絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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改めて、明けましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします(笑)。

はてさて、去年は二度もスマホが死んで、一度目だったから油断してたけれど……今年からは、大体二年は死なないぞ!
何たって、機能が二倍!!で3Gが4Gになって戻って来たぜ!!!そして、今年の五月だか六月には機種変タブレット無料キャンペーンが!?オシイッ!
機種変はしないけど(笑)。
既に、新しいからなぁ。
型落ちは否めないが……。
兎に角、心気一新で書いて行きます。
よろしくです!!



二三四話

Re:

 

 

という訳で、やってまいりました……大富豪クエストです(怒)!!面倒なモンスター退治を、戦闘班の奴等に任せて俺は悠々自適に採取をしていた訳ですが……ぶっちゃけ、【鮮血の】だけで十分だった。

 

「見事に、モンスターが居ない……」

 

「全滅ですね!」

 

「涌く場所は、わかっているのでその辺りを周回中よ?」

 

「普通に、戦力過多だからなぁ……採取組は、楽チンだ」

 

現在、俺の傍にいるのは里希とウォーティだけだ。

【鮮血の】と【巫女】には、戦闘班としてモンスター退治をお願いした。【鮮血の】に至っては、普段使わない筋肉を解きほぐして貰っている。

 

「ねぇ。インプ領を攻めるんじゃ無かったの?」

 

「ああ……それなぁ……」

 

インプ領の解放戦。確かに、やる予定ではあったんだけど……その前に、世界の確定調整をしちゃったので現在はシルフ、ケット・シー、サラマンダーの魔導師達を集めて、魔導の講習会をやっている最中である。あの調整で、以前のALOの魔法が使い物にならなくなってしまったので。

それ故に、戦闘に耐えられるだけの魔導師が居ない状態になってしまったのである。よって、緊急措置として魔導師だった者達を集めて調整後の魔導を教えている訳だ。

 

「何やってるの?御馬鹿?」

 

「やったの君達だよね!?」

 

「…………そうだっけ?」

 

サッと視線を逸らし、自分は何も知らない風を装うウォーティ。誤魔化されねぇぞ!?この尼ぁ……(怒)。

こちらに黙って、この方法じゃ面倒だからとコッソリ異なる【理】を突っ込んだのは【巫女】を含めた『来ちゃった♥』組である。それによって、不要な調整が二度手間となって俺にノシ掛かり……今尚、『魔法』に関する事柄が不安定となっていた。それが、アスナからの申告で判明して事なき事となったが……もし、その申告が無かったら魔法の使えない後衛を並べての大混乱戦になっていただろう。

 

「良いじゃん。訳のわからない言葉を並べるより、イメージと魔力操作による直接攻撃の方が無詠唱だって出来るから楽チンだよ?」

 

「慣れればな!!(怒)」

 

勝手な改変加えられて、出鼻を挫かれた感じな俺達だが……そのお陰で、『魔法』の発動が比較的簡単になっていたので緊急講習ではちょっとだけ楽をさせて貰っている。

それ故に、本当ならこのクエストで戦闘をちょこっと体感ーーキリト達との連携とかーーして貰い、本番に挑んで貰う予定だったのだが……予定は大きく狂って、大富豪クエストで魔導師達の習得が終わるまで暇を潰す事になった。

 

「予定は、未定と言うが……こんな、頓挫は想定外だよ!」

 

「は……あははは……」

 

ウォーティは、笑って誤魔化そうとするがこちらからすると笑い事ではないのでムカつくだけである。それにしても、本当に予定外の『待った!』を掛けられてしまったモノだ。これでは、共同戦線なんて夢のまた夢になりそうである。だけれど、他の妖精領を解放しない訳にも行かないのでどうしたら良いのか悩み所だった。

流石に()()()だけで、物事を進めて言い訳でもないし……はてさて、本当にどうしたら良いモノか?

