絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
Re:
意識が戻った後、俺は一人で放置されていた。
ギルドホーム内を、そこそこ探したけれど翼やすずかの姿はなく本当に独りで放置されていた訳だ。
一瞬、マジで泣きそうになったけれど……誰も居ないホームにずっと居る訳にも行かないのでアルンへと降りる事にする。
階層を跨いで、一階層の『始まりの町』にある《黒鉄宮》へと降りると俺は《生命の碑》がある場所へと足を運ぶ。デスゲームになる前は、《蘇生者の間》と呼ばれ死んで復活すると現れる場所に設定されていた場所だ。
デスゲーム中は、金属製の巨大な黒い碑《生命の碑》に死者の名前が刻まれた訳だが……その裏手に、世界樹にある城の空中庭園に繋がる魔法陣があった。そこから、世界樹の空中庭園へと跳び城の中へと行くべきなのだろうが……それを経由しては、降りられないので落下防止の柵を乗り越えて落ちて行く。落ちて行くんだけれど、何となく『あ゛ーーー!!』と叫んで遊んだりもする。だが、それをやるとアルンにいる妖精(SAO原作モブ)達が慌てて集まって来るので自重した。
悪戯だとバレると、すごく怒られるのでやらない方が良い。
やったらやったで、捕まって厳重注意されてそのままお説教二時間コースへと早変わりする。ぶっちゃけ、そんなモノは一度受ければ気が済むので二度とやる気はない。
ある程度、地面に近付いた所で《ダーティー・ニーズ》を起動させて重力制御の連続行使で勢いを落とし大地に降り立った。降り立った場所は、調度世界樹の《試しの門》の所で本来(城経由)であるならば出て来る場所にあたる。
まあ、使わないけど。
そこから、階段を使って道なりに下りて行くと検証班と呼ばれる集団がいる広場へと繋がっている。今回は、『道なり』で問題ないのでそのまま階段を下って広場へと向かった。
そして、広場に辿り着いた俺は余り見たくもない光景を様々と見せ付けられる事となる。つーか、基本的にイメージさえシッカリしていればある程度の行程をスキップして魔法になるって言うのに……寒々しい詠唱を唱えて、魔法を乱射する厨二病の集団がヒャッハー!!している空間に出てしまった。
「……………………」
一瞬で、前回同情した自身の判断が恥ずかしく思えて来る。
何故俺は、あの時コイツ等の苦労に同情したりしたのだろうか……と。
こんな状況なら、同情する必要すらなかったと言えよう。
ぶっちゃけ、そこに居たのは〝魔力〟という力を得てはしゃぐ厨二病達だけだった。それは、SAO原作達だけでなく転生者を含む者達がはしゃいでいる。止めて……寒々しい詠唱を唱えないで。その詠唱を聞くだけで、背筋をゾワゾワとした寒気がひた走る。
正に、厨二病の見本市であった。
中には、別の物語の詠唱をやっている奴がいるが……それは、ドラゴンを倒す魔術ですよね!?
つーか、それの元となる魔王は居ないハズでは!?
「…………まあ、良いや」
本人が、それで満足出来るなら俺は何も言うつもりはない。
つーか、基本的にスルーで行こう。下手にツッコムと、墓穴を掘りそうだ。むしろ、生前の記憶はないが嫌な黒歴史がアニメ知識と共に沸き出して来そうで恐ろしい。実際、アニメ知識と共に生前の記憶の断片が思い起こされた事があったので出来る事なら避けたい事柄である事に変わりは無かった。っていうか、とあるアニメ知識と共に黒歴史の断片が復活した時は普通に死ぬかと思ったよ。
つーか、超電磁砲(レールガン)の摸倣はアカン。
五百円玉を、ピンと弾いて擬音でのコンボはキツかった。
アレは、死ねる!!
だが、彼等は違う。
異世界で、そこそこのイメージでそれ等を再現出来るのである。ハッキリ言って、とても裏山しい!!
