絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三〇〇話

Re:

 

 

ふふふ。危うく、棺桶まっしぐら!になる所だった。

三ヶ月目、俺は借りている宿舎と錬金工房の往復にひたすらヒイヒイ言っている。だって、工房にお泊まりすると決まって翼の機嫌が悪くなるからだ。その結果、工房に押し掛けて来て錬金処では無くなってしまうので不効率でも『その日の内に宿舎に戻らなければならない』という不文律が出来上がった。そして、今日は思ったよりも解析・分解・再構築という基本に時間を取られてしまい、危うく約束の時間をオーバー仕掛けたである。気が付いた時には、午後10時を回っていて電車は動いているけど移動時間が足りないなんて事態に成り掛けていた訳だ。慌てて、工房を片し飛び出して来たけど……駅のホームで、電車待ちしている際にはとてもイライラした。いっそうの事、線路に飛び降りて走った方が良いんじゃ無いかと思い掛けたけど……それは、以前にやった際にエライ目に遇ったので諦める。

つか、【組織】の移動設備は【鮮血の】さんが手掛けた設備だって事を忘れて走ろうと思っちゃったのがイケなかった。線路に飛び降りて、《瞬動術》と《縮地》を駆使して駆け抜けていたら、後ろからマッハで突っ込んで来た電車に跳ねられ気が付いたら病院のベットの上だってんだからビックリ。驚いている間に、俺が目覚めた事に気が付いたセイビアさんと大泣きした翼が入ってきて一騒動となった。つか、電車がマッハで移動するのもおかしな話だけど。移動に重力制御とか、様々なオーバーテクノロジーを突っ込むのは如何なものかと思ってしまう。まあ、そのお陰で翼との約束の時間に間に合っているけれど……激しく抗議したい所。普通のスピードで走っているなら、追い付かれる事も無かっただろう。それが、マッハなんてとんでもスピードで走らせるから電車に跳ねられるなんて体験をする事になったんだぞ!?

まあ、そもそも線路に飛び降りて走るなんて愚行を行った俺が悪いんだけど。だがしかし、普通のスピードなら!と思ってしたうのである。それさえ無ければ、俺は普通に翼の元へと戻れたっていうのに……本当、散々な目に遭った。

因みに、電車に跳ねられる馬鹿は割りとそこそこいるらしい。

中には、何を考えて居るのか電車と競争をしたくて線路に飛び込むバカもいるとのこと。それを聞いて、やはりどこにでも馬鹿な奴は一定数居るんだなぁ……と感じた。

そうそう、その一定数の馬鹿と言えば……【組織】のお正月について語っていなかったよ。師範代達も、『【組織】のお正月』についてハッチャケた馬鹿が出た事によりスルーしてくれたので追求すら出来なかったんだけど。そこは、セイビアさんの知識をフォローする補填授業で『集中力が切れ掛けてるから』と懇切丁寧に説明してくれた。それを聞いた俺は、話が続くに連れて気分と言うか心?が荒んで行く様な……いや、遠回しに言うのは止めよう。ハッキリ言って、馬鹿が酒に呑まれてアホになったかの様な話に頭を抱える事になった。つか、師匠……煽るだけ煽って、逃げ出すのは止めて貰えませんかね?

 

「それ、ウチの師匠が企画した訳じゃないですよね?」

 

「あー……そうだな。双夜の企画ではないな」

 

「なのに、恋話で大盛り上がりになってハーレムで【始まりの魔法使い】出動で新年早々大爆発とか……そりゃ、めでたい席ではありますがーーやらかしますか!?」

 

「しかも、【始まりの】を呼んだ所で逃げ出すとか……超ウケる」

 

「何ウケてんだよ!?」

 

「あはははは。次から、俺も殺ろうと思ってたのに翌年から宴会禁止令になるんだもんなぁ……」

 

