絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一六七話

双夜

 

 

そして、6月4日を迎えた。

何度目かの、【闇の書】起動現場に立ち会う訳だが……今回は、色々と違っていた。何はともあれ、起動した際に現れた守護騎士は困惑するリインフォースを含め五人。

その説明に来た訳なんだけど……現在、とても混乱中。

誰が、混乱しているかというと守護騎士と管制人格が。

それを横目にしながら、ホットミルクを飲んでるのがボクとはにゃて。完全に、傍観者として言い合いをしている守護騎士達を眺めている。

守護騎士の混乱は……【闇の書】が、完成していないのにも関わらず管制人格が外にいる状況に対してのモノ。

それに対するは、なんで外に出れているのかわからず混乱する管制人格。【闇の書】を開いてみても、一頁も埋まっていない真っ白なページが続く。

それを確認した上で、またも管制人格に視線が集まった。

 

「……………………………………」

 

その両者によって、放置されている【闇の書】の主と、前日から女体化した状態で立ち合いに来ていたボク。

はにゃてを間に挟む様な感じで、今か今かと彼女達がボクに気が付くのを待っているのだった。因みに、ボクが女体化している理由は薄着で現れるという守護騎士(♀)達に対する為だ。多分、それだけでも恐怖心に囚われると思われた。対象は、シグナムとシャマル先生。ヴィータは対象外。

ホットミルクは、モモちゃんが用意してくれたモノ。

『遅くまで掛かるかも……』というボクの言葉に、はにゃてと『一緒に飲んでね』と作ってくれた。

なので、シグナム達が、管制人格を見てギョッ!?として言い争いが始まった時にマグカップに入れてはにゃてにも渡している。そのおかげか、はにゃては苦笑いしつつボクと一緒にその言い争いを傍観中。

まあ、言い争い以上に発展しない限り止める事はないと思われ。ループを始めた言い争いに、何処かドラマを観る様な視線を向けてホットミルクを飲んでいた。

 

「お茶請けとかあらへんの?」

 

「……こんな時間にそんなもん食べたら太るだけだよ?」

 

「……せやな。けど……これ、何時まで続くん?」

 

「本人達が、納得するまで?もしくは、心落ち着くまでかな?とりあえず、声掛けてみたら?」

 

「えっと……真ん中の綺麗なお姉さんが、本来出て来うへんかった子なんやな?」

 

「うん。仲間外れにされるはずだった子だね。はにゃての要望により、ボクの能力で出現した管制人格さん」

 

【闇の書】が起動して、守護騎士が召喚される瞬間に干渉してナハトヴァールに管制人格を守護騎士認識させた。

そのすぐ後、無限転生機能を封印して次にナハトヴァールを作動不能に貶めたって訳。

今なら、中の基礎システムを弄っても問題なし。

暴走する事も、はにゃてを取り込んで転生する事もない。

【夜天の書】の基礎構造は知っているから、上書きしてしまうだけで【闇の書】は【夜天の書】へと戻る事が出来る。ただ、今は【闇の書】をヴィータが持っているので手が出せないでいた。

 

「で、ソウニャはその事を説明しに来たんやったんやろ?ええん?放っておいて……」

 

「今、話し掛けたら余計に混乱するから面倒。落ち着くのを待ってる感じかな?それに、今話し掛けたら間違いなく攻撃してくるだろうし……」

 

「そんなに凶暴そうには見えへんけどなぁ……」

 

「あの、ピンクのポニーテールが危険人物なんだよ。しかも、バトルジャンキーで事ある毎に模擬戦を申し込んで来るくらいに!!」

 

「…………せなんや……」

 

「そして、その度に八神家の財政を圧迫させる人物でもある。前にも見せたと思うけど、カートリッジをバカスカ使うから管理局に勤める時にカートリッジ節約令をはにゃてに出されるんだよねぇ……」

 

「確か、700~900クレジットするんやっけ?」

 

「魔力だけでも、500クレジットは掛かるからなぁ……」

 

「……………………」

 

