ちが溢れて来ます。

 

「…………去勢ってのは?」

 

「その言葉通り。最悪、僕のスキルを使って馬鹿の持つレアスキルをブレイクするくらいかな?魅了系能力持ちであるなら必須。でないと、魅了された方々が哀れ過ぎる……」

 

「なら、それで良いじゃない。神様特典が無ければ、自分が特別だとか……そんな思い上がりも無くなるでしょうし……暴走も止まるでしょう?」

 

「…………その結果、僕が潜伏していた日本にアルカンシェルを叩き込まれて『なのは』達が死亡しちゃったけどね……」

 

「……………………」

 

「…………あ!TAKE1の暴走って……それが、原因なんですか!?」

 

「そだよ!アイツ等、事もあろうにアルカンシェルを海鳴市に叩き込んだんだよ!!『リンディちゃん』も『エイミィ』もみんなみんな殺した!!自分達の思い通りにならないからって、そんなんあんまりだろう!?そんなクズは、殺した方がマシだ!!それとも、この世界のリンディ提督はそんな奴等でも生かして罪を償わせると言うのかい?」

 

「ーーーーー」

 

救い様のない転生者の所業に、リンディ提督も絶句している様でした。まさか、そんな理由で海鳴市にアルカンシェルを叩き込むなんて考えもしていなかったでしょうから、二重の意味でショックが大きかったみたいです。

 

「…………でも、貴方が殺す必要はないでしょう?」

 

「誰かが、殺らないといけないんだ。それなら、僕が殺る。僕の手は、もう血で汚れてるんだから……」

 

「……………………はああぁぁ……わかったわ。でも、出来るだけ生かして捕らえる方向でお願いできるかしら?」

 

「殺人は許容できないけど、その他はOKって事だな?」

 

「ええ。どうかしら?」

 

「殺られたら、殺り返すけど……そこら辺は?」

 

「そこをなんとか……お願いよ!」

 

「一応、努力はする。が、その時の状況にもよるかな?」

 

その後……生かして捕らえるけど、権限やその他諸々は取り上げる方向で話は纏まった様です。

 

「どれだけ、スピーディーに対応出来るかで未来も変わって来るからね?時空管理局が、権限を残すようであるなら暗殺とかするから……」

 

「ええ。わかっています……」

 

リンディさんは、渋々といった感じで了承して漸く一息付ける様な雰囲気になります。

そこへ、双夜が雑談風に爆弾を投げ込みました。

 

「そう言えば、エイミィさん……クロノは、もう食った?」

 

「くっ?……………………って、いやいやいやいや!!そんな事してないよ!?」

 

問われた事かわかっていなかったエイミィさんでしたけど、時間が経つにつれて意味が浸透してきたのか顔を真っ赤にして否定。

 

「でも……あれ?この時期じゃなかった?」

 

「エイミィさんとクロノくんの結婚話だよね?多分、そろそろじゃなかったかな?」

 

双夜とすずかさんの未来知識という名の口撃。

エイミィさんは、すずかちゃんもぉ!?とか言いながら否定するけど……その場しのぎ的な否定でした。

 

「あらあら……本当なの、エイミィ?」

 

「か、艦長まで……本当に違いますよ!」

 

「でも、最近は背も延びてきて良い男になったとは思っているんだろう?因みに、平行世界で起きた事は連動して他の平行世界ででも起きる事がわかっている。クロノとエイミィの結婚も、時間の問題かと……」

 

「後、人の人格や性格も似たり寄ったりなんですよね?」

 

双夜の確定的な話し方に、エイミィさんも否定出来ず沈黙するので、フォローではないですけど補足説明的な事をしてみました。

 

「うん。だから、『なのは』にママとか言うと自分の子供認識されて引きずり込まれるので大変……」

 

「え?なのはちゃんの子供?」

 

漸く、話が反れたのでエイミィさんが逃げるように、その話題に飛び付きます。でも、その話題を出した人が双夜であることを気が付いていないと酷い目に遇いますよ?

