絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
(;-ω-)ノ
もう一話も、遅れます( -`ω´-;A)。
???
ギイィィィン!!!
「お兄ちゃんを返せええぇぇぇ!!」
刃が刃で弾かれ、凄まじい音と共に剣を振るう者の叫びが飛ぶ。リーファの振るう剣が、キリト?の振るう剣を弾き上げ……それを、苦々しい表情で弾き返しつつ逃げ出そうとするキリト?。
しかし、逃げようにも翼達が退路を塞いでいるので動けない。左右も押さえられていて、それに悪態を付く暇も無くキリト?は剣を振るって原作人物達からの罵倒に耐えていた。
「キリの字を返せ!!」
「クソッ!!」
猛攻とも言える気迫に、キリト?は堪らず身を引き掛けて……でも、己が《主人公》であるという謎のプライドから踏み込んで攻撃していた。
左右から、シリカとリズベットが回り込みキリト?が逃げ出さない様に道を塞ぐ。そこで、リーファが技を出し終えたところでフと気が抜けて隙が出来た。
これは、ゲーム内であった硬直ペナルティの名残。
この世界では存在しない、ソードスキルを使った後の硬直ペナルティが彼女に無意識の硬直を与え隙となる。ゲームでなくなったとはいえ、意識に刻まれたソレを消す為には、それなりの訓練を積まなければならない。
「おおおぉぉぉぉ……でぇあぁあぁぁぁ!!!」
リーファのその隙を埋める様に、エギルがハルバートを振るいキリト?との間合いを引き剥がす。キリト?が、踏み込んで来るならクラインが……身を引くなら、エギルがキリト?の動きを阻害して行く。
彼等原作組が、このアインクラッド第二十二階層にいるのは、翼達が外下のALO世界へ戻った時にアスナの懇願を受けて上がって来た為である。
翼達が、外下のALO世界樹アルンに降り立った時、そこにはエギル達とスイルベーンに残っていたはずのリーファ達が集まって来ていた。
他にも、サクヤやアリーシャ……猛炎の将ユージーンがいてALOを転生者達から奪還するべく指揮を取っていた訳だ。
そこへ、アスナとユイ含む翼達が来て事情を説明。
ユージーン将軍が『俺も行くぞ!』とか言い出したけど、何とか説得してアルンに残って貰った。その代わり、リーファやシリカ…リズベットにシノン・エギル・クラインが、付いて来る事になってアインクラッドに上がって来た訳。
その後、アインクラッドに上がって来た原作人物達は一階層と二階層の現状を見てSAO攻略組だった者達が転生者達の横暴に怒りを覚える。特にNPC誘拐は、女性陣にとても不評だった。リーファとかリーファとかリーファとかに。
そして、気が付いちゃった鉄がSAO攻略組に黒い獣モンスターと『???の欠片』を見せて、こんなアイテムがSAO時代にあったのかどうかを問う。その上で、翼にドヤ顔でこれが異端技術の可能性が濃くなった事を報告した。
まあ、その際に『キモイ』というお言葉を得ていたけど。
それでも、めげずに鉄は翼にこの件を中心的に調べるべきだと進言。翼は、キリト?の件が片付いてからと問題を棚上げした。だったら……と、鉄はキリト?戦に向けて戦術を捻り出した訳だ。
それが、現在の状況だった。
キリト?の正面に、リーファ・エギル・クラインを配置し、左右にはシリカ・リズベット。キリト?の背後に、翼・鉄・使い魔の二人。キリト?正面奥には、アスナ・ユイ・シノン・すずか・守護者が陣取り戦況を見守っていた。
包囲網は、完全に完成している。こうなってはもう、大人しく投稿するのが賢い選択だ。
なのに、それでもキリト?は抵抗を続けていた。
「うるさいっ!うるさい、うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい……うるさいっ!!俺が、桐ヶ谷和人だ!!お前等も、そんな奴等の言葉を信じてんじゃねぇよ!?」
