絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一五七話

神崎

 

 

馬鹿の謝罪から、数日が過ぎた。

この数日の間に、馬鹿は転校の手続きを済ませて聖祥から転校した。転校先は海外で、親元に帰った事になっているらしい。だけど、馬鹿に親は存在しないので建前と住民票の移動だけとなっている。

本人は、一歩も日本から出てないけど。

因みに、この家は俺達……神崎(幼)の兄という設定になっている俺の(仮りではなく住民票も師匠が得て来た)モノとなり《神殺し》の拠点という事になった。

現在、馬鹿は『精神と時の部屋』モドキで修行(引き篭り)を始めている。まあ、最初は基礎トレからになるので様子を見る程度。それは、未熟な俺でも十分に見てやれる事なのでテオルグさん達はいない。

テオルグさんやラヴォルフさんは、他の使い魔さん達と共に数多の次元世界へと【凌辱系転生者】の捜索に出掛けている。【凌辱系転生者】の捜索と同時に、彼等にはもう一つ【次元消滅術式搭載型爆弾】の有無を確認する任務が与えられているらしい。

現状、この世界軸にそれがある可能性は限り無くゼロに近いらしいけど……前回の《堕ち神》の事もあって、割りと真剣に捜索しているとのこと。

いやはや、《旧・神族》が画策した事とは言えあれ程世界に影響を及ぼすモノを造り出すとか、馬鹿なのか天才なのか訳がわからない。下手をすれば、世界の【理】が崩壊して“内側”の生物が死滅する可能性だってあったらしい。

【理】のメルトダウン怖ェ……。

まあ、師匠が言うには死体でもクローニング出来るなら構わないって言うのだから頭がおかしい。

『元気な遺伝子』が、手に入るなら問題ないそうだ。

つーか、『元気な遺伝子』とはなんぞ?

クローニングのし過ぎで、《旧・神族》の手元にある遺伝子は劣化死滅し掛かっていて……中々、元気の良いクローンが産まれないんだそうだ。

 

「……………………」

 

『元気の良い』クローンとか、意味不明過ぎる。

 

あ、いや、ニュアンス的には、わかるんだけど……ほとんど、『考えるな!感じろ!!』状態の話なので頭が痛い。

崩壊した世界を得て、生きている知性体がいたら棚ぼた……回収した遺伝子で、後先考えずに大量生産して自分達の欲望を満たす為だけに殺しまくるんだそうだ。

エロ方面はもちろんの事、中世辺りの娯楽を一通り……だとか。狩りとか、賭博とか。そこに、流通する量産型クローン人間(奴隷)の命が関わって来るというから最悪だ。

 

「どこら辺が、【神様】なんだろうな?」

 

つーか、師匠も言ってたけど……《旧・神族》は、【神様】でも【神族】でもソレ等に属する眷族でもないらしい。

ただ単に、有翼人……つまり、背中に翼が生えていて長寿なだけの優力な【魔法使い】の成の果てだとか。俗に、【貴族】とか【王族】的な存在と考えて良いと言われた。

 

「ただの権力者かよ……」

 

ソレ等が、【神格】を得て増長に増長を重ねたのが《旧・神族》と師匠達……《神殺し》に呼ばれるクズ達だ。

ぶっちゃけ、どこら辺が【神の正当後継者】なんですか!?……っていうか、アレですか?人間風に言う所の……【中二病】と呼ばれる、痛々しい人種さん達なんですか?

