絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一ニニ話

双夜

 

 

休日の日。

神崎と勝負服の翼を見送って、何故か遊びに来た忍の相手をしてから秘密基地を出た。予定では、神崎達を見送ってすぐ出るはずだったのに……本当、予定は未定である。

その上、普通にハラオウンさん家を目指していたはずなのに鉄と一緒に翠屋に連れ込まれる始末。予定ではとっくに、ハラオウンさん家に着いてるはずなのに……翠屋の前を通ったら、モモちゃんに捕まってしまった。

今は、鉄を盾にしてモモちゃんを牽制している所。

 

「苦手なんですか?」

 

「黙って盾をやってろ!」

 

「もう♪、恥ずかしがり屋さんなんだから~♡」

 

良くわからないが、モモちゃんは俺に興味を持ってしまったらしい。すじゅかママの知り合いである事も理由なのだろうけど……ちょっと、気易過ぎる。

 

「捕まえた♡」

 

「にゃあああ!!」

 

鉄が変な動きをするから、捕まってしまったではないか!

必死で、振りほどこうとするけどガッチリホールドされてしまって振りほどけない。魔力強化すれば良いんだろうけど、モモちゃんが怪我する恐れがあるので不許可。

怒るなのはママ恐い。

だから、近くにいる元凶に魔力強化した手でガッシリ捕まってミシミシと骨を砕かんばかりに握り締める。

鉄の馬鹿が、悲鳴を上げているけど……気にせず、骨を砕かない程度に握り締めまたままモモちゃんの引っ張る力に任せてブラリブラリ。

 

「にゃあああ!!」

 

「は、離して……離して下さい!!」

 

「うふふふ……」

 

「コレ、なんてコントおぉぉ!?」

 

何はともあれ。

ある程度して、モモちゃんの気が張れたらしく俺は解放された。それと同時に、鉄の腕を離してその場から離脱。

鉄が、腕を押さえてうずくまっているけど俺は気にせず外へと逃げ出した。

しばらくして、鉄がケーキを買って外に出て来たけれど何故かあらぬ方向に歩いていく。そう言えば、アイツの裏特典に【迷い子】があったのを思い出す。

【迷い子】は、超絶方向音痴の事だ。

普通なら、風景を覚えたりして克服出来るのだけど、例の認識阻害が邪魔をしてちょっとやそっとでは克服出来ないようになっている。神崎曰く、『それさえ無ければ、オリ主になっていたのは鉄だっただろう』という事だった。

ちょっとイラッとしたので、一瞬で間合いを詰めて膝カックンを実行。放り投げられたケーキの箱は、無重力系の魔法で確保しつつキャッチ。中を確認したけど、崩れたりはしていなかった。

 

「酷いですよ……」

 

仰向けに倒れた鉄が、嘆きの言葉を送って来る。

 

「裏特典、【受難】は伊達では無いって事だろう?」

 

「スキルブレイク出来るんですよね!?ブレイクしてください!!」

 

俺の《ルール・ブレイカー》なら、それも可能であるが……今回は、まだ何もしていなかった。

 

「面白いから……嫌!」

 

「それじゃあ、神々と同類じゃ無いですか!?」

 

「それはそれ、これはこれ……」

 

等と言葉を濁して、鉄と共にハラオウンさん家に突撃。

ケーキはエイミィに渡して、リビングに行くとリンディちゃんとなのはママ達が寛いでいた。

 

「あ、双夜くん……今日も来たのね……」

 

とは、リンディちゃんの発言。

そりゃあもう、用事があれば即参上しますよ?

