絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三五一話

双夜:

 

 

 

漸く、機動六課の卒業式です。

もちろん、卒業式ラスト模擬戦には俺も参加させていただきました。幻影と虚実混じる大乱戦をして上げたら、ユーリも交ざって来ての蹂躙戦になってしまう。まあ、元から大乱戦な撹乱戦をやっていたので今更だけどね。ちょこっと、嫌がらせッポイ戦術も組み込んで俺&ユーリvs機動六課なんてのもした。

 

「というか……引っ掛かり過ぎ(笑)」

 

「幻のデイバインバスターに、ブラスター・ビットが紛れ込んでいるなんて普通は考えぇへんよ……」

 

そのせいで、本物か偽物かの判断が遅れてたら意味はない。切り捨ては、初見で判断してね?(鬼畜&スパルタ)

 

「魔力反応を出すのに仕込んだ。迫って、消えてドッキリ!真横から本物で更にビックリ!一度ハマったら、逃げられない怒号のバスター連撃!!まさか、司令官が真っ先に沈むとか……部下も真っ青な、乱戦場とか笑えたわ(笑)」

 

「その後になのはちゃんが墜ちて、フェイトちゃん、シグナム、ヴィータと来てティアナ……真っ先に司令塔を潰しに来るとか考えぇへんわ!?」

 

「残りは、美味しくいただきました(笑)」

 

「たった二人相手に、手も足も出ぇへんとか頭が痛いわ……」

 

「フッ……単独で、ゆりかご落とせるんだぞ?当たり前だろ?」

 

「せやったなぁ……はぁ……」

 

ガックリ肩を落として、八神はやては死屍累々状態の六課面々プラスαが居る方へと歩いて行く。そこには、ヴィヴィオ(ウサパジャマ装備)も居て倒れ伏せるなのはさんとフェイトちゃんを励ましていた。因みに、ウサパジャマを着るように進めたのは俺でウサパジャマを持って来たのはユーリだったりする。ここは、あの癒しヴィヴィオで気力を回復した後……もう一戦とかしたら、どうなるだろうか?この後も、仕事あるんだよな(笑)。

まあ、八神はやてが嫌がるので上げて落とす行為は控えておくが……俺の邪魔をするなら、多少は嫌がらせをしても良いと思ってる。つか、『塔』の方は既に別の部隊が調査に赴いている様だが未だ解明には至っていない。というか、機動六課レベルの戦える魔導師が居ないが故に、中々次の段階に至れずタイムアップ戻りしているとのこと。ウムウム、順調の様である。

因みに、世界の調整は六課に戻ってから一度しかしていない。ある程度調整すれば、何もしなくてもこの世界が元々持つ自浄作用で修正されて行く傾向がある。まあ、手を加えれば加える程早くはなるんだけど……そこはそれ。世界に経験を積ませる方向からすると余り手は出さない方が良い。でも、今回の反転は俺が起こしたイレギュラーなのでトコトン調整はする予定だ。

それと、ヴィヴィオに増やすと言っていたぬいぐるみの件だが……順調に、動物園レベルへと変化した。何たって、部屋の一角にあるソファーには所狭しとぬいぐるみが並んでいて人が座る場所が無いほどである。最近に至っては、なのはさんからぬいぐるみを増やすなと言われているが……ヌコパジャマ?犬パジャマ?と訊けば、八神はやてが釣れた。後は、教導方面の上司さんとか(笑)。

今度、娘さんのヌコパジャマを作る予定(賄賂)。

まだ、幼いらしいので『ヌコパジャマを着せたら最高に可愛いでしょうね?』と言えば割りと簡単に懐柔できた。現在は、ヌコパジャマが出来上がるのを楽しみにしてくれている(笑)。

 

「さて……と?」

 

