絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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ニニ三話#

神崎

 

 

INNOCENTの世界での任務を終えて、次なる世界へと行く前に俺達はまた【組織】へと戻っていた。

結論だけを述べるなら、INNOCENTの世界に魔法以外の特殊能力者は数人確認した。けれど、魔法というシステムを奪われた転生者に、悪事を働く能力は備わって居なかったーー隠れ潜んでいた者もいたかもしれないけど、世界の意思がこちらの()()()に介入して来なかったので問題ないとするーー。

 

「つーか、魔法(異常)の無くなった世界に『幻想殺し』とか意味なくないか?神様特典、無駄にしたな(笑)」

 

そもそも、あの世界の転生者が悪事を働いていたのは御都合な神様特典があったが故の出来事で、それが使えなくなった以上悪事を働く意味がないと全員一致で言い切っていたからほぼ間違いはないだろう。

特に、『幻想殺し』にはキツい現実だ。

とりあえず、保険として悪事を働くと激痛を伴う頭痛がする様に師匠が転生者達に【呪い】を掛けたのでこうして【組織】に戻って来た訳だ。

 

「しまった……【呪い】は、激痛じゃなくて『濃い男性に恋慕する』にしておけば良かった……もしくは、脂ぎったオーク系男子に走るとか……」

 

「止めて上げて下さい!!」(焦)

 

そんな事(精神的BL)になったら、転生者達が首を括りかねないのでガチで止めて上げて下さい。まあ、それはそれであの世界のヒロイン達が平和になるなら問題ないとは思うけれど……だからと言って、転生者達が絶望の奈落に堕ちる必要はない。まあ、罪に罰は必要でしょうけど。

そして、“あの件”の転生者についてだが……女児として、生まれた事で引きニートとなり、学校にも行かず部屋の中で怯えているのをとある転生者からの通報で発覚した。

その上で、師匠が【出産率改竄】特典を排除して事なき事を得たのだが……今度は、女児化した転生者からの報復を恐れてまた引きニートに戻ってしまう。もう、何を言っても話も聞こうとしないので件の転生者を放置しての《時渡り》である。引き籠るというのなら、俺達は文句を言わないのでそのまま大人しくしていてくれるならばと考えた訳だ。

 

「ま、どちらかというと、その理由を盾に引き籠る大義名分を得ただけだと思うよ?それに、世界に関しては大丈夫だとは思うけど。飽きたら出てくるさ……」

 

「それは、絶対にありませんて(笑)」

 

あの引き籠りが、引き籠る事に飽きるハズもない。

ネットゲーに、仕送りという名の神様の贈り物。部屋の中で一生を過ごせないとしても、そこそこ完結出来る環境が件の引き籠りに与えられている訳だ。故に、引き籠った事すらない師匠ではその心情を知る術はない。まあ、この人の場合、周囲から恨まれた所で力尽くで捻防げるので気にもしない所だろう。

しかし、件の引き籠り転生者に取っては……何時、襲撃されるかわからない状況下でフラフラと外に出られる程神経が図太くはないと思われる。結果、部屋に引き籠り外には出られないという状態という事になっていた。

故に、襲撃云々の大義名分は棚からボタ餅だったはずだ。

誠に勝手ながら、彼女が襲撃されない可能性は零ではないと思われるのでこのまま引き籠っていただきたい。

 

「襲撃されないと思うか?」

 

「あの転生者が、その情報を漏らさなければ大丈夫かと」

 

「フムフム。成る様にしか、成らないって事か……ん。……それで?あの話、受けるのかい?」

 

「……………………あの話?」

 

「【始まりの魔法使い】から、依頼された話だよ」

 

「…………ハッ!受ける訳ないでしょう!?何が嬉しくて、師匠の監視なんざ引き受けなくてはならないんッスか!?つか、師匠の監視!?……冗談じゃない。何を好き好んで師匠の地雷を踏み抜かなきゃならないってんだ!?馬鹿なの!?それともアフォですか!?俺はまだ、死にたくもないし原作人物との恋愛も諦めてないんだよ!?だから、相手が恐ろしい威圧や雰囲気をかもしだしている化け物でも、俺の行動の阻害を行うってんならブチのめす!って気概で言葉を被せる様に断りを入れましたとも!!」

 

「おぉう……」

 

師匠が言う通り、俺はこの【組織】に来て直ぐ【始まりの魔法使い】に呼び出され、師匠の監視依頼をされた。

しかし、その話は即行その場で断りこちらへ戻って来た訳なのだが……まさかとは思うけど、断られた腹いせに師匠に嘘を伝えたのか!?

