絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一四一話

幸政

 

 

まずは……良い方からの結果から言おう。

情報通のクラスメイト経由で、浅上美愛と面識を持つ事に成功した。浅上美愛という少女は、幼い頃から『お笑い』というジャンルの事柄に対して色々な友好関係があり、ウチのクラスにもそれに詳しい生徒がいたらしい。

それ経由で、顔が広かったその生徒のおかげで俺は浅上と接触出来た。

とまあ、ここまでが良い方の結果である。

 

悪い方の結果は、俺が【転生者】である事がバレたという事だ。まさか、浅上美愛とその兄が俺と同じ【転生者】だとは思わなかった。

それに気が付いたのは、浅上美愛の兄である浅上亮。

俺の披露したお笑いネタの一つが、この世界にはないモノだったのが原因だ。ネタが思い付かなくて、生前に流行っていた芸人のマネをした訳なのだが……それが、決め手になるなんて思いもしなかった。二人に、カラオケBOXに呼び出されて警察さながらの尋問を受けている。ってかあの芸人、まだデビューしてなかったのか!?

とか、思っていたのだけど……浅上兄の話では、漫画やアニメと同じで無い物やいない者も多いらしい。

それを聞いた時、自分でも有る無いを確認した事だったにも関わらず指摘されるまで気が付かないとか……恥ずかしさのあまり頭を抱えて悶えてしまった。

もっと、ちゃんと調べていればこんな痛恨のミスをする事はなかっただろうに……マジで、死にたい。

 

「もう、勘弁してください……」

 

「まあ、生前流行っていた芸人さんの真似をするのは悪い事だとは思わないよ?でも、原作に近付きたいからって他人を踏み台にするのは良くないよ?」

 

「将来に向かって頑張ってる中学生を見て、冷静になったって話だったけど……自己中である事に代わりはない訳だからなぁ……まあ、原作人物が可愛いのは否定しないが……」

 

アリシアGET作戦を、誘導尋問と脅しで答えさせられた俺は顔を覆って悶えるだけの物体と成り下がる。

 

「それにしても、この世界が何かも知らないで原作人物に近付こうとか良く思ったね?それだけでも、君に【勘違い踏み台】の称号を贈りたいよ……」

 

「ぐはっ!」

 

「しかも、高校生になる前に別世界へ行く事が決まっている女の子をGETとか……無理だから……」

 

「グフッ!!」

 

原作を知るこの二人に、この世界の事を教えて貰い……更には、アリシアが原作人物で中学卒業直後この世界とは別次元に存在する世界へ行く事が決まっていると教えられた。

所謂、魔法の世界の住人らしい。

二人が言うには、並列に並ぶ次元と世界をイメージすると良いと言われた。彼等には、その並列に並ぶ次元を行き来する手段があって、中学卒業直後その別次元へ移住する予定だという。

 

「そんな……」

 

「まあ、原作に関われて無いから仕方がない事なんだろうけど……ってか、神様に聞かなかった?ここが、【魔法少女リリカルなのは】の世界だって……」

 

「……転生出来ると聞いて、浮かれて聞き逃しました……」

 

「ブハッ!クックックッ……ああ、悪い。そうか、聞き逃したか。じゃあ、【リリなの】って物語知ってるか?」

 

「プリキュアとかなら、知ってますが……」

 

「原作知識無しか……」

 

「じゃあ、【魔法少女】の世界で男が主人公になれないっていう現実がある事は知ってる?」

 

「はあ……まあ…………え?」

 

この世界では、【男】が主人公になれない!