ヌコパジャマの納品が終わったら、また俺は多くの暇を持て余す事になるだろう。それは、仕事を趣味とする俺に取ってはある意味苦痛にしかなり得ない。だから、一旦この世界を離れて別の世界を救う事に従事するのもまた一つの手だ。とは言え、現状……この世界を離れる事は、俺の存在を一時的に皆の記憶から削除する事になる。流石に、ここまでの繋がりを無に帰すのはちょっと忍びないので一計を案じる事にした。そうすると、現状どうしても避けられない問題が一つある事になる。それは、ヴィヴィオだ。

正確には、俺と偽物を見分ける能力がネックになってくる。俺の分身を置いて行く案を前提とするならば、ではあるが……ヴィヴィオの偽物と本物を見分ける能力をどう誤魔化すか悩み処であった。まあ、解決する打開策はあるにはあるんだ。

ぶっちゃけ、ヴィヴィオにだけは全てを話してしまえば良い。ただ、世界の調整云々をヴィヴィオに伝えた所でちんぷんかんぷんだろうから『ちょっと、出掛けて来る』程度のモノで良い。

その『ちょっと』が、長期になるかは不明だけど……前科がある分、大丈夫ではないかと思ってはいる。

ただ、懸念があるとすればその策が完璧では無いって事だろう。いや、本当にどうしたもんか?

 

「私を置いて行けば良いではないですか?」

 

「ユーリを置いてけば、寂しがるだろう?」

 

「わ、私、そんなに子供じゃありません!」

 

「寂しい云々に、大人も子供もないと思うが……」

 

「うぅ……で、でも……」

 

「それに、ユーリはロストロギア扱いで『紫天の書』経由で俺がコントロールしているから普通に生活できてるって()()だろう?単独で、活動出きるってわかったら管理局がなにしてくるかわからないんだぞ?」

 

「うぅ……それもありました……」

 

「いや、ホント……どうしたものか……」

 

見た目、五歳な俺が嘱託魔導師をやる訳には行かないし……ユーリを矢面に出す訳にも行かない。そりゃ、代役を立てて姿を眩ます訳だから『俺』がユーリをウンタラカンタラ設定はどうにでもなると言えばなる。だからと言って、保護しているユーリを残して他の世界へ行くのは問題があった。ユーリが、元々《旧・神族》に使われていたという前科があるんだよね。下手に、放置するとまた奴等の玩具にされかねないので出来れば手元に置いておきたい訳だ。

何たって、魔改造しちゃった存在だからな。なので、ユーリを残して別の世界に行く案は却下で……別の対策が必要。

 

「魔導系の人材で、化学方面にも精通している《神殺し》見習いとか居ないよな?空間の揺らぎすら感知出来て、《旧・神族》の干渉を逸早く感知出来る人材とか……」

 

「無い物ねだりかと……」

 

「ん?アルカ、か…………お前、俺と人格入れ替える気ね?」

 

「お断りいたします」

 

「デスヨネー」

 

一番手っ取り早いのは、名字持ちの使い魔と人格を入れ替えて活動する方法だろう。それなら、俺の肉体はこの世界に置いたまま俺の人格は別個体として世界を渡る事が可能だ。それと必要に応じて、意識を切り替えるだけで世界の隔たりを越えて活動する事が出来るってのも良い。

だが、その入れ替わりの条件を満たしている使い魔はそれ程多くは居ないのがネックだ。その上、アルカの様に断って来る使い魔が多い。まあ、役職持ちの使い魔なんてそんなもんなんだけどな。

 

「別に、のんびりしていれば良いじゃありませんか……」

 

「そうですよ!手持ちぶさたでも良いじゃないですか!」

 

「残念ながら、のんびりしては要られない。神崎が、生まれ変わる前の神崎に会いに行かねばならんのだ……」

 

「……それ、必要な事なんですか?」

 

「使い魔が、調べて来た事が事実ならアイツ等の運命はとても残酷なモノにしかならない。だが、全てを知る人物が居れば……あるいは、生まれ変わる前の神崎であるならば……」

 

「可能性を広げる事になるんですね?」

 

「あくまで、可能性を広げるだけなんだがな……」

 

