絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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ニ三七話

Re:

 

 

現在、俺は師匠が展開する各地の戦況をウィンド越しに確認させられていた。なんで、俺が確認させられているかというと緩み切った根性を叩き直すのが目的らしい。

まさか、師匠本人からそんな事を言われると思ってなかった俺は戦々恐々しながら各地の戦況を眺めている。

そして、師匠が引いた完璧な布陣にドン引き中でもあった。

バトルジャンキーな使い魔を、五人一組のチームを二十五組作って均等感覚に横並びに配置する。その中心のチームを起点として、扇状に展開したフレールくんが転生者の動向を監視していた。

これ、なんてチート!?そう思ったけれど、次の瞬間には『……ああ、何時もの事だった』と納得してしまう。

段々、染まって来たなぁ……と思う瞬間だった。

フレールくんを、扇状に展開するのは山脈の麓なんて遠回りをする馬鹿が少ないだろうという予測からだ。回り込むとしても、森の中央を行く者が多いからという。それでも、そこに部隊を配置しているのは『もしも』の時の保険らしい。

 

「本当に、完璧な布陣だ……」

 

「完璧ではないよ。使い魔に余裕があるから、もっとエグい配置が可能なんだけど……あくまで、主役は原作達と協力する転生者達だから」

 

師匠がしようとしているのは、SAO原作人物達の独立化と転生者の歩み寄りだ。原作人物達は、転生者の神様特典の被害者ではなく、《神殺し》というヒーローによる救済を得るでもなく、ちゃんと自分達で立ち上がり歩き出せる様にする為の方法を教えようとしている。まあ、流石にわかっている者も多いだろうけど。

まだ、被害者面をして管を巻いている者達も居て……その者達へエールを送ろうとしているのだ。そう、未だにそういう事を言う奴等がいる。ケット・シーやシルフだけでなく、初めてALOをプレイし始めた者達が今回の神様特典に巻き込まれてこの世界に放り出された者達。己の現在を嘆き、本来あるべきだった未来を夢想する元の世界に戻る事を願う子供達。

だがしかし、その夢想も願いも叶わない。

《インスタント・ソウル》。

彼等は、複製された現存する人物達なのだ。

つまり、元の世界にもちゃんと自分が存在する訳で……帰るべき家も、居場所も存在しないという。

正に、クソッタレ!!な話である。

 

「師匠」

 

「ん?」

 

「こんな事を仕出かした神を殺しても、彼等は救われないのですか?原因となる、神様特典を破壊しても?」

 

「何を以て『救い』とするかは、人それぞれだけど……今回のケースからして、彼等の望みは叶わないだろうね」

 

「それは……神様特典だからですか?」

 

「そうだ。君達、転生者が己の好き勝手にした結果が彼等の悪夢だ。当人達からすれば、ゲームの世界から出られない……って事になるんだろうけれど、これはゲームでも無ければデスゲームでも無い。完全な原因不明の異世界転移という状況だ……」

 

「原因は、わかっているじゃないですか……」

 

「神様特典だろう?が、しかし、だ。これが、勇者召喚であるならば原因となった召喚者に送還して貰えば済むだけだが……自然転移に分類されるからなぁ。ぶっちゃけ、原因不明という事になっちゃうんだ」

 

「マジッスか……」

 

もう、本当に希望の一欠片も残されていなかったらしい。

 

「師匠の《希望の神格》は!?」

 

「一つの世界に、同一人物を二人にする気か?意識を統合するにしても、一つの肉体に二つの記憶と人格が生まれるぞ?」

 

「うぅ……じゃあ、彼等の為に複製世界を造るとか……」

 

「いや……それ、同じ結末だろ?」

 

「救いが無いじゃないですか……」

 

「……というか、そもそも救われる必要があるのか?」

 

救いを求め様とする俺に、師匠がとんでもない事をブッ込んで来た。そもそも、彼等は被害者なんだから救いの手を差し伸べるのは当たり前でしかない。なのに、師匠は救いの手を差し伸べる所か鬼畜にも更なる追撃をしようと画策していやがった。

 

「元より、人生に保証なんて無いんだよ?そりゃ、人が集まればそれを考え決める者も出て来るだろうけど……でもそれは、人生の保証ではなく人としての保証でしかない。法律も、それぞれの制度も人が人である為のモノでしかないんだよ。日々を、より良くする為のね?それでも、人生そのものの保証じゃないんだから、ありもしない保証を求めた所で何の意味がない事は明確だ」

 

「あー……えっと???」

 

