絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
Re:
俺達は現在、時間(出番)待ちをしていた。
正確には、高町なのは達がブレイカー魔法を使用するのを待っている。だけど、それが使われたら戦闘に介入して原作人物達の代わりに時間稼ぎを担当するという流れに持ち込む予定だ。まあ、必要なければ良いらしいんだけど。
え?そんな暇を持て余すくらいなら、今すぐにUーD戦に割り込み掛けて戦闘を終わらせれば良い……だって?
それは……そうなんだけど。
しかし、それは師匠がヤらないと断言した事なので介入し辛い。それに、俺が師匠に申しつかっている命令は
その師匠はというと、展開された結界の最上部に陣取っていて、ブレイカー魔法が使用されるのを『まだか……まだか……』と待っている状態だ。
因みに、俺とテオルグ師範達は……ちょっと離れた場所で、総力戦をやっている原作人物達を眺めている。
「まだ、介入しないの?兄様」
「まだ、介入出来ないんですよ……」
「Masterの命令ですか?兄様」
「師匠が、何かをやりたいらしくて……原作人物達が、負けるのを待っている状況ですかね?まあ、公式チートに勝てるはずもないんで……現状、待っているだけで戦域から原作人物を排除出来るんですよねぇ……」
とりあえず、返答はするものの話し掛けて来た
「安全の為……ですか?兄様」
「多分ね。あの状況で、介入したら少なからず周囲に影響を与えるでしょうから……」
「そうですよね……Masterですもんね……」
「とは言え、Masterが痺れを切らしたら介入しに行くでしょう。もしくは、原作人物達が殺されそうになったら……と」
「ああ。可能性は大ですね……」
ラヴォルフ師範?が、とても冷静にそう分析する。
でも、分析するのは良いんだけど……その背後を、フヨ~と飛んで行くジト目のフレールくんが師匠に意識を乗っ取られているみたいで恐ろしい。
もしかしなくても、暇だという理由でこちらの会話に割り込むつもりだったんじゃ無いだろうか?ゴクリと、息を飲み込んで気が付かないフリをしていた。ツッコメない。
ツッコマなければ、イケないんだろうけど……俺には、一切ツッコメなかった。
そうこうしている内に、高町なのはを含む原作三人娘がブレイカー魔法を使用。UーDに直撃して、凄まじい爆発が全てを真っ白に染め上げて勝ったかの様に演出する。
だが、俺は知っていた。UーDは、その程度で倒れる様な存在ではない事を……しばらくして、噴煙が晴れ無傷のUーDが現れた所で師匠が加速術式を使って介入しに行く。
てか、加速術式では内蔵がGに耐え切れないから生身での加速は止めろと言ってませんでしたか?まあ、師匠の事なので、他にも色々魔法を使って何とかしているんだろうけど。
「……ゥパー、稲妻ぁキイイィィクゥウウゥゥゥ!!」
更に、バチバチと青白い雷みたいなモノを足に纏わせて弾丸の様に突っ込んで行く。その様は、間違いなく何処かで見た黒い巨人の必殺技。元ネタは、多分ガンバ○ター。
本来であるならば、その巨体の重量とブースターの加速によって生み出された運動量で、相手に大ダメージを負わせるモノだが師匠(12)程度の重量でどれだけのダメージとなるかは未知数だ。
それでも、背後(斜め上)からUーDの背中を圧し蹴り……師匠は、反動でその場に残されたが……全ての運動量を受け取ったUーDは、海面に叩き付けられる様に落ちて行った。
あ、原作人物達がポカ~ンと乱入してきた師匠を眺めてる。師匠は現在、メインをRHとしてBDとCVをサブに。
バリヤジャケットは、それぞれを足して割ったかの様なモノーー全体的に、なのはさんのバリヤジャケットを黄緑色で染め上げてインナー部分を黒にした感じーーとなっている。そして、籠手の部分がBDでメイン武装はRHそのモノだった。その上、師匠の周囲には多くのS・Bビットが浮遊している。数的には、なのはさんの数倍といった所だろう。
また、ロマン砲ですか?