「はぁ。良いじゃないですか。可能性を広げられるなら、それだけ最悪を避けられるって事でしょう?」

 

「あくまで、避けられる()()知れないだけだけどな」

 

思わず、苦笑いが溢れた。何たって、可能性を広げる事しか出来ず……その僅かな幸せに至る道を見付けられるかは本人達次第でしかないのだ。俺が出来る事と言えば、その可能性を少しでも多く用意してやる事だけだ。

 

「あの馬鹿が、それに気が付いて呪いを解ければ……だけど」

 

「ああ。あの、ふざけた呪いですか……ですが、あれは……」

 

「だから、必要になるだろう?」

 

「………そう、ですね。ですが、気が付くのですか?」

 

「うーん……気が付かないかもな。それでも、()は信じてるよ。アイツは、本能でそれを打ち破ってくれるってな?」

 

「……そこまでする価値が、あの者にあるのですか?」

 

「無いかも知れない。だが、見てみたくはないか?人の可能性ってヤツをさ……」

 

「…………Masterの御心のままに……」

 

「ユーリは、回収して行く。代わりは、頼んだよ?」

 

「また、無茶振りを……心得ました」

 

「任せた。って訳で、ユーリは俺と一緒に行くよ?」

 

「えぇ!?でもでも、私の代わりなんて……」

 

「問題ありません。データは、揃ってますので記憶の維持くらいは務めて見せます」

 

一礼をし去って行くアルカを見送った後、ユーリを紫天の書に回収して俺は《時空石》に魔力を込めた。向かう先は、とある平行世界。そこは、物語の世界ではないけれど……とても、重要な人が存在する世界。

本来であるならば、立ち入る許可は降りないんだけど……もぎ取ってやりましたよ?立ち入り許可(笑)。

 

「全く、手間を掛けさせてくれるよ。ホントに……」

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

 

???

 

 

現在位置/不明。

時系列/判別不能。

 

薄暗い部屋の中、壁際に置かれたベッドの上で俺は目を開く。周囲を見回して、状況を確認した俺はそのままベッドの上で部屋の主を待つ事にした。そのついでに、術式を展開し第三者からの干渉を阻む結界を構築する。

結界の展開は、部屋の主が戻って直ぐが適切だろう。

気配を消して、息を潜める事数分。

廊下の方で、何かを言い争う声が聞こえてそれと同時に部屋の主と思われる青年が素早く開けたドアの隙間から滑り込んで来る。

おい、コラ(怒)!アイツの前世は、超オデブさんで不細工だったんじゃねぇのか!?全然痩せてるし、言う程不細工でもないんですが!?そりゃ、第一印象は根暗?とは思ったけど不細工でも無ければ美形でもない平均的な顔面偏差値なんですが!?まさかとは思うけど、見た目の雰囲気が根暗ッポイから根暗だとか言われてたオチですか!?そうですか!!まあ、良いや。第三者からの横槍が入る前に、廊下とこの部屋を隔離して結界で閉じてしまえ。青年はというと、部屋に戻って来るなりPCの前に座りカチャカチャと操作を始めたのでサッサと声を掛ける。

 

「やあ、鈴木満男くん?」

 

「っ!?誰だ!?」

 

「初めまして、僕は如月双夜。ちょっと、お邪魔しているよ?」

 

「どっから入った!?出て行け!!」

 

「結界張ったから無理だと思うよ?何なら、そこの窓に椅子でも投げてみるかい?まあ、外を見れば直ぐにわかるかと思うけど」

 

「ああ!?…………って、マジか!?え?超常現象!?」

 

「結界だよ、結界。【魔法少女リリカルなのは】を知っているなら【結界】の意味ぐらい直ぐわかるだろう?」

 

「え?ちょ、マジで!?」

 

鈴木満男くんは、本当に心底驚いた様子で窓の外と俺を交互に見ている。その上で、スマホなる物を取り出しパシャパシャと風景を撮り始めた。

とりあえず、そんな事をしても映るのは普通の風景なんだけど……言った方が良いのだろうか?

