絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一七七話

Re;

 

 

「レベル二千万のドラゴン…………?」

 

「え?え?え……そん、なの、いるの?」

 

転生者達は、俺の問い掛けに一気に騒がしくなった。

口々に、不満の声をあげているが……それを生み出したのは、彼等自身なのでそもそもその事を知らない事の方が驚愕である。

 

「おやおや……じゃあ、ちょこっと僕がそこら辺について説明してあげよう。何、数分で済むからそのまま聞いていると良い」

 

という訳で、俺はその場にいた転生者全員にこの世界の根底から現状までを簡潔に説明した。

この世界が、『ソード○ートオン○イン』と呼ばれる小説を元にその中で紹介された《ゲームの世界観》を現実化させたモノである事や、それによって生じた不具合を含むナイナイ物尽くしの世界である事等……様々な事をブチ撒ける。

更には、転生者達が願った神様特典がモンスター達にも適応されていてレベルの上限が無い事や、システムロックが存在しないのでそのレベル二千万級のドラゴンが洞窟から這い出て来ていて自由に飛び回っている事等を告げた。

 

「え、ちょ、ちょっと待って!じゃ、じゃあ、そのドラゴンがここ……アルンをブレスで攻撃する可能性があるっていうのか!?」

 

「うん。ソイツが、町や村に興味を示せば……ね?この世界は、SAOと呼ばれるゲームの《世界観》を形にした世界だ。その《世界観》に、ゲームらしいシステム等は含まれない。本当に概容のみを形にしたモノだから、ソードスキルも無いし……町や村を守る《アンチクリミナルコード》もない。だから、ドラゴンがやって来てブレスを吐き出せば君達諸とも町も村も焦土と化すだろう」

 

他にも、色々な問題があるとも告げておく。

 

「~~~おい、誰か……ステータスツール持ってねぇ!?」

 

「カスタマイズツールもだ!ギルガメッシュ、お前のチート武器を更に強化してドラゴン退治する気ない?」

 

「無理だ。そんな事しても、そのドラゴンは俺達では倒せない!だって、俺達には戦闘経験なんてないんだぞ!?」

 

真実を聞いて、慌て始めた転生者達がチートツールを周囲に求め始める。

だが、異端技術の塊であるチートツールを用いてレベルやステータスを上げても、彼等自身に戦闘経験も無ければ超飛躍上昇したステータスで動き回れる者もいない。

 

「あ。チートツールで、レベルやステータスを弄るのは止めた方が良いよ?」

 

「なんで!?討伐しなきゃならないだろう!?」

 

「うん。だけど、君達じゃドラゴンのレベルを上昇させるだけで役には立たないよ……」

 

「あ゛!?」

 

「だって、君達はその超飛躍上昇したステータスに慣れてないから走る事もままならないんじゃないかな……」

 

「それは……」

 

「ゲームであるならば、補助してくれる《アシストシステム》は存在していたかも知れないけど……この世界には、それが無いから完全マニュアル状態だ。君達にある?戦闘をする為の技術が……急上昇したステータスでその技術を十全に引き出せる?にゃははは。出来なかったから、レベル二千万のドラゴンなんてモンスターが生まれたんだよね?」

 

否定出来ない事実に、話を聞いていた転生者達は沈黙する。急上昇したステータスに、対応出来なかったからこそモタついて敵に殺られ捲った訳だ。

それが、雑魚モンスターにであっても……である。

急上昇したステータスで自爆して、気が付いたら復活広場……というパターンが彼等の現状だった。

もう、戦闘以前の話である。

 

「…………《アシストシステム》が無ければ、俺達は雑魚以下って事かよ……ははは」

 

「そのドラゴンを倒す事で、何が得られるのかはわからないが……君達が、そこまで向かって行ったのには訳があるんだろう?それを、教えてくれない?」

 

そう簡単に教えてはくれないだろうけど、一応話をしない事には何も始まらない。

なので、とりあえず聞くだけ聞いてみた。

 

「即死系武器だよ……」

 

「???」

 

その問いに、即答する声があった。

転生者の間では、そこそこ有名な話らしく誰もが知っている様子ではある。だけど、ほとんどの奴が口を閉じ黙り込んでしまっていた。

 

「だから、俺等が必死こいたヤツだろう?それなら、二つしかねぇよ……一つは、三階層のボスと《黒死竜》だ……」

 

三階層のボス程度に、必死こかないといけない転生者。

一瞬、吹き出しそうになったけど何とか堪えて吐き出しそうになった毒を飲み込む。それにしても、アシストシステムがなかったとは言え殺られ過ぎである。

つーか、毒消しアイテムがあれば問題ないだろう?