 

「……………………」

 

妖精側の魔導師が、ある程度使い物になる様なら何とかなるだろうけれど……もし、今後の作戦に支障を来す様なら外れて貰うのも一つの手だろう。だけれど、彼等だって自分達の住む世界を自分達の手で取り返したいだろうし……やはり、そこら辺は彼等との話し合いで解決するべき問題だ。

俺一人で、結論を出すモノでも無いだろうから後でサラマンダー領にでも行ってユージーンかモーティマーに相談してみようかと思う。インプ領解放戦の打ち合わせもしなきゃならないし、やらねばならない事は山程ある。ついでに言えば、その後の問題をも含めると終わりのない仕事の様に感じて面倒臭く感じた。

 

「あー…………止め止め。後の事は、後で考えるとして……今は、SAO系魔導師達の事を考えないとな……」

 

言って、頭を切り替えた俺は今後の魔導師についてを考える。ゲームで、頑張って呪文を覚えたというのに……今度は、己の内に組み込まれた魔力の元から魔力を引き出す初期訓練からとかとても大変である様に思えた。

まあ、実際に訓練所を訪れた処でその考えは消し飛ぶ事になるんだけど。けれど、今は何も知らない俺はそんな風に魔導師達に同情していた。

 

「それにしても……」

 

「ん?」

 

「この世界、ゾンビとか居ませんわね……」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

ウォーティの呟いた最初の一言で、まだ言い訳でもするのかと思いきや……次の続く言葉に呆れを含む感情が沸き上がってくる。そして、【鮮血の】がやらかした無駄にリアルでプレイした者達が混乱と吐瀉物で阿鼻叫喚と化した死人VRゲームが頭を過った。あれは、()()の再現ゲームだったと口を紡ざるを得ない。

 

「で、出たよ!?ウォーティの“ゾンビ”発言!!」

 

「お前……まだ、リビングデッドに首ったけな訳?」

 

「い、良いじゃない!腐った頭が、吹き飛ばされた時の飛び散り具合が面白いだけなんだから。別に、首ったけって訳じゃないのよ!!」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

この、お嬢様は……。

 

なんで、そこまで腐ったモノに首ったけなんだ!?

そして、その発言が自身の評価に繋がっていると何故わからない!?というか、柔らかく腐った頭を吹き飛ばす快感に浸ってんじゃねぇよ!どんな変態だ!?

 

「コイツ……何時もの事ながら、なんて変態発言……」

 

「かなり、ヤバ気な事言ってるって自覚して欲しいかな?」

 

「え!?無自覚なのか!?」

 

「ちょっと、天然さんだから……」

 

「……【魔導兵器】は、なんでこんなのを初期採用したんだ!?完全な配役ミスじゃないか……」

 

「成功してたら、最悪こんな変態で溢れてたんだね……」

 

「嫌な世界だなぁ……」

 

腐食した、生きる屍に好意を寄せる変態だらけの世界とか……絶対に頭おかしい結末に成りそうな話である。というか、気が狂ってるとしか思えない世界にしかならないと思うのは俺だけではあるまい。ぶっちゃけ、こんな人格破綻者をベースに何を誕生させる気だったのか正気を疑うレベルである。

間違いなく、屍と同棲する馬鹿が量産されていただろう。

というか……その人類、発展とかしないんじゃね?

 

「屍と結婚。子孫生まれず、滅びの道……」

 

「ダヨネー……」

 

「良いじゃない。ただの趣味よ!というか、貴方は何故私達を採取に回しましたの?私、戦闘の方が良かったですわ!」

 

ウォーティを戦闘組に参加させる?

そんな事したら、このダンジョンや周辺が氷浸けにされる事は考えるまでもない。問題は、ウォーティだけではない。

その腕力で、階層を抜く可能性を持つ里希だって居るんだから大人しく採取させて置く事にした。

それが、彼女達には不満だったのだろう。

しかし、俺の判断に間違いはないハズだ。

 

「ははは。判り切った事聞くなよ(笑)」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

笑って答えると、ギロリと睨まれるが気にした様子は見せず採取の作業に戻る。

ヤバイ……とても、恐い。

ウォーティは大丈夫だとしても、里希が素っ裸になって向かって来たら終わる。前者は、ペッタンこで……後者は、大人な女性。ぶっちゃけ、口には出来ない事柄なので口を閉じ黙り込んでいるけど……いつ、気取られるかわかったモノじゃなかった。なので、ポーカーフェイスで誤魔化したまま告げる。

 

「ほら、制限時間もあるんだから採取急いで……」

 

「……………………」

 

「なんか、怪しい……」

 

嫌だなぁ……勘の鋭い女性って、ヤりにくくて困る。

これが、【静】だったらもうちょっと簡単にあしらえるから楽なんだが……他の女は、なんて面倒臭い。

まあ、【静】の場合は俺の感情に恋愛補正があるから面倒に思わないだけかも知れないけれど。

それでも、面倒な事に変わりはなかった。

 

