絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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閑話続行中(笑)。


一六二話

神崎

 

 

この度、ユーノくんがめでたく時空管理局の職員……クロノ・ハラオウンと接触いたしました!いや、補足されたと言うべきか?まだ、ドナドナはされてないけど時間の問題ではある。とは言え、既にジュエルシード事件は解決してるし……プレシア・テスタロッサ事件も処理済みだ。

PT事件の首謀者……『プレシア・テスタロッサ(クローン)』は、時の庭園と共に虚数空間の闇の中。虚数空間は、重力に従って落ちて行くだけで内部のモノをサルベージする事も出来ない。事実上の完全犯罪だ。

それに当人は、幼くなった上にリニスを保護者に仕立て上げて翠屋近くのマンションで生活中。ついでに、フェイト・アリシアと共に聖祥小学校へと編入した。

アリシアは、肉体年齢とか精神とかが未熟だけれどフェイトと共に居たがった為に普通に聖祥小学校へと入学。

足りない部分は、師匠のフレールくんがリンカーコア兼デバイスとなって大人モードで参加中。ついでに……リハビリとか、勉強とか……色んなモノと格闘しているとか。

家では、普通に甘えん坊のお子様なんだけどね。幼くなったプレシアさんに、ずっと引っ付いているらしい。見た目(年齢)的に、距離が近くなった為か気安いのだろう。

聖祥に関しては、翔悟の話に寄ると自分以外の転生者はいないから問題ないとのこと。

ただしそれは、師匠には信用が無かったらしく使い魔を使ってシッカリと確認された。【真実の瞳】を共有して。

その信用の無さは、きっと俺の責任だろうと思われる。

一応、心当たりがあるので『信用無いのか~』と落ち込む翔悟にはフォローを入れておいたけど。

そして、問題のーー既に問題児認識ーー『なのはさん』は、最近フェイトや師匠を巻き込んで模擬戦をしまくっている。将来の戦闘勘を取り戻したいんだそうだ。

因みに、結界は無しで『精神と時の部屋』以外の場所を確保。下手に結界を張って、模擬戦とかをしていると何処かの空気読まない局員に止められる可能性があるから。

ただ、師匠が模擬戦に参戦すると模擬戦と言うより教導になっている様な気がする。未来のなのはさんに鍛えられていたからか……まるで、戦技教導官の様な戦闘をするんだ。

おかげで、『なのはちゃん(悪魔)』が『なのはさん(魔王)』へとジョブチェンジする日は近い。

ただし、体力的な肉体面はまだまだらしいけどね。

流石に、体力云々は時間蓄積系の賜物なんだそうだ。

因みに、『なのはさん』の過労的何かしらは師匠が徹底管理しているから問題すら無かった。正に、鬼の管理法!

涙目の恭也さんが、小さな師匠からガチンコで逃げ回る姿は涙無しには語れない。神速使って、全力攻撃して……なのに無傷で、恭也さんを笑顔で捕まえる師匠が恐いです。

その師匠は現在、高町家にお泊まり中。下手を打てば、幼児後退化は免れないというのにチャレンジ精神が旺盛で困る。精神を病ませる事なく、帰って来て欲しいモノだ。

 

「……神崎、現実逃避は終わった?」

 

「ーーーーー」

 

「そろそろ、妄想の世界から戻って来ても良いんじゃないかな?」

 

混乱する頭を押さえつつ、遠くの空に目を向けていた俺はリビングにいる少女に視線を戻した。

リビングの出入り口で、ソファーベッドに座っている12歳くらいの少女が感情の籠らない視線を投げ掛けて来る。

黒髪ストレートを背中辺りまで伸ばし、白ッポイワンピースを着た赤い目の少女。理由は不明だが、この神崎家に入り込んで俺達が来るのを待っていたらしい。

雰囲気が、師匠に似ているーーもとい、瓜二つの様な……ーー様な気がしなくもないが他人の空似だと思いたい。

 

「……………………」

 

リビングに入ってすぐに、彼女の存在に気が付いた恐い物知らずがナンパ的な発言をしていたが……今は、滝の様に涙を流して床に『orz』の形で沈んでいる。

ああ、うん。スッゴい美少女って訳でもないけれど、平均的な女性よりかは整っているので美少女?であるのは間違いないだろう。だけど、それを認めると俺の中のナニカが失われる気がして出来なかった。