 

「…………。その竜……何処にいるの?」

 

「10階層にある大富豪宅から依頼を受けて行ける場所にいる。あそこ事態が、神様特典で追加されたダンジョンだから……ソイツが、外に出て来れるかはわからないが……」

 

三階層から上に行けないのに、攻略出来た理由は未階層であっても転移出来る神様特典を持った奴に転移させて貰ったそうだ。ここは、鉄達の予想通りである。

 

「で、即死系武器の性能は?」

 

『『クリティカル出たら即死!!』』

 

「クリティカル出なかったら?」

 

『『ショボいでぇ☆(笑)!!』』

 

「…………。その武器は、GETしたの?」

 

『『してねぇ~よ!わかるだろ?察しろよぉ……』』

 

悔しそうな顔で、『察しろ』と言われてしまった。

まあ、そんなモノを持っているなら三階層で詰まったりはしないだろうと思われるので黙っておく事にする。

それにしても、割りと簡単にその秘密を教えてくれたので感謝はしておく。ただ、マイナス状況が圧倒的なので口にはしないけど。

 

「そっかー……即死系の武器が得られるのか。じゃあ、『???の欠片』は?アレは、何の特典?」

 

「それは、一定数集めて鍛冶屋でインゴットにして貰うヤツだ。で、そのインゴットを武器に変えるとランダムで一本の武器を得られる。それが、即死武器の原型だ」

 

「あれって、全部連動してたんだ……成る程ね。じゃあ、アーティファクトは?そっちも、即死系武器関連?」

 

「そっちは、そっちで別物だ。持ち込まれたのは、超強力武器とクリティカル出たら即死!攻撃力はないよ?武器だからなぁ……」

 

「なんて極端な……でも、嫌いじゃないよ(笑)。即死系は、手数を増やせば良い訳だしねぇ……」

 

「考えたヤツもそう言ってたよ……ただ、ソードスキルもアシストも使えなくてドラゴンに殺られ捲って心折れちゃったんだけど……」

 

「ダヨネェー……」

 

それは、残酷な話だけど仕方がないので折れちゃったのなら諦めてください。苦笑いする転生者から、視線を反らしてその残念ップリに沈黙する。発想は良かったんだけど。

しかし、そっかそっか……アレ等って、全部が連動するモノだったんだね。

 

「じゃあ、大富豪のクエストってどうやったら受けられる様になるの?」

 

「それは……自分で、探せ!」

 

「僕は、君達の尻拭いの為にここに呼び出されたんだよ?」

 

「あ゛?呼び出された?……って、お前この世界に転生した奴じゃねぇのか?…………もしかして、《神殺し》?「そーですが?」……マジで!?…………だったら、余計に教えられねぇなぁ……」

 

「……GETした即死系武器を譲るって言っても?」

 

『『テメェが嫌なら俺が教えるっ!!』』

 

「ちょ!?待て!!俺が教えるって!!」

 

清々しいまでの手の平返しであった。

 

「つーか、要らねぇのか?即死系武器だぞ!?」

 

「……《直死の魔眼》って知ってる?もしくは、その系列で《死の魔眼》とかとか……即死系の魔法も持ってるし……」

 

『『『『おおぉうっ……素で、チートなのか……』』』』

 

という訳で、手に入るであろう即死系武器を譲る方向で話が纏まり、俺はその情報を得る事に成功した。

その他にも、アーティーファクトの情報も仕入れて……何人かの特典を等価交換してからそこを離れる。

もう、表に出る気のない転生者達から感謝の言葉を受け取って、俺を探す為にアルンをさ迷っているであろう翼達と合流する事にした。翼達の動向は、フレールくんによって筒抜け状態だったので問題はない。転生者達が、集まる教典作成の建物から出て二・三分程で合流した。

 

 

 

……………………。

 

 

 

「何処行ってたの!?心配したんだよ!!」

 

俺を見付けた第一声が、すじゅかママのこの一言。

そのまま、お説教コースになって石畳の上で正座させられてループに近いOHANASHIが行われた。

石畳の上で!