はにゃては、未だに自分に気が付かない守護騎士達に視線を向ける。ちょっと、微妙そうな顔をしているけど家族が増える事の方が良かったらしく、それも一瞬の事で現在は今か今かと待っていた。

 

「……終わりそうにないし、もう寝ちゃう?」

 

「……ええんか?」

 

「こちらに、気が付かない彼女達が悪いんだし……良いんじゃない?ボクもそろそろ眠たくなって来たし……」

 

眠い云々は嘘だけど、これ以上はにゃてを起こしておくのはダメだと判断。ボクも寝るからと、はにゃてを説得してモソモソとベットに潜り込む。

因みに、ボクは今透けないネグリジェを着ている。

本当は、なにょはママと同じパジャマで良かったんだけど……女体化(12)用くらいのパジャマが無かったーーなにょはママ(9歳)のサイズでは、ボクに合うサイズのパジャマが無かった為ーーので、翔悟の財布から諭吉さんを何枚かいただいてモモちゃんに渡したらこれが返ってきた。フリフリレースの付いた、可愛らしい透けないネグリジェが……だ。

 

「……せやな。なら、お楽しみは明日にするわ」

 

「おやすみぃ…………」

 

「うん。おやすみや~…………」

 

はにゃては、そう言って目を閉じるとすぐに夢の中へ。

やっぱり、ちょっと無理していたモヨウ。

なので、ボクもサイレント結界を展開してお休みなさい。

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

…………………………

 

 

 

………………。

 

 

 

翌朝。

目を覚ますと、目の前にレヴァンティンが突き付けられていた。視線を上げれば、こちらを冷たい目で見下ろし剣を突き付けているシグナムの姿。

しばらく、ボーとそれを見ていたけれどどうでも良い事なので目をコシコシ擦って適当に払い除けた後ベットから降りて立ち上がる。

そのまま、てくてくと部屋を出てリビングを通り廊下へ。

ヴィータが居た気がしたけど、今は優先される事がある。

廊下を奥へと進んで、お風呂と脱衣場の手前にあるトイレへ入った。

トイレを済ませたら、今度は脱衣場へ行って顔を洗う。

サッパリした所で、台所へ行って朝食の仕度を始めた。

そうこうしている内に、はにゃても起き出して来てボクのお手伝いをしてくれる。その背後で、混乱から回復したシグナムがはにゃてを庇いつつすぐに飛び掛かれる位置をキープ。その上、ボクを不審者扱いで『危険はないのですか?』とか……『放り出しましょう』等と進言している。

 

「嫌われとんの?」

 

「職務に忠実なんだよ♪ 気にしない、気にしない」

 

「もう、ソウニャは危険やあらへんから……大丈夫やて!」

 

「し、しかし……」

 

何はともあれ、朝食の準備を終えたボクは食器を取り出しリビングのテーブルに並べていく。並べ終えて、椅子等も用意し終えるとボクははにゃての隣に陣取った。

 

「ほな、みんなテーブルに着いて……」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

はにゃてが、守護騎士達+αに席を進めると、困惑しつつも守護騎士+α達はそれぞれの席に座っていく。

全員が座り終えた所で、はにゃての『いただきます』という号令と共に朝食がスタート。ただし、ボクとはにゃて以外は用意された食事に手を出さなかった。

 

「なんや?食べへんのか?冷めてまうで?」

 

「あー、多分警戒心の方が高いんじゃないかな?」

 

「?何を警戒する必要あるん?」

 

「さあ?この場合は、ボクに対する不信感……かな?」

 

「ソウニャちゃんは、私の友達や。なんも、警戒する必要あらへん。ほら、御飯食べよ」

 

そんな事を言っても、守護騎士として警戒するのを止める事は出来ないだろう。そもそも、ワザと説明も何もせずにこうして日常を演出している訳だし。

 

「……は、はぁ……」

 

困惑するシグナム。とりあえず、この場での受け答えはシグナムがするモヨウ。管制人格は、沈黙中。

 

