絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三一八話 凍真

凍真

 

 

 

あれから、数年の歳月が経った。今尚、俺はこの世界に囚われている。だか、ここでの出来事は十二分に俺の糧となり日々を確実に進めて行けている感じがした。

 

「何?未来ごっこ?」

 

「えぇい!ナチュラルに人の内情を読まないで下さいよ!?」

 

心折れそうな今日この頃、現実逃避気味にちょっと近未来を夢見て『成長したぜ!』をやろうとしているのに途中でバッサリ切り捨てないで!?つか、今日は休息日でしょ!?だったら、俺がどこで何をしようとしても良いじゃないですか!?

 

「まあ、私にはわからない心情だけど……突っ込まずには居られなかったわ。出来れば、【外】でやってくれないかしら?」

 

「妖精様が、とても辛辣な件……」

 

傷心で、現実逃避している俺にここまで辛辣な言葉を投げ掛けて来るのは妖精様以外に居はしない。だが、今は出来れば優しい言葉を投げ掛けて下さい。とあるダンジョンで、徹底的に心へし折られてマジ傷心な俺は現在進行形で現実逃避中だった。

事の始まりは、迦楼羅が奉られる洞窟よりも攻略レベルの低い洞窟が見付かった事だ。妖精様も、『初心者用のダンジョン』とまで太鼓判を押してくれたので嬉々として突撃してみたのだけれど……これがまた、『初心者用』とは大きくかけ離れていたのである。

ぶっちゃけていうと、『人をコケにするダンジョン』だった。

一階層までは、何処にでもありそうな普通のダンジョンだったのに二階層に入ってからは、まるで人を小馬鹿にする様な罠とその先にある看板がガチで心をへし折りに来るのである。それも、普通にしていると絶対嵌まりそうにない場所に設置された落とし穴とか!しかも、それにハマると苦労して抜け出した先に看板があって……『プー!クスクス~。あんな罠にハマるとか!超ウケる!!』なんて書いてあったり、落とし穴の先が泥水で抜け出すのに何度も何度も落ちまくった後で……『キャハハハ!あの程度、直ぐに抜け出せよ?プー!クスクス~』とか書いてある訳だ。

最初は、段々ムカ付いてその看板に対して怒ったり殴ったりしたんだけど……その内、看板というか文字では足りなくなったのか声が聞こえて来る様になった。まるで、人を小馬鹿にしたかの様な声音で数パターンある嫌味ったらしいヤツが!ついでに、罠も段々命を奪う的なモノでは無くなり人をコケにする様なモノへと変化して行った。

それも、似た様な類いの罠で分かり辛く見え難い普通には嵌まりそうにない場所にある……なんで、こんな場所に設置したんだ!?と、開発者を呼んでひたすら問い続けたくなる様な場所にだ!

それにハマる、俺も俺だけど……裏を掻いたつもりだった。無意味だったけど!!これの製作者って、絶対ひねくれた卑怯者だぞ!?

滅茶、捩れ拗れ切った性格の陰湿で根暗なヲタク野郎だろ!?って思うレベルのダンジョンだったんだ。なのに、掲示板で確認したらとんでもない人の名前が出てきた。

しかも、セイビアさんもあの迷宮を体験して逆ギレしてしまった代物らしい。

因みに、アレの製作者はこの世界を作る際には間に合わなかったので昔作ったヤツを移植する依頼だけを送って来たとのこと。

で、気になるであろう製作者の名前だが……これに関わった製作者は二人。一人は、【鮮血の】さんで……もう一人が、『如月双夜』さんらしい。性格の捩れた陰湿で根暗なヲタク野郎?全く、掠りもしない人達だったよ。つか、一人はマッドサイエンティストでもう一人は悪戯好きの雇用者だった。悪戯……そうか、これ悪戯なんだ。

エグい。とても、エグ過ぎる悪戯なダンジョンだ。絶対、悪ノリしたんだろうなぁ……というのが、とてもわかる製作者である。

最終的に、心へし折られて今は傷心の日々。

しばらくは、あのダンジョンに突撃したく無くなってしまうレベルのダンジョンだった。

 

「もう、行かないぞ。しばらく、レベル上げをするからな!?」

 

