絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三五三話 #

Re:

 

 

 

翼に……一週間程、付き合わさせられた神崎大悟です。

《時渡り》しようとする度、病んデレ覚醒する翼がとても怖かったとだけ言っておこう。まあ、色彩が鮮やかな翼とVRデートするだけなので役得と言えば役得だった訳ですが……これで、漸く俺の俺による俺だけのハーレムが作れる様になった訳だ!

でも、あの色彩鮮やかな翼を見た後で物語のヒロインと恋人に成りたいかと言えば……微妙な所だったりする。

むしろ、あのまま翼と楽しく遊んでいた方が良かったんじゃね?と思わずには要られない。つか、金髪碧眼な翼が女神過ぎて魔法少女が霞んじゃってるんですが!?ぶっちゃけ、後ろ髪を全力で引っ張られる痛みを感じつつそれを振り切って《時渡り》をした感じですかね?ある意味、とっても後悔してたりします。

 

「何の罠だ!!これぇ!?」

 

とまあ、冗談はさておき……目の前に広がる懐かしい光景を前に俺は、今後の方針を巡って少し悩んでいた。というか、悶絶している。だってなぁ、ハーレムを作るつったってどう取っ掛かりを作れば良いのか今一思い付かないんだから仕方がない。そりゃ、子供から始められるなら幼馴染みというアドバンテージを使ってヒロイン達に近付くのは容易だ。だが、全く無関係な状況からヒロインとの伝を作って攻略となると色々と面倒だったりする。

しかもだ、ヒロインに関わろうとすれば必ずその周囲を固めている転生者共が出て来るだろう。それをどうやって突破し、どうやってヒロイン達と仲良くなるかが肝になるハズだ。

 

「やっぱ、ロールかなぁ?」

 

手っ取り早く、保護されてみるか局に入隊するのが一番近道だとは思うけど、その場合は転生者達と面通しをする事になる。その場合、こっちの身バレは言うまでもなく必ず妨害やら何やらしてくるに違いない。そりゃもう、嘘八百を並べ立てた上に全ての技術まで使ってこちらを精神的に追い詰めて来ると思われ。まあ、悪玉転生者なぞ俺の障害でもないが……目障りなのは目障りだ。

 

「想定が可能な分、面倒臭くて敵わないな……」

 

とりあえず、自分の置かれた状況を確認するべくミッドチルダの街を観光気分で巡ってみようと歩き出す。そう言えば、こんな風にミッドチルダを観光した事なかったなぁ……こんな機会、あの頃の俺には一ミリたりとも存在しなかった。余裕が無かったと言えば、ただそれだけの事なんだけど。それが、今はこの状態である。俺が、色々と変わったからなんだろうけど……師匠と関わって、俺の中の何が変わったんだろうな?今一、明確に自覚出来ない事なのでワケワカメ。とは言え、師匠達と関わる様になった辺りから明確に俺の中で何かが変わって行っているのは事実。

だからと言って、何が変わったも断言出来るモノは何も無い。強いて言えば、元に戻った?というべきだろうか?

 

「フム。そう言えば、お金持ってねぇや……」

 

うっかりしていた。こりゃ、本格的に師匠のうっかりが移ったのかも知れない。美味しそうな露天があったので、注文した後に手持ちが無い事を思い出した。慌てて、注文を取り消そうにも既に注文の商品を焼き出していたので俺も店主も困り顔。

さて、どうしたものか?

 

「すまない……」

 

「まあ、そういう事もあるさ……」

 

「どっかで、一発芸でもして稼ぐか?」

 

「あんちゃん、何か出来るのか?」

 

「まあ、魔法を使わない武芸を少々足しなんでいるが……」

 

とは言ったものの、現在の俺はリンカーコアを持たない……魔力を直接操作する魔法を使う事が出来る《神殺し》だ。ぶっちゃけ、俺が使う魔法は全てこの世界の魔法と体系が違うので『魔法ではない』と言い張れば魔法に成らなかったりする。まあ、厳密には魔法なんだけど……言い張れば良いのだ。言い張れば!

それに、魔法陣も展開されないしなぁw。

師匠みたく、再現魔法とか使えれば魔法陣も展開されるしこの世界の魔法を使う事が出来るけど……それが出来る程、魔法系を鍛えてもないし勉強も進んでない。なので、ちょこっと無茶振りしてパワー系のアシストを使いつつ一芸を披露してみた。俺的には、普通にバランス芸のつもりだったんだけどなぁ……流石に、車を指一本で持ち上げてユラユラさせるのはアカンかったらしい。

まあ、そのお陰で美味しそうな食べ物は無料で譲って貰えたが車の持ち主が通報していたらしく局員に捕まってしまった。

 

「はむはむ……」

 

「えっと……その食べ物を貰う為に、車を指一本で持ち上げたって事で良いのかな?」

 

「お金持って無かったので、その代わりに一芸をして見せただけだけど?その辺りの件は、店主に確認して貰えたんだよな?」

 

「あ、うん。それは聞いた。聞いたけど、だからってその辺にあった車を使うのはどうかなぁって思うんだけど……」

 

「つっても、車の持ち主にはちゃんと確認したんだぜ?」

 

「う、うん。それも聞いたかな?でも、あんな事に使われるとは思って無かったらしくって……」

 

「つーか、車の持ち主も俺の芸を見て喜んでたんだぜ?まあ、最初は……なのに、指一本にしたら真っ青になっちまってよぉ……」

 

調子に乗った俺も悪いけど、最初に確認をした時は超乗り気で楽しんでいた車の持ち主。それが、指一本でユラユラさせて見たら態度が180度反転して通報しやがった。

無事に返したのに、滅茶迷惑そうにしてて……まるで俺が、その辺に止めてあった車を無断で使ったかの様な反応だ。

全く、失礼な奴だな。

 