「お箸とか、使い慣れてないだろうからパンとかフォークを用意させていただきました。まあ、お箸とかはこれから頑張って使える様になってください……」

 

「…………お前は、主の友人だったのだな……」

 

ここで、シグナムがボクに確認を取ってくる。

 

「無粋だなぁ……そんなん、はにゃてと共に居たらわかるだろう?それとも、ボクを捩じ伏せてからじゃないとわからない訳?バトルジャンキーは、はにゃてにお説教されたいんだね?」

 

「うっ…………」

 

バトルジャンキーは、顔を歪めて黙った後すがるような目をはにゃてに向ける。まるで、怯えた子犬だ。

それが、ツボに入ったのかはにゃてが大笑いを始める。

 

「あはははは!」

 

バシバシと机を叩いて、お腹を抱えて大笑いする主に守護騎士達は口を開け呆然とした顔ではにゃてを見る。

シグナムに至っては、完全に怯えた子犬状態だ。

 

「……はぁはぁ。ほんま、聞いとった通りや……」

 

「き、聞いていた?」

 

「ボクが教えたんだよ。君達の事をね。ボクは……この時代から見て、10年後の未来から来た未来人だからね」

 

「…………未来、ですか?」

 

「うん、先生。……あー。『先生』ってのは、未来のシャマル先生が【お医者さん】で……みんなの体調管理とかしてるから『先生』って言っちゃうんだ。ちょっと、癖になってて先生って呼ぶけど構わないよね?」

 

「それは、構いませんが……」

 

「じゃ、そのままで……それで、ボクがこの時代にいるのは未来で本来あるべき時間とそうでない時間が入れ代わっちゃったから。そのせいで、ちょぉーっと次元が裂けて良くわからない状態になったんで、過去へと戻りその原因と思われる歴史の改竄をする事になったんだ……」

 

「次元が裂けた!?それは、どんな状態だ!?」

 

「えっと、過去現代未来をごちゃ混ぜにして、破滅因子をこれでもかーっとブチ込み。不幸運を連続連鎖させた所で、一般人全員を丸っと過去の凶悪犯罪者にすり替えて……時空管理局を、リンカーコア封じのレアスキル持ちに襲撃させて質量兵器で虐殺した結果の世界?」

 

「…………何言ってんだ?お前……」

 

ヴィータには、意味が通じなかったモヨウ。

 

「だーかーらー!過去に存在した犯罪者及び、未来に生まれるかもしれない犯罪者が一つの時間軸……詰まり、現代に集結。その代わりとして、一般人がそれぞれの時代に跳ばされて消滅?ぶっちゃけ、行方不明で消息不明に。当然、犯罪者って時空管理局に怨みを持つ者オンリーな訳だから……偶々見付かった、『リンカーコア封じ』ってレアスキルを持つ者と共に時空管理局を襲撃。質量兵器で、虐殺蹂躙して世界は犯罪天国へと早変わり。その結果、ボクの周囲にいたはにゃて達が拐われて犯罪者共の慰みものとなった訳だ。ボクは、その未来が嫌なんで過去の歴史を改竄して未来を幸せなモノにする為に行動しているって言ったの」

 

「あれ?そんな話やったか?」

 

「「「「……………………」」」」

 

はにゃての発言で、守護騎士達から疑いの視線を向けられる。全く、はにゃては一体いつの話をしているのだか。

 

「あのねぇ、なにょはママを助けた事で未来が変化したんだよ。はにゃてが言っているのは、なにょはママが居なくなった未来の話でなにょはママを助けた今、その未来は消滅したの!それに、一度未来に戻って確認して来たからさっきの説明は間違いじゃない。まあ、ちょこっと話を過剰にしたけど大体はそんな感じだったよ……」

 

「あー……そっか。私が知っとんのは、なのはちゃんが死んでる未来の話やった。今、なのはちゃんは生き返ってるんやから未来が別物になってるんは当たり前か……せやけど、私等が拐われて犯罪者の慰みものになってるって話は……」

 

「事実だよ?前は、居なくなってた訳だから生きてるだけマシでしょう?」

 