 

「血は繋がってないよ?でも、なのはママに保護されたのは事実で……その他の平行世界で、『なのは』がママになってくれた事もある……」

 

「そうなの……それにしては、双夜くんの立場は……」

 

「悪人寄り。こればっかりは、仕方がないと思われ……さて、この世界軸の『なのは』にママと言って自分の子供認識された場合、エイミィさんの結婚話が確定するけど……」

 

「ええっ!?」

 

「エイミィ……もう、ウチのを貰ってくれないかしら?」

 

「ちょっ、艦長まで!!」

 

「それで?孫は、何時生まれるのかしら?」

 

「なのはママ達が、19歳になる頃には既に3、4歳の子がいたから逆算してなのはママ達が15、6歳の頃に生まれると推測。後、一年後くらい……さあ、観念するんだエイミィさん!!」

 

「ちょっと待って!本当に待って!!」

 

両腕を突き出し、ブンブンと振りまくって制止するエイミィさんですがその程度で双夜が止まるはずもなくジリジリと壁際に追い詰められて行きます。後少しというところで、すずかさんの携帯が鳴り始めて双夜が気を反らしたのをコレ幸いとエイミィさんは逃げ出しました。

 

「アレ?なのはちゃんからだ……」

 

そう言いながら、すずかさんは通話のボタンを押して携帯電話を耳元に近付けます。

 

「もしもし、なのはちゃん?今?……リンディさんの所にいるけど……え?もう少しいるけど……あ、うん。それは大丈夫だけど……わかった。待ってるね?」

 

「『なのは』から?何て?」

 

「私が何処にいるのかを聞かれて、ここにいるよって言ったら……まだ、帰らないよね?って聞かれて、双夜達の事もあるからもう少しいるって言ったら……しばらく、家に帰らないように言われたけど……?」

 

それを聞いた双夜は、口許に指を当てて幾度か頷きバッサリと推測を告げます。内容は以下の通り。

 

「フムフム。あ、神崎が『なのは』達に襲われる可能性大だ。思った以上に、後手に回っているらしい。余程、過剰反応しているみたいだけど……はてさて、どうしたものか」

 

「どういう事かしら?なのはちゃん達が、貴方のお仲間を襲撃するって聞こえたけれど……?」

 

それを聞いてしまったリンディ提督が、のんびりとお茶タイムを続ける双夜に慌てたように問い掛けます。

 

「んー……何とも言えないけど、予測する事は出来なくもない。街で、神崎の事を見て目障りに思ったか……その辺りの理由だろう。速攻で排除してくる辺り、前回の転生者共と変わらぬ気質と言った所か?」

 

翼さんや神崎さんの事を、信頼しているからこんな風にのんびりしているのでしょうけど、リンディさんにはなのはさん達の実力を知っている分気が気ではない模様でした。

 

「下手に突付いて逆上されても嫌だし……まあ、ここは彼が現実を知る為にも様子見が妥当だろう。しかし、このまま手を小招く訳には行かないから……クリスティーナ……」

 

「はい、マスター……ご無沙汰しております……」

 

双夜が呼ぶと、少し紫がかった銀髪でシアンパープルの瞳をしたスッゴい美人が現れました。

つい、視線が下へと進んで胸に固定されます。そこには、大きなマスクメロンくらいの膨らみがありました。

それと、先程の挨拶を思い出して遠避けていた使い魔の方なんだなぁと推測します。

 

「悪いんだが、この馬鹿の素性と周囲で行われている可能性のある犯罪があればピックアップを頼む……」

 

「心得ました。では、後程……」

 

そう言って、クリスティーナさんはスゥと消えて行きます。何て言うか、影の人という表現が似合う女性です。

見た目は、あんなに華やかなのに背後に控え主の為に尽くす雰囲気が、更に物静かさを演出しているようでドキドキします。でも、素性なら秘密基地にあるのではなかったでしょうか?アレとは、別の事を調べるのですか?

