絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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SAN値低下注意。
BL苦手な方は、バックしてね?

ストーリー上は、あまり見なくても問題ないよw
双夜が、転生者達をお仕置きして凍真から連絡が来たくらいなだけだから(笑)(笑)。


一五〇話

???

 

 

その後、ほぼ作業と化した戦闘を経て神崎達は己の役目を全うする事になった。

今は、逃げ出した根性なし共の残党狩りを行っている。

双夜が告げた、注意点をしっかり守り追い込んでいく。

双夜が告げた注意点は、復活広間(中央部)への接近をしない事ただ一つ。もし、復活広間へ近付いたりすると……双夜が、企てている策に強制参加する事になるという。

流石に『うっかり』で、それに参加はしたくはない神崎達は、絶対に近付かない様に動いていた。

ただ、それを知らない転生者達が神崎達に追い立てられて町の中央へと逃げていく。途中で、追い立てが無くなっているというのに……しかし、転生者達は逃げるのに必死で気が付いていない。気が付いていれば……もしくは、あの地獄を避けられたかもしれないのだが……運命は、確実に生け贄達の足に絡んで離さなかった。

神崎達は転生者を、復活広間へ行く道へと追い立てるだけ追い立てて後は放置している。だが、神崎達がいる方向へ戻って来る者はいない。

きっと、双夜が展開した結界が外から中へ入るのは簡単でも中から外へ出るのは難しいタイプのモノだったからだ。

それならば、転生者達は逃げられずに奥へと進むしか選択肢が無い。

刃向かう転生者が少なくなった頃、鉄が近くの塔に登って中央付近にある復活広間の方に視線を向けたりしていた。

だけど、その付近にある塔程度の高さでは復活広間の様子を見るに至らない。

 

「何やってるのよ!?」

 

翼が、塔の頂でピョンピョンとジャンプしている鉄に声を掛ける。彼女の様子は、はしゃぐ子供を見ている呆れ顔の大人だ。そこまでして、悪夢かもしれないモノを見ようとする馬鹿を冷やかに眺めている。

 

「……えー。気になるじゃん!!」

 

「わからないでも無いが…今は、任務を優先してくれ……」

 

神崎は、注意はしない。落ちても、自業自得だと言わんばかりに呆れ顔ではしゃぐ鉄を見上げていた。

とりあえず、別の方向の注意を警告するに留めている。

 

「何か聞いてないんッスか!?」

 

「知らん」

 

知りたいとは思っても、双夜の邪悪な笑顔を見る限りロクな企てで無い事は一目瞭然だった。あの顔をした双夜が、マトモな事をした試しはない。それに……“アレ”を使うと言った以上、どんな事になるかはある程度予想は付く。

まあ、神崎にしてみれば考えたくもない事だろう。

 

「大体、どんな事が起きているかはわかるだろう?」

 

「そりゃ……まあ、『アレ』の名前が出た以上、大体の予想は付きます。でも、だからこそ!見てみたいんじゃないですかぁー……」

 

要するに、鉄は恐いモノ見たさで中央部を見ようとしていた。だが、見た後でグチグチと『見なければ良かった』と愚痴られるのも鬱陶しいので神崎は注意のみしておく。

 

「後で、見なけりゃ良かったとか言っても取り合わないからな?自分で、何とかしろよ?」

 

「うぅっ……知りたい。でも……」

 

「好奇心は、猫をも殺すんだ。悪夢を見たくなけりゃ、別の事に集中しろ!!」

 

「神崎くん。そろそろ、移動しない?」

 

馬鹿が、悩み苦しんでいるのを横目に神崎が周囲を見回しているとすずかがそう提案して来た。

彼は、その提案を聞いて少し考える様子を見せる。

この様子だと、一度入り口付近に戻った方が良いかも知れないと考えた彼は……だが、それを決めるのは彼ではない。

 

「翼!」

 

「え?……ああ。そうね、一度戻りましょう……」

 

「そっか。今は、翼ちゃんがリーダーだったね……」

 