 

「とりあえず、話聞いてくれるかな?」

 

「あ?お、おう……い、いや、出てってくれないかな?」

 

「どっちだよ!?あー、うん。このノリ、初めて会った頃の神崎と被るわ。同一人物で、間違いないかな?」

 

「おまっ!?俺の黒歴史を読みやがったのか!?」

 

何故か、鈴木くんは『神崎』という名を聞いて顔を真っ青にすると唐突に怒り出した。

そして、訳のわからない事を喚き始める。

 

「んー?黒歴史を、読んだ?」

 

「しらばっくれるな!!今、俺の事を【神崎】って言ったじゃないか!?って事は、俺が居ない間に封印した黒歴史を読み漁ったって事だろう!?」

 

「フム……その話からして、何かを纏めた書物でもあるのかな?」

 

「書物…………?んん!?あ、なんでもないです……」

 

「封印した、というからには押し入れ……はないからクローゼットの中にでも……」

 

「なんでもない!なんでも無いったら!!忘れろ!!」

 

「……はあ。では、聞かなかったという事で……それでも、疑問は解消されないだろうから転生後の君に聞いたんだ……と答えて置こうか?」

 

「転生、後、だと!?……俺は、死ぬのか!?」

 

「いや、まだ生きてるじゃないか……前提条件が、違うんだ。それに、君には情報が不足している」

 

「前提条件?情報、不足……」

 

「例えば、インスタントラーメンって知っているだろう?」

 

「あ?馬鹿にしてんのか!?」

 

「話は、最後まで聞け。インスタントラーメン、知ってるよな?」

 

「……………………ああ……」

 

「あれを、転生体でやるんだよ。そうだな、君の人格や記憶、その他諸々をコピーして新たに用意した新品の魂にコピペする。すると、君の人格と記憶等を持った君の複製魂が出来上がる。これを、『インスタント・ソウル』と言うんだが……」

 

「OK、把握した!って事は、その『インスタント・ソウル』で転生した俺と会ったのか!?え!?ちょっと待って、だったら()()に居るお前って何者!?」

 

「フム……ヲタクという人種は、なんでそんなに知識量が多いんだろうな?もしくは、そっち方面の英才教育でも受けているのか?ちょっと、引くわぁ……」

 

「いやいや、ちょっと齧ってりゃ直ぐにわかるだろう!?」

 

その『ちょっと』が、どれ程のモノかわかって居ないから始末に終えない。普通に、英才教育レベルですよ?

 

「通常は、受け入れられんよ。否定するか、拒絶するのが普通だ。というか、『インスタント・ソウル』なんてシステムがあるならもっと他に考え付くモノがあるんじゃないか?」

 

「…………( ゚д゚)ハッ!! そうだ、『インスタント・ソウル』なんてシステムがあるなら異世界転移なんて夢のまた夢じゃないか!?」

 

そう!『インスタント・ソウル』なんてシステムがあるなら、己が自意識による異世界転移など儚き夢でしかない。

鈴木くんは、足から力が抜けたのかガクンと崩れ落ち膝を付く。そのまま、前のめりに倒れつつ両手を付いた。

所謂、『orz』のかっこうで絶望の表情を浮かべると無言のまま悶絶している。

 

「しかも、複製魂が転移した所で自意識は本体にあるから異世界に至った事実を知らないまま『異世界行きたい』とかほざくだけに……」

 

「ぐおおおぉぉぉ……マジか!?マジですかああぁぁぁ!?」

 

最早、この世の絶望を纏めて受け取ったかの様な表情を見せられて俺はニンマリと嗤ってしまった。そんなに?そんなに、絶望する様な事!?そんなに、異世界に行きたかった!?