 

「さっきの子も使い魔なのかな?」

 

「探索用の使い魔が、兆単位で魔力ランクがAAA程。地を駆ける獣型の使い魔が、数千万で魔力ランクS程。人間の姿をした使い魔が、百万で魔力ランクはSS程って所か……殺れっていうなら、時空管理局程度数時間で滅ぼせるレベルの戦力がそろってるって所だ。ま、殺らないけど。やらない理由としては、明確な敵対行動が無いからだ。敵対するなら、本気で潰しに掛かるから……楽しみにしてて?」

 

「楽しみじゃないよ!?」

 

瞬間的に、エイミィさんが双夜にツッコミを入れます。

全力全開で脅しておいて、楽しみにしててなんて普通は言いません。リンディ提督も、全力で引いているみたいですし……双夜の常識とは、どうなっているのでしょうか?

 

「それ程の戦力…それを維持できてる貴方はいったい…」

 

「別に簡単な話だろう?魔力無限に作り出すシステムと、使い魔を管制制御するシステムを作れば良いだけの話だ。後は、二つのシステムを繋げて僕の使い魔とすれば間接的ではあるけれど、それらが作り出す使い魔のマスターになれるって寸法だ……」

 

「…………正に、発想の転換ね。でもそれって、ロストロギアでしょう?こちらに、引き渡してはくれないかしら?」

 

下心見え見えな質問が、リンディ提督の口から出ました。

双夜を見ると、予想していたのか普通に対応し始めます。

 

「使い魔達が、それを望むのであれば全然構わないけど。あの子達の意思と権利を尊重し、友好的な関係を築かないと無理だと思う。それに、下手に人権侵害や労働基準を無視すると暴動に発展すると思われ。アイツ等の能力高いから……嫉妬と羨望の対象に成りやすいし、侮辱したら全体を敵に回す事になるからオススメはしない。人手不足に有効だからって、使うんだろう?滅びない様に気を付けてね?」

 

人間関係って、難しいんだよとニヤニヤ笑う双夜がとても嫌らしい笑顔でリンディ提督達を見ています。

その後も、時空管理局が内側から崩壊していく未来が見えるようだと、リンディ提督が発言の撤回をする様に話を誘導していました。双夜が、とても意地悪です。

流石に、時空管理局が嫉妬と羨望の末に内部崩壊していくのは嫌だったのか、リンディ提督は発言の撤回をしていました。

 

「あれ?でも、双夜は労働基準守って無いですよね?」

 

「んー……別に無理無茶無謀を命令も強制もしてないよ?むしろ、サボる事を推奨。RETAKEして良いから、最終的に結果を出してね!とは、言ってるけど……」

 

「え゛!?でも、皆さん……」

 

「そんな感じの事を言い続けていたら、何でか知らないけど……みんな、超真面目に取り組む様になったんだよね……」

 

訳わからんと呟く双夜を見て、私はこれが反面教師というモノなんだなぁ……と、理解しました。

リンディさん達も、青い顔色で頭を抱えていますし……すずかさんに至ってはクスクスと笑っていました。

 

「双夜は、本当に面倒臭がりだね……ダメだよ?世界を護っているんでしょう?」

 

「それはそれ。これはこれ……だよ?すじゅかママ。さて、『なのは』達が戻って来るまで時間もあるみたいだから何する?エイミィさんを洗脳して、クロノんを襲わせるってのもあるけど……」

 

「ちょ、まだ引っ張る気!?」

 

エイミィさんはその話題で弄られたくないらしく、とっても必死に否定してきます。しかし、そんな反応を見せると双夜は、むしろ全力で弄りに行くタイプですから。

 

「別の平行世界で、クロノんとエイミィが結婚するよ?と広めたら、クロノんが頭を抱えて壊れた事があったけど……今回は、乗り気になるかな?」

 

「それって、何時の話ですか?」

 

「ユーリと会った頃かな?『なのは』が、9歳の時だから……クロノん、14歳の頃だね!身長ネタに超食い付いて来てたから、コンプレックスだったんだろうね!」

 

「あー……まあ、そうだろうね……」

 

「そう言えば、未来のフェイトちゃんに聞いたんだけど……クロノんとエイミィさんの間に生まれた子供にクロノんがパパと認識されてないっていう事実が……」

 

「…………クロノ、仕事に忙殺されているのね……」

 

「あは、あははは……」

 

リンディ提督は、直ぐに未来のクロノさんの状態を察知。

エイミィさんに至っては、乾いた笑い声で誤魔化してました。そのエピソードについては、私は知らなかったのですが……何時の間に?

