絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一六五話

???

 

 

その頃、SAOモドキ世界の者達はというと……。

ギルドを立ち上げ、ホームを購入する為に奔走していた。

彼等の能力なら、あっという間に上層部へと至れるはずなのだが……アインクラッド内、全てを掌握し転生特典で追加されたモノ含めて全情報・異端技術をかき集めねばならない。

故に、階層攻略を一旦棚上げにして侵入可能な場所(困難な場所含む)をしらみ潰しに捜索・収集していた。

その上で……それならば、ドッシリと腰を下ろして捜索した方が良いだろうと鉄が提案したギルドを立ち上げる事にしたのである。それと同時に、ギルドシステムに付いてのアレコレの確認と検証から始めよう!と。

何処に何が追加されて、抜けているのかわからない為に……彼女達は、拒否する事もなく、促されるままにギルドホーム購入の為に奔走している。

全ては、検証という名の鉄の我が儘の為に……だ。

ギルド名は、【飢餓獣vs肉食猫(キガケモノバーサスニクショクネコ)】。

意味は、餓えた獣なら肉食猫科の王者に勝てるのではないか!?というモノらしい。

もちろん、考えたのは鉄。

周囲の意見を、適当に取り込んで付けたらしい。

因みに、周囲の意見がこちら(笑)。

 

すずかの意見。

『私、猫が好きだから【猫】って文字が入ってる方が良いかなぁ……』

 

翼の意見。

『飢えないなら、別に何でも良いわ』

 

守護者の意見。

『え?私もですか?……では、何かと戦う意思を……』

 

鉄の意見。

『弱肉強食……』

 

それらを、纏めたのが『飢餓獣vs肉食猫』である。

何を、どう纏めたらそうなるのかは不明だが……こうなってしまった。一度決められたギルド名は、二度と変更出来ない為に一生このままなんだとか……最早、泣くしかない。

変更するとしたら……一度解散して、再度立ち上げ直さない限りそのまんまだという事だ。

面倒な事この上ない。

ただ、ギルドに『ギルドレベル』なるモノがあった為、検証を優先させると解散して再度の立ち上げは難しいと思われる。再度、立ち上げるなら早期である今がチャンス。

だが、今のところギルドを解散させようという声は上がっていない。詰まる所、放置されている。

この名前が、決定された時の彼等の反応はというと……かなり微妙だったはずなのにだ。一時、不穏な空気が流れたはずだが鉄の『名前なんてどうでも良いんだよ!要は、活動の内容だろう!?』という責任丸投げ発言によって……矛先は、鉄へと向かう事になる。

その後、誰もギルド名には触れていない。

理由は、不明。

何はともあれ、現在彼女達が抱えている検証案件を上げて行くと。

 

一つ目、『時々現れる黒い獣型モンスターが落としていく奇妙な欠片』。

 

高レベルモンスターではないが、たまに出現して来る黒い獣がいる。倒すと、『???の欠片』というアイテムを高確率で落とすのだ。ステータスシステムのアイテム詳細情報にも詳しい事が載っていないので、現状アイテムストレージの肥やしとなっている。だが、武具の購入が必要ない彼等にとってはどうでも良い事だろう。

 

二つ目は、『下層にいた大富豪』。

 

低階層に、超が付く程の大富豪が隠れ住む豪邸があった。

それは、10階層にある中心都市からかなり離れたドン詰まりの場所。マップには載っていないので、見落としがちになるモノだが……偶々、翼が道を間違えて行き着いたのがその豪邸だった。現在はまだ、クエストを発行していないが……クエストを発行するNPCだという事がわかっている。

ただ、どうやってもそのクエストを受ける事が出来ないので放置する事しか出来ないでいた。

 

三つ目が、『噂の死黒竜』。

 

アインクラッドの何処かに、死を撒き散らす《死黒竜》がいるらしいという噂をチラッと聞く。それも、かなり大雑把なモノでうっかりしていると見逃してしまうレベルのフワッとした噂だ。一応、ドラゴンの一種だったので継続して情報を集めていた訳だが。だが、まだ最初の障りの部分を得たところなので詳細は不明。もしかすると、あのレベル二千万の案件に関わるモノかもしれない。