 

「来たよー……あ、『なのは』だ!!」

 

なのはママの顔を見て、子供のようにトタタタと駆け寄った上で思い出したかのようにある事を告げる。

 

「名実共に『おばちゃん』おめでとうございます!!」

 

「だから、『おばちゃん』じゃないよっ!?」

 

残念だが、『なのは』は本日『叔母』になりました。

まあ、【真実の瞳】によって忍のお腹に新しい生命の息吹を視たから言える事なんだけど……それにより、二つの事柄が確定となる。

 

「にゃはは。聞きたい?」

 

「???」

 

「恭にぃと忍の間に、子供出来たよ?」

 

先ずは、一つ目の確定事項を告げた。

即ち、高町なのは『叔母』確定事項である。

 

「え゛……」

 

ちょっと、女の子が出して良くない声がなのはママの口から漏れる。更には、女の子じゃないリアクション顔付き。

 

「つまり、10ヶ月後……『なのは』は『叔母』になりまーす!そして、恭にぃは……出来ちゃった結婚決定ぇー!!」

 

『ええぇぇーっ!?』

 

ついでの確定事項も、サラッと告げてその場にいた全員を驚かせてみた。流石のリンディちゃんも、驚いた様子で目を見開いたまま固まっている。

 

「まあ、恭にぃは仕方がない……」

 

「ちょ、ちょっと待って……なんで、それを双夜くんが知ってるのかな?そういうのは、お兄ちゃんから報告されるんじゃないの!?」

 

「そりゃ……まだ、本人達も知らないからだろう?僕は、恭にぃと忍が大人の事情をした翌日に……忍のお腹に新しい生命の息吹を視たから言ってるだけだし……」

 

「忍さんのお腹に、新しい生命の息吹?」

 

「それって……」

 

「えっと、双夜くんはそういうのがわかるレアスキルでもあるのかしら?」

 

「まあ、そんな感じ……だから、『なのは』が名実共に『おばちゃん』になったって言っているんだー♪」

 

「にゃああああ!!」

 

理解が浸透したのか、なのはママが頭を抱えて驚きの叫びを上げている。フェイトちゃんも、驚きで言葉なく口をパクパクさせていた。

前回は、余り弄れなかったから今回はタップリ弄り倒そうと思っているので魔法制裁が出るまで弄り倒す予定。

でも、なのはママは終始頭を抱えるだけで反応があまり面白く無かった。

 

「それで、双夜くんはここに何しに来たのかしら?」

 

「ん?……………………なんだっけ?」

 

「アリサ・バニングスの動向が、おかしいって話ではありませんでしたか?」

 

鉄のフォローで、なのはママ弄りにせいを出していた俺はうっかり本来の目的を忘れかけていた。

 

「鉄、ナイス(≧∇≦)b!」

 

「忘れないで下さい……」

 

「アリサちゃんが、どうかしたの?」

 

リンディちゃんの疑問には答えず、俺は適当にコンソールを呼び出して操作を開始する。鉄が、リンディちゃん達に謝りまくっているけど気にしない。

状況を確認すると、まだ神崎達はアリサ・バニンクズと接触していなかった。仕方がないので、エイミィさんが持って来てくれたお茶を飲みつつ状況を確認する。

 

「あの……見せないんですか?」

 

「アイツ等、まだデート中。接触してないみたい」

 

「ああ……じゃあ、接触してからですね……」

 

「デート?」

 

エイミィさんが、デートという言葉に食い付いた。

だから、少しだけ説明する。

 

「神崎と翼。今日、映画見に行った」

 

「あら?双夜くんのお仲間よね?恋人なのかしら?」

 

「まだ、恋人じゃない。でも、見てて焦れったいのでサッサとクッ付けば良いと思う……」

 

未だに、神崎を好きだと認めない翼がいて……原作人物とじゃなきゃ、恋愛をしないと宣言し続ける馬鹿がいる。

双方とも、相手を想い合っている癖にノー恋愛とはこれいかに!?神崎は仕方ないとしても、翼はちょっと強情過ぎる。二の足を踏むにしたって、これでは予定していた神崎の監視役としての役目が果たせないじゃないか。

首輪として、連れて来たっていうのに……残念無念。

 

「神崎も、そこそこ翼の事を気にしてるから調度良いと思ったのに……全く、誰かさんじゃないけど。ホント、こんなはずじゃ無い事ばかりだ……」

 

「……それ、クロノの台詞よね?」

 

「クロノんの台詞だよ……」

 

「クロノ『ん』?」

 

「……それでは、平行世界で実際にクロノ・ハラオウンの協力の元……造られた映像を一本上映したいと思います」

 