「怪しくない。怪しくないから、採取しよ?」

 

「…………まあ、良いですわ。さっさと採取しましょう」

 

時間が差し迫っているのがわかっていたらしく、ウォーティも里希も目の前の仕事を優先してくれる事にしてくれたらしい。もしかしたら、詰問を後に回しただけかも知れないけれど……その時には、二人を【鮮血の】や【巫女】に押し付けてサラマンダー領にでも逃げてしまえば良い。

調度、サラマンダー領に用事があるからな。

自分達が犯した愚行のせいだから、文句を言う事も出来ないだろうし良い事尽くめだ。

さてはて、そんな感じで今日の戦果はというと……一日三回のクエスト中、受けられたクエスト回数は二回。退治した魔物数は、暇人の報告から8000前後。回収出来たアイテムは、仮ストレージ一杯。中身は不明。【真実の瞳】で視た感じでは、大富豪の好感度をプラス500前後変動させるモヨウ。

というか、プラス方向に500前後!?ちょっと待て!中身を確認させて!ああ!?渡すんじゃない!!中身を確認させるんだ!!と、手を伸ばしたのに【鮮血の】はアッサリ仮ストレージを執事に渡してしまった。

 

orz。

 

大富豪の好感度……888。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

一度、『森の家』に戻りウォーティ達と別れた後、俺はアインクラッドを降りてアルンの地へ【鮮血の】とやって来ていた。来たついでで、転生者やSAO関係者がやってる屋台を冷やかしつつ、両手をジャンクフードでいっぱいにしてフラフラしている。

 

「ジャンボ焼き鳥ウメー!」

 

「こっちのオッコトヌシフランクもイケる」

 

「てか、こんな事してて良いのか?サラマンダー領に行くんだろう?」

 

「まあ、そうなんだけど……」

 

寄り道してても、然程差し迫った状況でもないから問題でもない。なので、のんびりと寄り道する事が出来る訳だ。

何故なら、シルフ領にしても、ケット・シー領にしても、サラマンダー領にしても悪意・敵意を持った者は出入り出来ない様にしてある。内側で、SAO関係者や転生者に害意を持っても同じ様に外へと弾き出されてしまう。

そして、転生者に捕まっていた時の嫌な思い出が、SAO関係者とその内にいるHeelを好んで役に徹しようとする馬鹿共の心にも楔を穿ってしまっている。ある意味、ちょっとしたトラウマレベルで深層意識に刻まれている様なのでSAO関係者から裏切り者が出るのは低くなっていた。

なので、他の領地に行こう(密告)と考える馬鹿は転生者だけとなる。だけど、その転生者達は現在ほぼ全員がアルンに集められて監視されているので密告は不可能だ。それ故に俺達は、マッタリ気分でのんびり出来る状況にあった。

 

「のんびりサイコー(笑)」

 

「あ、双夜くん?」

 

「ん?おい、呼ばれてるぞ?」

 

「んん!?あ、すずか、ひゃん……」

 

名前を呼びつつ、口に食べ物を頬張る俺。超失礼な態度だけれど、ある意味デフォルトなので気にする必要はない。

 

「おいおい、呼び掛けながら食う奴があるか!?」

 

「なんで、【鮮血の】が常識を語るんだ?」

 

「お前が、非常識だからだろ!?つーか、ボクに常識を語らせるなよ!!ああ、タレを溢すんじゃねぇ!!」

 

「ボケが、ツッコミをしなければならない状況になると……常識で、ツッコミ役へと変貌するのか……」

 

「言うな!馬鹿!!」

 

その時の状況に応じて、臨機応変に対応する【鮮血の】がいた。スゲーな(笑)。臨機応変なんて、可能なんだ(笑)。

まあ、何時までも【鮮血の】にツッコミ役をさせてるとストレスで暴走しかねないのでソロソロしゃんとする。

暴走させてみたい気もしないでもないけれど。

 

「で、すずかはどうしてここに?また、買い出し?」

 

「スイルベーンからの帰りだよ?」

 

「スイルベーンから?」

 

「うん。アインクラッドの調味料を卸しに来たの」

 

「「商人!?」」

 

「……の真似かな?」

 

まさか、すずかが身を立てる事をやり始めているとは思わなかった。何せ、ついこの間まで友達が居ないと泣いていた記憶しかなかったからだ。そんなすずかが、今や商人とは恐れ入った。

 

「アスナさんのお陰で、醤油とか似た様な調味料を作れる様になったからね。それを、スイルベーンや他の領に卸すのが今の仕事なの」

 

「へぇ……アスナに、そんな特技が……」

 

「味の再現か……」

 

「マヨネーズもあるよ?」

 

「マヨネーズ(笑)!」

 

破顔する【鮮血の】。このマヨラーめ……好物が出て来て、そんなに嬉しいか!?というか、混ぜご飯にまでマヨネーズを掛けるんじゃねぇよ!ゲテモノか!?

