絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
因みに、ドMってネタキャラにしかならないですよね……。
(ーдー)
双夜
「スーパー稲妻ぁキイイィィクゥウウゥゥゥ!!」
かつて、【鮮血の】から聞いていた伝説の黒い巨人の技を使って俺は魔法少女とU-Dとの戦いに割り込み介入する。
バチバチと、青白い雷を足に纏わせて加速術式で弾丸の様に突っ込んで……UーD(ユーリ?)の背後(斜め上)から、ノリに乗り切った勢いで背中を蹴り飛ばした。
全ての運動量が、その一撃に乗ってU-Dは勢い良く海面に叩き付けられる。余りにも、上手く行った会心撃にニヤリと笑みが溢れてしまった。チラッと、背後に浮かぶママ達の姿を見る。ソレを見た……というか、唐突に乱入して来た闖入者にママ達がポカ~ンと口を開けて見詰めていた。
その驚きには、俺が着ているバリアジャケットも含まれているだろう。なんたって、なにょはママのバリアジャケットをメインに色合いはシャマル先生で一部フェイト姉のデザインが組み込まれているのだから。
その上、手に持ったデバイスはレイジングハートと来た。
実際には、籠手の部分がバルディッシュで指にはクラールヴィントが装備されているんだけど。ついでに、S&Bビットはママの数倍の数を引き連れている。
ママを含む全員の驚愕が、手に取る様にわかって更にニヤニヤが止まらない。心踊る。
俺の心境は、正にソレだった。
《この場にいる、全戦闘員に告ぐ。僕はこれから、アレの機能を一部停止に追い込む。流石に、二度三度とチャンスを作ってはやれないから、その一回でアレを制御下に置いてくれ!!》
そう、周囲にいる魔導師に告げる。
というか、事前に神崎から大まかなストーリーを聞いていたのは聞いていたんだけど……誰が、どんな役割を持っているのか今一覚えていなかったので説明を略した。
というか、物語の流れと結末を管理しているのは神崎なので俺の知ったこったではない。俺が神崎に聞くのは、大まかな流れであり……キーとなる人物の事だけだ。
だが、今回に限ってはマテリアルの誰か……としか聞いてなかったので周囲の魔導師に呼び掛ける程度に留める。
はしょったから、必要なら神崎が説明(フォロー)してくれるだろう。(他力本願)
《師匠、それじゃわからないですよ!ロード・ディアーチェ。君が持つ、【紫天の書】が鍵だ。師匠が、UーDの機能を一部停止させるらしいから、機能不全を起こしたUーDを【紫天の書】で絡めとり制御下に置くんだ。一人で無理そうなら、そこにいるシュテル・ザ・デストラクターとレビィ・ザ・スラッシャーに力を借りれば良い。後は、君達の判断だ。任せる!》
「来たれ、【紫天の書】!召喚、《ユーリ・エーベルヴァイン》!!」
「っ!?」
「【紫天の書】だと!?」
【紫天の書】を呼び出すと、背後から誰かの驚愕した声が聞こえた。それに、多少の疑問を感じ振り返りそうになったけれど……直ぐに視線を戻す。
『こおぉぉらああぁぁぁ!!!』
神崎が、何かすっごく怒鳴っているけど、海から戻って来たU-Dと交戦に入ったからお話(説教)している暇はない。
【紫天の書】から、呼び出(召喚)されたユーリが魄翼を広げてU-Dを押さえ込もうとするが、U-Dはそれを難なく回避してユーリの背後に回り込み己の魄翼を広げる。
そこを、俺が何機かのSビットを乱射して妨害し、それによって生じた隙でユーリが魄翼を硬質化させ刃とし、斬り付ける様にU-Dに襲い掛かった。しかし、それに気が付いたU-Dがボソッと何かを呟いて防ぎ切る。
「チッ!」
後衛を担当している俺にも、その呟きは聞こえたのだから……接近戦をしているユーリには、もっとハッキリと聞こえただろう。ほんの一瞬だったけれど、ユーリの表情が驚きと悲しみに変化するのを俺は見逃さなかった。
U-Dが、暴走しているのはわかっているけど……それをまるで、『自分は機械ですよ』と言わんばかりに言っている様で癪障る。だって、彼女は“俺のユーリ”が辿るハズだったかもしれなかったもう一つの道。
なのに、それが
「ふざけるなっ!!」
《Divine Buster!!》
全てのBビットから、大量のディバインバスターを放ちユーリと場所を入れ替える様に無理矢理前に出る。
