絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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一九八話

???

 

 

『きゃああああぁぁぁぁぁ!!?!?!?』

『ぐわああああぁぁぁぁぁ!!?!?!?』

『ぎぃゃあああぁぁぁぁぁ!!?!?!?』

 

 

凄まじい衝撃と震動に、局員全員が悲鳴と怒号を上げる。

唐突に次元空間航行艦船アースラを襲ったのは、衝撃と爆発だった。それは、ディストーションフィールドを貫通して動力炉の一部を掠めて突き抜けて行く。それにより、アースラは一事航行不能状態へと陥っていた。

チャージ途中だったアルカンシェルも、この衝撃で発射不可に陥り……転送システムも沈黙してしまった為、ただ地上の戦闘を見守るだけしか出来なくなる。

その数日後、何とか応急処置をして本局に戻る事に。

しかも、一部のクソ局員がリンディ・ハラウオンに全ての不始末を押し付けて自分達の保全に走った為に余計な気苦労を背負子む事になるのだが……それは、また別のお話で。

 

 

 

所変わって、地上では。

 

「つか、無理です!!」

 

「出力が、足りな過ぎだ!!」

 

神崎ズが、弱音を吐き出し始めていた。

どれだけ攻撃しても、どれだけ取り巻きを振り払ったとしても次から次へと再生し取り巻きを増やして行く敵に二人は分の悪さを感じていたからだ。その上、原作と違って数が少ない上に魔法の出力も弱めなければならないという条件まで付いていた。何故ならば、ずっと管理局のサーチャーに観測されているが故に全力を出せない彼等は、ほぼ負け戦な戦いを強要されている。現状の彼等が出来る事は、一撃一撃に込める魔力をホンの一瞬爆発させる程度の事だけだった。まあ、それもかなり緻密な魔力制御が必要な為にデバイス制御である翔悟は使えないんだけど。

 

「もう少し、堪えてください!」

 

「もう少しすれば、ユーリさんがお友達のクリスマスパーティーから戻られますから!!」(温度差が……)

 

「クソっ!こんな時に、クリスマスパーティーにお呼ばれかよ!?ユーリは……仕方がないか!!」

 

「初めて出来た、原作とは関係ない友人との集まりなんだ。邪魔できる訳、ないだろう!?」

 

戦力としてのは一級品でも、子供としてはまだまだ遊びたい盛りの少女でしかない。故に、神崎ズはその話を聞いた時、迷わず「行って来い!」と送り出した。

その結果が、この文句まみれの戦場である。

だが、彼等は後悔をしていない。

文句は出ても、それは力不足に対してのみで自分自身の責任であると言わんばかりだ。とても、元踏み台転生者とは思えない言動である。大変ではあるけれど、寂しがり屋のユーリの思い出の為だ。多少の『大変』くらいは、笑って許してあげる予定なのだろう。

 

「優しいんですね……」

 

「違う!『俺達』は、楽しい思い出をたくさん作ってるのにユーリだけが寂しい想いをしてんのは間違いだと言っているだけだ。一人だけ、仲間外れってのは面白く無いだろう!?」

 

「その通り!《旧・神族》の被害者であるユーリを、放置して置くあの糞チビが悪いんだ!!」

 

「死にたいんですか?」

 

うっかり、翔悟が双夜を悪く言うといつの間にか背後に回っていたテオルグの低音ボイスが耳元で呟かれる。

ついでに、殺気というおまけも付いて来た。

 

「ひぃ!?でもでも、ユーリを放って置いたのは事実じゃんか!?俺、間違った事言ってる!?」

 

助けを求める様に、視線を大悟に向けるがテオルグの怒りに怯えた大悟は視線を反らして知らんぷりを決め込む。

 

「Masterは、対応がわからなかっただけで気にはされていましたよ。それに、ユーリには好きにして良いとも言っておられました!!」

 

しかし、それは自由を与えたというよりユーリへの対応を放棄したとも取れる行動である。

そういう風にしか、神崎ズには思えなかった。

とは言え、まともな幼少期を送っていない双夜にはどう対応すれば良いのか良くわからなかったのも仕方がないと言える。全ては、糞ニートのアホ親が悪い。

 