「そもそも、アレ等は人が人である為の保証であって人生を保証するモノではない。なら、誰がその人の人生を保証するのかと言えば……本人以外に保証なんて出来るハズがないだろう?確かに、保証されている様に感じるかも知れないけれど……全く、一切、保証なんてされていないから(笑)。そんな、気分にさせられているだけだから」

 

ある意味、詐欺みたいなモノなのだそうだ。

それで、未来に対する【不安】が解消されるのなら安いモノだと師匠は笑う。残酷なまでに、現実的で一切の甘えを許さない師匠の言葉は手加減なく俺の心を抉って来る。それは同時に、この世界に放り出されたSAO原作関係者にも向けられている言葉であると理解して二重の意味で戦慄した。

 

「ま、それは転生者達にも言えるんだけどね……」

 

三重の意味ッスか!?でも、転生者の人生は神様に保証……されてないッスね。

保証されているのは、次世への転生と特典だけだ。

支援とて、用意された口座に当面の資金としてお金が振り込まれるけど……十八歳までしか受けられない訳だから、大体約十年しか保証されない事になる。

俺の場合は、最短で九年だった。

基本的に、転生者は赤ん坊からの人生ではなく……四、五歳くらいからか、ある程度成長してから九歳の姿で転生させられていた。

即ち、親を用意するか否かの違いだ。

だが、親を用意するよりお金を出す方が安上がりになるのだと師匠は言う。

 

「人生の保証って、なんなんッスかね?」

 

「衣食住を含めた、日々の生活じゃないか?水準は、前の世界レベルで親兄弟親族を含める自分が本来歩むハズだった生活だろ?」

 

「それ、無理じゃないですか……」

 

「更に言うなれば、その歩みの間に得られるハズだった金銭や物品を含めたら、どれだけ膨大な欲望になると思う?」

 

「終わらないじゃないですか!?」

 

「終わらないよ?人間の欲望なんて、無限に湧き出るモノだもの。でもまあ、その保証をするべきは僕達ではなく転生者だ。彼等が力を失えば、今度は彼等が迫害されて生きる事となるだろう」

 

「そしてそれは、自業自得だと師匠は言うんですね?」

 

「ああ、そうとも。だからこそ、検証班に転生者を交じらせておいたんだ。その未来を憂いたがこそ、歩み寄らせる為にな?」

 

「何処までも、策略だらけなんですね……」

 

「策を巡らせずして、平和な世界なんて至れないよ!これでも、頭の痛い日々を過ごしているんだよ!!」

 

「面倒極まりない日々ですね……」

 

「そう思うなら、原作と恋愛云々言わずに翼とだな……」

 

「それはそれ!これはこれ、です!!」

 

「……………………」

 

バッサリ、拒絶すると師匠は半目で俺を見上げて来る。

そんな顔されても、こればっかりは俺のアイデンティティーなので譲りませんよ?【リリなの】の原作人物と恋愛は、俺の悲願なんですから!結婚して、ハーレムを築くまでは諦め切れません!

 

「死ね、変態!!」

 

「あ!ほらほら、お客さんですよ!!」

 

「チッ……目障りな。殺れ!」

 

「あ!?や、殺っちゃ駄目ですよ!?殺っちゃったら、ダメですからね!?無力化!無力化するだけですから!!」

 

微妙にお怒りな師匠が、『OK』サインなんて出すモノだから使い魔の皆さんが回り込もうと進軍していた転生者達を惨殺しようと動き出す。だから、殺しちゃ駄目ですってば!あ、そこ!トドメを刺そうとしないでください!!

等と、指示を出して止め様とするが……師匠が、俺の隣で『殺れ!』『殲滅しろ!』とか言うので、使い魔さん達が混乱して優先度の高い方の命令に従おうとする。

 

「ええぃ!黙ってろよ、師匠!!(怒)」

 

「おまっ!?なんて、口の聞き方するんだ!?」

 

「うっせぇ!捕縛だ!!無力化しろ!!」

 

つい、うっかり手まで出ちゃって……後で、ヤミさんに殺され掛けるけど、それはまた今度。

今は、インプ領解放戦が優先です。

 

閑話休題。

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

戦況は、現在原作側が押している状況だ。

しかし、押してはいるが良い感じかと言うとそうではない。

理由は、原作関係者であるインプ達が転生者の味方をしているからである。理由はわからないけど、彼等は転生者達の盾となり剣として前線で戦っていた。説得は、していない訳じゃない。

なのにインプ達は、他の原作組からの説得を受けながらも転生者達の命令を聞いて敵を廃除しようと動いていた。

 

