絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一三〇話

 

 

最近、神崎達がこそこそと何かをしている様子。

秘密基地にある、電子錠の付いた部屋へ幾度となく出入りしている姿までは突き止めたのだが……私やユーリには何も言ってくれないので、何をしているのかはわからなかった。しかし、あの鉄まで入れるのに私やユーリが入れて貰えないのは納得が行かない。お陰で、最近はずっとイライラしているので神崎が私に怯えるようになっている。

つまりは、軟派な事を言って来るのだ。

ちょっと前までは、私を口説いているのかと思っていたのだけれど……アレ、実は命乞いである事がわかって来た。

まさか、あんな命乞いがあるなんて思いもしなかったけれど、それならば何かと符合する意味合いが出てくる。

 

「……………………」(イライラ)

 

思い返しても、腹が立つだけなので意味は無いのだけれど……それでも、色々やってくれたので腹が立って仕様がなかった。早々、キスとかもやってくれちゃったりしたのよね。女の唇を奪ったのだから、責任を取ってくれても良いと思う訳よ。裸だって見たんだから、アイツの方から責任を言い出さないとフェアじゃない。

 

「翼さん、お仕事は?」

 

「嘱託なんて、いつでもお休みみたいなモノよ。仕事は、したい時か生活が苦しくなったらすれば良いのよ!」

 

ユーリの質問に、サーチャーを操作しつつ答える。

 

「あー……えっと、ですね?翼さんの口座残金が、底を突きそうだという話なんですが……」

 

「……………………え?」

 

「寮長さんから、家賃を払って下さいって廊下で……」

 

ユーリの指摘を受けて、調べてみると本当に私の口座の残金が減っていて……そう言えば、局内でサーチャーを使って何度か見付かり注意と罰金を課せられていたのを思い出した。それで、残金が底を突いたのだとわかる。

誰かが、口座から自動に引き落とされる様に手配したのだとも理解した。誰かと考えるが、双夜か神崎か後見人であるリンディさんくらいしか思い当たらない。

 

「くっ……リンディさんね。面倒な事を……」

 

「私が、立て替え時ましょうか?」

 

「ううっ……魅力的な提案だけど止めて置くわ……」

 

下手をすると、ズルズルと何時までも脛をかじりたくなるから甘やかさないで欲しい。ユーリの甘く、魅力的な提案を跳ね退けて私は渋々仕事をする事にした。

リンディさんに連絡を入れて、仕事を回して貰えないか頼んでみる。その時のリンディさんは、とてもステキな笑顔で『あら?漸く、仕事をする気になったの?』とか言った。誰のせいで、仕事をするはめになっているのかわかっているのか!?と言いたかったが、言ったら正論で潰されるのは理解していたから黙ってる他ない。

 

『それじゃあ、直ぐに出来そうなのを見繕っておくわね?出来れば、私の執務室に来て欲しいのだけれど構わないかしら?』

 

「ええ。行かせていただきます……」

 

『リンディちゃーん!また、面白いモノ発掘したよー?』

 

『うぐっ……ま、またなの……双夜くん……』

 

最後は、嬉々としたチビッ子の嬉しそうな声とそれに比例して青く落ち込んで行くリンディさんの姿が見えた。

その姿を見て、思ったのは『ザマァ!』嘲りという感情。

直後、通信は切られてしまったけど……早く、行かないと面白いモノを見逃してしまうような気に急かされて私は本局に急いだ。結論だけを言うなら、チビッ子が乱入した分だけ仕事の斡旋が遅れる。けれど、着いてそうそう魂が抜け掛けているリンディさんを見れたので満足しておく。

それはもう、蒼白になったリンディさんの口からエクトプラズマよろしく白い靄の様なモノがふわふわと(笑)。

 

「って、機動六課に出向ですか?」

 

「ええ。新人達の模擬戦の相手をして上げて欲しいの。事件もなく、ここの所ずっと平和らしくって……」

 

「事件、起こそうか?」

 

「止めて!あなたが、何かするとみんなが泣くから!!」

 