暇だったので、久しぶりにソレを上映してみた。

ソレを視た、リンディちゃん達の反応はマチマチ。

なのはママとフェイトちゃんは、かなり微妙な顔をしていたけれどエイミィさんには好評だったので映像データを複製して渡しておいた。今度、一緒に鑑賞すると言っていたのでクロノんが発狂するのは間違いないだろうと推測する。その他にも、狂戦士と化したクロノんが犯罪者を殺傷設定の魔法で虐殺しまくるヤツ(使い魔による再現)や、本局の女性局員に受けが良かったクロノん×ユーノ司書長のヤオイ映像(これも使い魔による再現)とかを上映してみた。

前半はリンディちゃんがとても否定的で、後半はエイミィさんが超大喜びするという結果に。

 

「……と、接触したみたいだね!」

 

そう言って、ヤオイ映像の上に神崎達の現在の状況を別のウィンドで展開放映した。そこに映されていたのは、腹黒雌狐と化したアリサ・バニングスの姿。

 

『ソイツが、私を排除するとか言う奴な訳ね?』

 

「これって……」

 

「リアルタイムの画像だよ?今、正にあそこでアリサとウチの仲間が話し合いをしている所かな?」

 

神崎と翼が、少し怒った様な顔をしたアリサ・バニングスに今の状況の異常さと未来の可能性を含めた推測を説明している。その上で、アリサ・バニングスを本来のアリサ・バニングスに戻して彼女をアリサ・バニングスの双子として生を受けて貰えないか話をしていた。

 

『嫌よ!私はねぇ、お金持ちになりたいの!何が悲しくて、財産を二分してしまうかもしれない要求を受けなきゃならないのよ?馬鹿じゃないの!?』

 

交渉は決裂して……翼が、『だったら、強制的に双子にしてあげるわ!!』とか言い出した。

それに対して、アリサ・バニングスが逆上。

次の瞬間、爆音と土煙が画像を乱して一時的に画面が真っ暗になる。コンソールを操作して、他のウィンドを複数展開。外からビルを撮していたウィンドに切り替えて、漸くビルが崩壊し土埃が舞い上がる状況がわかる。

 

「おー、爆破して敵を排除したって感じ?」

 

「あれ、マズくないですか?」

 

「…………アリサ・バニングス、発見……神崎と翼は……あ、翼がいた!」

 

位置的には、アリサ・バニングスが倒壊したビルの屋上で翼を見下して罵声を浴びせている状況が見て取れた。

近くに、神崎の姿は見えない。もしかすると、翼を庇って瓦礫の巻き添えになっている可能性があった。

 

「聞くに耐えんなぁ……」

 

「辛抱してください!」

 

アリサ・バニングスの他人を見下した発言と、バニングス家の財産を前提とした金話がとってもウザイ。兎も角、あの女の頭の中は如何に他人を蹴落として自分がのし上がるかしか無いモヨウ。悪辣極まりない事を叫びながら、翼を貧乏人扱いでコケ下ろしている。まあ、俺達が貧乏人なのは確かだけれど。

 

「僕のポケットマネー、普通に兆単位ブッ飛んでいるけど……今は、使えないから普通に貧乏人でOK(笑)」

 

「兆単位もあるんですか!?」

 

「正確には、予クレジット?10の24乗だなw」

 

『10の24乗!?』

 

「それ、なんて国家!?」

 

「ただのブラック・ワーカーホリックなだけだよ。肉体的に疲れないから……眠らなくても問題ないから……って働きまくった結果の成れの果てだ……」

 

「真っ黒ですね。やっぱり、精神体って便利なんですね」

 

『精神体???』

 

「……………………」

 

鉄が、うっかり口を滑らしたけど聞かなかった振りをした。沈黙しているリンディちゃん辺りが、後で確かめに来るかもだけど今は気にしない。

 

「あ……」

 

そこで漸く、俺は瓦礫の中から這い出てくる神崎の姿を確認した。神崎の状態を見ると、左腕と右足が潰れて左目からも血を流している。チラッと、リンディちゃん達を見てメインで展開している画面でなかった事を少し安堵して、神崎の状態の酷さに同情してしまう。

神崎はそれでも、何とか立ち上がりキョロキョロと何かを探している様子が伺えた。爆発に巻き込まれる前に、魔力で身体強化をしたお陰か頭と重要機関を守れたのだろうと推測。それでも、かなりの重症である。