「…………そうやったな……私等、なのはちゃんが居らへん未来では虚数空間って所に落ちたんやった……」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

サラッと告げられたそれに、管制人格含む守護騎士達がギョッとした顔ではにゃてを見詰めている。

だが、その未来はもう二度と来ないので安心して欲しい。

 

「ボクは元々、なにょはママを助けにこの時代にやって来た訳だけど……そのせいで、色々と未来が変化しちゃったのも事実なんだ。ボクが、この時代に来た事で生じた変革の結果……どうせなら、フェイねぇやはにゃても救っちゃえば良いやって事になってね……はにゃてに、その鎖の付いた本は魔導書で【闇の書】と呼ばれている呪われた魔導書なんだよ……と教えたのが始まりだ……」

 

「呪われた?何を言っている。闇の書は、呪われてなど」

 

「【夜天】、このアホに【夜天の書】の現状を教えて上げて?それを完成させた結末と合わせて♡」

 

「…………お前は……何もかも知っているのだな……」

 

【夜天】と呼ばれた管制人格が、諦めたかの様な悲しげな表情で言う。だが、その悲しみは今日この日を持って終了させる。だって、ボクがいる……希望の神格を持つボクが。

 

「そりゃ、未来のはにゃてから色々聞いているからねぇ」

 

「そうか……未来の主から……」

 

ここで、時間関係がおかしい事に気が付かないのが彼女達の限界。本来なら、ボクがなにょはママを『ママ』と呼んでいる事に違和感を感じないとダメだ。はにゃては、普通に気が付いたので平行世界の事を説明している。

それと同時に、この世界軸の『なのは』がボクを拾ってくれた『なにょはママ』に上書きされた事もだ。

その後、管制人格から魔導書の現状を聞かされた彼女達は愕然とした表情で力なく椅子に座りお通夜みたいな雰囲気を撒き散らしている。

 

「うわぁ……これ、何処のお通夜?」

 

「ソウニャちゃん、言って良い事と悪い事があるんよ?」

 

「そうだけど……ボクが、ナハトヴァールを封じているのにはにゃてが死ぬ事なんてある訳ないじゃん……」

 

「「「「え?」」」」

 

「そもそも、夜天だってボクが干渉しているからここに居られる訳だし。あ。夜天がここにいるのは、はにゃてが望んだからからだよ?魔導書から出られるのは守護騎士だけで、夜天は魔導書が完成して主が死ぬまでの数分しか居られないって言ったら『仲間外れはアカン!』って言うんで……守護騎士システムが、起動した瞬間に干渉してナハトヴァールに管制人格を守護騎士と誤認識させて召喚。その後、無限転生システムとナハトヴァールを強制的に停止させて、夜天がずっと外に居られるようにした」

 

《ルール・ブレイカー》で、チョチョイノチョイとね。

あらかじめ、闇の書にRBを突き刺しておいて時間が来れば……もしくは、遠隔で操作して起動させてやれば良い。

 

「…………それは、可能なのか……」

 

「ボクの能力……君達風に言うとレアスキルなんだけど、これが【世界の理】に干渉する類いのモノでさ……魔力さえ、用意出来るなら全次元世界で魔法を使えない様にする事も可能っていう破格なレアスキルなんだよ……」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

常識を逸脱した、超破格なレアスキル。

人知をも越えちゃっているので、他者がこれを得る事は不可能に近いので問題なし。必要条件は、【神格】を得る事だし……【世界の理】を視るのに、【真実の瞳】なんてレアスキルが必要不可欠だから実質不可。

それを聞いて、管制人格を含む守護騎士達は開いた口を塞ぐ事なく呆然としていた。おかげで、はにゃての腹筋が。

 

「【闇の書】を完成させたら『大いなる力』が手に入る……なんて言われてるけど。ぶっちゃけ、たくさんの魔導師を犠牲にして完成させなければならないし、それで手に入るのが幾ばくかの魔法と大量の魔力くらいなモノじゃん?ボクには、そんなチャッチイ『大いなる力』より死者蘇生でも何でもヤりたい放題したい放題できる己の能力の方が断然破格な【大いなる力】に見えるね!」

