絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
双夜
「はい。という訳で、救援のあった世界にやって来ましたー♪!そして、視界の先には件の転生者と思しき人影と……それを囲ってリンチ?している集団がいまーす!!ってか、アレ良いんですか?」
「ーーーーー」
俺は、目の前に広がる光景に唖然としていた。
そこでは、数人の《神殺し》が一人の少年を囲いリンチ?をしているのだが……何故か、リンチをしている側が酷く疲れた様子でグッタリとしている。
そして、ボロボロの姿で集団リンチを受けているハズの転生者?が雄叫びを上げながら立ち上がり再度向かって来るという状況を繰り返していた。
その時、現在瀕死となっていた転生者が『ドォォォ根性おおおおぉぉぉぉ!!!!』と叫ぶなり、身体の怪我はもちろんの事……体力や魔力も完全に回復して立ち上がる。
何となくだが、肉体や魔力が少し成長しているーー《神殺し》比ーー様にも見受けられた。
なので、【真実の瞳】を使って神様特典を確認してみる。
すると……①瀕死からの回復で超成長②ド根性で完全回復③不屈の精神とあった。
「不屈の精神に……ド根性?それから、成長?というか、アレだけやって成長限界には至ってないのか?」
「……成長?ってか、9歳やそこらで成長限界に至ってたらビックリですけどね……つーか、また厄介そうな特典を……てか、暑苦しい」
《神殺し》からの攻撃を、ニから三発程くらっては倒れる転生者。されど、それを気にした様子もなく『ド根性!』と気合いを入れるだけで完全回復して再度立ち上がるのが彼の特典らしかった。
「魔力……?じゃねぇなぁ……神通力系の力で、完全回復しているのか?また、厄介な能力者がいたもんだ……」
「神通力で、ド根性(笑)。あはは。暑苦しいぃ!!」
「まあ……確かに、脳筋ッポクて暑苦しいが……」
「いやいや、アレは普通に暑苦しいですよ!?熱血少年漫画ッポクてとてもウザいです!!」
神崎が、そう熱弁するのでチラッと件の転生者を見て納得する。確かに、熱血少年漫画ッポイノリの少年だ。
「成る程。特典からしても、少年漫画ッポイ雰囲気が滲み出ているな……しかも、人の話を聞かないタイプの様だ」
周囲の《神殺し》が、色々と話し掛けているが『悪の言葉を聞く気はない!』とか『絶対善の神が、悪な訳が無いだろう!?』と、とんでもない思い込みを口走っているので説得は不可能そうだった。というか、なんというか……自分の正義が最も正しいと、己の正義を疑う事無く行動している困った君の様に見えてイラッとした感情が沸き上がって来る。
そんな自分に、俺は少し驚いていた。
「難聴系主人公……盲信系正義の味方に並ぶ、厄介で面倒な存在ですね。ああ、厄介さで言えば正義の味方(笑)よりかはマシなのか?いやいや、どっちもどっちだな……」
「最近は、こんな感情……沸き上がったりしなかったのにな……フフフ、流石踏み台転生者だ……」
「……あるぇ?何か、背中からゾワゾワしたモノが……」
「神崎。あの馬鹿の両手両足をへし折って、地面を舐めさせてやれ。はあ……“如月双夜の名の元に、後陣にて待機。別命あるまで休め”!!」
そう告げて、リンチ?をしていた《神殺し》達を下がらせる。そして、神崎と共に前に出れば踏み台転生者にジロリと視線を向けられて、殺気と威圧&闘気を込めて睨み返せばササッと視線を反らされた。
「へへへ……我に恐れを成して逃げたか悪者め!しかも、次なる敵は幼児とか(笑)。語るに堕ちるとはこの事か!やはり、貴様等は“悪”なのだな!!」
「神崎、潰せ!」
瞬間、己に酔っぱらっていた踏み台の下半身が消し飛んだ。瞬動術で間合いを殺し、聖拳突きを当てて見れば抵抗無く吹き飛ぶので神崎が逆に驚いている様子だった。