 

「全力で、断りましたよ。まさか、依頼を受けたとでも聞いたんッスか!?」

 

「ああ、それはないから……」

 

そう聞いて、俺は少しホッとする。

流石にそこまで、落ちぶれてはいないらしい。

 

「じゃあ、なんでそんな事聞いてきたんですか?」

 

「トーマが、その依頼を受けたって聞いたからね。転生者に魅力的な報酬でも出されていたのかなぁって……」

 

「確かに、依頼の報酬は魅力的でしたけど……師匠を裏切ってまで欲しいと思える様なモノじゃ無かったッスよ?」

 

今更、普通の人間への転生なんざ俺的にはどうだって良い。ぶっちゃけ、人間以外への転生だったら受けるかも知れないが……今更、人間とかねえ?二度に渡って、人間やった俺的にはもう少し刺激的な種族への転生を望んでいる。

 

「今の状態で、十分な気もしているんですよね……師匠やリリィ達と一緒に居られるし?毎日、そこそこ刺激的だし……今更、人間に転生したいとかおもいませんて(笑)」

 

「人間へなんて、『今更』か?しかし、生前の記憶なしで転生した事は無いだろう?」

 

「それこそ、今更ッスよ。流石に二度目は、初めの記憶を失っちゃいましたけど……次、転生する時は【リリなの】世界の記憶っショ?ぶっちゃけ、師匠と出会った記憶を失わないのなら俺は構わないッスよ?」

 

「……………………」

 

俺がそう言い切ると、師匠は少し悲しげな顔をして俺を見詰めていた。何を考えているのかはわからないが、俺は師匠と出会った事を一度も後悔した事はない。

寧ろ、出会えて良かったとさえ思っている。

その想いだけは、嘘ではなかった。

だから、【真実の瞳】で確かめられても今の俺の言葉に嘘・偽りは存在しない。だからこそ、師匠は悲しかったのかも知れなかったが俺には関係のない話だった。

 

「今更、切らないで下さいよ?」

 

「……………………」

 

「ちょ!?マジで、切るつもりッスか!?」

 

「ふぅ。な訳ないだろう?今更、切った所でお前が築き上げたモノが変わる訳でもない。それに、翼の事もあるし……」

 

「それは一切、関係ないと思われます……」

 

師匠が、翼の事を言い出したので速効で関係を否定しておいた。というか、俺の人生に彼女は関係ない。これだけは、断固として断言させていただきたかった。

 

「じゃあ、お前は……翼を転生させた神をどう思う?」

 

「死ねば良いと思ってますけど?」

 

「……………………」

 

「ちょっ!?何ですか!?何で、コイツわかってねぇなぁ……みたいな顔をするんですか!?」

 

「鈍感なのか、鋭いのか……どっちかに、絞ってくれないかな?特に、翼の事に関しては全力で……」

 

「だから、ずっと言ってるじゃないですか!?ちょっと、心配なだけで恋愛感情じゃないって!!」

 

「『だから』なんだけど……」

 

「いやいや、俺は物語の登場人物と恋愛する為に転生したんですってば!今は、強さを求めてますが……それでも、この信念は変える気ないんで……」

 

もう十分に、俺の中では結論が出ている話に辟易しつつ答えると、師匠は『自分の理想の女性を熱く語るゴミ屑』を見る女性の様な視線を向けて来た。ゾクッと、背筋が凍る様な感覚を得るが……その瞳には、一体何が“視えて”いるのかちょっと聞きたくなってしまう。

まさかとは思うけど、俺がリア充よろしく翼に恋慕している様な感情が視えているんですか!?