久しぶりに、ヲタク心を刺激されたのでミスリルユルド貨を取り出して手の中で弄ぶ。しかし、少しニヤニヤしていただけだったのに両肩にそれぞれの手が『ポン!』と置かれ……、
「レールガンは、再現禁止ですよ?兄様」
「先程、似た様な事をして連行された馬鹿がいたが……兄様まで、されはせぬよな?」
等と話し掛けられたら、しろどもどろとミスリル貨をポケットに戻さざるを得なかった。つーか、どっから現れやがりましたか!?
「もちろん、この広場で監視の役目を果たしておりました」
「彼方に、Masterもお出でですよ?」
「さよか!」
なんて、タイミング。
こちらが、昔拗らせたネタを持ち出したところでの出現とか心臓に悪い事この上ない。もしかすると、狙われていたのかもしれなかった。ガチで、勘弁して下さい(泣)。
……………………。
こうして俺は、師匠達と合流して馬鹿がバカな事を仕出かさないか監視をしてから移動する。
「それで、どこに向かっているんですか?」
「ん?ああ……サラマンダー領だ。梯子を外されはしたが、ウォーティ達がいる間にインプ領を解放しておきたいのも事実だからな……スイルベーンも、そこそこ復興されつつあるらしいからここらでもう少し安全度を上げて置こうかと……」
師匠の予定では、スプリガン領辺りまで解放して置きたいらしい。そうすれば、敵が海を渡って来るとしても拠点となる場所が確保出来なければ長期に渡っての戦闘は不可能だろうし……現状をかんば見るに、【理】確定による混乱の今が勝機とのこと。
「モーティマーも、今を逃すと勝機が駄々下がるって言ってたからな。ある程度、こちらに分がある今がチャンスだ。混乱が収まりつつある今なら、軍を纏めやすいらしいからインプ領に総攻撃を掛けるそうだ」
「って事は、ウォーティさん達も前線で!?」
「いや、ウォーティ達にはケット・シー領で防衛戦をさせる。要は、後方の憂いを僕達が担当してSAO原作人物達と味方の転生者達に前線を任せる予定だ」
「大丈夫ですかね?途中で、裏切られたら……」
「それはあり得ませんよ!」
俺の疑惑を断ち切ったのは、スイルベーンを支配下に置いてヒャッハーしていたギルガメッシュだった。その背後には、数人の転生者らしき者達の姿もある。
「……何故、と聞いても良いか?」
なので、当人達にストレートに聞いてみる事にした。
「……マジか。ギルさん。コイツ、ストレート過ぎますよ!?」
「だから、言っただろ?中身が、詐欺だって……」
(意訳:中身が、転生者じゃない)
「誰が、ギルガメッシュ本人か!?」
コイツ、言うに事欠いて俺をギルガメッシュ本人だと言い切りやがった!そりゃ、ちょっと度胸が付いて来たかとは思ってるけど……流石にあのレベルには追い付いていないと思いたい。
「俺達が、裏切る事はないよ。現実問題、戦闘職の奴等以外は職人気質な奴等ばかりでな。それに、今はSAOヒロインよりも自分達で作る同人誌の方が楽しい!!」
また、とんでもない方向にひた走っているなぁ……と思いつつ、俺は戦闘職の馬鹿共も二次に走り始めている事に気が付いた。
「ヒロインは、良いのか?」
「思い通りに成らないヒロインよりも、綺麗に描ける二次の方が良いに決まっているだろう!?」
「ああ。完全にヲタク化してやがる……」
全く、救い様がないお馬鹿さん達だ。
「ここに居れば、神達が俺達の望み通りの物語を作ってくれるんだぜ!?しかも、中には描いた存在に命を与え現実化する能力者も居るんだ!!」
「…………師匠?」
「時間制限があるけどな。短いぞ?」
いや、短い云々ではなくて……ああ、うん。もう、良いです。
師匠が、転生者達の心をガッツリ掴んでいる時点で裏切り者が出る確率はかなり低いと見て良い。
つーか、自分の理想が現実に現れる時点で転生者達が裏切る可能性はゼロに等しかった。
「なんて、行為を……」
そんな事されたら、俺だって裏切るなんて考え吹き飛びますわ!