チビッ子の発言に、リンディさんが本気の顔ですがり付くように制止している。その様子は、至ってシュールであった。まあ、双夜が犯人役をやると誰も勝てないからだと思われる。私がその一瞬で考えたのは、無双するチビッ子と、狂気で虐殺モードのチビッ子か、白い悪魔が二人になるかの選択肢。いずれも、周囲が泣くしか無くなるのでチラッと考えるだけに収めた。

 

「えー……無双とか、虐殺モードとか、管理局の白い悪魔量産計画とか考えてたのにぃ……」

 

「ちょ、貴方、私の考えを読まないでくれるかしら!?」

 

一瞬、心の中を覗かれた気がして恥ずかしさからか私はチビッ子を怒鳴っていた。

 

「翼さん?」

 

「あ、いえ……」

 

リンディさんが、ギロッと睨んで来るので慌てて視線をあらぬ方向に向けた。しかし、このままだとリンディさんからお説教を受けるコースになってしまうだろう。

リンディさんのお説教は、全て正論で構築されているから反論も何も出来ない。

しかも、長くてくどいから面倒なのだ。

 

「そっかー。僕が、ジェイルを捕まえたから……じゃあ、責任を取って六課の為にロストロギア探して来るね?」

 

私が、お説教コースの覚悟を決めようとした時……チビッ子が、とんでもない事を言い出した。それのおかげで、リンディさんの意識が私からチビッ子に移行する。

 

「待って、何もしなくて良いのよ!?」

 

「大丈夫、大丈夫!足は、付かないようにしておくよ!」

 

そう言って、チビッ子はリンディさんの執務室から飛び出して行く。半分閉まり掛けた扉の隙間から、チビッ子の『ヒャッホー祭りだぜ!』という声が聞こえるとリンディさんの顔色が蒼白になった。慌てて、リンディさんは椅子から立ち上がりチビッ子を追い掛け様と扉の前へ。

そこで、思い出したかの様に振り返り。

 

「それじゃあ、翼さん!模擬戦の事はよろしくね!!」

 

と、言ってチビッ子を追い掛けて行った。後を追う様に、執務室の外に出ると通路の先で『待ちなさい!双夜くん!!』とか『誰か、その子を捕まえて!!』等の声が響く。

だが、チビッ子を見て逃げる事はあれど捕まえようと思う局員はいるのだろうか?あれだけ、周囲に恐れられているチビッ子が正規の局員にどうにか出来るとは思わない。ってか、普通に戦っても返り討ちに遇うだけでは?という考えに至って、リンディさんに合掌しておいた。

 

「まあ、新人達との模擬戦くらいなら別に構わないけどね……確か、ティアナは知能系を高めてスバルは突出力を強化だったかしら?なら、手伝って貰える人を呼ばないと……」

 

という訳で、ミズキ・レンゴクに連絡を入れた。

だが、仕事中だからという理由で断られてしまう。

仕方ないので、秘密基地で暇そうにしていた鉄も引き摺って行くことにする。それでも、戦力的に不安だったので死に掛けていたユーノ・スクライアを摘まんで拉致って行く。リフレッシュも兼ねているので、問題はないだろう。

無限書庫だって、チビッ子がいれば問題ない訳だし。

 

「それじゃあ、行くわよ!」

 

「何で、僕まで……」

 

「なのはに、会えるわよ?」

 

「そうッスよ!目指せ、エースオブエースの旦那様!!」

 

「ええっ!?」

 

鉄の応援を驚いた様子で受け取るユーノ。

その様子を見る限り、そこそこ脈があるように見えた。

自分の事は棚に上げて、他人の……しかも、原作人物達の恋愛を応援する自分にちょっと自己嫌悪。でも、他人の恋話は聞いていても見ていても心踊るのだから仕方がない。

という訳で、リンディさんからの依頼だと言ってはやてを丸め込み、今は機動六課の模擬戦場で新人達と向き合っていた。

 

「じゃあ、鉄。私とアンタは、極力魔法を使わないのよ?」

 

「了解です!」

 

「とりあえず、『御守り』は機能している?」

 

「神崎さんが、チビッ子を師匠って呼ぶ気持ちがわかる気分ですね。問題なさそうです……」

 