「ええ、構わないけど……そんなに酷いダンジョンだったの?」

 

「心を折る為のダンジョンだった。製作者は、【鮮血の】さんと双夜さんらしい……」

 

「あ。じゃ、私も行きたくないわ。あの二人が、関わってるダンジョンとか関わりたくもないわ!」

 

「あ、有名なんだ?」

 

「そうね……双夜だけなら、然程問題はないのよ?でも、【鮮血の】とタッグを組んでる場合は別ね。何が、設置されてるかわからないから……悪ふざけと、悪ノリした悪戯の応酬ね……」

 

「妖精様も嫌がるダンジョンとか……でも、あの先に最強の防具があるんですよね?」

 

「そうよ?頑張って!!」

 

頑張れないです。ぶっちゃけ、製作者が凶悪過ぎて最後まで辿り着ける自信が全く湧いて来ません。それに、ダンジョン探索は冷静さがモノを言うらしいですが彼処は冷静でいられるモノではありません。喜怒哀楽を全力で体現させる場であり、ずっと冷静ではいられませんでした。

初心者用のダンジョン?一体、どんな初心者ならばあのダンジョンをクリア出来ると言うのですか!?後、粉末利尿剤とか噴出する罠を設置するのは止めて欲しいです。

暗がりに、排尿しに行ったらそこにも罠があって……ズボンもパンツもグシャグシャに濡れたり、どこまでも我慢せざるを得ない状況に陥ったりさせられました。あれは、漏らす事を前提とした罠ですよね!?最後まで、頑張ったけど……色々、大変でした。つか、《クリアショーン》の不思議な使い方をマスターしてしまいましたよ!?あれ、トイレ要らずなんですね。まさか、苦し紛れで膀胱に《クリアショーン》を使ってみたら普通に排尿後みたいになってスッキリしたのですが……掲示板で確認したら、連続使用さえしなければ問題ないとのこと。連続使用したら、どうなるんだよ!?って質問には、誰も答えてくれませんでしたが……マジ、どうなるんですか!?

なので、端末をフルに使って調べてみたら注意書きに『術者の認識依存』とあった。本当にそれだけだったので、最初は全く意味がわからなかったんけど……多分、アレも含まれるんだと思われる。明確な記実はしたくないが、特殊な条件下で出る白いアレだよ。アレ……子供が出来るアレな!アレを、俺が汚いモノと認識してたらそれも浄化されるんだと思う。それをやり過ぎると、何かしらの不都合が起きるんだと思うんだけど……それが、何なのかはわからない。つか、アレって……汚物認識なのか?

 

「出なくなるらしいわよ?」

 

「……………………」

 

「っていうか、作られなくなるんだって!」

 

「(ノД`)ノヒィ!?」

 

お、恐ろしい話が聞こえた様な気がする。ナチュラルに、俺の心を読んだ妖精様がサラリと恐ろしい事を言い切った。

つーか、そのツッコミは要らない。そして、知りたくもなかった。

そりゃ、知ろうとしたけど……結末までは、至れなかったんだからそのままにして欲しかった!!OK。《クリアショーン》の連続使用は、控えよう。むしろ、緊急時にのみ使用するって事で!更に言えば、あのダンジョンへはしばらく時間を置いてから再突撃すると決めた!!絶対、似た様な罠が多数仕掛けられているだろうからな!

そんなダンジョンに、長期間突撃とか絶対したくはない!

 

「それでね?出なくなっちゃったヤツはーー」

 

「レベル上げに行ってきます!!」

 

更に、その話を続け様とする妖精様を止められない俺は【外】へと逃げ出す事にした。つか、人が嫌がっている事を集中的につついて来るのは止めて下さい!なんで、あの【組織】の人達はドSな人が多いのか!?俺には、全く全然理解出来ない!!

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

無心になって、ひたすら猛獣狩りをしていたら何とかレベル3へと到達していた。つか、ひたすら猛獣狩りをして()()()レベル3とか……これが、ゲームとかなら『もっとレベルアップしててもおかしくないというのに!』等と思わずにはいられない。だが、あんな風にレベルアップしてもそれらの能力が身に馴染むか?と問われると肯定は出来なかった。というか、身体能力に振り回されるとしか思えない。なので、この世界のレベルアップは中々実力に合ったレベルアップなんだと思う。面倒臭いですけど!

