絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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二九二話(凍真ルート?)

凍真

 

 

そうして、俺は【魔力操作】を習得した。

このスキルを手にするまで、それはもうとんでもない目に遭遇したりしたが何とかモノに出来て良かったモノである。

まあ、妖精『様』に言わせると超薄ノロな鈍感野郎という事になるらしいけど。だが、敢えて言わせていただきたい。理論的に理解するモノと、感覚的に理解出来るモノでは後者の方が難しい!!

更に、神様転生みたくセミオートな能力ではなく完全マニュアル能力なのでコントロールが非常に難しい。というか、セミオートで無ければ下手な操作で肉体や精神を傷付ける事が判明した。

ちょっとミスって、吐血した時なんてスッゲービビったけど。

妖精様が、アッサリ回復してくれる。

そもそも、彼女は初心者の回復要員としてここに来てくれているらしい。彼女の言う、『チュートリアル』は本当の意味での『チュートリアル』だった訳だ。だからと言って、安心していたりすると殴られるし蹴られる。

そして、今日も【魔力循環】のスキルを生やす為に【魔力操作】のレベルを上げる修行を行う。【魔力操作】を体内で行うと、また吐血する恐れがあるので一度外に出してコントロールする方式を取っている。まあ、【魔力操作】が出来る様になったので簡単な魔法も使える訳なんだが……これまで、使えていた魔法まで使えなくなっているので何らかのジャマー的なスキルが働いているモヨウ。

とりあえず、【魔力精密操作】が出来る様になれば【体内循環】を肉体を傷付ける事なく出来る様になるとのこと。その為には、【魔力操作】のレベルをMAXにする必要性がある。そうすると、【魔力操作】が進化して【魔力精密操作】が生えるという話だ。

因みに、レベルMAXは『10』とのこと。

先は、とてつもなく長い。そして、レベルMAXにするスキルはこれからドンドン増えて行くらしい。鬱だった。

 

「兎に角、出来うる事は全部して来なさい!【魔力操作】を覚えたんだから、魔法も使える様になったハズよ!!」

 

解禁されたらしいが、そもそも使える魔法はそれ程多くはないのが現実だった。ステータスを開いても、【生活魔法】くらいしかスキル欄には載っていない。

畜生!もっと真面目に、銀河さんの授業を聞いて置くんだった!!

後悔先に立たず……とは、良く言うが正にそれを自身で体現する事になろうとは。だからと言って、今更無い物ねだりした所で意味はない。例えば、ダメ元でアイテムBOXに手を突っ込んで『魔導書』を願った所で……出て来たよ。

『魔導書』、出て来たよ!?

慌てて、その『魔導書?』を捲ってみたらパラリと封筒が落ちる。拾って見れば、差出人がセイビアさんとあるので開いて読んでみた。手紙の内容は、『後悔先に立たず』のみ。

ええ、ええ!その通りでしたとも!!わかってるよ!?二度も三度も、見たり聞いたりせずとも『後悔先に立たず』だったよ!!今、全力で後悔してるよ!!

逆ギレだと、わかっていても神経を逆撫でされては逆ギレせざるを得ない。

 

「つか、チュートリアルって何時まで対応してくれるんだよ!?」

 

「はい。この目録で、確認すれば良いわ」

 

『チュートリアルクエスト』と書かれた目録を渡されて、その『クエスト』の多さに辟易とする。え?マジで、コレ全部ですか!?妖精様を見上げると、まだ何も聞いていないのに肯定されてしまう。あ、マジッスか。

 

「全部終わるまで、帰れないしここから出られないからね?」

 

「あ、はい。…………マジか……」

 

ははは。つまり、このチュートリアルって補習的なモノなんですね?そうですか……俺、補習を受けてる状態らしいですよ?

 

「追試とか、補習なんですね……」

 

「あら?察しが、良くなって来たじゃない」

 

「マジ、補習で追試かよ!!」

 

妖精様に肯定されて、俺は己の行いにツッコミを入れずにはいられなかった。

 

「ああ、それとついでなのでネタバレよ。……ここを中心に、四方にそれぞれ試験が用意されているわ。そこには、元は貴方の転生特典だったモノが待っているの」

 

「…………え?」

 

それって、つまり四聖獣ってヤツですか!?青龍とか、朱雀とか!?え、えぇ!?マジで!?ちょ、聞いてないッスよ!?

