絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
凍真
やあ、お久し振り……禍焔凍真だ。
俺は今、裁判の真っ只中にいる。
容疑は、詐欺罪。というか、冤罪なハズなんだけど。
なんで、こんな事になっているかと言うと理由は数週間前に遡る。
~~回想~~
数週間前。
最強の女剣士がいる、農業区で修行を終えた俺は農業区のコロニーを出て自宅ーー自宅というか、寝泊まり出来る施設(お金必要)と言った方が正解ーーのある区画に戻っていた。そこは、所謂宿泊施設が集合している所で俺はアルバイトをしつつ一番安い宿に泊まっている。
なので、早朝から昼までを修行に当てて……午後からは、アルバイトに時間を割くという二重生活を強いられていた。
そこへ、双夜の使い魔が訪ねて来ていたのである。
その使い魔の話によると、【組織】の中にある双夜の自宅ーー双夜が、【組織】から与えられた物ーーを俺に譲る代わりに必要ない中の物を処分して欲しいという。
新しい家を貰えるーータダで、寝泊まり出来る悦び!ーーならばと、俺は二つ返事でそれを了承。家の中のモノは、自由にして良いと言って貰えているので、物要りになるだろうと大喜びでその家に向かい……中にあるモノを見て愕然とするしかなかった訳だ。ぶっちゃけ、俺では家の中にあるモノに対して知識が無さ過ぎて手も足も出せない。
正に、超高級品的なモノが大量に並んで飾られていて、下手に触ろうモノなら損害賠償を要求されるんじゃないかと思う様なモノばかり。例え、許可があったとしても庶民である俺にはどうして良いモノかわからない。
そこで、その辺の知識も豊富そうなセイビアさんに話を持ち掛けると……数週間に一度、フリーマーケットみたいなモノがとある施設で開催されているという情報をくれた。
なので、問題の家の中にある要らない物をそこで売って金にすれば良いと助言をくれる。これまた、『成る程!』と鵜呑みにして俺はセイビアさん指導の元、元双夜の家の中にあった高級品ッポイ芸術作品を仕分けして売りに出せそうなモノを物色した。スリル満点の物色だったけど。
絵画ってのは、なんであんなに重たいんだろうな?
うっかり、手を滑らして……また、強目に力を入れると額縁がグニャリと変形したりして精神をガリガリ削られる。
ただ、物色していた超高級品的なモノの中には偽物ーーつまり、イミテーションや贋作ーー等も含まれていた。
それらは、安価でしか売れないだろうとセイビアさんの目利きでイミテーションはイミテーションとして売る事にした方が後々問題に成りにくいという話になる。
その他にも、色々出て来てセイビアさんのアドバイスを聞きつつもフリーマーケットの準備は着々と進んだ。
だが、俺はこの時点で気が付くべきだった。
そんな美味しい話が、俺を避けている双夜の口から出るはずがない。だけど、日々の訓練とアルバイトで色々と麻痺していた俺はそれが罠とも思わずに受け入れてしまう。
まさか、全てが仕組まれていた事だったなんてこの時は思いもしなかった。
その後、準備期間を経てフリーマーケットが開催される期日がやって来る。その日は、師匠に頼み込んで修行はお休みにして貰った。朝の内から、マーケット会場で準備と売り子をする為だ。どれくらいの金額になるのか、少しわくわくしながら前日はベットに入る。
こういう、お祭りの前日は昔からこんな感じだった。
眠れない……なんて事は無かったけれど、決まって夜遅くまで起きていたものだ。そして、大抵の遠足の当日……案の定、寝坊して周りに迷惑を掛ける。その上、忘れ物したり迷子になったりと一通り周囲に迷惑を掛けた思い出があった。でも、それは……生前でのお話だけれど。