 

「という訳で、君の転生体に会ったから君に会いに来たんだよ」

 

「ちょ、意味がわからないんですが!?」

 

まあ、それだけじゃないんだけどね。

 

「じゃ、別の質問だ。……神様って、正義の人だと思う?」

 

「へ?あー、そうッスね……正義の人じゃないんですか?」

 

ほぼ、上の空ではあるがちゃんと答える鈴木くん……やはり、彼は神崎の元になった人物で間違いないらしい。反応が、神崎そのものだ。つか、なんでコイツ引き籠りなんてしてるんだ?

 

「んー……正義の人じゃないねぇ。まあ、十人十色と言って置こうかな?で、君達を転生させたヤツは人の不幸が大好きな神様だった訳よ」

 

「すんごい、嫌な予感がします……んん!?『達』!?」

 

直感もあるのか……凄いな(笑)。

 

「他にも、居るんだよ……いや、その為に死ななくていい人や死んでもおかしくない奴が生き残されたりしてるけれど……」

 

「……死ななくてもいい奴?」

 

『死ななくていい人』と言った瞬間、鈴木くんの目付きというか雰囲気がガラッと変わった。剣呑な雰囲気と言えば良いか、目付き鋭くこちらを睨み付けて来る。

 

「一つ、聞きたい」

 

「なんだ?」

 

「アンタは、何者だ?」

 

「《神殺し》……問題のある神の処遇を決める者だ……必要ならば、神様だろうと殺す仕事をしている」

 

「…………OK、続けろ」

 

続けろって……何様?とも思ったが、色々あるんだろうとスルーする。一瞬、この話を続けるか否かを迷ったけど続ける事にした。

いずれにしろ、彼の協力は必要不可欠。なら、敢えて回りくどい言い方でも彼に伝えられる全てを語るのが良いだろう。因みに、なんで回りくどい言い方をしなければならないかと言うと……この世界への入場許可を得た際に、世界の意思から制限と誓約を掛けられて居るからだ。とある事柄について、一部詳しい説明を避けなければならないっていう制限を。

 

「…………君の『友達』全員が、転生している……」

 

「…………『インスタント・ソウル』で、か?」

 

「ああ。サルベージはしているが、彼等のソウル・データが流出し弄ばれているがな……」

 

「…………俺等を転生させたのは、同じ神って事か!?」

 

「そこまでは、確認出来ていない。巧妙に隠してあってなぁ……だが、手口からして同一神だと推測されている」

 

「アンタ等は、神々を監視する立場の存在じゃないのか!?」

 

「そういう立場ではあるが……徒労を組んだ神々が、あっちやこっちで色々やらかしてくれるんで人手が圧倒的に足りないんだわ」

 

「そんな言い訳が通るとでも思っているのか!?」

 

こちらの言い分を、覆い隠すかの様に怒鳴る鈴木くん。

だが、奴等の遣り口は君が思っている程甘くはない。

特に、《旧・神族》に至ってはどんな言葉を尽くしてもその悪辣さを言い表す事が出来ない程である。殆どが、アイツ等の糞ッタレな行動で阻害されているのが現状だった。

 

「そうだな。だが、目眩ましに、陽動……後は、人身売買に神権を使った人種差別。被害者を保護したり、傷付いているなら癒したり、カウンセリング。そんな、弱者な人々が安全に暮らせる世界作り。さて、どこまで手を広げれば平和が訪れるのやら」

 

「OK、神々が悪辣な魑魅魍魎だって事は理解した」

 

「他にも、《旧・神族》を名乗る古い神々の眷族……わかりやすく言えば、昔の神に使えていた貴族モドキが甘い汁吸いたさにやりたい放題しているよ」

 

「古い神々?」

 

「一度、世界は滅んで作り直されているんだ。その時の神々に付いていた権力者共がだな……古い神々に隠れて、甘い汁を吸いまくっていたのを忘れられなくて今でもそういう状態に持ち込もうと色々画策中だ。古い神々は、数少なくなりつつあるが……はぁ」

 

「色々あるんですね……」

 

「で、世界は……横並びの世界を、並列世界。【リリなの】風にいうと次元世界。で、縦並びの世界を平行世界。前後に、未来と過去があって中心は現在。更には、平面の斜めや立体で前後した時間軸にも移動出来る訳だ……」

 

「それって……人手不足の意味がわかりました。そりゃ、足りない。圧倒的に足りない」

 

おや?おやおや?本当にこの子……優良物件だったのかも知れないんですが?普通は、言葉だけではイメージ出来なくてちんぷんかんぷんになるんだが……理解してる?本当に!?もし、ホントに本当なら事案案件というか事案発生!なんですが!?