時間としては、30分程。

翼達は、止めようともしなかった。

しっかり、心のメモ帳に奴等の非道を書き込んで先程得た情報を共有する。別に遊んでた訳じゃないよ!とアピールしつつ、フラフラしていた理由を告げて君達では得られなかった情報を集めてたんだよとチクリチクリ毒を刺す。

 

「ごめんね?遅くなって、ホントごめんね?でも、この程度の情報くらい集めて欲しかったかな?」

 

「くっ……チビッ子が、毒を吐いて来るわ……」

 

「クソッ……でも、言い返せない……」

 

鉄と翼に意趣返しをし終えたら、歩みを進めて《幻痛》を訴える患者の元へと赴いた。そこは、何処かの馬鹿共を収容していた何時かの仮設病院。中を覗くと、身体の痛みを訴えて悶絶している人々がいた。

それは、転生者を含むSAO組の連中だ。

パッと見た感じ、俺が考えていた予測とほぼ替わらなかったので更に詳細を調べる為に行動する。

とりあえずは、SAO原作組を使うと罪悪感が沸き上がりそうなので、今回は転生者でステータスの低い奴を使う。

その悶えてる馬鹿を引っ付かんで、ズルズル引き摺りつつ町の入り口まで連れて行き……フィールドへと蹴り出した。

鬼畜の所業ではあるが、予想が正しければこれで……。

 

「っ…………うっ………………って、あるぇ!?痛みが、無くなってるんですけど!?」

 

予想通り、《幻痛》に悶絶していた転生者が困惑した顔で起き上がって来る。もう、考えるまでもなく俺の予想が正しいのだろう。つーか、ギルガメッシュで実験すりゃ良いじゃん。さっき、教典作成の場所に居たんだから連れてくれば良かった。惜しい事をしたもんだ。

 

「じゃ、町に入って。多分、しばらくしたら痛み出すから……んで、悶絶してて(笑)」

 

「え?ちょ、苦しむのわかってて入る馬鹿わぁーーー!」

 

文句を言い出す転生者の言い分を聞かずに、ヒョイッと襟を掴んでアルン内へと連れ込む。

そのまま引き摺って、再度仮設病院に放り込んでおいた。

バインドで拘束して、しばらく放置するとまた苦しみ始めたので間違いなさそうだ。後は、フィールドでの戦闘で攻撃を受けて痛みを感じないというのであれば確実だろ。

 

「兎も角、原作人物と転生者で確認しないとなぁ……」

 

協力要請したとしても、はたして人が集まるかどうかが問題だ。これはもう、その辺の奴を拉致って適当に切り刻んだ方が良いかもしれない。まあ、転生者の実験体は目の前にたくさん転がっているんだけどね。

という訳で、転がっている転生者(さっきのとは違う)を拾って外(フィールド)へと連れて行く。ある程度、アルンから離れた所で転生者を放し構わず切り捨てる。

腕を切り落としたのにも関わらず、転生者はポカーンと口を開けたまま固まっていた。

 

「痛くないの?」

 

「はあ?痛くないに決まってるだろう!?つーか、何やってくれちゃってんのお前……死にたいの?」

 

「え?人体実験だけど?」

 

「サラッと恐ろしい事言ってんじゃねぇよ……ビックリするわ!!つーか、何調べてんだよ!?」

 

何故か、連れてきた転生者は俺から視線を反らしブツブツと呟き始める。ってか、知りたい事を検証して何が『恐ろしい』事なんだろう?君達も色々やってるよね?

 

「君達が苦しんでいる《幻痛》を……だよ。まあ、今ので大体理解したけどな。さて、君達を苦しめている《幻痛》とは……要は、今受けた攻撃で得たダメージが後になって現実の痛みとして身体……ってか、神経に多大な影響を与えた結果である」

 

「いきなり、講釈を垂れ始めたよ……まあ、気になる事だったから良いけど……つーか、神経に多大な影響を及ぼしたってどういう事だよ!?ってか、戦闘で得たダメージが後になって肉体に反映されるのはどういう理屈だ!?」

 

「……一つ目。攻撃を受けたのに、痛みを感じないっていう状態がどれ程異常なのかわかってる?つーか、自分で腕とかツネッたとして……痛くないなんて言わないよね?」

 

そう問いかけると、『当たり前だろう!?』と言いつつ転生者は斬られた腕を逆の手でツネッて見せる。

 

「ほら、普通に痛いって……って、あるぇ!?」

 

「腕を切り落とされてるのは痛くなくて、ツネッた腕は痛いんだね。……中途半端に《ペインアブソーバー》が生きているのか……きっと、それが《幻痛》の正体だよ」

 