今は、もうそんな事は無くなって周囲に迷惑を掛ける事なく一人である程度の事は出来る様になっていた。
それは、今回のフリーマーケットでも遺憾なく発揮され、遅刻する事なく早朝に会場へ着き、余裕を持って準備を終えて後は客入りを待つばかりとなる。
9時になり、フリーマーケットの主催者が開会の宣言をして始まった。最初は、然程お客さんは来なかったけれどセイビアさんが来てからは、客入りもそこそこに商品も売れて行く。多少のトラブルはあったけれど、大きな影響もなく順調に消化されていると思っていた。
だけど、その頃には水面下で大きな火種が燻っていたんだと思っている。その火種が、爆発的に大きくなったのは……【真実の瞳】保持者が、少しブースを離れていた間にやって来てイミテーションと書いてあるにも関わらず『ここは、贋作を売っている!』などと大騒ぎしていた時だろう。
実際、値札等にもイミテーションである事は表記していたのだが……まさか、イミテーションを取り扱うのに許可書が必要で、なおかつちゃんとした鑑定書(一つ目)が必要だとは思ってもいなかったのである。というか、それらが必要な理由が俺の考えていた事とは右斜め遥か上程に違っていたのも大きい。まさか、問題視されていた事が『贋作を売っている』とかいう理由とは全く異なる事柄で……それ等のイミテーションが、元は曰く付きの呪われた品々(二つ目)ーー厳密な管理が必要。取扱い資格も必須。凍真は、当然持ってないーーだったのが問題視された理由だった。
なので、その【真実の瞳】保持者はそれ等のイミテーションがとても危険な品々だと騒いでいたのである。双夜さんの家にあったそれ等が、元々は呪われた品々だとは俺もセイビアさんも全く知らなかった。
だけど、準備した者が『そんな事、知りませんでした』と言った所で危険物を売った事実は変わる事なく俺は逮捕される事となる。しかも、その時の俺がした対処方法も間違っていた(三つ目)ので詐欺罪が確定した。
つーか、専門の知識がない奴に文句を言われても仕方がないじゃないか……それに、双夜の許可を貰っているのだから問題は無いハズだったんじゃないのか!?
等と、散々訴えたのだが取り合っても貰えず、俺は独房みたいな場所で臭い飯を食う事になった。まあ、臭い飯と言っても比喩や揶揄であって本当に臭い訳ではない。
というか、とても美味しかったです。
そして、俺はフリーマーケットでの是非を問われ裁判に掛けられる事となる。因みに、現行犯逮捕なので実刑は免れないんだとセイビアさんは言っていた。
……………………。
「というか……なんで、セイビアさんは俺と一緒に捕まっていないんですか!?」
「あれが、呪われた品々だとは知らなかったし……」
「俺も、知らなかったですよ!?」
「でも……許可書くらいは、取ってると思ってた」
「フリーマーケットでしょう!?営業許可書なんて、考えもしませんよ!?」
「まあ、常識的に考えるとそうなんだよなぁ……それと、営業許可書じゃないよ?」
「じゃあ、なんの許可書ですか!?」
「イミテーション販売許可書。てか、端末で調べれば即行でわかったハズなんだけど……フリーマーケットで必要なモノで検索すれば出てくるよ?」
「……………………」
そう言われて、俺は反論出来ないまま沈黙する事となった。そうか……端末で調べれば、直ぐにわかった事だったか。
それ故に、俺の罪は重いらしい。
そりゃ、端末で調べられる程に至れり尽くせりなルール表記を俺は無視したのだから詐欺師と呼ばれても仕方がない事なのかもしれない。目の前にブラ下げられた餌に、何も考える事なく飛び付いたのもイケなかった。