まあ、その気持ちわからないでも無いですけどね。
《この場にいる、全戦闘員に告ぐ。僕はこれから、アレの機能を一部停止に追い込む。流石に、二度三度とチャンスを作ってはやれないから、その一回でアレを制御下に置いてくれ!!》
そして、師匠は周辺にいる魔導師全員(UーD含む)に向けて念話を飛ばす。って、師匠が説明を幾つかはしょって伝えている。
ちょ、それじゃぁわからないですよ!?
なので、俺は直ぐに師匠のフォローへと回り作戦の詳細を原作人物達に伝えた。つーか、略さないでください。
《師匠、それじゃわからないですよ!ロード・ディアーチェ。君が持つ、【紫天の書】が鍵だ。師匠が、UーDの機能を一部停止させるらしいから、機能不全を起こしたUーDを【紫天の書】で絡めとり制御下に置くんだ。一人で無理そうなら、そこにいるシュテル・ザ・デストラクターとレヴィ・ザ・スラッシャーに力を借りれば良い。後は、君達の判断だ。任せる!》
「来たれ、【紫天の書】!召喚、《ユーリ・エーベルヴァイン》!!」
「っ!?」
「【紫天の書】だと!?」
「こぉらああぁぁぁ!!!」
なんつーネタバレかましやがりますか!?
そんな事したら、色々とややっこしくなるじゃないですか!!師匠は、俺の声が聞こえなかったらしく(スルーしたとも言う)ユーリと共にUーDへと突っ込んで行く。
チラッと原作人物達の方を見てみれば、シュテルが何か考え込んでしまっていてかなりヤバイ状況となっていた。
ほら、どうするんですか!?
「ああんもうっ!!」
俺は、師匠の色々な『ぶっちゃけ』に頭を抱える。
一部、その『ぶっちゃけ』に乗ってしまった手前、師匠に全部を押し付ける訳には行かないけれど……戦闘後の尋問とか、どうしたら良いのかわからなくなってしまう。
ヤバイ、考えが纏まらない。つーか、大混乱ですよ!?大根妖精が現れてしまう!魔法○ぐるぐるみたいに、『大根乱!大根乱!!』って大根を振り回す妖精がぁ!!
俺が大混乱している間も、師匠とユーリのコンビによる波状攻撃がUーDに加えられて行く。チラッと、ディアーチェ達の方を見れば……シュテルンが、俺を睨み付けていた。
あ、止めて……そんな目で、見ないで。そんな目で見られたら、背筋がゾクゾクしてくるじゃありませんか!と、冗談を頭の中でツラツラと述べて混乱を落ち着かせて行く。
「うん。うっかり、自分の思考にドン引きして冷静に戻ったぜ!まあ、沸騰していた頭が冷えたとも言うが……」
いやはや……流石、師匠推奨冷静沈着方は凄い効き目だ。
だがしかし、自分への精神ダメージは考慮されていないのでかなり凹む事になるが……まあ良い。
師匠が後方から、大量のディバインバスターを放ちそのままUーDへと接戦する。それと、入れ替わるかの様にユーリとポジションを替えてUーDの防御を貫いてダメージを与えて行く。つーか、公式チートキャラが展開するシールドをパリンパリン割って幼げな風貌の少女をボコボコ殴る師匠を見ているのはちょっと倫理的に拒否感が強い。
とは言え、師匠の拳には魔力が帯びているし、ちゃんと非殺傷設定がガッチリ設定されている様なので問題はない。
それに、主な主力攻撃はユーリが担当している様子なので幼女虐待とは言いがたかった。
言ったら、プチッとされるのは俺だけだしな。
「……………………」
それにしても、アミタやキリエという原因のいないGODってのも面白い。総力戦になっているとは言え、実際の戦力は圧倒的にゲーム時代よりも劣っていると言うのに……流石は主人公達である。
そう言えば、この世界軸の原因は、転生者だったっけ……って事は、師匠にボコられたあの中の
もし、あの中の
《師匠、殺気とか感じません?》
