絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一七二話

???

 

 

その日、紅に輝く光の柱が天を貫いた。

 

求められたのは《救い》。

 

必要とされたのは《ルール・ブレイカー》。

 

全ての絶望を払い、希望の光で満たして欲しいと願われた者。

 

その為に、その世界での記憶をリセットして彼の者は逝く。

 

例え、それで何かを捨てる事となっても。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

その日、双夜は翠屋のテラスで原作人物達に囲まれて……見る者が見れば、チヤホヤされている様に見える待遇でマッタリとしていた。

 

「はい、あーん……」

 

「あーん♪」

 

差し出された、フォークの先に刺さっている苺のショートケーキを口一杯に頬張ってハムハムと咀嚼する双夜。

ニコニコと、普段では考えられない程ご機嫌の様子。

無理矢理頬張るから、口の周りはクリームだらけ。

それを、高町なのはがナプキンで拭う。

 

「むぐっ……」

 

「あ、喉詰まっちゃった?はい、ジュースだよ?」

 

「アム、ングング……プハ……」

 

今度は、フェイト・テスタロッサの手でジュースを貰う。

誰が見ても、とても幸せーー転生者限定で、嫉妬怨念全力全開級ーーそうな一シーンだった。

ただし、当人は幼児後退化しているのでポヤポヤ状態だったけど。チビッ子能天気モードとも言う。

まあ、一番双夜をチヤホヤしているのは『高町なのは』。

それはもう、ハートを乱舞させる勢いで楽しそうに双夜の世話をしていた。巻き添えで、フェイト・テスタロッサも一緒。その隣では、似たような事をプレシア・テスタロッサとアリシア・テスタロッサがやっているが割愛。

当然、その場には八神はやての姿も見受けられて、その護衛としてヴィータと夜天の姿もある。

ザフィーラは、食べ物屋という事で今回は参加出来なかった様だけれど。守護騎士的には、問題ないらしい。

ーーと、普通ならば……ここで、転生者が見ていても夜天がいる事に疑問を感じただろう。

だが、それを実際に見ていた者には、全くそういう疑問等は思い浮かばなかったモヨウ。否、『浮かばなかった』のではない『浮かべなかった』というべきか。

それよりも、“彼”には無視出来ない事柄が現在進行形で行われていたのである。

 

「誰だよ……あの餓鬼……」

 

先日、漸く地球に辿り着いた時空管理局・次元航行艦アースラから、気分転換という名目で地上に降り立ったレン・K・ヴォルフラムが、唇を噛み締めて幼児後退化した如月双夜を睨み付けていた。

彼は自らを主人公とし、彼女達の中心にいてこそ自分の真価を発揮出来ると信じて止まない人物だ。

なのに、その席には別の者が座っていて、本来なら自分が受けるべき事を一身に受けている。

それが、彼には我慢出来なかった。

今すぐにでも飛び出して行って、双夜を排除しそのポジションを奪いたい。原作人物達を恋人にして、あんな風にチヤホヤされたい!という欲望が彼の中に渦巻く。

 

「……………………」

 

幼児扱いがお好み?なんてツッコミは無しの方向で(笑)。

彼には、双夜の状況がお子様に対するモノではなく、恋人にされる様なモノに見えているモヨウ。

もしかすると、《ニコポ・ナデポ(恋愛系認識阻害)》の弊害なのかも知れない。でも……だからこそ、双夜の存在が彼に敵意と殺意を芽生えさせている訳だ。

だが、ここで彼女達の前に出て行ったとしてもネット小説等にもあった【踏み台】と同じ扱いになるだけである。

それを重々に理解していた彼は、溢れんばかりの憎しみを圧し殺して双夜を睨みつつ一旦身を引く事にした。

後からでも、《ニコポ・ナデポ》で彼女達を『正常な状態』に戻す事が可能だ。

なので、今は自分を抑えて引き上げる。

 

「今の内に楽しんでおけ……踏み台が!」

 