これは、【鮮血の】呼んで自慢しなきゃいけない!!

 

「えっと、それで……俺になんの用なんですかね?」

 

「実験で、君の複製魂を更に複製したら劣化に劣化で脆くなっちゃって……なんで、オリジナルで補強出来ないかなぁって……」

 

「なんか、無茶言ってる人が居るんですが……」

 

「大丈夫、大丈夫。オリジナルで補強すれば、神が面白半分で掛けた呪いもなんとかなるだろうし……君の願いも、叶えられる」

 

「…………俺の願い?」

 

「知りたいんだろ?」

 

「……………………」

 

「色々、調べさせて貰ったよ。君が、引き籠りになってる理由とか……その原因とか。まあ、ここではそれを説明出来ないけど。この世界に入る際に、誓約を掛けられているからね」

 

「誓約……それは、人物に関するモノですか?」

 

「ふふふ。本当に、どんな英才教育を受けているんだか……恐ろしいなぁ、この世界は……」

 

「…………行かない、と言ったら?」

 

「君の『友達』が、不幸になるだけだよ?君が、それを許容するのなら僕の事は忘れてくれて構わない。今まで通り、この部屋に籠っていると良いさ」

 

「……ぶっちゃけ、それ……最初から、拒否権ないですよね?」

 

「拒否したければ、すると良いよ?」

 

「アンタ、俺の性格知ってて言ってるよな?」

 

「そりゃ、君に戦い方を教えた師匠だからね。それなりに長い時間、君の転生体と一緒に居たからわかってるよ?でも、選ぶのは君だ。『神崎大悟』という、転生後の君でも僕でもない。オリジナルの君自身が選ぶ事柄だよ」

 

「…………それ、拒否権無いじゃないですか……」

 

「ふふふ。僕は、最善を尽くすだけだ。拒否権が無い様に感じるなら、僕がちゃんと最善を尽くせているっていう証拠だよ」

 

「マジか……この人が、俺の師匠……はああぁぁぁ……」

 

「さあ、どうする?君が、選ぶと良い……」

 

「だが、断る!!」

 キリッ( ・`д・´)+

 

「!?」

  Σ( ̄ロ ̄lll)

 

 

 

 

 




断られたああぁぁぁーーーー!?
ここまで、策をこうじているのに断ったよ!?コイツ!!

双夜が、色々策をこうじている回ですね(笑)。
神崎くんの転生前……オリジナルを鈴木満男(スズキミツオ)って言う、ダサい名前にしてみました。まあ、『ダサい名前』で検索したら『学』と双璧を成していたので採用した訳ですが……ダサいよね!?普通に、ダサい名前だよね!?名字は、日本人ならそこそこ居るであろう名字で(笑)。
候補には、『佐藤』とか『田中』とか良くある名字を上げてました。だが、『鈴木』がランクイン!これなら、満男くんが『神崎大悟』と改名したいのも頷ける名前として認識されるだろう。
さて、普通に断られてしまいましたよ?これ、説得は難しそう?はあ……間に合わなかったら、色々と終わりそうですね。もしくは、神崎くんルート延長の可能性も?全く、酷いなぁ神崎オリジナル。ここまで、お膳立てしたっていうのに断るとか……なんて、残酷な奴なんだ!?双夜の努力を無駄にするなんて……。ああ……これで、またふりだしですよ?

後、【鮮血の】には自慢しないで欲しい。まあ、双夜ならヤるんだろうけど……また、【鮮血の】が荒れるからマジで煽り行為は止めて欲しいなぁ……。

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m(_ _)m

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