「私達が、彼女達を焚き付けた訳じゃないわ!助けを求めたのはアスナよ!!」
キリト?の言葉に翼が反論する。
「あぁ!?アスナだぁ……クソッ!あれだけ、調教したっていうのに……まだ、俺に逆らう気力が残っていたのか!?」
「調教……ですってぇ!?ふざけんじゃ無いわよ!!」
「そうですよ!人間を何だと思ってるんですか!?」
「うるさいっ!神様から、俺が貰った特典なんだ!俺が、どうしようと俺の自由だろっ!?」
「ふざけないで!私達の自由は、私達のモノだ!アンタみたいな、チート野郎のモノになんてなるもんか!!」
リズベット、シリカの叫びに、ついに本性を現した憑依転生者。キリトの顔で、キリトの声でくだらない言い訳を叫ぶが……それをバッサリとリーファが切り捨てる。
「キリトォ!今、助けてやっからなぁ!!」
クラインの悲鳴の様な叫びに、全員が一丸となってキリト?攻め立てた。
「くっ……仕方がない!これだけは、使いたく無かったが……《スターバーストストリーム》!!!」
キリト?が技名を叫んだ瞬間、その手に持つ剣に青白い光が集い輝き始める。そして、キリト?の動きが……速さが今までの倍以上に跳ね上がった。
「な、にぃ!?」
「うわああぁぁ!?」
「きゃあああぁぁぁ!!!」
ドバン!!と、キリト?のあり得ない反撃にリーファ達が吹き飛ばされる。それは、使えないはずのソードスキルだった。想定外の事に、一瞬全員の動きが止まる。だけど、それは《神殺し》の守護者の言葉で強制的に戻された。
「想定外の事は、何時でもどこでも起きます!『動きなさい』!!立ち止まる事は、失うって事ですよ!!」
言葉に魔力を込めて、《言霊》とし守護者は放ったのだ。
それにより、硬直仕掛けていた彼女達は直ぐに動ける様になる。といっても、動きが失われなかっただけで頭は真っ白だった訳だが……順々に正気を取り戻して、単調に成りつつあった動きを意思ある動きに変えていく。
その瞬間こそが、ターニングポイントとなってしまった。
本来ならば、動きが単調になったところを隙とし突くのが真っ当な戦士だ。
だが、キリト?はそれを見逃し、あまつ逃げる事もなく剣を振るって踏み込んでしまっていた。これは、キリトに憑依した転生者の圧倒的な戦闘経験不足が祟った結果だ。
どれだけ、有能な人物に憑依したところで結局、状況を判断するのは転生者本人。状況を正しく判断出来なければ、どれだけ強かろうが……どれだけ、スキルが充実していようが関係ない。それは、《主人公補正》にだって言える事だ。
要は、それ等を正しく行使出来るだけの《経験》を積んでいなければ素人と同じ事なのである。
彼女達が見せた隙を、キリトに憑依した転生者は見逃し……否、それが起きた事さえ認識せず懸命に状況を覆そうと剣を振るってしまっていた訳だ。
その一瞬の隙を突いて、逃げ出せば何とかなったかもしれない。だけど、圧倒的に不足した経験が……この世界に転生してから、何もせずにアスナを調教していた彼自身の怠慢が招いた結果でもある。
「あははは!残念だったな。俺の特典には、ソードスキルをなんのペナルティも無しに放てるモノがあるんだ!!ついでに、ソードスキルを放っている間は敵に邪魔されたくないんで速度を倍化してある!!」
そんな事とは、梅雨とも知らない彼は自分だけがソードスキルを使える事に悦を感じで高笑いを始めた。
「これで、終わりだ!《スターバーストストリーム》!!死ねえぇぇぇ!!!!」
「『下がりなさい』!!!」
馬鹿が、それを発動させたその瞬間、翼達の護衛であった《神殺し》の守護者が魔力を込めた《言葉》を放った。
その結果、全員がバックステップでキリト?から距離を取った為、馬鹿の放ったソードスキルは空振りに終わる。
「……………………?」