こ、コイツ等、マジでイカれてやがる。

とりあえず、周囲の馬鹿を泥酔させて話題を統一して煽るだけ煽って究極のボッチ投入した魔王様がいて、毎年行われていた新年を祝う会はその年を持って終了となったモヨウ。

つか、毎年新年が明ける度に泥酔するまで飲む馬鹿や酒に呑まれて馬鹿が多数出る訳だ。そんな馬鹿共が、酒に呑まれて泥酔しては暴れ回り【組織】の施設設備を壊するのが風物詩になる程。それが、この【組織】の()()だったらしいけど……ウチの師匠が、その風物詩を最も最悪の形で空中分解させたのが最後となった。現在は、其々が個々に新年を祝っているみたいだけど。

中には、大勢で騒ぎたい奴等も居て……そういう奴等は、特別に創られた世界で宴会をする様になったそうな。

 

「やっぱり、狙ってやったんですかね?」

 

「…………奴が、この【組織】に来て二年目だったからなぁ……確実に、狙ってやったんだろうな……」

 

「…………もしかして、前年に何らかの被害を被った?」

 

「俺は、泥酔していたから判らないが……多分?」

 

「それ、報復だったんじゃ……」

 

「悪しき因習を終らせる的な?」

 

「多分……」

 

「だったら、文句は言えねぇな……」

 

ついでに、悪質な嫌がらせも追加して放置したモヨウ。

それが、如何に【組織】へのダメージとなったのかはわからないが……セイビアさんの反応を見るに、そこそこのモノとなった様子。ついでに、古き因習も立ち消えて個人個人での祝いとなったらしい。まあ、ハメを外した馬鹿が希に出るみたいだけど……直ぐに制圧されるみたいなので問題ないと思われる。

 

「つーか、施設破壊したら【鮮血の】さんが泣くんじゃ……」

 

「新年早々の不幸だな?毎年、号泣だった(笑)」

 

「ついでに、【風紀委員】も過労気味に?」

 

「二月くらいまで、死にそうな顔をしてるな……」

 

「…………死にそうな?」

 

「二十四時間対応で、寝る暇もないらしい」

 

「寝させてやれよ……」

 

「わかってはいる。いるんだけど、馬鹿が多くてなぁ……」

 

「じゃ、手伝えば?」

 

「断る!!断じて、手伝ったりはしない!!」

 

「面倒だから?」

 

「いや……報復が、鬱陶しいから!!」

 

下手に【風紀委員】を手伝うと、後で報復されるとのこと。

それが、どんな報復なのかはわからないがセイビアさんが即答で断るレベルの報復なのは良くわかった。まあ、セイビアさんの場合は嫁さんに手を出させない為の様だけど。だが、納得の理由なので気にはしない。さて、新年の過ごし方は良くわかったのでこの話は終了にして勉強を続けよう!

 

 

 

……………………。

 

 

 

借りている宿舎に戻った俺は、宿舎の自室に備え付けてある端末で師匠の戦闘映像を眺めていた。それはフと、師匠の戦闘スタイルが気になったからなんただが……これとして、同一の戦闘スタイルが無いというのかわかっただけだったりする。と言うか、師匠の戦闘スタイルって『大本』となるモノが無いんだな?ほとんどが、相手のスタイルに合わせた感じの戦闘状況だ。理由はわからないけど、師匠には固定の戦闘スタイルはないモヨウ。

 

「何を見ているのですか?」

 

「これは……Masterの戦闘映像だの?」

 

「師匠の戦法って、どんなのかなぁって思って。ほら、俺には師匠と会ってからの戦法しか見た事が無いから……」

 

「ああ。ほとんど、相手の戦法に合わせた戦法しか取りませんもんね?でしたら、最近のではなくこの【組織】に連れて来られた頃のを見る方が良いですよ?」

 

「フム。Masterの戦闘スタイルは、その肉体サイズの事もあってかなり特殊だからの。余り参考にはならぬと思うが後学には良かろう。それに、そのスタイルを取られた時の逃げ方も考えられるしの」

 

「え?逃げるの前提!?」

 

「逃げて下さい」

 

「逃げるが良い」

 

「物量戦を仕掛けて来る相手に一人で立ち向かえるとでも?」

 

「あんなモノは、相手にするべきではない故。逃げるが勝ちだ」

 

「物量戦なんだ……」

 

「飛翔剣の担い手で、弾幕の貴公子だからの」

 

うわぁい(笑)。中二病臭い二つ名が出て来ましたよ!?