 

「無茶苦茶やなぁ……死者蘇生とかも可能なんか?」

 

「時間転移とかやっちゃったよ?歴史改竄したよ?死者蘇生もしたよ?それもこれも、ボクの能力のおかげ。ぶっちゃけ、【闇の書】いると思う?」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

誰がどう考えても、何処までも疑って掛かってもボクが【闇の書】の『大いなる力』を求めているとは思えないだろう。例え、魔力云々と言われても既にやっちゃってる結果がそれを否定する。時間転移に死者蘇生、歴史改竄と来て世界から魔法を無くす必要性を誰が問えるだろう?

ただ、出来るからとやる必要もない事柄だ。

 

「えっと……魔力が欲しいとか?」

 

「時間転移、死者蘇生、歴史改竄……それ以上を望むなら必要だけど、ボクが集められる魔力でここまでやれるんだよ?必要だと思う?そりゃ、世界そのものをどうこうしようと思えば大量の魔力は必要だけど。それも既に解決済みだよ?闇の書以外で、大量に魔力を確保出来るロストロギアを保有しているんでいらないかな?」

 

「あんのか!?そんな、闇の書以外のロストロギアが!?」

 

「もちろん。闇の書みたいに、他人の魔力を奪うなんて非効率な事する訳ないじゃん」

 

「「「「おぉう……」」」」

 

そう断言したら、管制人格と守護騎士がドン引きしてしまった。なんで、そんな反応するの?君達、魔導師から魔力を奪う行為は犯罪なんだよ?なんで、ワザワザ犯罪行為をして犯罪者にならにゃならんの?それ等すら蹴り捨てて、別の方法で魔力をかき集める方法を考えるのが魔工技師じゃないの???

 

「全く、頭が悪いからって暴力で解決しようとするからおかしな事になるんだ。反省してください……」

 

「それ、言ったらアカンよ……でも、それ以外で大量の魔力を集めるてどうやるん?」

 

「こうする……」

 

そう言って、手を前に掌の上で魔法陣を展開してリンカーコアを創り出す。安定させる為に、幾つか平面と帯状の魔法陣がリンカーコアを囲っているけど……リンカーコアが、隠れて見えないなんて事は起こらなかった。

 

「おい、ちょっと待て!これ、リンカーコア!?」

 

「お前……リンカーコアを造れるのか!?」

 

「元々、ボクの使い魔はこの疑似魔法核を使って創るんだ。疑似魔法核は、受け皿扱いで魔力はまた別のシステムが生み出すんだけど……因みに、これが君達の言うリンカーコアだっていうのは後で知った」

 

実際、生魔力は考えず受け皿的な核を作製するのが当初の目的だったし。それが出来上がった後で、システムや術式を更新し続けた結果そうなってしまっただけの産物だ。

多分、初期の疑似魔法核はリンカーコアでは無かったと考えられる。それが、リンカーコアと同質のモノと化したのは最近だろう。……『多分』だけどね。

これからも、技術が進化し続けて行くのと同時にこの疑似魔法核も進化・強化され続けて行く。その先が、どうなるかはわからないが……ボクの疑似魔法核は、リンカーコアではなくなると考えている。

 

「まあ、普通に魔力を生産出来るんで君達の魔力収集方法をボクは否定しなければならない。非効率だ!ってね?」

 

まあ、そうは言うが魔導師からの魔力略奪は犯罪行為。

それを、『非効率』等と称するのは不謹慎だとわかっているけれどそれでも言わずにはいられなかった。

とは言え、元々【夜天の書】は各地に存在していた高名な魔導師達の魔法を集め記録する為の魔導書で……元から、魔導師の魔力を注ぎ込んで貰っていたのだろうけど。でもそれは、双方合意の元で主になった者自ら注がれていたと思われる。それが今では、無理矢理組伏せて……もしくは、気を失う程に暴行して行為に移っているって言うんだから最悪だ。そりゃ、戦争だったんだから仕方がないとは言え……ちょっと、常軌を逸脱し過ぎていると言わざるを得ない。