 

「変な幻想垂れ流してない?所詮、女って……どれだけ、清楚可憐であっても一皮めくれば『おばちゃん』になるの。それは、歴史が証明しているのだけれど……?」

 

「止めて!男の憧れを壊さないで!!」

 

「憧れって……キモい……」

 

グサッ!!と、言葉の刃が俺の繊細な心に突き刺さる。

 

「全力全開で、大和撫子やってる『師匠』に言われたくないわっ!つーか、なんで『女体化』なんてしてやがりますか!?ハッ!妖精魔法ッスか!?」

 

その疑問に師匠?は、可愛らしく首を傾げて言った。

 

「あれ?ボク、性別無いって言ってなかった?」

 

「「超初耳だよっ!!」」

 

もしかしたら、聞いたかもしれないけれど……ずっと、男の姿しか見ていない俺達からしてみたら『女化』した師匠?は全く知らない人物に見えた。

身体も、前に見た大人モードの時より一回り程小さくなって輪郭が女性らしい曲線を描いている。

何より、胸の膨らみが男でない事を物語っていた。

初見で、師匠だとわからないくらいだから仕方がないと言えば仕方がない……はず!!それに、B……いや、A+と言った所か……大きくはないけれど、確かな膨らみが……。

 

「どこ見てるの?死にたい?」

 

「いえ、何でもありません!!」

 

サッと視線を外して、バカに視線を向ける。

出来れば、このまま視線を固定してしまいたい。

 

「まあ、良いけど……しばらく、高町家にお世話になるからって言いに来たの……使い魔は、置いていくからご飯の心配はしなくて良いよ?」

 

「幼児後退化は!?」

 

「女体化したら、恐くなくなった」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「…………そんな抜け道が……」

 

「ボクも、初めて気が付いたよ……」

 

師匠?は、荒んだ表情で虚ろな視線を右斜め下に向けている。そこには、『後悔』とも取れる感情が見て取れた。

例えるなら、食事事情を聞かれた時のセイバーみたいな感じ。正に、それそのモノな師匠?だった。

 

「女体化は、数百年に一度あるかないかの頻度で起きる事だから今後もある可能性はある。まあ、月物みたいなモノさ。……自力でやる方法もあるけどね?」

 

「あ、自力でもなれるんですね……」

 

「うん。傍に、ロリコンがいたから控えていたんだよ」

 

「ロリ……って、ちゃいますって!」

 

「なにょはママも、神崎は危険だから高町家にいた方が良いって言ってたし……」

 

ちょ!?なのはさん、何言ってくれてやがりますか!?

きっと、なのはさんが知っている『神崎』と【俺】は別人だと思われる。だが、それをどう証明したら良いのか俺には判断が付かなかった。

 

「その『神崎』と『俺』は別人です!!」

 

「何はともあれ、ボクはしばらく高町家でお世話になるから…………そっちの子の相手、よろしくね?」

 

スルーされた!?

言いたい事を言い終えたのか、師匠?は踵を返して玄関へ。その前に、大事な事を聞き忘れていたのを思い出した。

 

「…………女体化は、何時までで解除されるんですか?」

 

「数日くらいかな?そんなに長くは掛からないよ。『八神はやて』の事もあるし……まあ、6月4日までは何も出来ないけどね……」

 

それだけ告げて、今度こそ師匠は神崎家を後にした。

その後ろ姿を見送って、俺はリビングに戻り頭を抱えて未だ混乱の極みにある翔悟を見やる。翔悟は、仕切りに股間を擦り『あるよな?あるよな?』と呟いていた。

師匠?じゃねぇんだから、『俺』達に女体化が起きるはずも無いっていうのに……前日まで男だった師匠が、女体化していたらそりゃ心配にもなる。

 

「どうした?漏らしたりしたのか?」

 

「漏らしてなんてしてねぇよ!?殺されたいのか!?」

 

「返り討ちにあって、逆に死ぬのがお前の未来だ……」

 

「っ!畜生っ!!」

 

馬鹿が、馬鹿らしく床に崩れ落ちるのを見終えて俺は師匠?の事が気になったのでサーチャーを飛ばして様子を見る事にした。フレールくんに、サーチャーを潰されるのなら自ら死地に赴くつもりだ。例え、木端微塵にされてもこの溢れる好奇心を抑え切れない。そういう訳で、馬鹿にお願いしてサーチャーを翠屋へと飛ばして貰った。

馬鹿にサーチャーを飛ばさせるのは、バレた時に一人で逝くのはアレなので『共に死のうぜ!』の精神という道連れ(笑)。同一存在なんだから、死ぬなら諸共。←鬼。

さあ、師匠?はどんな生活を送っているのかな?