彼は、捨て台詞と共にアースラへと戻っていく。そう、双夜を排除し自らを主人公の座へと居座らせる為に。

 

 

 

……………………。

 

 

 

双夜は、その後も高町なのはのお世話になりお茶会解散後は手を繋いで高町家へ。本日は、フェイト・テスタロッサも一緒。二人共、嘱託魔導師としての資格を持っていないので、今は小学生として勉強に励んでいるのである。

まあ、今回(今世)は嘱託魔導師になるのはもう少し先でも良いかな?と高町なのはは考えているので割りとノンビリしている事が多い。やはり、前回(生前)の“リンカーコア破損”が現在の彼女に相当な影響を与えているモヨウ。

本来の彼女であれば、既に嘱託魔導師の資格を得て次元世界を飛び回っていてもおかしくはない。

だけど、嘗ての経験からか……“今”の彼女には、《強迫観念》の様なモノは見受けられなかった。

その後、双夜は帰ってきた桃子さんに様々な理由を付けて預けられる。宿題があるとか。勉強しなきゃとか。

その理由は様々だが、高町なのはがそれをするのはとある理由に直結していた。それは……『幼児後退化してなきゃ、双夜くんのお世話が出来ないの!』という理由。

元に戻れば、何もかもを自分でやる双夜では高町なのはが望む関係では居られない。なので、高町なのはは残酷にも様々な理由を付けて桃子さんに双夜を託すのだ。

正に、『悪魔』の所業である。

『悪魔じゃないよ……』とは、本人の談だが……その話を知ったヴィータから、既に『悪魔』呼ばわりされている高町なのはだった。

原作から外れて尚、ヴィータに『悪魔』と呼ばれる高町なのは。これはもう、彼女から滲み出る鬼畜な気配が敏感なヴィータにそう言わせてしまうのだろうと考えられる。

 

「鬼畜じゃないもん!!」

 

「ふぇ!?い、いきなり、どうしたの?なのは……」

 

「うぅ……誰かに、《鬼畜》って言われた気が……」

 

唐突に叫び出すから、フェイト・テスタロッサに心配されてしまった。現在二人は、桃子さんに双夜を預けて高町なのはの自室で共に宿題をしている。

 

「えっと……大丈夫、なのは?」

 

「…………うん……」

 

何とか、落ち着いた高町なのはは宿題を再開させる。

きっと今頃、高町なのはが望んだ通り無理矢理お風呂に連れて行かれている頃だろう。嫌がる双夜を、とても嬉しそうな笑顔でお風呂に連れて行く桃子さん。

まあ、美由希が一緒で無ければ問題はないと思われる。

幼児後退化の条件は、複数の裸の女性が必要だからだ。

一緒であれば、お風呂が吹き飛ぶので直ぐにわかる。

吹き飛ばなければ、桃子さん一人という事。

なれば、双夜が得るのは桃子さんへの恐怖のみだ。

ついでに、桃子さんへの苦手意識が強化される程度の話。

双夜にとっては、最悪の悪循環だろう。それでなくても、桃子さんに対し相当な苦手意識をもっているというのに……それが更に強化されるのだから。

最悪、猫化も……視野に入れている。まあ、猫化しても桃子さんが喜ぶ事に代わりはない訳だけど。

 

「なのは、あのね……私、今度嘱託魔導師の資格を取ってみようと思うんだ……」

 

「…………うん。良いんじゃないかな?それは、フェイトちゃんの自由だし……私は、応援するよ?」

 

「えっと……一緒に受けては……」

 

「あー……今は、双夜もいるし……良いかなって……」

 

「そ、う……」

 

ショボーンと肩を落とすフェイト・テスタロッサ。

こればっかりは、余り無理強い出来る事ではないので、それ以上フェイト・テスタロッサは何も告げなかった。

それを見て、高町なのはは少し罪悪感に苛まれる。

しかし、今度はゆっくりしようと決めているので(双夜もいるし)しょうがない。

 

ドバン!!