 

「一応、『バイバイ、オジちゃんまた来てね?』みたいな感じで悲惨な事にはなっていないらしいけど……」

 

「拒絶されて無いだけマシなのかな?拒絶されてたら、もう泣くしかないよね……」

 

「だよねー?つー訳で、エイミィさん。クロノんの写真を大きくして飾り、この人がパパなんだよ?教育をしないとダメだよ?まあ、それがバレるとクロノん二重ショック!」

 

「ショックだよね……本当に……」

 

笑っていたはずのエイミィさんが、微妙に黄昏た感じで落ち込んでいました。その様子を見る限り、容易に未来を想像出来てしまって落ち込んでしまったみたいです。

 

「パパと認識されてて嬉しかった分、そういう教育がされてると知ってダブルショック!!それで、帰って来るようになれば良いけど……次元航行艦に引きこもりそう……」

 

双夜が、嬉々として未来の話で盛り上げようとしているようですが、リンディ提督達はドンドン沈んで行くのでした。

その後、なのはさん達がボロボロの姿で翼さんと共に転移して来たのは予想の範囲外ではありましたが、模擬戦の範囲内で片が付き……呉情報に踊らされた局員が、一般人に危害を加えようとして返り討ちにあったという事は無かった事になりました。

 

「すじゅかママ~♪」

 

落ち込んでいるなのはさん達の隣で、すずかさんに甘え続ける双夜が今一良くわかりませんでした。

けれど、すずかさんを見て双夜を見て全力全開で叫び続けるなのはさん達が対象なのは直ぐにわかります。

 

「誰との子や!?って、何時生んだんや!?」

 

「ふふふ。ナイショ♪」

 

「ナイショじゃないよ!すずかちゃぁん!?」

 

「じゃ、帰ろっか?」

 

「にゃあ!おばちゃん達、バイバイ」

 

『お、おばちゃん!?』

 

「仕方ないよ、はやてちゃん。私の友達って事は、双夜からすれば『おばちゃん』で合ってるよ?」

 

「そんなん、教育で何とかなるもんや!ええか?私はおばちゃんやのうて、お・ね・え・さ・んや!!」

 

「おばちゃん、怖ぁい……」

 

「おばちゃんやあらへん!おばちゃんやあらへんねん!私はまだ、14歳でピチピチのおねえさんや!って、せや!14歳や!すずかちゃんが生んだ訳やあらへんのやな!?」

 

「でも、私の息子だよ?双夜は……ねぇ?」

 

「ねー?」

 

「だから、はやてちゃんが『おばちゃん』であるのは間違いないよ。それに、クロノくんとエイミィさんが結婚すればフェイトちゃんは確実におばちゃんになるだろうし……」

 

『エイミィさん、クロノ(くん)と結婚するんですか!?』

 

「しないよ!?まだ、する予定はないよ!?」

 

「『まだ』……ね。気長に待つ事にするわ」

 

「ちょ、提督まで!!」

 

「言質は取りました!頑張って下さい。エイミィさん!」

 

そんな感じで、今日も賑やかに時間は過ぎて行って……私達は、いずれ来るであろう対決の前の楽しい一時を楽しむのでした。

 

 

 

 




双夜全力全開の誤魔化し!!そして、久々の高町家ェ最終兵器登場w双夜が、『こっち見てる……』と怯えていますが……冗談ではなくガチですw
そして、ハラオウン家にてエイミィさん弄りが開始されました。クロノ、もう食った?と問われて慌てるエイミィさんとかwとても、楽しい話ですよねw結婚www
他人の幸せは、みんなの幸せなのです!!弄り話的にww
最後は、言質を取って済みww

仮面ライダー……段々、面倒になって来ました。派生する組合せが多すぎて考えるのが面倒なんです。これは、当初の予定通りにする方が賢い選択かもしれません。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも読んでくれる方々に感謝を……。
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