 

 

 

……………………………………………………

 

 

 

……………………………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

興味津々に覗いてみたら、師匠?はフリフリのメイド服で翠屋の店員を殺っていやがりました。パタパタと洗練された動きで、ウェートレスをやってのける師匠?。

 

「流石、桃子さん。テンプレですね!!」

 

「えっと……サーチャーに視線合わせてくる師匠?さんがとても恐いんですけど……」

 

「大丈夫だ。更衣室とかに行かなければ、殺される事はない。良いか?この位置で、固定しておくんだぞ?」

 

「イエッサー!!」

 

一蓮托生と言え、わかっている地雷で死亡フラグを回収する気はない。だから、翔悟にはしっかりと言い聞かせてサーチャーを固定化させる。でないとこの馬鹿は、わっかりやすいそのレベルのフラグも回収してしまいそうだ。

師匠?は、しばらく店員を務めながらこちらを気にしていた様だが、ずっと動かずにいると視線を外して業務に集中を始める。そして、ある程度お客さんが捌けてくると休憩を貰ったのかサーチャーのある場所までやって来た。

 

『…………ボクの観察かい?』

 

「ええ。何をやっているのか興味がありましたから……」

 

答えないという選択肢はないので、正直に報告して師匠の判決を待った方が利口というもの。師匠?は、『そうか……』と言ってそれっきり何も言わなくなった。

多分、自身が女体化した事に対しての興味なので深く考えるのを止めたらしい。それと、サーチャーを動かさなかった事が項をそうした模様。

その後、お昼が終わってお客さんもチラホラ見かける程度となると師匠がフリー状態に。桃子さんも、それがわかっていたらしく師匠に一度上がる様に進めた。

だけど、師匠は高町家に戻る様子もなく、メイドさんのまま箒を手にテラスに立つ。

 

『ソウニャ、歌いまーす♪』

 

箒をマイク代わりに、師匠?は良くわからない事を言い出した。どういう理屈で、『歌を歌う』なんて発想ーーまあ、そういうアニメが無かった訳ではないーーが生まれるのか意味不明である。

 

「暇を持て余しているからって歌うとか……」

 

「止めろ!死亡フラグを建てようとするな!!」

 

全く、あの人の行動パターンは読めなくて困る。

今は、女体化している事もあって余計に読めない。

 

『キラッ!流星に跨がって~♪』

 

ゴンッ!ガンッ!!

良く知る曲に、俺と馬鹿が同時に頭を机に叩き付けた。余りにも、あんまりなそれに力が抜けきってしまったのだ。

 

「~~~~っ!って、誰だぁ!?師匠に、マク○スフ○ンティアのラ○カ・リー『星間飛行』を仕込んだ奴は!?」

 

「振り付けまで、完璧に踊ってやがる……これ、相当なマニアだぞ!?」

 

「師匠?の事だ……何の歌なのかも知らずにヤっている可能性がある。つーか、生まれた時代が違うだろう!?」

 

歌だけでなく、振り付けに及ぶまで完璧に踊る師匠。

多分だけど、俺はこれを師匠に仕込んだ人が誰かわかった気がした。【鮮血の】さん、何してくれてやがりますか!?師匠が、昭和から平成に掛けてのアニメを知らないからって、純粋無垢な師匠になんて事をしてくれているのかちょっと苛立つ。

しかも、黒歴史確定の『星間飛行』とか何てチョイスをするんですか!?もし、師匠がその事を知ったら荒れますよ!?『またかっ!?』って言って……。

 

「どうすんだよ!?教えんのか!?」

 

「いや、黙っておいた方が良いだろう。下手に地雷をつつく訳にも行くまい。俺はまだ、死にたくもないからな……」

 

「…………だな。俺もまだ、死にたくはない。OK黙ってるよ……つーか、バレたら殺されるってわかっててもそれをする【組織】の奴等が怖いわー……」

 

「痺れて憧れたのか?」

 