RHの矛先から、魔力の刃を展開して槍の様に振り回す。
U-Dが展開する、シールド魔法をバッサバッサと斬り裂いて……こちらの斬り払いを上回れば、拳や蹴りを加えてパリンパリンと割って懐に飛び込んだ。その上で、超至近距離からゼロ距離ディバインバスターで穿つ。
「その程度の事で、なに絶望してやがる!?」
俺の怒りに応えるかの様に、U-Dは魄翼を大きく広げて硬質化させ、それを斬撃に見立てて振り回してくる。
「能力が、自力でコントロール出来ないからって自暴自棄になって諦めてンじゃねぇよ!!」
シールドを展開されて、距離を稼がれる前に瞬動術で更に間合いを詰めて顔面に強打を入れる。怒りで、頭に血が昇っていたとは言え幼げな風貌の少女をボコボコ殴るのは少しだけ心が痛んだ。だけど、それ以上に暴走する自分を諦めているU-Dが許せなかった。
「双夜!」
「……くっ!」
ユーリの声に、我に返って場所を譲る。
そうだった。俺の役目は、絶望して諦めたU-Dを説得する事じゃなかった。ムカ付いても、ユーリに任せて集束魔法の為の魔力を散布する事……だと、思い返しU-Dから距離を取る。そして、呼び出すのは【外】のアホゥ共が暇潰しに組み上げた大量のBビット。目の前で、絶望しているお馬鹿さんに現実という同類を見せてやる。
「U-D、お前の絶望を僕が塗り潰してやるよ!」
召喚されたBビットが、馬鹿みたいに一列に並び……それらが、段となりて一面を埋め尽くす。空を、視界を、周囲を埋め尽くし、おびただしい数の暴力を見せ付ける。
その数、凡そ10万以上!!
というか、【外】の奴等なにやってんの?
俺の船に、ここまでの物資なんてあったっけ?
まさかとは思うが、物質創造の能力とか使ってないよね?
創造系の能力による物質って、高いから勘弁して欲しいんだけど。え?自腹だから問題ないって?にははは。問題あるに決まってンだろ!?っざけんなよ!?
通信開いて、メールでのやり取りをBビットのコントロールと魔力供給含めて平行で行う。Bビットは、個別行動をさせてる訳じゃないので、それ程集中力は使わないが魔力供給の方はBビットのエネルギージェネレーターが爆発しない様に供給しなければならないので中々に厳しい。
「だああぁぁ!ディバインバスターチャージ!!」
《Divine‥》
10万機以上のBビットに、ピンクの魔力が灯って行く。
その光が、世界をピンク色に染め上げて中々に壮観だった。チラッと、背後に振り返るとママ達が青い顔でこっちを見ている。U-Dは、無表情なのでああいう楽しみがなくて残念だった。
「『永遠結晶エグザミア』ってのは、特定魔導力を無限に生み出し続ける『無限連環機構』なんだってなぁ?だがよぉ、高々コントロール出来ないだけで絶望すんのは早計だとは思わないか?」
だから、U-Dに向き直りちょこっと煽ってみる。
何となくではあるが、U-Dの無表情に微妙な変化が見られた様な気がした。感情は棄てたという話だったが、あれは感情を司るシステムを凍結しているだけの様にも見える。
なので、同じ『無限連環機構』を持つ俺が現実を見せてやる必要がある気がした。
「一斉砲撃……」
《Buster!!》
「見てるか、U-D!?これだけの砲撃魔法を撃てる力が僕にはある!わかるか、U-D!?お前と似た様な能力を僕は持っているんだ!!レアスキル《太陽の化身》!!この世に、太陽がある限り僕の魔力は無尽蔵、無尽蓄、無限大だ!!お前と同じ様に、僕に魔力切れなんて概念はない!幾らでも、何時までも、お前の気が済むまで付き合ってやるよ!!そのついでに、お前の絶望も払ってやるから僕に任せとけ!!さあ、絶望を払いに行こうか!!!」
歯をギリッと食い縛りながら、ニヤリと表情を笑みの形になる様に口角を持ち上げる。自信タップリに、何でもない事かの様に言って俺は吼えた。
別に、己の能力を超える事をしようって訳じゃない。
ただ、腹の底で煮え繰り返っている怒りを表に出さない様にして抑え込んだだけの話。U-Dが、余りにも“運命”なんてくだらない
《師匠、殺気とか感じません?》
唐突に神崎から、念話が送られて来る。
しかも、内容はどうでも良さげなモノ。