更に、裁判官の俺に対する印象を悪くする事をやってしまっている。全ての原因と罪を、減刑を求めた双夜に擦り付け様とした大罪人というのが俺の評価だった。
そもそも、俺がやらかす事を予期しておきながら、それを防ごうともせずに放置する行為は同罪だろう!?というのが、俺の主張だったんだけど。
なのに、如月双夜という奴は事もあろうに『被害に遭った方々には申し訳ないが、これは禍焔凍真が一人立ちをする為の訓練である。禍焔凍真が、【内側】の世界で【神々】に騙されぬ様に目利きを鍛える必要があると考え、【組織】から与えられた自宅に調度良い教材があるのを思い出し行動させたモノである。もしそれで、凍真の目が育つならば良いし……駄目だった場合でも、どうか見捨てず皆で教育してやって欲しい』等という文面を前以て送っていやがったのである。
おかげで、俺だけが悪者扱いで双夜は心の広い大物扱いとなっていた。
「絶対、アレ……俺を【組織】に閉じ込める為の一手だろ!?今回の裁判で、目利きの教養が終わるまで【内側】に行く事を禁止されたんだぞ!?」
「まあ、そうだろうな。ほぼ、完全に足止めの為の策を練られたと考えるべきなんだろうな……いやはや、流石悪知恵だけは人一倍の魔王様だよ……」
その結果、俺はそれぞれの教養が終わるまで【組織】内に留まる事を命じられてしまった。もう、研修だったとしても監視役が必須で自由には行動出来ない。
「勘弁してくれぇ……」
「まあまあ。組織内では、そこそこの自由があるじゃないか……そりゃ、当分の間は商売禁止だけど……」
「おかげで、アルバイトも首になりましたけどねぇ…………。まあ、家は手に入りましたけど。……でも、アルバイトがなぁ……近場で、雇ってくれそうな所もありませんし……」
「乙(笑)」
「笑い事じゃないですよぉ……(泣)」
「まあまあ。しばらくは、教養に力を入れる事だね。真面目にしていれば、情状酌量の余地は出て来るのだから」
「くぅ……それって、何時までですかぁ……」
「まあ、気長にやるしかないよ。君は、真面目で常識(元世界)に囚われているみたいだから大変ではあろうけど……頑張りなよ。まあ、その常識が全てを駄目にしてるけど(笑)」
等と、俺の基本骨子を一蹴されてセイビアさんとの面会は終わった。全く、酷いモノである。
そして、今は共有捕縛庫の所に飛龍さんと入っている。
この人は、セイビアさんの友人でとんでもない悪友だ。
初めて会った時は、不正行為でお金を得ていた様な記憶がある。そんな彼と、俺は一つの房で一緒に過ごす事となった。一応、仲介してくれたのはセイビアさん。
一度、顔を会わせていたはずなのに再会した時に『初めまして』をさせられた。どうやら、この人は興味のない事はとことん記憶されないらしい。セイビアさんの仲介後は、仲良くしてくれているけれど……再会した時の冷たい態度は、中々俺の記憶から消えてくれない。そんな人が、どうやってこの場所で生きているのかと思えば友人達と一緒に居たいが為に必死で覚えたのだと本人が教えてくれた。
「良いなぁ……セイビアが、引き取り人なんだぁ……」
「フェイさんは、誰なんですか?」
「愁だよ。僕の場合は、いっつも愁が担当してる」
「あー、愁さんかぁ……」
成る程、通称『パパ』がフェイさんの監視役なのか……初めて、その通称を聞いた時は子供がいるのかな?と思ったけれど……こんな、大きな子供の面倒を見ていたからなのか。
「……成る程。こりゃ、確かに『パパ』になる……」
ポツリと呟いて、目の前の大きな子供に目を向ける。