『飛翔剣の担い手』は兎も角、『弾幕の貴公子』ってのは間違いなく痛々しい中二病が名乗りそうな二つ名だ。だがしかし、痛々しい二つ名の割には内容がエグいんですけど!?

 

「飛翔剣というのは、文字通り飛翔する剣の事です。サイコキネシスや重力操作で飛翔する大量の剣が時間差で襲って来ます。あ、因みに飛翔剣は縦にも横にも回転しますので削岩機としても使えるんですよ♪ ドリルと化して飛んで来たら避けてくださいね?」

 

ドリルッスか?身体に、トンネルとか作れそうですね。まあ、そんな事になったらスッゲー痛そうだけど。つか、大穴が開くんだろうなぁ……嫌だなぁ。希にアニメとかで見るけど、とても痛そうだ。

 

「それ以外にも、隙を埋める為と称して魔法が飛んでくるの。それこそ、大量に……弾幕の様にな?だから、避けてる暇はないぞ?故に、逃げる事を進める」

 

「ガチの物量戦なのかよ……」

 

「バラ撒き戦法とも言うの。兎も角、大量の物量が出て来たら逃げる事を優先するのだ。そうすれば、生き残れる」

 

「影から、空間から柄の無い刃が出て来たら終わりです。それが、万単位で現れた挙げ句《加速術式》で撃ち出されて来ますから、のんびりしていると針ネズミになります」

 

「ああ、それに……魔力弾や属性弾の影に、撃ち出された小刀や手裏剣なんかも混じるから気を付けぬと目や喉を潰されるぞ?」

 

なんと言うか、とてもエゲツない戦法だった。

更には、柄の無い刃のみの武器をウニの様に己の周囲に配置して、刃を回転(自転!?)させつつ己の周囲を左右に公転させる様に回して突っ込んで来る事もあるらしい。イメージ的には、ウニの様にトゲトゲな感じだが……実際には、上から列を作って並んでいるのでそれぞれの列をが左右に逆回転をするという。

 

「アハ。なんか、挟んで抉って斬ったらミンチになりそうですね」

 

「そうですね。高速回転してますから、一瞬でミンチですね」

 

「成る程……って、勝てるか!?」

 

「と言うか、逃げても弾幕に邪魔されて誘導されてストライク!だがな。柄の無い刃を見たら、即逃げよ……」

 

「俺等は、ボーリングのピンか!?」

 

「粉骨砕身されるピンですね!」

 

倒され砕かれ、石臼でゴリゴリと粉にされるんですね?

正解したので、景品はないけどあめ玉を貰った。アンタ、一体何処のおばちゃんか!?ひぃ!?そう考えただけで、ギラッと睨まれてしまった。お、恐ろしい。うっかり、顔に出ちゃったのかもしれないがそんなに睨まなくても良いじゃないか!?そりゃ、見た目14歳くらいの少女に言うべき事ではないかも知れないけれど……やってる事は、間違いなく年輩の女性だ。

 

「兄様、これだ。良く見ておくのだ!」

 

「あ、はいはい……」

 

俺とリリィが、じゃれあっている間にオルタが師匠の戦闘映像を呼び出してくれていた。それを、食い入る様に見る俺。

映像には、師匠と銀髪の青年が映っていてそれぞれの獲物を構えているところだった。この時、師匠の獲物は三メートル程の飛翔剣が一本だけで他に浮遊している刃等は見当たらない。二人は、合図と共に間合いを詰めて剣を打ち合い始める。