「じゃあ、とりあえず!学校に入れておけば良いと思うよ?そしたら、ユーリのしたい事だって思い付くかも知れないんだから!!」

 

とりあえずで、学校へ入れるというのもおかしな話ではあるが、世の中を知らない子供に選択肢を与えたいと思うのであれば間違いではない対応方法である。

 

「そういうのは、神崎さんにお任せします。ウチのMasterは、魔王化の後で小学校入りした猛者ですよ?普通ではないのですから、普通の感性をお持ちの神崎さんが率先する場面では?」

 

「おぉう……こっちに責任が回ってきた!?」

 

たらい回しの責任に、とてつもなく嫌な顔をする大悟。

だが、双夜とユーリの件は理解しているので、例え短い期間でも出来るだけ学校に通える様にしなければと思い始める。とは言え、どれだけの期間通えるかはわからないが……長期戦になれば、通うのに問題はないハズなので世界の壁を超えたならば双夜に問うべきだろうと考える。

方法としては、双夜の【真実の瞳】に聞けば良い。

問いかければ、何かしらの答えが帰ってくるハズだから。

 

「大悟、言われてんぞ!?原作人物にうつつを抜かしてる場合じゃねぇぜ?ロリコンが!!(笑)」

 

「うっせぇ!!つーか、ユーリも原作人物だろうが!?」

 

「避けてください!!」

 

「「「ひぃい!?」」」

 

間一髪、向かってきた黒い砲撃を回避して悲鳴を上げる三人。それを、ラヴォルフが一睨みして注意する。

うっかり、ユーリの話題で話し込んでしまっていた彼等は散開しなければならないのに一所に集まってしまっていた。そんな事をすれば、狙われるのは当たり前である。

 

「ヤベッ……おら!真面目にするぞ!!」

 

「「うッス!!」」

 

そこへ、救世主が現れた。

 

「お待たせしましたぁ!!」

 

「「ユーリ来たーーo(≧∀≦)oーー!!!」」

 

金色の髪を靡かせて、赤黒い魄翼を広げて駆け付けたのは幼い姿の乙女ユーリ。満を期しての登場に、神崎ズが大喜びする。

 

 

 

ーーー彼の地より舞い降りし、天の御使いよ……

 

 

 

火力を待ちわびていた神崎ズが、完全にシンクロしてユーリの到着を歓迎する。ヒャッホー♪とハイタッチしようとして、ギョッと顔を驚きで染め上げると全力回避を決めた。

全く持って、お馬鹿さんの行動である。

神崎ズの間を、黒い砲撃が通り過ぎ……二人は、一仕事終えたおっさんの如く額の汗を手の甲で拭った。

 

「アッブネェ……蒸発する所だった……」

 

「ほら、集まってないで散開しなさい!!」

 

「へーい!ユーリ、火力ヨロ~♪」

 

「はーい。わかりました!」

 

翔悟の声に返事したユーリは、渾身の一撃を【闇の書(偽)の闇】に叩き込んだ。その結果、物理防壁がパリンと割れるがその下にあった魔法防壁に阻まれて消失してしまう。

 

「そういやぁ、複数の防壁があったんだっけ……」

 

「『鎧通し』が普通に使えるから気が付かなかったよ……」

 

「以下同文」

 

複重防壁に阻まれていた事を思い出し、神崎ズが辟易とした表情で巨体を眺めている。【闇の書(偽)の闇】からの攻撃は、苛烈を極めとんどん過激になっていく。

それらを回避しながら、彼等は声を張り上げて作戦を指事していた。言葉にする事で、念話での情報漏洩を防ぐつもりなのだ。念話でしてしまうと、【闇の書(偽)の闇】に言葉はわからずともイメージが伝わってしまう可能性があった。なので、念話ではなく言葉と声でつたえるのである。

 

 

 

ーーー汝、百戦錬磨の戦士達を導きし……

 

