絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二五九話

Re:

 

 

「師匠、折り入ってお願いがあります!!」

 

「何だ?かしこまって……」

 

その日、第22階層の『森の家』裏にある秘密基地内で俺は師匠の目の前に土下座姿で事に当たった。それを心配そうに眺めるのは、セイバー含む師範代達である。兼ねてから、セイバーの主にされた事を疑問に思っていた俺は師匠がのんびりとしているのを見て突撃してみた次第だった。

 

「セイバーの主を、俺以外にしていただけないでしょうか?」

 

「え、何?不満なの?」

 

「セイバーに不満はありませんが、気まずいんです!女と見ない様にはしていますが、それでも難しいんです!!」

 

既に、セイバーの心には衛宮士郎という男が居座っているのだ。

だから、俺としてはセイバーを女として見るのではなく剣士として見ているのだが……それを、師範代達が邪魔をしていてとても困っていた。主に、翼からの視線とか……元主の憎しみの籠った視線とか。なので、出来れば解約したかったんだけど。

 

「良いじゃん。剣の使い手としては、最高の人材だぞ?お前も、似た様な剣を使うんだから彼女の技盗んじゃえよ……」

 

「それは、そうなんですが……お願いですから、主の変更を!!」

 

「断る。ついでに、コミュ障も治しとけ……」

 

「俺のどこが、コミュ障だと!?」

 

「お前、女限定でコミュ障になるだろう?」

 

「……な、なってないじゃ無いですか!?」

 

「おーい、翼。コイツ、コミュ障じゃないとか抜かしてっぞ?」

 

「コミュ障でしょ?」

 

「ちょ!?ちがっ!?」

 

「という訳で、却下な?」

 

「コミュ障なんかじゃねぇ!!」

 

等と、叫んでみたものの俺がコミュ障であるという事は訂正できなかった。というか、俺はコミュ障などではないハズだ。

(注:コミュ障は、別の人wwww)

それはさておき、セイバーの元主の願いであったセイバー返還は師匠の了承を得られない為無理そうである。流石に俺も、魔法や魔術についての知識は無いので自力で解除するなんて事は不可能だった。これで、もし師範代達に魔術や魔法の知識も!等と言った場合は座学が増えるだけなので勘弁して貰いたい。

という訳で、セイバーの主は続行で俺は針のむしろという現状に甘んじて浸らねば成らなくなった。

クソッ!誰か代わってくれ!!

それと、師匠が俺を『コミュ障』と言った意味がわかった。

正確には、俺ではなくてセイバーのコミュ障を治せという意味だったのだ。言われて、セイバーがとんでもないコミュ障だった事を思い出す。コイツ、それのせいで国を割ったんだよな……全く、面倒な。ちゃんと、家臣とのコミュニケーションくらい取っておけってんだ。お前がサボると、関係ない者まで巻き込まれるんだから堪ったモノじゃない。王様なんだからさ!!

とは言ったところで、既に終わってしまった話なので今更どう言おうと後の祭りである。なので、色々言いたい事はあったけれど口を継ぐんで視線をあらぬ方向へ。

 

「それにしても、レベル二千万のドラゴンって何処に居るんでしょうね?表を飛び回っている様にも見えませんし……」

 

話の流れを断ち切る様に、俺は今一番気になる事を聞いてみる事にした。ずっと、疑問に思っていた事なのでこれが解消されれば今の任務の半分が解決する事になるのだ。だと言うのに……。

 

「ああ、それな……多分、嘘じゃね?」

 

「は!?」

 

割りとアッサリ、バサッと切り捨てられたその疑問。

だがしかし、未だ未確認であるレベル二千万のドラゴン情報をサクッと切り捨てて、本題を公開する師匠をどうすれば良いんですかね?つーか、【組織】からの依頼が『嘘』だったなんて信じられない。てか、ドラゴンが偽情報だなんて嘘ですよね!?

 

「そもそも、そんなレベルのドラゴンなんて居ないんじゃ無いかなぁ……」

 

パラ、パラ、と雑誌を捲りながら師匠は大前提である依頼を否定した。つーか、レベル二千万のドラゴンが居るから俺達がこのSAOモドキ世界に来たんじゃ無かったんですか!?