そう。今、このチームのリーダーは神崎ではなく翼なのである。彼女の意見を差し置いて、彼が判断を下す訳には行かない。それに気が付いたすずかは、慌てたように神崎に向かって両手を合わせると不意討ち気味に『テヘペロ』っと茶目っ気のある顔をした。

神崎は、そんな彼女を見て少し表情を崩す。

たまに見せる、彼女の幼さの残る仕草にちょっと心動かされたからだ。神崎は、表情を引き締めると『気にするな』の意味を籠めて手を横に振った。

もちろん、出来るだけしかめっ面を作っての返答である。

ここで、ニヘラとして相打ちを打つと面倒な事になるのは目に見えてわかっていた。

ならば、先にその芽を潰す必要が在る訳だ。

何時までも、お仕置きされ続ける神崎という訳じゃない。

彼は、学習する者である。しかし、それを見逃すほど翼は冷めていなかった。どれだけ、『偽物』だったとしても彼女は恋する乙女なのである。ハッ!と、翼の異常に気が付く神崎……逃げ出した。直ぐ様、翼が逃げ出した馬鹿の後を追い駆け出し『追う乙女の図』が完成する。

 

 

 

こうして、神崎達がアルンの入り口付近に移動しようとしていた頃、双夜は復活広間のすぐ近くにある家屋の屋根の上に立っていた。

 

『我々は、SAO原作人物解放軍……レジスタンスである。君達、転生者の原作人物達に対する目に余る暴挙に異議申し立ち上がった戦士だ。今すぐ、SAO原作人物達に対する人道的な扱いを進言する。もし、それが叶わぬ場合は……君達を罰する準備がある!と言っておこう……』

 

「ふ……『ふざけるなっ!神様に与えられた特典を、俺達がどう扱おうが俺達の勝手だろうがっ!!』」

 

『そーだ!そーだ!!』

 

双夜の宣言に転生者達は、次々に文句を言い出し罵声を双夜にブチ浴びせ続ける。しかし、それは予想されていたモノであったが故に双夜には届かない。

 

「つーか、罰ってどんな罰だよ!?」

 

「俺達は、死なないんだ。どんな罰だろうが、反省するわきゃねーだろう!?ギャハハハハ!!!」

 

「僕ぅ~?家に帰って、ママのおっぱいでもぉチュッてなちゃ~いっ?ギャハハハハ!!!」

 

「…………最後通達だ。行動を改める気はないんだな!?」

 

『くどいっ!!!』

 

「OK。じゃ、死より辛い絶望を知れ!!」

 

そう言って、双夜が持ち出したのは双夜の小さな手では持ち切れなさそうな装置。見た目は、ちょっと大き目のラジコンカーのコントローラに見える。

そのコントローラに付いているトリガーを二回、親指で柄上にあるボタンを双夜は押した。まるで、爆弾の起爆装置の様にも見えるそれを双夜は無心で操作していく。

瞬間、転生者達の背後で小さな爆発音が鳴り響く。と同時に、ピンク色のスモッグが転生者達を包み込む。

 

『うわぁっ!?な、何だ!?』

 

それを見届けた双夜は、そそくさとその場から立ち去った。スモッグは、数分の間結界内で留まり結界外へと漏れる様子はない。

しばらくして、スモッグが消え去ると転生者達は全員が棒立ちになっていた。そして、おもむろに顔を上げると両手を広げて近くにいた転生者に抱き付く。

 

『うおおぉぉぉっ!!』

 

「お、俺、実は……お前が、好きだったんだっ!!」

 

「え?……ほ、本当にぃ?」

 

「あ、兄貴ぃっ!お、俺の初めてを貰ってくれないか?」

 

「い、良いのかぁ!?」

 

男共が、男共に愛の告白を始めると同時に一部では裸になった男達によって愛を叫ぶ雄の蹂躙が始まってしまう。

即ち、厚ぼったい唇に己の唇を押し付けて吸い付き、相手の男の象徴に手を伸ばして握り合う等の行動が開始された。

愛し合う男たちの、悦びの叫びが青い空に木霊する。

見た目的には、地獄と言っても過言ではないそれ以上の光景だったけど(笑)。

双夜が仕掛けた、とある特殊な薬品……いや、魔法薬によって引き起こされた現象だったとしても。擬似的には、相思相愛な上に双方が同意して起こした行為。何も問題なぞあるはずがなかった。徐々に、行為がエスカレートして行くが誰も止める者もいないし止まる理由もない。

そして、その行為の行き着く先は掘って掘られての阿鼻叫喚……いや、現状の彼等は性欲的にではあるけれど相手を愛している故、満面の笑顔で愛を囁き合い身体を貪っていた。

ただ、救いがあるとすれば……彼等がイケメンである事か?