 

 

「とりあえず、一度壊してしまえば復活しないからブチ抜いてから料理しちまうぞ!!」

 

「おう!!」

 

「「了解!」」

 

「ユーリは、魔力防壁の方を頼む!!」

 

「はい!」

 

そう言って、ユーリは高出力の魔力を打ち出した。

それにより、その巨体を包んでいた魔力防壁が砕け散る。

そのすぐ後に、上空から落ちて来たテオルグが物理防壁を砕きながら【闇】の巨体を踏み潰す。文字通り、踏み潰された巨体はヨタヨタとフラ付きながらも立ち上がりまた攻撃を再開する。しかし、ユーリの超砲撃魔法で吹き飛ばされテオルグ・ラヴォルフの二人にボコられる姿からは、例え【闇の書】10冊分の魔力が内包されていると聞いても直ぐには納得出来ない状況だった。

 

 

 

ーーー悠久の戦場を渡り歩く乙女……

 

 

 

「「オラオラオラオラ!」」

 

調子に乗って、神崎ズが何かの真似を始めた。

しかし、テオルグ達はそれを無視する。とは言え、テオルグ達からすると神崎ズの行動は『恥じ』以外の何者でもないので止めて欲しい所だろう。しばらくして、それを止めた二人に使い魔達はホッと胸を撫で下ろした。

 

「使ってくる攻撃の威力は上がってるけど……何て言うか、ショボいよな……」

 

「ぶっちゃけ、後の先でも十分対応出来るんですが……」

 

翔悟は、『後の先』と表現したが……これは、攻撃された後でその攻撃に気が付いても避けられるという意味である。

実際、かなりの近距離で撃たれているにもかかわらず、かなりの高頻度で回避に成功していた。

 

「瞬動、使ってるからな(笑)」

 

「虚空瞬動は使えないのにな(笑)」

 

大悟は未だ、《虚空瞬動》が使えない。空も飛べない。

それを、自力展開した障壁を足場に《瞬動術》を使って移動していた。とは言え、良く踏み外す。目測と、実際の動きが合わない為だ。ほとんどの障壁展開を、感覚に頼った魔法でしている為に上手く噛み合わないのである。

双夜の様に、歩幅を合わせるといった緻密な魔法展開は出来ないので仕方なく先に展開してそれを足場に危な気にピョンピョンと跳ね回り攻撃を避けたり攻撃したりと激しく動き回っている。

 

「よっしゃ!多重防壁突破!!」

 

 

 

ーーー浄化の鉄槌を降す者よ……

 

 

 

物理と魔法の防壁をブチ壊し、漸く本体を剥き出しにした大悟達は総攻撃に出るも、即席で展開されたシールドに阻まれてしまう。それでも、それを押し返した彼等は勢いに乗って【闇】を押し返し始める。しかし、通常の【闇の書】と違い10倍の魔力がそれを阻んでしまっていた。

再度、展開されたシールドに攻撃を弾かれて中々ダメージが通らなくなって行く。そしてついに、全くと言っても良い程ダメージが通らなくなってしまった。

 

「ムッチャ、堅いんですけど!?」

 

「魔力出力を合わせて来ましたね!?」

 

「それって、ヤバいじゃん!!」

 

「くっ……流石、【闇の書】10冊分!10倍の魔力は、伊達じゃないって事か!?」

 

 

 

ーーー不浄なる者への天の裁きを……

 

 

 

「どうすんだよ!?」

 

「余分に、魔力を乗せるしか無いでしょうね!」

 

「うわ……魔力切れになりそう……」

 

「Masterが、参加されるまで気合いを入れるしかない!」

 

「ちっ……面倒な。仕方がない、魔力を使い切るつもりで行こう!後は、師匠にお任せで!!」

 

「「おう!」」

 

「「はい!」」

 

魔力の上乗せに次ぐ上乗せで、彼等の消耗は鰻登りとなりあっという間に魔力は尽きてしまう。残ったのは、ほんの一握りの魔力。それは、戦線離脱に使われた。

 

 

 

ーーーニーべルンヴァレスティ!!!