創世時代から、ずっと妄想と妄言で妄信している馬鹿なんですか!?って、師匠に聞いたら……とても驚いた様子で、『え?それ、誰かから聞いたの?』と問われたあげく、肯定するお言葉をいただいたのだった。

結論が……。

 

「中二病を拗らせちゃっただけの困ったちゃん!?」

 

しかし、ヤル事の規模がデカイ為に《神殺し》さん達が、ガチの方向で苦労するはめに……マジ、滅びろそんな存在。

 

「駆逐できるのなら、全力で駆逐したい……Worst Oneとか(笑)。……頭が、痛くなって来た……」

 

閑話休題。

 

 

話を戻そう。

俺の複製体……神崎大悟改め神崎翔(小)悟は、日本に不法滞在しつつ亜空間で修行を開始。

俺は馬鹿の監視員として、この家で留守番をしている。

まあ、何かあった時の連絡用員でもあるけど。

基礎トレが、ある程度終わって体力と身体が出来たら師匠やテオルグさん達を交えての本格指導となる。

『精神と時の部屋』は、基本的に俺も使わせて貰っているので、翔悟がサボらない様に見張る意味合いもある訳で。サボる様なら、金棒振り回して追い駆け回せと言われているので楽しく遊んでやる予定だ。

そして、師匠はというと……多分、他の次元世界でジェイル・スカリエッティと戯れていると思われる。

ーーえ?地球在住ではないのかって?不在だよ?

師匠が、人員を割いて情報集めに奔走すれば……直ぐに、彼等の居場所は知れるというモノ。相手(玩具)の位置がわかれば……後は考えるまでもないだろう?

割かれる人員の数は、通常ではあり得ない程で彼等が補足されるのは時間の問題だ。

数日も掛からずに、彼等は使い魔さん達に補足されて……師匠は、「遊びに行ってくる!」と言って出て行った。

師匠が、何をしているのかはわからなーーーければ良かったのだが、その翌日から俺の元に『報告書』という名のジェイル・スカリエッティ『で』どんな風に遊んだのか記録が送られて来る様になる。

それによると、ジェイル・スカリエッティが潜む違法研究所跡地での『遊び』が事細かに書かれていた。

 

 

 

○×日、曇り時々ガス爆発。

 

地下空洞有の違法研究所にて、一定の空気を抜いた代わりにガスを空洞内に充満。火を付ける。結果、研究所は消滅。しかし、ジェイル・スカリエッティと戦闘機人は無事。

アレだけの爆発で、生きているのは何故?

 

 

 

△○日、晴れ時々地盤沈下。

 

またもや、地下に放置された研究所でジェイル・スカリエッティを発見。今度は、C4(プラスチック爆弾)を施設中にセット。ポチっとな!で、土台を吹き飛ばし施設事土の中へ御招待!生き埋めにしてやったぜ!!

だが、奴等は多少焦げてはいたけど屋上から生還。チッ!

 

 

 

□○日、雨時々次元兵器。

 

使い魔のみんなが、ジェイル・スカリエッティが次に拠点とする場所を調べ出して来てくれたので、その拠点の一室に次元兵器を設置した。起爆すれば、周辺数キロを巻き込んで脱出不可能な空間を作り出す。これならばと考え、ジェイル・スカリエッティが来るのを今か今かと待っていたんだが……奴は、来なかった。どうやら、事前に危険を察知したもよう。……ポチっとな。

 

 

 

………………………………

 

 

……………………

 

 

…………。

 

 

等というような報告書が、延々と送られて来るのである。

てか、次元兵器は起爆したんですか!?『ポチっとな』って、書いてありますが……本当に起爆したんですか!?ーーーと、様々な憶測が飛び交うヤバヤバな報告書ではありますが……いや、もうホント。毎度、ヒヤハラしつつ読んでいた。だがそれも、最初の頃だけで最近は拠点破壊と地味な嫌がらせに発展しつつある。拠点破壊はわかるとして、地味な嫌がらせというのが食料を盗んだり飲料水関係への悪戯だ。食料……中身を抜くいた箱だけを積み上げて箱を開けた者に絶望を味遇わせる。飲料水は、腐らせて飲んだ者に腹痛をプレゼント♪……という様な行為を実行しているらしい。何て言うか……ショボい嫌がらせだ。

しかし、これに戦闘機人の四番が引っ掛かっているらしい。その報告書を見た瞬間、クアットロの残念さが際立ちとても微妙な気持ちになってしまった。

 

「涙なしには語れないなぁ……」

 