 

「うにゃああああぁぁぁぁ!!!!!」

 

「ふぇ!?」

 

「にゃ!?」

 

そこへ、素っ裸の双夜が濡れたまま乱入。

半泣きで、高町なのはに飛び付いて来た。

 

「そ、ソウニャくん!?」

 

「にゃあああぁぁぁ……」

 

「えっと……えっと……バスタオル、借りてくるね!」

 

「あ、うん。お願い!」

 

唐突に、現れた双夜に驚いて動揺していたフェイト・テスタロッサだったが、慌てつつも機転を効かしてバスタオルを取りに行く。その間も、双夜は泣き高町なのはに抱き付いている。高町なのはは、頭を撫でつつ双夜を落ち着け様としていた。

 

「ママ……ママァ!……しゅく、だい終わったぁ?いっしょ、いられる?……まだ、ダメ?」

 

「う、うん……大丈夫、だよ……」

 

宿題は、もう少し残っているけど……双夜の涙ながらの懇願に、高町なのはは罪悪感(桃子さんに預けた)もあって折れるしかなかった。

 

「やったー♪じゃあ、お本読んでー♪」

 

「うぅっ……」

 

身から出た錆とはいえ、高町なのはは喜ぶ双夜に困り顔。

そこへ、バスタオルを持ってフェイト・テスタロッサが戻って来た。高町なのはの様子を見て、苦笑いしつつも双夜の身体を拭いて行く。

 

「フェイトちゃぁ~ん……」

 

「頑張ろう?ね、なのは……」

 

「うぅっ……」

 

その瞬間、高町なのはの徹夜が決定したのだった。

とりあえず、素っ裸な双夜にパジャマを着せて高町なのはは適当に買ってきた絵本を開く。そして、後ろ髪を引かれつつも双夜の為に読んであげるのだった。

その後、双夜がコックリコックリ船をこぎ始めベッドに寝かせるとあっという間に深い眠りへと誘われる。

それで漸く、宿題の続きを再開出来た。だが、それをなんとか終えた頃には12時を回ってしまっていた。

 

「うぅっ……酷い目にあったよ……」

 

「お疲れ、なのは……」

 

涙目の高町なのはに、苦笑いで返すフェイト・テスタロッサ。最早、彼女に高町なのはを嘱託魔導師に誘う気持ちは残っていなかった。

 

「小さい子の相手は大変だね……」

 

「うん。でも、物凄く充実感はあるよ?それに、大変だけどとっても可愛いし……」

 

「うん。ちょっと、なのはが羨ましいかな……」

 

布団を敷いて、高町なのはは双夜にベッドを占拠されているからとフェイト・テスタロッサと共に布団で寝る。

本当は、もっとお話したい事が高町なのはにはあったのだけれど……夜更かししていた事もあり、布団に入いると直ぐに眠りに着いてしまう。

それは、フェイト・テスタロッサも同じだった。

 

 

 

……………………。

 

 

 

「オシッコ……」

 

深夜。双夜が、ムクリと起き上がりそんな事を呟く。

ベッドから這い出て、床に降り立つと高町なのは達が寝ている布団の隣を歩いて廊下へ。

一階に降りて、階段すぐ近くのトイレへと入る。

しばらくして、水が流れる音と手を洗った双夜がトイレから出て部屋に戻ろうとした時、後ろから手が伸びてきて口を塞ぎ身体を抱き抱える様に捕まえられて……消えた。

 

《ーーーEmergency!!》

 

 

 

………………………………………

 

 

 

…………………………

 

 

 

………………。

 

 

 

薄暗い荒野のド真ん中で、幼児後退化した精神の双夜と魔力で肉体を強化して、魔法やデバイスで無抵抗な者(双夜)を攻撃するレン・K・ヴォルフラムの姿があった。

 

「はハはは!どうした、その程度か!?だがなぁ、俺様の女達に手を出したんだ……この程度で、済むと思うなよ!!シネ、しね、シネ、シネ、死ね、死んで詫びろ!!」

 