《感じてるよ?UーD以外から……でも、微々たるモノさ。きっと、ボコった転生者達の誰かが憎々しく見ているんだろ?気にする必要はない》
何を心配しているのか、神崎が少しテオルグ達を通して周囲の警戒を呼び掛けている。少し、気を向けてみたらまだ現れていない転生者の動向を気にしている様子だった。
大量のディバインバスターを乱射しながら、俺もその可能性について気にして置く事にする。実際、どれだけの転生者がこの並列世界に紛れ込んでいるのかわかっていないのだ。だから、神崎の警戒は当然の事であり、ちゃんと危機管理が育って来ている事を俺は嬉しく思う。
視線をユーリに向けると、真正面からU-Dと魄翼でガッチリ組み合い睨み?合っていた。キャットファイトと言うか……取っ組み合いをし始めたユーリ達。だけど、動きがなくなったからといって見逃す理由もないので、容赦なくディバインバスターの餌食にする。
「もー!邪魔しないで下さい!!」
U-Dの動きを止める為、魄翼で組み付いた所を容赦なく撃ち抜かれたユーリが頬を膨らませる程に怒っていた。
だが、ユーリもU-Dも全くの無傷である。
それが、少し凹む原因となった。
だけど、説教している暇も落ち込んでいる暇もないので戦闘は続行。ユーリが、プリプリ怒っているのを諌めながらフォローの為に《Sonic Move》を纏わせたSビットで牽制を掛ける。フと思い付いた術式があったので、ぶっつけ本番で組み込んでみたんだが……U-Dが、展開する障壁防御シールドをスルーッとすり抜けて顔面に当たった。
それにより、その後の魔法攻撃が防御される事なく直撃する様になってしまった訳だ。なので、U-Dは上下左右360度から《Sonic Shooter》に晒される事となる。
「双夜、何をしたんですか!?」
「あー、やー……名付けて、【透過術式】って処なんだけど……ある意味、鬼畜な魔法になったなぁ……と?」
「また、あの外せないバインドみたいな魔法を思い付いたんですか?…………自分だけど、あれを受けるのが自分ではないのが幸いでした……」
「ごめんなさい」
牽制という名の、リンチに遇うU-Dを眺めていたユーリが、冷たい視線を送って来るので俺は視線を外して謝った。
というか、俺だってまさかこんな事になるなんて思ってもいなかったんだ。ベシッと、横合いから来た魔力弾に頬を殴る様な威力で弾き飛ばされるU-Dから視線を外した。
俺はまだ、ユーリが【永遠結晶エグザミア】だった頃の元魔力波長や魔力波動……魔力精製量等を知っている。
実際に、暴走プログラムを書き換えて彼女に関する全てのスペックデータを俺は掌握した。よって、多少のプラスマイナスは在れど……それを上回るモノではないハズだ。
なので、今ここでU-Dと戦っている内にU-Dの戦闘能力以外の部分を調べ、術式に組み込んでこの場で組み上げたのが……この世界軸のU-D専用透過魔法って訳だった。
多分、他の世界軸では使い物にならないので、一々敵対するU-Dの魔力資質を調べ書き換える必要があるけど。
「使い勝っての悪い魔法だよ……それに、何パターンかの防御方法を持っていれば防げる程度の魔法だ」
「何パターンかって、そんなに防御方法は持ってませんよ!?私……」
「いや……魄翼を振り回せば問題ないだろう?それ別に、ユーリの肉体の一部って訳じゃ無いんだから……」
まあ、変幻自在のレアスキル【魄翼】は肉体?ではなくスキル扱いなので、あれに魔法を当てたとしてもダメージになるかわからない。まあ、普通に攻撃してもダメージを通す事は俺でも不可能なんだけど……そこは、《ルール・メイカー》で自分の魔法法則に無理矢理対システムUDプログラムモドキを突っ込んで使用しているって訳だ。
まあ、多分そんな事をしなくても《ルール・ブレイカー》で十分通用するとは思うんだけど。むしろ、相手の防御そのモノを無効化する勢いでサクサクダメージを与えてくれる事だろう。というか、《ルール・ブレイカー》は世界の【理】を破壊させる特殊能力だ。公式チートだろうが、何であろうが“世界”という枠組みに入っている以上この能力の前に障害物として立ち塞がる事は出来ない。
一応、現在の俺が持つ能力は〔劣化状態〕にあるとは言え、自分の本体と【接続】すれば一時的に〔劣化状態〕を解除する事が可能だ。