簡易ではあるらしいが、鉄の裏特典【迷い子】の効果を遮断する【御守り】をチビッ子が開発した。その結果、鉄がそこそこ迷わなくなってきたのである。しかし、当人自信が方向音痴らしく、たまに迷子になる事がある程度で抑える事に成功したらしい。

 

「スフィア、槍形態」

 

《Yes sir.》

 

私は槍を、鉄は刀を手に構える。なのはの合図を待って、私達はそれぞれの行動を開始した。

まずはユーノが、チェーンバインドでスバルの動きを縛りに行って私はエリキャロを抑えに向かう。

鉄は、その補佐役を担当しての開戦だ。

まさか、自分を放置してくるとは思っていなかったらしいティアナが一瞬呆けていたけど、直ぐに気を取り直したのか悪足掻きを始めた。でも、予想通りスバルがユーノのチェーンバインドに絡め取られて封殺。

エリオを私が、抑えている間に鉄が支援の要であるキャロを撃破。そのまま、鉄は反転してティアナに向かって行く。私も支援を失ったエリオを討ち取って、急いでユーノの支援に戻れば鉄がティアナを撃破した所だった。

私達が行った戦法は、単純なモノで連携が必要なモノではない。まずは、まだ身体が出来上がっていないエリキャロを狙って、その後で年長組を潰すという作戦だ。

ユーノには、捕まえれるなら捕まえても良いとは言ってあったけれど……ユーノの目的は、足止め。

うっかり、スバルが馬鹿をやって捕まってくれたのでとてもやり易かった。この間、私や鉄が使ったのは瞬動術くらいなモノで魔力に物を言わせるような事はしていない。

すると、ティアナからクレームみたいなモノが来た。

私達が、自分達を舐めているとか何とか。どうやら、私が高ランク魔導師である事を知っているらしい。なのはが、私に向かって手を合わせていた事から、なのはがティアナに伝えていたのだろう。

しかし、私達は新人達を蹂躙しに来た訳ではない。

彼女達が、どれだけ自分達が成長したかを理解させる為に来たのだ。そこら辺を間違えて貰っては、ここに来た意味がない。

 

「あら、つまり貴女は蹂躙されたかったのかしら?」

 

「そうは、言っていません!ただ、手を抜かれるのが嫌だと言っているんです!!」

 

「別に、手を抜いている訳じゃないわ。私達は、依頼された通りの事をしているだけよ?」

 

「え?い、依頼ですか?」

 

「ええ。それを遵守しているだけなのに、文句を言われるのは心外ね。それとも、力の差を見せ付けられて自分はまだまだ未熟なのだと再認識したかったのかしら?別に、それでも構わないけど……過ぎた劣等感は、対等にあろうとする相手を不愉快にさせるだけよ?」

 

「そんなっ!私は、そんなつもりでは……」

 

「じゃあ、次の模擬戦は……念話を無しにしましょう。そっちの青い子は、ウィングロードを禁止ね?」

 

「え!?ウィングロードを!?」

 

「使ったら、その時点で負けよ?それじゃあ、もう一戦ヤりましょうか?」

 

という感じで、作戦時間を与えて策を練らせてから再戦となった。ちゃんと、こちらの意図が伝われば良いのだけど……ただ、あの良くわからない劣等感が邪魔をしているみたいだから、どれだけ言っても伝わらなそうだった。

ウィングロードが、使えないという事でスバルは地面を走って向かってくる。

周囲を見回し、声を張り上げて注意を促す。

サーチャーを飛ばして、ステージの仮想ビルからビルへと移動しつつ、索敵し続けるとエリオを発見した。

すぐ近くに、スバルの姿も確認。

その情報を、デバイス経由で相手に送る。念話はダメでも、こういう手段は可能なのだ。まあ、念話に慣れていると余り思い付かない事なんだけどね。

更に、索敵範囲を広げてキャロを発見。

ビルの屋上に出て、シューターを撃った。

そして、直ぐに移動開始。

シューターが、キャロの周辺に当たって爆発音を上げる。

それを待ってから、また大声で指示を飛ばした。

指示の内容は、キャロの位置を知らせるモノ。

慌てた様子のスバルが、キャロの元に駆け付けてエリオが孤立した。そこへ、隠れていた鉄が強襲。

それと同時に、ユーノがティアナと交戦に入る。

私は、スバルとキャロを避けてユーノの支援に。

そして、ティアナをバインドで拘束した。

その後、鉄からエリオを撃破したと連絡が来て……私の指示に炙り出されたスバルを撃破。

キャロをユーノが捕まえた。

 