 

「だがしかし、この戦い方はいかんともし難い……」

 

ぶっちゃけ、暗殺者である。気配を消して、対象に近付き相手に気が付かれる前に対象を殺すとか侍のする行為ではない。と言っても、俺が持っていた迦楼羅は大太刀では無かったので侍とは言えないんだけど。元は、侍系陰陽師を目指したこの身……それが、今や忍者とはどうにもこうにもである。

 

「あ、忍者なら格闘術も視野に入れなきゃならないのか?」

 

一応は、《体術》とかを習得しているけど《格闘術》は習得してないから……《体術》が、《格闘術》に進化しないかな?(儚い希望)

とりあえず、採取した《体力草》を収納BOXを取り出して突っ込んでおく。アイテムBOXに入れると、時間経過がない為に乾燥をさせなければ微々たる回復量にしかならない《体力草》は収納BOXに入れて乾燥始めをする。収納BOXやアイテムBOXは、雑菌等の菌類(生物?)を入れる事は出来ないので入れた瞬間から対象に付着しているモノは排除されるので重宝していた。その他にも、色々と使える機能があるので本当に楽させて貰っている。

そして、拠点に戻ってから本格的に乾燥させて砕いて燻して蒸留水に溶かして熱を加えると完成だ。直日で乾燥させると、何故か効能が落ちるので日陰で干して置く。蒸留水は、《クリアショーン》で地下水から作るので余計な時間は使わないが……そろそろ、《クリアショーン》と名の付く浄化魔法以外の浄化魔法を覚えたい所。

だって、《クリアショーン》だぜ!?最初、聞いた時は何故《クリアショーン》なんだ!?と笑ったモノだ。

だが、最近になってその意味を俺は知る事になった。というか、妖精様が逃げ出した俺の後を付いて来て知りたくもないのに教えてくれたのである。《クリアショーン》の『ショーン』は、日本語だった。排尿の事を指しているらしい。

即ち、《クリアショーン》は元々『クリア』という魔法だったらしいのだ。それを、例のアレまで浄化するので付け足された言葉とのこと。

付け足された言葉なのにも関わらず、最後まで言い切らないと発動しない所をみると並々ならぬ悪意が伝わってくる様である。

つか、そんなしょうもない事に全力投球な《神殺し》って何!?と思わずにはいられない。なんで、アレまで浄化されるからってそんな下ネタに全力投球なんだよ!?まあ、考えるまでも無い様な気がしたけど、誰が作ったのかと妖精様に聞いてみたら意外な事にセイビアさんのお仲間だった。俺はまだ、顔合わせした事がない人だったけれど。《クリアショーン》を開発した術式製作者で、出なくなっちゃった可哀想な人らしい。因みに、なんでそこまで膀胱に《クリアショーン》を使い続けたのかと聞くと、ずっと部屋に籠って机に噛り付いている様な人物らしくトイレに行く暇も面倒がるちょっとアレな人だったとのこと。

しかも、出なくなっちゃった事にそこそこ喜んでいるらしい。恋人にも振られたらしいのに、それ以上に机に噛り付いていられる事の方が嬉しかったのでは?と妖精様は言っていた。研究職ェ……。

何はともあれ、そんなこんなでこそこそ使える《クリアショーン》は色々と重宝しながら微妙な気持ちにさせてくれる魔法だった。

 

「マジ、研究職ェ……」

 

気分を取り直し、俺は黙々と《気配察知》を全力展開しつつ《体力草》を採取して早々にその場から離れて行く。

途中、魔力回復薬になる《魔力草》を見付けたけれど近くの幹に目印を彫るだけに留めてその場から離れた。ぶっちゃけ、あれもこれもと多くを望んで採取していると運の低い自分は間違いなく猛獣に襲撃されてその他諸々を失う事になる事をこの二月で十分学んでいる。《魔力草》は、また今度に持ち越す事にして足早に森を抜ける事とした。