「それはない」

 

翔悟は、キッパリと断言してしまった。

未だ、『星間飛行』を歌って踊っている師匠から視線を背けて俺達は現実逃避を行う。ぶっちゃけ、あんな危険人物にネタを仕込むなんて正気の沙汰ではない。

バレたら、終る。何もかも、失ってしまうだろう。

例えば、趣味で造った一分の一スケールのMSとかヴァルキリーとか…………いや、教えた方が良いかも知れない。

 

「ちょっと、怖いけど……師匠、それアニメの歌と踊りだって知ってるんですか?」

 

「え!?ちょ、黙ってるんじゃなかったのか!?」

 

『…………それ、本当?』

 

「ひぃっ!?」

 

女の子らしい高い音感の声が、冷え冷えとした暗い感情を含む音色へと変化する。それを聞いて、翔悟が小さな悲鳴を上げるが、その感情の大元を向けられている俺ではフォロー出来なかった。

 

「え、ええ。『マク○スフ○ンティア』っていうアニメのアイドルが歌っていた『星間飛行』っていう題名の曲です」

 

『にゃははは。そうかそうか……【鮮血の】めぇ……』

 

あ、ヤッパリそれを師匠に仕込んだのは【鮮血の】さんでしたか。あの人も、そういう死地に向かう行為を平然とされるので驚かされる。

しかも、地雷源に特大の核を埋め込むのが大好きな人だ。

踏んだが最後、周囲の地雷をも巻き込んで大爆発させる事を目的としているから厄介この上ない。

理由を聞けば、『纏めて、地雷処理♡』とか言い出しそうだから困る。その地雷を処理する為に、その土地を住めない様にする様な人だから頭が痛いとしか言えない。

要は、あの人も問題児なのだ。

トラブルメーカーレベルではないにしても、【鮮血の】さんも相当なレベルの問題児なんだろう。それに加えて、重度のロボ系アニヲターー何だろう?一瞬、『終わた……』という思考が割り込んで来た様な気が……ーーみたいだから、師匠にはそっち方面の歌や踊りを仕込まれているらしい。

アレかな?仲間が欲しかったから、同類を作ろうとして失敗しました!的な感じが強い様な気がする。つーか、同類って……師匠みたいな、未来人捕まえてそれーーどんな『モノ』であろうと下地は必須ーーの価値もわかってない者に突っ込んだところで何になろうか!?類友を求めたいなら、同じ趣味の人を探せば良い。【組織】にいないのなら、“外”に求めれば良いものを……。

結局のところ、師匠はその一曲だけを歌い終えて一度昼休憩に上がる。その際に、大量の苦情メール(ウィルス付き)を【鮮血の】さんに送っていたから報復は終了したと思われた。ただ、【鮮血の】さんは天才科学者なのでそのウィルスがどこまで通用するかはわからない。

何はともあれ、師匠の気が済んだ(一時的に)みたい。

今は、学校から帰ってきたなのはさんの相手をしている。

なのはさんは、左右にフェイトと師匠を侍らして目の前にはプレシアさんとアリシアという完璧な布陣で楽しそうにしていた。そこに、はやてもやって来てとても楽しそうに会話を弾ませていた。今日は、すずかやアリサは居ないーー習い事の日?ーーみたいだけど普段と変わりないくらいに賑やかだ。

 

「くっ……あんな事さえなければ、俺もあの輪にいたはずなのに……なんて、羨ましい……」

 

「プレシアさんがいるから、焼かれる事は前提だよな?」

 

「……………………」

 

翔悟が、全力で羨望の眼差しをサーチャーから送られてくる映像に向けているが、その妄想は二度と実現しないモノだ。まあ、「妄想くらい」はとは良しとしているけど……口にはしないで欲しい。

 

「キモいぞ?お前……」

 

「同一存在だろう!?ハッ!まさか、アレを見て何も感じないのか!?こんなに、最高のシチュエーションが目の前にあるのに……腑抜けたのか!?」

 

「きらびやかではあると思うけど……萌えたりはしないよ」

 

これ以上に、綺麗所が揃っている所を見たからな【組織】で。アレに比べたら、【リリなの】原作人物は少し劣る。

師匠曰く、『人外のお茶会』は地味なのから露出を気にしない者まで集まった超が付く桃源郷だった。

アレを知っているが故に、これを見ても然程何も感じないのである。それに、まだ彼女達はロリだ。

 