見た目の印象的には、腐った女子達が涎を垂らして大喜びしそうな状況である。

それでも、誰もがドン引きする事間違いなしの所業である事は否定できないけど。

 

 

……………………。

 

 

「精力増強剤込みの『惚れ薬』って、結構ヤバイ代物何だよね……相手が、男だろうが何だろうが沈められる物体であれば何でもOKになっちゃうらしくて……」

 

と、説明するのは事を引き起こした極悪非道のチビッ子。

その説明を聞くのは、アルン入り口で転生者がSAO原作組含むモブキャラ達を追い駆けないよう見張っている神崎達だ。彼等は皆、青い顔色でチビッ子の説明を聞いている。以前、彼……神崎が欲しがっていた『惚れ薬』だが……効果は聞いての通り、普通には使えない代物と化していた。

 

「セイビア印の特殊魔法薬。解毒剤はないよ?」

 

「それ、どういう経緯で作られたモノなんですか?」

 

「因みに、記憶が無くなるなんて御都合主義はない。魔法薬の効果が切れた時、真の地獄は始まる……」

 

神崎の質問を聞き流して、邪悪な笑顔で語るチビッ子は最も最悪の結論を告げる。

だがしかし、【セイビア特製『惚れ薬』濃縮気化爆弾】の効果はそれだけではない。彼の作る魔法薬の特性は、主に『混乱』を主軸に据えたモノが多い。

この『惚れ薬』も、その『混乱』を主軸に据えた薬品だ。

その効果は、見ての通りなのだが……基本的には、精神高揚剤である。つり橋効果と同じく、恋愛系勘違いを誘発させるだけの薬品だ。

それが何故、あんなおぞましい効果をもたらす事になるかというと……セイビアが、主軸に据えている『混乱』が大きな役割を果たしていた。

これがただの『惚れ薬』であるならば、成熟した精神を持つ男達がこぞって同性である男に愛を語り性交に至る等という事はない。多少、精力増強剤が入っているとは言え……精神を高揚させる程度となるはずだった。

ちょっと、興奮度高目(笑)。

故に、マトモな精神の男達がそんな『惚れ薬』をちょっと吸い込んだとしても同性に愛を語ったりはしない。

しかし、セイビアの『惚れ薬』は人間が同性異性を認識している器官を麻痺、もしくは『混乱』させてそれを可能としている。ぶっちゃけ、見れば男か女かなんてすぐわかるだろうという人もいるかもしれないが……小柄なガチ女装した男を見分けるのはそこそこ難しい。逆もまた然り。

魔法薬には、副作用はないがそれとは別にとある複次効果がある。それは、普通の薬品にはない『強制力』だ。

因果すら歪める程の強制力に、『惚れ薬』で精神が高揚させられ精力増強剤で更に興奮状態へと持ち上げられる。

そして、認識力の麻痺&混乱で同性を異性と認識。

後は、いうまでもなく。

 

「……アレは、副産物なんだよ。元々は、そういうモノを作るつもりじゃなかったらしい……」

 

「……何を、作ろうとしたんですか?」

 

「媚薬だよ」

 

「……………………媚薬?」

 

「うん。嫁さんに使うつもりだったらしい」

 

「へぇ……嫁さ、ん……に?……………………嫁!?うぇ!?よ、嫁、が、い、い、いるん、です、か!?」

 

「うん。アイツ、既婚者だよ?」

 

『うええええぇえぇぇぇぇぇ!!!!?!??』

 