一瞬、詐欺だ!と激昂しそうになったが冷静になると『あー……そりゃそうか』と納得した俺がいた。

なんたって、魔法【少女】の世界だもんなぁ……【少女】がメインの世界で、男が主人公に成れる訳がない。

そんな、当たり前の話に思い至った時点で自分の神様特典アイテムを手にし、この特典では意味が無かったなぁ……と考える。浮かれて、趣味に走った結果がこれだとは。

なんたって、【魔法少女】の世界だ。

魔法が使えなきゃ、原作に関わる事も出来ないだろう。

 

「それで、君のメイン神様特典は何?」

 

「メイン?」

 

ああ、詳しく言わなくて良いのか。

 

「仮面ライダーだ」

 

「「仮面ライダー!?」」

 

「って事は、ロストロギアか……」

 

「これなら、こっちに関われるんじゃないかな?」

 

「?……あー、質問。ロストロギアって?」

 

「あー……遺失物ってわかる?」

 

要は、行き過ぎた科学技術等で生まれたオーパーツの総称で、原作ではそれらを管理している組織が中心となって次元世界の平和を維持しているらしい。それは、警察・裁判所・軍を一つに纏めたような組織だという。

 

「それ、大丈夫なのか?」

 

「「うーん……」」

 

問題ないのか聞いたら、二人共腕を組んで首を捻り悩み顔で長考に入ってしまった。それだけで、その組織が問題のある組織である事がわかってしまう。

 

「まあ、黒い所もあるけど概ね大丈夫だと思うよ?」

 

「……ダメダメじゃん……」ヤダー…。

 

「まあ、俺達は嘱託魔導師と呼ばれる免許制のアルバイトみたいなのをやっているよ?主に、正規局員の補佐みたいな扱いかな?優秀だと、前線に送り出されるけど……」

 

……ダメじゃん。

主人公達は、問答無用で前線組らしい。

浅上美愛……浅上妹も、主人公組に組み込まれていて前線での戦いを余儀なくされていると苦笑いしていた。

そして、模擬戦等の戦いの記録を見せて貰ったけれど……主人公の移動砲台っプリにドン引きする事になる。

何だ、あの極大ピンクビームは!?

主人公と仲良くなる為には、あの極大ビームを受け止めなければならないらしい。

 

「仲良くは、なりたくないなぁ……」

 

「まあ、魔法少女ならぬ魔砲少女だからね。しかも、魔王とか呼ばれる鬼教官だし……」

 

「…………ってか、アレを恋人にしようと頑張ってる転生者もいるんだろう?」

 

フと思い出すのは、彼女達を『嫁』と呼んでいた踏み台達の記憶。あんな極太のビームを放つ主人公を『嫁』にしたいとは正気を疑ってしまう。

 

「あ、アレ呼ばわりっ……なのはが、あ、アレ~~っ!!」

 

浅上妹が撃沈して、亮が笑いを堪えながら頷いてくれた。

 

「亮も、アレを?」

 

「いや、アレ以外で……」

 

「あははは。流石に、お兄が【アレ】を恋人にしたら家族の縁を切るわ。それに、アレにはちゃんと嫁がいるから気にしなくて良いよ。毎日、百合の花を咲かせているから……甘過ぎるくらいにね」

 

百合の花って……え?主人公って、百合系なんだ。

あんなに可愛いのに、まさかの百合とはお見それしました。というか、そこら辺は原作作者達の大人の事情だと思われる。即ち、全力で百合フラグを外さない限り【恋人フラグ】は得られないって事を意味していた。

おい、踏み台!拉致監禁暴行罪で、嫌われている暇なんて無いぞ!?全力で、恋人フラグを立てていないと百合フラグが建設完了だ。もっと必死こいて、頑張らないと仲良くなる事すら難しい話っポイ。

 

「成る程な。あのクズ共は、排除して問題無かった訳か……」

 

「「え?」」

 

「もしかして、アイツ等を通報したのはお前か!?」

 

「良くやった!誉めてあげるわ……と言いたいけど、アイツ等の帰る場所が地球からミッドチルダに変わっただけで、あんまり意味は無かったわね……」

 

「だな。後、コソコソするのは止めた方が良い。真っ正面からぶつからない限り、求めている人は得られないと思うぞ?誰を狙っているかは知らないが、知り合いになるにしても俺達から紹介するにしても裏からコソコソ近付くのはいただけない。後ろ暗い事がないのなら、ちゃんと正面から向き合え!」

 

「あー……現状を考えると、知らない人物から声を掛けられたら警戒しかして貰えそうにないので紹介してください」

 

「「あー……」」

 

「だな。あのボケ共が、撒き散らした弊害は見過ごせないか……」

 