 

四つ目が、『伝説のアーティファクト』。

 

そういうモノがあると、まことしやかに囁かれている。

これも《死黒龍》同様、フワッとした大雑把な噂だった。

うっかりしていれば、見落としがちになる情報である。

しかも、ALOではなくこのアインクラッドの何処かに隠されたダンジョンにいるらしい。

 

その情報を得た時、彼等のリーダーである翼はそのダンジョンの行方を探すかどうかで迷ってしまった。

何故なら、それが都市伝説レベルの情報でしか無かったからだ。常識的に考えて、『存在しない』と判断した方が健全だった。

しかし、この世界は転生者達によって創り出された……言わば、【夢の国】。例え、都市伝説レベルのあやふやな情報でも、限りなく黒に近い情報である……と鉄に説得され、渋々彼女はそれらの捜索を決意する。

 

「とは言え、どうあがいても現状では何処にあるかまではわからない状況だ。地道に情報を集めて行く必要があるだろうな……」

 

「ですね。何、時間はタップリあるんですからドッシリ腰を下ろしてジックリ調べて行きましょう!!」

 

何処か、楽しそうな鉄がそう宣誓し……その流れで、ギルド立ち上げを鉄は皆に提案したのである。

要は、ギルドのシステム的なアレコレの検証が始まった訳だ。故に、やるべき事が多くストレスが溜まりに溜まっているはずの彼等でも、そのシステム的なアレコレの検証提案を拒否出来ず受けざるを得なかった。

ドラゴンの情報も、現状暗礁に乗り上げた状況だし……双夜が居れば、【真実の瞳】で一発看破出来たのだが。

この場に居ない者に、文句を言う訳にも行かず地道に検証を重ねるしかなかった。

そして、それ等を比較する対象が……鉄が覚えている、原作知識の断片である。しかも、完全ではない鉄の原作知識から原作内で出てないと思われる……もしくは、全く覚えのない範囲の事案モノを上げた結果、検証が必要と思われる案件が以上の四つだった。ただし、『多分』の付くレベルの断片知識なので何処までが正しいのか微妙に怪しい。

 

「クソォ……小説も読んでおくんだった!アニメ知識だけじゃ、かなり難しいぞ!?…………多分、この欠片が原作とは違うと思われる、んだが……」

 

ステータスウィンドを開き、アイテムストレージを見ながら鉄がブツブツと説明する。

現状、このメンバーの中でSAOの原作を知っているのは鉄ただ一人。翼は、SAOという小説がデビューする前にその生涯を終えてしまったのでそれに関する知識はない。

故に、鉄のあやふやな記憶だけが頼りだった。

そもそも、鉄が覚えているアニメ知識事態も断片的なストーリー重視の物語だけで、システム的なアレコレやアイテム等の詳細情報等にかなりの情報規制があり、それが現状の難易度を更に引き上げている理由だ。

 

「本当に……神崎さんか、双夜が居れば楽だったのですが……こればっかりは、高難易度な検証になりそうですね」

 

「そこ!ないモノねだり禁止っ!!」

 

守護者の青年が、呆れた様子で予想されるその困難を嘆くと、鉄がすかさずツッコミを入れる。

 

「この世界って、小説やアニメだけじゃなくゲームとかのモノも混成されているのよね?」

 

「たぶん……小説やアニメでは語られなかった部分をゲーム等で上げられたモノ辺りで補完したんだろうね」

 

「じゃあ、そっち方面のストーリーも混成しているって事?『SAO関連』って括りで一纏めにした感じでしょうか……悪夢ですわね(苦笑)」

 

「えっと……何本くらい、ゲームって出てたのかなぁ?」

 

「さぁ……ゲーム媒体は、たくさんあったから何本とかはわからないな。それに、SAO関連と括るなら……その世界観を使って、一般人が二次創作した同人的なモノも含まれてたりしないか?」