 

「彼等は、貴方から解放されて本来の力を取り戻し自由に走り回っているわね。それを今一度、調伏して貴方の力とするのが最終試練ね?」

 

『本来の力を取り戻し……』って、神様特典だった時よりも強くなっているって事ですか!?いや、あの……そんな試練、要らないんですけど!?つか、俺『隠鬼』なんですよね!?支援を旨とする、隠密なんですよね?無理じゃ無いッスか!?

 

「調伏って……無理です!」

 

「大丈夫よ」

 

「いやいや、それだと何十年と掛かるじゃ無いですか!?」

 

「大丈夫。だって、時間転移させて貰える事になってるから!」

 

「ちょ!?」

 

「ああ、そう言えば『カルラ』なんて武具もあったよね?」

 

「…………それも、探し出して使えと!?」

 

「RPGでは、良くある話じゃない?貴方には、神様転生した直後の貴方になって貰う予定よ?実力でね……例え、何十年、何百年掛かったとしてもね?」

 

「ーーーーー」

 

唖然……としか、表現する言葉を思い浮かべられなかった。

そりゃ、ゲームでは良くあるあるな話だけど……難易度、高く無いッスか!?ていうか、アレ等と一人で戦えと!?

 

「頑張れ。その為の、『チュートリアル』なんだから(笑)!」

 

「……………………うがあああぁぁぁ!!!」

 

妖精様に、ニヤリとニヒルに笑われて俺は頭を抱えて絶叫を上げる。つか、力を取り戻した真・四聖獣とガチ戦闘とか……マジですか!?そんなん、どうやって勝てと!?無理です!不可能です!どんな、難易度(ルナティック)ですか!?

詰まる所、俺は用意されたそれらの試練を乗り越えて最終的に神様転生直後の状態に成らなければならないらしい。

即ち、『クリエイト(創作)』・『式神召喚(四聖獣)』・『霊力』を使える状態になれと仰せなのだこの妖精様は!!

 

「ああ、因みに『霊力』は得られないわよ?アレは、魔力に置き換えられて精神力で扱う事になるから(笑)」

 

ステータス的には、『MP』と『SP』で使う術式になるらしい。

『SP』は、スタミナとかでは無く『精神力』になるとのこと。

因みに、精神力を枯渇させると生きる気力が無くなり『自殺』に走り出すという。なので、『MP(マジックポイント)』『TP(テクニカルポイント)』『SP(サイコポイント)』の三つは出来うる限り成長させろと仰せつかまつった。

 

「その為に、貴方には最低でも【魔力精密操作】、【魔力循環】、【並列思考】、【高速演算】、【MP消費軽減】、【時空魔法】、【再現魔法】、【魔力遮断】、【気配遮断】、【認識阻害】、【隠密】、【術式感知】、【魔力感知】、【直感】、【危機感知】、【索敵】、【身体強化】、【四聖獣使役】くらいは覚えて貰わないと……」

 

「うわあぁ……それらが、全部マニュアルとか…………」

 

「基礎トレーニングもあるから(笑)」

 

「…………忙しそうだ……」

 

「これまで、サボってたんだからやる事は山程あるわよ?」

 

「うへぇ……」

 

これまで、サボっていたというか現実逃避してたというか……自らの選択が、今の状況を作り出していた。つまり、自業自得。

だが、考えて欲しい。元々、転生なんてモノ予定なんてしてねぇよ!?まあ、神様転生も予定してはいなかったんだけど。

 

「最悪、ここから出た後でも修行して貰わないと駄目かもね?その時は、ここでの修行が『温い』と言い出す可能性の方が高いかもね?お目付け役もいるし……?」

 

ここから出るって事は、如月双夜と合流するという事らしい。

その場合は、ここ以上に厳しいとのこと。今でさえ、こんなに辛く難しいというのにどんな難易度なんですか!?ぶっちゃけ、ここが『温い』なんて表現されるって事なら如月双夜の元は難易度インフィニティって事!?マジか!?