「うん。今、告白されても警戒心を煽るだけだね……わかったよ。じゃあ、お兄の方から紹介してあげたら?」

 

「俺かぁ……信用云々で言えば、美愛の方が良いんだが……この際は、仕方がないか……で?誰を狙っているんだ?」

 

「アリ……誘導尋問は、止めてください!」

 

「「チッ」」

 

「でも……今、何か言いかけたよね?『アリ』って……アリサか、アリシアかぁ……」

 

「フムフム、二人に絞られたか……因みに、アリシアだった場合……美愛がいなかったら、出会えなかったんだぞ?」

 

「あ?何で……?」

 

「ふふん。私が、神様特典で死者蘇生の特典を得たからアリシアは今を生きていられるのだぁ!!」

 

「な、何だってぇ!?」

 

「ムッフッフッフッ……崇めるが良い!」

 

浅上妹は、おもむろに立ち上がるとバッと両手を広げて告げた。俺はササッとその場に正座をして、土下座ッポク感謝の意を示して見せる。

 

「ははぁ……ありがとうございましたあぁ……」

 

「「狙いは、アリシアか!!」」

 

「はっ!くっ……殺せっ!!」

 

余りの衝撃の事実に、俺は想い人の名を喋らせられてしまった。勝ち誇る二人を見上げて、俺は忌々しい思いでいっぱいだ。

 

「そっかぁ……アリシアが、狙いなのかぁ……」

 

「って事は、プレシアさんに面通しをしないといけないなぁ……いずれは、あのチビッ子も来るだろうし……」

 

「だね。世界の調整もして貰わなきゃだし……」

 

二人は、良くわからない事をブツブツと呟いて大きく頷いた。髪型さえ同じなら、全く違わない同じ顔でこの兄妹は俺をアリシアに紹介する事を引き受けてくれる。

 

「OK。その内、私がアリシアにあんたを紹介するから……それまでは、今まで通りの生活をしていなよ……」

 

「なら、俺はあっちの手はずを整えるべきだよな?」

 

良くわからないが、紹介してくれるというのならお願いするしかない。

俺はもう一度、感謝の意を込めて頭を下げた。

 

「ああ。もう、ギャグパートは終わってるから土下座とかいいよ?ドロ舟に乗った気で、任せてくれると良い」

 

「ドロ舟かよ!?」

 

「うんうん。君は、ボケよりツッコミの方が良いみたいだね。これからも、精進するように……」

 

「お笑いなんてするかよ!?」

 

「あー……原作人物達は、基本ボケ担当だからツッコミ手が少なくてなぁ……ツッコミ要員は、いるっちゃあいるけど……貴重である事に変わりはないんだ……」

 

「期待しているよ?」

 

「何の期待だ!?」

 

その日は、それで解散という事になった。

想い描いていた予定とは、大きく狂ってしまったけれど……何とかアリシアに紹介して貰える事になった俺。

しかし、踏み台以外に転生者がいるなんて思いもしなかった。その結果が、転生者バレの上に目的バレとか最悪の状況だ。計画を、大きく修正しなければならないだろう。

ただ、朗報があるとすれば亮が原作人物に興味がないという事か。まあ、本当に興味がないのか本音まではわからないけど、本人が断言しているのだから一先ず信じる事にする。それと、亮の助言……『真っ正面から、アリシアに告白する』を受け入れるとして、踏み台共の愚行によって警戒しているであろう彼女の親と顔見知りか知人にはなっておきたい。先に、アリシアと顔合わせする事になってしまいそうだけど『翠屋』通いは続ける方針だ。

 

「あ…………」

 

当然、翠屋通いを続けるなら浅上兄妹と会う確率は高い。

その場合は、いつも通りという訳には行かないだろう。

適当に挨拶でもして、帰るのが得策か?それとも、無視した方が良いのか……しかし、既に知り合いになってしまっているのだから挨拶くらいはした方が良いだろう。

下手をすると、その場で紹介される可能性があるけど……流石にその場で、告白する勇気は俺にはない。

場を濁す程度にして、すぐに帰るのが得策だと考える。

それにしても、場を濁すって何をすれば良いのやら……手品でもして見せれば良いのだろうか?