セイビアが、結婚していたという衝撃の事実に神崎を含めた全員が驚きの叫びを上げる。まさか、あの【組織】最凶のトラブルメーカーに嫁がいたとは誰も考えていなかった。その話を聞いて、彼等には新たな疑問が芽生える。

 

『どんな人ですか!?』

 

「つーか、人なんですか!?」

 

それは、どんな猛者がセイビアの嫁に納まったかである。

 

「一応、人間の大人しくて可愛らしい女性だよ?」

 

「無神経で、無頓着なセイビアさんに惚れた猛者なんですよね!?どんな、女性なんですか!?ドMッスか!?」

 

驚きの余りか、神崎の言葉に容赦というモノが無い。

まあ確かに、セイビアは無神経で無頓着なロクデナシである。だが、彼はどんな無茶な事でもやるべき事はヤり切れる者でもあった。それが、彼の嫁となった女性が惚れた部分であり彼の良いところだ。だが、現状の神崎には目先の特徴が目に付き過ぎて見抜けていなかった。

 

「因みに、告白したのはセイビアが先だぞ?まあ、彼女がセイビアを好きなのは目に見えていたらしいけどな……」

 

『へぇ……/////』

 

「……と。そろそろ、一時間だな……ちょっと、様子を見てくるよ。さぁて、どんな感じかなぁ♪」

 

双夜はそういうと、ヒョイっとジャンプして家屋の屋根に飛び上がるとヒャッホーと走って行ってしまう。

一瞬、鉄が着いて行こうとしていたが神崎によって止められた。

 

「ちょ、なんで邪魔するんですか!?」

 

「いや、だってなぁ……」

 

そう言って、神崎は翼達と顔を合わせて苦笑いする。

 

「……一回で、済むはずが無いでしょう?相手は、踏み台的転生者なのよ?」

 

「後、二、三回はあると見ていた方が良い」

 

「…………そう、ッスね……」

 

言われて理解したのか、鉄は双夜を追い掛けるのを断念する。事実、この時の神崎の判断は間違いではなかった。

強制的に、地獄を体験させられた転生者達だったが……この一回で、心を折られたのは半数にも満たない。

原作人物を奴隷に出来なくなるという双夜の申し出は、彼等の歪んだ欲望を更に歪める結果をもたらしていたからである。加速的に彼等の中で、殺意へと変化した不満はどれだけ過酷な事を体験したにしろ飲み込める事ではなかったのだった。しかしこの後、双夜が召喚したモノによって彼等はその申し出を受け入れる事になる。

それは、四回目に起こった。

濃厚な性臭が鼻に付く様な中、複数の転生者達が倒れ疲れからか呻いている。そこで、原作組の解放を望まない転生者達と解放を望む双夜との交渉が続いていた。

四回目にもなると、心折れた転生者が半数以上になりその内の一部がドロドロになり『もう、嫌だ』と泣いている。

 

「これだけやっても、解放したくないと?」

 

「あ……当たり、前だ!こ、こんな、やり口で、解放、出来ると、思って、んのか!?」

 

「ぐっ……おぇ…………も、もう一度捕まえて、この悪夢を忘れれるまで無茶苦茶に犯してやるよっ!」

 

「どうしても、続けるって言うんだね?」

 

「くどい!!」

 

「そうか……………………じゃあ、スパイスを追加するね?」

 

「は?スパイス?」

 

「『まじし○んず・あか○みい』より、中級第三位天使……来たれ!我が盟友!ハアプシィエエエルゥーーーー!!!」

 

双夜が、そう叫んだ瞬間。転生者達がいる場所のすぐ近くに、ピンク色の巨大な魔法陣が出現する。そこから溢れるは『紫』の威光。そして、その光と同時に人影が競り上がって来た。見た目は、四枚の翼と天使の輪をもつ筋肉ムキムキな中年男性。ちょこっと、無精髭が生えているが……でも、イケメンと言えばイケメンである。だが、そのイケメン顔が頬を赤らめトロ~ンとしたーーでも、しっかりと生け贄をロックオーンするーー目付き。

 

「らぶああ~あ~んっぴ~ィス♪それが~、私の~♪ポ~♪リ~♪シ~ィ♪っ!!」

 