深追いは、敵もそうだが薬草等にも適応される。折角、レベル3になったというのにここで死んでデスペナを受ける必要もない。全く、本当に嫌になるシステムだよ。

お陰で、実経験として色々と成長しているのが体感として理解できた。悔しいけど、こればっかりは【組織】の施設にいたのでは得られなかったモノ。ホント、忌々しい人達である。その後も、前日までに調べて『見て回る』事を決めたポイントを回ってから帰路に着いた。ただ、猛獣の気配を感知したポイントは出来るだけさけてはいる。

戦闘になったら、採取どころか自らの足で踏み潰しかねないからな。以前、見付けた《体力草》の群生地で猛獣の襲撃に遇いグチャグチャにするというとても苦々しい結末となった事があった。あれは、本当に予期せぬ事だった為に踏み潰してダメにしてしまった大量の《体力草》は今尚後悔するレベルのモノだ。やはり、一人での探索は厳しいモノがある。

 

「クソォ……【組織】に居た頃の俺を殴り飛ばしてぇ……」

 

何度も言うが、本当に後悔先に立たずである。なんで俺は、彼処に居る間にちゃんと修行しなかったのかと繰り返し繰り返し自問した。面倒だったのは、否めないけどこんな事になるならもっと真剣に取り組んでおくんだった。

もしくは、妖精様にお願いして探索に付き合って貰うかである。だが、妖精様は妖精様でやる事があるらしいのでそれも頼めない状況だった。こういう時、双夜さんの使い魔がとっても羨ましい。流石に、百万とか保有魔力量を超える使い魔は要らないけど護衛か採取の手伝いに欲しい所。

せめて、一・二匹は必要だったかも知れない。まあ、俺の場合はほぼ百パーセント使い魔?が四匹GET出来るんだけどね。今は、其々の方角で自由を満喫しているけど。

四聖獣を、使い魔?等と言って良いのかはわからないけれど……多分、そういう結果になると思われ。

 

「はあ……なんにせよ、今はレベル上げに邁進しますか……」

 

なんせ、ステータスには上限があるらしいのでレベル1のまま最強には至れないらしい。レベルが、上がった状態でステータスを上昇させさえすればレベルが下がったとしても減らないらしい。それと、

上限以上に数値を上げたとしても、レベルが下がった場合はレベルが元の数字に戻らない限りステータス値の上昇はないとのこと。

つまり、レベルの維持は最低条件で……その上で、レベル毎のステータスのカンストとレベル上げが必要となる。

 

「なんて、ハードモード。異世界転移でも、もう少し楽なモノは多いぞ!?なのに、これが『超』の付く実力主義か!?」

 

我ながら、とんでもない場所まで来たものだ。これも全て、俺を【リリなの】に転生させた犯罪神のせいだ!!

クソォ……なんで、俺はノリノリで奴の手の平で踊っちまったんだ!?断って置けば良かった!幾ら、後悔しても後悔し切れないとは正にこの事だ。だが、全ては自業自得なので受け入れざるを得ないが受け入れたくない!!

 

ムギュッ!

 

「Σ( ゚д゚)ハッ!!?」

 

しまった!?つい、イライラで注意力が散漫に!!

俺は、踏んでしまったモノを確認もせずに《瞬動術》を使って逃げ出す。思わず、踏んだ何かを《瞬動術》の踏み込みで踏み抜いてしまったけれど……悲鳴の様な叫び?が聞こえたけれど気にしない!!

一目散に拠点へ向かって逃げ出した俺は、一気に加速して勢いに乗ったけれど……勢い余って、空中に飛び出てしまった。

 

「つか、ここ何処だ!?」

 

どうやら、考え事をしている間に未探索領域に入ってしまっていた様だ。振り返れば、同じ様に怒り狂った猛獣?ッポイ獣が崖から飛び出して来る。風魔法の連続使用で、なんとか軌道をズラして落ちる獣とは逆方向の崖上へと戻ってみた。途中、魔力切れでロッククライミングする事になったけれど何とか登り切って拠点のある方向へと走り出す。オチオチしていると、先程落ちて行ったあの猛獣が戻って来るかも知れない。それにしても、俺の運の悪さは折り紙付きだな!なんでこれで、【神】の言葉を信じてしまったのやら……正気を疑ってしまうよ。ま、疑われてるのは俺の正気なんだけど。神の言った、「死んで、運が回って来た』なんて甘言を受け入れたこと事態が間違いだったんだ!!チクショウ!!