しかし、激痛で正気?に戻った転生者は再度『ド根性』を使って消し飛んだ肉体を再生し立ち上がる。というか、普通なら
神崎のレベルなら、作業ゲーみたいなモノだ。
「……………………」
結論だけを言うなら、その転生者の強さは年齢よりかは強いけれど目を見張る程でもない。なので、神崎は相手の肉体をブッチュグッチャと吹き飛ばしていた。
それでも、転生者が『ド根性!!』と言えば回復する。
その原理はいたく単純で……生産性もないから、蓄積された神通力を使い切ってしまえば二度と使えなくなるモノ。
神崎には、頭と心臓さえ潰さなければ問題ないと《念話》で告げてただそのグロい光景を眺めるだけとなった。
段々、調子がノッて来たのか神崎の方も表情に変化が現れ始める。相手が、己よりも弱い故に油断しているのかヘラヘラとした笑みを浮かべていた。
「フム……」
《油断した愚者の緩んだ顔だな。後で、テオルグにデスマーチ(地獄の特訓)でも頼むか?》
「ひぃっ(ノД`)ノ!?」
ちょっと、ウザく思えたので念話にて脅しを掛けてみた所、転生者へのイジメを止めて怯えた姿へと変化した。
「ド根性おぉっ!っく、貰ったぁ!!」
地面に転がっていた転生者は、怯えた様子の神崎に勝機を見出だしたらしく、嬉々として反撃に出たけれど……アッサリ回避されたあげく、後ろからのヤクザキックで再度地面に転がります頭を抱えた姿で足蹴にされるのだった。
「ゼロ点。というか、むしろ神崎は油断状態から復帰した様にも見えた。どこら辺に、勝機が?」
「評価無し。元より、踏み込まぬ者に勝機なぞ(笑)」
「相手が油断すらしてないのに『貰ったぁ!』も何も……あの状況で突っ込む等、殺してくださいと言っている様なモノでしょう!?」
「能力に胡座を掻いているのか、戦闘方法も無茶苦茶。型も何も無かったので、リンチしやすかったです」
「お?あの者の評論会ですか?素人以下かと……むしろ、素人の方が強いかも知れません」
「雑魚と表せない程、弱いですよ?」
背後で、別命あるまで待機していた奴等がド根性転生者の評価を下す。様々な意見があったが、総じて悪評のみを集める結果に。言われてみれば確かに、素人に棍棒を持たせて構えをさせた方がマシな程酷い動きと足捌きではある。
「くおおぉぉぉぉ!?……クッ!この、卑怯者メェ!!!」
「つーか、動きが悪過ぎるだろ!?」
神崎が、適当に近付いて足の甲を踏み肩を手で押したら簡単にバランスを崩して尻餅を着く転生者。もしかすると、バランス感覚でさえも危ういのではないだろうか?下手をすれば、基本となる足腰そのモノに問題があるのかもしれない。これで、『俺TUEEE!!』はないわー。
「後、二、三回って所かな?……神崎、下がって良いぞ?」
「え!?もう、ですか?」
そう言って、振り返る神崎。その間にも、『貰ったぁ!!』と叫び向かって行く馬鹿がいたが……気にした様子もなく神崎はその拳を避けて行く。余り、危機感を得ていない所を見ると段々染まって来たなぁ……と俺は思ってしまった。
「お前、手加減苦手だろう?」
「まあ、確かに苦手ですが……」
そう言って、神崎は適当に最後の一撃を穿ってから下がった。適当に穿たれた拳は、難なく馬鹿の土手っ腹に吸い込まれ下半身を吹き飛ばす。それを見た神崎は、かなり微妙な顔をして『チッ』と舌打ちをしつつ後方へ。
つまらない戦いをすると不服になるらしい。
順調に、バトルジャンキーの道を歩んでいる神崎を見てほくそ笑む。
視線を前へ戻すと、馬鹿が『ド根性!』で回復したところだった。そして、神崎に替わり前に出て来た俺を見て怪訝な顔をする。俺は、誘導系のシューターを数個展開して一歩を踏み出した。もちろん、瞬動術で。踏み込んだ際に、大人モードへと変身した俺は大振りでわかりやすい拳を振るって馬鹿を遠避け様とする。俺の変化に驚いていた様だけど、こちらの思惑通り下がってくれたので意識の逸れた足元を狙ってシューターを飛ばした。