「どうなってるんですかね?」

 

「つーん……」

 

師匠は現在、俺が殴った事に腹を立てていてまともに相手をしてくれない。完全にへそを曲げて、拗ねてしまっていた。

ぶっちゃけ、とてもウザい。なんで、こんな時に子供化するんですか!?一番、必要な時に使えない師匠である。

ついでに言うと、先程の事に関して俺は謝ってはいなかった。

だって、あれはどう考えても師匠が悪いモノ……でも、助言は必要なので相談には乗って欲しい。ふて寝してないでさぁ……。

 

「師匠、拗ねるのは後にして下さい!」

 

「拗ねてないよー……」

 

「拗ねてるじゃないですか……」

 

「拗ねてないよ!」

 

「声が、拗ねてます」

 

「元から、こういう声だし!」

 

「意固地にならないで下さい」

 

「意固地になんてなってないよ!」

 

「じゃあ、頑固者!」

 

「誰が、何万年も生きてるヨボヨボボケ老人か!?」

 

「誰が、何時、そんな事言った!?ってか、戦況見て助言しろ!!」

 

何で師匠は、俺の小言を連想ゲームで発展させるかね!?

ただ、『頑固者』って言っただけじゃないか!もしくは、ストレートに『ボケ老人!』と言った方が良かったのかも知れない。

 

「この、ボケロウジンガー……」

 

「……………………」

 

棒読みだったけれど、言ってみるだけ言ってみた訳だが……思いの外、衝撃を受けた様子でこちらを凝視してくる師匠。

あー……『ボケ老人』は、駄目な分類なんですね?わかりました。

 

「ドレ()モンだ……」

 

「は?ドレ()モン?」

 

ドレエモン?それは、一体何処のドラ○もんですか!?

 

「神崎、彼等は奴隷だ!」

 

「はあ……ドレイ……は!?奴隷!?え、は?奴隷ですか!?」

 

「そうだ。転生者の中に、隷属魔法が使える奴がいるんだ!!」

 

「はああぁぁぁ!?ふざけんなよ!?隷属だぁ!?」

 

何処の馬鹿だ!?そんな、人を舐め切ったクソ魔法を特典で得た野郎は!?阿呆ですか!?阿呆なんですね!?頭のどのネジを取ったらそんな発想になるんですか!?つーか、人を人と思わないクソ野郎がこの世界に交じっているなんて許せません!!

 

「人を人と思わぬクソが!殺しましょう!」

 

「ハーレム云々言う奴が言ってもなぁ……」

 

「それはそれ!これはこれ!です!」

 

「ハーレム……あんなのの、何が良いんだ?搾られるだけだぞ?最終的に、血が混じってピンk」

 

「止めて!それ、聞きたく無いです!!」

 

ピンクどころか、真っ赤な血が吹き出るとか言い出しそうで俺は耳を塞いで蹲る。しかも、立たなくなるとか薬で無理矢理とか言い出すから余計に聞きたくは無かった。

良いじゃん。ハーレムに幻想を抱いても、思い浮かべるだけなら至って平和じゃん。

それに、わかってるし!知ってるし!!

そういう、特典やスキル無いとあっという間に枯れ果てるって事くらい。無尽蔵な体力と、無限に湧き出す精力がないと難しいって事も。全てわかった上で、俺はそのめくるめく快楽の日々を求めているんだ!!

 

「多分、君が思い浮かべる理想と現実のハーレムは全く別物だと思うよ?それに、過ぎた快楽なんて拷問と変わらないから途中で逃げ出すハメになるだろうし……」

 

「俺は、逃げないよ!てか、俺の夢を邪魔すんな!!」

 

「フムフム。所でさ、そのハーレムに入る女性達がある程度の体力を持っていた場合……君一人の体力で、何とかなるの?」

 

「は?」

 

「いや、だからさ……君の限界値からして、体力問題は大丈夫だとは思うけれど……なにょはママ達も、そこそこの体力あるよね?まあ、アリちゃやすじゅかは人並みだとしてもフェイト姉やなにょはママの体力は人並み以上だと思うんだ。そこに、三段腹のはにゃてにシャマル先生達を入れるんだろ?はにゃては、良いとしても……シグナムの体力は、君に近いんだよねぇ。さて、彼女達をハーレムに入れるとして君は何日程で限界に至るのかね?」

 