原作でもそうだったけど、戦闘機人四番のどこか抜けた残念さは健在らしい。当人は、強いぞ私!天才だぞ戦闘機人!っという風にーーあれ?このフレーズを呟くと、『迅雷』を名乗る何処かのアホ娘が脳裏を過ったーー自分達こそ至高の存在と慢心しきっているバカだ。そんな奴だからこそ、師匠の悪戯に引っ掛かり続けているんだろうけど。

何というか、ジェイル・スカリエッティ達が凶悪な次元犯罪者というより残念な一味だと感じてしまう。

 

「まあ、原作でも最高評議会を屠った後は残念ッポクなっていたよなぁ……」

 

そういえば、この世界軸にも最高評議会はあるのだろうか?もし、その機関が無かった場合……いや、それを考えるのは止めておこう。とても、面倒な話になる。

それに、そろそろ聖祥が終わってなのは達が帰宅する頃合いだ。なのはは、説明会の翌日からほぼ毎日この神崎家に通っている。なのはを守る為に、一緒に付いてくる家族達は複雑そうな顔をするが本人は気にしない。

俺は、様子見の為に階段下の物置だった扉から精神と時の部屋へと入って馬鹿を探してみた。すると、馬鹿が持ち込んだTVが付けっぱなしでゲームのBGMが流れぱなしになっている。そして、遠くには黒い獣に追い回される馬鹿の姿。俺は、それで状況を把握し呆れてモノが言えなくなった。ここは、ゲームをする為に造られた部屋ではない。

そりゃ、息抜き程度ならゲームくらいやっても良いだろう。しかし、それをメインにしちゃイケない。

とりあえず、巻き添えを食う前に俺は精神と時の部屋から出て来客の為のお茶とお茶菓子を用意する。段々、主夫になりつつあるように感じるがそこは気にしない事にしていた。気にしたら、何となく負けた様な気分になるからだ。

 

「ただいま~♪」

 

上機嫌の師匠も帰って来たし、家事の方は使い魔さん達に代わって貰って俺は俺の修行をしようかと考えていた。

 

「じゃあ、俺は精神と時の部屋に篭りますので後はよろしくお願いします……」

 

「逃げるのか?」

 

「逃げてる訳では……今日、誰が来るかはわかりませんがアレと同じ顔がいては不愉快になるだけでしょう?」

 

「どっちかというと、恭にぃは大喜びなんだけど……」

 

「くっ……そ、それは……」

 

説明会の翌日、恭也さんと俺は手合わせをした。

ええ……もちろん、勝ちましたとも。

最近は、テオルグさん達との模擬戦でも良い状況まで追い込める様になっていますので……まあ、逆転負けしてますけど。それで、最早人間程度には負けないぜ!と言わんばかりに恭也さんを下したら……会う度に、模擬戦を申し込まれる事に。それはもう、ギラギラと輝く目でにこやかに話掛けられてしまいます。ムッチャ、恐ぇ……。

 

「恭也さんでないなら、会いましょう!」

 

「普通に勝てるんだろう?戦ってやれば良いじゃん……」

 

「嫌ですよ!だって、戦う度に殺気が強くなって行くんですよ!?ムッチャ、殺る気の恭也さんとなんて相手にしてられません!!」

 

「あー……恭にぃ、殺気を抑えないからなぁ……」

 

師匠の場合は、全く殺気が漏れないから逆にとても恐い時(死ぬ直前まで攻撃がわからない)があるけど……恭也さんは、嬉しくなればなる程、殺気が漏れてくるので困る。

 

「マスター、晩御飯は何にしましょうか?」

 

女性の使い魔が、こちらの話が一段落するのを待って今晩の献立を何にするか聞いてきた。見上げれば、黒髪ストレートの美少女が微笑を浮かべながらこちらを伺っている。

 

「師匠、肉が食べたいです」

 

「じゃあ、漫画肉を推奨する!」

 

「漫画肉って……」

 

『漫画肉』って、漫画等で表現される瓢箪見たいな形の骨付き肉だよな?また、なんでそんな面倒なモノを。

因みに、以前出された『漫画肉』は大量の肉を骨に巻き付けただけの物体だった。それが出てきた時は、一瞬大興奮したけれど、余りの肉の多さに辟易するはめに。

 