きっと、中身も色々と不都合が起きていると思われた。

すると、神崎が翼達がいる方へ向かって動き始める。

どうやら、翼達の話し声を聞いてそちらへと移動を開始したらしい。神崎の性格やら、状況やらをかんばみると現状のままでは被害が洒落にならなくなる可能性が高かった。

 

「エイミィさん、封時結界お願いできるかな?」

 

「え!?えっと……艦長……」

 

「ごめんなさい。ちょっと前なら、それも出来たんだけど……今は、設備を引き上げちゃったから出来ないの……」

 

「『なのは』は無理で、フェイトちゃんも攻撃特化だし……アルフは……無限書庫か。仕方がない」

 

俺は立ち上がり、クラールヴィントを装備するとリンカーコア精製魔法でシャマル先生のを再現する。

 

「古代ベルカ式……超・長距離遠隔操作。封時結界……クラールヴィント!」

 

《Ja》

 

『え……!?』

 

身分バレは、仕方がない。隠し通せるなら、隠し通すけど……今は、そんな事を言っている場合ではなかった。

 

「レイジングハート、バルディッシュ……サポートをお願い」

 

《All right, my master》

 

《Yes sir》

 

二つのデバイスが、俺の懐から出てきて両サイドに浮かび上がる。二機共、フィンを展開しているが……まあ、問題は無いだろう。ただ、超驚いている『なのは』とフェイトちゃんが目を見開いた状態で固まっているけど今は放置。

後で、五月蝿いかもだけど……今は、気にしない事にした。

神崎達が、いる場所を中心に封時結界を展開する。

アリサ・バニンクズは、それを気にした風もなく罵詈場権を翼に浴びせて、最後に優越感からか口元を吊り上げるように持ち上げて『殺せ!』の命令を出した。

瞬間、土煙から剣を持ち構えた黄泉岸航が飛び出して来て一直線に翼へと飛んで行く。

 

「あ、危ないっ!!」

 

これは、『なのは』の悲鳴。両手で目元と顔を覆って見えないようにしている。フェイトちゃんも、同じく目を閉じて顔を画面から背けていた。

黄泉岸航が持ち構える剣が、翼に突き立てられようとした瞬間。瞬動術で、翼と黄泉岸の間に割り込んだ神崎がその身を盾にして翼を庇った。

 

「っ!ナイス、神崎さん!!」

 

「あー……《金剛》は、出来なかったか……」

 

だが、翼……否、女性を護ろうとした事だけは間違いなく誉められるべき事だ。後でちゃんと、誉めてやらないとな。

神崎が右手を伸ばし、翼に何か言っているが聞こえない。

その後、直ぐ神崎は光の粒子となって消えて行った。

きっと、駆体を放棄して紫天の書へ戻ったのだろうと推測される。だが、状況はまだ終わってはいなかった。

茫然自失状態だと思われる翼が、ペタリとその場にへたり込んでいて、今尚殺人を犯した黄泉岸航の側にいるのである。このままでは、神崎の奮闘空しく翼も傷付けられるだろう。しかし、俺は別の事を杞憂していた。

アリサ・バニングスが、ヒステリックな声で黄泉岸航に命令を飛ばす。それに反応して、黄泉岸航は剣を振り上げる。それでも、翼は逃げなかった。

 

「逃げてっ!!」

 

思わず、『なのは』が画面に向かって叫ぶが……無情にも剣は、無抵抗な翼に振り下ろされた。

だが次の瞬間、黄泉岸航は瞬間的に膨れ上がった翼の魔力によって吹き飛ばされて行く。

 

「はい。暴走っと……つー訳で、執務官殿。直ぐに現場に向かってくれるかな?翼は、放置で良いけど……黄泉岸航は、確保する必要があるから……」

 

吹き飛ばされた馬鹿は、壁に背中を打ち付けて気を失う。

それにより、アリサ・バニングスも吹き飛ばされていたけど黄泉岸航のように気を失ったりはせずに逃げ出そうと悶えていた。

 

「え?……あ……えっと……」

 