 

「もう既に、難易度ルナティックか!?とか、思ってるのに!?」

 

「まだ、序の口よ?さて、【隠密】を得る為には先ず【忍び足】を生やさないとね?道のりは、長いわよ?」

 

「もう、既に帰りたくなってるよ!?」

 

つか、脱走したい。

 

「うんうん、わかってるわよ?でもね、必要な事だから……あ、そだ!貴方、『魔力操作』覚えたのよね!?なら、内なる魔力を感じ取れるんでしょ?【魔力感知】とか、簡単そうじゃない?」

 

「聞いてねぇ……」

 

『チュートリアル』と、ゲーム風に言われてるけど……これって、ただ単に俺のやる気を出す為の処置だよね!?ネット小説みたく、ゲーム風にすれば日本人な転生者がバリバリ技術を学び試行錯誤を繰り返して自ずとスキルを覚えて行くって……それって、誰の発想ですか!?

 

「別に、やりたくないならやらなくても良いのよ?」

 

「は?」

 

「その場合は、ここから出られないって事だから。だって、貴方……《転移魔法》とか、覚えてないわよね?」

 

「ハッ!?」( ゚д゚)!?

 

己のステータスを開いて、魔法スキル欄を見るが《空間魔法》も《時空魔法》も生えてはいない。即ち、この世界から【リリなの】や【組織】へ逃げ出す事すら出来ない状況に陥っていた。

瞬間、サッと首元に手を当てて《時空石》の存在を確認しようとするが……無い!?

 

「《時空石》なら、回収させて貰ったわ。もし、返して欲しいなら私を倒して奪いなさい。それが、最終試練だから(笑)」

 

「え……ラスボス!?」

 

「うふふふ……」

 

ニッコリ嗤う妖精様を見て、現状では無理なんだという事を悟る。

つか、あれだけ蹴飛ばされて殴られてたら嫌でも妖精様が強者である事は理解出来ていた。セイビアさん、このラスボスはキツイですよ!?現状で、心折られた存在だというのにそれがラスボスとかどんな嫌がらせッスか!?もう、泣く事も出来ないとか涙目モノなんですけど!?

どうやら俺は、超ハードモードな修行を開始する事になった。

『チュートリアル』とは、聞こえは良いけど難易度ルナティックの『チュートリアル』で目標は神様転生で【リリなの】に降り立った直後の状態に成る事。そして、心へし折った妖精様を撃破して《時空石》を手入れ如月双夜と合流するのが最終目的である。

だがしかし、合流が出来たとしても一緒に連れて行って貰える可能性は零に等しい。自力で、あの人達を追い回さなければならないかも知れないという現実に俺は頭を抱えるのだった。

 

「報酬が、全くないっていう話にやる気が出ないんですけど!?」

 

「報酬ならあるわよ?」

 

「あ、転生とかはもうお腹いっぱいなので結構です!」

 

「転生?人間に?貴方、《神殺し》に転生しておいて人間に転生するつもりだったの!?無理よ?《神殺し》が、人間に転生なんてしたら規格外にも程があるモノになるわ」

 

「……………………」

 

《神殺し》から、人間に転生したらチートが過ぎるって事になるらしい。それって、《神殺し》から解放されても神々から見逃されないって事じゃ……聞きたくなかった事実に、俺のやる気は駄々下がりからメトロダウンへと変化し加速する。

 

「一応、選択肢はあるけど……大抵は、【神族】に転生して自分の思い通りになる世界を作りそこで俺TUEEEでハーレムな生涯を過ごしているわよ?」

 

「はぁ!?なんじゃそりゃ!?」

 

「だって、普通に転生するにしても消滅するにしても他の神々が見逃されないんだから転生や消滅の選択は避けるわよね?」

 

「まあ、その選択はしないですね」

 

「なら、【神族】に転生してしまえば同族ですもの……手は出せないわよ?同格の存在をどうこう出来る権限は無いから」

 

「ほうほう……それは、かなり理想的です」

 

「まあ、簡単に言うと【神族】に転生して理想的な世界を創造し、現在までの記憶を消して別の人生を歩くのよ」

 

「……忘れる事が出来るんですか!?」

 

「一時的にだけどね?中には、自ら創った世界と自分の存在を同化させてどちらかが死んだら消滅するって事を最終目標にする事も出来るわ。これなら、他の神々に邪魔される事もないわね」

 

「というか、そういう方法でしか消滅出来ないって事ですよね?」

 

「そうとも言うわね……」

 

そうとしか、言いようがねぇって事だろうがよ!?