ニコニコと笑っている大きいお子さんは、その後も色々と話をしてくれた。そこには、セイビアさんとの出逢いも含まれていて、辛いハズのブタ箱生活もそこそこ楽しかった様に思える。ただ……フェイさんが、何かしらの事件を起こす度に巻き添えにされるのは心底困る話だった。
その結果、俺は模範囚人になろうと頑張っているのにフェイさんに巻き添えにされる度、監修期間が延びるのは勘弁して欲しい。なんで俺まで、フェイさんの協力者扱いになっているんですか!?全然、関与してないというのに連帯責任よろしく同罪扱いにされるのは止めてくださいませんかね!?…………結論。結論だけ言おう。俺は満期を過ごし、追加の追加の追加を期して釈放された。
その隣には、同じくして釈放されたフェイさんの姿があり、身柄引き受け人として迎えに来てくれていたセイビアさんと愁さんが真っ青を通り越した表情で出迎えてくれる。
「大変でした……」
「「超、ごめんなさい……」」
二人が、同時に頭を下げて来る。
その意味を、しっかりと理解し……隣で、ホワホワと笑っているフェイさんを見て愁さんにすがり付く。
「フェイさんが、巻き込んで来るんです!!」
「本当に……本当に申し訳ございません!!」
「落ち着け!落ち着け、トーマ。気持ちは、痛いほどわかるから……今は、落ち着こう!」
「セイビアさん……なんで、こんな人を紹介してくれたんですか!?釈放が、延びに延び延びになったんですが!?」
「あー……すまん。ガチですまん!つまらないであろう、ブタ箱生活の暇潰しにと思ったんだが……まさか、同じ房だとは思いもしなかったんだ……」
後でわかる事だが、基本的に入れられる房は釈放が同時期になる奴が集められる事があるらしい。なので、同房を拒めば別の房に変わる事が出来たらしいのだけど……まさか、フェイさんがそれを邪魔していたあげく、その話を意図的に止めていたなんて全く知らなかった。
「ごめん。本当にごめん……まさか、刑務官を脅して凍真にそのルールが話されない状況を作られているとは思わなかった。その上、同時に釈放されたいからって満期延ばしまでされるとは考えもしなかった」
「という訳で、みんな遊びに行こう!!」
「「お前!ちょっと、黙ってろよ!!(怒)」」
「ふぇ?」
「とりあえず、凍真の評価はどうなってんだ?」
愁さんに拳骨を落とされたフェイさんが沈黙したところで、セイビアさんが俺達の釈放の為に見送りに来ていた刑務官達に声を掛ける。そこには、総勢50人近い刑務官さん達が集まり、花道を作る様に両サイドに並んでお見送りと称し頭を下げていた。それには、フェイさんを止められなかった事に対する謝罪も含まれているらしい。
俺もまさか、釈放の際に所長含む刑務官さん達に土下座されるとは思ってもいませんでした。
「模範囚人とさせていただいてます!!」
「あ、これ……色を付けさせていただきました!!」
手渡される、俺が拘束されていた際に働いていた分の給料が全てを物語っていた。だって、普通なら雀の涙程度のモノのハズなのに……ゴッツイ太さの茶封筒が、俺の手の上に置かれている。因みに、中からは札束ではなくクレジットカードが入った箱が出てきた。
「???」
「うぉ!?ご、ゴールドカード!?」
この【組織】内での、『ゴールドカード』の位置付けは……【組織】の、一番高い部屋を借りても数十年は暮らせるレベルのモノ。財布として使えば、数億クレジットのお金を引き出せるらしい。そんなモノが、ポンと手渡されるレベルの被害を彼等は受けていたという事になる。
「貴方達、どれだけ迷惑を掛けてるんですか!?」
「迷惑だなんてとんでもない!!」
「そうですよ!我々は、凍真さんに感謝しかしていません!!」
「「感謝?」」
『ゴールドカード』級の感謝……とは、いったい……?