 

『……………………』

 

瞬間、その場に居た誰もが黙り込んだ。

気が付かなくて良い、可能性に気が付いてしまった彼女達はついに頭を抱えて嘆きの声をあげてしまう。

 

「そんなの、どうすれば良いのよ!?」

 

「一体、どれだけの人がそんなモノを創ったの!?」

 

「数万人でしょうか……」

 

「ネット小説含む、同人誌方面数多……どんな悪夢だよ……」

 

「……ねぇ。薄い本とか、含まれているのかしら?」

 

「工口物語!?それだと、超範囲にならねぇ!?……ってか、無事だったんだから含まれねーんじゃねぇ?」

 

因みに、鉄が告げた『工口』は『エロ』ではなく『クコウ』と読む。禁止用語ではないが、漢字で表現だよ漢字(笑)!

工業の『工』に、『口(クチ)』で『工口』だそうだ(笑)。

誰に対する、何の言い訳なんだろうねぇ?

 

「無事で無かった方も居ましたけどね……」

 

無事で無かったのは、シルフ領のリーファ達。

そして、まだ会わぬキリトとアスナに関しても気になる所。

 

「シリカやリズ達は、そんなに人気じゃなかった……って訳でもねぇーな。はて、何が運命の分かれ目となったのか……これも、検証するべきか……しない方が良いのか……」

 

「「しないよ(わよ)!?」」

 

「デスヨネー……」

 

とりあえず、R指定方面の検証は禁止の方向で。

今後は、主人公であるキリトとヒロインであるアスナを探す方向で話は纏まった。それも、現状から見てそれ程急ぐ事もないので他の検証をヤりつつ、『見付かれば良いなぁ……』程度のモノ。先ずは、『???の欠片』を集めつつホーム購入の資金を集める事となった。

 

「護衛は、一人に一人付くんだろ?なら、二人一組でバラけた方が良くない?」

 

「そうね。すずかには、《神殺し》本人に付いて貰って私達は使い魔に付いて貰う……で、良いかしら?」

 

「うん。問題ないよ!」

 

すずかの了承も得られたので、彼女達は拡散して黒い獣を討伐し続ける事にした。今は、『大富豪』にしろ、《死黒竜》にしろ、『アーティファクト』にしろ、情報が揃い切ってないモノに関しては放置の方向で。

そこで、一番簡単な《黒い獣》が落とす謎のアイテムを集める事が得策だろうと判断した訳だ。敵と遭遇して、倒すだけで良いソレは全員一致の了承を得て実行される。

そして、掻き集められたソレはいずれ得るホームの共有倉庫に数千個単位で納められ肥やしとなるのだった。

双夜の【真実の瞳】で、その真価が判明する時まで(笑)。

しかし、彼女達は大量に『???の欠片』を集めて行く。

ホームを購入する資金と共に。

 

 

 

………………………………………………

 

 

 

………………………………

 

 

 

………………。

 

 

 

数日後。

 

「で、言い訳を聞いても良いですか?」

 

「「「……………………」」」

 

山積みになった、『???の欠片』を前に彼女達は黙り込む。その目の前で、腕を組み仁王立ちする守護者。

掻き集められた、数千個の使い道不明の謎アイテム。

 

「「ゲーヲタの魂が……」」

 

「で、でも、ホーム購入の資金は集まったんだから良いじゃない……です……か……」

 

「はあ……それでも、限度というモノがあるでしょう?持ち物ストレージを圧迫させる程、集める必要はなかったのでは?」

 

こめかみをピクピク、苦笑い気味の守護者を前に彼女達はタジタジである。ゲーマー魂に火が着いたのだとしても、彼女達自身が『やり過ぎ』を自覚しちゃっているのだから言い訳もしにくい。

 

「え……えっと……ほ、ホームを購入すれば、共有のアイテム倉庫が使えるから大丈夫だよ!なぁ!!」

 

「そうなの?」

 

「えっと……」

 