「霜降りでやろうぜ!」

 

「しかも、高級肉!?それなら、すき焼きにしましょうよ!!もしくは、しゃぶしゃぶとか!!」

 

「漫画肉で!他は、拒否する!!」

 

「では、霜降りで漫画肉ですね」

 

「わーい\(^-^)/」

 

師匠が子供の様に、バンザーイして勝利に喜ぶ。

鉄がここにいれば、同じ様な感じで喜んだだろう。

チラリと、台所を見る。使い魔さんが、冷蔵庫から桐箱に入った肉を5箱ほど取り出している姿だった。

一箱、4000円程する高級肉である。それを漫画肉になんて、高級食材への冒涜にはならないだろうか!?

 

「ちょ、マジで漫画肉にする気なんですかアスカさん!」

 

「はい。漫画肉にします!」

 

「oh…………」

 

こうなってしまうと、もう止まらない事はわかっているので俺は高級霜降り肉を諦める事にした。つーか、この間も高級食材をどうでも良い調理法でおかしな料理にしていた師匠達。まあ、そこそこ美味しかったけれど……なんとかならなモノか。こう……高級感溢れる料理にして欲しいというか……出来るなら、ちゃんとした調理法で最高の料理にして欲しいところ。とは言え、師匠は長生きしているので普通の料理では飽きているのだろうけれど……なのはさんに、手料理を奮って貰えないか相談してみようか?

 

「それにしても、なにょはママ遅いね?」

 

「…………何か、用事でも入ったかな?」

 

「もしくは、原作的な理由?原作知識で、困った時は……かーんざーきくーん?」

 

「えっと……ユーノが封印した一つ目。なのはさんが、殺された時の三つ。次は……あ、フェイトか……!」

 

「え?もう、フェイトねぇが出て来るの?……………………なあ、神崎。一つ、聞きたい事があるんだけど……」

 

「はい?」

 

「なにょはママって、ワザと負ける事が出来る人?」

 

「は?ワザと負ける……って、なんですか?」

 

また、師匠が訳のわからない事を言い出した。

ワザと負けるとは、どういう意味なのだろう?

 

「原作では、フェイトねぇとの初戦……負けるんだろう?」

 

「ああ、そりゃ…………あー……どうでしょう?」

 

「あの負けず嫌いが、ワザと負けて相手に華を持たせると本気で思うか?」

 

「……………………無理っすね!!未来の戦闘知識等を総動員してフェイトを撃破した後、アルフもディバインバスターで一撃でしょうか?」

 

「……ダヨネー!」

 

「デスヨネー!!」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

何を思ってか、しばし沈黙が訪れる。

つーか、なのはの性格を考えるとフェイトにワザと負けるなんて事はないと断言出来るだろう。ここは、なのはの精神(19歳?)と肉体(9歳)との筋力の齟齬で負けてくれる事を願うしかない。後は、フェイトの戦闘能力が今の『なのは』を上回っている事だ。現状から考えれば、間違いなくフェイトの肉体の方が上だろう。しかし、なのはの戦闘能力がどうなっているかがわからないので頭を抱えてしまう。

 

「あ、アルフもいますから大丈夫ですよ!」

 

「だよね!二対一だもん。早々簡単に、勝てるはずないよね!…………SLBを使わなければ……」

 

「oh……い、いや、今はジュエルシード第一ですからSLBをスタンバっている間にフェイトだって逃げますよ!」

 

「な、なる程……逃げられているか……」

 

「補足されるなんて事もないはずです!」

 

話をしている間に、何となく大丈夫そうな感じに纏まりつつあったので少し安心する。何となく、大量にフラグを建て捲っている様な気もしないでもないが下手な事を口には出来ないでいた。

時計を見上げれば、既に六時を回っている。

今日は、なのはさんはここに来られない様だ。

だっていうのに、『ピーンポーン……』と呼び鈴が俺達のいるリビングに鳴り響く。あ、なんだろう……このデジャブ。

前にも、こんな感じの呼び鈴を聞いた覚えがあった。

 