フェイトちゃんが、目を白黒させながら自分のバルディッシュを取り出してこちらを見た後、リンディちゃんにも視線を向けて困惑していたけれどリンディちゃんの呼び掛けで、我に帰ってベランダから飛び出して行った。

 

「ユーリ?」

 

『既に、現場に向かっています!!』

 

「翼が、暴走しちゃってるから魔力ダメージでノックアウトして止めてくれるかな?」

 

『はい!わかりました!!』

 

その返答の直ぐ後、ユーリが到着。

翼を瞬殺して無力化。それから、フェイトちゃんが到着する前に紫天の書を呼び出して翼を回収していた。

はい。これにて、翼の暴走事件は膜を閉じた事になる。

割りと呆気なかったけれど、公式チートは伊達ではないということなのだ。黄泉岸航は、いつの間にかいなくなっていて逮捕は出来なかった。

 

「…………それで、双夜くん?説明して貰えるかしら?」

 

「まあ、良いけど。その前に、そっちの説明もして貰えるんだよね?ウチの仲間が、局員に無抵抗で殺された事……」

 

「くっ……そ、そうね……」

 

ちょっと、あちらに勢い付かれても困るので牽制を入れてから説明する事にした。リンディちゃんは、狙い通り怯んでくれたので交渉は仕切り直しと言った所だろう。

という訳で、俺は前回話した事柄に追加する形で事情を一部解放した。これで、リンディちゃん達は【転生者】に関する事と終わってしまった未来と平行世界についての知識を得る事になる。流石に【精神体】や《神殺し》に関する情報は出さなかったけど、どっかの馬鹿が口を滑らさないとも限らないので念話で口止めをした。

一応、了承を得て鉄は口を閉ざし黙り込む。

 

「つまり、【転生者】という存在が世界の根底をネジ曲げて世界を壊そうとしているって事なんですね?」

 

「世界ではなく、この場合は【未来】をだろうね」

 

平行世界の話になってから、リンディちゃんの表情があまりよろしくない。まあ、並列世界だけでも手に余っているのにそこに来て平行世界という新たな次元世界の話はリンディちゃんにとって重い話となった様だ。

だから、ちゃんと平行世界への渡航は簡単には出来ない事を告げておく。じゃないと、リンディちゃんの胃に穴が開いてしまうかも知れないから。

到達不可世界だという認識を植え付けておいた。

 

「例えば、アリサ・バニングス……本来の彼女は、太陽のように明るく……正義感の強い人格のはずなんだ。その彼女が、【転生者】に憑依されてしまった。憑依っていうのは、肉体という器に二つの【魂】が入っているという認識でOK。【魂】の説明は必要かい?」

 

「ええ、出来れば……」

 

「魂というのは、肉体に宿る【心】だよ。『命』そのものだと言う奴もいるけど……まあ、生命エネルギーの塊だって説もあるが……」

 

あまり、そういう知識を広める訳にも行かないので適当に言葉を濁しつつ肝心な部分はカットして伝える。

 

「【心】ですか……【精神】とは違うモノなのですか?」

 

「うん、厳密にはね。【肉体】と【魂】を繋ぐのが【精神】だから。【魂】という【心】が、【肉体】を操る為にコントローラーとして使うのが【精神】と言う説もある……ゲームで例えるなら、プレイヤーが【魂】。コントローラーが【精神】。そして、キャラクターが【肉体】だ。肉体が滅んでも魂は残るから、生前の記憶をリセットして次の肉体へとうつろう……それが、【魂】と呼ばれるモノだよ」

 

「……………………」

 

「例えがあると、わかりやすいだろう?」

 

「ええ、まあ……しかし、プレイヤー……ですか……」

 

「深くは考えない事だ。こういうモノは、概念として捉えておくのが一番だ」

 

「そう……ですか……」

 

世界の根源を直視するのは、止めといた方が精神(心)的に良いからな。アレは、本当に胃に穴が開いてしまう。

 

「さて、こちらの事情はこれくらいだ……そろそろ、そちらの事情を話してくれるかな?と、言ってもこっちは大方を掌握済みなんだけどね……すり合わせでもするかい?」

 

「…………い、いえ……」

 