超面倒な話ではあるけれど、そういうルートでしか消滅出来ないと言うならそのルートを辿るまで。逆に、【神族】となって悪い事をすれば《神殺し》に断罪されるって方法もある訳だ。

 

「オススメは、しないけどね?」

 

「……心読まないで下さい」

 

「どうする?消滅を望むなら、選択肢に『《神殺し》に殺して貰う』ってのを付けるけど?」

 

「あ、そういうのもアリなんですね」

 

「ええ。その時は、嬉々として双夜が殺してくれるわ」

 

「……………………」

 

「だって、犯罪を未然に防げるんですもの」

 

そりゃそうですよね!!双夜さんなら、そういう選択をしますよね!!俺が願えば、嬉々として殺しに来るだろう双夜さんが想像し難くないという事実に辟易とする。

 

「で、どうかしら?全てが終わったら、双夜に殺して貰えるってのは?まあ、その頃には考えが変わっているかも知れないけど……一応、選択肢として考えておく事は出来るわ」

 

「あーまあ、やる気は出ないですけど……メトロダウンは、止まりました。ええ、やる気は全く出ませんけどね!!」

 

「そう?まあ、励みなさいな」

 

報酬が、本当にショボいけど……そこは、折り合いを付けるしかないので諦める事にする。まあ、双夜さんの元に行けばまた別の理由とかが出来てしまいそうだけど、それはそれこれはこれだろう。

アッサリ、殺して貰える可能性もあるけど。

だが、苦労して傍に居られるスキルを身に付けてから殺されるのは何か違うような気がするーーぶっちゃけ、もったいないーーので暫くは一緒に行動する事になりそうだ。

 

「それじゃあ、スキル【土魔法】を習得してここを住むのにより良い環境にするのよ!」

 

「えっと……何で?」

 

「何時までも、私に寄り掛かられても困るから自力で生活出来る様に成りなさいって事よ!今は、私が結界を張って安全を確保してるけど……何時までもそれだと、称号に『妖精のヒモ』とか出るわよ?」

 

それは、嫌だ!!

 

「ヤります!超、ヤります!!」

 

やる気が全く出なかったのに、妖精様の『ヒモ』扱いになると聞いて俄然やる気がみなぎって来る。ぶっちゃけ、世界?にダメ人間扱いされるのには我慢出来なかった。散々、ダメ人間やって来たのに『妖精様』の『ヒモ』扱いだけは嫌だなんて俺もアホらしいんだけど……それを、双夜さんだけには知られたくないのでやる気を出してみる。だって、あの人には【真実の瞳】っていう反則的な鑑定眼があるんだぜ!?隠してても、確実に見抜かれる上に超生暖かい眼差しで見詰められる事になったら心へし折れる所の話では無くなりそうだ。

 

「あら?いきなり、やる気になったわね?『ヒモ』」

 

「ちょ!?」

 

「もしくは、『妖精に養われし者』とか?『ダメ人間』とか、『ダメロリコン』とかかしら?私が、言い続ければ生えそうよね?」

 

「止めて!『ダメ人間』で『ロリコン』は止めて!」

 

「うふふふ。貴方のやる気スイッチ見付けた気分ね。さあ、頑張りなさい『ダメ人間』」

 

この妖精、マジで『鬼』だ!!つか、誰だよ!?妖精様を……最大のファンタジーをこんな『鬼畜』にした奴は!?全然、全く心休まらねぇよ!?