「どうだった?」

 

「意味がわからないです……」

 

「念話してないのに、どんな方法を使ったんですか!?」

 

「指示は、声に出してましたよね?」

 

「貴女達、本当に素直なのね……答えは、通信機器を使ったのよ。魔法に慣れてるからって、技術を忘れちゃダメよ?メールとか、簡単で簡潔に指示を渡せるモノを使うの……簡単でしょう?」

 

「じゃあ、声での指示は……」

 

「相手を騙す為のモノよ?」

 

ティアナ達が、頭を抱えて項垂れる。

その後も、様々な条件を付けて模擬戦を繰り返した。

最終的には、私達が勝ち越したモノの最後の方はティアナ達が知能戦で物凄い追い上げを見せて終了となる。

 

「これで、ティアナの劣等感が無くなればいう事は無いんだけど……まだ、パワー戦に拘るのかしら?」

 

「パワー戦?」

 

「私は、ティアナには知能戦の方が合っているように思えるんだけど……どおかしらね?」

 

「あの、パワー戦って……」

 

「魔力に物を言わせるような戦い方よ?なのはみたいな……俗称、【管理局の白い悪魔】が良くやるアレね……」

 

「悪魔じゃないよ!?」

 

「あ、ごめんなさい。私、ちょっと間違えたわ……鬼か魔王かっていうくらいのパワー思考だったわ!」

 

「ちょ、翼ちゃん!?」

 

「あんな、魔力だけの魔導師には成らないでね?」

 

「ちょっと、翼ちゃん。こっちで、お話ししよう?ね?」

 

「ほら、お話しと言いながら肉体言語という暴力で解決しようとする……アレが、管理局の魔王よ?」

 

「翼ちゃん!本当に、もう、怒るよ!?」

 

スバル達が苦笑いする中、私はなのはに連れられて部隊長室へと招かれた。そこで、なのはは話をしようとした訳だが唐突に警報が六課全体に鳴り響く。

 

「あら?ファースト・アラート?」

 

本来のファースト・アラートとは違い、数週間遅れのファースト・アラートである。これも全て、あのチビッ子が引き起こしたズレだと神崎が言っていたのを思い出す。

 

「はやてちゃん!?」

 

「うん!なのはちゃん、フェイトちゃん、出動や!!」

 

「敵は、きっとチビッ子よ?」

 

『……え゛!?』

 

私の一言に、出動しようとしていた二人の足が止まる。

そして、信じられないモノを見るような目で私を見詰めて固まった。色々、聞きたい事はあっただろうけど……嫌がる二人を無理矢理に送り出して、私ははやてとそれに至った経緯を話す。

 

「つまり、暇を持て余す部隊の新人に実戦を体験させる目的で双夜くんが手を回して来たって事やな?……なら、手加減とかは期待でけへんなぁ……」

 

「全滅させる気で来るでしょうね……」

 

あのチビッ子の事だ、味方にも容赦も手加減もなく襲って来ると思われる。だから、隊長の二人には新人達に余り情報は渡さずに事に当たるよう念話で告げた。

 

「ええか?二人共、相手はあの悪餓鬼や!下手したら、撃沈される可能性もあるから気を付けてな!?」

 

『うん、わかってるよ!』

 

『大丈夫!前みたいな事には、ならないから!!』

 

目標は、リニアレール。

制御室に、ガジェットとおぼしきカプセル型の兵器が群がっていた。そこまでは、原作と変わらない状況だったのだけど……色合いが、とてもカラフルで赤とか黄色とか青とか様々な色のガジェットがいる。

 

「…………舐められてるわね……」

 

「くっ……新設部隊で、私が部隊長やからやろか……」

 