「クソッ!味方がいねぇ!?」

 

知識のない者に、助けを求めても帰って来るのは疑問の声。悪態を付いて見上げれば、スッゴク良い笑顔の守護者が彼を見下ろしていた。

 

「とりあえず、ちゃんと考えて行動してくださいね?今回は、ギルドホームで共有の倉庫が使えるという事ですから深くはツッコミませんが……」

 

「はい……」

 

守護者の言い分に、肩身狭く縮むゲーヲタの二人。

片や、元病人で親が買って来たゲームを暇潰しにヤっていた翼。もう一方は、ゲームが好きで引き籠りでは無かったけれどバイト以外の時間はゲームに注ぎ込んでいた鉄。

どちらも、やり込み派だった。

今回は、それが仇となった形だ。

因みに、『???の欠片』を一番多く集めて来たのは翼。

その次が、鉄。すずかも、百近く集めていた。

いずれにしろ、その黒歴史はギルドホームの共有倉庫で保管される事に。『???の欠片』については、棚上げされる事になった。

 

「それでは!ホームを購入して参ります!!」

 

「ちょ、待ちなさい!リーダーは、私なのよ!?どこを購入するかくらい、私に選ばせなさい!!」

 

気を取り直して、鉄が元気良く敬礼をした後空気が重くのし掛かるその場から逃げ出して行く。その後を、翼が追い駆けて行って守護者のお説教はうやむやにされた。

 

 

ギルドホームは、攻略最前線の15階層に設けられる事となる。今後、メンバーを増やしたりギルドを大きくするとは考えられないけれど、そこそこ規模のあるホームを購入。更に、そこへ秘密基地MkーⅡを設置した。

ついでに言うなれば、15階層にホームを設けた理由がもう一つある。それは、転移門に関する理由だった。

前回の襲撃に伴い、転移門の破壊を優先していた彼等だったが……転移門は、5階層毎に《神殺し》の転移術式と置き換える事を決定。1・2階層には人がいないので転移門を設置する意味はなく完全に破壊して放置。

3階層から、5階層まではフロアボスが復活する可能性があるけれど突破出来ない訳じゃないので転移術式の設置は見送り。故に、5階層からの設置と相成った。

そうした理由としては、10階層にいる大富豪の検証を進める為だ。ソレに対応する為には、転移門の破壊は移動に不便という事で再検討された結果である。

襲撃者の事があるので、全ての階層の転移門を残す事は出来なかったが……《神殺し》の術式ならば、魔力での起動をしないと使用出来ないので調度良かった。

因みに、1・5階層の転移術式は受信専用。

5階層から10階層までは、普通に1日程度で駆け抜ける事が可能だからという理由。

結論的には、1階層から10階層までが転移門無しの階層。10階層から上は、5階層毎に転移術式の置き換えが決定した訳だ。完全に、襲撃者対策である。ただ……上階層で、また別の判断が必要だとは思われるが……それは、その時になってからっという事で棚上げする事に。

 

「とりあえず、一階層のイベントや隠し迷宮はこれくらいか?《黒鉄宮》は、まだ開いても無いだろうから現状は以上だな……」

 

「《黒鉄宮》?」

 

「えっと……上の階層の攻略度によって開く隠し迷宮だよ。現在はまだ、開いてもなかったから放置した……」

 

「ふーん。そんなのも、あるのね……」

 

「とはいえ、あれはSAO自体にあった迷宮だ。追加迷宮じゃないから、攻略する必要もないと思うよ?」

 

「ですね。私達が、ヤらねばならないのは追加された……本来ならば、存在しないイベントや迷宮ですから現存する迷宮の攻略は無しで良いです。ただ、暇があれば確認がてら攻略しましょう……」

 

「「え!?行くの?」」

 

「もちろん。追加要素が、あるかも知れませんからね……確認は、必須ですよ?」

 

「……成る程。じゃあ、一通りイベントは起こした方が良いと?面倒だけど、一階層から……か。はぁ……」

 