敵の攻撃を受けて、痛みを感じない肉体である事と欠損の痛みはないのに軽度な痛みには反応する神経。そのアンバランス差が、中途半端に残っているゲームシステムの影響を受けているのだろうと思われる。だが、ここで問題になるのは途中半端に残っているゲームシステムではない。

大ケガをしても、痛みを感じていない転生者……もしくは、原作人物達の方が問題だ。

現状、ゲーム時代のシステムの名残で痛みがカットされているっていう状況こそがヤバイ。その内、この《名残》が時間経過で無くなる可能性がある。まあ、せめてもの救いはその消滅が緩やかに行われているってところか。

しかし、急激ではないにしろカットされている痛みが戻ってくるのは問題だ。その痛みがないからこそ、転生者も原作人物達も戦えているが……その戦いすら満足に出来なくなる可能性がある。

 

「それでなくても、チートツールでおかしな事になっているっていうのに……この上、痛みで戦えないとか言い出す馬鹿が出てきそうだ……」

 

「え……これ、酷くなるの?」

 

「あ、あー……痛くないのが、痛くなっていく感じ?」

 

「え?《ペインアブソーバー》は!?」

 

「無いよ?今は、ゲーム時代の名残で痛みを感じてないだけど……これから、どんどん酷く成っていくかも……」

 

というか、原因がわかっただけで全く何も解決してない件。どうしたものかなぁ。まあ、どうにか出来る案が無い訳では無いんだが……ぶっちゃけ、とっても面倒臭いです。

簡単に言えば、新たに《ルール》を作って世界に組み込んじゃえば割りとあっさり通っちゃいそうだ。その場合、必要になるのは《ソードスキル》と《ペインアブソーバー》辺り。《アシスト》なんて、付ける必要はないから省いちゃってOK。ってか、この世界って剣と魔法の世界なんだよな?

なら、魔法が使えて《ソードスキル》が使えないのはおかしいんじゃない?

右手を振って、ステータス画面を開く。

《ソードスキル》を確認した後、他の項目も開いて行った。しばらく、ステータス項目を漁っていると《OSS》という奇妙な頁を開く。

 

「オリジナルソードスキル?」

 

それは、自分だけのオリジナルソードスキルを作れるっていう項目だった。要は、自分が考えた《最強の技》と似通った黒歴史ッポイモノを編み出せる訳だ。

面白そうだったので、試しに一つそれを作って見る事にした。項目を操作して、スタートの欄にタッチする。

すると、キュイィィィンという音と共に剣の刃の部分に光が集束していく。そして、カウントが零になった処で決まった時間以内に剣舞を舞ってそれを《OSS》として登録するというのが《オリジナルソードスキル》の全容だ。

最初なので、適当に剣を振り回してそれを登録する。

その際、敵の代わりとしてその辺の丸太を使ったのだが木端微塵になった。手数としては、15HIT程。中々の出来だと思われる。出来上がった《ソードスキル》をスキル欄にセットして、剣を構えた後少し溜めを作ると剣に光が集束していく。

 

「え……ファッ!?」

 

ズバン!と、その《オリジナルソードスキル》を使ってみた訳だが……先程、実践した剣の軌跡がトレースされた。

 

「なんだ……使えるじゃないか。《ソードスキル》……」

 

「ちょ、おまっ……何しやがった!?」

 

使えないとされていた《ソードスキル》が、普通に使われるのを見て転生者が驚きの声を上げて詰め寄って来る。

 

「馬鹿なっ!?俺等だって、色々と試してダメだったのに……なんでお前だけ!?卑怯なっ!愚劣なっ!!」

 

「…………一つ良いか?」

 

余りにも、必死こいて文句を言ってくるモノだからフと思い付いた事を問い掛けてみる事にした。それは、初心者なら誰でもヤりそうな失敗。ちょっとした、意地悪のつもりだったんだけど……『まさか』とは、思いつつそれを確認してみる。

 

「お前等、ちゃんと創ったソードスキルをスキル欄にセットしたか?セットしないとーー」

 

「…………あ、やめて!何も言わないで!!」

 

その一言を受けて、俺は呆れ果てた視線を転生者に向けた。転生者は、俺の発言を途中でブッタ切って両腕をクロスし視線を全力で反らす。それだけで、何が行われていたのか手に取る様にわかってしまった。

だけど、実践して貰わないとこちらもわからないのでニコニコ笑いながら《OSS》をスキル欄にセットさせて《ソードスキル》を使って貰う。結果、転生者は問題なく《ソードスキル》を使用できた。