《感じてるよ?UーD以外から……でも、微々たるモノさ。きっと、ボコった転生者達の誰かが憎々しく見ているんだろ?気にする必要はない》
可能性段階の話なので、師匠が無いと言うのなら無いという事にしておいた。下手な事を言って、師匠の気が散ってはイケないと判断したからだ。
まあ、そんな事はないんだろうけど。
それでも、今はUーD戦に集中していて貰いたかった。
仕方がないので、師匠の様に何でもは見通せないけれどボコった転生者への警戒とは別に俺が周囲に気を配り続ける。だけど、なんの魔眼も持たない俺では本当に視界に映るモノしか見えない。だから、傍に居て俺の足場を展開してくれているテオルグ師範?にお願いをした。
「師範、フレールくんで周囲の警戒をお願い出来ませんか?もしかすると俺、とんでもない見落とししているかもなんで……」
「……わかりました、兄様!不肖、『リリィ』が兄様の願いを叶えて差し上げますわ!!」
外見を、『Fate/stay night』のセイバーに変身して上から下まで真っ白な衣服に身を包んだテオルグ師範?が、嫌がらせみたいな可愛らしいガッツポーズをするとフレールくんにサクサクと指示を出す。
くそぉ……めっさ、ウザイ。
しかも、俺の『妹』設定でその通りに振る舞うので中身が戦闘狂(♂)のキチ○○だとわかっているのに……トキメイてしまう事を止められない。
以前、師匠が冗談半分で言っていた俺の『妹・リリィ』は、師匠が命じていないのにも関わらず実現されてしまった。テオルグ師範やラヴォルフ師範が、『面白そう!』の一言で前回『妹役』をしていた使い魔からその内容を聞き出して引き継いでしまったのだ。
しかも、俺の『妹役・リリィ』は……テオルグ師範、ラヴォルフ師範の二人で双子の姉妹という事になっている。
つーか……な ん で そ う な っ た !?
『妹役』ってか、『監視役』なんて二人も要らないじゃん!そんなモン、一人で十分だと言うのにこの人達ってば……『その方が、もっと面白そうだから!』の一言で片付けてしまいやがった。
そりゃ、俺の反応はこの人達に取って二つとない面白いモノかもしれないけれど……俺の自由は、師範達の『面白そうだから!』なんて一言で失われて良いモノじゃない。
「だったら、逃げれば良いのですわ!」
「私達を撒いてしまえば、自由を謳歌できましてよ?」
「逃げ切っても、追い掛けて来るんでしょう!?」
「ふふふ。そんな心配してましたの?」
「逃げ切られたら、その日は放置して上げましてよ?」
「……おぉ………ん?………くっ……!」
(・o・)オオ‥➡Σ(´Д` )ハッ!?➡(>д<。;)チクショウ!!
逃げ切ってしまえば、自由を謳歌出来るという事だったが……今の俺では、早々簡単にはこの師範コンビから逃げ出せないので意味がない事に気が付いた。即ち、当分の間はこの人達の監視(瘤)付きで原作人物達と絡む事になる。
「百面相してますよ?」
「ふふふ‥頑張って下さいな」
という、見分けの付かない『リリィ』達がニコニコと可愛らしい笑顔で俺を見ている。つーか、どっちがテオルグ師範でどっちがラヴォルフ師範なのか、俺には全く見分けがつかなかった。なので、『テオルグ師範?』で『ラヴォルフ師範?』と呼ぶしか俺には出来ない。てか、マジで見分けが付かないんですけど……こうなると、もう一つ別の呼び方を付けなければならない。その場合は、師範のどちらかに黒い衣服を着て貰って『オルタ』と呼ぶしかないだろう。さて、どちらを『オルタ』にしたものか……下手に、何かしらの拘りを持っていると色々と面倒な話になるのでここは慎重に事を進めて行きたい。
だが、この人達に何かしらの拘りなんてあるのだろうか?