本体に戻れば、《真ルール・ブレイカー》が使える。
《真ルール・ブレイカー》……〔劣化状態〕でも、破格な特殊能力なのに、〔劣化〕でなくなった《ルール・ブレイカー》がどんなモノになるかというと……ある意味、類を見ない最悪最凶の能力となる事だろう。
ぶっちゃけ、
それが、《ルール・ブレイカー》という特殊能力だ。
自分の思い通りに、世界の【理】を組み換え……己を中心に【理】を生み出す能力。【超御都合主義】とでも言うべきなのか……それとも、自己中世界創造能力と言うべきなのかはわからない。だけど、それが《ルール・ブレイカー》と呼ばれる特殊能力だった。
これを、【内側】で使うと……
兎に角、《《ルール・ブレイカーによって創り(産み)出された新たな世界》》ってのは、
それは、相手の能力を封じ己の能力は使いたい放題でやりたい放題が出来るって代物だ。例え、【始まりの魔法使い】でもその世界の中では無力な人間に戻ってしまう。よって、俺は彼の《神殺し》達を
どれだけ、反則な能力なのかはわかるだろう?
だって、どれだけ力を持っていようが……能力が高かろうが、
固有特殊能力:真ルール・ブレイカー……超御都合世界を創造する能力。その中で、神を殺しても呪われる事はない。
また、《神殺し》と呼ばれる化け物を人間に戻し殺す事が出来る。
(因みに、その【超御都合主義】は主人公達が受ける【主人公補正】等と呼ばれるモノではない。
正真正銘、本当に真っ当な【特殊能力】だ。
【エンドレス・エラー】の《補正無効》でも、中和出来ない分類に該当する。〔劣化状態〕のままであるならば、問題なく中和する事が出来ただろうが……世界そのモノを創造し、その【理】を己の好きな様に書き換えれる《ルール・ブレイカー》は【補正】とは異なる力だ。
あちらの創者が、『【主人公補正】は無効だ!【世界補正】も使えない!俺キャラTUEEEE!!』と言っていたが【補正】ではなく【特殊能力】である。
間違いなく、彼の者の【補正無効】は有効ではないだろう。まあ、
「もうちょっと、足りないかな?って訳で、リンカーコア精製。手順量産。フル展開!そして、コア・ブレイク!」
戦場に大量のリンカーコアを精製展開し、それを自壊させて大量の魔力を散布する。Bビットによるディバインバスターで、散布した分も合わせると十分な程に魔力を散りばむ事が出来ただろう。後は、Bビット5機を一セットとして魔力を集束しSLBを準備すればOKである。
ズビシッと、レイジングハートを正面に突き示し散らばった魔力を集束させ始めた。
《Starlight Breaker EX FB!!》
『使い切れずに散らばった、
集束していく、
ママの魔力だけではなく、フェイト姉やはやて・守護騎士達やその他諸々の魔力を一点に集束して行く。
もちろん、一番多いのはピンクの魔力。
その全てのコントロールを、レイジングハートだけに任せるのではなく……俺自身のマルチタスクをもフル動員して、何百という色とりどりの星々を展開させた。
だけど、それ等だけではU-Dに致命的なダメージを与える事は出来ないので、ちょっと前に小話として神崎が教えてくれたミウラ・リナルディの《抜剣・四天星煌》を再現する。
集束されたSLB'sを、
『ここからは、僕のオリジナル……でも、発案者は別だけどね。……集束された数多のSLBを、
すると、ピンク色に輝いていた魔力光が何故か白い光へと変化してしまう。完全な白ではなく、微妙にピンクッポイ白だった。揺らめくソレを、完全に掌握して俺は足元に足場の魔法陣を展開する。
『行くよー!全力全開、スターライトぉ……』
そう叫びを上げると、上空の結界に揺らぎが起こる。
これは、神崎の心配事が現実になったのかな?と思ったけれど……その揺らぎは、それ程速いモノではなくこちらの出方を伺う様なスピードで展開される魔法である事が判明した。
なので、そのタイミングを外す形でブッパなせば問題ないので、容赦なく外してやろうと邪悪な気持ちでSLBを一点集束させた拳を引き……瞬動術で、U-Dとの間合いを殺し一気に起爆させる。
『ブレイカアアァァァアアーーー!!』
その叫びと共に、集束圧縮されたSLBが解放され……次の瞬間、凄まじい爆発がU-Dやユーリ……それと俺をも巻き込んで起爆する。視界全てが、真っ白に埋め尽くされ「あ゛!?」と思った時には