 

「ねぇ……」

 

「止めて!わかってるから!わかったから!超理解したから!だから、何も言わないで!!」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

本の数秒、沈黙の間がその場を支配する。

だからと言って、ここでツツカナイ訳には行かない。

俺は心を鬼にして、ハッキリと告げて上げる。

 

「お前等、馬鹿だろう……」

 

「ゴハッ!!」(吐血)

 

名も知らぬ転生者は、俺の吐いた毒に吐血しつつ倒れてしまった。通常の《ソードスキル》は、使えないままだったので良いとするが《OSS》に関しては完全に転生者達の勘違いだったモヨウ。まさか、誰もセットせずに使おうとしてるなんて予想だにしていなかった。

 

「基礎中の基礎だろう?」

 

「うぅっ……」

 

「まあ良いや。じゃあ、アルンに戻ろうか?」

 

「え!?……それは、ちょっと……」

 

「何?《幻痛》が怖いの?仕形がないなぁ……ここで、僕に頭カチ割られて復活広間で生き返りたい?それとも、自力で帰る?」

 

「自力で帰らせて貰います!!」

 

「うむ……はぁ……」

 

それにしても、ゲーム時代でレベルが上がると同時に覚える《ソードスキル》が使えないだけで、《OSS》が普通に使えるところを考えるとこの世界の《ソードスキル》は編み出し式なのだろう。

まあ、考えれば誰もが納得した上で理解出来る事ではあった。そもそも、転生者達は特定の条件も揃えずにレベルを上げていた訳だから《ソードスキル》を覚えられるはずがない。彼等のレベル上げは、『チートツール』という反則方法で上げていた。そりゃ、わからないはずだ。

きっと、《ソードスキル》ってのは剣を何万と振り……身に付いたリアル熟練度で、修得するモノなのでは無いだろうか?ーーーって事はだ……原作人物達の《ソードスキル》が使えない理由も何となく予想できる。

リアル熟練度が関係するなら、原作人物達にもそのルールが適応されて《ソードスキル》だけではなく、その他のスキルも使えなくなっている可能性があるだろう。

しかも彼等は、この世界に現界してから転生者とのいざこざで熟練度を上げる機会を失ってしまっている。

《ソードスキル》が、使えないままで当たり前だ。

リアル熟練度が適応されたそれ等は、修練を積まないと修得する事すら出来ない代物となっている。

ならば、地味にレベルを上げて修得する以外に《ソードスキル》を得る方法は《OSS》だけという事になるだろう。

だが、それは転生者達の愚行によって『無いモノ』だという事になってしまった。全てが現実化したのなら、その可能性に気が付いてもおかしくなかったのに……転生者が、この世界をゲームの延長線上のモノと捉えていたが故の不幸だった訳だ。それが、原作人物達に浸透した理由はわからないけど……いやはや、救い様のないアホ共である。

 

「お前達が、【チートツール】を使わなければ直ぐにわかった事だったはずなんだけど……」

 

「ファッ!?いきなり、ディスられた!?」

 

「いきなりじゃねぇよ!お前等が、地味にレベルを上げていれば《ソードスキル》が使えないなんて発想は出て来なかったと言っているんだ!!」

 

「ええ!?ちょ、それ、どういう事ッスか!?」

 

サクサク説明してやると、驚いた表情で後ろを歩いていた転生者が俺の横へと駆け寄ってきた。

 

「この世界の《ソードスキル》は、剣を振る熟練度で得られるスキルだって事だよ。何万回も剣を振って、リアル熟練度を上げる事以外で修得は出来ないんだろう……」

 

「ええっ!?何、そのハードモード!!」

 

「馬鹿か!?それをやったのは、お前等転生者だろう!?この世界を現実にしたのは、紛れもなくお前等なんだから……」

 

「…………現実?……え?現実!?」

 

何故か、『現実』という言葉に愕然とした表情を浮かべて茫然自失な感じでこちらを見詰めてくる馬鹿。

 

「あ!?…………お前等、この世界を何だと思ってたんだ?」

 

「え?あ……いや……NPCが、人間みたいな自律神経を得ただけのゲーム世界かと……」

 

「はあ!?この世界は、SAOというゲームをリアル世界にしたモノだろう?え?まさか……知らなかったのか!?」

 