フと、セイビアさんの『運の総量』についての話を思い出したけど、今は走る事で精一杯なので直ぐに忘れる事に。健康運~!!

 

禍焔凍真…隠し『運』系ステータス/健康運 150←各運中、最高値。

 

なのに、平均的な運数値が『56』ってなんでだ!?他の運は、どうなってんだよ!?セイビアさんは、健康運以外の事は曖昧な笑顔で視線逸らしてくれるしなんだってんだコンチクショウ!!

因みに、『とある』のツンツン頭の運値は『0』とのこと。そりゃ、右手が全部弾いているんだから外部要素からの守護や祝福等は無いだろうけど……総合で、『0』とはどういう計算だ!?

とりあえず、思考が暴走しているので無心で走る事にして俺は『運』についてを忘れる事にする。まあ、文句や愚痴は言うかも知れないが気にしないでくれ。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

「はあ……今日も、色々大変だった……」

 

「おかえりなさい。ご飯は?」

 

「あ、はい。肉焼きます……」

 

「また、肉?たまには、魚とか食べたいわ」

 

「……………………」

 

安全が、確保された拠点に戻ってきた俺は今日も妖精様の愚痴を聞き流しつつ晩御飯の用意を始める。流石に、毎日猛獣の肉だけでは色々と物足りないのはわかるんだけど……魔物?が跋扈する、この大自然の中で同じ場所に何時間も留まる事になる魚釣りは許して欲しい。各言う俺も、肉に飽きてきたしそろそろ別のモノを食べたい所ではあるが調味料一つ満足に取れないここでは無理だ。

 

「そろそろ、買い出しに行きたい所ですね……人里とか、無いんですか?もしくは、セイビアさんに連絡してみます?」

 

「無いわよ?そんなモノ……でも、セイビアに連絡してみるのはアリね。それで、どうやって連絡してみるの?」

 

「もちろん、掲示板経由で連絡するんですよ?」

 

「…………成る程。その発想は無かったわ……」

 

普通は、思い付いても実行しない行為なんだとか……まあ、言っても不特定多数の人が見るネット掲示板みたいなモノだからな。

だが、切迫詰まっている状況で『しない』なんて選択は選ばれない。

使えるモノは使う、それがサバイバル生活の秘訣だ。

 

「調味料ごときなのにね?」

 

「……………………」

 

五月蝿いなぁ……なら、妖精様の食事に調味料は使わない様にするってこtーー痛たたた!すみません!ごめんなさい!嘘です!使います!使いますから、そんな小さく細い指で俺の耳朶を千切らんばかりに握らないで下さい!!いやぁ、プチプチって音が聞こえる!?止めて!千切らないで!?痛い!痛いいぃぃぃ!!!

 

「ふぅ……全く、なんて愚かなのかしら?」

 

「酷い。妖精様が、とても残忍過ぎる……」

 

「当然でしょう?私を、除け者にしようとしたんだから!」

 

「調味料を、『ごとき』扱いするから……」

 

「あ゛あ゛ん!?」

 

「ひぃ!?な、なんでもごさいません!!」

 

どこのヤ〇ザ妖精だ!?あんな、低ボイスで《威圧》込みの睨みを向けられて俺に否定出来るだけの胆力があると思うか!?ああ、ねぇよ!?つか、この妖精様はこの世界のラスボス様だぞ!?状況的にもレベル的にも、敵う訳がないだろう!?討伐目安が、何レベルなのかはわからないけど……絶対、レベル100以上と見た。なんたって、あの【魔王】に絡んで生き残った妖精様だからな。ちょっとやそっとで、勝てるとは思えないので地道に頑張るしかない。

さて、レベルも上がって上限も上がったから明日からはうんと頑張らないとな?日々のトレーニングが、頑張れば頑張るだけ力になる事はもうわかったのでこれからも鍛練は続けていく予定だ。

 