 

「……………………」

 

いや……今回みたいな事もあるから、その時にならないとどんなに対策を練っていても意味はない。

とりあえず、簡単な手品が出来るくらいにはなっておくべきだろうと俺は本屋へと出掛けて行くのだった。

 

 

……………………。

 

 

翌日、翠屋にて。

 

「ーーという訳で、ツッコミ要員期待の新人だよ☆!」

 

「ちょっと待て!何が、『という訳』なんだ!?」

 

全く打ち合わせもなく、俺は聖祥メンバーに紹介されてしまった。何故、こうなってしまったのかを回想する。

今日も今日とて、翠屋の看板パティシェ桃子さんと交遊を深めていると、いつの間にか帰宅してきた浅上妹に捕まって紹介されたという訳だ。←今ここ。

何を言っているのかわからないと思うが、俺自身何を言っているのかわかっていないから問題ナッシング!

いつも通り、聖祥の七大美少女達が帰宅した所で帰ろうとしたら、浅上妹に突然腕を絡め取られて紹介されてしまった。すれ違う際に、一応知り合いだからと頭を下げたのがイケなかったのかと思い悩む。いや、もう……紹介するなら、事前に言って欲しいモノだ。

 

「なんで、こうなった!?」

 

「私と知り合いになった事を後悔するが良い!!」

 

「成る程……」

 

つまるところ、俺は人選を間違ったらしい。

浅上妹ではなく、亮にお願いするんだった!

 

「…………まあ、良いわ。色々、言いたい事はあるけど……私は、アリサ・バニングスよ。よろしく!」

 

ツッコミ要員云々って所だな。わかります。

 

「もう、美愛ちゃんは……私は、月村すずかだよ」

 

苦笑いしつつ、常識人ッポイ彼女は浅上妹に困っていると言わんばかりのニュアンスで自己紹介をした。

 

「常連さんだよね?いつも、ご利用ありがとうございます!私は、高町なのはだよ」

 

背後から、殺気に似た気配が漂ってきて次の瞬間には遠ざかって行った。振り返ったけど、誰もいなかったので気にしない事にする。

 

「わ、私は…………フェイト。フェイト・テスタロッサ……」

 

何!?この可愛い生物は……とても緊張した様子で、フェイトは自己紹介を開始。でも、最終的に緊張が最高潮になったらしく声が萎んで行った。少し、オドオドした感じで顔を真っ赤にしている。何故?

 

「大丈夫?フェイトちゃん……」

 

「う、うん。大丈夫だよ、なのは……」

 

そして、高町と手を取り合い二人だけの世界に突入。

 

「大丈夫なのか?この二人は……」

 

「一応、大丈夫だと思うよ?……多分」

 

微妙な気分で、浅上妹に確認すると不安を煽る返答が返ってきた。どうやら、何時もこんな感じらしい。

 

「私は、八神はやてです。よろしゅうな」

 

関西方面のイントネーションで、話し掛けて来たのはショートボブカットの少女。

どうやら、俺と同じツッコミ要員らしい。

隣で、『熟練のツッコミ要員だ』と言う浅上妹がいる。

 

「熟練なのか?」

 

「せやね……そんな感じや」

 

「そこのアリサってのもツッコミ要員だろ?これだけいて、ツッコミが間に合わないのか?」

 

「間に合わないんだよ……」

 

「マジか……!?」

 

「マジだ!」

 

「えっと……私は、アリシア・テスタロッサだよ。フェイトとは姉妹で……私が、姉だ!!」

 

『え?そうなの……?』

 

何故か、浅上妹まで便乗。

 

「うわーん!まただよぉ、フェイトぉ!!」

 

その結果、アリシアがフェイトに向かって抱き付いて行く。しかし、フェイトは未だに高町と見詰め合っていた。

 

「え!?あ、大丈夫?アリシア……」

 

抱き付かれて、漸くフェイトは驚いた様子でアリシアの相手を始めるが、アリシアは別の意味でショックを受けた様子でいじけてしまった。

 

「何時も、こんな感じなのか?」

 

「まあ、だいたいわね……」

 

「そうか……年上だったか……じゃあ、アリシア先輩だな」

 