 

 

 

「ハッ!?ヤバイ!全員、全力疾走だ!!」

 

「「へ!?」」

 

「後、振り向くな!そんな暇があるなら、走れぇ!!!」

 

「「ぅおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」」

 

何かに気が付いたテオルグが、その場にいた全員に兎に角走れ!の命令を降す。今一、理解していない神崎ズとユーリだったが、テオルグを見てそれを二の次に足を動かす。

瞬間、【闇の書(偽)の闇】を中心に地盤がめくれ上がる程の衝撃と爆風に晒される事となった。

唐突に参戦したかの様に思われた双夜だが、実際はユーリと共に参戦していた。ただ、大魔法の詠唱をしていた為に実参加が遅れただけで今来た訳ではない。それに、例え遅れて来たんだとしても状況をひっくり返す事は双夜に取ってそれ程難しい事ではないので結果は変わらない。

 

「術式を逆算(数式に置き換えて)!手順を量産!乱数展開!!行け!《ニーベルンヴァレスティ・レイン》!!!」

 

術式を解体し、その秘術を数式と魔法陣に置き換えて省略。その手順を量産して、複数展開出来る様にする。

そして、乱雑に同時展開。《ニーベルンヴァレスティ》を、見渡せる限りの空間全域に展開して一斉発動する。

更に、攻撃が激しくなった。

もう、防壁が抜けないとかそんなレベルの話ではない。

大量の【光の槍】が、雨の様に【闇の書(偽)の闇】に降り注ぐ。一本一本が、着弾する度にクレーターが出来る程の爆発が起きて敵を抉って行く。もはや、問答無用だった。

防ぐ事も反撃する事も出来ず、【闇の書(偽)の闇】は一方的に削られて行き穴だらけとなってしまう。

 

「スゲー……」

 

「あのデカ物が、エメンタールチーズみたく……」

 

視線の先で、フルボッコにされている【闇の書(偽)の闇】を見て呟くのは神崎ズ。圧倒的過ぎる魔法行使と、派手過ぎるエフェクトに釘付けであった。

降り注ぐ【光の槍】。弾け吹き飛ぶ、対象物と大地。

抵抗らしい抵抗も出来ず、翻弄され続ける【敵】。

何もかもが、自分達とは違い過ぎてただ呆然と眺める事しか出来ないでいた。

そこへ更に、追加されるのはS・Bビット。

整列したそれ等は、魔力砲なのかビーム兵器なのかはわからないが光弾を撃ち始める。その数、約数万単位。

数えるのも億劫になりそうなレベルの、S&Bビットが大量に弾幕を展開するのは圧巻だった。

 

 

 

ーーー降れ。主神の名の元に……

 

 

 

冷たく、囁く様に呟かれるのは『真言』と呼ばれる【理】の言。それと同時に、【闇の書(偽)の闇】を取り巻く環境は刻々と変化していった。【闇の書(偽)の闇】を囲む様に、複数の帯状魔法陣によって囲まれていく。

 

 

 

ーーー法に背き、反逆に染まりし者……

 

 

 

帯状の魔法陣は、【闇の書(偽)の闇】を空間的に隔離するとその隔離空間を縦に伸ばし全てを包み込む。

 

 

 

ーーー己が罪を栄光と唄う者よ……

 

 

 

軌道上には、巨大な魔法陣が複数。

 

 

 

ーーー汝に与えられるは、裁きの鉄槌……

 

 

 

帯状の魔法陣で囲まれて、巨大な魔法陣を支えていた。

集束する魔力は、ブレイカー魔法の数倍。下手をすれば、周囲を巻き込んで何も残らない荒野へと変えてしまう程。

 

 

 

ーーー決して、避ける事はできず……

 

 

 

集束する魔力に、衛生軌道上からそれを観測していたリンディ達はアルカンシェルをも超える魔法の行使に背筋を凍らせていた。余りにも強大で、余りにも人知を超えている魔法に釘付けである。既にそれは、計器では測り切れないモノと化していた。