 

「良く見ておれ。特に、Masterが剣の影から刃を撃ち出したところくらいからだ」

 

体格差から、鍔迫り合いに持ち込まれて師匠には不利になったくらいだっただろうか……唐突に、師匠が振り回す刃の影から小型のナイフの様な刃が撃ち出された次の瞬間、師匠の周囲に大量の刃が並んでいた。

 

「え!?今、何が起きました!?」

 

「ちょっとした、手品なのですが……」

 

「意識が、撃ち出された刃に向いた瞬間に大量の刃がバラ撒かれたのだよ。こうなっては、Masterの思う壺だの」

 

「ある意味、人間と同じ構造の《神殺し》は不利ですよね……目が、二つしかないんですから……」

 

相手の身体構造と、心理を巧みに操る邪神様が物量無双をしていた。ドンドン増えて行く、武器!武器!武器!!その度に、追い詰められて行く青年。最終的に、属性魔法によって討ち取られた青年はトボトボと観客席に戻って行く。

 

「目の前に武器を押し付けて、死角が出来てその死角から武器を射出。それに気を取られると、敗北確定なのか……」

 

何となく、ギルガメッシュの戦法に似ている感じだ。まあ、ギルガメッシュは真正面からの力押しだけど……こっちは、技術込みの物量戦法だからとてもエゲツない。物量戦法要らないじゃん。

なんで、物量戦法なんてモノが組み込まれているんだよ!?

 

「Masterは、地球出身の魔術師ですから……」

 

「過去の戦争で、学んだってか?そうですか……最悪だな」

 

そして、最近ギルガメッシュの力押し戦法も知ってしまった上に……何より、師匠には最強の盾もある訳です。空間遮断という盾が!!いずれ、ギルガメッシュの如く指パッチンで大量の盾が撃ち出される事でしょう。

 

「ああ、それなら微調整中だの」

 

「何が!?」

 

「何って……空間遮断に匹敵する盾の撃ち出しですけど?」

 

「………………マジで!?」

 

「「マジマジ」」

 

マジか!?マジで、ギルガメッシュな力押し戦法を習得しちゃったのか!?こりゃ、師匠完全無敵の独裁者になれるね。まあ、成れるってだけでそれを師匠がやる事は無いんだろうけど。転生者には別として……そう!転生者は、厳しく支配しているけどな!!

 

「え?甘々なんですけどね……」

 

これ以上は、精神が死にますけどね(笑)。

 

「フム。兄様には、精神ではなく身体に刻めれば良い。精神なんて、後から着いて来るモノ故。精神が、死んでいるなら好都合だの?その間に、叩き込めば良いのだからの?」

 

「嫌な話が聞こえて来る……」

 

その後は、師匠の戦法が変わって来た頃の映像を見て『お前かああぁぁ』と嘆き。変わり切った戦法で、大金星を上げ捲る師匠を見てその日は終了とした。いや、マジで強いわー。

 

 

 

……………………。

 

 

 

その翌日も、午前中は師範代達を含む鍛練をして錬金工房へ向かう。そろそろ、息抜きも必要かな?と思い始めていたのだが日々が新鮮過ぎて後回しにするか?とも思っていた。

 

「そう言えば、ここって【旧・神族】の干渉とか受けないんですか?ここを攻撃したら、《神殺し》を一網打尽に出来そうですけど?」

 

「ま、普通はそう思うよな……だが、問題ない。ここは、最果ての次元。おいそれと、干渉をうける事はないよ(笑)」

 

なんとなく、フラグが建築された様な気もしないでもない。

瞬間、セイビアさんの顔が驚愕の表情に彩られ俺はというと何者かに首根っこを掴まれてかなり強い力で引っ張られる。ゴチン!と何か硬い地面?の様なモノに、頭から叩き付けられたかと思ったら目の前に師匠がいた。