諦めた様子で、鉄が大きなため息を吐き出す。

だが、1・2階層には人がいない。どうやって、イベントを起こすというのだろう?条件を収得しようにも、人(NPC)がいなければ何も起こらない。

鉄は、頭を抱えて何度も溜め息を吐く。

 

「人がいない場所は、放置で良いんじゃないかしら?どうしたって、今の状態では何も出来ないでしょう?」

 

「まあ、そうなんだけどね。転生者ェ……とかいうと、思いっきりブーメランなんだよなぁ……」

 

「『踏み台』って呼べば良いんじゃないかしら?」

 

「……………………」

 

翼はそう言うが、一応彼もまた『踏み台』と呼ばれる転生者だ。裏特典の【迷い子】さえなければ、サブ主人公のポジションには届かなくてもそれなりのポジションに就けていた人材である。

ただ、当人の性質上……残念仕様ではあるけど。

 

「いずれにしろ、もう気に病む必要も無いでしょう?」

 

世界が変われば、彼のポジションも変化する。

踏み台から、一般転生者へとその在り方を変化させていた。それでも、彼の意識はまだ『踏み台』に縛られている。

あの【魔法少女】の世界から離れても、彼は『踏み台』転生者のままだった。

【主人公】に憧れ、目指していた訳じゃないにしても。

物語の中心で、物語の中核を担っていた訳じゃないにしても。彼が、神々に弄ばれた存在である事に代わりはない。

 

「救われないデスヨネー……」

 

「救われなかったんですか?」

 

「双夜さん、に、ですか?救われてないです……」

 

「…………フム。それは、勘違いでしょう。貴方は、既に救われた存在ですよ」

 

「え……」

 

「ここにいる……それが、答えでしょう?」

 

そう答える守護者だが、鉄にはピンと来なかった。

自分は、救われていないと考えている状態では何をどう救われているのか判断が付かない。首に掛けられた【お守り】を外せば、強力な認識阻害で右も左もわからなくなる状態だ。それをどう表現すれば、『救われた』等と言えるのか彼にはわからない。ここにいる事が、救いだと言う守護者の発言は彼の心に届かなかった。

 

「わからないなら、外してみれば良いじゃないですか。それでも、認識阻害で迷うなら《ルール・ブレイカー》で破棄して貰いましょう」

 

「……………………」

 

そう言われても、彼は【御守り】を外す事が出来なかった。だがしかし、この世界に降り立ってから【御守り】を外してないのも事実。

 

「……………………」

 

もし、【御守り】を外して問題ないのならば彼は救われていたという事になる。だが、彼にそれを確かめるだけの勇気はなかった。【御守り】を外せば、また迷うかもしれないという気持ちの方が大きく……それは、現在の彼に取っての恐怖でしかない。

漸く、落ち着いて同じ目的を有する仲間達と共に在れるというのにそれを放棄してしまう可能性を怖れていた。

だから、外せない。その一歩を、踏み出せない。

 

「まあ、無理にとは言いません。とは言え、既に効力を失っているモノを何時までも掛けていても良くは無いでしょう。いずれは、外せるようになって下さい」

 

「ふぇ!?効力を失っている!?」

 

「双夜は、言ってませんでしたか?それは、その場凌ぎの【御守り】であると……その内、効力を失うからそれまでに何とかすると……」

 

「…………そう言えば、言ってたわね……」

 

「……………………」

 

「そもそも、貴方の裏特典はヒロイン達との関わりを断つ為のモノ。周囲にヒロインがいない以上、効力を発揮するモノではないでしょう?」

 

「ええっ!?」

 

因みに、この場にいる『すずか』はヒロインにはならない。既に、その存在を御祓ヒロインの座から降りている。

それに、このSAO世界のヒロインは『アスナ』(他も含む)という女性だ。世界が違えば、その役割も変化するのは当たり前だろう。更に突っ込んでいうと、彼女が持っている【吸血鬼】という一族の性も薄れている。これは、SAOとALOという世界に【吸血鬼】という種族ーープレイヤー側にーーが存在しない事が上げられる。