だけど、もうその逸脱した行為を行う必要もないだろう。

今後、【闇の書】による悲しみは起こらない。

 

「何はともあれ……もう、【闇の書】なんて呼ばれる事も……【呪われた魔導書】と揶揄される事もない。ボクがここ(過去)にいて、【夜天の魔導書】の基礎構造を持っている時点で今後二度と【闇の書事件】が起こる事は無いと断言させて貰う……」

 

「夜天の魔導書の基礎構造を知っているのか!?」

 

夜天が、基礎構造を持っていると言うと超反応で詰め寄ってきた。どうやら、ボク達が寝ている間に【闇の書】内を散々調べ尽くしていたらしい。

それで、どうにもなら無いと絶望していたとのこと。

 

「時空管理局には、無限書庫ってのがあってねぇ……そこには、過去にあった様々な世界の歴史から何からが集めて保管されているんだ」

 

「つーかよ、そもそも時空管理局とどう関係しているんだ?お前……事と次第によっちゃあーー」

 

「将来、君達の職場になる場所だよ?」

 

「ーーーーー」

 

ヴィータ、ボクの一言がそんなにショックだったのか……はたまた、考えてもいなかったのかフリーズしました。

 

「兎も角、局内にそういう場所があるんだよ。今は、整理もされずに放置されているんだけど……それを、10年程掛けて整理した人がいたんだ。でね?その書庫のベルカ区で夜天の魔導書の基礎構造が発掘された訳よ。まあ、10年後の話なんだけどさ……でも、ここに10年後から来た未来人がいるんですよねぇ……」

 

「oh…………」

 

自身を指差し、にこやかにそれをぶっちゃけるとはにゃてが目を覆い何故か大きくのぞけった。

 

「てな訳で、夜天……どうしたい?後は、君の願いで今後が決まるよ?まあ、歴史通り魔導書を閉じて一人寂しく空に帰りたいと言うなら……それも、構わないんだけど……」

 

「何でそういう事言うん?治せるんやったら、治してもうたらええねん。そやろ?なぁ……」

 

はにゃては、夜天の方に振り返って固まった。

何故なら、夜天がポロポロ涙を流して泣いていたからだ。

それを見たはにゃては、一瞬の硬直の後……ボクの胸元を掴み上げて起こりだした。

 

「ウチの可愛い子を泣かせたなっ!?」

 

「違うと思うの……ボクのせいじゃないーー」

 

「何処がや!?ソウニャが、意地悪するさかい泣いとんのやろ!?」

 

「いやぁ……長年苦しんだ絶望から解放されるから嬉しいんだと思うよ?だから、ボクが泣かした訳じゃあーー」

 

とりあえず、掴み掛かってくるはにゃてから離れて闇の書を回収すると適当に机を挟んで威嚇し合った。

 

「兎に角、この魔導書はボクが預かるからね?後、改善した後で再起動させるから、みんなを一度魔導書に戻すからね?その時はまた、声を掛けるから了承して欲しい」

 

「「「「「わかった……」」」」」

 

「じゃ、これは本来の夜天の書に戻すけど……守護騎士システムはそのまま継続にしておくから任せといて!」

 

「……我等のシステムは、初期からあったのでは?」

 

「後から、付け足されたシステムだよ?元からあった防衛システムは、ナハトヴァールの原型となったモノだけで守護騎士システムは後で組み込まれたモノだね」

 

まあ、そのナハトヴァールも元のシステムから見れば、かなりかけ離れたモノと化している。というか、異物程度でここまで致命的なシステム崩壊を起こす訳がないだろう?