 

「神崎、コレ見た事はあるか?」

 

「は?え!?あるぇ?」

 

頭の中が、大混乱にも関わらず師匠は見た事もないジオラマ?的なモノを俺に見せて問うて来る。だが、俺が混乱しつつも『ジオラマ?』と言ったら師匠は『そうか』とだけ言って目の前にある黒い孔に手を突っ込んだ。そして、何かを引き摺り出したかと思えばそれはセイビアさんで……瞬間的に俺は、【零の次元】に師匠が干渉して来たのだという事を理解した。ちょっと、セイビアさん?ここに、【零の次元】へと干渉出来るお人が居られるんですが?等と視線で訴えてみたら、青冷めた顔で小さく首を横に振るセイビアさんがいた。あ、想定外の事なんですね?成る程。

 

「知らないのか?」

 

「あ、や……《箱庭》?」

 

「《箱庭》?」

 

「えっと、多分、現実世界から切り離された切り取られた世界かと?で、そこで特定の条件を満たせばクリア的な?」

 

「フム。で、結論は?」

 

「リアルゲーム?」

 

「OK。帰って良いぞ」

 

言って、師匠はセイビアさんを黒い孔へと蹴り捨てて次に俺の胸ぐらを掴んだかと思うとそのまま孔に放り込まれた。放り込まれた俺は、ベシャッと顔面から落ちて海老反りみたくなっていたけど、セイビアさんも似た様なモノだったので沈黙する。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

とりあえず、沈黙が辛いんですけど。ま、師匠の常識外れな行為に言葉が思い付かないのでセイビアさんも俺と似た様な状態なのだと思われる。つーか、師匠……無茶し過ぎです!セイビアさんが、常識外な事に対応出来なくなっているじゃ無いですか!?

 

「………………………………………因みに、アイツは除外で……」

 

「ウッス」

 

「と言うか、ここに別次元から干渉出来るとか……ああ、《ルール・ブレイカー》で強制干渉して来たのか?なら、可能なのか?」

 

「みたいッスね?」

 

「ま、何にせよ【始まりの】の所に報告して来るわ……ちょっと、いや、かなりの大問題なんで……」

 

「あ、お疲れ様です!」

 

セイビアさんは、青冷めたままフラフラと錬金工房から出ていく。

余程、【組織】内に別次元から干渉されたのが堪えたのか色々と疲弊仕切っている様子だった。師匠、常識の圏内での行動を心掛けて下さいませんか!?巻き込まれた側が、大ダメージ食らってるんですけど!?とりあえず、ウチの師匠が色々と無茶苦茶出来る人なんだという事だけは良くわかった。

セイビアさん、大丈夫かな?そう思いながら見送って、俺は溜まっている錬金術の課題に着手する。ぶっちゃけ、不純物と分け分けするだけの簡単なお仕事のハズなのに完全に混ざってるから時間が掛かって仕様がない。ゆっくりじっくり、その構成物質のみを抽出しながら次から次へと錬金術を掛けて行く。もし、失敗しても再度選別して抽出するだけなのでまだ楽チンである。まあ、等と感想をセイビアさんに言ったら驚愕されて難易度が跳ね上がってる事を教えられたけどね。そうか、元々混ざってるから何度でも楽に抽出出来るって訳じゃないんだそうだ。元々混ざってるからって、抽出失敗で更に混っ返している訳だから難易度はウナギ登り状態なんだとか。でも、出来ない訳でもないのでそのまま錬金術でジャンジャン錬成して行く。時間が経つのも忘れて、錬成しているとセイビアさんがいつの間にか戻っていた。

 

「戻ってたんですね」

 

「ああ。とりあえず、《ルール・ブレイカー》のみみたいなんで双夜さえ敵に回らなければ良いって結論になったよ」

 