結果、地面を踏む前の重心となる足を払う事に成功。
バランスを崩し、慌てているところを美味しく頂く。
向かって右側へと倒れて来たので、難なく懐に飛び込み掌底を顎下に打ち込んでやった。倒れ込んだ勢いと、打ち込んだ勢いが合わさって数メートルの距離をふっ飛んで行く馬鹿。何となく、神崎の残念さがわかった気がした。
「クソッ!ひ、卑怯な……!!」
「何が、卑怯なんだ?」
「……はっ!そうか!!君は、きっと騙されているんだね!「は?」やはり、神殺しってのは卑怯者で悪だったんだ!!このっ……恥ずかしくないのか!?こんな小さな子を矢面に立たせて自分達は高見の見物とか!ふふふ。俺が恐いからって、こんな幼い子供に戦わせるとは愚の骨頂!!恥を知れ!この悪人共が!!」
何をどう取ればそうなるのか……唐突に、訳のわからない納得をした馬鹿は勝ち誇った様子で意味のわからない事を喚き出す。ついでに、どうでも良い事だけど唐突に馬鹿から残念臭が滲み漂い始めたのだが……どうしたら良いモノか。
まあ、それまでも残念ッポイ感じではあったけれど。
背後で神崎が、『難聴系主人公でも厄介なのに、そこに盲信系正義の味方もだと!?』等と騒いでいるが今一良くわからない。難聴系?耳が聴こえないのか?……盲信系正義の味方とは何だ!?と、色々疑問はあるが今はその説明を受けている暇がない。
「神様が、
「……………………」
それを聞いて、コイツがどんな基準を持って何を善として何を悪と断じているのか……コイツが、信じているモノの基準が今一わからなくなった。
というか、コイツが言っている神が【絶対善】とか……『○○が正しい』っていうのは願望や思想であって確かな確証がある訳でもない事柄が多い。それを、ちゃんとわかっているのかさえ俺にはわからない。
「一つ、訊ねたい。何を持って、我等を【悪】とする?」
「あぁ!?そんなモン、考えるまでもないだろうが!?【神殺し】という事は、絶対善である神様を殺す存在って事だ。なら、コイツ等は間違いなく【悪】だろうがよ!?」
「…………何故、善性に属する神を我等が殺さねばならないんだ?」
「は?」
「いやだから、なんで善性の神を殺さなければならないのかと聞いている」
「…………お前等は、神殺しなんだろう?」
「うん。そだよ?」
「神様を殺すのは、イケない事だろうがよ!?」
「…………狂った神を殺す事はイケない事?放っておいたら、人類を滅ぼそうとしてくるのに?」
「狂った神……はっ!?邪神か!?邪神を殺しているのか!?……って事は、神殺しって【善】!?」
【邪神】って(笑)。それは、人間が勝手に付けた名称であって、実際には【神】は【神】なんだけど。
狂った神の事を、人間は【邪神】と名付けて畏怖する。
しかし、狂ったとは言えども【神】は【神】なので討伐すれば【呪われる】し……様々な弊害も起こるので、人間が手を出すべき存在ではない。出来て、封印が限界だろう。
「というか……神に【善悪性】があるなんて誰が決めたよ?」
「はあ!?そんなん、常識だろう!?何言ってんだよ!?【神様】が【善】で……【悪魔】が【悪】なのは、子供でも知っている話だろうがよ!!」
「それ、誰が確かめて誰が拡散したのさ?」
「はあぁ!?誰がって、
フムフム。殺されたいんですね?この人。
というか、『常識』で『みんなが知っている』とはどういう事だろう?もしかして、宗教的なアレコレの話なのだろうか?そもそも、【神】に【善悪】という基準を持ち出すのは宗教や国に関するモノだったハズ。まさかとは思うが、そういう話を彼はしているというのか?