「来客の様ですね……」

 

「なにょはママかな?」

 

そう言いつつ、師匠はピクリとも動かなかった。

何だか、とても嫌な感じがする。俺の直感が、何かを訴えているようで身動きが取れない。すると、アスカさんが手をエプロンで拭いながら玄関へと歩いて行く。

 

ピーンポーン……。

 

再度、呼び鈴が鳴らされた。

 

「…………何だろう……このデジャブ……」

 

「…………………………………………oh……」(凹)

 

唐突に師匠が、額を手で抑えてソファーに倒れ込んでしまった。見れば、あまり顔色が良くない様に感じる。

たぶんであるが、使い魔(フレールくん)を通して玄関の状況を見たのだと推測された。それで、この状態に……って事は、嫌な予感が当たってしまったという事か……。

俺達は、それ以上言葉を発せられない状態になっていた。

ジッと、アスカの帰りを待っている。

そして、リビングになのはさん達が入ってきた。

 

「ソウニャくーん!ただいま~~~♡」

 

まずは、なのはさん。師匠に抱き付くと、ハートを乱舞させて頬をスリスリ状態へ。もう顔が、原作(アニメ)のヴィヴィオに向けていた頃の様に溶けきっている。

その後に続いたのは、恭也さん。腕には、金髪の少女をお姫様抱っこで抱えていた。それを見て、俺は何もかもを悟って額に手を当てソファーに脱力落ちする。

 

「大悟。なのはは、負けるんじゃなかったのか?」

 

「原作では、負けましたよ?……ここでは、勝ったみたいですけど……」

 

そう答えていると、チェーンバインドを身体に巻き付けられたアルフがリビングに。その後ろからは、人間の姿でユーノが少し青い顔色で入って来た。

 

「おじゃまします……」

 

「お疲れ様ッス……」

 

それ以上の言葉を、俺は掛けられなかった。

多分、一番近くでなのはとフェイトの戦闘を見ていた彼はその恐怖に身を震わせているだけだったに違いない。

ヤバイなぁ……ユーノくんの恋愛フラグもへし折れたんじゃないか!?二重の意味で、俺は頭を抱えるはめになってしまった。これは……かつて無い程の原作ブレイクである。

最早、頭が痛いなんて言っている状況ではないらしい。

 

「師匠、どうするんですか!?このままじゃ、未来崩壊は止められないッスよ!?」

 

「最悪、全力介入は免れまい……なにょはママのバカァ……」

 

「え~……でもでも、ワザと負けるなんて出来ないよぉ……」

 

「フェイトねぇと、お友達に成りたいんでしょ?なら、過去の記録通りに負けないと……」

 

「大丈夫!フェイトちゃんとは、絶対友達になって見せるから!任せて!!」

 

良い笑顔で、そう言い切るなのはさんがとても眩しく思えた。だが、師匠が全力介入すると言っている以上……その友達のポジションに収まるのは師匠の様な気がする。

 

「とりあえず、なのはさんを蘇生した時の映像をプレシアさんに送って上げたらどうですか?」

 

「ジュエルシードそっちのけで、僕を捕まえに来ると思うけど……なにょはママとの対戦が、無くなる可能性が……」

 

「もう、負けちゃったんですから良いじゃないですか……」

 

という訳で、目が覚めて敵対しようとするアルフに漫画肉を差し出し……目の前の超ボリューム肉に、葛藤を始める獣を横目にしつつ俺達はフェイトが目覚めるのを待つ事に。

その間に、フェイトのバルディッシュを説得してとある映像を黒幕さんの元に送って貰った。それ以降、バルディッシュには大量の連絡を取ろうとするプレシアメールが届く事となる。それはもう、一分置きに着信を知らせる音が鳴り続けているのだ。笑うしかないだろう。

 

「とりあえず、なにょはママ……蘇生された子が、元気に走り回っている様子を送っておこうか?様子見してますっていう風に(笑)」

 