もう、嫌だぁ……なんで、そんな現実的な話を振って来るんですか!?師匠に言われて、ハタッとその事に思い至った俺は半泣きで師匠を見上げる。

すずかや、アリサやはやては問題ない。

しかし、半日中訓練等で動き回れる体力馬鹿な彼女達を考えると時間的に全員を抱き続ける事は出来そうもないのである。

 

「人間であっても、《神殺し》であっても……一日二日なら問題なくても、24時間を毎日は持たないんだよね(笑)。そりゃ、一ヶ月耐久戦をやった奴や半年間寝なかった奴も居たけど……前者は、事務仕事オンリーで生命維持装置フル稼働だし、後者は精神生命体だから出来た事だからねぇ」

 

肉体を持つ者が、激しい運動をしつつ毎日を起きていられるハズがないと師匠は断言した。だからと言って、精神生命体化するとた性的欲求が薄まってハーレムなんて考えが吹っ飛ぶらしいし……色んな面倒があるとのこと。

 

「まあ、どうするかは君次第だ。さて、話は戻る……インプ領の者達が、奴隷紋を付けられている件だが……あれでは、意識があったとしても説得による解放は難しいだろうね」

 

「うぅ……俺のハーレム……」

 

ポッキリ、俺の心をへし折って本来の話を続ける鬼はこちらを気にした感もないまま、話をドンドン進めて行こうとする。酷い。

とは言え、彼方の話も重要なモノなので師匠の思惑通りに話を聞かざるを得ないのはちょっと悔しかった。

クソォ!転生者めぇ!

 

「解放とか、出来ないんですか?」

 

「出来るけど。でも、先ずはユージーン達に報告してお伺いを立てる必要があるだろうね。ああ、奴隷紋の事はちゃんと話さないとイケないよ?隠蔽なんてしたら、それこそ此方の立場も崩れかねないからね。彼等には、今、信用出来る存在が必要だから」

 

「それは……そうかも知れませんが……」

 

「もめるだろうね。でも、その特典は破棄させるし……必要とあれば、見せしめとして殺してしまえば良い。もう、この世界はゲームと乖離してしまったんだ。なら、彼等も夢から覚める必要がある」

 

師匠は、強制的に転生者を現実と向き合わせる気らしい。

 

「何はともあれ、ここを指揮出来る使い魔に預けてユージーン達がいる前線に向かうぞ?」

 

「ああ……やる気が起きない……」

 

「え?ビーストに、噛み切られたいって?」

 

「はっ!?ちょ、そんな事一言もーーー!!」

 

反論しようと振り返ると、目の前には黒い獣が立ち塞がっていた。

赤いギラギラとした目が、俺を睨み付ける。

あ、これ……アカンヤツや……。

 

「ヴァルフ!後は、任せたぞ!行っけぇ!!」

 

「ギャアアアァァァァ!!!!」

 

『ヴァルフ』という使い魔の顔を拝む前に、俺はビーストに追い掛けられてその場から有らん限りの力で思い切り走り出した。

捕まれば、俺はビーストに噛まれるだろうし、下手をすれば肉を噛み切られる可能性があったからだ。

しかし、奴隷紋についてはSAO原作関係者に打ち明ける必要はないと思われる。そんなモノは、インプ達を解放してから……あ、詰んだ!?言わなかったら、インプ達から他の妖精達に告げ口されて信用を失うという結論が出たので師匠の方が正しい事が理解出来てしまう。

うん、これはアカンヤツですね!わかります。

しかも、師匠の言い分だと奴隷紋には感情を抑制する機能もあるらしいので余計に言わざるを得ないらしい。

 

「感情抑制ですか……」

 

「好きでもない者に、強制的に恋心を植え付けたり……好きでもない嫌な行為を、あたかも好んでやっている様に見える様に行動したり?『ヤラセ』のハズなのに、本人から行動させる事で命令した訳じゃないという言い訳でのらりくらりされてみろ」

 

「最悪ッスね。つーか、アスナ達ヤバくないですか?」

 

「翼も、見目は良いから欲情の対象になってるかもな……」

 

「殺しましょう。百害あって一利無しです。もう、転生者はアルンのヲタク以外を皆殺しにした方が良いです」

 

「感情的だよな?間違いなく、感情的になってるよな!?」

 

「師匠!先行します!!」

 

「これで、感情的になってないっていうんだから鈍感としか言い様が無いんだよなぁ……」

 

師匠は、ゴチャゴチャと何かを言っていたが俺はアスナ達原作ヒロインの安否が気になって仕様がないので、師匠とビーストを置いて先行する。瞬動術を連続して行使し、一気にスピードを上げて前線を目指す。

待ってろよ!原作ヒロイン!!