セイビアさん達が、何やら不穏な空気を感じ始めたのか、懐疑的な表情で刑務官達を見ていた。
「普段なら、一方的にボコられるだけだったのに……凍真さんがいるだけで、平和な毎日が送れるんですよ!?」
「しかも、話を聞くだけなんて平和な方法で!!」
「施設が、破壊される事なく!」
「他の囚人が、ボコられる事なく!」
「目が合ったなんて理由で絡まれる事なく!」
「「「平和な1日が約束されるんですよ!?」」」
そんな理由もあって、俺の釈放は延びに延びまくる結果となっていたらしい。というか、飛龍さんェ……。
「「……………………お前…………」」
『『『ガチ、ありがとうございました!!!』』』
俺に向かって、刑務官達が一斉に頭を下げる。
そこに、感謝の言葉が乗っているので俺は何も言えなくなってしまった。こんな……こんな風に、泣きながら感謝の言葉とフェイさんがいる日々の悪夢を伝えてくる刑務官達に、果たして誰がどんな文句が言えようか。
結局、文句一つ言う事なく俺達はその場を離れて行く。
「フェイが、房の中でも普段と変わりない事がわかっただけ、マシナノデショウネ……」
「それを、マシと称するのか!?」
「ええ。マシ、と称します。次は、第六監獄に送りますから安心してください」
「第六……監獄……ははは。成る程ね……そりゃ、安心だ」
「第六監獄?」
気絶したフェイさんを引き摺りながら、愁さんがとても良い笑顔で受け答えしてくれる。とても、恐ろしくって直視は出来なかった。
「砂漠の惑星で、誰もいない監獄です。ほぼ、全自動ですから……どれだけ、暴れ様とも、壊そうとも、拘束され続けるだけです。それに、彼処の管理者は我々がよーく知る大天使様です。ぶっちゃけ、あの方から逃げられる者は早々居ません」
「怖い方なんですか?」
「いいえ。とても優しい……少々、天然が入っている方ですね……ええ、【天然】なんです……」
「えっと……天然、なんですか?」
【天然】の部分を、力強く言い切る愁さん。
それには、セイビアさんも力強く同意していた。
「ええ。捕まると、逃げられません」
「捕まったら、数日は逃げられないから(笑)」
「下手に話し掛けると、ループしますし……」
「そそ。ループが始まったら、週間単位になるから黙ってないと終わらないし……」
「うっかりやらかすと、年単位になりますし……」
「怒らないけど、泣くから……」
「ええ。泣いたら、眠れませんよ?」
「ああ。眠っても、叩き起こされて……延々とループな?」
「ええ。混乱させると、最初っからになりますし……」
「終わらない。止まらない。泣いて説教。ループ。ぶっちゃけ、俺等の天敵だ。本人は、太陽の加護があるんで飲まず食わずで全然問題ないし……」
「飲まず。食わず。眠れず。年間でお説教……絶望を通り越して悪夢になって、トラウマになるまで続きますから……」
「それ、本当に天使?」
「「天使(です)だ!!」」
まあ、天使にも人間と同じく人格があり、十人居れば十人分の性格と考え方があるのだそうだ。当然、その方々の持論というか『正義』にも色々あるらしく、その天使に至ってはちょっと相手にしたくない面倒臭い人種だと言うのは……セイビアさん達の反応を見ていればよぉく理解できた。
「愁の前の、フェイの保護者だ。能力は兎も角、スッッッゲェ……面倒臭いぞ?」
「セイビアさんが、面倒臭いというレベルの人と覚えて置きますね?当人に会えば、セイビアさんを生け贄にすれば良いんですか?」
「止めろ!マジで、止めろ!!」