「先程の邪神にしても、神は神だろう?何故、邪神だったら殺してもOKな雰囲気を出していたんだ?」
「あぁ!?狂った神と言えば、邪神だろう!?邪神は、討伐しなきゃ世界が滅びるだろうが!?」
「いや、だから…………じゃあ、神が邪神になった理由とかはどうなるんだよ?」
「は?神が、邪神になった理由?」
「ああ。これだから、頭の足りない正義で難聴なクズは……」
神崎が、後ろでガックリと腑抜けているが見なかった事にして俺は淡々と説明を続ける。どういう思考なのかは、この際横に置いといて……この転生者を、会話で説得出来るのならこのまま納得させてしまいたかった。
「例え話をしてやろう。著作権問題です!既に公表されている作品を、大まかなストーリーや設定をそのままに自分勝手な魔改造をして『こっちの方が面白い!』と発表した場合……君は、どう思う?」
「…………そりゃ、同人誌なら問題ないだろう?」
難聴って、都合の良い事しか聞こえない耳って事か!?
これは、確かに厄介だな(笑)。
「じゃ、同人誌じゃなくて公式発表って事で!」
「全体的に変更するなら兎も角、大まかなストーリーをそのままにしてるんならダメだろうな。設定キャラを使って別の物語を作るならまだしも、似た様な物語だっていうなら著作権問題になるんじゃないか?」
「ならば、人間が生物を魔改造して『これこそが、完璧な生物なんだ!』と公表した場合……それって、著作権問題に該当すると思わないか?」
「は?」
「いや、だからさぁ……神様が、『これで良い』とした生物を自分勝手に魔改造して『これこそが、完璧な生物であるんだ!』と公表したら著作権問題にならないか?と訊いている(笑)」
「……………………」
「そもそも、人間種ってのは不完全だからこそバランス(世界的な)が取れているんだ。それを、完璧な存在にしたらバランスが崩れる上に、神々への反逆とも取れるんだけど……」
「は!?」
「それにブチキレて、邪神化したらその神様は【悪】になるの?」
「ーーーーー」
転生者は、口許を手で押さえて青い顔色で何やら思考の海にダイブして行ってしまった様子だった。というか、まさかそういう背景を考える事もなく【邪神】と呼ばれているから【悪】だと断言していたのだろうか?基本的に、神が狂うにはそれ相応の理由が無ければおかしい。
そして、大体の理由に人間が関わっているのでどちらかというと被害者となる事が多かった。というか、そういう背景が無ければ【神】が狂ったり【邪神化】したりはしない。
前提が、間違っているのだ。
なのに、人間は自分達の都合を優先する余り物事の本質を歪めて他者に伝えてしまう。そして、伝えられた方も深く考えたりしないので【邪神】こそが【悪】とされる訳だ。
まさか、【邪神】が生まれる理由が人間の自分勝手だとは考えもしないだろう。そして、その理由を知っても頭がお花畑の奴は『なら、それに関わった人間だけを殺せば良いだろう!?』とか言い出す。
「それなら、それに関わった人間だけを殺せば良いだろうが!?」
「そうそう。こんな風に……って、キメラ情報を公開しているんだぞ!?なら、真似をする馬鹿が出て来てもおかしくは無いだろう!?それに、それらが個人的なモノであるなら個人を撃破するだけに留まるだろうさ。だが、そんな大それた研究が個人で出来るハズもなく……国が、大金を出して関わっているのは考えるまでもない!!」
「…………あ……」
資金面を考えても、個人で出来る研究ではないのだから当然出資者がいるのは考えなくてもわかる。ぶっちゃけ、目の前に立ち塞がっているこの馬鹿は頭が足りないだけのアホォなのかも知れない。
「それと、生前も日本で生きていた癖に神々が【善性】のみとか……かなり、おバカッポイぞ?」
「や、八百万の神々と全知全能の神は違う!!」
フム。八百万の神々については、知っているのだな。
というか……全知全能?