こうして、俺の『ダメ人間』に成らない為の死にもの狂いな修行が開始された。先ず、何時までも崖っぷちで生活していられないって事で人為的に洞窟モドキを作る事となり【土魔法】習得と同時に拠点となるモノを作る事になった訳だ。それで、土弄りなんて始めたんだけど……難易度ルナティック修行で、簡単に【土魔法】が習得出来るハズもなくちょっとヘタレ掛けたんだが妖精様の「私が、やろうか?」の一言に俺は奮起した。

直ぐ様、崖の下に降りて行って木を伐採。まあ、伐採と言っても殴ったり蹴ったりして自然破壊をしただけなんだけど。それにより、【身体能力強化】と【伐採】に【木工加工】をGET。幹を裂いて、歪な形の板モドキを作り出しそれを岩壁に叩き付ける様に穴を堀始めた。出来る事なら、シャベルみたいなモノでもあれば良かったんだけど……そんなモノが用意されている訳もないので、お手製の木工シャベルモドキで穴を掘る事にしたのである。

 

ゴガガガガガガガ!!

 

硬い岩面に、素早く幾度も木工シャベルを打ち続けた。砕けたら、また新たに出した木工シャベルで突いて突いて突き捲る。

クソッ!やはり、木工シャベルじゃあそんなに掘り進める事は出来ないモヨウ。せめて、鉄製のスコップでもあれば話は別なんだが……ハンドスコップでも良いから、何か無いかな!?とアイテムBOXに手を突っ込んでみたらフラグ回収をしてしまった。

 

「出たよ。ハンドスコップ……」

 

「鉄製ね……」

 

「…………結果オーライって事で!」

 

言って、またドガガガガ!と岩面を逆手に持ったスコップで打ち付けてみる。すると、木工シャベルよりも簡単に岩面に穴を開ける事に成功した。『おおぉ……』と、喜びの声を上げて鉄製スコップサイコーと叫びつつ掘り進めて行く。

 

「貴方、ちょっと怖いわよ?」

 

「ちょ!?」

 

穴堀りの合間に、土弄りをして何とか【土魔法】を習得したらMPが枯渇するまで必死に穴を開ける作業を繰り返す。MPが、枯渇すると強制的に気絶するので、それを何度も繰り返し何とか人一人が入れるくらいの穴を作り出してみせた。だが、この程度で満足している訳には行かない。俺は、妖精なんぞに養われる訳には行かないんだ!!そんな思いを胸に、【土魔法】と【魔力操作】のレベルを上げつつ、他の修行も同時進行で手を付けて行く。

その結果、称号に【器用貧乏?】の文字が浮かんでいた。

経験値収得に少し、デメリットが発生する程度の称号だ。少なからず、レベルアップに影響がある称号を得てしまったが『ヒモ』よりかはまだマシなので放置。それにまだ、【器用貧乏?】なので完全な【器用貧乏】よりもマシである。だが、素養はあるとのことなので、今は【土魔法】を極める事だけを頑張る事にした。

 

「最終目標は、井戸よ!そうすれば、怖い思いをしてまで水場に近付かなくて良くなるわよ?」

 

等と言われた俺は、言われるままに地下水を堀当てるまでは大人しくして【土魔法】を極めるだけとする。まあ、それまでもオッカナビックリで水場には通うんだけど。なので、道中をもう少し改善したいと思っていたんだけど……猛獣が、登って来たらどうするのかと問われて泣く泣く断念。それでも、素手でロッククライミングが出来るレベルには改善した。

 

「もう少し、奥まで堀り進めなさい。で、壁は強固に固めるのよ?出来るだけ真直ぐ、曲線を描いても良いから頑丈に!!」

 

「え?でも、これでも十分だと思うよ?」

 

「これだから、ものぐさな男って奴は……じゃ、井戸は崖下に作るのね?」

 

「あ……奥まで、掘り進めます……」

 

「それと、入り口はもっと狭めた方が良いわよ?獣が入れないくらいにはね。それから、この出っ張りも無くしてしまいなさい」

 

「えー……あ、はい。ワカリマシタ……」

 

不満を告げようとすると、凄まじい目付きで睨まれたので言う通りにする。まあ、後でそれが正解だったと知る事になるが……俺を、助けて(偶然)くれたあの出っ張りを無くしてしまうのは恩を仇で返す様で心苦しかった。とりあえず、出っ張りを出来るだけ残す方向で洞窟上の崖面をせり出し、強度が支え切れず突き出してしまう部分は削ってしまう。