 

「止めろ。松茸の風味が飛ぶだろう!?」

 

「もっと、美味くなるんだよ!お前もやってみろ!!」

 

「高級感が失せる!」

 

「高級感(笑)!バッカじゃねぇの!?」

 

「わーー!ダメダメ、この争いはヤっちゃダメだよ!!」

 

すずかの仲裁で、骨肉の争いと化すハズだったそれはピッタと停められた。まあ、この争いは終わりのない主張となるから何処かで折り合いを付けなければならないのは間違いない。だが、俺は何も掛けない方が美味いと確信している。松茸にマヨネーズは、邪道だ。

 

「全てのモノにマヨネーズ!これが、食の真理だ!!」

 

「死ね!マヨラー!!」

 

「マヨネーズ万能論!!」

 

「だから、ダメだって!!」

 

「因みに僕は、タケノコ派!!」

 

「ボクは、キノコ派だ!!」

 

「それもダメぇーー!!」

 

「そもそも、タケノコなんてチョコがちょっとしか掛かってないじゃないか!!」

 

「はっ!あの黄金比がわからないのか!?キノコなんて、スティックが刺さってるだけのチョコオンリーだろ!?」

 

「あの至高が、わからないなんて双夜損してるね!!」

 

「ああ!?」

 

「あ゛!?」

 

「だから、ダメだってばっ!!」

 

この主張は、戦争になるのでここで強制終了。というか、追い掛けて来たウォーティと里希が乱入して来てウヤムヤに。まあ、マヨネーズは勝ったがキノコタケノコ問題は引き分けになったとだけ言っておこう。

 

「クソッ……マヨネーズが、否定されるとは……」

 

「多数決だからな(笑)。僕の勝ちだ!」

 

「だが、キノコタケノコ問題は里希がキノコ派で引き分けだぜ?ザマァ!!」

 

「ああ!?」

 

「あ゛!?」

 

「もう、止めなさいよ……恥ずかしいでしょ?」

 

眼付け合いをしていたら、ウォーティに止められたので渋々止める事にする。やり過ぎると、アルンも纏めて氷浸けにされかねない。【絶対零度の女王】の名は、本人の気持ちを余所に絶大な抑制力を持っていた。

誰だって、氷像にはなりたくないのである。

 

「それより、双夜……貴方、サラマンダー領に行くんじゃありまへんでしたの?」

 

「いふよ?」

 

「喋ってる途中で、物を口に入れるな……」

 

「ふぇ?あって、おははふいへるひ?」

 

「あら?貴方、基本食べないんじゃ無かったかしら?」

 

「あへふゅおぅにはっはんひゃお」

 

「飲み込め」

 

「ングッ……ママ達が、強制的に食べさせるから習慣になっちゃって……また、その内飽きたら食べなくなるから」

 

《ママ》という台詞に、一瞬ウォーティが反応したけれど、その後に続いた話に怪訝な顔となった。多分、生みの親を連想してしまったのだろうが……アレとは違う人達なので、俺が何を言い出したのかわからなかったのだろう。

あの【組織】で一番、俺の“親”に対して敵意を抱いているのが、この目の前にいるウォーティと里希だというのを今思い出した。危ねぇ!下手をすれば、世界が滅びる!!