 

「えっと……し、師匠?」

 

「お前も、僕のストレス発散に付き合うか?今なら、【鮮血の】と共に地獄を見せてやれるぞ?」

 

「ひぃ!?…………ってか、【鮮血の】さんが戻っているんですか?確か、スパロボの世界に行ってたんですよね?」

 

「もう終わらせて、帰って来てるらしいぞ?まあ、その話を聞いたから僕もここに戻ったんだけどさぁ……」

 

『ストレス発散には、やっぱり【鮮血の】を血祭りに上げないとね?』等と華やかな笑顔で語る師匠がとても素敵な鬼畜に見えて俺はゾッと血の気を引かせてしまう。

つか、怖いです。とても、怖くて背筋がゾワゾワしてますから!!ちょ、そんな笑顔を向けて来ないで下さい。

ガチで、チビりそうなので【鮮血の】さんの元に行って遊んで来て下さい。ええ、ストレスが解消されるまで帰って来なくて良いですから……楽しんで来て下さい。

等と【鮮血の】さんを、生け贄に捧げたのに何故か俺も師匠のストレス発散模擬戦に参加する事に。

そもそも、スパロボ任務は【鮮血の】さんだけじゃなく他にも世界を調整出来る人も一緒に行っていたらしい。

師匠の様に、特殊能力で割り込みを掛けているモグリではなく、本物のプロフェッショナルが【内側】で暴れるのを【鮮血の】さんに任せて、世界調整のみに時間を費やした結果が任務を早期で終わらせた理由だとか。

師匠達も、そうすれば直ぐに【リリなの】世界の任務を終わらせていたのだろうけど……【組織】はそこまで、人材に余裕を持っている訳でもない。

寧ろ、時空管理局よりも人材不足は深刻だ。

結局の所、師匠は一人で任務に当たらなければ成らなかった訳で……一応という事で、【内側】で共に暴れてくれる人材は割り当てて貰えているそうだけど。

それでも、その内の何人かは師匠の使い魔だったりするので、やっぱり師匠の()()()()は拭えなかった。

 

翌日、青い顔をした【鮮血の】さんに引き摺られてやって来たのは、何時ぞ見た事のあるトレーニングルーム。

前に師匠が、秘密基地でインフ○ニット・スト○トス系のISで飛び回っていたルームの拡張版がそこにはあった。

衝撃を吸収する板が、貼り巡らされている部屋ですね!

何をさせる気なのかはわからないが、俺や【鮮血の】さんがフルボゴにされる未来が予測された。逃げたい。

 

「…………そう言えば、以前師匠がプロトタイプを試乗してたアレはどうなったんですか?」

 

「ああ、アレなぁ……『()が乗るモンじゃねぇっ!!』っていうクレームが大量に来て没になった……」

 

ああ。他の《神殺し》さん達でも、乗りこなせないブツと成りましたか……御愁傷様です。

というか、『人間』ではなく『人』がなんですね?

ちゃんと、自覚がある人ってそこら辺がとても細かい。

 

「良くある事だよ。行き過ぎた道具なんて、この【組織】では良くある事だ……その辺に放置されている事もな……」

 

「危機管理は、どうなってるんですか!?」

 

「だ、大丈夫だよ。誰も、盗んだりなんてしないから……」

 

「壊される事はあっても、盗んだりはしないさ(笑)」

 

「つーか、ハンマーで殴りに行きましょうよ!そっちの方が、ストレス発散には持って来いでしょう?」

 

「ちょ、止めて!僕の作品、壊さないで!!」

 

「ハンマーですね?兄様」

 

「こちらをどうぞ。兄様」

 

手渡されたハンマーは、両方が尖っている特殊ハンマーだった。それをリリィ達は、俺と師匠に手渡しニッコリと笑う。まるで、これでベコベコにしてしまえと言わんばかりだ。俺と師匠は、それを同じく笑顔で受け取り告げた。

 

「「うっしゃ!行くか!!」」

 