リンディちゃんが、苦虫を噛み潰した様な顔をしている。

平行世界の知識から、リンディちゃん達が不利だと悟ってしまったのだろう。それ以上の質問は無かった。

 

「ただいま戻りました~♪」

 

そこへ、マッタリモードのユーリがベランダから入ってきた。今は、身内ではないので『ただいま』は不適切なんだが楽しそうなので気にしないでおく。

 

「お帰り。翼は、落ち着いた?」

 

「はい。魔導書の仮想世界で、神崎さんと会っているはずですよ?」

 

「そ。なら、問題なしかな?」

 

「えっと、ちょっと良いかしら?さっきから、気になっているのだけど……神崎くんって、黄泉岸くんに殺された方では?」

 

『そう(だけど)ですが?』

 

「えっと……」

 

「ま、一見百聞に如かずってね……おいで、【闇の書】」

 

『ええっ!?』

 

外見が似ているので、ついリンディちゃん達を弄る目的で『闇の書』と発言していた。ユーリを見れば、凄く苦笑いをしているので訂正する様子ではない。

 

「管理者権限発動。守護騎士システム、無限再生同期……守護騎士、召喚!」

 

古代ベルカ式の魔法陣が展開されて、更に二つ時間差で展開された。そこから、光の柱が立ち上りそれぞれの魔力光の球体が現れる。その球体が、砕け散った後には神崎と翼が元気な姿で立っていたのだった。

 

「とまあ、こんな感じ?」

 

「もう、双夜。意地が悪いですよ?」

 

「えー……ちょっとした、お茶目じゃないか……」

 

一瞬、信じかけていたリンディちゃんが俺とユーリの会話から紫天の書が【闇の書】ではない事を看破する。

 

「脅かさないでくれるかしら?それで、その魔導書は……」

 

「紫天の書だ。僕が持つ限り、暴走の心配はないよ。暴走すれば、闇の書より酷いことになるんじゃないかな?」

 

「……………………」

 

「もう、ダメですよ?リンディ提督をイジメちゃあ……」

 

困り顔のユーリが、『め!』とか言ってるけど……面白いんだから仕方がない。暴走させる気は無いけれど、TAKE1の様な転生者がまたいたら定かではないだろう。

 

「ごめん、ごめん。でも、闇の書より酷い事になるのは事実だろう?一応、紫天の書で縛っているけど……ユーリが暴走したら、アルカンシェルでも吹き飛ばせるかどうか……」

 

「双夜が、私を制御してくれる限りその未来は来ません。手放したりは、しませんよね?」

 

「さあ、どうでしょう?」

 

「そ・う・や?」

 

「クス。大丈夫だよ。ユーリが、壊れたりしない限りは手放したりするもんか……」

 

顎先から頬に掛けて撫で上げ、手を頬に添えるとゆっくり顔を近付けて行く。ユーリは、突然の行為にギョッとして奇声を上げながら後ずさった。

いやホント、からかいガイのある子達だ。

 

「さて。こんにちは、なのはママ?とは言え、この『なのは』は僕の『なのはママ』じゃないので『ママ』と呼ぶのは憚られるんだけどね……どうして欲しい?」

 

「えっと……平行世界の未来で、私の子供だったんだよね?で、平行世界と言っても人格や性格の根本が同じって事なんだっけっ?」

 

「うん。だから、『なのは』の事を『なのは』以上に知ってるって事になるかな?と言っても、『なのは』が『ママ』になった後の『なのは』しか知らないんだけどね……」

 

「あ、うん。言いたい事はわかるよ?でも、ちっちゃいままなのはどういう事なのかな?平行世界を渡り歩いているって事は、それなりに成長しているって事だよね?」

 

「フムフム」

 

さて、どう説明したものか。

主人公だとは言え、どうしてこうこちらの急所を的確に突付いて来るかなぁ。出来れば、避けたい話題なんだけど逃がしてくれそうにないし……。

 

「恋愛対象外になる為だよ?」

 

「恋愛対象外?」

 

「恋愛は、悪くいうと世界の根底……この場合は、中心人物である君達の様な存在を歪める可能性があるからね?」

 

「……何で、私達なのかな?他にも、魔導師はたくさん……」

 