 

「ど、どどど、どどういう事ですか!?」

 

「動揺し過ぎだ……つまり、だ。この世界が出した本当の依頼っていうのが……実は、妖精と転生者の関係や状況の打破であってレベル二千万のドラゴンとかじゃ無かったんだよ」

 

「えぇ!?って事は、セイビアさんに担がれたぁ!?」

 

「きっと、僕達を誘き寄せる餌だったんじゃね?」

 

要は、それと同等の難易度があるクエストなのではないか?というのが師匠の見方だった。もし、普通に依頼されてたとしたら『面倒臭い!』と切り捨てられていただけだろうし、誰もこの依頼を受けなかったに違いない。なので、セイビアさんは一計を盛って俺達にこの依頼を受けさせた訳だ。

 

「もしかすると、本当にレベル二千万のドラゴンがいるかも知れないが……どんだけ、レベルが高かろうが僕達《神殺し》の敵ではない。むしろ、別の問題の方が僕達向きだ」

 

そう言われてみれば、本当に嘘だった気がしてくるから不思議だ。

もし、ドラゴンの方が嘘だったとするのなら俺達がこの世界でやるべき事は間違いなく妖精に関わる何かなのだろう。

その場合、師匠がいう様にレベル二千万のドラゴンに匹敵する『何か』をやらなければ成らないらしい。

 

「まあ、前回の様子と難易度を見る限り世界創生に関わる『何か』なんだろうなぁ……難易度的に、そうだと思うぞ?」

 

「世界創生ですか……面倒そうですね……」

 

「うん。とっても、面倒臭い依頼だな!」

 

あ、師匠が満面の笑顔で言い切ってる……ってことは、本当に面倒臭い依頼って事だ。ぶっちゃけ、押し付けられる依頼という事らしい。しかし、今回はセイビアさんを経由して来た依頼だからうっかり受けちゃったとのこと。レベル二千万のドラゴンは、それだけ師匠に取って魅力的だったのだろう。

 

「いずれにしろ、【組織】の奴等はとっちめるから安心しろ」

 

《キィン!》

 

おや?とウィンドを開いて見れば、唐突に変なメールが届いていた。中を見れば、いつどうやって知ったのか……妙な指示が書かれている。とりあえず、誰からのメールかはわからなかったけど指示に従ってみた。

 

「あ、いえ……とっちめなくて良いです」

 

「遠慮すんな♪」

 

「あー、はい」

 

最高に良い笑顔をする師匠に、俺は屈服して了承した。

つか、最高に良い笑顔の師匠はとても恐いです。こんな師匠を止めるなんて、俺には出来そうにないので変な指示メールは送って来ないで下さい。とりあえず、『失敗しました』のメールを返信してウィンドは閉じておく。

差出人不明のメールは、アドレスが文字化けしているにも関わらず普通に返信できた。その事を疑問に思いつつも、俺はそれを気にしない様にして師匠に向き直る。

 

「所で、『???の欠片』とかどうなったんですかね?」

 

「ん?黒い獣のドロップするアイテムか?それについては、鉄達が戻ってから確認する他無いな」

 

多分、というか確実に転生者が加えたモノから吐き出されるソレについて、絶対ヤバいモノかチートアイテムだとはわかっているのだが……今のところ詳細はわかっていない。転生者に聞いても、『凄い武器が手に入る』の一点張りで……その『凄い武器』についても何もわからず終い。ただ、『???の欠片』を鍛冶師に渡してインゴットにすれば良い的な事しか聞けなかった。

その上で、大富豪クエストの話がチラホラと上がっていたのでアレもその『凄い武器』に纏わるモノだというのが理解出来るだけだ。なので、『???の欠片』を鍛冶師に渡してインゴットにして貰わなければ成らないのだが……前回はそこまでアイテムが揃っておらず見送りとなった。というか、インゴットにする為に『???の欠片』が一万もいるとか……どんなマゾクエストだ!?と思わないでもない。しかも、武器の種類分だけ集める必要があるとか……最悪としか言いようがない。その結果、『???の欠片』が10万個必要だと言うんだから目も当てられない。

ただ、リズベットが言うにはインゴットの他にもう一つ別の項目が出るらしいのでその分も集めなければならなかった。

なので、鉄達には『???の欠片』11万個の収集をお願いしてある。その収集が、終わっているのなら戻ってきた時に報告があるハズだ、当然、その場には翼も来るだろう。

 

「……はぁ。どうしたものか……」

 

前回の【リリなの】で、俺は二度程『翼』のインスタント・ソウルに出会っている。もし、あれがオリジナルだったとして俺はちゃんと連れて来られるのだろうか?もし、今回の様に取り逃がし、保護出来なかった場合でも彼女に告げる事が出来るのか……それも、怪しい。