「せ、先輩!?クハッ……も、も、もっと言ってっ!!」

 

「何ですか?アリシア先輩……」

 

「も、もう一回……」

 

「アリシア先輩?」

 

「…………君は、とっても良い子なんだね……」

 

何故か、アリシアはホロリと一滴の涙を流し物凄く嬉しそうな笑顔になった。その後は、そこそこ良い感じの会話を出来たと思われる。一応、他のツッコミ要員の間に合っていないツッコミの取り零しを拾いつつ解散となった。

その解散後、俺は浅上妹と共に店を出る。

 

「私と帰って良いのかい?」

 

「あんま、明け透けだと嫌われるかもしれないだろう?」

 

「そう?結構、ガッシリ心を掴んでいたようにも思えるけど……このまま、強気で告白すれば良かったんじゃない?」

 

「だからと言って、馴れ馴れし過ぎるのはNGなんだよ」

 

「へぇ……色々、考えているんだねぇ……そっか、大道寺や金剛、炬の様に踏み台的な行為はしない訳か……」

 

「誰……って、考えるまでもなく踏み台か……」

 

「うん。自称主人公で、ハーレムを目指す変態達だよ……」

 

浅上妹からもたらされた情報は、現踏み台達の情報だった。一人目は、大道寺砕牙。初めて、翠屋に来た時に声を掛けて来たのが大道寺だ。二人目は、金剛大地。初めて、翠屋に来た時に声を掛けてきた大道寺と睨み合いをしていたのが金剛だ。最後の一人は、炬楼羽。こいつとはエンカウントはしていないが、聖祥校内で災害レベルで猛威を振るっているとのこと。翠屋とは、家が反対方向なのでこちらには来ていないらしい。

 

「彼には、親がいるからねぇ……寄り道は、禁止されているんだよ。まあ、原作に関わった結果のなれの果てだね」

 

「無断外泊でもしたのか?」

 

「あー……まあ、似た様なモノかな?」

 

今一わからないが、原作時に下手を打って寄り道を親に禁止されてしまったらしい。しかし、自己中な奴であるならそんな枷程度振り切りそうなモノだが?

その辺りも、浅上妹に聞いてみたが苦笑いされるだけで詳しい話を聞く事は出来なかった。それを教えて貰えなかった事で、俺は並々ならぬ理由があるんだろうな……と予測する事訳だが、実際はもっとくだらない事だったらしい。

後日、この炬に関しては亮から詳しい話を聞く事が出来た。本当にしょうもない話だったと追記しておく。

 

「まさか、原作に関わりたいが為に10日間も行方不明になっていたとは……バカだ……」

 

「タイミング的には、第一期で主人公が巨大組織と協力体勢を構築して集中的に目的のモノを回収するってヤツだね」

 

「時空管理局とかいう組織か……未来SF的な魔法世界なんだっけ?イメージ出来ないけど……」

 

「次元艦……まあ、ガン○ムを収容する戦艦みたいな船って言えばわかる?ラーカイラムやリーンホースJrとか……」

 

「あー……まあ、わかるが……」

 

「あんな感じで、空中・宇宙・次元が航行可能なんだよ」

 

「はあ……」

 

浅上妹は、詳しく説明してくれているのだろうけど今一理解が追い付かない。【魔法少女】と言えば、魔法世界(中世系魔法発展)から悪しき魔女や妖魔との戦闘というイメージが強い。にも関わらず、この世界の魔法世界は超科学と魔法を組み合わせたモノだと言うのだから驚きである。

 

「それで、俺の変身ベルトはオーパーツ扱いになるのか?」

 

「多分、ギリギリ引っ掛からないとは思うけど……ロストロギアに該当するとは思うよ?」

 

「ロストロギアに認定されたらどうなるんだ?」

 

「取り上げられて封印か……監視付きの日々、もしくはミッドチルダに連れて行かれて時空管理局に強制就職かな?」

 

「マジか……」

 

「でもそれは、君の持っているデバイスがロストロギアだった場合の処置だから、違うのであればちゃんと選択肢を貰えると思うよ?」

 

「じゃあ、近い内にその管理局ってのに紹介して貰えるか?面倒な事は、サッサと終わらせておきたい」

 