「つーか、いつの間にそんな事を……」
「時間は、タップリあったぞ?後は、サラマンダー領で捕まえた捕虜にコソッと囁くだけで割りと簡単に?」
「つい、最近の話かい!!」
「で、試しにやらせてみたら……転生者達に、忠誠を誓われた」
「そりゃ、誓うだろ!?自分の理想が、目の前に現れるんだぞ!?それで、誰が裏切るって言うんだ!?裏切らねぇよ!!ヲタク舐めんな!!」
「舐めてるからやったんだけどな……チョロかったぜ!!」
「クソッ!手の平の上で、転がされてるよ!!」
「それでも、良いかなぁ……と、思い始めている自分がいる……」
「抵抗しろよ!!」
「それは、無理だ。ヲタクに、アレは絶対でしかない……」
「二次元の幻想が、三次元のリアルになるんだぞ!?従うのが、正義だろ!?」
「現実は、残酷なんだよ!!それなら、幻想に走ったって良いじゃないか!その幻想が、リアルになるんだ。俺達に拒否権はない」
「なんでも、悪夢だ……それでも、転生者か!?」
「フッ……俺達に、現実ってモノはキビシ過ぎる。もう、アレで良いよ。アレこそが、俺達の望みだったんだ……」
「キモいです」
「グハッ!!」
「ウグッ……」
「クッ……!」
リリィの一言が、三人の転生者の心にクリティカルヒット。
三人の転生者は、会心の一撃で撃沈した。
「これが、《ヲタク》か……ウザいな……」
「クピョッ!!」
「ゴハッ!!」
「クッ……一思いに、殺せ……!」
そして、オルタの追撃。
三人の転生者は、その場に崩れ落ちた。
勇者よ……死んでしまうとは、情けない。
「残酷だな……」
「そんなだから、引き籠りになるのです」
「コミュ障等と言い訳をするから、人生の負け犬と化すのだ」
「もう、止めて上げて下さい……」
言い訳じゃ無いんだ。あれは、普通に障害なんだよ!
他人に、自分の思いを伝える事が苦手なだけなんだ。
病気ではないけれど、苦手意識ってのは早々簡単に払拭出来るモノじゃ無いんだ。だからって訳じゃないけど、せめて見守って上げて下さい!!と思いはしたけど、決して言葉にはしない俺。
言葉にしたら、両隣にいる白と黒いのにザクザクと言葉の刃を突き立てられる事は判り切っていた。この人達に、引き籠りのコミュ障を理解しろと言っても無駄なので黙っている。
「とりあえず、協力してくれるんだな?」
「……あ、ああ。そのつもりだ……」
「大丈夫か?」
「これだから、リアルの女性は……」
ーーあ……。女性でも、人間でも無いんだけどな。
それは、言わぬが吉だろう。これで、基本が男型で師匠の使い魔だと言ったら今度こそ心がへし折れそうだ。俺がヲタクで、あちら側だったら間違いなく心がへし折れる。今、それだけは避けたい。戦力を、悪戯に減らす必要もないので黙って置く事にした。
「じゃあ、サラマンダー領に移動するんだな……」
「ああ。検証班と戦闘班の奴等は、一部を残してサラマンダー領に移動だ。流石に、アルンの防衛力を落とす訳にも行かないからな……」
「へぇ……ここを、第二の故郷にするつもりなんだ……」
「あー……まあ。この世界で、生きて行く以上はそろそろ覚悟を決めないといけないだろうからな……」