『『ヒィッ!?ヒイイイィィィッ!!?!!?』』

 

汗に濡れた、己の筋肉に力を入れビンクビンクと胸筋を動かしつつ、おぞましい(素敵な)笑顔でニンマリと笑う。

それらが、更なる恐怖を転生者達に与えている。

しかし、その実態は……。

 

「あら~ん?……ムフッ♪、素敵な殿方がこんなに……ああ、みんな可愛いわねぇ~我輩、迷っちゃう~♡」

 

「ウワアアアァァァーーーッ!?」

 

「ヤッホー、ハプシエル~」

 

「あら?…………まあ、もしかして双夜ちゃん?またまた、縮んで可愛くなっちゃって……今日は、何のご用かしら?」

 

「君に手伝って欲しいんだ、ハプシエル。僕の力だけじゃ彼等の欲求を満たせないみたいで……」

 

「ちょ、ちょっと待って……」

 

「ま、まさか……ちょ、や、やめーーー」

 

「お願いだ、ハプシエル。彼等に『愛』を教えて上げて……ごめんよ。本当は、君に力を借りたくはなかったんだけど……でも、彼等が不憫で……(嘘泣)」

 

「いいえ。皆まで言わなくてもわかっているわ。そう……愛に飢えている子羊達がこんなに……(ジュルリ)」

 

「ひいぃ!?」

 

「でも、もう大丈夫よ……我輩が、貴方達に『真の愛』を教えて上・げ・る・わ♡」

 

唐突に呼び出され、しかし目の前に広がる裸のイケメン男達(桃源郷)を見て不満を一掃したハプシエルは、舌舐めずりをしつつジリジリと歩みを進める。優雅かつエレガントに、自慢の筋肉をビクンビクンと揺らしながら獲もnーーもとい、『愛』に飢えた哀れな子羊達に『真の愛』を教える為に救いの手を差し伸べる。

そして、記念すべき一人目が彼の手に掴まれた。

 

「んーーーっ!愛のヴェーゼを……」

 

ハプシエルは、捕まえた青年にゆっくりと顔を近付けて唇を……蛸が描かれる際に、良く鼻を突き出す書き方が多いが……そんな風に紫のルージュが引かれた唇を伸ばし……。

 

「い、嫌……や、やめーーー」

 

『ぶちゅうううぅぅぅぅぅーーーー!!!!!』

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ーーーーーーー!!!!!!!」

 

弱々しく抵抗する、転生者の唇へと重ねられた。

舌を捩じ込まれて、口・咽・食道を蹂躙される。

ハプシエルにディープキスをされた者は、不快感で気絶したり精神崩壊したりするというが……彼は、それ以上の不快感を味合わせられた。呼吸すら出来なくなった彼は、やがて全身から力を失いグッタリと白目を剥いて動かなくなる。それを見ていた他の転生者達は、ゆっくりと事を終えて満面の笑みで顔を上げるハプシエルを絶望の眼差して見上げた。その表情を見て、ハプシエルはとんでもない勘違いを加速させて行く。

 

「はぁ……良い。貴方、とってもチャーミングねぇ~……アハァ……良いわ……良いっ!!」

 

即ち、『絶望の眼差し』を『愛に飢えている者の表情』と彼は勘違いしているのである。だから、それを見た彼はその勘違いを得て覚悟を決めた。

彼等を、自分の『愛』で満たしてあげようと。

そして、その勘違いを更に加速させる奴がいた。

 

「……じゃあ、こんな事しか手助け出来ないけど……くらえ!濃縮精力増強……もとい、回復拡散魔法薬!さあ、《福音を告げてしまう者》よ、彼等に真の『愛』を教えて上げるんだ!!」(笑)

 

そう、煽りを入れつつ魔法薬を投下するのは如月双夜その人である。奴は、邪悪な笑顔でその魔法薬が詰まった爆弾を結界内に投げ込む。ボンっ!と、白い霧状のスモークが結界内に充満して、疲れ切った転生者に新たな活力を充填する。