何も出来ない双夜に、魔力弾を撃ち込み続けるレン・K・ヴォルフラム。

その狂気は、双夜の反応がなくても止まらない。

最初の数弾は、泣いたり痛がったりの反応があった。

だが、それはレン・K・ヴォルフラムを苛立たせるだけに終わり、デバイスに纏わせた魔力込みの攻撃で双夜の反応は沈黙。その後は、一方的な蹂躙で事態は進んでいる。

 

「お前みたいなクズが、主人公の俺様を差し置いて俺様の女達とイチャイチャするなんて一億年はやいんだよっ!!」

 

そう言いつつ、レン・K・ヴォルフラムは双夜の髪を掴み上げ全力で地面に顔を叩き付ける。そして、ほぼフルスイングで双夜のお腹を蹴り上げると、浮き上がった双夜をデバイスで再度地面に叩き付けた。

 

「所詮、お前は踏み台なんだ!!なら、踏み台は踏み台らしく世界の片隅で膝を抱えて指をくわえてやがれっ!!」

 

双夜の小さな身体が、ポンポン吹き飛ばされる。

殴り、蹴り、デバイスで叩き付けるを繰り返し、魔法でその小さく脆弱な身体を穿ち貫く。その攻撃に、非殺傷設定なんて使われてない。殺意設定のまま、双夜は殺意の籠った攻撃に晒されていた。

 

「お前みたいなクズは、生まれたこと事態が間違いだったんだよっ!!だから、最初っから存在して居なければ良かったんだ!」

 

更に踏み込み、デバイスを上から下へと袈裟斬りに降り下ろす。地面に叩き付けられ、浮き上がった所を蹴り飛ばすレン・K・ヴォルフラム。

 

「なのは達も、迷惑だっただろうさ!お前みたいな、お荷物を抱えてヤりたい事も出来ず、自由も無いんだから!!」

 

動かない双夜に苛立ちを抑える事なく蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る。蹴る!蹴る!!蹴る!!!蹴る!!!!

 

「その証拠が、嘱託魔導師になってない事だ!なのはは、嘱託魔導師となり俺様と共に次元世界を往くのが幸せなんだ!!お前のせいで……お前みたいなのがいるから、彼女達の自由が損なわれるんだよっ!!恥を……恥を知れっ!!」

 

苛立ちと、憎しみを込めて蹴り飛ばす。

 

「だが、安心しろ。俺様が……この世界の主人公である俺様がお前を殺してやるっ!!心から喜べ!!集束……」

 

周囲に散った魔力が、レン・K・ヴォルフラムのデバイスへと集束していく。それは、彼が考えた必殺の魔法。

集束した魔力をデバイスに纏わせて、敵に叩き付ける様に穿つ集束砲撃の一種。少し長い溜め時間の後……一撃必殺のそれが、殺傷設定のまま双夜に牙を剥く。

 

「くらぇ……《滅殺・星光破皇牙》!!!!!」

 

黄色に近いオレンジの輝きが、双夜を貫き全てを呑み込む閃光へと変わる。非殺傷設定ならば、気絶程度で済んだはずだが……殺傷設定の集束砲は、双夜の肉体を貫き捻切り潰して消し飛ばして行く。

その結果、双夜は幼児後退化から立ち直った。

破壊された肉体も、瞬時に再生し復活。ザリッと己の足で立ち上がって、ギロリとレン・K・ヴォルフラムを睨み付けた。ペッと、血の混じった唾を吐いて告げる。

 

「     」

 

だがしかし、双夜の言葉はレン・K・ヴォルフラムに伝わる前に双夜自身の手で掻き消された。

何をしたかと言うと、呟きと同時に縮地で間合いを殺し、地面に螺旋を描き陥没させ、それで得た《円の力》を渾身の一撃に込めてレン・K・ヴォルフラムに穿ち込んだのである。結果、レン・K・ヴォルフラムは切りもみしながら数十メートル重力に逆らって飛翔した後、ヘッドスライディングで海老ぞり着地を決めた。