 

「神崎。余計な事は、考えるな?深みに嵌まるぞ?」

 

「ちょ!?心を読まないで下さい!!」

 

「読んでない、読んでない……」

 

「嘘だぁ!!」

 

「嘘じゃないから、落ち着きなさい……」

 

「うぅ……」

 

「…………また、『きゃるーん☆♪』させるよ?」

 

「落ち着きました!!」

 

ふぅ…危ない危ない。師匠が、低い声で脅して来たから俺は正気に戻ったけど。またもや、強制セットアップさせられるところを寸前で回避。あんなブリッ娘な俺を、戻って来た鉄や翼に見られでもしたら死んでも死に切れない。戻って来ないかもだけど、最近はLUKが下がっている様な気もするので先手を打てるなら打っておきたい。一番良いのは、ダーティー・ニーズに掛けられている呪いを自力で解除出来れば良いんだけど……術式が、複雑過ぎて断念せざるを得なかった。

 

「結局、こんな呪いを考え付いた人は誰なんですか?」

 

「【鮮血の】でない事は、間違いないね。アイツは、科学オンリーだから魔法や魔術を嗜んでいる奴等だよ(笑)」

 

「……成る程」

 

つまり、脳筋や科学系は除外出来る訳だ。と言っても、【組織】での知り合いはほぼ居ないので誰が何を専攻しているのか全くわからないんだけどね。それでも、はっちゃけた魔法魔術専攻の技術者である事は理解できた。その内、師範代にでも教えて貰えれば良いので師匠に犯人を聞くのは止めておく。

どんな悪戯をされるか、わかったもんじゃないからな!!

嘘を教えられて、鬼門とされる人を指定されないなんて可能性はゼロでもないし。下手な悪魔を紹介されたら、もっと酷い目に遇いそうだ。無いとは思いたいけど、100パーセント大丈夫とも言えないので黙っておくに越した事はない。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

師匠は、無言で雑誌?を読んでいるけど俺は段々気まずくなって来る。別に、悪い事をした訳でも無いのに師匠が黙っていると言うだけでこんなに気まずいとは。ツッコミを……ツッコミをお願いします。普段なら、余り良くない事を考えているとすかさずツッコミが入っていたのにそれがないとこんなにも不安になるとは思いもしなかった。なので、ついすがるような視線を向けてしまうのだが師匠はスルーを決め込んでいる。

これは……ツッコミ無しなんですね?

クソッ!超気まずいので、俺は師範代達を誘って軽く運動する事にした。鉄達が戻って来るまでなので、そんなハードな事にはならないだろうと予想しての誘いだ。

 

「……………………成らないよね?」

 

 

……………………

 

 

……………………

 

 

……………………。

 

 

予想が外れて、超ハードな運動に成りました!!

最近、こんなんばっかりの神崎大悟です!ぶっちゃけ、最初は軽い気持ちで師範代達を誘ったのに……気が付けば、セイバーをも巻き込んで超ハードな修行をやらされてました!!結局、鉄達が戻って来たのは数日後で……その間俺は、超ハードな修行でヒィヒィ言わされるという体験をしてた訳だ。

 

「早ぅ、戻って来いや!?」

 

「戦後処理で、中々動けなかったんですよ!てか、さっさと戻って行ったのはそっちでしょう!?何で、手伝ってくれなかったんですか!?」

 

「師匠が、大富豪クエストが心配だって言ったから?」

 

「あー……好感度……大丈夫だったんですか?」

 

「大丈夫だったらしい。解放戦中も、ソワソワしてたからなぁ」

 

「…………納得です。でも、神崎さんくらいは残って欲しかった」

 

「すまん。師匠を放置出来なかった……というか、セイバーとの契約を解除して欲しくて追い掛けたってのが本当の理由……」

 

「……めっさ、睨まれてましたもんね……」

 

「今も、めっさ睨まれてるけどな……」

 

二人で、チラッと秘密基地入り口方面に視線を向けると……ボロボロの姿で、壁に寄り掛かるセイバーの元主人である転生者が俺を睨んでいた。その様子からは、ここに来るまで偉い目に遇った事がありありと理解出来る。ボス戦に、通常モンスターに散々な目に遇わされたのだろう。そして、攻略途中で師匠に拾われてここまで来たらしい。正確には、第10階層で転移門から師匠が現れたのを見て、使えないと思い込んでいた転移門が使えるという現実に凹んでいたらしい。正確には、転移門は第5階層辺りから普通に使える。だが、そんな事を知らない彼はヒィヒィ言いながら第10階層まで徒歩で上がって来たらしい。