「行かないでぇえぇぇぇ!!」

 

閑話休題。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

「では、僕のストレス発散模擬戦を始めたいと思います」

 

「「わーー!(棒)」」

 

「「パチパチパチ(拍手)♪」」

 

生き生きとした師匠と対象に、さっそく瞳から光を失いレイプ目をした死人ッポイ俺と【鮮血の】さん。

その後ろで、笑顔で拍手をしているのはリリィ達。

どう足掻いても、逃げられない布陣である。

 

「えっと……先ずは、一対一ですかね?(逃げ)」

 

「フフ……先ずは、みんなでが基本だろう?(巻込)」

 

「……あ。御手本!御手本見せて下さいよ!」

 

「くっ……僕が、ブチのめされる御手本を見せろだと!?」

 

「最終的に、ボコられるだけなんだから変な攻防すんなよ。ほら、先ずは神崎からだ。日頃の鍛練の成果見せてみろ」

 

「グハッ……先ずは、俺からですか……」

 

「ヨッシャッ!」

 

俺の影で、ガッツポーズをする【鮮血の】さん。

そんな事してたら、次の時に師匠が全力全開で向かって来ますよ?とは言え、それを注意するだけの気力は俺には無かった。その後、模擬戦が始まるまで【鮮血の】さんにジト目を向けていた俺だったが……いざ、模擬戦が始まると拍子抜けするくらい師匠は優しく何度か型を見て貰って打ち合う程度に治まる。ちょっとだけ、アドバイスを貰って師匠との模擬戦は終了した。

そして、次の瞬間……油断し切っていた所を半身の体当たりで吹っ飛ばされて衝撃吸収マットに激突。

なんと言うか、ここからが本番だぜ!!的なノリな師匠がとても良い笑顔でこちらに視線を向けていた。

ぶっちゃけ、『ここから、本番だぜ!』と言われても現在の俺では師匠にかすり傷一つ負わせる事は無理ゲーに近い。神速からの閃きに至っても、更にその上の神威を使われたらスピードでも師匠に届かないし……唯一、勝てるとしても腕力くらい(素)だけであって技術も心も程遠い。

そんな程度のカードしかないというのに……何をどうしろと!?見た目は、幼児だけど中身は無邪気なガチの化け物。

死角は無く、全方位対応のオールラウンダー。

どう、対処しろと!?

 

「攻め切れないです!!」

 

「ガンバ!神崎!!」

 

「じゃ、神速までで対応願えますか!?」

 

「それじゃあ、訓練にならないだろう!?」

 

「くっ……じゃあ、助言を貰っても?」

 

「助言?ああ、構わないぞ?」

 

「【鮮血の】さん、どう攻めたら良いですか!?」

 

「敬称は、いらないぞ?つーか、僕に聞くな。ボコられる以外出来ないんだから。まあ、僕の場合は光の速度で穿つだけくらいしか出来ないんだよなぁ……」

 

どうやら、【鮮血の】さんはスピードタイプの戦士らしい。技術は、《神殺し》の中で『並』。専用武器の『解放』も、5段階程度しか出来ないとのこと。

因みに、師匠ならば普通に7段階(神剣・聖剣)まで解放が可能とか……【鮮血の】さんでも、ちゃんと真面目に鍛練さえしていれば最高階まで解放出来たハズなのに趣味に没頭し過ぎたんだ……とは、師匠の言。

専用武器は、通常は封印状態にあるんだそうだ。

それを『解放』出来て一人前。

段階を踏む事で、担い手の強さを表すのだと【鮮血の】さんは言っていた。即ち、十万年生きている【鮮血の】さんより、一万二千年しか生きていない師匠の方が強いんですね?師匠、恐ろしい子。

 

「余計、遠退いたじゃないですかー……やだぁ……」

 

「【鮮血の】の場合、鍛錬始めたら閃き(技術の)が起こるらしくて……中々、鍛錬に集中出来ないんだよ……」

 

そして、鍛錬そっちのけで研究に没頭するんですね?わかります。因みに俺は、まだ一段階も解放出来ていない。

つーか、そんなモンがあるなんてしりませんでしたけど?