「んん?お前、元は無神論者だろう?」
日本人の大半が、無神論者か八百万の神々を信仰する信者だ。もしくは、科学という名の文明を信仰している。
そして、神崎曰く……ヲタクは皆、無神論者らしい。(偏見)
「生まれ変わった時に、全知全能神を崇める事にしたんだ!!それに、転生させてくれた恩もある!!」
「……全知全能(笑)。外国の神々とて、【善性】のみの神はいないだろう?むしろ、悪魔と表裏一体扱いだ。そもそも、全知全能って“夢想の願望”でしかない。即ち、誰かの妄想って事になるんだが……」
まあ、外国の神々は国政に宗教が絡んでいたからの話でガチネタには関わり無い話なんだけど。
でも、例題としては優秀な裏表を表現したモノなので例に上げるとしたら優秀だった。
「うるさい!黙れ黙れ黙れっ!!」
「黙らぬよ!現実を見ず、己の内の思想なんぞに現を抜かしているお前が【正義】を語ったんだ。ならば、当然……現実を知る必要があるのがわかっているか!?現実を知らず、ただの【夢想の正義】で語るモノに一体どれだけの価値があると思っている?他人の真似で語られる【正義】等、悪辣な詐欺に等しいんだぞ!?」
「違う!俺の正義は、真似事でも詐欺でもない!!それに俺は、“選ばれた”んだ!!全知全能の神にっ!!!!」
はい。本音いただきました。
やはり、転生させられた……もしくは、世界の管理者に出会った事がコイツの驕りとなった原因だったモヨウ。
「“選ばれた”……と言ったか?それが、お前の根底か?はっ。結局、お前も【正義】等ではない。表も裏も理解しようとせず、己の驕りで【正義】を語る……ただの詐欺師だ。そんなモノで、誰か救えたか?」
「ーーーっ!救ったとも!アリシアも!リインフォースだって、皆みんな救ったさ!!」
「ほぉ……救えたとのたまるか?…………そのアリシアだが、蘇生された事で色んな機関に大人気の様だが?気が付いているか?様々な機関が、死者蘇生の秘術求めて殺到している様だけど?そのせいで、フェイト・T・ハラオウンと余り交流出来ていない様だ。そして、リインフォースも【闇の書】が現存する事で被害者達から酷いバッシングを受けているみたいなんだが……」
「はあ!?そんな……まさか…………」
この世界で、活動していた先見隊がちゃんと調べてくれていたので取っても楽チンです。現場に来る前に、チョロッと拠点に寄って転生者の事前情報を習得しておいたんだけれどコイツの『救い』は一時的なモノだけだった。
ただ、一時救っただけで放逐し寄り添う事もしない。
そんな者が、その後の問題を見逃し関わる事もなく過去の栄光に浸るとはなんたる愚行。
余程、頭の中がお花畑なのだろう。
「その様子だと、知らなかったみたいだな……結局、お前の【正義】とはその程度のモノでしかない。その後の憂いを晴らせてない……寄り添えていない時点で、地に堕ちているんだよ。何が【正義】か……何が、選ばれた者か!?お前が救ったと胸を張った所で、救われた者が不幸になっている状態では救われたとは言えない!ただ、悪戯に不幸を撒き散らしているだけに過ぎない!!」
「ち、違う!俺は、本当に……」
「何が違う!?どう違う!?お前が『救った』と語った者達が、お前の知らぬ場所で悲しみの涙を流している状況なのは変わらぬだろう!?それで良く、【善悪】を語れるモノだ!!全知全能?はっ!【絶対善】を語るお前が、その全知全能でも無い癖に我々を【悪】と断定する……舐めてんのか!?」
「うるさい!黙れよ!!お前等が【悪】なのは揺るぎ無い事実だろう!?なんたって、《神殺し》なんだからっ!!!」
「人類の穢れに触れて、悲しみや絶望に狂った神を殺して何が悪い!?それとも、放って置けと言うのか!?己が望んだ訳でもない破壊や滅びを引き起こし続ける神々を!?……お前は、見て見ぬ振りをしろというのか!?悲しみの果てに、絶望に堕ちた憐れで醜い神々を……殺さずに朽ち果てるのを見守れと!?ふざけんな!!そんな絶望に嘆く者を放置してなるモノか!俺達は殺す!滅ぼしたくないと嘆き暴走する神々を止めるのが我等《神殺し》の使命!!何も知らぬ無知なる者が、訳知り顔で語るなよ!!!」
「うぐっ……………………」