 

『ーー大地には、龍が住んでいる』

 

《龍脈》と呼ばれる、世界を作っている良い“気”の流れを知っているだろうか?主に、《風水》等で使われる《運気》の事で大地に脈々と流れているとも言われるモノだ。

それを、己が身に取り込んで己が力とし穿つ技がある。

ほとんど、気紛れで双夜が会得した技術。

【静クリスティーナ=D=アスフォード】と婚約する条件として、ルィフォードが出した課題で五大魔法家の《李家》を襲った時に《李家》の者が使っていた技術。

それを、見よう見まねで使い……《神殺し》になった後、長い年月を掛けて完成させたモノ。本人は、まだ先があると認識しているが……今のところ、双夜のソレが最先端の技術だった。そんなモノを、問答無用で叩き込まれたレン・K・ヴォルフラム。かなりの大ダメージとなった。

だが、臓器破裂等には至っていない。

そこら辺は、無意識に手加減してしまったモヨウ。

 

「……ぅぐ……ぐぐっ……ま、紛れ当たりで、調子に乗るんじゃねぇよ!!この、クズがぁ!!!!何、勝ち誇った顔してんだよ!!」

 

「……………………」

 

双夜は無言のまま、レン・K・ヴォルフラムの言葉を聞く事なく黙々と馬鹿を断罪していく。

そこからは、完全に一方的な蹂躙でしかなかった。

レン・K・ヴォルフラムは、最初のダメージで動きが悪く手も足も言葉すら出せずにフルボッコにされていく。

先程までの、レン・K・ヴォルフラムの攻撃を真似る様にして穿ち上げて行く。だが、魔法にはしっかりと非殺傷設定が設定されていた。

そして、レン・K・ヴォルフラムに聞こえる程度の音量で呟かれる双夜の一人言が『弱いなぁ……』とか『これが、主人公?』とかである。その他にも、レン・K・ヴォルフラムが双夜に向けて言い放った発言に関しての反論的な呟きが告げられた。

 

「クソッ!クソッ!糞がぁ!!踏み台の癖に……踏み台なら、踏み台らしくフェイドアウトしてれば良いんだよ!!」

 

「えー?僕、『モブ』なんだけどぉ……」

 

「…………は?」

 

余りに煩かった為か、双夜はレン・K・ヴォルフラムの意識外の事を告げる。告げられた方は、先程までの敵意も殺意も消失させて呆然と双夜を見上げた。

 

「いや、だから……僕、踏み台じゃなくて《モブキャラ》なんだよー。主人公も踏み台も、面倒でヤってられないから親も居ないんで養護施設に逃げたんだけど……」

 

「え?ええっ!?……エエー……」

 

双夜は、レン・K・ヴォルフラムが予想すらしていない所をブッ込んで行く。なので、養護施設に……と聞いた所で馬鹿は完全に頭真っ白である。

 

「そしたら、何故か?もしくは、神様の意思?でほぼ強制的に高町家ェに入れられちゃったのぉ……」

 

「…………エエー!?」

 

レン・K・ヴォルフラムは、ダメージも忘れて驚愕し続けるだけのモノと化してしまっていた。

 

「物語に関わり合いたくないから、逃げ出しても……何度、逃げ出しても……連れ戻されちゃうんだ……」

 

「…………マジ?」

 

反論も何も出来ず、ただ、ただ、双夜の言葉に驚くレン・K・ヴォルフラム。それに、双夜の言葉は彼に取っても都合の良い話だったので動く必要がなかったという事もあったけれど。だが、言うまでもなくチョロインである。

 

「お前に……この恐怖がわかるか!?逃げても逃げても、次に気が付くと後ろに高町家ェの奴等がいるんだ……」

 

「おおぅ……」

 

双夜は、レン・K・ヴォルフラムの胸ぐらを掴み上げ恐怖に狂った目を幻術で再現し訴える。レン・K・ヴォルフラムは、その狂気を見てドン引きしてしまっていた。

 