「い、いや……だって、死んでも死なないし……モンスター倒したら、死体は消えてアイテムとお金がドロップするから……」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「成る程。転生者共の大半が、ゲームの延長線上だと思っていた訳だ。そりゃ、おかしな話になるだろうさ……」

 

「さーせん……」

 

どうやら、大きな勘違いが転生者の間にはあるらしい。

これは、中々面倒な話に成りそうで……何れは、頭を抱えるハメになりそうだ。問題を纏めるならば……。

 

①転生者に、この世界がリアルである事をちゃんと認識させる。

 

②《アシストシステム》ないから、【ハードモードだよ!】を告知。

 

③ソードスキルは、リアル熟練度で修得!だから、レベルを初期化!最初からやり直し!!もしくは、バリバリモンスターと戦い捲ろう!!

 

④チートツールの回収!異端技術は、身を滅ぼすだけのデメリットツール!!その情報の拡散。

 

⑤神様特典で、追加したモノの情報開示。

 

⑥無茶な攻略は、殺っちゃ駄目だよ!殺ったら、詰むからね?という現実を周知させる必要性。

 

⑦レベル二千万のドラゴンがいるよ!!

 

⑧倒されたら、モンスターもレベルアップするからね?因みに、転生者が得た現界突破やレベル上限無しはモンスターにも適応されてるから!!の周知。

 

⑨NPCは、NPCではなくこの世界の原住民だからね!?

 

⑩衣食住問題。

 

ヤバイ。軽く上げただけでもかなりある……。

これ以外にも、様々な問題が転がっているから中々大変だ。とりあえず、まずヤるべき問題は①②③が優先だろう。

他は、後からでも告知出来るが先ずはこの世界をちゃんと認識させる事が優先である。

全く……ムッチャ面倒な依頼を受けちゃったぜ……。

これ、特別手当てとか出ないかなぁ……。

 

 

 

 

 

 




出ないよ!!特別手当てなんて、そうそう出る訳ないだろう!?にしても、今回のは良く解る《ソードスキル》が使えない理由でしたね!!(笑)。まさか、原作人物達は機会が無くて転生者達はチートツールの弊害だったなんて誰が気付くんだよ(笑)。転生者は、気が付きそうで気が付かないアホだったし(笑)。ま、言い訳をするならこの世界に転生して一年も経ってないのが原因だったんだろうね(笑)。先に来てた奴等は、別の事に注視していて《ソードスキル》なんて二の次だっただろうし……これはもう、先達者が全て悪いと言わざるを得ないか?先に来て、世界の攻略よりハーレムとかに走った転生者達のくだらない思考のせいともいう(笑)。
そいつ等が、一・二回《ソードスキル》を使おうとして使えず諦めたのが原因ッポイ。それを後者に伝えたりしたのだろうと推測。なんとなく、それが正解の様な気がするよ(苦笑)

ジャジャン!!
『《ソードスキル》使えないんじゃ無かったの!?』とか、『転生者、剣を振り回してたんだよね!?なら、レベルが上がっててもおかしくない!?』とか思ってる方々へ……ただ、剣を振り回すだけで《剣術Lv》が上がる訳ないじゃん(笑)。
訓練と実戦。されど、決定的に違う事がある……それは、《意思》だ!!実戦は、『敵にダメージを与える為に振るう剣』だが……訓練は、『《剣術スキル》を得る為に振るう剣』なんだよっ!!(笑)。それだけの違い(笑)。
それをヨシとしたら、この世界は【SAO『モドキ』世界】なんて名称にはならなかったよ(笑)。多分、大半の人がこの名称に騙されてたんじゃ無いかな(笑)。そもそも、作者はSAO・ALO(ゲーム)の『類似世界』とは言って無いんだよ?
『世界観』を元にしたとは言ったけどね(笑)。
その場合は、『SAOモドキ世界』ではなく『SAO類似世界』と称していただろうね(笑)。もしくは、SAO&ALO世界?
正解は、小説手にすればわかる。
アレって、全部“SAO”だよね(笑)。
アレの中の『VR(ファンタジー系GGOは除く)MMOを元にした世界』を抽出再現した『モドキ』世界なんだよ(笑)。
つまり、SAOアリシゼーションにあったチート技能《心意》システムをも組み込まれていたりした訳だ。
それがある以上、《剣術》を『意識して』使わない限り《剣術Lv》が上がる事はないって訳さ。
ただ、剣を振り回すだけなら誰にでも出来る。
故に、《ソードスキル》は無かった訳じゃない。
誰も、訓練して無かったから使えなかったんだよ(笑)。

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