冗談だったのに、超必死なセイビアさんによって血判状まで書かされるハメになった。つーか、そんなレベルの人が居るのか!?余り、出会いたくないなぁ……と思ったりもしたんだけど、これ事態が『フラグなんじゃね?』と考えを改める。
「フラグ?」
「「ひぃ!?」」
「ななな、何言い出すんだ!?」
「そ、そそ、そうですよ!?何、言ってるんですか!?」
瞬間、慌てた様子で周囲に目配せをし、超警戒モードに移行した二人が超ビビった様子でオドオドし始めた。
その様子を見て、『ドンだけだよ!?』と思いつつ逃げの準備を始める。だが、それがイケなかったのか……「あー!!」という声が響いて、背後に振り返ると美女が手を振りながら走って来るところだった。
「「ひぃいぃぃぃ!?」」
噂をしたらとは、良く言うが……この時程、ことわざが当たるのは勘弁して欲しいと思わずにはいられなかった。
反射的に踵を返し、逃げ出そうとするがそれに勘付いたセイビアさんの手で阻止される。一瞬、文句が口を突いて出様としたが、そんな暇はなくポテポテ走って来る……見た目天使な美女が、死刑執行人に思えて更に半転。
駆け寄って来る人、目掛けてスタートダッシュした。
「「……って、何ぃ!?」」
問題の人の脇を抜けて、セイビアさん達に声を掛ける。
「あ……」
「すいません!急いでいるのでまた今度!じゃ!!」
後の事を考えると、この方法は悪手と言わざるを得ないがアレだけ恐怖を刻む様な事を言われると逃げたくなるじゃないか。なので、後々が面倒だとは思ったけれど、やはり逃げ出す事にした。
……………………。
てな訳で、俺は一度……双夜さんから、譲り受けた自宅へと足を向ける。本当は、師匠の元へ顔を出す必要があるのだろうけど……そっちは、後回しにして先にネグラの方を見ておく事にした。区画的には、豪勢な住宅街の方へと入って行く事になるのだが……何故か、双夜さんの家周辺には何もない。まるで、そこだけ隔離されているかの様にポツンと一軒の洋館が建っていた。
「……何で、ここだけ離れてるんだ!?」
目側でだけど、双夜さん家からザッと半径500メートル程がポカンと空白になっている。ついでに言うと、区画の端にその洋館は建っていた。何となく、本気で隔離されている様な気がして不気味に思えてくる。少々、ビクビクしながら洋館の鍵を開けて中に入る訳だが……何故か、この間まで所狭しとモノが溢れていた洋館は、全ての荷物を運び出したらしく、広々とした空間と成り果てていた。
「つーか、何も無いんですけど……」
慌てて、各部屋を確認したけれど俺が持ち出したモノ以外のモノも全てが存在しなかった。つか、ベットすらねぇ。
元々、双夜さんは曰く付きなモノを預かっては浄化するという仕事をしていたらしい。なので、俺に管理出来ないと判断された品物は全て撤去されたんだろうと思われる。
事実、そんなモノを管理・保管する知識も技術もないのでありがたい事この上ないのだけれど……出来るなら、裁判に掛けられる前に撤去して置いて欲しかった。
「ぜってぇ、俺を【組織】に閉じ込めるつもりだろ……あの人。つーか、その策略にハマっちまった俺が言えた義理じゃねぇけど……そんなに、監視されるの嫌か!?」
こんな、回りくどい方法まで用いて俺を閉じ込めるなんてどうかしていると言いたくなる。別に行動を阻害する訳じゃ無いんだから、監視くらい受け入れたって良いだろうと俺は思うのだ。ここまで、拒絶されると別の何かがあるんじゃないかと疑ってしまう。その“何か”が、わからないので今一疑問しか思い浮かばないけれど……俺が、それを知る可能性はどれだけあるのだろうか?