パキンと、何かが割れる音がしたが……全身がシェイクされる中でそんな事を気にしている暇はなく。もう一つの事実に、気を取られて忘れてしまう。それは、この爆発の中へ飛び込まなければならない事件の終息者。元々、U-Dを止める為には【紫天の書】でU-Dの制御を絡め取り行動を共にする者の存在が居たハズだ。
こんな、地獄とも言える場所に飛び込まなければならないなんて可哀想だなぁ……と思いつつ、ニヤニヤと笑う。
きっと、ヤケクソで半泣きな状態なんだろうと予想して笑う。ただ、残念なのはその姿を間近で見られない事位だ。
「残念無念……」
そう呟いて、俺は収まってきた爆発の衝撃から逃れ、巻き込まれたユーリを探して光の中をあっちへこっちへ移動する。そして、割りと近場で目を回しているユーリを見付けた。浮游魔法で、フラフラと浮かんではいるが圧縮SLB魔法の影響をモロに受けているのは目に見えてわかる。
こりゃ、後で文句言われるだろうなぁ……と思いつつも、ソッと抱き上げて(お姫様抱っこ)圧縮SLBの影響下から救いだした。フと、背後に振り返ると涙目でU-Dに抱き付いている銀髪の中二病を見付ける。
確か、ディアーチェと呼ばれていた個体だ。
俺の知るディアーチェは、未来と過去が混在する状態を打破する為に方便で未来の八神はやてにやらせていた。
だけど、そんな“にわかディアーチェ”ではなく本物の“ディアーチェ”と呼ばれる個体が目の前にいる。
何はともあれ、【真実の瞳】を使ってU-Dが【紫天の書】の監視下に入っている事を確認して上手く事が運んだ事を実感した。さて、戦闘は終わり……次は、戦後処理になる訳だがーーその前に、上空から接近する《堕ち神》を何とかしなきゃならないだろう。
でも、ソレは……テオルグ達の手を借りて障壁の上を走っているあの馬鹿弟子に任せる事にする。
ずっと、隠れている転生者を気にしていたんだ。
最後くらいは、華を持たせてやるべきだろう。
「……………………」
だから、視線を向けて意思を乗せた目を合わせて『任せた』。言葉にしなくたって、何年も共にいるんだ……これくらいの意思は読み取れるハズ。そう考えて、視線をディアーチェ達に戻すと睨まれてしまった。
「???」
「貴様が、抱いているその娘は何だ!?」
「ユーリ・エーベルヴァイン。永遠結晶エグザミアを回収し、僕の技術で魔改造した無限連環機構の完成品だ」
「なんだと!?」
「だから、暴走する事もなければ……安全装置も付いてる優れモノだぞ?そして、こっちは同じく僕に魔改造された紫天の書だ。ユーリの制御や、魔法のデバイスとして使っている。ああ、使っているのは主にユーリで僕じゃないからな?そこは、間違えるなよ?」
「なら、我の手にも【紫天の書】があるのは何故だ!?」
「まあ……基本、魔導書なんて一点物だからな。疑問に思うのは仕方がない。僕の紫天の書は、平行世界から持ち込んだモノだ。だから、同じモノが二つあっても不思議じゃない」
「平行……?それは、次元世界の事か?」
「いや。それは、こちらの言葉で並列世界という横並びの世界だ。で、横並びの世界があるとするなら縦に並んだ世界もあると思わないか?」
「横並び……縦並び……」
「横並びの世界は、文明もそこに住む動植物・種族も異なる世界を指し……縦並びの世界は、同じ文明で似た様な歴史だけど居る人物がいなくて代わりに別の人物がいる世界の事だ。別名、パラレルワールド。そう言えば、わかるかな?」
「…………フム。わからん!」
「えぇー……」
人が、わかりやすく説明したというのに……この中二病は、バッサリ切り捨てに来やがる。と、気が付けば神崎が《堕ち神》を制し此方に戻って来るところだった。
「お疲れ~♪」
「とっても、疲れました……てか、前回よりも強かったッス……あれって、そういうモンなんですかね?」
「いや。あれは、妬み嫉みの力だよ。憎しみとか、恨みとか負の感情が大きければ大きい程、《堕ち神》の力は強くなるからねぇ……」
こちらは、中二病と違ってちゃんと理解してくれるのでサクサクと説明する。ほら、こっちの中二病くんは説明すれば説明するだけスポンジの様に吸収してくれるよ?