「牙を抜かれて、枯れたか!?同一存在!!」

 

「いや、つーか、お子様に欲情はしねぇよ!?」

 

「はぁ!?良く見ろよ!数年後には、最高の女になる逸材達だぞ!?わかってるのか!?」

 

「じゃあ、その数年後に萌えるから今は放っておけよ……」

 

ぶっちゃけ、そういう変態に絡まれたく無いんで放って置いて欲しい。余り話し掛けられると、お前と同類視されてしまうじゃないか。俺はもう、ロリコンじゃないんだ。

 

「お前の言ってる意味はわかる。だが、すまんが俺はもうロリコンじゃ無いんだ。この光景を見ても、欲情はしない」

 

「ば……そんな、バカなッ……!!?」

 

翔悟は、一歩二歩下がるとカクンと力が抜けたかの様に膝を付き、そのまま前のめりに上体を落として両手を床に突いた。それは、とても綺麗な『orz』だったと言っておこう。ちょっと、芝居がかってはいたけれど素直に賞賛出来てしまう綺麗な『orz』だった。

 

「気は済んだか?」

 

「…………ああ。ショックは、ショックだったけど……気は済んだ!!つーか、本当に何も感じなくなってるのか?」

 

「まあ、可愛いとは思うけど……絶対に、『手に入れたい!!』とは思わないなぁ……」

 

「マジかぁ…………俺は、超欲しんだけど……」

 

『欲望強化されてるんじゃない?』

 

「あー、かも知れないn…………」

 

俺と翔悟の会話に、師匠が割り込みを掛けて来た。

それに、翔悟が答えかけて顔を真っ青に染め上げる。

そして、こちらを向いていた翔悟はギギギ……と油を刺していない扉みたいに動きの悪い動作で振り返って行く。

本当にネタの好きだな……と思いながらその小ネタに視線を向けていると、ニュウッと出て来た二つの手に顔を挟まれてグギッと強制的に前を向かされる。

 

「ウピョッ!?」

 

「うわぁ……」

 

翔悟から、奇妙な悲鳴が上がった。『それ』を見ていた、俺の口からとても嫌そうな声が出てしまう。

因みに、『それ』とは小さく開いた空間の“孔”から手がーー多分、師匠の手ーー延びて来たという現象の事。

それと、無理矢理正面を向かされた事による翔悟の首へのダメージ等を含む一連の光景に対しての事だ。

 

「く、首がぁ……」

 

既に、延びてきた両腕は無くなっているが翔悟は自分の首に手を当てて、その激痛に悶絶していた。まあ、無理もないけど……先程のネタは、今後気を付けようと心に誓う。

 

『他にも、色々強化されていそうだな……』

 

「その内、日に何度かエロい事をしないと死に至るとかいう呪いを受けていたり……とか?精力増強の裏特典(笑)」

 

『にゃははは。もし、そうなら……発動条件としては、原作人物達から離れるといった行為によるもの……かな?』

 

「もしくは、原作から離脱した場合ですかね?」

 

『自慰系バッドエンドだね。救いがあるとすれば……』

 

「自分で抜く行為が、カウントされるかでしょうね……」

 

「ちょ、変な事言い出すなよ!?」

 

それか、誰かに抜いて貰うとかそういう呪いだろう。

いや、基本的に裏の特典は自分ではわかりにくく、致命的な精神ダメージになるモノが多い。故に、誰かが巻き込まれる事は希だ。100%無いとは、言い切れないが他人を巻き込んで致命的な精神ダメージになるのは限られる。

それでも、複製型インスタント・ソウルである翔悟には死亡フラグは回避出来ないと思われ。

前回の浅上兄妹の事を考えれば、複製型インスタント・ソウルは使い捨て扱いだ。目の前にいる【神崎大悟】だって、どんな改造がされているかわかったもんじゃない。

 

「……男に抜いて貰うとかじゃ無いですか?」

 

『お?ハプシエルの出番か!?』

 

「ハ?…………ハプシエルッ!?え……ちょ、何で!?」

 

「あー……そう言えば、師匠の召喚契約に居ましたね……」

 