俺の過去は、俺が語らずともアカシックレコードを通して【組織】のほぼ全員が知っている話である。

一部、ネタとして煽ってくる馬鹿もいるけれど……特にそれを知った女性陣が、こぞって俺の味方に成ってしまう程にブチギレ案件となってしまった。

別に、同情して欲しい訳じゃ無かったけれど、必要以上に絡まれるのでかなり困った事になったのを覚えている。

みんながみんな、俺に出会う度に俺を抱き締めて来たのだ。本当に、鬱陶しくて堪らなかった。ぶっちゃけ、一人で居たいのに一人にして貰えなかったのはあの時が最初で最後だろう。勝手に人の過去を覗いて、勝手に同情して構ってくる彼女達は目障りでしかなった。モテモテ?だとでも思うか?んにゃ訳ねぇだろう!?同情して来る奴の大半が、俺が可哀想とか思っているアーパー存在だぞ!?ハーレムなんて、目じゃねえ程にキツい状況だった。今は、あの頃よりかは改善されたと思いたいが……コイツ等の様子を見る限り、無理だろうなぁ……と絶望する。

 

「ママ……そう、協力者が現れてくれたんですのね?」

 

「私達が名乗り出た時は、全力で拒否してたのにぃ……好みの子でもいたのぉ~?」

 

「どっかの阿呆共が、俺の魂に細工しやがって……結果、幼児化したら親を名乗り出てくれた人達がいただけだよ」

 

「「ああ!アレか~!!」」

 

どうやら、俺の魂に細工した事【組織】内では周知の事実らしい。一瞬、どっかの阿呆が言いふらしている様子が頭を過ったけれど……気のせいだと思いたい。

 

「てな訳で、一度に親代わりが三人も出来て楽しそうだったよ?最終的には、転生者共の妄執でみんな死んじゃったけれど……」

 

「……………………」

 

そう告げると、何故か二人は額に手の甲を当てて悲しみの表情を浮かべて天を仰ぐ。呆れているのかな?今一、良くわからない行動だったけれど……ジッと様子を見てたら今度は抱き合っていた。えっと……何だこれ?

 

「何だよ……呆れてるのか?」

 

「いえ、任務とは言え……なんで、そういう結末に至るのか……運命だとしても、こんな……ああんもう!!」

 

「ダメだよ、ウォーティちゃん。双夜には、私達の気持ちは伝わらないんだからちゃんと言葉にしないと……」

 

「???」

 

良くわからない。ウォーティからは、何かにイライラしている様な感情が……里希からは、悲しみに近いけれど違う感じの感情が滲み出ている。事細かなところまでは、読み取れなかったので出来れば説明して欲しいところだ。

だが、二人は自分達の中だけで結論が出たらしく何も教えては貰えなかった。何となく、目の前で秘密を作られた様な気がしてツマラナイ。何なんですかね?全く!!

 

「何はともあれ、【鮮血の】は連れて行くよ?」

 

「それは良いけど……春に、何させるつもりですの?」

 

「砦を造らせる予定……」

 

「「「砦?」」」

 

「アルンは、飛行限界が設定されている山脈に囲まれているんだが……今は、飛行限界が無くなって俺の結界で侵入不可区域に再設定された。でも、シルフ領とサラマンダー領の中間辺りの山脈を吹き飛ばしちゃったんで敵が侵入したい放題になっているんだ。それで、【鮮血の】にはその吹き飛ばしちゃった山脈に代わる砦を建設して欲しい」

 

「あー、えっと……物資は?」

 

「ガンバ!」

 

「里希ぃ~助けてぇ~!!」

 

「あーはいはい」

 

「…………なんて、御都合主義な……」

 

そう言えば、里希は【創造主の半身】で天地創造の能力ーー無限に物質を想像から創造出来る能力ーーを持っているんだっけ。それを考えると、里希と【鮮血の】のコンビでも生産チートが成立するんだった。そんな存在に、生産系の科学者である【鮮血の】が居れば、何でも……幾らでも、生産し続ける事が可能だ。【女装?巫女】に至っては、生活魔法系がカンストしてるから土台とか建設とか任せちゃっても問題ないし……その間の護衛に、ウォーティを当て嵌めれば二、三日で砦くらいは建つだろう。

 

「……なんて、御都合主義な……」

 

「二度も言うな!それに、御都合主義なんかじゃないよ!保険扱いで、その可能性も視野に入れた結果だよ!!『こんな事もあろうかと!』……そう!『こんな事もあろうかと!!』だよ!!」

 

確か、異世界召喚の醍醐味は一切の予備準備もなく己が身一つでの《時渡り》だったハズ。なのに、この男と来たら準備万端で自ら《時渡り》して来やがった状態だ。

 

「下準備し過ぎだろ……」

 

「ああ!?準備万端で、何が悪い!?」

 

「己が身一つで来いよ……」

 

「は?いやいや、普通に身一つで来てるだろ!?」

 