そして、入り口は俺が横向きでギリギリ出入り出来る程度にしておく。後は、入り口周辺を含めた崖面を出来るだけ強化しておいた。これで、一応妖精様が言ったアドバイスは全て叶えた感じだ。

 

「これで、良いんですよね?」

 

「ええ。多少、入り口内に足場を設けて置いても良いけど……余り、広くすると空の猛獣達が集まって来るわよ?」

 

「おっと……」

 

そりゃ、怖い。朝起きて、外に出ようとしら空の猛獣が俺を待っているなんて状況は最悪でしかない。逃げようにも、直ぐには引っ込めないし少しでも捕まれば引き摺り出されそうだ。

とりあえず、身体能力にモノを言わせて崖を登って来る猛獣と空から侵入してくる猛獣を避ける為のバリケードはしっかりとしておく事にする。岩肌は、出来るだけ凸凹を無くし入り口が上から見えにくくなる様に下方へと移動させた。

 

「うんうん。あ、後、板を被せて閉じちゃうのも良いかもね。その場合は、空気穴が必要になるけど……」

 

「あ、了解です!」

 

とりあえず、二酸化炭素が下へ下へ貯まって行くのをわかっていれば殴られないって事を俺は学習した。

 

 

 

LV 1

H P 2500

M P 1900→(+506UP)

T P 1400

S P 1000

STR  650→(+23UP)

VIT  910

DEX  575→(+237UP)

INT  820→(+108UP)

AGI  978

MND  200→(+398UP)

LUK   56

CHA  670

スキル技術 《瞬動術》《身体能力強化》《伐採》《木工加工》

スキル魔法 《魔力操作》《生活魔法》《土魔法》

固有   なし

EX   《神速》

称号   《器用貧乏?》

 不死の呪い

 不老の呪い

 再生の呪い

 不能の呪い

 

 

 

 

 




とりあえず、凍真はサボって来た分の必要経験値が貯まって転生直後の状態に成るまで合流は無しです!!ごめんねぇ……って言うか、出来るだけ使える様にする為にはノースキルではちょっと双夜達と一緒には居られない。特に、SAOがヤバい!!ドラゴン戦に参加させたいじゃん。なので、チョクチョク凍真成長期を入れたいと思ってます。
因みに、凍真は神様転生した時は職業:侍だったんだけど……《神殺し》転生後は、侍から職業:忍に転職します。
なので、難易度が二回り程高くなっております。もしくは、暗殺者(笑)。そりゃ、難易度が跳ね上がるって(笑)。
それでなくても、セミオートなスキルから完全マニュアルスキルに変化しているのに職業すら転職って……イージーモードから、ハードに変わってるのに更に二ランク上げてエクストラになってるんだから(笑)。
因みに……難易度は、
『Easy→Normal→Hard→Veryhard→Extreme→Maniac→Lunatic→Infinity』となっています。神様転生は、Easyなので《神殺し》がHardになるのかな?Normalは、通常転生か地獄行きの者がその辺りで四苦八苦してる感じ。

さて、凍真くんは本気で一人RPG状態に突入しました!
別に、合流させたくない訳じゃ無いんだけど……別に凍真で無くても、神崎と翼の仲を進展させる配役に困っては居ないんだよね。まあ、思い付く配役はあるけど。それは、もうちょっと先の話だし。元より、予定の無かった神崎君と翼ちゃんだから多少役者が増えても何とかなる類いの物語構成にはなってます。ただ、話数が増えるだけで。
ついでに言えば、役者のストーリーは最初と最後しか思い浮かべてないのでその間の物語は臨機応変で追加してる分になります。ぶっちゃけると、最終的に思い浮かべた結論に至るならどんな物語構築になったとしても問題無いんですよね。ガチで、臨機応変が可能な物語になってたり(笑)。
普通は、臨機応変が出来なかったりするんだけど……そこら辺が、通常の物語とは違うやり方なので話数が増えるデメリットさえ無視出来れば面白おかしく作れたりします。

妖精さんが、ラスボスなのは間違いない。
まあ、四聖獣とか刀を守る獣との戦いがあったりしますが(FF思考)……双夜と合流する為です。頑張って頂きましょう。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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