その覚悟は、遅い様な気もしないでも無いが……まあ、コイツ等引き籠り達からしたら遅くも無いのかもしれない。そこら辺は、当人達の気持ち次第なので俺からは何も言えない。
だが、例え他者よりゆっくりであっても前に進めるというのであれば大丈夫だろう。
「そうか。じゃあ、サラマンダー領に行くか……」
「兄様は、まだ行けませんよ?」
「その通りだ。先ずは、Masterの元に行かねばな?兄様」
「……あるぇ?これって、ドナドナ?」
「「「お疲れ様です!」」」
俺達は、転生者達に見送られながらいつの間にか別の場所へと移動していた師匠の元へとグレイよろしく引き摺られて行く。
あ、マジでドナドナなんですね。
師匠の元へ、辿り着いた俺はその人外率に引く事になった。
ある意味、フルメンバーだ。
その場に居たのは、師匠、守護者、守護者の使い魔、ウォーティ、鮮血の、巫女、里希さん、禍焔凍真、そして俺。
翼やSAO主要原作人物達も居たけど、その異様な雰囲気を言うなれば師匠達以上の異常は見当たらない。
「神崎も来たな。じゃあ、先程説明した通りに頼む。一応、フレールくんによる情報収集は継続しているから敵の動きは問題なく伝えられるハズだ」
「妨害等も、無いでしょうからね」
「じゃあ、私はケット・シー領で良いのね?」
「うん!」
「ああ……」
おや?鮮血のと巫女さんが、何か必死な雰囲気で再確認している様に見えた。やはり、あの二人と一緒なのは困るのかな?
「鮮血のと里希は、山脈の砦制作。残りは、サラマンダー領を経由してインプ領に攻め込むぞ?OK?」
『『OK!!』』
「じゃ、先ずは砦(予定地)に移動だ!」
こうして、俺達はアルンへの簡易ルートと化した山脈の切れ目へと向かう。師匠が、かなりの無茶で吹き飛ばした山脈の切れ目。正確には、ルグルー回廊と竜の谷の間……そこが、山脈の内側から海に抜ける方向へと一直線に削り取られている。と言えば、わかりやすいだろうか?
ぶっちゃけ、これをそれぞれの領主が見た時は口をあんぐりと開けて言葉を失っていた。そして、師匠から離れた場所でコソコソ(見えてたけど)と話し合いをし、その後友好を求めて来たくらいだ。まあ、普通に恐ろしい存在だわな(笑)。
そこには、他の領地にいるハズのシルフ&ケット・シーの世界樹攻略部隊が集まっていた。まあ、目印としては最高の場所だからな。とは言え、そこそこの広さがあるここに砦を築くらしいが……どうやって、築くつもりなのか俺にはサッパリわからない。
『「おーし!ちゃんと、集まってるな?じゃあ、これからインプ領解放の戦争をしに行くぞ?異論は無いよな?」』
『おおおぉぉぉーーー!!!』
先に話を通して置いたのであろう、妖精達は然程驚いた様子も泣くほぼ全員が武器を掲げて師匠の拡声された宣言に応える。何というか、それを見ているとソード・アート・オンライン[アリシゼーション]の一幕みたいに俺は感じた。
キリトとアスナが、神となるチートの限りを尽くしたあの《心意》という心の力を形にする世界の話を……そう考えて、はて?と首を傾げる。
そう言えば、《心意》ってどうなったのだろうか!?