等と思いながら、視線はママ達の方へと向ける。
戦闘が、終了した事は見てわかっているだろうから、彼女達の表情も明るい。その内、ワラワラと集まって来るからその時の対応を考えるべきだろう。
「つまり奴はそれ程に、原作人物達に執着していたと?」
「多分ね。転生者のほぼ全員が、自らを主人公だと言ってる位だからそのポジションに居る様に見える奴がいると怨念が爆発するみたいだし……」
何はともあれ、展開した10万以上(使わなかったモノ含む)のBビットの回収を開始しつつ、周囲の状況を確認して警戒しておく。
いつ何時、先程みたいな襲撃を受けるかわかったモノではないからな……警戒だけは、怠る訳にも行かない。
「あー……それは、わかります。まるで、世界に裏切られた様な気分になって……全てが、憎く感じるんですよね……」
「そうか……」
ボーと、ママ達を見ていると……散らばっていた守護騎士達が集まりヒロインも集合していた。まあ、この場合のヒロインとは魔導師三人娘の事であり、決して弱々しい守りたくなる様な少女を指す言葉ではない。
というか、この世界の女性は基本的に地位が高い感じになっている。まあ、世界特性もあるんだろうけど。
「俺の場合は、師匠でしたが……話をしてみると、師匠って主人公って感じしませんよねぇ……」
「フム。流石、《調整者》側の主人公・神崎くんだ。漸く、自覚が持て始めたのかい?」
事実、この世界の少女達は弱々しいとか守りたくなるという感情を抱かせてはくれないほど逞しく(高町なのはをイメージしつつ)強い。あの場にいる、魔導師のほとんどが女性であるくらいだ。今回、仲間になると思われるマテリアルズも女の子オンリーだし……女尊男卑って訳じゃないだろうけど、権力的に女性の方がカースト的に上だ。
「止めれ……師匠を差し置いて、こちらーー《神殺し》側ーーの主人公なんて名乗りを上げませんよ!?」
「まあ、《神殺し》の大元は【破壊神】共だからな。カルヲとか、ジェイドとか……」
「ふぇ!?【始まりの魔法使い】じゃ無いんですか!?」
……ん?武装隊?
視線を向け続けていた故に、原作ヒロイン達の元に武装隊の面々が現れ集っていく。何となく、不穏な空気を感じるのは俺だけなのだろうか?
Bビットの大部分は回収しつつ、何機かを残して警戒に当たらせる。下手を打てば、今度は時空管理局との戦闘になるかもしれない。なので、警戒を第二戦闘配備程度に留めて会話を続行する。
ついでに、周辺に散っている使い魔達も呼び戻す。
「違うよ?そもそも、《神殺し》を始めたのは【破壊神】達が最初。で、当時……彼等と行動を共にしていた同位体がガク・ウッドローだね。そこから、呪いが広まったんだよ(笑)」
「ガク・ウッドロー?」
漸く、神崎も武装隊の動きに気が付いた様子で、疑問を口にしつつも視線はママ達の方向へと注がれている。そして、見なかった事にしたのかスイッと視線を外して俺との会話に集中し始めた。そんな事をしても、現実は変わらないというのに……本当、馬鹿だな。とは言え、一悶着があるのは代わり無さそうなので俺も会話の内容に思考を傾ける。
(覚悟完了(笑))
「えっと、コテハン・大樹の弟で……“果実”って呼ばれてた子がウッドローだよ。ロリコンを捕まえに、出撃していたろ?彼が、同位体で初めて神殺しを成功させた人だよ」
当初は、呪いに関して誰もが無関心だった。
というか、そもそも【破壊神】と呼ばれた彼の者達に呪いなんて効かないし、そんなモノが撒き散らされているなんて誰も気が付かなかったんだ。それに気が付いたのは、ガク・セトイルドというロリコンでコテハン:【Yesロリーター!!タッチ上等!!】を名乗る変態である。
「まあ、神を殺したら呪われるって話は後になって判明したらしいから。ウッドローは最初、童顔だから年を取ってない様に見えるんだ……とか、言ってたらしい」
「童顔だったんですね……」
「で、いよいよ、『これ、やっぱりおかしいだろう!?』って時になって初めて呪いの事がわかったんだよね。でも、その時にはたくさん神を殺してて呪いは解けないし、年を取る事も死ぬ事も無くなっていて頭を抱えるハメになったんだってさ……」
「そら、そうなりますよね……つーか、【始まりの魔法使い】じゃない事が俺の一番のビックリですね!」
「まあ、普通はそう思うもんなぁ……」
会話している内に、武装隊と原作魔導師組に囲まれてしまった。何人かが、デバイスをこちらに向けているのでかなり警戒されてしまっているらしい。さて、相手側の準備も完了した様なので、こちらも相手の出方を見つつ対話を開始しようか……そう思った瞬間、手足がバインドで拘束されてしまう。フム……敵対ですか?