うっかり、頭に血が登ってしまったが……大きく深呼吸をして己の心を落ち着かせる。まあ、この目の前に立ち塞がる馬鹿が何の信念も、貫くべく理念も持っていない事がわかったのでそっち方面から攻めて行く事にしたん。
「ふぅ…………さて、お前は基本的に裏事情ってのを考慮していない様だが……物事には、順序というモノが存在する。理由なくして、【邪神】も何も動かないっていうのが常識だ。ある日、唐突に異世界へ召喚されて『勇者様、どうかお助けください……』等と言ってくる王族や巫女は基本信じない事をオススメするよ?何故なら、著作権問題の様な例外が存在するからな(笑)。そして、君の様な存在が崇め奉る存在とて【絶対善】ではない。だって、異世界召喚された勇者(笑)と似た様な状況じゃないか?」
「違う!そんなモノとは、全く似てない!!」
「似ているとも。ある日、唐突に白銀の空間に呼び出され……『チート能力をくれてやるから転生しろ……』等と言ってくる輩だぞ?王族や巫女の『助けて下さい』と何が違う?それとも、間違いでお前を殺してしまったから生まれ変わってくれ……とでも言われたか?ぶっちゃけ、世界の管理者である神様が人間の生死に関わる事はないんだけど。というか、相手は神様なんだぞ?死の間際の記憶ですら捏造の可能性だって否定できない」
「ーーーーーっ!!」
何やら、話が大きく別方向に向かってしまった感があるけど……まあ、本質は変わらないのでこのままでも良いか。
何となく、適当ッポイけど……気にしない、気にしない。
「死の間際の記憶を植え付けて、お前に自分は死んだと思わせる。ああ、魂の方は新規で創造してしまえば良い。複製された魂に、死の間際の記憶を組み込んだお前の記憶をコピーしてしまえば簡単に【お前】の出来上がりだ。さて、誰が【絶対善】だって?」
神様が【絶対善】とか……そんなモノ、状況一つで大きく変化する程度のモノだ。《堕ち神》という存在が、その事を裏付けている。そんな存在に、何をどう考えれば100%の信頼を置けるのか……ちょっと、正気を疑わざるを得ない。
ここまで言われて、考えが変わらないのであれば後は真実を見せるか……それでも、変化がなければ武力行使しか残ってはいないだろう。
「うるさい……うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい、うるさいっ!!誰がなんと言おうと、全知全能の神様が【善】で、お前等は【悪】だ!!!」
「さよか。で、だったら何だ?」
ぶっちゃけ、【善悪】の基準なぞ俺達にはどうでも良い事だった。だって、『誰かを助けたい』という想いには全く関係の無いモノであるが故に。
「ーーーーーえ?」
「別に、僕達は【正義】でなくても良いんだよ。絶望に嘆く者を助けられるなら【悪】だって構わない。僕達には、『誰かを助けたい』という信念がある。貫き通したい理念がある。なら、【悪】と罵られ様と後ろ指を指され様と気にする必要は無いだろう?そんな、【善悪】に拘る必要はない。
「ーーーーー」
「裏事情があると言われて、それを知る事もせずただ御子様の様に【悪】だからと正義の味方よろしく武力を振るうお前は最低だな。己の【正義】すら疑う事なく、ただ正しい事を行えば物事が片付くと信じるのは良いが……それを、他人まで押し付けるのは戴けない。この場で、潰させていただくよ。《狂いし者に断罪を……破滅誘う者に制裁を……我等、《神殺し》の名に懸けて……》」
言って、瞬動術で間合いを殺した俺は転生者の顔を掴んで固定し、その目に自分の“瞳”を合わせて発動させた。
ちょっと、支離滅裂なお話に。まあ、相手もかなり支離滅裂ですが(笑)。【善悪】云々を言ってるの人間だけだから(笑)。
さて、今回は基本的に主張の罵り合いでした。
勘違い難聴系の盲信正義馬鹿を、先ずは言葉で説得してみようとした結果でした。かなりの無茶ですよねぇ(笑)。他の作品で、イラァと来るキャラをパクって来た訳ですが……これは、ちょっと違ってしまっている様な感じです。あるぇ?もっとこう……話を聞かない思い込みの激しい理由や原因を一切気にしない盲信系の陰湿正義馬鹿を想定していたのにどうしてこうなった!?というか、双夜が著作権問題なんて例題を持ち出すからおかしな話に……。生物の魔改造が、神々の著作権問題になるとか……そんな事言い出したらキリが無いっていうのに……ああん、もう!!