「ん、わかったよ。でも、ロストロギア認定されたらどうするの?」

 

「…………その時は、(不思議事件を)スッパリ諦めて一般人に戻るさ……っても、今までと変わりない生活だな……」

 

「そ。じゃあ、近い内に迎えに行くから準備しておいてね」

 

「ああ」

 

そう、約束を取り付けると浅上妹は次の十字路で自分の家へと帰って行った。その後ろ姿を見送って、俺も寄り道せずに真っ直ぐ帰宅する。

それから数日は、浅上妹からの連絡もなく平和な日々が過ぎていく。その間も、俺は足しげく翠屋に通いコーヒーを飲む。その際に、マスターに散々絡まれたりしたけれど俺が看板娘が帰って来る前に帰るようにし続けると何も言わなくなった。まあ、たまに早目に帰ってきた看板娘さん達に捕まったりするけれど、そこそこ平和な日々を過ごしていると言える。

 

 

 

 

モフモフ……。

 

「ねぇ、何やってるの?」

 

モフモフ……。

 

「モフモフ?」

 

「モフモフ?」

 

モフモフ……。

 

たまたま、翠屋のテラスに寝そべっていたヌコとモフモフしていたらいつの間にか帰って来ていた看板娘に不信気な視線を向けられる。だが、モフモフは止めない!!

飼い猫なのかはわからないが、人懐っこくモフモフしても逃げ出さないそのヌコと、俺は心行くまでモフモフしていた。モフモフ……モフモフ……モフモフ……。

 

「えっと……飲食店に、動物はちょっと困るんだけど……」

 

「正論だな……モフモフ……」

 

「いや、モフモフじゃなくて……」

 

「で、正直な所は?」

 

「私にも、抱かせて欲しいの!」

 

「だが、断る!!」

 

「え!?ちょ……」

 

「モフモフ……」

 

俺の癒しを奪おうとは……コヤツが、可愛いのは認めるが許さない!!このモフモフは、俺だけのモフモフだ。

 

モフモフ……。

 

「……………………」

 

モフモフ……。

 

「……………………」

 

モフモフ……。

 

「…………そろそろ、代わってくれないかな?」

 

「嫌だ!」

 

「もう!怒るよ!?」

 

「例え、ピンクの極大ビームを放たれても拒否するっ!」

 

「えっ!?」

 

モフモフ……。

 

看板娘が、驚愕の表情のまま固まってしまったが俺は気にせずモフモフを続ける。ああ……蕩けるくらい、癒される。

 

「ん?そういやぁ……今日は非番なのか?」

 

「え?……え?」

 

「魔法少女(笑)」

 

「え?……ええっ!?な、なんでーーー」

 

「浅上妹に聞いた……」

 

モフモフ……。

 

「美愛ちゃん!?」

 

「悪魔とか、魔王とか呼ばれてるんだって?」

 

「ち、違うよ!?」

 

「あれ?そうだっけ?まあ、良いや……」

 

モフモフ……。

 

「良くない!良くないからっ!!」

 

看板娘は、色々と慌てているみたいだけど俺は今とても忙しかった。モフモフは、最高だ!!ヌイグルミも捨てがたいけど、生き物はもっと良い。

 

「モフモフ……最高……」

 

「ねぇ、ちょっと!?モフモフしないでぇ!!」

 

モフモフ……。

 

 

 

 

 




第一平行世界で、影の薄かった転生者・浅上兄妹だ!!
双子で、主に本型のストレージデバイスを使う白と黒の魔導師っていう設定。因みに本人達は、みずからをギャグキャラと呼び……漫才系にシフトしてる、嘱託魔導師である。
まあ、本人達の主張なのでネタが面白いかは不明。
そこら辺は、スルーで省いているので気にしないでw

彼の黒歴史をほじくり返す為だけに突っ込んだキャラ達だから!!因みに、浅上兄妹は双夜に会った後の浅上兄妹となっております。そこら辺の理由は、後でわかるので省くとして戦闘のないマッタリ策略系?のお話を引き続きお楽しみくださいwww

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも読んでくれる方々に感謝を……。
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