「何となくだけど……あの色分け、別の意味があるかもしれないわ……例えば、属性が附与されてるとか……」

 

あのチビッ子の事だ……ジェイル・スカリエッティが作ったまま流用するとは考えにくかった。当然、手を加えて何かしらの強化をしていると考えられる。その主たる事として、思い当たるのが属性の附与だった。

スバル達が、リニアレールに降下して接敵する。

接敵した、赤いガジェットから火炎が噴き出す。少しだけ、スバルが慌てていたけどティアナの活で冷静を取り戻しそのガジェットを撃破した。その後、新人達は何故か二手に別れて行ってしまう。

スバル達年長組は、リニア前方の制御室に向かい……エリキャロは、ロストロギアの回収に向かう様だ。

 

 

 

「あ、やっぱり……」

 

「あの色合い、属性を意味しとったんやね……っていうか、みんな大丈夫やろか!?」

 

ちょっと、手こずっているようだけどそこそこ順調に進んで行く。すると、丸いガジェットがエリオ達の前に現れた。しかし、そのガジェットの色は黒で原作とは大きく変化している。だが、エリオが崖下に放り投げられるのは原作通りなので、ガジェットの属性附与と色合いだけが違っているだけのように思えた。その後、キャロも崖下に自ら飛び降りて行く。AMF影響下から離脱したキャロが、竜魂召喚でフリードを巨大化させてリニアから離れた場所から攻撃を再開した。

エリオは、キャロの援護を受けて黒いガジェットの前へ。

原作では、何とか勝っていたらしいけど……黒いガジェット三型に悪戦苦闘だった。決め技も、黒いガジェットには通らなくてエリオが追い詰められて行く。

 

「なんやアレ……ムッチャ硬いやん!?」

 

「何の属性かはわからないけど……それが、邪魔をしているんでしょうね……」

 

またも、エリオが崖下に放り投げられてしまう。それをキャロが、空中でキャッチして一旦リニアから離れて行く。

 

「なのはちゃん達は、何しとんや!?」

 

「依然、ガジェット二型と交戦中!!」

 

「あら……空のガジェットは、黒ばっかりね……」

 

どう見ても、時間稼ぎされているように見えた。

それでも、何とか一機一機落としていくなのは達。

なのは達でも、あんなに苦戦を強いられているのだからまだ未熟なエリオでは厳しいと思われた。

そこへ、制御室を奪還したスバルも参戦。エリオと協力して、何とかその黒いガジェットを撃破する。

それでも、無傷とは行かずエリオが負傷した。

 

「ガチで来たわね……」

 

「あんの悪餓鬼はぁ~~!」

 

何とか、勝利を納めた新人達だったけど自分達の未熟さを痛感する結果となっただろう。

しかし、戻って来たフェイトがエリオの負傷を知って少し恐い。さっきから、ずっと私を睨んでくるのである。

 

「だから、本当に知らなかったんだってば!」

 

「でも、双夜が何かをしようとしてる事、知ってたじゃない……本当に、翼は何も聞いていなかったの!?」

 

「私は、今日初めてリンディさんの所で会ったチビッ子からチョロッと聞いただけよ。あんな事してたら、止めてるわ!!」

 

ここ最近、秘密基地にあるあの施錠された扉の向こう側に頻繁に出入りしていたのは、この為だったのか……と私は理解する。それは、私達に秘密にするはずだった。

まさか、自分達の仕出かした事を修正する為に犯罪に加担……いや、主導するなんてチビッ子らしいけどダメダメだ。

 

「兎に角、本局に戻ったらちゃんと叱っておくから……」

 

「叱っておくだけじゃダメだよ。はやて……」

 

「うん。フェイトちゃんに任せるわ……」

 

「捕まえて、ちゃんと悪い事は悪い事なんだって教えないと……」

 

「知ってると思うわよ?」

 

「知らないから、あんな事したんだよ!!」

 

「……………………はぁ……」

 