「問題ありません。ソードスキルが、使えようと使えまいとこの世界はゲームではないのですよ!?アシストシステムが機能していない以上、ソードスキルを敵に当てるのは当人の技術量!ならば、ソードスキルが発動すると同時にバックステップで距離を取れば当たりません!!」
「はあ!?」
ここで、漸く馬鹿にもアシストシステムが存在していないという事実が伝わる。その為、馬鹿が少し動揺を始めた。
「アシストが無いって、どういう事だよ!?」
馬鹿の問いに、誰も答える者はいなかった。
と言うか、ワザワザそれを答えてやる必要はない。
叩ける隙は、少しでも多い方が良いのだ。
「クソッ!!」
悪態を付くキリト?。しばらくすると、自分こそがこの物語の主人公であると……こんなはずがないと、怨嗟の声を上げ始める。これは、何かの間違いなんだと言い出すと何に気が付いたかの様にニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。
「俺のHPは、後僅かだ!この世界には、死は無いのだろう?死んでも復活出来るんだよ!!」
「ええ。ですから、アスナさんよろしくお願いします!」
「は!?…………はああぁぁ!?」
守護者が、そう告げた瞬間キリト?に回復魔法の光が掛かる。僅かだったHPが、ミルミル内に回復して行くのをキリト?は呆然と見ている事しか出来なかった。
キリト?が気が付いたのは、ここままHPを全損すればこことは別の場所で復活出来るという事だ。正確には、復活の神殿や町の中央広場へと転送されるだけとなる。
つまり、この場から逃げ出す調度良い方法だった。
しかし、蓋を開けてみれば全損する前にHPは最大値まで回復してしまっている。そこへ、チマチマとまるで馬鹿の気力を削るかの様な攻撃をしてくるリーファ達。
「くっ……あくまで俺を捕まえる気か!?」
「ええ、時間は掛かりますが……」
これは、お前を捕まえる為の包囲網だと誰もの顔に書いてあった。だから、彼が《キリト》を人質に脅しを掛けて来るのもわかっていただろう。
「だがなっ!俺は、キリトの精神を乗っ取っているんだ。どれだけ肉体を傷付け様と、“俺”にはイチミリたりともダメージにはならないんだぞ!?」
「ですので、魂に干渉出来る人材を手配しました!」
「ああぁ!?」
「貴方は知らないでしょうが、この場にいる原作人物以外の我々は《神殺し》の一派です。魂に干渉出来る人材くらい用意できますよ!?」
「《神殺し》……だ、と!?なんで、今更お前等が出てくるんだよ!?俺は、俺は、神に選ばれた存在なんだぞ!?」
「ハイハイ、妄想乙!!選ばれたっつっても、適当に選ばれた一万人の内の一人なぁ!!お前以外にも、たくさんいるから(笑)!お前だけが、特別って訳じゃねぇから!!」
馬鹿の発言に呆れた鉄が、バッサリ真っ正面から馬鹿を切り捨てた。鉄は、『適当に』と『一万人の内の一人』という言葉を強く発言し、馬鹿にお前が特別な存在では無いって事を告げる。
「因みに、そいつ等はレベルやステータスを弄れるチートツール使ってレベル999とかやって俺TUEEEとか低装備無双して超楽しそうだったぜ!?」
「なっ!?レベル999!?そんなん、チートじゃねぇか!?それに、ステータスが弄れるだ、と!?……クソッ!!クソッ!!クソッッ!!」
「他にも、NPCでハーレム作ってウッハウッハしているらしいぜ!?」
「NPCハーレム!?ウッハウッハの毎日!?クソッ!クソッ!!クソッ!!!」
戦いながらも、馬鹿は鉄の与える情報に心穏やかではいられない様子だった。いや、むしろ段々と攻撃がお座なりに成りつつある。
「鉄……貴方、上手いわね。挑発……」
「あははは。馬鹿の欲望は、そこそこわかるので……」
その様子を見て、呆れた様に翼が鉄に声を掛けて誉める。
鉄は、微妙に苦笑いをしつつ視線を反らしてそう答えた。
そして、更なる煽り的情報を与え続ける。