「その内、当人がこちらにやってくる可能性もありますし……っていうか、確実に来るでしょうね……」

 

多分なんて予想ではなく、連絡も取らずに放置していれば100%間違いなく焦れに焦れた真黒なプレシアが出現するだろう。まあ、あの映像だけでこれだけの反応を見せるんだ。ほぼ、間違いなく俺達の罠に飛び込んで来るに違いない。そこで、真黒なプレシアを確保してPT事件は無かった事に。俗に揉み消しという……その後、どうにかしてフェイトを失意させなのはに依存させれば万事OK。

つーか、アリシアが目を覚ませば……プレシアは、フェイトに『貴女なんて要らないわ!』とか言いそうなので問題ないと思われる。ただ、その場合のなのはさんの反応がどうなるかわからない。ぶっちゃけ、そうなる前にプレシアにアリシアとの約束を思い出させる必要があると思われる。

『妹が欲しい』という、彼女の思いを……でなければ、プレシアは一撃の元に撃沈される事になるだろう。

 

「はてさて、どうなる事やら…………ところで、そこの狼さん?施しは受けないんじゃ無かったのかな?」

 

「ウグッ…………良いだろう!?腹が減ってんだ!!」

 

アルフは、全力全開で開き直ってしまっていた。

目の前に置かれた、超ボリュームの肉に負けた欠食童子の如く、犬は本能にあがなう事は出来なかったらしい。

 

「なら、交換条件を受け入れるんだな?」

 

「……………………あ!アルフだ。その子は、フェイト……」

 

そこそこの葛藤があったのだろうけど、肉の乗った皿を少し引っ張ると即行で落ちた。

 

「よーしよし、全部食べて良いぞ?」

 

「くっ…………ごめんよぉ。フェイトォ…………」

 

所詮は獣。目の前に置かれたご馳走には勝てなかったモヨウ。師匠も、残酷な事を言い出す。

こんな事をされては、アルフも我慢出来るはずもない。

しかも、現時間帯は夕食時。アルフの腹も、限界に近かったはずだ。そこへ、アレで交換条件が名前を教えろっていうのは酷いというモノ。超簡単な交換条件で、目の前に置かれた超ボリュームの肉にありつけるとなれば即落ちしてもしょうがない。

 

「いやいや、謝るのは俺達の方だから気にすんな。こんな時間帯に、名前を教えろなんて簡単な条件で目の前に超ボリュームの肉を置かれたら誰でも情報公開するに決まってるだろう?しかも、相手が獣で腹を空かしているとわかっていて、こんな方法を取るなんて残酷にも程がある」

 

「……………………じゃ、遠慮なく……」

 

そして、アルフは胃袋を押さえられるという恐怖の選択肢を選ぶのだった。それを選んでしまえば、簡単には逃れられないというのに……流石、獣である。もっと、良く考えような?そんな、二重の罠を考えた人は台所でお粥を作っていた。フェイトが目覚めた時に、少しでもお腹に何か入れられる様にと考えてだろう。しかも、師匠は様々な時間軸でフェイトの食好みを知っているから、彼女にとってのストライクゾーンの食材を提供する事が出来る。

間違いなく、フェイトの胃袋を掴み今後の役にたてると思われた。ついでに言えば、八神はやてとも接触済みで『闇の書』へのアクセスもしている。

ぶっちゃけ、プレシアさえ何とか出来れば後は何事もなく日々を過ごせると考えられた。

 

「師匠、ガッツリ介入よろしくッス!」

 

「いきなり、乗り気だな?どんな、脳内計算したんだ?」

 

「別に脳内計算なんてしてませんよ?ただ、アルフにこの仕打ちは酷いなぁ……ってなだけです」

 

「漫画肉、美味しくない?」

 

「マンガ肉?……旨いよ?」

 

「肉なら、何でも旨いと言うのが獣だ……」

 

「いや、普通の肉よりも旨いけど……」

 

「そりゃ、一箱4000円の肉をふんだんに使った一品だからな。因みに、アルフが食ってるそれ大体20000円程する肉だから(笑)」

 