 

「御苦労様です」

 

「お疲れ様です」

 

「転移門、使えないんじゃなかったのかよ!?」

 

「普通には、使えないよ?」

 

「アシストシステム外での、魔力操作頑張って?」

 

「詠唱外での、魔力操作が使えないと跳べないよ?」

 

「つっても、第1階層から第10階層くらいまでは任意の階層への転移は不可能だけどね。使ったら、第1階層に戻されちゃう……」

 

「マジか……」

 

「マジだ。なんで、第11階層からでないと、自由にウロウロ出来ないからな?つーか、そもそもお前等がNPCを奴隷にしてなければこんな事には成らなかったんだけどな……」

 

「アレは、別に俺等がやってた訳じゃねぇよ!アレは、スプリガン領の奴等がやりだした事で……ストーリーが進まなくなるから、俺等は反対だったんだ!!」

 

「そうなのか!?」

 

「あんまりにもウザいんで、FFのバハムートが召喚出来る奴に協力して貰って潰したんだよ!!」

 

スプリガン領消失の理由に、そんな裏話があったなんて全く知らなかった。だが、大元はプチッと出来たらしいんだが……細かい組織が、未だに残っていて全滅には至っていないらしい。

 

「なんて、面倒臭い!!」

 

「それで、ストーリーは進みそうか?」

 

「お前等のお陰で、かなり攻略が進んでいるんだろう?」

 

「まあ、50階層までは何とか……」

 

「おぉ……マジでか!?」

 

「キリト達の協力あってのモノだけどな……」

 

「それに、『凄い武器』の攻略もしてるんだろう?」

 

「その『凄い武器』は、結局どんなモノなんだ?」

 

「『凄い武器』は、『凄い武器』なんだよ!つーか、それよりも俺的には大富豪クエストの方が美味しいんだけど……」

 

「そうなのか?」

 

「ああ。大富豪の好感度をある程度上げると、特殊なクエストを受けられる様になるんだ。そのクエストの報酬が、最高にさぁ美味しいんだよ。お金に、アイテムに、更にはキリト達の武器とかも得られるんだぜ?」

 

「あ、それはもうGETした」

 

「は?マジで!?」

 

「キリト達に取られたけどな……」

 

「oh……マジかぁ……じゃあ、後はアルヴヘイムの高ランク武器とアインクラッドに追加された神様特典の聖・邪武器……それから、『凄い武器』シリーズのみか……」

 

「待て、なんか知らないモノが出たぞ?」

 

「アルヴヘイムの高ランク武装は良いとして……神様特典の聖邪武器ってなんだ!?それに、『凄い武器』がシリーズ???」

 

「あー……『凄い武器』の詳細は知らないけど、神様特典の聖属性&邪属性武器は有名だな。この世界に来た時に……原作では茅場のオープニングだった訳だけど……ここでは、神様特典の聖属性&邪属性武器のデモンストレーションが行われたんだ」

 

その威力の凄まじさは、多くの転生者の心を奪って行ったらしい。

それで、躍起になった転生者達は我先にとその武器を求めたらしいんだが……第3階層のボスに呆気なく返り討ちにされて、そこから先へ進めなくなったとのこと。しかも、モンスターまでもレベルアップするなんて思ってもなくて、多くの転生者がこの世界をクゾゲー扱いして安全領域に引き籠った。

その結果、スプリガン領のアホゥ共が娯楽求めてNPCを奴隷にするなんて暴挙に出たらしい。そこからは、俺達も知っている通り第4階層で鉢合わせして返り討ちに合い、スプリガン領のアホゥ共はアルヴヘイムのNPCまでに手を出してバハムートのメガフレアに沈んだとのこと。

 

「お前等……色々、やり過ぎだ!!」

 

「えへへ……」

 

「「誉めてねぇよ!!」」

 

「知ってる。でもよ、それくらいしないとこの世界の頂点には立てないって言われたんだよ!因みに、主人公云々は一部の馬鹿共が言ってるだけで、俺等は世界最強を目指して戦ってんだ!!」

 

「世界最強?つまり、俺TUEEEって事か?」

 

「あー、まー、似た様なモンだ。でよ、最強の武器と武具集めてアインクラッドを第100層まで制圧したら、アインクラッド第10階層で世界一を決めて……優勝した者は半年間アインクラッド第100層の主に成れるんだよ」