ナハトヴァールは、後から付け加えられたモノではなく元からあったモノを無茶苦茶に改悪して暴走させたのだと考えている。だからこそ、夜天の魔導書はここまでの状態になりつつも現在も動き続けているのだろう。

 

「何はともあれ、この魔導書はボクが改善するからね?」

 

「ああ。よろしく頼む……」

 

「……………………」

 

何故か、全てを受け入れた様な表情で夜天が魔導書を弄る事を了承してきた。それを見て、ボクはそこはかとない不安が溢れ出てくる。とりあえず、物資的な交換や整備は出来る様にそのままにしておくけど……システム的な所は、ガチガチにしておいた方が良いと判断する他内容に思える。

 

「あー……はにゃて、夜天がチョロいんの疑惑……」

 

「うん。後で、ちゃんと勉強させとく。今のやり取り見とったら、そこはかとない不安が溢れてきたわ……」

 

「全力推奨。ってか、この子の今の状態ってこういう性格だからじゃない?」

 

「うん。なんとなく、こうなっても仕方ないって思えてきたわ……これはもう、ビシバシ鍛えんと……」

 

「だよね!じゃ、そっちは任せた!」

 

「うん、任された。夜天の書の事は、お願いするわ……」

 

「リョーカイ」

 

ボクは、そう返事をしてから二階に設置した秘密基地へと戻った。後は、【紫天の書】を取り出す前になにょはママのリンカーコアとフェイトねぇのリンカーコアを生態情報込みで収集させておく事を忘れずに行っておく。

その後で、漸く【紫天の書】抽出に成功した。

後は、一人で闇の書の闇とバトルして木端微塵に。

適当に処理して、永遠結晶エグザミアを起動させてやれば【砕け得ぬ闇事件】の始まりである。

それをもって、闇の書と夜天の書が別物であるという事を世界に……しいては、時空管理局にそう認識させてはにゃての夜天の書をうやむやにしようという計画だ。

 

「クックックッ……犯罪者は、何処にもいにゃいのだよ。覚えてろぉ髭もじゃ親父ぃ……」

 

 

 

 

 




闇の書事件終了のお知らせ♡
そして、始まるのは永遠結晶エグザミアを巡る戦い。
それまでは、しばらく永遠と閑話を続ける事となるだろう。
ぶっちゃけ、作者は無印とA'sが好きではありません。
だって、なのはさん達が幼くて『ママ』と呼ぶにはちょっと無理があり過ぎるので困ります。
なので、14歳から上の年齢話を書きたいのに……例題(としている他の作品)が、無印からのが多くて。途中放棄された物語の『さわり』部分を読んで例題としています。
だから、気力を振り絞って書いてます(笑)。
StrikerSから入ったのは、【リリなの】作品を初めて見たのがStrikerSからだった為。vividも良い感じに進んで来たし……そろそろ、StrikerSに戻ろうか?
でも、その前にINNOCENTにも行かせないとだから……面倒この上ない。ああ、チクセウ……手を広げ過ぎたか!?
つーか、魔法の使えないInnocent世界なんて狙い所有り過ぎだろう!?ヒロインをゲスに美味しくGETだぜ!とか、【凌辱系転生者】が居れば涎モノ。超簡単に、ヒロイン達を神様特典で誘拐して凌辱出来るとかヤバ過ぎる……絶対、そっち(簡単、ヒロイン多)に転生してるクズが居そうだ。
そんな世界で、SLBをリアルで実行するんですね?
わかります……(笑)。

コミック【魔法少女リリカルなのは vivid】で、ミウラとヴィヴィオがエキシビションで戦ってる際のなのはさんの台詞がとっても恐ろしかったです。
実況の「一閃!」という間違いに、はやて・ヴィータ・なのはさんの順で「二閃やで?」、「二発だ」、「二回叩いてるよ!」とツッコミが入ってるのですが、はやてとヴィータは良いとしても……なのはさんの「二回叩いてるよ!」は恐ろしすぎる。殴ってるんですよ!?ヴィヴィオ、ミウラを二回《殴って》るんですよ!?アクセルスマッシュWで!!
なのに、「叩いてるよ」って……。
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
なのはさんから見たら、あれは「叩いてる」だけなんですね……(恐怖)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
 
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。

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