プチキレフェイトは、私の話を聞いてくれそうにないので諦めてチビッ子に任せる事にした。視線を、はやて=正義馬鹿、なのは=魔王へ向けて再度フェイトに向ける。

いずれも、人の話を聞かないタイプだし……唯一の理性が、怒っているのだから私では何も出来ないだろう。

 

「まあ、頑張んなさい。骨は、拾って上げるわ……」

 

「え?」

 

「あー……」

 

「……………………」(ガタブル)

 

私の言葉にフェイトが、手伝ってくれないの?とこちらを子犬の様な瞳で見て来るけど無視。はやては、何かに気が付いたみたいに声を上げて、視線が合うとスィッと外してしまう。なのはに至っては、撃沈時の恐怖を思い出したのか震えているし……チビッ子は、何処まで行ってもみんなの恐怖の対称だった。

 

「そう言えば、チビッ子が幼児後退化した時……貴女達、何処にいたのかしら?本局……な訳ないわよね?」

 

「地上にいて、難を逃れたの……」

 

「私も地上におって、何とかなったわ……」

 

「本局で、犬になってた……」

 

はやてとなのはは、地上で難を逃れた様で被害者はフェイトだけだったもよう。それでも、立ち向かうというのだからフェイトには頭が下がる思いである。

 

「どうしよう……また、犬にされちゃうよぉ……」

 

「頑張ってな?フェイトちゃん。私は、応援しとるから!」

 

はやては、先に手を打って我関せずを貫く構えだ。

 

「なのはぁ~~!」

 

「あ、私……フォワードのみんなの所に行ってくるね!?」

 

そそくさと、理由を付けてなのはは部隊長室から出て行った。それを、フェイトが物言いたげに見送る。

 

「…………翼ぁ~~!」

 

「仕様がないわね。付いて行ってあげるから泣かないの!」

 

涙目で、訴えてくるフェイトを慰めながら私は了承の意を伝える。とは言え、私は部外者なので本当に付いて行くだけに留める予定。戦闘になったら、即逃げようと心に誓ってフェイトと共に本局へ行く事になった。

 

 

……………………。

 

 

という訳で、フェイトと一緒に本局のリンディさんの執務室へとやって来た。呼び鈴を鳴らして、返事があるまで少し外で待つ。リンディさんの許可を貰って中に入ると、何故か鉄が緑茶を二つ分の湯飲みに注いでいる所だった。

その内の一つを、砂糖とミルクの入ったモノと一緒にリンディさんの元に運び、もう一つを自分で持って啜っている。一瞬、まさか!?リンディ茶をとか思ったけれど、鉄は普通のお茶を飲んでいるようだ。

 

「…………甘っ!」

 

「ええっ!?」

 

鉄の冗談に、フェイトが素直な反応を見せる。

 

「何、嘘言ってるのよ?」

 

「いやー……つい、言ってみたくなっちゃって(笑)」

 

フェイトが、変な顔で鉄に注目していた為にちょっとした悪戯をしてみたくなったんだとか言っていた。

 

「それくらいの悪戯なら、可愛いモノなんだけどね……」

 

リンディさんが、大きな溜め息と共にそんな事を呟く。

 

「まあ、良いわ。それで、私に何か用かしら?」

 

「あ、母さんに用があるんじゃなくて……双夜に用があるんだけど……ハラオウンの自宅に戻っても居なくて……」

 

「それで、きっとこっちにいるだろうと案内してきた訳ね……それで、居るんでしょう?」

 

「あー……そうね。まだ、出て来てはいないわね……」

 

微妙に、言いにくそうなリンディさん。

きっと、フェイトがいるから【秘密基地】の事を大きな声で公開出来ないのだろうと推測。そこで、何かが引っ掛かったけれど……それが、何なのかわかる前に鉄が質問を返してくる。

 

「双夜さんに、何か用事ですか?」

 

「ええ。今日、ジェイル・スカリエッティが造ったガジェットが現れたんだけど……それに双夜が、関わっているんじゃないかって思って……」

 

「はぁ!?え、でも……双夜さん、ずっとこっちにいましたよ?こっちで、仕事してましたけど……」

 