確か、《心意》の原型が『アリシゼーション』でチラッと出て来たハズだ。故に、多分このSAOモドキ世界もSAO系列の世界だから存在しないという事はないとは思うが……この間の世界調整で、うっかり消されている可能性がある。
その場合、《心意》系の必殺技は基本的に使えない。
あの人達の介入もあったから、《心意》はlostしたと考えた方が良いと思われる。無くなって無いにしろ、原作人物達がそれを扱い切れるのか?という問題もあるので黙って置いた方が良いだろう。
まあ、キリトは別として……主人公だし、弾丸切るし……?。
考えたい事は、山程あったけれど考えた所で答えが出るモノでもないので最終的に放置する事となった。そんな事を延々と考えていたら、いつの間にか目の前に【鮮血の】が居て俺の事をジッと見上げている。その様子に、恐怖からかドキッと心臓が跳ねた。
「……考え事は終わった?」
「……あ、はい……」
「じゃあ、土台作っちゃうからあっちに行っててくれる?」
そう言って、【鮮血の】が指し示したのは離れた場所に移動していたシルフ&ケット・シーの一団である。ある意味、俺はポツンと悪目立ちしていたのだった。恥ずかしっ!!
慌てて、離れている一団の元に駆け寄るとシルフ&ケット・シーの者達から『スゲー』とか『あり得ない』だとかの言葉が溢れて来る。振り返ると、何もない場所から岩……というか、ブロック?状のセメント?の塊が出現して降ってくるではありませんか!
そして、それらは所狭しと山脈と山脈の合間に出来た切れ目を埋める様に積み上がって行く。『あっ』という間に、山脈の合間に出来ていた切れ目は埋められて元の山脈が出来上がった。
「マジか……」
「じゃあ、双夜。結界の方は、任せるよ?」
「ああ。というか、無理矢理開けてた穴を塞ぐだけだから直ぐだよ。じゃ、砦の上空は飛行禁止になるから良いね?」
「良いね?と言われても……お任せしますとしか言いようが無いんですが。……はぁ。この人達と居ると、常識が崩れて行くなぁ……」
「お疲れ!ギル」
「もう、お腹一杯だ!!」
「こっちのギルガメッシュは凄いなぁ……良く、あんなのと一緒に居られるもんだぜ……尊敬するよ……」
『こっちのギルガメッシュ』って、俺か!?
師匠との絡みを、他の転生者達から見ると尊敬するレベルになるらしい。まあ、否定はしないが……ただ、一緒に居るだけで尊敬される師匠達の存在意義が頭痛かった。《神殺し》っていう、化け物ですからね!と言えれば楽だけど、それ以上なのも居るから一概に『化け物』とは称せない。
「存在を統一してください……」
「そりゃ、無理だ。諦めろ」
何の説明もして無いのに、俺の言いたい事を瞬時に理解したのか師匠はそんな風に宣った。
全く持って、恐ろしい御子様である。
そうこうしている内に、その場に【鮮血の】と里希さんを残しウォーティさんと別れて俺達はサラマンダー領へと向かう事に。ウォーティさんは、ケット・シー領の防衛に行くんだという事だった。
水先案内人は、師匠の使い魔・フレールくん。
それを見送って、俺はフとある事に気が付いた。
「……………………(青冷め)」
そして、ケット・シーの飛竜に乗り彼等から離れて行った訳だけれど、ゆっくりと飛んでいた訳じゃないのに遠目にただの岩の塊だったソレがどんどん砦の形に成って行く様は恐ろしい限りだった。
「はぇえぇ……」
「スゲェー……」
俺を乗せてくれたケット・シーの青年も、その光景に圧倒されたらしく目をキラキラさせつつその様子を眺めていた。
「「アレは、ヤバイ!!」」
【鮮血の】さんの能力が、生産方向に傾倒しているのは知っていたけれど、アレはそんなレベルを遥かに超えた何かである。つーか、最初はただの何の変哲もない岩の塊だったんだぞ!?それを僅か数分で砦の形へと変化させるあの人が生産系職業とかどういう事ですか!?どう見ても、研究者とか科学者とかじゃないですよね!?イマジンなツンツンさんの『とある』でもあったけれど、戦争の拠点を数時間で大量建設してたアレですか!?