 

「で、半年置きに世界一を決めるのか?」

 

「いや、三年置きだな。じゃねぇと、NA☆I☆SE☆Iとか出来ないじゃん。アルヴヘイムは、また別の世界なんでアインクラッドの主システムとは別なんだけどさ……」

 

「NAISEIって……そんな事も視野に入れてたのか……」

 

「色々、考えるねぇ……」

 

「まあ、今はもう大まかなシステムがダウンしてっから俺等の考えたシステムは使えないみたいだけどな……」

 

「システムダウンというか……別の世界というか……」

 

「大体の話は、アルンで聞いたよ。それをしないと、世界が消えてた事も含めてな。だから、まあ、仕方がなかったんじゃないか?俺は、それを決めた奴等を恨むつもりもねぇよ?てか、そんな現状を知ってたら俺等でも似た様な決断してたと思うぜ?」

 

「なんだ!?コイツ、いきなり大人になったぞ!?」

 

「うおい!そりゃ、酷くないか!?」

 

「てか、セイバーの主になったのって恋愛感情ありきだろ?」

 

「うぅ……そりゃ、まあ、下心がないとは言えないけど……」

 

「まさか、衛宮士郎に心奪われた後のセイバーが来るなんてな?」

 

「くっ……笑いたきゃ笑えよ!!」

 

「「笑わねぇよ……」」

 

「ど、同情するくらいなら返せ!!」

 

「返したいのは山々なんだが……俺が、契約したくてした訳じゃないから解約出来ないんだよな……」

 

「…………契約した奴に解約を頼めば良いだろう?」

 

「もう、頼んだけど……断られた……」

 

「マジで!?何で!?」

 

「あー……あの人、天の邪鬼ッポイもんなぁ……」

 

「悪戯大好きだし、人が困ってるの見て喜ぶし……」

 

「おぉう……た、大変そうだな……」

 

「「助けて欲しい……」」

 

「えっと……」

 

俺と鉄の思いに、ドン引きした転生者は苦笑いしつつ視線を反らした。つまり、助けて貰えない様だ。誰か、あの人を何とかしてくれないかなぁ?切実に!!

 

「とりあえず、『???の欠片』幾つ集まった?」

 

「ふふん。もう、10万個集まってるぜ!!」

 

「ふぁ!?マジで!?」

 

「そりゃ、バザー利用すりゃぁ簡単に手に入るだろ?」

 

「「バザー???」」

 

「うぉ!?コイツ等、ガチ勢か!?」

 

そう言えば、前に『バザー』があるとか何とか鉄が提出した報告書に記載されてたのを見た様な気がする。

だが、検証案件に埋もれて忘れ去られた報告案件だった。

 

「そういやぁ、そんな報告書を見た気がするなぁ……」

 

「そう言えば、そんな話を聞いた気がする……」

 

「これだから、ガチ勢って奴は……」

 

「何はともあれ、スイルベーンの復興にお金が必要だったから『バザー』については後回しにされた案件なんだよ!」

 

「スイルベーンの復興?」

 

「クレーターが、あったんだ。何者かに、攻撃されてさぁ……」

 

「お、俺達は知らないぞ!?」

 

「ああ、うん。それは、疑ってない」

 

「うん。アレは、転生者と敵対してた奴の仕業だろうから……」

 

「誰か、《ミートボール》でも使ったんだろ?」

 

「…………都市で?」

 

「「そう。都市で、《ミートボール》(笑)」」

 

「なんて、傍迷惑な……レコンめ……」

 

多分、レコンじゃないと思うぞ?

という訳で、『???の欠片』は10万個集まっているらしい。

 

「じゃあ、リズベット呼ばなきゃだな……」

 

「インゴットにして貰わなきゃ!」

 

「インゴットと宝玉が必要になるぞ?」

 

「「宝玉?」」

 

「おう。宝玉は、『???の欠片』が千個必要だからな?」

 

「千個!?じゃあ、後一万個は必要って事じゃないか!?」

 

「鉄。ここは、『バザー』の検証をする場面だと思うぞ!」

 

「ハッ!そうか、『バザー』で買えば良いのか!!」

 

「そうだ!『バザー』だ!!」

 

等と、盛り上っていた俺達だったが実際に『バザー』を利用してみて大いに落胆した。つーか、『???の欠片』千個に九千万なんて金額付けるなや!!買えへんやんけ!!結局、残り一万個は自力で集める事となる。だが、今は集まった分だけで検証するしかないので俺は鉄にリズベットを呼んで来て貰って、それ等をインゴットと宝玉にして貰った。