攻略する側は、あくまで人間と妖精だけだ。

故に、例え敵に【吸血鬼】が居たとしても、彼女のそれが該当し活性化する事はない。即ち、血を飲む必要も発情期を向かえる事もないという事。

 

「まあ、トラウマというモノは誰にでもありますからね。ゆっくり、克服して行くと良いでしょう……」

 

「……………………」

 

鉄は、手に握る【御守り】を外そうとするが今はまだ無理そうだった。何故なら、トラウマの方が重いらしく【御守り】を握る手が震えている。

 

「急ぐ必要はありません。のんびりで良いのです……」

 

「………………了解……」

 

鉄は、ホッとしたように【御守り】から手を離した。

余程、【迷い子】だった時のトラウマが深層心裏にまで根付いているらしい。だがしかし、それはもう無用の産物。

放っといても、もはや彼を害する事もないだろう。

 

何はともあれ、彼女達は一階層へと赴き攻略を開始する。

一応、人がいるいない関係なくイベントが進むのか確認する必要があったからだ。

結論だけをいうと、一階層では何も起こらなかった。

何処まで行っても、何をやっても何のイベントも起こらない。仕方なく、二階層に上がって、フィールドをウロウロ。ここでも、何も起こらないと思いきや人影を発見。

二人の騎士が、戦っている場面に遭遇した。

片や、白い鎧を着た騎士。

もう片方は、黒い鎧を着た騎士。

それを見て、介入するか否かで一瞬の迷い鉄が飛び出して行ったので追い掛ける。翼達が、どちらを?と考えるまでもなく鉄が黒い方の騎士に味方したので慌てて白い騎士を全力で屠った。その後の展開は、SAOプログレッシブにて(笑)。ここでは、書かんよ(笑)。

 

「で、なんで黒い方の味方をしたのかしら?」

 

「え?……あー、スラッと鎧から伸びた脚が女性ッポかったから…………?」

 

「「………………変態ね」」

 

「さっきの、やっぱり返上させて貰うわ……」

 

「え?さっきのって?」

 

「鉄くんが、『踏み台』じゃないって話だよ……」

 

「うぇ!?ちょ、なんで!?」

 

「だって……あの人の、脚に反応して助けたんでしょう?セクハラだよ……それ……」

 

「いやいや、それ冗談だから!!」

 

「もう、既に取り返しは尽きません。もう少し、考えて発言した方がよろしいかと……」

 

「そんなぁ~~……」

 

鉄は、大袈裟に凹んだ様子を表現すると大きな溜め息を吐き出すのだった。こうして、彼女達は階層を跨ぐ長期イベントへと参加する。その先に待つ結末を求めて……。

 

 

 

 

 




SAOモドキ世界のギルド話でした(笑)。
名前の変更がないのは、ちょっとした嫌♡が♡ら♡せ♡♪。
その後の検証件題は、暖めていた神様特典による追加モノ。
チート級の何かしらが、組み込まれているらしい(笑)。
転移門に関しては、あんな感じで……後から、思い付きで付け加えた臨機応変モノ。移動とか、めんどいじゃん!
SAOは、漸く本編に入れた感じ(笑)。後は、主人公達と絡めて攻略深度を深めて行けば、双夜が何とかしてくれるはず!

鉄のSAO知識は、アニメのみのモノと制限を掛けてあります。これは、攻略深度を低くする為の小賢しい抵抗です(笑)。それでは、SAOプログレッシブであった小ストーリーを始めよう。つーか、鉄が判断材料にしたキズメルさん。鎧から、脚……出してたかなぁ?まあ、出てたって事で処理しておこう。(適当)(笑)。記憶違いって事もあるだろうけど……まあ、二次創作だし問題はない!って事で(笑)。
それにしても、ナイスタイミング。つーか、リアルワールドなのに……プレイヤー待ちでもしてたのかな?何処かで、誰かが運命の歯車を回しているんだよ……きっと。
視線そらし……。

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m(_ _)m

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