「ヤバイ!スピードが、半端じゃねぇ!!」
「敵じゃなくて良かった……」
「あんなモン、敵に回したら絶望しか感じられないよ!!」
高々、10分も掛けずに巨大な砦なんて造られたら戦況云々なんて言ってられない。創造能力者と、【鮮血の】さんのタッグがここまで危険なモノと化すなんて考えもしていなかった。何だかんだで、師匠を危険視してたけれど【鮮血の】さんも中々ヤバイ系の人材だ。
まさかとは思うが、あんな感じで武器類も造ってたりするのだろうか?だとしたら、あのとんでもないスピードである程度の数を生産し取り揃える事が出来るって事だ。
ガチで、戦争やらせたらとんでもない大打撃を与えられる人達なんだな。味方である間は頼もしいけど、敵に回したら何もさせて貰えずにジワジワと嫌がらせに等しい攻撃を受ける事になるのは考えるまでも無かった。
「……これから、インプ領を攻める訳だけど。なんか、楽勝?」
「いえ、あくまで我々を主体に戦うそうですよ?」
「ヤバくなったら、手伝って貰う感じか?」
「あー……そうでも、無いみたいです」
「えぇと?まさか、所々をちょこちょこ手伝う感じ?」
「えっと……あー、見たいです……」
「マジか!?」
え?じゃあ、何か!?立て直しはするけど、相手を追い詰める役はあくまでSAO原作人物達って事か!?それって、どんな拷問だよ!?だって、アレだろう?戦況が崩れる度に、少しだけ手を貸して原作側が押し返せたら手を引くの繰り返しだろう!?押し返せたら手を引いて、圧されたら手を少しだけ貸すの繰り返しなんだろう!?それ、完全にただの拷問ですやん!!
そりゃ、それくらいで『原作人物達が、敵を押し返せると信じている』等と言われたら何も言えなくなるけど、間違いなく師匠はそんな事を考えるハズが無かった。
多分だけど、使い魔か誰かが何処かで動いているハズだ。
それが、何処なのかはわからないけれど……これから攻めるインプ領か、ウンディーネ領辺りでコソコソしていそうだった。
しかし、俺には師匠がコソコソしている様には思えない。というか、テオルグ師範とラヴォルフ師範の二人しか見ていないのだ。
そりゃ、使い魔達が本気で隠蔽しているのであれば俺に悟られる事なく行動するのは容易いかも知れない。だが、あの人達なら修行と称してこちらにギリギリ判る範囲でやりかねないのである。
そして、そのサインに気が付かなかったら……後で、酷い目に遭わせられるので是非とも気が付かなければならない。
「ヤバイ……殺されるかも知れない……」
「えぇ!?」
つい、何もする事が無かったが為に現実逃避していた先程気が付いてしまった事の未来予想図を呟いていた。
「あ、こっちの話です……」
とりあえず、インプ領解放戦終了までは大丈夫だろうが……もし、修行であるならもう一度機会を設けて貰えないだろうか!?マジで、気が緩んでいたのを認めますからチャンスを……!クソッ!そんな事を口にしたら、その時点で落第の烙印を押されてしまうので口には出来ない。
だけど、是非とももう一度チャンスを!!