「そう言えば、神様特典でレジェンダリーウェポン以上のアーティファクトが組み込まれたって知ってるぅ?あれ、一振りでボスモンスターも一撃らしいよ?今、ALOでは超級モンスター狩りが流行りなんだってぇー(笑)」←(嘘)
「な、なんだってぇー!?」
「超級モンスターもリポップするから、狩り祭りやってるらしいよー?」
「クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!クソッ!!」
鉄の挑発が、完全に馬鹿の欲望を超刺激。
馬鹿は、怨嗟の悪態を放つだけの壊れたレコードとなる。
「キリトに憑依した程度で満足してたなんて……なんてピエロ。他の転生者は、とても自由にこの世界を満喫してるっていうのになぁ!!ザマァ!!」
「クソッ!!!!!なら、テメェ等をブッ倒して俺もALOに行って楽しめば良いだけの話だろ!?」
「あははは!そりゃ、無理だね!!」
「何故だ!?」
「SAOキャラは、SAOブランドつー認識でSAOキャラ狩りが転生者の間で流行しているからだよ!!キリトなんて、最高のSAOブランドじゃんか!!ALOに降りたら、あっという間に捕まって見せ物にされるだけだ!!!!」
「なっ……な、んだ、と……」
ついに、馬鹿が片膝を突いてその場に崩れ落ちた。
馬鹿は、ブツブツと何かを呟いている。それは、この場を切り抜ける為のモノではなく他の転生者に対する怨嗟だ。
それと、なんで原作人物に憑依なんてしてしまったのかという後悔の呟やきだった。
「お兄ちゃんを返せ!!」
「キリトくんを返して!!」
「今すぐ、その体から出て行きなさい!!」
「キリの字を返せ!!」
「キリトさんを返して下さい!!」
「パパを返してっ!!」
「お願い!その体から出てっぃて!!」
「………………さ、い。うるさい!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいっっっ!!!!!!!!」
そして、馬鹿は立ち上がると剣を自分に向けて言い放つ。
「動くなっ!動けば、俺はここで自害する!!」
「「「「「!?」」」」」
「ふは……あははは!残念だったな。俺は、俺の自由を求めに行く!!コイツ(キリト)は、その人質だ!!だって、コイツはブランド物なんだろ!?コイツといると、優遇されるんだろう!?だったら、手放せないね!!どいつもこいつも自分ばっかり言い目見やがって……俺だって、俺だってハーレムを作りたいし、チートで無双したいんだ!!そりゃ、アスナを手に入れた時は言い様のない愉悦感に浸れたけどそれだけだった……。俺は……俺こそが、世界の中心なんだって確信が欲しい!誰にも気が付かれずに、一人で愉悦に浸ってるなんてただの馬鹿じゃん!!世界中にいる全ての転生者に崇められて始めて俺は俺に成れる!!ははは!そうだ!それが良い!!何せ、俺には《主人公補正》だってあるんだからその気に成れば原作人物全員を俺のハーレムに加える事だって出来るんだ!!お前等だってそうだろう!?アスナだけのキリトなんて、つまんないよな!?この世界で、俺が居ればキリトのハーレムに入れるんだぜ!?アスナだけのキリトではなくなるんだ!皆のキリトになるんだぜ!?」
「「「そんなのい(りません)らない(よ)わよ!!!」」」
「私は、私だけのキリトが欲しいのよ!皆と共有するキリトなんていらないわ!!」
「そうです!私だけを好きだと言ってくれるキリトさんが欲しいんです!皆に愛想を振り撒くキリトさんなんていりません!!」
「お兄ちゃんは、私だけのお兄ちゃんなんです!誰彼構わず共有されるお兄ちゃんより、私だけを見てくれるお兄ちゃんが良いんです!!」
「………………貴女達……」
「「「はっ!?…………ひぃ!?」」」