「…………え゛!?」

 

「ああ、金払えとか言わないから安心しろ……」

 

「大事に食った方が良いと思うぞ?って言っても、もう半分も無いけど……」

 

「……………………」

 

アルフは、肉の金額を聞いた後、目の前に鎮座する肉をこれでもかっ!って程凝視していた。

その様子が、とても笑えてつい声に出してしまう。先程までのガッツキ様が嘘の様だ。今は、とても上品?に肉を一口一口大切に食べていた。

 

「クックックッ……超、ビビってるよ。笑えるわぁ……」

 

「っていうか、アタイにこんなの食べさせて良いのかい?あんた達が、食べる予定だったんだろう!?」

 

「まあ、そうだが……高級肉で、創作肉を作ってる時点で食べ物で遊んでいる様なモノだからな。問題ないと思うぞ?」

 

「遊んで?この肉は、こういうモノじゃないのかい?」

 

「ほら、これが元々の高級肉だ」

 

そう言って、師匠は桐箱を開けて中身をアルフに見せてやる。アルフは、それを覗き込み成る程と頷いていた。

 

「確かに、見た事はあるね……すんごく、高かった覚えがあるよ……そうか。これが、その肉か……その値段だけの価値はあるね!」

 

犬なのに、その価値を理解するとは侮れないなアルフ!!

 

「さて、ジュエルシードの方はどうするんですか?フェイトも確保したし、一気に回収しますか?」

 

「うーん……そうだなぁ……黒幕も、もうジュエルシードに興味無さそうだし……良いんじゃないか?」

 

という訳で、師匠がちょこっと本気を出してジュエルシード21個を一瞬で回収してしまった。無印、四話目にして終了!いやー、早かったですね!

 

その様子を見ていたアルフは、千切った肉を取り落としポカ~ンと口を開けたまま硬直。目的のモノが、こんなにも一瞬で回収されるだなんて思いもしていなかったのだろう。そして、ジュエルシードは師匠の特殊な封印によって完全に機能しなくなってしまった。

 

「という訳で、21個のジュエルシード完全封印でユーノくんに贈呈です☆!」

 

「あ、うん……えっと、あ、ありがとう?」

 

「困惑するのはわかるが……師匠に常識を求めても仕様がないぞ?何たって、理不尽が服を着て歩いている様なモノだからなぁ……」

 

「Yes!あい、あむ、あ、理不尽!!」

 

「途中から、面倒だと言わんばかりの発音でしたよ?」

 

「何となく、使い魔共と被ってる気がしたので止めた」

 

それにしても、アルフが21個のジュエルシードを見て『それをヨコセッ!!』と襲って来なかったのも不思議だ。と思ってアルフを見れば、アルフの背後に魄翼を展開したユーリがニコニコと立っていた。即ち、本能が危機を伝え動くに動けなかったモヨウ。憐れ、アルフ。

 

「そ、そうッスか……じゃあ、後は……黒幕さんに出張って来て貰って蘇生してハッピーエンドッスか?」

 

「蘇生か……蘇生なぁ。まあ、二通りあるよなぁ……それ」

 

「二通りッスか?」

 

「蘇生しないって選択肢と、蘇生するって選択肢だな。蘇生しない場合は、説得する必要があるけど……まあ、何とかなるだろう」

 

「何とかって……何とかなるんですか?」

 

「うん。何とか出来るよ?」

 

へえ……何とかする方法があったんだ。

アリシアやプレシアが、原作上では虚数空間に落ちると知った師匠は、原作通りに事を進めるつもりらしい。

プレシアが、それを良しとするかは別として、どんな風にそれを教えるつもりなのか少し興味が湧いた。ついでに、リニスも何とかしてくれないかなぁ?と思っているとリビングにリニスが入って来る。

 

「はあっ!?ちょ、師匠……あ、アレは!?」

 

「ふふん。対、フェイトねぇ最終兵器だ。アカシックレコードで居場所を特定し……回収しておいた♪」

 