 

「武器の中には、形状が変化するモノもあるらしいぞ?」

 

「因みに、僕の水月華は妖刀から神剣に変化します。以前、双夜が……10段階の神剣化を達成させやがったよ?」

 

「そうなんですか!?」

 

「相性的に上手くかち合った結果だよ。でなければ、他人の専用武器を完全解放なんて出来ないから……」

 

聖剣や神剣は、師匠に取って相性の良い分類に当たるんだそうだ。そう言えば、師匠は『光』や『聖』の属性に超適正があるんでしたね。とても、わかります。

 

「というか、駄弁ってないでさっさと来い!」

 

「うッス!」

 

とは言え、この相手にパワーのみで戦いを挑むのは無謀としか言い様がない。だけど、迷っている暇はなさそうなので一撃に全力を乗せて正拳突きを穿ち放ってみた。

ペシ。とても軽い音と共に、俺の全力が反らされてカウンターで沈められてしまう。一回目、気絶。

気が付いたら、大の字で天井を見上げていた。訳がわからないままに、ボコられていた【鮮血の】さんと交代してTAKE2!混乱している内に、懐に飛び込まれて終了。

気が付いたら、また大の字で天井を見上げていた。

そして、目が覚めるとわかるや否やTAKE3!

今度は、気絶しないぞっと気合いを入れている内に懐に飛び込まれて終了。TAKE4!ガムシャラに、拳を構えて師匠の懐に飛び込んだらまたカウンターで終了。

 

TAKE5!

 

TAKE6!

 

TAKE7!

 

TAKE…

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

「全く、掠りもしませんでした……」

 

「ただ、一方的にボコられるだけでした……」

 

「RETAKE!!」

 

「「もう、嫌だ!!」」

 

ただ、一方的にボコられるだけなのにこんなに辛いモノだとは思いもしなかった。なので、師匠のストレス発散とは言えこれ以上付き合ってはいられない。

 

「わかった。なら、リリィ達も参戦だ。神崎達と協力して、僕を楽しませてみせろ!!」

 

「ええ!?私達もですか!?」

 

「フッ……兄様が、弱いせいでこっちにまで矛先が向けられたか……迷惑この上ないな……」

 

「ちょ!?これ以上、俺の心をへし折ろうとしないで!?」

 

「戦力が増えても、変わらぬ結果。解せぬ……」

 

「【鮮血の】さんって、余計な一言多いですよね!」

 

「だから、敬称はいらないって。まあ、キャラ付けの為に余計な一言を入れているだけだよ(笑)」

 

「「いらねぇよ!!」」

 

何はともあれ、リリィ達と協力して俺達は師匠との戦いをする事となる。因みに、前衛が俺とオルタ。中衛に【鮮血の】さん。後衛にリリィの布陣である。

まず、オルタと俺が突っ込んで拳撃を開始。

しばらく打ち合うも、成果はなく時間だけが過ぎていく。

手詰まり感が拭えなかったので、中衛である【鮮血の】さんが師匠の懐に飛び込んで妖刀を抜いた。

その際に、俺は右にオルタが左に回り込む……がしかし、その直後に【鮮血の】さんがリタイア。後衛のリリィが、サポートの魔法を使う前に撃沈され、俺とオルタは抵抗らしい抵抗も出来ずに潰された。

 

「【鮮血の】さん、もっと踏ん張って下さい!」

 

「無理!一応、この組織の総大将してるけど能力的には双夜とトントンなんだよ!でもって、双夜は暇潰しで鍛えているけど……僕は、暇なんかなくて研究一筋だから戦闘能力では双夜に劣る!!魔力だって、そんなに高くないし……」

 

「使えねぇ……」

 

「仕方がないだろう!?僕は、研究者なんだよ!!」

 

とは言うが、師匠も研究職(自称)なんだけど。

 

「Masterも、研究人なんですが……」

 

「似た様な人種なのに、ここまで違う訳ですか……」

 