記憶に新しい、とても嫌な存在を思い出してしまう。

流石にアレは、ガチ・マジ無いわー。

微妙に憔悴したハプシエルを送還する際、ハプシエルを留めておく逸材として囮に使われたのだ。右手で額をガシッと掴み、『くっ……』と言いつつ方膝を付く。それを見た翔悟が、青ッポイ顔で怯えながらこちらを見ていた。

 

「あ、厚ぼったい唇があぁあぁぁぁ……紫のルージュがああぁぁぁ……!!」

 

唐突に大声を張り上げ、頭を抱えて床にゴロンゴロン。

悶絶して、適当に頭を床に打ち付けて見せる。結果、翔悟がマジでドン引きしていた。このネタが出来るのは、『ハプシエル』という名前が驚異の存在だという事を知っている者が近くにいて、それが撒き散らす絶望がどういったモノなのかを理解している奴が居ないとイケない。

まあ、どちらかを満たしていればOKなんだが……ここには、その二つを知る馬鹿がいる訳よ。ヤらない理由はない。

 

『そう言えば、囮にしたんだったか……』

 

「お、囮っ!?」

 

そして、師匠の援護射撃である。

師匠は、そんなつもりはなく事実のみを告げているのだろうけど……俺に取っては最高の援護射撃だ。言うまでもなく、翔悟は真っ青な顔になってビクビクと怯えていた。

 

『次、召喚する時は……囮が二匹いるから、楽そうだよね』

 

「……………………」

 

いや、うん。師匠的には、悪気はないのだろうけど……その発言はちょっといただけない。本当に召喚するなら、奴を留める囮は翔悟のみでお願いしたかった。

 

「ちょ、師匠!囮なら、翔悟のみでお願いします!!」

 

「おまっ、何人に押し付けようとしてやがるんだ!?ふざけんなよ!?」

 

「ああ!?お前は、体験した事無いだろう!?お、俺は、ムッキムキの筋肉に抱かれて、無精髭がチクチクする頬で頬擦りされたあげく、厚ぼったい唇で数分間もディープな悪夢で拘束されたんだぞ!?あんな体験、二度としたいと思うか!?」

 

「うわっ……ち、血の涙だと!?」

 

奴が、魔法陣の中へと消えていくその瞬間まで俺は拘束された。ブッとい舌が、喉奥を蹂躙しあっちこっちを舐め回して来る。その度に、込み上げてくる吐瀉物がまた無理矢理に押し返されて行く地獄を翔悟は知らない。

あんな絶望的悪夢を、再度体験したい何て言う奴がいたらマジ尊敬するよっ!!

 

「お、囮なんて、俺は二度と御免だね!!」

 

両腕を掴み、翔悟を前後に振り回していると納得してくれたのか、コクコクと返事をしてくれて俺はなんとか精神を落ち着けた。つーか、その時になったらガチで逃げます。

師匠との、デス・マーチも辞さない予定。

 

「なら、そんなのに俺を巻き込もうとするなよ!?」

 

「自分と同一存在だというなら、一蓮托生だろう!?お前も体験しとけよ!?」

 

『じゃあ、翔悟のお仕置きはハプシエルって事で!』

 

「「あんた(師匠)は黙って(てください)ろ!!」」

 

『…………くすん、……』

 

師匠まで、ネタに走っている様な気がするが今はそれを気にしている暇が無かった。何はともあれ、巻き込まれたくない翔悟と巻き込みたい俺との言い争いが続く。

そこに茶々を入れる師匠が加わって、かなり混沌とした良くわからない言い争いが行われてしまう。

全く、何でこんな事になってしまったのやら……これも全て、馬鹿がハーレムを諦めきれてないせいだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 




ソウニャ、女体化です☆(笑)。(本当は、神崎を…………)
ツルペタ幼女(12歳)です☆(笑)。
これで、DASSに参加出来る様になりました。史上最悪最凶があれに参加するキップをGET。目を覆いたくなる事実に作者は絶望です!!orz
この状態だと、女性の裸……怖くないんだよー?。
幼児後退もしないよー。理由は不明(笑)(笑)って事で。
設定はあるんだけどね。まあ、ネタ的な何か(笑)だと。
神崎が、現実逃避してるけど……(笑)。
まあ、色々あるんだよ。

星間飛行は、思わず殺っちゃいました。
キラッ(*ゝω・*)v
後は、神崎渾身のネタです。
送還時に囮にされたのは本当。哀れ、神崎(笑)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。
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