「ステータスの数字だけ見てちゃ駄目よ?身体が、どれだけ動くかで戦闘は変わって来るんだからちゃんと修行しなさいね?」

 

「……あ、はい。あー、もしかして変態的な動きとか……」

 

「もう、出来ると思うわよ?」

 

「マジか……」

 

変態的な動きとか、出来るだけヤりたくは無いんだけど……そう言えば、双夜さんやセイビアさん達は変態的な動きとかしてなかった様な気がする。まあ、《神威》を使っている彼等の姿は全く見えないんだけどさ。

でも、おかしな動きとかはしていなかったハズだ。

つー事は、それなりの強さを手に入れたら変態的な動きをしなくても戦えるって事だ。とは言え、今の俺ではその領域まで至るのにどれだけの時間が掛かるのか見当も付かない。まあ、俺の種族ではその領域へと至る事は出来ないだろうけど。

 

「はぁ……鍛練とは別に、体を十全に使う訓練も必要だな……」

 

やるべき事が、ドンドン増えて行くけれど必要な事なので仕方がないとも思う。つか、隠密で監視役程度の事なのにそこまでする必要があるのか疑問だけど。

 

「また、《堕ち神》にボコボコにされたいの?」

 

「うぅ……ですよねぇー……」

 

今度は、《神殺し》の誰かが救援に来れるまで俺一人で堪えられる様に……助けを求める誰かを救える様に……今度はーーー。

 

 

 

LV 3

 

HP 7324←(+926)

MP 9000←(+)

TP 1400←(+)

SP 3700←(+)

STR  3383←(+578)

VIT  3903←(+223)

DEX 4642←(+487)

INT  3959←(+92)

AGI  3611←(+661)

MND 1986←(+75)

LUK  56←(+)

CHA  670←(+)

 

 

スキル技術

《瞬動術Lv5》《身体能力強化Lv6》《伐採Lv6》

《木工加工Lv5》《忍び足Lv6》《気配感知Lv5》

《体術Lv5》《調合Lv5》《細工Lv3》《気配遮断Lv3》

 

 

スキル魔法

《魔力操作Lv5》《魔力感知Lv3》《生活魔法Lv5》

《土魔法Lv5》《風魔法Lv5》《錬金術Lv3》

《氷結魔法Lv4》《火魔法Lv1》《闇魔法Lv1》

《幻惑魔法Lv1》

 

 

固有   なし

EX   《神速》

称号   《器用貧乏?》

 

 不死の呪い

 不老の呪い

 再生の呪い

 不能の呪い

 

 

 

 

 




《クリアショーン》は、凍真製作者に不評でしたがそういう魔法だよ(笑)。下ネタというか、18禁ネタだったんだよね。まあ、そもそも最強の女剣士がそういう方面のキャラになっちゃったからね。最初は、銀河が死ぬまでは純粋な少女だったんだよね……それが、銀河が死んで壊れちゃったから自暴自棄になって18禁キャラにw。それで、転生体を見付けて戻ったけど……やっちゃった事は消せなくてね?まあ、色々あってあんな感じに落ち着いたんだ(笑)。
で、《クリアショーン》はその頃に作られた魔法で『ニャーオ』という名のキャラが洗浄魔法として作り出したんだけど……ちょっと、おかしな使い方をした奴が居てその結果出なくなっちゃったんだwww。そいつは、研究職の奴で【鮮血の】の同僚。引き籠りで、表に出て来なくなった奴だけど研究一筋で机に噛り付く様に暴走するお馬鹿さん。
希に、【鮮血の】と一緒にヒャッハーしてる科学者兼錬金術師。

最近、前の分を読み返す事があったんだけど……また、前設定を忘れて好き勝手に物語を書いてる私がいる。なので、幾つか辻褄合わせをしてみたよ?アイテムBOXは、ステータス画面を開いた時にトーマが見付けたステータス機能の一つだよ。で、収納BOXはアイテムBOXの下位互換のアイテムって事にしたw。他にもあるけど、そこら辺は別の何かを宛がって修正する予定。とりあえず、凍真の目標が漸く定まった!!って、今回はそういう回にしました。
双夜レベルではなく、《堕ち神》に負けない程度の強さを手に入れる!それが、凍真の目標だ。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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