「何処が?建築資材一式持って来た奴が舐めてんの?」

 

「何処に、そんなモンがあるってんだよ!?」

 

「そこに……」

 

そう言って、里希とウォーティを指差すが……指差した処で、ウォーティがポキッと人の指を折り曲げて来たけれど、回復魔法で何とか真っ直ぐに繋げる事が出来た。

てか、痛い。

 

「酷い……(泣)」

 

「人を指指しちゃダメなんだからね?」

 

「だからって、へし折るのはヤり過ぎかと……」

 

「躾よ。躾!」

 

「オブジェクトにされなかっただけマシじゃん……」

 

「何ですってぇ?」

 

「何でもないです……」

 

何処の世界でも、一番恐ろしいのは女性と相場は決まっている。それなのに、本人が気にしてる事を呟くのは死に直結しやすいのだ。しかも、本人の目の前でとか……馬鹿め。

特に、ウォーティ本人に【絶対零度の女王】とか【氷の魔女】とか言ってはイケない。中二病ッポクて、ウォーティがその二つ名を嫌っているので氷結されやすくなる。

 

「馬鹿だねぇ……お前、死にたいの?」

 

「ぬぐぐぐ……」

 

何唸ってんだか……俺には、馬鹿が何を唸っているのかサッパリわからないので、腹拵えが済んだところで問題の場所に行く事にした。すずかとは、ここでバイバイして先に進んで行く。馬鹿は唸っていても、律儀に付いて来るところを見ると依頼に関しては引き受けてくれる様子だ。

全く、このツンデル様は……そのまま、ウォーティの地雷を踏んで滅びてしまえば良い。もしくは、誘導して滅ぼしてしまえ。でも、本人の前でやるにはリスクがあるので俺は黙って放置する事に。どうせ、【鮮血の】の事だ。IQ300以上であろうと、紙一重馬鹿だからいずれ地雷を踏んでくれるだろう。その時に、巻き添えにならなければ問題ないので兆候を見逃さなければどうにでもなる。アルンを出て、遠目に見える山脈の境目を指差し振り返ろうとしたら殺気と冷気を感じて縮地を全力実行。ドパン!と広がる恐怖に、命からがら同じ様に逃げ出した里希と振り返えれば、白銀の世界と巨大な氷山が出来上がっていた。

 

「あの馬鹿、何言った!?」

 

「知らない。でも、ウォーティと何か話してた……」

 

ちょっと、人が思考の海にダイブして目を離した隙に何やらかしてくれやがりますか!?あの馬鹿は!?

おかげで、アルンの出入り口周辺がとんでもない事になって……あーあーぁ、まあ、アルンにいる人達は空を飛べるから良いモノの飛べなければ大迷惑この上ないなぁ。

余りにもあんまりな光景に、俺は頭を抱えて天を仰ぎ見る。流石にアレ……氷山は、自然解凍でないと消えたりしないのでそれまではそのままにするしかなかった。

 

「ああんもう!だから、ウォーティを連れ出すんじゃねぇって言ってんだろうがよぉ!!」

 

やらかすにしても、人里離れた場所でお願いしたい!!

切実に!!

 

 

 

 

 




凍真の凍の字もないな(笑)。ついでに言えば、初も居ないけど……凍真の監視か?里希は、ウォーティが付いてるので問題なし。うん、元よりおかしい話だから仕方ないが【鮮血の】いると他のキャラの存在感が薄まるよね(笑)。濃いなぁ(笑)。
とりあえず、初も里希も【鮮血の】も砦が出来るまでは存在を薄めます。でないと、他のキャラが居なくなっちゃう(笑)
ウォーティには、ケット・シー領でプーカ領の監視役及び防衛戦をして貰うとして……防衛戦でも、蹂躙されるイメージしかないけど。双夜は、サラマンダー領の前線でモーティマーとの会談をやって貰いましょう。まあ、その際に魔導師組の様子も見て貰ってそのはっちゃけ振りにドン引きして貰おうかな(笑)。中二病が、本物の魔力を手に入れたらどうなるかしっかり見て貰おうか(笑)(笑)。絶対、ヒャッハーしてるぞ?アイツ等(笑)(笑)。

ー追記ー
仮面ライダーの『黄金の果実』に関して修正しました。
『食した』又は『噛った』を『使用した』等に変更。
後は、微調整して終了。確認ヨロ~(笑)。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれる方々に感謝を……。
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