 

 

 

ーーー決して、防ぐ事はできない……

 

 

 

よもや、それが一人の幼児によって繰り出されたモノだなんて誰も信じていない。だけど、目の前にある現実を否定する事も出来なかった。

 

 

 

ーーー降れ。天より降れ……

 

 

 

組み上げられるは、神々の魔法。

人の身では、決して届かぬ過ぎた究極の真言。

それが今、一人の幼児の言葉で現世に出現する。

 

 

 

ーーー反逆を成す者へ神の裁きを……

 

 

 

そして、ソレは完成した。

魔法陣を中心に、半径約1㎞程に纏まったソレは青銀の光を放ち今か今かと担い手の言葉を待つ。

 

「さてと……アレをブッパなす前に【闇の書】は回収しておかないとな……無限転生を封じて、今後似た様な事が起きない様にしてしまわないと……」

 

そう言って、双夜は虹色に輝く剣を何もない空間から滲み出る様に出現させ手に取った。それを、【闇の書(偽)の闇】に向けて投げ放つ。それは、隔離空間の壁をすり抜け【闇の書(偽)の闇】の中へと透過して見えなくなる。

だがしかし、双夜はそれが【闇の書(偽)】に刺さる手応えを感じた。

 

「それじゃあ、【闇の書の闇】よ……この世から、消滅しようか?君は、この世界に居ちゃイケない存在なんだ」

 

十二分以上に役に立ってくれた【闇の書(偽)の闇】に、敬意と感謝を向けて双夜は歌う様に言葉を紡ぐ。ホンの一瞬、優しげに微笑んだ双夜は直ぐに表情を厳しいモノに変えて最後の真言を告げる。

 

 

 

ーーー神罰、グーングニル!!!!!

 

 

 

軌道上に待機していた、青銀の光がその真言を受けてゆっくりと大地に向かって動き出す。ある程度、移動した所で急速にスピードを上げて【闇の書(偽)の闇】に接近して行った。そして、スピードを緩める事なく突き刺さり一気に膨張して何もかもを呑み込んで行く。

直撃を受けた【闇の書(偽)の闇】は、その一撃で血肉を失い蒸発してリンカーコアを剥き出しにされてしまった。

 

「降れ、紫電の槍よ……《サンダーランス》!!」

 

針の穴に糸を通すかの様な精密魔法によって、剥き出しにされたリンカーコアを形を得た雷で穿ち抜く。その結果、剥き出しになっていたリンカーコアは砕け、その巨体を維持出来なくなった【闇の書(偽)の闇】は砂がサラサラと溢れる様に崩れて行った。

 

「はい、おしまい。後は……」

 

双夜の視線の先には、一冊の魔導書が虹色に輝く剣を突き立てられた状態で落ちている。それを一見して双夜は、ゆっくりとした足取りで近付いて行く。これを見逃せば、次にアレを手に取るのは……さて、一体何時になるやら。

それがわかっているからこそ、双夜は自動防衛機能を失った【闇の書(偽)】へと近付いて行く。

そして、【闇の書(偽)】の前に来ると突き刺さっている虹色に輝く剣を握り……更に深く、剣を差し込む。そのまま、ゆっくりと剣を右回りに半回転させて一気に抜き去った。

虹色に輝く剣を抜かれた【闇の書(偽)】は、その瞬間から空気に融ける様にその形を消して行く。

数秒後、【闇の書】は完全に消滅してしまっていた。

それを、静かに静観するのは管理局サーチャー。

きっと今頃は、アースラの中で様々な騒動が起きているだろうが……双夜には、どうでも良い話だった。

 

「お疲れ様。じゃ、帰ろっか?」

 

双夜は、神崎ズと合流して……振り返り、消えてしまった【闇の書(偽)】を慈しむ様に目を細めた後その場を立ち去る。

それは、偽物であったとしても役目を終えた戦友として見送っている様にも見えた。

 

「海鳴市を含む、大クレーターが出来ちゃってますが……大丈夫なんですか!?」

 