いっそうの事、部外者なんだからサクッと教えてくれても良いと思うのは浅はかな事だろうか?最悪、セイビアさんから聞き出せれば良いが……何故か、その辺りの情報にロックが掛かっている様で、早々簡単には双夜さんと【組織】の関係性は見えていない。
「仕方がない。ドストレートにセイビアさんに聞いてみるか……藪をつついて蛇を出すとは言うが、例えドラゴンが出て来ても確認はせざるを得ないし……」
面倒事ではあるが、仕方がないだろう。
「って、そういやぁ……逃げてきたんだった……」
さて、どう機嫌を取って……どう、情報を聞き出すか……と俺は頭を悩ませる。
ヤ バ イ 。
チクリチクリと、嫌味を言われ続けられるだろう事しか予測出来ない。等と、頭を抱える事しか出来なかった。
だけど、俺がセイビアさん達とその後話が出来たかというと……全く話も出来ない。
つーか、全く会う事すら叶わなかった。もしかすると、今尚、例のあの人に捕まっているのかもしれない。
そして、一ヶ月が過ぎた頃……漸く、セイビアさん達と再会する訳だけど、酷く窶れた顔色の悪い彼等との再会となった。
クックックッ、トーマの裁判でのお話でした(笑)。
まあ、読んでの通りなんだけど……トーマが、かなり迂闊な事をしているよね(笑)。双夜ん家が、普通の家な訳が無いじゃない!疲れていたとは言え、もうちょっと考えて行動していれば、今回の事は回避できたんだけどね。だけど、今回は色々な事が重なってトーマは双夜の悪戯に引っ掛かってしまいましたとさ(笑)。というか、何か新しい事をする際は、ちゃんと内容を調べてから行動しよう!じゃないと、トーマみたく落ちなくても良い穴に落ちるから(笑)。その気があれば、回避出来る程度のモノ。でも、内側世界的世間一般のフリーマーケットと同一視したが為にこんな事となりました。
そして、疑心暗鬼に陥ってる(笑)。
トーマ、頑張ってますよ!!
慣れない環境で、ストレスが溜まりまくっているだろうげどね(笑)。常識人には、こういう世界はキツい(笑)。
そして、飛龍と元保護者出現。保護者の名前は、思い出せなかったので放置しました(笑)。なので、逃走成功です☆♪
あ!後、あの大天使様は、『男』だから!美女に見えるけど、本当に『男』だからね!!大事な事なので二度言いました。漫画版では、見た目は女性だったよ。フワフワで、少々巻きが入っている髪質で、女性の衣服を着ている人だったけれどね!!
ゴールドカードは、作者からの軍資金。これで、後は隔離された双夜ん家の話をショボショボ出来たら良いなぁと思っています(笑)。あの……恐怖の館を(嘘)。
そうそう、活動報告でも上げた話だけど……作者は、高校生になるまで同人誌の存在を知りませんでした(笑)。
で、それを教えてくれたのが……当時、作者をキモヲタ変態野郎と罵っていた同級生達だったのですが……。
何も知らない作者に、同人誌やらの知識を教え様と説明をする時の彼等の表情が忘れられない(震え声)。
実は、キモヲタと思っていた奴がビギナーヲタクだった事実にどう反応して良いのかわからないって感じでした。
ついでに言うと、そんな知識を持ってる俺等の方が………と、ショックを受けている様子で……。
因みに、当時の作者は……アニメは、見るだけ。一度見たら、以降興味なし。フィギュアは、何それ美味しいの?高いだけの御人形だよね?状態。アニメグッズ等も持っていましたが、偶々手に入ったのを鞄に付けるだけーーと…………真実を知った彼等は以後、何も言わなくなりました(困)。
投稿の為に東京まで出向く為、交通費に大体お金は飛んで行くので基本金欠でしたね。年二回行ければ良い方で、最悪一回程度しか……お年玉だけではそんな感じだ。バイト?校則で18時までと決まっていたのでしてないかな?ああ、実家が自営業だったので手伝ってはいたよ?人件費は割愛で。
『ゴーストスイパー美神玲子』の横島くんよりかは高い時給だったけれどね!!初期は、350円だったからね……彼は。
そんな感じで、キモヲタには程遠い作者だった訳です。
そして、『物語作って、投稿してるからヲタクだよ!?きっと……多分?』という微妙なフォローをした際の彼等ときたらもう……何も言えなくなりました。
アレは、コミュ障には普通にキツいです。
どう、フォローしたら良かったのやら……(困)。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも読んでくれる方々に感謝を……。