「別に、絶対的になのはママ達が対象なんじゃないよ?時空管理局の高魔力ランク魔導師で、世界の命運を左右する存在が対象なんだよ?」

 

「あ……なんだ。そっか……うんうん。成る程ね……」

 

嘘は、言っていない。当人も納得しているし、真実じゃないだけで嘘ではないんだ。背後で、翼や神崎達がブツクサ言っているけど五月蝿いのでちょっと黙ってて欲しい。

 

「そそ。ジュエルシード事件で、次元断層から地球を救い。闇の書事件では、闇の書から世界を救い。見た目が可愛くて、恋愛対象としては高レベルな人物だから調度良いんだろうね……」

 

『……………………』

 

「やっぱり、見た目は大切だからね。美少女とか美女とか、変態的な男としては性欲的な意味合いもあるだろうからなのはママ達に群がって来るのは仕方がないのかも知れないね?」

 

とても不本意で、複雑そうな顔をするなのはママ達。

背後では、鉄が『スゲー、丸め込んだ!』とか言ってるけど嘘は言っていないよ!?嘘は!!

ちょっと、不都合な事を強めの衝撃で上書きしたりしたけど。人間の男が、常時発情しているのは事実なので、その危険性を告げただけなんだから問題はないはず。

しばらくは、周囲の目が気になったりするだろうけど、問題のないレベルで注意換気はしておかないと、フェイトちゃんが悪質なストーカーに悩まされるかもしれないから心構えだけでも作っておいてあげようという細やかな気配りである。

 

「大丈夫だよ!なのはママのバリアジャケットは、そんなに露出は少ないんだから……フェイトちゃんは、レオタードではなく半ズボンをオススメしておくけど……男共の情欲を刺激しなければ良いんだよ!!」

 

「とりあえず、フェイトはBJのデザインを変えた方が良いって話ね。後、変な隙は見せない方が良いわよ?」

 

「うん。ちょっと、バルディッシュと相談してくる……」

 

「涙目美少女萌え~♪」

 

神崎の追い討ちにより、フェイトちゃんはダッシュで自室に戻って行った。

 

「ナイス神崎!それとさっきの翼を護ったヤツはナイスファイトだ!か弱き女性を護るのは、やっぱり男の役割だよな!誉めて使わすぞ(笑)」

 

「勿論です。か弱き美女を護るのは俺だ!!」

 

「任せてください!」

 

「鉄は、なにもしてないだろう?」

 

「くはっ!!」

 

とりあえず、アリサ・バニングスは早急に何とかしないとダメッポイので、ちょこっと無茶をしてでも双子修正してしまうのが良いだろう。

ヤるとしたら、今晩かその翌日辺り。

邪魔をして来そうなのがいるけど、神崎、鉄、翼、ユーリがいるから戦力的には問題は無かった。

 

 

 

 

 

麒凪 楓 (14) ♀

MP AA 魔力光 オレンジ

D ??? D愛称 ???

 

インテリジェントデバイス

待機状態 アクセサリー(ネックレス)

形状   片刃剣 カートリッジ 有

空戦 C 陸戦 A

 

神様特典

 

①カリスマ A+

②黄金律  A

③アリサ・バニングスへの憑依転生

 

 

 

 

 

 

 




原作人物達に、ネタバレです!w
今回のは、アリサに憑依した転生者と翼達が対峙するというもの。オリ主様が、憑依転生者の操り人形にwwwww
その時点で、黄泉岸がオリ主でないことがわかりますねw
神崎が、男を魅せてますが…これにより翼との関係が、少し進みますwいや、進んだとはいえないのか……?
鉄翼刀……いつまで、双夜達に付いてくるんでしょうねぇ?
まあ、作者的にはこのままでも良いかな?とか、思ってますけどw……監視者と入れ替える予定なので、居なくなるのは確定事項ではありますがw

GWから、なにもしてない作者。
ストックが、消費されていくだけの流れ作業w
ネットで読めるチート小説がヤバイ……何あれ、面白過ぎるんですけど……異世界ファンタジーチートハーレム……まあ、ハーレムでなくても面白いのに。みんな好きだなぁ……と思いつつ読みあさってる現状。ヤバイ……進まない……どうしよう?

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。
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