しかし、肉体が悲鳴を上げているので動きは緩慢だ。

それと相反する様に、召喚された《福音を告げる者》は飛躍的に動きが良くなって行く。まるで、水を得た魚の様に生き生きとし始めた。そして、手当たり次第に逃げようとするイケメン達をつかm……抱き上げ、優しく激しく愛の籠った口付けをする。された者は、最初激しく抵抗するがパワー溢れるマッチョな包容を引き剥がす事叶わず、段々と弱々しくなり最後はピクリとも動かなくなった。

 

「クックックッ……」

 

それらを眼下に見据え、チビッ子悪魔は邪悪な笑みを浮かべる。

 

 

……………………。

 

 

一時間後。

戻って来た双夜が見た転生者達は、その大半がハプシエルの攻げk……『真の愛』によって、泣き崩れている。

きっと、『真の愛』を教えて貰えた嬉しさに泣き崩れているのだと思われた。

 

「……おかわりいる?」

 

「…………もう、やめ、て……か、かい、ほう、する、か、ら………………お、ねが、い……」

 

何とか、意識を保っていた転生者がやって来た双夜にそう懇願してこの行為からの解放を願い出る。

 

「止めてって言って来た彼等(原作組)に、君達は止めなかったんだろう?なら、おかわりだね?」

 

「……ちょ!?」

 

だがしかし、その程度で止まる程、如月双夜という人物は優しくはなかった。再度、濃縮精力増強拡散魔法薬が散布された上に『言霊』で叩き起こされた彼等は、一歩進めた地獄を体験する。何故ここで、地獄度を一歩を進めたのかというと……人間は、慣れる生き物だからだ。

きっと、同じ事をしても彼等にダメージを与える事が出来ないと判断した双夜は、ハプシエルを焚き付けて一歩レベルの高い行為をさせたのである。

その結果、今度は誰も意識と正気を保ってはいられなかった。気を失い、精根尽き果てた転生者を無理矢理叩き起こした双夜はニコニコと死刑宣告を告げる。

 

「もう一回だね?」

 

「ごべん、な、ざい……タ、ス、ケテ……」

 

「君達全員が、心の底から原作人物の解放を望むのなら直ぐに解放してあげる。だけど、一人でも解放を望まぬ者がいたら続行だから!連帯責任って奴でね……」

 

「……………………ぞん、な……どう、やっ、で……」

 

「嘘を見抜くマジックアイテムがあるんだ。それで、直ぐにわかるよ?」

 

正確には、マジックアイテムではなく双夜自身の能力。

【真実の瞳】を使って、双夜はそれを判断していた。

だが、既にこの場にいる転生者全員が原作人物達の解放を受け入れていた訳なのだけど。ならば何故、行為を続ける必要があったか……というと、双夜は呼び出した存在を無血で送還する為の準備をも視野に入れていたのである。

即ち、ハプシエルを消耗させて無血で送還する為の前準備を双夜は行っているのだ。

 

《キィン!!》

 

「ん?メール?」

 

そんな、双夜の目の前に小さなウィンドが開く。

そこには、《着信:メール》の文字。

アドレスを確認すると、登録されていない者のモノだった。題名は、《堕ち神》の倒し方を尋ねるモノ。

まあ、任務中の奴にそんなメールを送ってくる奴は稀なので、直ぐにゴミ箱へ直行させずに彼はそれを開いてみる。

 

「ん?…………トウマ???」

 

そんな奴、【組織】にいたかなぁ?と、首を傾げながら双夜は読み進めて行く。そして、それが誰からのモノかを双夜が理解した頃、今度は着信の文字が目の前に出現した。

 

「トウマって、だれだっけ???」

 

表示された、見覚えのない名前に首を傾げる双夜。

とりあえずの意味を込めて、着信に出たら何故か見覚えのある人物がウィンドに表示された。

 

『良かった。繋がった!』

 

「……………………」

 

『禍焔凍真だ。……すまないが、今すぐ俺がいる世界に来てくれないか?《堕ち神》が現れて、町を滅茶苦茶にしているんだ!』

 

「……………………」

 

『急いでくれ!転生者の一人が、《堕ち神》の相手をしているがそう持ちそうにない!頼んだぞ!』

 