『面白ければ何でも良い』と、言い出しそうなので言えばすんなりと通りそうな気もしないでもない。
しかし、この人達はあの師匠の狂信的な使い魔である。
下手を打って、『白リリィ』が良いと駄々を捏ねられたら堪ったものではないだろう。駄々を捏ねられた際の、俺に対する仕打ちが予測出来ないのも合間って喉元まで出かかった言葉を飲み込む。
待て、待つんだ俺。ここで、仕損じたら何こそされるかわかったモノじゃないんだぞ!?それこそ、日々の鍛練時間の延長程度で収まるはずがない。
「はぁ……」
最早、溜め息しか出なかった。
フと、戦場に視線を戻すといつの間にか戦闘は終盤に入っていて、師匠が大量の魔力を集束している状況が出来上がっている。
『使い切れずに散らばった、
何故か、遠く離れているにも関わらず……聞こえてくる師匠の声。多分、拡声系の魔法でも使っているんだと思われるが真意はわからない。まあ、向けられたのは一人の少女にだろうけど……それが、良い事なのか悪い事なのか俺には判断付かなかった。
そして、集束していく
天を見上げれば、数多に輝く星々が世界をピンクに染め上げていた。ぶっちゃけ、そんなに大量にSLBを用意してガチで星砕きをする気なのかと問い質したくなる。
『ここからは、僕のオリジナル……でも、発案者は別だけどね。……集束された数多のSLBを、
おおっと、ここでオリジナル魔法か!?
つーか、発案者が違うって……あーそう言えば、題名は変わらなかったけれど世代交代したVividの話で、ブレイカー系の魔法を手足に集めて使うキャラクターが出てくるみたいな事を言った覚が。まさか、師匠はあの子……ミウラ・リナルディの《抜剣・四天星煌》を再現しようとしているのでは!?てか、あれだけの数のSLBで《抜剣・四天星煌》!?
ちょ、正気じゃねぇだろう!?
「師匠っ!!」
「大丈夫ですよ、兄様」
「Masterが、事魔力制御で失敗する事はありえません」
「でもっ!?」
「「無問題です!!」」
「~~~~~」
これ以上、否定し続けても二人を怒らせるだけみたいなので、二人の言葉を信じて師匠を信じる事にした。
それに、俺が心配しなきゃならない事はそれだけではない。周囲を見渡して、二人が展開する数々のウィンドにも目を凝らし注意を呼び掛ける。俺(踏み台)だったら……と考えて、もし黒幕みたいなのが居て割り込みを掛け様とタイミングを見計らっているとしたら、大技ーー今の師匠みたいな事をーーを掛け様とした瞬間を狙って来るだろうと考えていた。即ち、UーDに仕掛けるタイミングで割り込み、UーDに自分をアピールするというモノだ。
感情が無くなっているとは言え、記憶は残るのでその時にアタックすれば良いと考える馬鹿が居てもおかしくはない。正に、漁夫の利を得ようとするクズである。
「最大警戒!!」
「……漁夫の利を得るですね?兄様」
「まさか、自分の踏み台思考を利用するとは……流石です。兄様!!」
サラッと、人の心を抉って来る師範。どっちだ!?