コイツ……裏で、使い魔達とどんな工作をしているんだ!?と、その能力にドン引きしつつ、これから起こるであろう感動の再会を待つ。だが、アルフが微妙な鈍感スキルを発揮して直ぐに背後のリニスに気が付かない。

 

「???…………この匂い、リニス!?」

 

しばらくして、それに気が付いたアルフが振り返ってリニスの姿を視界に捉える。そして、その姿を見た瞬間ポロポロと涙を溢れさせて人形へと変身しリニスに抱き付いた。

 

「リニスっ!リニスゥッ!!」

 

「はいはい。アルフ、元気にしてましたか?」

 

「…………つーか、師匠。リニスを復活させておいて、アリシアも蘇生しないっていうのはどうなんでしょう?」

 

「26年前と、フェイトがこの世界に来る数年前とじゃあ重みが違う。しかも、猫と人間だぞ!?世界に及ぼす影響力で言えば人間の方が深刻だ……」

 

「そりゃ、そうでしょうが……なんか、理不尽だなぁ……」

 

「イエス!あい、あむ、あ、理不尽!」

 

「……………………」

 

気に入ったのか、そのフレーズ。

 

 

 

 

 

 




《旧・神族》の正体、ぶっちゃけ話でした(爆)(笑)
まさかの、中二病・乙!!
その延長線上のクズとか超ウケますw
誰かの感想でも書いたけど、《旧・神族》はこの数万年後増殖します(笑)。バイト神から、《神殺し》が平行世界の同一人物という情報を得て平行世界から既に滅んだ《旧・神族》を召喚☆!この平行世界は、【始まりの魔法使い】が『唯一絶対神を殺さなかった』可能性の世界。そこから、自分達を召喚して融合☆パワーアップ(現存する旧・神族のみ☆)します。そして、《堕ち神》と化して大暴れ☆♪
“外”や“内”を巻き込んだ戦争に発展しちゃったりしなかったり☆(笑)。これは、『高次元』の上に『超次元』もしくは『ウルトラ次元』があるかもしれないとかいう発想の元生まれたモノ。
高次元の上があるなら、高次元の平行世界もあるかもね☆(笑)……という発想です☆!なんで、思い付いちゃったかなぁ……(泣)。

そして、またやってるよ~……スカさん虐め。
つーか、双夜の情報網に引っ掛かるのがイケない。
スカさん、もっとこう……完 全 な 雲 隠 れ とか、出来ませんか!?
それか、違法研究所跡とかから離れて貰えません!?
そうしたら、ニアミスなんてしないから!!

オフッ……双夜の悪い予感が 的 中 !!
原作終わった♪しかも、転生者ではなく、原作人物がブチ壊したよ(笑)(笑)!!原作主人公です!!原作ブレイクですw
これ、間接的にだけど踏み台が原作ブレイクしたって事でOK?だよね?神崎コピーが、ブレイクしたって事でOKだよね!!カートリッジシステム無くても、フェイトちゃん撃破ッスか!?なにょはさん、パナイッス!!

双夜に声優を付けるとしたら、誰が良いですか?という質問が感想に書かれてました。双夜に声優って(笑)。そんな事、一切考えていなかったので適当に『中性的な声』と答えましたが……今は、『DOG DAY'S』の主人公「泉シンク」を悪落ちさせた様な声という考えを持ってます(笑)。
シンクの声を、少し平坦にして冷たい感じのする声に出来れば調度良いんじゃないかな?うん。多分それで、双夜になると思われ(笑)。まあ、絶対って訳じゃ無いけど……。

後、作者の個人的なお話になりますが……芸能系のお話をされても全くわからないのであしからず。芸能情報系鎖国状態なのでアイドルがどーのだの、誰々が良いよね!と言われても全くわかりません(笑)。俳優も女優もアイドルも芸人も全般的に全く知りません(笑)(笑)。声優もしかり。
全く、興味を持たなかったので……今尚、芸能界ってのには手付かず状態のまま放置されてます(笑)。←(知識的な話)

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m(_ _)m

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