「別に良いけど、誰に転生させて貰ったの?」

 

『転生?ああ、【始まりの魔法使い】にだ!』

 

「…………わかった。成るべく早く、そっちに向かうよ……」

 

『ありがとう!』

 

それだけ言って、凍真は通信を切り消える。

双夜は、その通信を終えると大きなため息を吐き出す。

そして、しばらく黙ったまま感情の籠らない目で虚空を眺めていた。そして、一度目を閉じてかぶりを振るとペチッ!と頬を叩いて冷酷な瞳をハプシエルに向ける。

その冷酷な赤い瞳には、ハプシエルの背中が映っていて……何の感情も宿していなかった。しかし、フッと閉じられ次に開いた時には悲しみの感情に変わっている。

 

「そうか。凍真は、監視者になったのか……【魔導兵器】め……資格なき人間を、ホイホイ《神殺し》にしてんじゃねぇよ!だから、【エターナル・エンド】が増えるんだ……」

 

そう吐き捨てて、双夜は大きな舌打ちをした後……今、動かしている策略の後始末をする為に使い魔達を呼び出す。

 

「撤収準備だ。必要なら、時間転移も視野に入れて……」

 

ザックリ簡易計算をして、双夜はハプシエルを煽りつつ使い魔に指示を飛ばす。

 

「とりあえず、この騒動に終止符を打とう。だが、転生者の心はちゃんとへし折っとかないと……」

 

そう言って、双夜は濃縮精力増強拡散魔法薬を取り出す。

 

「流石に、18禁には程遠いよな……」

 

何れだけ、濃縮精力増強拡散魔法薬を投じてもハプシエルが凶行に走る事はなく……全て、ギャグで済まされる結果に納まっている。元々が、そういう扱いだからなのかディープキスと過度なスキンシップだけで転生者の大半を沈めていた。それだけでも、転生者達は息が上がり真っ白に燃え尽きている者すらいる。

凶行に走る転生者達とは違い、彼は一線を超えたりはしなかった。そう言えば、精神的な異常には耐性があったはずだったか?

 

「もう、一押しかな?ほぅ~らぁ~!濃縮回復拡散魔法薬だよぉ~♪これで、みんな元気になぁ~れ!!」

 

そう呟きながら、双夜は濃縮精力増強拡散魔法薬を結界の中に投げ込んだ。ついでに、濃縮回復拡散魔法薬も突っ込んでおく。体力も回復するから、みんな本当に色んな意味で元気になるだろう。こうして、体力とその他モロモロを回復させられた彼等は絶望という名の悪夢へと自ら足を踏み入れるのだった。

 

 

 

 

 

 




ここで、出す予定は無かったんだけどなぁ……ハプシエル。
一応、まじあかで一番お気に入りのキャラクターですねw
あんな友達がいたらなぁ……(キチw)
双夜に、アニメキャラ(神崎達に取っての『現代アニメ』)のブランド力を説いても……あまり、伝わらなさそうだよねw
知らないアニメのキャラにどれだけの価値があるか……お気に入りでなければ、完全に無価値だからなぁ……。

双夜の感情が、一度リセットされる場面があるけど……あれは、【始まりの魔法使い】に《神殺し》へと転生させられた禍焔凍真を悔やんでの事だから。彼の巻き込まれ体質に対しても色々と想いがあるんだろうね。
後、即行で【監視者】だとバレましたw
凍真は……本当に、合流出来るのだろうか?

先に、ネタ暴露してるのにハプシエルとセイビア既婚話でそこそこ楽しめるという不思議。読んでも、読まなくても良い回だけど……読んだ方が良いとは、これいかに!?
後、ハード(予定)BLがソフトBLになっちゃったw
書いてる途中で、はたと気が付いちゃったんだよ……これ、18禁じゃね?って。ボカした感じではあったんだけど……相談役がいなくてわからなかったから諦めた(笑)。
舐める描写ってOKなのかね?ナニをとは言わないけど(笑)
何処までが良くて、何処までがイケないのかがわからなかったw 折角のBLネタだったのに……無念。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

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いつも読んでくれる方々に感謝を……。
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