何故か、困惑する鉄。

だが、あのチビッ子の事だから使い魔を使役して別の事をしていても裏で何をしているかわかったモノではない。

それは、フェイトも知っている事だから今ここにいるのだ。私は、問答無用で鉄を捕まえる。こいつなら、あの電子錠の暗証番号を知っていてもおかしくない。

 

「さあ、あの扉の向こう側に連れて行きなさい!」

 

「え……や……あの、でも……」

 

私はニッコリ笑って、ハッキリと死刑宣告を告げる。

 

「連れて行ってくれないなら、握り潰すわよ?」

 

ガッと、鉄の股間をズボンの上から掴んで手に力を入れる。一気に、潰れないギリギリの所で止めて耳元で囁くと鉄は青い顔をしてコクコク頷いた。

 

「全く、最初から素直に頷いていれば痛い思いをしなくて済んだモノを……おかげで、変なモノ握っちゃったじゃない……!」

 

「理不尽だ……」

 

「世の中って、だいたい理不尽で埋め尽くされているわよ。ほら、さっさと案内しなさい!」

 

という訳で、リンディさんの執務室の奥に進み例の階段を降りて行く。フェイトが、すごく不思議がっていたけど今は関係ないので無視した。

広間へ入って、電子錠の付いた扉の前に来ると鉄がカードをスライドさせて暗証番号を入力する。そして、私達は更に地下へと進んで行った。途中から、おかしいと感じていたのかフェイトがこの場所をロストロギアではないかと言い出していたけど、そこら辺はチビッ子に説明させる予定なのでスルーする。

そして、私達は広く大きな場所へと出た。

 

「ここは?」

 

「格納庫ですよ。双夜さんが、保有しているオーバーテクノロジーの保管庫です。表には、出せないものが多くてここに放置しているそうです……」

 

「やっぱり、ロストロギアなんだ……」

 

「あ、いえ……オーバーテクノロジーです。もし、封印とか考えられているなら止めといた方が良いですよ?管理局とこれを造った方々との戦争になりますから……」

 

「そうね。そうなれば、管理局なんて一瞬で蒸発するでしょうね……確か、チビッ子が言ってたもの。この施設は、初期の量産型モデルだって……」

 

「……………………」

 

フェイトが、黙り込んで難しい顔をしているけど……まさか、この施設を取り上げようと思ってはいないわよね?

ハッキリ言って、この施設の事が表に出回ったら封印とかよりも流用しようとする者が後を断たないわよ?

ジェイル・スカリエッティの釈放や、秘密の研究施設の乱立とか……喉から手を出してでも、ここの技術を欲しがる権力者や金持ち達が群がって来ることは間違いない。

そんな、軽率な事をする事は無いだろうけど……今、一番の心配はフェイトだった。

 

 

 

 




う~ん……ガイムネタだが、デバイス設定で懲り始めたら止まらなくなって内容そっちのけで、設定盛りをやってる始末。
これは、アカン方向性だったので破棄しちゃいましたw
だって、高魔力=変身時間無限大とか……どんな無敵存在ですか!?仮面ライダーに変身したら、防御シールド(無敵のバリアジャケット)が出来上がってしまう始末。だから、【シード】自体にエネルギー値を決めて、【魔法戦記リリカルなのはForce】のアイシスが持つデバイスの様に電池タイプにしようかと考えてしまうレベル。それなら、魔力ランクが低くても変身が可能だし……必殺技を使っても、エネルギー切れなどで変身が解ける仕様であるならばバランスは取れるはず!
それに、変身を決められたエネルギー値でやるなら様々な組み合わせの変身が可能だ!!でも、一度エネルギー切れになったシードはエネルギーが回復するまで使用出来ない!?みたいな仕様に……とかとか、色んな設定を考えて盛り込んで行く作者だったw
でも、そうすると……一通りのシード(一個)変身と、シード(二個)変身の場合を考えないとイケなくなって……もう変身エネルギー&必殺技エネルギー問題で、取っ替え引っ替えにするか……諦めて、無敵ライダーを創るかで悩み中。頭が、かえって混乱してしまう始末だが。何か助言があれば、お願いしたいです……!
段々、考えるのがシンドくなってきたよ……フフフ(壊)。

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m(_ _)m

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