「拘束理由を聞いても?」
「そちらの青年が、こちらの魔導師一人を殺害した。その現行犯だ!!」
「そちらの魔導師?ああ、《堕ち神》か……」
「…………おち……がみ……?」
武装隊は、どうやらあの《堕ち神》となった転生者の事を言っているらしい。だが、ああなってしまえば直ぐに正気を失い周囲を無差別に攻撃しただろう。
元に戻る事もないから、いずれ止めに入ってくるであろう武装隊含む原作ヒロイン全員が殺されていたと思われる。
「狂い始めが、一番殺り易かったんだ!」
神崎が、ボソッと呟くが無視。
「あーー…………」
とは言え……そんな事ーーこちらの事情ーーは、彼等には関係ない。目の前で、起きた事が全てだろう。
それ故に、返答次第では《堕ち神》に関して
「それに、そちらの娘はロストロギアだろう!?」
それと、俺が抱き抱えるユーリをも引き合いに出されてしまった。まあ、目の前にU-Dという現物のロストロギアがあるんだから仕方がないと言えば仕方がない。容姿どころか、魔力パターンまでソックリな存在だからな。
「まあ……そうだな。と言うか、言っても無駄だろうけど……あの《堕ち神》は、放置していればお前達も皆殺しにされていたんだけどなぁ……」
なので、今後の予定と目の前の問題を天秤に掛けて、どう対応するかを考える。その上で、神崎に振り返り相談してみた。
「?」
「落とす?」
「何を!?」
「アレ……」
指で、指し示すのはアースラ。
U-D決戦の際に、大気圏突入を果たしていたらしい。
もしかして、ダメだったらアルカンシェルでなんとかするつもりだったのか?まあ、必要が無くなって所在なさげに浮かんでいるけど。
「止めて上げて下さい……」
「そう言えば、『リリィ』達どこ行った?」
「…………あ、何か嫌な予感……」
だから、【スーパー稲妻キィック】が殺りたかっただけなんだよ!!ってな訳で、GOD・U-D戦今度こそ終了ですミ☆!
長かった。追加分だから、余計に長く感じちゃったよ(笑)。
さて、次は管理局vs聖杯……じゃなかった。《神殺し》ですね!!負けは確定。殺るだけ無駄な戦いです。蹂躙☆です!
全く、色々疑問に思うのはわかるけどお仕事だからって死にに行く必要はないと思うんだよね!まあ、アースラは落とさないから安心してね?中破程度だよ(笑)。
後、S&Bビットはまだまだ量産されて行きます。
最終的には、補助用の量子演算機まで付いて来る予定。
つーか、【外】の連中は何を考えているのかな?
まあ、パズル感覚で遊んでいるんだと思うけど……やり過ぎは、破滅の元だよ?