等と、フラグに成りかねない事を考えながらサラマンダー領へと向かうのだった。
……………………。
数分後、サラマンダー領に着いた俺達はモーティマーやユージーンに会う事なくそのまま最前線へ。言うまでもなく、ユージーン達は最前線に居た。そこでは既に、サラマンダー達と敵対する転生者達の戦闘が始まっていて、かなりの被害が出始めている。
「すまない。遅くなった」
「いや、まだ問題ない」
「じゃあ、キリト達はここの前線で敵を押し返してくれ。守護者とその使い魔は置いて行くから、翼と鉄はフォローを!!」
「あるぇ?ここが、決戦場じゃないんですか?」
「僕達は、
そして、そのままローラー作戦で転生者達をある程度インプ領に抑え込むとのこと。連絡係は、もちろんフレールくん。
山脈には、アルン方面へ向かう事が出来ない様に結界があるのでそれを壁として使って転生者達の動きを抑え込むのが俺達の仕事らしい。
「転生者は、空を飛んで来ると思うかい?」
「一部は。大体は、歩きでの行動になるでしょうね」
前回と今回では、世界の【理】が異なっているので
もし、空を飛べる者が居たとしても情報を秘匿する馬鹿が多いネトゲー廃人が多い転生者の事だ、手探り状態の中で自分だけが得た情報を簡単に公開するとは思えない。よって、こちらの様に組織立って検証をしてない限り、空を飛べる者は少ないと考えて良いと思われる。まあ、組織立って検証している可能性もあるので油断はしない方が良いけど。とだけ、師匠達に伝えて置いた。
「フム。その考えで、ほぼ間違いはないだろう」
「というと?」
「前線で、空を飛んでいる敵の報告がないからだ」
「うわぁ……確実に、大混乱中のままかい(笑)」
きっと、未だに世界の【理】が変化した際の混乱が治まっていないと思われる。そこへ来て、原作からの攻撃だ。その混乱に、更なる拍車を掛ける結果となる事は容易に想像出来た。
「あ!ユージーン将軍、前線の魔導師達に伝令。魔法を使う際は、昔通りによろしく!上手く行けば、相手を大混乱に貶める事が出来るかもしれない」
「ほぅ……確かに、やってみる価値はあるな。よし、お前達聞いていたな?前線に伝令だ!!」
言って、ユージーン将軍は楽しそうにズンズンと前線基地の奥へと向かって行く。その後ろ姿は、まるで水を得た魚の様であった。ああ、アレは……この状況を楽しんでる類いだな。
それが、ありありとわかる後ろ姿であった。
「神崎も鬼畜だねぇ……」
「打てる手は、打つべきですよ。戦争であるなら、尚更!」
「それが、元日本人の言うべき言葉か?」
「人が、死ぬ事が無いんですよ?なら、やる事を殺るべきです」
「フム。でも、それは後数ヶ月程度だよ?前の【理】は、緩やかではあるけれど消失していくモノだ。明確に、何時終わるとは言えないから下手をすると殺人者が出るかもしれない……」
「わかっています。しかし、キリト達なら大丈夫ですよ。他のALOプレイヤーも、覚悟の上だと言ってました」
「…………それが、あちらとこちらの命運を分ける結果になると良いな……」
「…………え!?ちょ、まさか!?」
既に、以前の【理】がlostしているとでも言うのか!?
でも、師匠の言い方だと正にlostしている感じである。
「再伝令!!死に戻りはない!!繰り返す、死に戻りはない!!前線のユージーン将軍達に伝えろ!!!!」
「ええ!?あ、は、はいっ!!!!」
俺の叫びを聞いた周囲のALOプレイヤー達が、慌てた様子で前線へと向かって行く。まさか、既に《死に戻り》が出来なくなっていたなんて思っても見なかった。それを黙っていた師匠も師匠だが、こんな重要な情報を秘匿するなんて何を考えているんだ!?
「追加伝令!!まだ、妖精は問題ない!だが、転生者は気を付けろ!!繰り返す!妖精は、《死に戻り》が可能だ!だが、転生者は気を付けろ!!!!」
「って、ええぇ!?そっちぃ!?」
ただの、勘違いだったモヨウ。
しかし、問題になるのは殺人の方ですか!?マジで!?