その間にも、師匠は自らの拳に集束させたブレイカー魔法を更に圧縮して……拳大の光へと変えていた。その光は、ピンクではない。むしろ、白ッポイ光となったそれを完全に掌握して、足元には大きな魔法陣を展開する。
「行くよー!全力全開、スターライトぉ……」
そう叫びながら、師匠は瞬動術で一気に間合いを殺して集束させた大量のブレイカー魔法を込めた拳をUーDに叩き付けていた。
「「「あ」」」
『ブレイカアアァァァアアーーー!!』
もし、黒幕がいたとして……奴が犯した誤算があるとすれば、瞬動術でタイミングをへし折った師匠にあるだろう。
拳が当たった瞬間、凄まじい爆発が起こる。
そんな地獄へと、飛び込んで行く影を俺は見た。
《スレイプニール》を、三色に染めたディアーチェが【紫天の書】を抱えて半泣きで突っ込んで行くその姿を。
「ありゃあ、恐いだろうなぁ……」
「ですねー……Master、極悪です(笑)」
そこへ、遅れて上空から黒い砲撃が降り注ぐ。
だがしかし、その黒い砲撃は師匠が穿った起爆中のブレイカー魔法によって弾けて消える。
てか、無かった事となった。
「転生者、涙目モノですよねー(笑)」
「あははは。自分こそが、ヒーローだ!……なんて、思っているからそうなるんです。所詮は、三流。兄様には、到底及びません!」
「ヒーローだなんて、思ってないよ!?」
「翼姉様に取っては、間違いなく『私のヒーロー』とか思われていそうですけどね……」
「止めて!そういう攻めは、耐性がないから止めて!!」
別方向からの弄りに、全く耐性がなかった俺は余りの羞恥心で頭を抱えて悶えるハメとなった。
つーか、そこで翼を引き合いに出すのは止めて欲しい。
俺にとって彼女は、そういう位置付けの存在ではない。
出来れば、あくまで友人程度の存在として放置して置きたい存在なのだ。
そう、俺はこの魔法少女の世界に恋愛をしに来たんだ。
生前の世界では、出来なかった恋愛をする為に!ここで、生前の世界で生きた女性と添い遂げでもしたら……何の為に、物語の世界にまで来て現実を否定したのかわからなくなる。生前の記憶はないけれど、俺が生前の世界に絶望した事は間違いないんだ。例え、生前の俺が死んでいなかったとしても翼と添い遂げる気はない!!
「「あ、《堕ち神》……」」
「落ちないよ!?翼には、落ちないからね!?」
「あ、そうじゃなくて……《人工堕ち神》です。兄様」
「兄様!あの転生者、《堕ち神》化してます!!」
「だから、落ちないって……はっ!?《堕ち神》!?」
慌てて空を見上げれば、身体の半分を黒く染め上げた初見の少年が俯いた状態で上空に浮かんでいる。この距離では、顔までは判別出来ないけれど……他の転生者が、個性的だったのでその少年が初見である事は間違いなかった。
「新たな転生者!?」
「しかも、半分堕ちてますね……」
「UーD戦後に、《堕ち神》戦ですか……大忙しですね!」
「ちょ、呑気にんな事言ってる場合か!?」
「あら、兄様が戦われるんですか?」
「前回よりも、強化されている可能性が高いですよ?」
「だからって、師匠に全部任せては居られないだろう!?ちょっと、ブッ飛ばしに行くんでフォローして下さい!!」
「「ふふふ……了解ですわ。兄様!」」
師範達の返事も待たずに、俺は瞬動術を駆使して師匠の元に向かう。一歩一歩、足を踏み込む用の障壁が完璧なタイミングと位置に展開されるので、十全の信頼を持って全力の瞬動術を発動する。
「階段を!」
言って、俺はジャンプしつつ空を駆けた。
師匠が俺を見て、何かに気が付いた後で背後に振り返り、再度俺に視線を向ける。その目が、俺に師匠の意思を伝えて来た。
『任せる』
師匠は、そう言いたげな目で語っていた。
もしかしたら、間違っているかもしれなかったけれど。
俺は、その直感を信じて師匠の横を駆け抜け自分の間合いに敵を補足する。瞬間、俺は《神速》を発動させた。
この間合いなら、一息程で《堕ち神》の元に辿り着ける!