その場の勢いで、自分達の欲望をさらけ出してしまったリズベット達。怒りに任せたとは言え、恋人であるアスナ当人の目の前で告白めいた事を叫んだ為……アスナに睨まれて、あまりの恐怖に怯えてしまった。般若……般若が、アスナの背後に見える……等と呟きながら身を寄せあいドン引きである。そのコント?の間、リズベット達が開けた穴を守護者と使い魔達が埋めていた。
だが、馬鹿は呆けていて動かない。
「何故だ!?欲しかったモノが、手に入るんだぞ!?」
「いいえ、入らないわ。だって、貴方はキリトじゃないもの。見た目は、確かにキリトだけど心は違うでしょう!?」
「心だぁ!?そんなモン、関係ないだろう!?恋愛ってのはなぁ、顔だ!!顔が良ければ、どんな女だって俺を見てくれる!!それが、真理ってモンだろう!?そうでなければ、生前の俺は何だったんだって話だ!!見た目が悪いからって、女共には気持ち悪柄れて『臭い』とか『キモい』とか陰口叩かれて、ゴミを見るような目で見られ続けたんだぞ!?……そうだ、顔、顔さえ良ければ俺だってモテモテになっていたはずなんだ!!顔さえ……」
「顔さえ良ければって……キモいわね。そんな心だから、誰にも相手にされなかったって気が付きなさいよ!」
「違うっ!!性格なんて、ゲスでも問題ない!!女なんて、顔さえ良ければ男に靡く生き物だ!!性格や心なんて一切関係ない!!アイツ等は、顔が良くて金を持っていれば幾らでも靡く生き物なんだよおぉっっ!!!!!」
そう怒鳴り付けて、馬鹿は剣を振り上げると自らの胸に剣を突き立てようとした。
だが、剣が馬鹿を貫く前にいつの間にか割り込んでいた守護者の杖で防がれる。その上、刃が防がれ弾けた瞬間を狙って、馬鹿の手から剣を弾き離された。ガラン!と、馬鹿が持っていた二本の剣が離れた場所に落ちて音を発てる。
馬鹿は、呆然と己が手を見ていて固まった様に動かなかった。きっと、何が起きたのか頭が付いて来ていないのだろう。そこへ、守護者の拳が入った。
殴り飛ばされるキリト。
「なら、お聞きします。顔が良くなった貴方は、現在モテていますか?」
「……………………」
「キリトさんが、どのような方なのかは存じませんが……物語で描かれていたキリトさんがお金持ちだったのですか?顔が良くて、ゲスな人物だったのですか?」
「ははは……物語は、御都合主義で書かれているんだ。顔が良くなかったって、お金を持っていなくたってモテモテなんだよ……だから、俺も物語の世界に転生したんじゃないか!!ちょっとくらい、主人公の幸せを貰ったって良いじゃないか!?それをなんだよ!よってたかって……イジメじゃないか!?」
もはや、言っている事は支離滅裂である。
「アニメの登場人物だって言うなら、ちょっとは俺を楽しませろよっ!!それが、お前等の役割ってモンだろう!?」
「なんだコイツ……言ってる事が滅茶苦茶だ……」
「俺は、神に選ばれた存在なんだ……神の使徒なんだから、ちょっとは優遇しろよ!!」
滅茶苦茶な事を怒鳴り散らして、馬鹿は自らにナイフの先を向けて今度こそキリトを人質に取った。
「良いのか?《これ》で、貫けばコイツだけを殺す事が出来るんだぜ?」
「な!?それは……《ソウルイーター》ですか!?」
「え……何?」
「魂を食らう刃です……」
「そうだ。これで、キリトの魂を食い殺せばこの身体は俺のモノ。誰にも、俺を否定する事なんてさせやしない!」
「そんな事をすれば、貴方だってただでは済みませn「うるせぇ!!」…………」
「俺の思い通りにならない世界なんて要らない!そんな世界なんて滅びてしまえば良いんだ!!」
「止めてぇ!!キリトくんを殺さないでぇ!!!!」
「だったら、俺のモノになれ!!アスナ!!」
「止めなさいっ!!」
「うるさい!!お前等部外者は黙ってろよっ!!!」
「っ!」
「他の女共もだ!!お前等全員、俺のモノになればキリトは殺さずにおいてやるよぉっ!!ひひっ。ひゃはっ!ひゃははははははーーーー!!!」