「お疲れ様ッス!」

 

まあ、師匠の事だから《旧・神族》と手を組むなんて事はないと思われる。寧ろ、両親の事で殺し合いはしそうだけど。

 

「うーん……まだ、不純物が入ってんのか?」

 

「まだ、言ってんのか?」

 

特定の水槽に、俺が作ったインゴットを入れて流れ出る水でそれ等を計る。これが、秤だと他の要因で重かったり軽かったりするので水が一番正確に計れた。まあ、何ミリリットルまで計れる計量カップ(オーバーテクノロジー)な訳だけど。つか、こんな計量カップを造るなら精密に計量が計れるモノを創らせたら良いんじゃね?アナログな天秤とかじゃなくて、電子計量機器を作れば良かったハズだ。

 

「でも、あの方はアナログが好きなんです!!」

 

「唐突に、大声出すのやめてくんね?」

 

「釣れぬの?兄様……」

 

「釣られたくねぇよ……」

 

「別に、アナログ大好きって訳じゃねぇよ?ただ単に、面白ければ良いだけで……」

 

「なんで、バラすんですか?」

 

「お、おぉう……すまん?」

 

「セイビアさん、もっと強気で!」

 

「え!?あー、レイになら強気になれるんだけどなぁ……」

 

「後、敵にもの」

 

「女性が苦手なんですか?」

 

「ラミスの責だの?」

 

「ち、違っ……お前等が、双夜の使い魔だからだよ……」

 

「「はい?」」

 

師匠の使い魔だから、遠慮しているって事なのかと思っていたら違った。別に、師匠の使い魔だから遠慮していたのではなく師匠の使い魔が《群体》だから遠慮していたモヨウ。

 

「ああ。報復が、怖いんですね?」

 

「双夜の……だけだからな?なんで、百万も作るかねぇ……」

 

「必要だったんでしょう?」

 

「だけど、百万も要らないだろう!?」

 

「「要りました!」」

 

「必要だったから、作られたのです……」

 

「必要でなければ、作られる訳なかろう?」

 

「だって、お前等……」

 

「はいはい。続きなら、外でやってくんね?邪魔だ」

 

そう言って、師範代とセイビアさんを追い出して俺は続きの錬成を始めた。そういう会話は、ここでなくても出来るからな?つか、期限がある課題があるんだ。邪魔すんな!?マジで!明日なんだ!!つー訳で、俺は静かになったので集中して期限の近い課題を重点的にやり始める。間に合うかな?

 

 

 

 

 




基本的に、この物語では転生者達の改心が早いと言われてますが……双夜の記憶を、VR的に体感させると早くて10分長くても一時間程度で改心させる事が出来ます。《記憶の追憶》ですね!大体、双夜の記憶は10分程で両親からの虐待が始まり暴力や食事抜き等の蹂躙劇ですからねぇ。緩い人生を歩んだ奴には最悪の体験でしょう。
そして、大体一時間(短縮バージョン)ほどで双夜が周辺の生き物を食べ始めます。岩に生えた苔とかはもちろんの事……例の黒光りする素早い生き物とかをですね。まあ、飢餓状態なのでやってもおかしくはない。それが、明るく改訂された場面で行われるから速攻だぜ?まあ、本来は真っ暗な中での行為だったけれど……記憶の追憶体験では、明るく改訂されてあるのだった!!つまり、例の黒光りする素早い生き物を手で掴み……口元に運ぶ一連の動作を明るく改訂された状況で口に……。そりゃ、改心も早いですよね(笑)。
これをされるバカは、双夜に『親に甘やかされて育てられた癖に!』的な(類義的な)事を言ったバカが体験します。
瞬間改心出来ますね(笑)。耐えても、虐待と言う名の残劇が待っているだけなので心へし折れるまで続きます。最悪、ループも待っているので改心以外救われる道がない(笑)。

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