だから、最後の一歩を俺は全力で踏み出した。
ーーー大気には、龍が満ちている。
それは、大地の龍とは真逆の思想。地面に足を付けるのではなく、その身全体で
だけど、それでも、穿つ。
それで、失敗したのならもう一度。
それが駄目でも、何度でも成功するまで穿ち続ければ良い。己が、生き続けている限り何度でも成功するまで穿つ。
何度やっても、穿てないのならば……障壁を地面に見立て、それを足場に地上用の一撃を放つまで。
だが、《練》をした手応えでそこまでしなくても良いという事が理解出来た。いや、頭で
それは、本当に初めての感覚だった。
ここまで練り上げられた、会心の《練》はもう二度と出来ないんじゃないかと思ってしまう程。それ程、ガッチリと嵌まり込んだ完璧な《練》が荒れ狂う様に俺の中を蹂躙している。それを、心臓から血管を通して腕へ。
腕から、血流を通して拳へと至らせる。
もちろん、練り上げられた《気》は拳に全振りで。それを、掛け声と共に下から上へ抉り込む様に穿ちはなった。
「覇王・断空拳!!!」
手応えはあった。
俺が、今まで放ってきた拳の中では一番の会心撃!。
……だったのだが、その一撃では《堕ち神》を殺す事は出来なかった。以前、戦った《堕ち神》よりも俺の一撃に耐えたこの《堕ち神》の方が
まさかとは思うが、戦った分だけパワーアップしていく方式なのだろうか!?だとしたら、こうして《堕ち神》と戦い続け倒して行くと、最終的にはもっととんでもない化け物が生まれてしまう事になる。後で、師匠に確認しなければならないだろうが……ちと、厄介な感じがヒシヒシと俺の直感を刺激してウザい。しかも、この《堕ち神》と来たら何やら延々と呟いていて気持ち悪いったらなかった。
「俺ガ主人公ナンダ。もぶ風情ガ、デシャバリヤガッテ原作人物ハ全員俺ノモノナンダヨ。雑魚ハ雑魚ラシク、部屋ノ片隅デがたがた振ルエテイレバイインダ。ソシタラ、最強デ絶対無敵ノ俺様ガ全テヲ丸く納めてやる!ソウダ!俺ガ最強ダ!!クハ、クハハハ、クハハハハハハ!!」
そして、己の欲望を憚る事なくさらけ出す。
きっと、この自称主人公くんは御都合主義で【俺TUEEEE】がやりたかったんだろうけど……この世界は、何度も言うが【魔法少女】の世界。男では、主人公になれるはずもなく最強になる事もない。その上更に、馬鹿笑い。
もう、踏み台というより小規模なジェイル・スカリエッティだろう。放置したいところなんだが、放置し過ぎると周囲への影響が半端なく出始めるので、ここら辺で討伐しておくべきだ。
そう、判断した後は速かった。
まあ、ちょっとタフネス過ぎて手間取ったけれど、なんとか《堕ち神》と化した転生者を屠り師匠の元へと戻る。
「お疲れ~♪」
「とっても、疲れました……てか、前回よりも強かったッス……あれって、そういうモンなんですかね?」
「いや。あれは、妬み嫉みの力だよ。憎しみとか、恨みとか負の感情が大きければ大きい程、《堕ち神》の力は強くなるからねぇ……」
「つまり奴はそれ程に、原作人物達に執着していたと?」
「多分ね。転生者のほぼ全員が、自らを主人公だと言ってる位だからそのポジションに居る様に見える奴がいると怨念が爆発するみたいだし……」
「あー……それは、わかります。まるで、世界に裏切られた様な気分になって……全てが、憎く感じるんですよね……」
「そうか……」
「俺の場合は、師匠でしたが……話をしてみると、師匠って主人公って感じしませんよねぇ……」
「フム。流石、《調整者》側の主人公・神崎くんだ。漸く、自覚が持て始めたのかい?」
「止めれ……師匠を差し置いて、こちらーー《神殺し》側ーーの主人公なんて名乗りを上げませんよ!?」
「まあ、《神殺し》の大元は【破壊神】共だからな。カルヲとか、ジェイドとか……」
「ふぇ!?【始まりの魔法使い】じゃ無いんですか!?」
「違うよ?そもそも、《神殺し》を始めたのは【破壊神】達が最初。で、当時……彼等と行動を共にしていた同位体がウッドローだね。そこから、呪いが広まったんだよ(笑)」
「ウッドロー?」
「えっと、コテハン・大樹の弟で……“果実”って呼ばれてた子がウッドローだよ。ロリコンを捕まえに、出撃していたろ?彼が、同位体で初めて神殺しを成功させた人だよ」