「待ってっ!!」
ぐっと、キリト?は己の身体にナイフを突き立てようと力を込める。それを見たアスナは、震える身体を抑えつつも胸の前で手を組んで祈るように叫ぶ。
「アスナ!?」
「アスナさん!?」
「…………わか…ったわ……だけど、他の皆は助けてあげて……」
「ダメだ!!ほら、お前等も答えろよ……俺のモノになるってなぁ!!」
「キリト!目を覚ませっ!!」
「キリトォォ!!!!」
クラインやエギルが、転生者の中にいるキリトに訴える。
だけど、キリト?はニヤニヤと狂った様に笑っているだけで彼等のキリトには戻らない。沈黙が続き、諦めにも似た空気が彼等の間に流れ……それを消し去るかの様に憑依転生者が急かす。
「さっさと、答えろよっ!!!」
「ーーーっ!」
「~~~っ!お前は、何時まで待たせる気だ!?《神殺しの異端児》!!今、ここにお前が嫌う絶望が満ちているんだぞっ!お前は、それを払うのが役割だろう!?なら、さっさと来いっ!誰かが、不幸に堕ちる前にっ!!」
痺れを切らし、待ち切れなくなった守護者が世界に訴える様に叫ぶ。ここにはいない彼の者に、助けを求める様にその要望を叫ぶ。
自分には……彼には、魂に介入して切り離す様なスキルはないが故に、ただひたすら願いを叫ぶ事しか出来なかった。何も出来ないからこそ、それが出来る人物に呼び掛ける。
声は届かずとも、その想いは届くと信じてーーー。
ーーー瞬間、天を貫く紅の柱が現れた。
求められたのは《救い》。
必要とされたのは《ルール・ブレイカー》。
全ての絶望を払い、希望の光を満せる者。
天を貫き、大地に紅い光を押し付ける様にして彼の者を召喚した“それ”は役目を終えて吹き飛ぶ様に消えた。
そこから現れたのは、少年というには幼い子供。
現れた子供は、ゆっくりと目を開くと周囲を見回し、己に刃を向ける者に視線を合わせた。
「…………確認……」
右手を水平に伸ばし、何を掴む動作をしたと思ったら幼い子供の手には虹色に輝く剣の様なモノが握られている。
その虹色に輝く剣を数振りして、担ぐ様に肩に乗せた。
「じゃあ、ちょっくら絶望を払いに行きますか……」
《スターバーストストリーム》!!!
位置固定。一人演舞。←これが、現実だ(笑)。
しかし、倍速らしいので当てに移動すら出来ない……とか。
もはや、笑うしかない(笑)(笑)。
( *´艸`)プププ……。
鉄が……鉄が、言葉無双していやがる!?って驚愕の事実に大笑いです(笑)。ノリと勢いで、嘘まで付いて……詐欺師の才能を感じるよ(笑)。
《ソウルイーター》……は、神様に与えられたオマケ的なモノです。中々厄介なモノを渡してますよね!!
作者のイメージとしては、魂を食らうナイフ的なイメージ。
なので、馬鹿に持たせてみた訳ですが……。中々どうして、ゲスな感じに仕上がってますねぇ(笑)。
神様的には、『気が済んだら消えちゃって良いよ』的なアイテムとして渡したと考えますが……でもそれを、馬鹿が『キリトを消して、自分のモノにしちゃえ』的な勘違いをしていた訳です。多分、刺してたら消滅していたんじゃないかな?
もちろん、転生者の魂の方が……。
何にせよ、ろくでもない理由で持っていたと思われる。
そして!万を期しての双夜登場です☆!!
しかも、仲間?の呼び掛けに応えた感じになってしまいましたが……多分、世界も痺れを切らしていたのかと思います。
それが、仲間?の叫びで動いちゃった感じ?
『その虹色に輝く剣を数振りして、担ぐ様に肩に乗せた』。
イメージ的には、キリトが魔法を切った(アニメで)場面と似通った状態(笑)。まあ、切り捨てるのはキリトに寄生する転生者をですが……中々、主人公やってます(笑)(笑)。
とりあえず……盛り上がってますか?
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。