キメラネタは、生物の魔改造で誰もが納得する理由を書いてみました!!特に、著作権問題を例題にする事でキメラや改造生物がそういうモノなんだという事を読んだ人にも納得させる為のモノです。納得したでしょう?
まあ、その先の未来もちょこっと説明。初期は、まだ良いんだよ。その辺にいるモンスター(弱)とかで実験するだろうからね。だけど、研究が進み強くて希少なモンスターを魔改造出来る様になると……破滅まではあっという間だろうね。
『生物兵器を造る』マッドサイエンティストの考える事なんて……手に入りにくい強くて希少なモンスターではなく、最終的に『強くて簡単に手に入る生物』になるから……騎士団から、有望な人材を使う可能性が出てくる。最終的に、素体に【人間】が使われるのも倫理の無いマッドサイエンティストなら時間の問題だから……結果的にバイオハザードよろしく世界が滅びるんだよね。それを止める為の【邪神】もいるから……全てを全部【悪】と判断出来ないと主張するよ。
『終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』を見て、そういうパターンもあるか……と思ったんだよね。でも、バットエンドな世界のその後とか……あれは、やり過ぎだよ(笑)。最悪の物語レベル(笑)。
そして、双夜がそこそこ熱く語ってたね!
普通の神殺しの認識としては、暴走する神々に対して『世界滅ぼすんじゃねぇ!狂ってんなら断罪だ!制裁だ!!』が常識。それに対して、双夜は『原因が人間なのに、一方的に断罪されるのはおかしい。しかも、神々は暴走する己に絶望して嘆いているんだから救わないと……』な感じな訳ですよ。
そして、己の内にある【クレッセント・ノヴァ】を知ってその浄化力に物言わせて封印。で、浄化をしているって訳。
なので、“徳”が飽和してます(笑)。何をしても、増えるだけという状態。多分、内に取り込んだ封印(神の)石が多いんじゃね?浄化し続けてるから、マイナス行為をしてもプラスにしかならないんだと思われる。等価交換で、代償・対価の魔法にリロードしてもプラスされるという不思議。もう、放置してしまえよ(笑)。
ああ、後……INNOCENT世界は、一種のボーナスステージだから(笑)。あの世界は、作者:華杏が勝手に区分した特殊ルールで『魔法使い』のみが転生する世界となってます(笑)。
因みに、SAOモドキ世界は混合世界分類ですね。ステータス・魔法・特殊能力等々がゴチャマゼになってる世界なのです(笑)。なので、その内ステータスのみの世界や、どスキル制の世界等も出てくるかもですね(笑)。
何処を……何を……どんな風に……というネタバレはしませんが……そこそこ、予定している世界が幾つかあります(笑)。
まあ、予定は予定なのでやらない可能性もありますけれどね(笑)。こればっかりは、モチベーションによります(笑)。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
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いつも読んでくれる方々に感謝を……。