このインプ領解放戦で、こちら側に殺人者が出るかもしれないという事だった。命の尊さを刷り込まれている、原作プレイヤー達の精神が心配ではあるが……転生者と戦い続ける限り、何時かは通る道なだけに剣を捨てる選択肢はないだろう。剣を捨てれば、待っているのは奴隷という名の圧し付けられる日々が待っているだけだ。
彼等原作は、己の自由と尊厳を守る為に戦っているのだから……剣を捨てる選択肢は存在しない。
最終的に殺伐とした世界になるかどうかは、転生者と原作人物達の歩み寄りに掛かっているという訳だ。その運命分け目の戦いに、俺達《神殺し》が関わっているだけってだけで……彼等の命運は彼等の手に委ねられていた。
「何はともあれ、僕達は僕達の仕事をするだけだよ。ほら、そろそろ持ち場に移動しようか?」
「ドライですね……了解です!」
始まってしまった、解放戦。そんな、混乱な状況に更に石を投げ込む作者。鬼畜の所業である(笑)。これで、悩み所が蘇生魔法で……ペナルティを付けるか否かっていうんだから鬼畜ップリがわかって貰えるかと(笑)。デスペナ?経験値は、減らないよ?
転生者が唱えていた、ドラゴンとか魔王とかのアレは『スレイヤーズ』の代表魔術です(笑)。根性と気合いで再現するしかないヤツですね!!それをやっていた転生者には、是非とも再現して欲しい所です(笑)。
そして、転生者達をこちら側に引き留めたアレですが……描いた美少女を、描いた者当人のイメージで再現する特典を捕まえた捕虜に双夜がヤラカシました。結果、理想がそのまま現実に(笑)(笑)。転生者達は、双夜に絶対の忠誠を誓った。
そりゃ、理想がそのまま現実になりゃチョロい馬鹿が忠誠を誓っても仕方がないと思われ(笑)。つーか、良くそんな暇があったよな(笑)。実験してる時間とか、それを実行する捕虜とか色々(笑)(笑)。これを書いてて、コレが一番のダークフォースだなぁ……って思ったよ(笑)。
ここからは、後日談的なお話です。
小説とは、一切関係ありません。
1月10日風邪?をひく。10日の昼頃から、体調が微妙だったんだよね……作者は、風邪をひくと体力とか力方面がガクッと落ちる人なのでわかりやすいんだ。なので、あ!なんかの病気になった?みたいな感じでわかるんだよ(笑)。
周囲の奴等が、『インフルエンザだ!』『パンデミックだ!』と騒ぎフラグを立てるので病院へ。
結果、見事にフラグを回収。インフルった(困)。
2日程、タミフル飲んで大人しくベットの上でゴロゴロ。
解熱剤飲んでも38,4度あってビビる。
しかし、辛い……仕事、仕事に行かせて……。
もう、寝続けるのは勘弁して欲しい。
何も出来ない、どこにも行けないは拷問に等しく。
思い浮かぶのは仕事の事ばかり……。
でも、熱が下がっても2日は閉じ籠ってろ!と医者にも言われてるので黙ってゴロゴロ。
しかし、熱が下がって直ぐ『犬の散歩に行け!』という親が……(鬼か!?)。熱が下がってないと言えば、『嘘言うな!二日も寝てれば治っとる!!』と強制される。
その後、熱が上がったと訴えると『それは、おかしい。病院へ行ってこい!』と言われる。いやいや、明らかに散歩がダメだったんだって!!って主張してるのに、『あ、後で散歩行っといて』と言われる始末(鬼畜!?)。
峠を越したとは言え、インフルエンザ舐めてるよな!?
超、舐め舐めだよな!?A型感染って言われて、ちょっとビビてた作者をドン引きさせる親。鳥とか、SARSで無いにしろインフルエンザって死を伴う危険な病気だよな!?マジか!?と思ったりなかったり。
そんな感じの5日間だったよ……。え?もっと休んでろ?ははは。仕事がトラブってて放置出来なくなったんで行くよ?行かねばならない!なんせ、やらかしたのは『散歩行っといて』の親だから!畜生!大人しくしててよ!ガチで!!!
そして、精神的に死んで……一応、肉体は生きてます。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれる方々に感謝を……。