マジか!?その『ウッドロー』っと呼ばれる元人間は、人間時代に神殺しを成功させたらしい。結果、神の呪いを受けて同じ同位体である人々に広がって行ったとのこと。
「まあ、神を殺したら呪われるって話は後になって判明したらしいから。ウッドローは最初、童顔だから年を取ってない様に見えるんだ……とか、言ってたらしい」
「童顔だったんですね……」
「で、いよいよ、『これ、やっぱりおかしいだろう!?』って時になって初めて呪いの事がわかったんだよね。でも、その時にはたくさん神を殺してて呪いは解けないし、年を取る事も死ぬ事も無くなっていて頭を抱えるハメになったんだってさ……」
「そら、そうなりますよね……つーか、【始まりの魔法使い】じゃない事が俺の一番のビックリですね!」
「まあ、普通はそう思うもんなぁ……」
さて、色々思う事はあるけれどそろそろ現実逃避は止めて現実を直視する事にしますか。という訳で、現在俺達は原作人物プラス武装隊に囲まれていてバインドで拘束されている。拘束理由は、殺人?って事らしい。
まあ、少々おかしな所があったとしても俺が屠った転生者は、紛れもなくこの世界で生きていた人物である事に違いはない。なので、絶賛大ピンチな状態になっていた。
「狂い始めが、一番殺り易かったんだ!」
ついでに、ユーリがロストロギアであった事もバレたので色々罪状が重んで逃げる事も叶わない。
まあ、本気出したら別なんだけど。
「落とす?」
「何を!?」
「アレ……」
師匠が、指で指し示しているのはアースラ。
決戦の際に、大気圏突入を果たしていたらしい。
もしかして、ダメだったらアルカンシェルでなんとかするつもりだった?まあ、必要が無くなって所在なさげに浮かんでいるけど。
「止めて上げて下さい……」
「そう言えば、『リリィ』達どこ行った?」
「…………あ、何か嫌な予感……」
という訳で、GOD終了です☆♪。
マッタリ系、第三者的視点でお送りしました(笑)。
……………………
……………………
……………………
……………………
テヘ☆ペロ♪
ごめんなさい。m(_ _)m。
内容が、今一わからなくてこんな感じになりました(笑)。
まあ、《堕ち神》出すのは最初から決めてましたので……どうやって、神崎に殺させるか迷いに迷ったんですよ?翼を引き合いに出したら、上手く転んだんで良かったけどね(笑)。
良い感じに流れたっしょ?(笑)(笑)。
…………フッ。本当は、スーパー稲妻キックが殺りたかっただけだ。ガチで、それだけだったのだよ……。
それと、【不死の呪い】を広めた犯人を掲載しました。
《神殺し》の【不死の呪い】をばら蒔いた人です(笑)。
本当は、ロリコンでも良かったんだけど……アイツは、R18のキャラなので断念。大樹は、後で合流だったしなぁ。
ウッドローくんの物語は、良くある超能力者の暗殺者が異世界に跳んだら、暗殺者育成組織(超能力者の暗殺者を育成する施設出身)で一緒だった幼馴染みと再開して恋に落ちるというモノ。(大体、1996年~1999年頃に書いたヤツですね(年がバレる(笑))。何百人殺していようと15歳に満たない子供を、更正施設行き飛ばして絞首台に送るのは駄目なんだって(当時の理由)。そういう理由で却下された物語です。後、15歳未満の子供同士による殺し合いも駄目。なのに……その数年後に『ひぐらし』(笑)。どうなんでしょうかね?たった数年で、何が変わったというのか……もう訳わかんないです(笑))
現代社会に戻るまでの物語で……戻った後の第二部は、暗殺者(超能力者の)育成組織をブッ潰す系の物語です。
超能力無双の物語です(笑)。どれだけ強い魔物も、超能力で胎内にある核(魔石)を破壊されたら一貫の終わりですね!!
って、お話だったんですよ(笑)。それだけだったのに、書き終える頃に最後まで書くか……って事になって作られたお話ッスね。おかげで、スゲー長くなったよ(苦笑)。(現実逃避)
何となく、ブーイングされている様な気がするので……。
あー、うん。じ、じゃあ、もう一話書くよ。
今度は、双夜の視点でユーリとUーDの戦いでも!
ちゃんと、有言実行するよ!!
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。