俺は黙っていたけど、リリィ達は一切の容赦なくバッサバッサと【鮮血の】さんを貶めて行く。ある意味、鬼畜な所行だった。『使えない』と言った俺だったけれど、それとは違いストレートに罵るリリィ達は残忍だ。【鮮血の】さんは、心へし折られ『orz』の状態となり泣く。

そこを、痺れを切らした師匠がソニックウェーブよろしく衝撃波を撒き散らしながら駆け抜けて行く。それを受けて、三國志無双みたいに吹き飛ばされるリリィ達。鬼だ。

 

「休憩は終了だ。さあ、模擬戦を再開しよう!!」

 

そして、再開された模擬戦は俺達の体力尽きるまで続けられた。もう二度と、師匠のストレス発散には付き合わないぞ!という決意を硬め、俺達はくたばった体でトレーニングルームを出る。すると、師匠の側近系の使い魔が待っていてある伝言を伝えてきた。

それは、同じ【魔法少女リリカルなのは】の世界ではあれど別の並行世界からの救援の知らせ。師匠は、いぶかし気ではあったけれど二つ返事で了承した。

 

「という訳で、僕達は救援のあった世界へと行きます」

 

「《神殺し》が、『救援』を求めたりする事があるんですね。俺、初めて知りました!」

 

「普通は、無い事なんだけど……希に、能力的に手に終えない事があるんだよ。適正や相性ってのは、《神殺し》にもあるからねぇ……こればっかりは、仕形がない」

 

という訳で、俺達は急遽救援を求めて来たその並行世界へと行く事になった。それにしても、そこそこ長けた能力の持ち主である《神殺し》が根を上げる事態とはどんな状況なのか……少し、怖い気もしたがそれに対する興味もあって俺も付いて行く事に。まあ、選択肢があろうが無かろうが俺が師匠から離れて行動する事はないだろうけど。

 

「じゃあ、行きますか?」

 

「ああ、行こう」

 

 

 

 

 




INNOCENTは、これにて終了。特殊能力:幻想殺しについてはこれ以上言及はしないでください。魔法が、あろうが無かろうがINNOCENTでは死にスキルだとか言わないで(笑)。

ある意味、このINNOCENTのお話は魔法に憧れる御子様達&中二病な方々の夢をブッタ斬るドリームブレイカー(笑)。
魔法の恐ろしさを特と聞かせる悪夢の物語となった。正に、SAN値直葬!これで君も、中二卒業だ(笑)。
というか、これが2000年頃に書かれていたって言うんだから笑えない。調度、当時の高校生の性的モラルが崩壊を始めた頃だったからなぁ……女子校生が、痴漢詐欺で賑わっていた頃だ。サラリーマンに取っては、最悪の時代。お金が欲しい為に、何人ものサラリーマンが沈められた悪夢の次期だよ?

私は、最近乙女ゲーのタグが付いた小説を嗜んでいます。
それで思ったのは、公爵令嬢が婚約破棄される場面で公爵令嬢が双子かつ周囲にそれを隠してて断罪の場面で登場。さあ、婚約者の王子様は己の婚約者がどちらなのかわかるだろうか?身代わりで、非婚約者の方が王子様に付き纏っていたとなれば……はてさて、どっちに対して王子様は婚約に罵声を掛けられるかとかとか(笑)。

感想で、主人公が気持ち悪いと言われた。
言われたんだけど、主人公の何が気持ち悪いのかわからないです。マザコンだから?それとも、人間性がアレだから?
有力は、マザコン(異端)だと思われる。マザコンは、マザコンだけど微妙に異端ッポイマザコンだからなぁ……。
因みに、作者は極力人間ッポイキャラクターを使ってます。
後の【組織】にいるキャラクター達は、一部人間性が皆無なのもいるから(笑)。セイビアが、作者の中では一番マシな分類に(笑)。【鮮血の】もマシな分類なんだよ。マッドサイエンティストだけどね(笑)。人間性だけを見るなら……。
他は……どうして、こうなった!?みたいな奴等が多いとだけ言っておこう。変態の巣窟。

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