そして、不死の呪いに関するカミングアウト続編です。
元々、《神殺し》って今の奴等がやってた事じゃないんだよね。前にも言ったとは思うけど、初期案は【破壊神】と呼ばれる5柱の神が始めた事なんだよ。ウッドロー……彼が、創造神・希羅(ウッドロー命名)と仲良くなった後でガク・セトイルドやガク・イツキと知り合ったというか何と言うか……同位体と出会っちゃったのが、そもそもの原因なんだけど。
あ、この三人は同一人物だよ(笑)。平行世界の境界線が崩壊してパラレルワールドが一つに纏まっちゃったんだよね。
正確には、根源崩壊で【外】に排出された世界が《旧・神族》の手に渡って……【同位世界召喚】っていう、その世界に【縁】のある平行世界を召喚するっていう魔法で呼び出されたのが原因。
その結果、この三人が集まり……融合しそうになったんだけど、希羅がウッドローを失うのを嫌がって、邪魔をし魂が歪んだだけに留まる。融合は阻止されたんだけど……アレがいる限り平穏はないんで、流れで《旧・神族》と戦う事になって……破壊神の手を借りつつも、殺しちゃったのが原因。
てか、意図して殺したんじゃなくて偶然殺しちゃったんだよね(笑)。まあ、希羅が色々した結果と言えばわかるかな?
希羅は、ウッドローにガチ惚れだったからね。
まあ、彼には恋人が居た訳だけど(笑)。神と人と暗殺者の三角関係とか笑えないドッロドロの話になっちゃってたけどね(笑)。ああ、誰が勝ったかは言わないよ。
結局、その辺りはうやむやにしたから(笑)。
ハーレムにはならなかったよ?ウッドローは、サリーナと結ばれたし。後で出て来た、ウッドローの孤児院時代の幼馴染み超能力暗殺者とかも加わってもっとドロドロになったからね(笑)。
サリーナ:暗殺者組織で、ウッドローの幼馴染み。研究者だった両親が、娘の為に組織から抜ける事を決める。組織から逃げ出した際に、研究者夫妻は追手によって殺されたが、サリーナは異世界転移して助かる。無能力者。
希羅:創造神。少女の姿をした、世界を創造したとされる存在。ウッドローと出会い、名前を貰った事で彼に懐く。
里希という分身体がいる。
マリア:孤児院時代のウッドローの幼馴染み。ウッドローと同じ様に暗殺者組織に拐われた女の子。他に、『リュウジ』と呼ばれる子もいたが実験中の事故で死亡。
何かに着けて、幸せそうなウッドローに挑み殺そうとする。
リュウジ:ウッドローとマリアの孤児院時代の幼馴染み。
暗殺者組織で、実験中に事故で死亡されたとしたが……人工超能力者開発の失敗で、狂気に囚われて暴走体となる。よって、組織の施設奥深くで封印されていた。
因みに、マリアはウッドローに説得されて仲間となり、サリーナとは険悪だけどそこそこいい関係になります。で、封印されていたリュウジ(♀)を発見し、ウッドローと共に殺す事になったんですね。この辺りは、ガチで悲しい戦いになりました。初期設定だったとしても、なんであんな設定にしたのか当初の自分に問い質したくなったのは言うまでもない。
終った後は、凹みましたよ。
感情移入仕切っていたので(笑)。
他にもいっぱい、組織に玩具にされた子供達がいたんですが……紹介仕切れそうにないので終わりにさせていただきます。
出版業界のアレコレ。作者が持ち込んだネタは、数年後にOKされるモノがたくさん(批判じゃないよ(笑))。
当時の理由で、画力(漫画系)が……とか、自分の至らなさから切られるのは良いんです。
ですが、持ち込み当時はダメで数年後にOKのモノは納得が行かない!その数年の間に、何があったのか理由が聞きたいモノです。まあ、基本的に断られるんですけどね。
そして、クレーマー扱いと来たもんだ(笑)。
チゲぇよ!?理由を聞いてんだよ!?と言いたくなります。
……倫理規定違反とかですか?
ぶっちゃけると、「売れるから」とか「人気が出たから」とかそういう理由。まあ、要は「お金になったから」が正解。
前例とは、結果があってこそ作られるモノなのだという事だよ。正論ちゃあ、正論だけど……実績も何もない所から這い上がろうとする者には基本厳しい世界でした。というオチ。
つーか、実績って言われてもなぁ……今なら、ネットとか発信媒体はたくさんあるけど、昔はそうも行かなかったのです。
今の方々は、恵まれているとしか言い様がないね。
一番、私の活動が活発だった頃にそれらがあればなぁ……復旧してからでは、年齢的にデビューとか難しかったんだ。
最悪、30歳までにデビューしないと……連載モノとか、考えると厳しいモノがあるからねぇ。
私は、二十代後半で止めて社会を回す歯車になったよ?
そして、今は趣味で書いてる感じ?
気楽で良いよね!二次創作モノって(笑)。
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m(_ _)m
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