「ふふふ。ここは、結界内だよ?結界を解除すれば、問題ですら無くなるさ……」

 

批難するかの様な大悟の言葉に、小さく笑って双夜は何の問題も無いと断言する。ほぼ、完全な空間隔離によって形成されたこの世界は、サーチャーの通信以外は全て断ち切る結界だ。通常空間に、与える影響は皆無と言って良い。

解除してしまえば、何事も無かったかの様な普段の街並みに戻るだろう。双夜達に取って、【平和】を意味する海鳴市という名の街に。

 

「さて……後は、管理局に丸投げして……僕達は、元の生活に戻るとするか……」

 

「戻れると?」

 

「戻るさ……あー、まぁ……その前にお説教かなぁ……」

 

「…………なのはさんですね。わかります……ああ、俺は冬木に戻るんで頑張って下さい」

 

「逃げるのか!?」

 

「あたr……いえいえ、バイトがあるだけです!ええ、逃げる訳ではありませんよ?」

 

「今、本音がだだ漏れになってただろう!?」

 

「いえ、本音なんてないですよ?バイトです。バイト!」

 

大悟は、のらりくらりと双夜の追求を逃れ、そそくさと冬木に戻って行った。翔悟やユーリとも挨拶をして、双夜は結界を解除すると海鳴市にある『翠屋』へと向かう。

まずは、桃子達と再会して自身の事を思い出して貰うのと高町なのはからRHとBDを回収しなければならないからだ。心持ち、憂鬱な気分になる双夜だったが……RHとBDの回収は責務である上に、心配を掛け捲った母親に謝罪をしなければならないので仕方がない事と割りきって帰るのだった。

 

 

 

 

 




【闇の書事件】漸く、終了です。いやー、長くなりましたね。まさか、三話跨ぐ事になろうとは……いやはや。最後は呆気なく、文章も短めですが……前ニ話が多いので良いかなって(笑)。しかし、管理局が全く参加出来てない上に悪辣局員までいるので事後処理が面倒になる予感。敵対フラグ……なるか!?敵対……あの魔法を見た後で、敵対しようなんて考える馬鹿がいるなら管理局終わって良いよな話になりそうだよね!さてはて……どんな超理論が出るのか楽しみですね(笑)。

とりあえず、文字を斜形させてみました。
因みに、未だこのハーメルのワードシステムを十全に使い切れてない作者ですが(笑)。後は、文字に強調点が付けられる様になれたら……良いなぁ。今は【】や《》で囲って強調してるけど(笑)。今後も頑張ります(笑)。
詠唱文は、適当です。
ダサいかな?とか思いつつ、普通になる様に頑張ってみました。基本的に、カッコいい詠唱が流行していますが……あれは、合理的で簡潔にした方が良いですね。
一応、【術式】系魔法は己の内側を改編して世界の理にアクセスするタイプの魔法です。
【法陣】系の魔法は、文字そのものに力が宿っていますが……どっちかというと、精霊魔法に近い系統の魔法です。
ぶっちゃけると、周辺にいる精霊……もしくは、聖霊に読み取らせて行使させるタイプの魔法と言えばイメージしやすい?
対価としては、魔力を散布して与える感じで……自分の魔力消費を抑えたい時等に使います。
因みに、【儀式】の様な複数の術者でやる場合は、単体以上の威力か大規模なモノを行使させる時の……魔力散布用の人員です。精霊は、魔力に引かれて集まってくる習性があるらしいので(笑)。
ついでに、【精霊魔法】は、自分と精霊の力を合わせて使うタイプの魔法ですね。そういう設定になっています(笑)。
使い分けるのは、時と場合によって。

双夜の《切り札》使えなかった件(T-T)。
巡航L級8番艦。次元空間航行艦船アースラ級のBビット(ネタ)があああぁぁぁ……( TДT)。
誰だよ、そんなモン造ったのは……だって!?【外】で待機している連中に決まってるだろう?暇潰しで、パズru……じゃねぇや、ビット組み立ててる奴等だぞ?

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