「何処に逃げても、僕のいる場所がわかるみたいに追い掛けて来るんだ……お前にわかるか!?ここには、来ないだろうと隠れた場所ににこやかに現れる奴等の恐怖が!?」

 

「ひぃ……」

 

「県を又いで、田園畑の中に隠れても顔を上げたら恭也さんの顔があるんだぞ!?右を見たら、美由希さんがいるし……逃げても、身体の差で逃げられず捕まるしかないってどういう事だよ!!」

 

「あぁ……」

 

「お前にわかるか!?わかるのか!?この、僕が置かれた悪夢な状況を!!放っといて欲しいのに『何故かわかるんだよ』の一言で片付けられる恐怖をぉ……」

 

「…………ごめんなさい……」

 

ついに、レン・K・ヴォルフラムは高町家ェの異常さを認識し無意識に謝罪してしまっていた。

ぶっちゃけた話、双夜はボコって弱ったところを精神的に追い詰めて、自らを狂人認識させる事でレン・K・ヴォルフラムの敵認識から自分を外そうとした訳だ。

そしてそれは、成功したけれどある意味失敗に終わる。

何故なら……。

 

「お、おい、お前……消えかけてるぞ!?」

 

「ふぇ!?」

 

「ど、どうなっているんだ!?消える……え?ウソ……転生者って消えるーーーぎゃっ!?」

 

レン・K・ヴォルフラムが、言い終える前に双夜から弾き跳ばされてしまう。それは、双夜の周囲に発生した衝撃波によるものだった。その現象を見て、双夜は気が付く。

この消滅が、この世界ではなく別の世界からの意思(アプローチ)によるものだと。それと同時に、双夜は後悔していた。それは、あの馬鹿を一人残して行ってしまう事になった事をだ。レン・K・ヴォルフラムの改心失敗は仕方がないとしても、この改変され切った世界に何も出来ない神崎を残してしまう事は後の大きな痼になる可能性があった。

 

「あーあ、こりゃ……次元犯罪者も視野に入れるべきかなぁ……上手く立ち回ってくれたら良いけど……アイツにそれを期待するのは無駄か?」

 

苦笑いしつつも、双夜はウィンドを展開して最後にとある命令文を使い魔に送った。それは、『神崎の事を頼む』という命令である。そのついでで、ある事も頼んでおいた。

 

「今出来る布石は、この程度か……じゃ、任せたよ?」

 

 

 

 

その日、紅に輝く光の柱が天を貫いた。

 

 

 

求められたのは《救い》。

 

 

 

必要とされたのは《ルール・ブレイカー》。

 

 

 

全ての絶望を払い、希望の光で満たして欲しいと願われた者。

 

 

 

その為に、その世界での記憶をリセットして彼の者は逝く。

 

 

 

例え、それで何かを捨てる事となっても。

 

 

 

 

 

 

 

 




ナレーションにツッコミ入れるなのはさん怖い。
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

『オラオラ!《神殺し》だか何だか知らねぇが、俺様が主人公だあぁ!!!』とヤクザキックでフルボコにされる双夜。
幼児虐待をガチで推奨しちゃった《レン・K・ヴォルフラム》を考えた人!こんな感じでよろしかったでしょうか?

……………………………………………………等と、考えたの華杏じゃないよ!と責任転換しつつ視線反らし(笑)。

はい。嘘です。キャラ名貰っただけです(笑)。
殺ったのは、華杏です!!
言い訳をさせて下さい!!
だって、双夜を正気に戻さないとイケなかったんだ!
幼児のまま、SAOに飛ばしたところで役に立たないじゃないか!なのはさんは、あんな感じで幼児後退化を推奨しちゃってるし……桃子さんってば、お風呂に何度も双夜を連れて行くんだもん。他に、方法が無かったんだ……。

そして、話をうやむやにする為にナルシストに高町家ェへの狂気に狂った感じで対向。結果は、知っての通りナルシーに勝ちました(笑)。謝らせたよ(笑)。

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