変態(奴隷趣味)共の視線から、今助けてやるからな!?

 

 

 

……………………。

 

 

 

そして、俺は前線に辿り着く。

その時には、翼がグッタリと倒れていて、厭らしい笑みを浮かべた男が翼にナニかをしている場面だった。

自分の視界は、何故か翼の姿だけがあって……俺は、何かカラダから力が抜けて行くかの様な感覚を得ている。

なんで、そんな状況になったのか理由は不明だが……

 

翼が、

 

     倒れて、

 

           いた。

 

気絶しているのだろうか?

ここからでは、ちょっと遠くてわからない。

その内、ゲビた笑みを浮かべた男が翼の首筋に光る指を押し当てようとした。それが、何なのかはわからないが……酷く嫌な感じがしてーーー。

次の瞬間には、視界が物理的に真っ赤に染まっていた。

 

    頭が、

 

 状況を、

 

        全く、

 

             理解して、

 

  くれない。

 

驚愕に、固まっていた厭らしい笑みを浮かべていた男の仲間?と思われる者がこちらを見て何かを叫んでいる。

不快だったので、そいつも殴り飛ばして翼から遠避けた。

すると、先程の男が仲間を呼んだのか木々の影から転生者と思しき男達が現れる。

見た目は、普通に冒険者ッポイ誰か。

だけど、妖精では無い事だけは知れたので拳で殴って遠避ける。

しばらくすると、男達は何かを叫びつつその場から逃げて行ってしまった。舌打ちをして、倒れている翼の元へ駆け寄る。息はしているし、外傷もないから気を失っているだけだろう。翼を介抱している場へ、師匠が血に濡れた剣を手に現れたので文句をいう。

 

「遅いです!」

 

「遅かねぇよ(怒)。お前が、一人目を殺した所で追い付いたよ!」

 

「一人目?殺した???」

 

「コイツ……そうだよ。怒り狂ったお前が、一人目の頭を消し飛ばした所に僕が乱入したんだよ!!」

 

「はぁ……怒り狂ってはいませんが……」

 

「コイツ……マジで、覚えていやがらねぇ……」

 

「姉様の安否で、頭が一杯だったのでしょう。Master」

 

「これで、気にもならないって言うんだから正気じゃねぇな……」 

 

「間違いなく、姉様は兄様の心を鷲掴みにされておられる様ですね。兄様に、自覚は無さそうですが……」

 

「普通に、殺しに行く辺り危険人物だな……」

 

師匠とリリィ達が、本人を前にある事無い事を色々言っている。

だが、この中でも気になる事はあたかも俺が翼に惚れているって事が一番引っ掛かった。何度も言う様だが、俺が翼に惚れているなんて事は絶対にあり得ない。俺は、転生者である翼(リアル女)ではなくてアニメの登場人物と恋愛をする為に転生したんだ。

断じて、翼とそういう関係になるつもりも予定もない。

いや、そんな疑わしそうに半目で睨まれても本当にそんなつもりも予定もないですから。

そりゃ、翼程の良い女を逃すのはモッタイナイですが……リアル女ですし……前から言ってますけど、俺は、【リリなの】のヒロイン達とイチャイチャする為に転生したんですって!!

その望みを、諦めて翼と付き合う事はありません。

 

 

 

 

 




ブチギレ神崎くん回。でも、本人は完全否定。
でも、本気のブチギレモードです!!
これ、絶対、翼の事好きですよね!?
ベタ惚れじゃないですかーやだー(笑)。
なのに、全力否定。もはや、固定概念となっている様な気がします。【リリなの】の原作ヒロインとラブラブに成りたいっていう願望を固定概念として翼への想いを否定する御馬鹿さんです。リアル女だからとか、転生者だからとか言い訳せずに付き合っちまえよ。ガチで、女王様ルートに突っ込ませるぞ!?尻に敷かれて、カカァ天下に貶めるぞ!?
まあ、その方が読者的には面白いんだけどねぇ(笑)。
恐怖のカカァ天下(笑)。通称、女王様ルート。
クックックッ……神崎くんが、泣きながら原作ヒロイン達に断りの言葉を告げる場面がイッパイ(笑)。そして、浮気しようモノならグチャッと握り潰されるんですね?わかります。
その上、翼の体力はサイヤ人並みなので神崎は気絶するまで搾り尽くされます(笑)。恐怖のカカァ天下です(笑)。
今のところ、翼も否定してるけど……まあ、間違いなくオリジナルと融合したら女王様になるんじゃね?(予想)。

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m(_ _)m

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