 

「とりあえず、インゴットと宝玉にしたけど……インゴットの方は武器が選べるみたいね……」

 

「ランダム作成じゃなくて?」

 

「ええ。だから、何を作りたいかで武器が決まるわ」

 

「じゃ、槍で……」

 

「俺は、両手剣で……」

 

という事で、俺と師匠は両手剣と槍を作って貰う。

だがしかし、出来上がった『凄い武器』は余り『凄い武器』ではなかった。何故なら、武器事態が皸だらけでボロボロな上に耐久性能が一しかないとか……攻撃力が、一しかないなんてクソ武器だったからだ。

 

「ナニコレ……」

 

「これが、『凄い武器』?」

 

「ただの、ひび割れた使えない木偶の棒じゃん!?」

 

「……………………いや、これ、『凄い武器』だよ?」

 

「は?何言ってんッスか!?どう見ても、ハズレ武器じゃないですか!!何処が、『凄い武器』なんですか!?」

 

「クリティカル出たら、即死。フロアボス含む……」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「「マジで!?」」

 

師匠の【真実の瞳】によって、看破されたひび割れ武器の性能は確かに『凄い』モノではあった。だが、その代償はちょっと納得出来るモノでもなく……やはり、使えない武器でしかない。

斬り・突き攻撃力1、防御力0、クリティカル率0,5%……クリティカル出たら即死。こんなモン、どうしろと!?

 

 

 

 

 




漸く、漸く!???関連武器の話が進んで来ましたね!!
フロアボス含む、ありとあらゆるモンスターを一撃の元屠る事が出来るチート武具!!だけど、攻撃力は1な上にクリティカルが出ないと砕けて消える消耗品です(笑)!!苦労した割には、扱いにくい『凄い武器』だけど……クリティカルさえ出れば、敵を一撃で屠れるので最強の武具に分類されます。
クリティカル率、1%以下だけどな!!出れば、即死の最強武器です!!ま、放置しますが(笑)。
正に、超面倒な消耗品!これを、作るだけでも大変なのに一度使えば必ず壊れ砕けて消える消耗品!!誰だ!?こんなモンを追加したお馬鹿さんは!?永久に使えなきゃ意味無いじゃんか!?ネタか!?ネタ武器なのか!?
???の宝玉、完成。
???の槍&大剣、完成。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

気が付けば、俺達は辺り一面真っ白な空間に居た。
周囲を見渡せば、俺と同じ様に周囲を見回しているクラスメイト達の姿が見える。ここは……と考えて、俺はハッ!?とした。まさか……まさか、ここは……天国ですか!?
そう思った瞬間、現れたのは人間とは思えぬ程の美女。
美女は、自らを『女神』と名乗った。そして、俺達が勇者召喚によって異世界に向かっているところだと告げる。
だが、俺にはそんな事はどうだって良かった。
ただ一つ、俺にはやらなければならない事があり、それを叶えられそうな存在が目の前にいる。『出来る!!ここならば、アレが……いや、やらねばならないっ!!』そう思ったら、居ても立ってもいられず俺の行動は早かった。シュパッ!と挙手して女神様にワンカップの瓶を要求する。

それを手にして、俺は宣言した。



「俺、はっちゃけます!!」



「チャラ~ラチャラ~ラ~ラ♪チャラ~ラチャラ~ラ~ラ♪チャラ~ラチャラ~ラ~ラ♪オラは死んじまっただぁ~♪「オラは死んじまっただぁ~♪」『オラは死んじまっただぁ~♪』『『天国に来ただぁ~♪』』」

俺の声に合わせ、男子生徒全員が歌い出す。
肩を組み、音頭を取って帰って来た酔っぱらいを歌い出す。

「『『天国良いとこ一度はおいで!酒は上手いしねぇちゃんはキレイだ!!わーわーわ、わ、わー!!』』」

略式の酔っぱらいを歌い切って俺は叫ぶ。

「オラ、オラはやったよ……母ちゃん!!」

ネタを、ネタで絞めました(笑)。
この後、彼等の行方を知る者は居なかった。
きっと、女神を綺麗なねぇちゃん呼ばわりした事で不況を買ったらしい(笑)。召喚って言われたのに『オラ死んじまっただぁ~♪』なんてまた馬鹿な事を……wwwww。

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m(_ _)m

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