「うぅ……でもでも、無茶な行為は」

 

「そもそも、借り物に傷を付ける馬鹿は居ないだろ?居ないよな?つーか、お宅は借り物を壊したりするのか?」

 

「そ、そんな事はしないよ!?」

 

「目が、泳いでいるんですが……」

 

「……………………」

 

さて、通報されて出庭って来た局員が何故か見習い?新人研修中?の高町なのはだったのは横に置いといて……俺の言い分と、車が無事で持ち主も今は落ち着いているのでお互いに謝罪しあった後で和解済みな状況。そこに来て、遅れてやって来た彼女は苦笑いする先輩とちょっと微妙に引きつった顔で硬直中。それでも何とか、俺を注意しようと頑張っている訳だが……その様子に、その場に居た全員から微笑ましそうに見守る状態にタジタジだ。

そろそろ、助け船を出してやらねばならないと思い出した所での会話だった訳だが……新人に、この無茶振りは可哀想だろう?

 

「ここは、厳重注意で終わらせる所だよな?」

 

「お?首謀者から、助け船が出たぞ?」

 

「茶化すなよ、先輩殿。でもまあ、良い経験が出来たな新人さん。後、首謀者じゃねぇよ……まあ、言い出しっぺではあるけど」

 

「うぅ……」

 

「それにしても、指一本で車を持ち上げるとか……君、局に入隊しない?その腕を、平和の為に役立ててみない?」

 

「リンカーコアねぇよ」

 

「え!?ちょ、じゃ、どうやって持ち上げたんだ!?」

 

「純粋な筋力?」

 

嘘八百だが、リンカーコア無しで魔法が使える奴が居ないこの世界で俺みたいな特例を局に招くと色々と面倒な話が出て来るだろうし……今はまだ、最高評議会の脳ミソも健在だろうからあまり目立つ行為はしたくなかった。

まあ、滅茶苦茶目立ってるけど。

 

「まあ、空戦魔導師に負けない実力はあると言っておこう。高度取られたら、逃げるだけだし……降りて来たら、普通に勝てる」

 

「お?自信満々だねぇ……なら、ちょっと模擬戦してみる?」

 

「……先輩殿が、許可を取って責任も取るならやっても良いぞ?」

 

「ははは。冗談だよ、冗談……というか、中々局の内情に詳しいね?もしかして、身内さんだったのかな?」

 

「ちょっと、伝があっただけだ。身内ではないよ」

 

「成る程」

 

「それで、いつまで新人を放置するつもりだ?」

 

「おっと、忘れていたよ」

 

「えぇ!?」

 

「つう訳で、厳重注意を。何なら、内容も口伝しておこうか?」

 

「えぇ!?」

 

「君、やっぱり身内だろ?」

 

「違うって……」

 

等と、和気藹々しつつ新人研修中の高町なのはには俺の方から厳重注意の流れを教えておいた。その隣で、爆笑している先輩さんは後で上司からタップリ小言を漏らされるだろうけど。その辺りの方法を伝えた辺りで、顔を真っ青にしていたから報復は出来たと思われる。とりあえず、連絡先を交換したいと申し出があったがそれをやんわりとお断りして……次元漂流者だった事を思い出した。

でも、今更なんだよなぁ……目の前で、四苦八苦しながら実施勉強をしている高町なのはと顔色の悪い先輩殿が話しているのを眺めつつどうしたもんかと思案する。

とりあえず、移動する二人を追い掛けてみる事にした。

 

「……………………」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

無言で、右左へと複雑な動きをする二人を疑問に思いつつ追っ掛けて行く。あ、これ……俺が付いて来るかどうか確認してやがるな?まあ、付けている訳なんだけど。

しばらくして、振り返った先輩殿が困惑した様子で訊ねて来た。

 

「……なんで、付いて来るのかな?」

 

「いや、暇だし面白そうなので……」

 

「コラコラ、そんな理由で追い掛けられると……」

 

「そっちの新人さんが、あたふたしてる様子がとても」

 

「えぇ!?」

 

「おいおい、イジメてやるなよ……」

 

「それに、俺……次元漂流者なので、行く宛も無かったり?」

 

「……………………」

 

「……………………」

 

俺の告白に、キョトンとした先輩&後輩。

そして、先輩殿が大きな溜め息を吐き出し困った顔で再度こちらに向き直る。だが、その気持ちはわからないでもないけど……次元漂流者に向ける感情ではないよ?それと、事件だ!喜べ!!

 

「なんで、もっと早く言わないかなぁ!?」

 

「財布持ってない時点で気が付けよ?」

 

「無茶振りすんな!?」

 

「あ、後……パラレルワールドって知ってるか?」

 

てな具合に、俺は管理局に保護される事になった。

この時の先輩殿は、最終的に『無茶振りにも程があるだろう!?』と嘆いていたが俺はニヤニヤするだけで彼等の困惑振りを眺めるだけに務めた。その結果、何故か俺はリンディ・ハラオウン預かりになる事に……流石に、新人預かりにはならなかったよw。

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

はてさて、これによって高町なのはルートとフェイト・T・テスタロッサルートへの分岐点をGETした訳ですが……どうしたものか?とは言え、まだ見ぬヒロインも居るのでもう少し様子見をする事にした。なので、リンディさんを見てエイミィさんを見てクロノ君に視線を向ける。

フェイトとアルフは居るには居るけど、気になる事はエイミィさんとクロノ君なのでその時はスルーした。

 

「それで、クロノ……エイミィさんと結婚したのか?」

 

「ブーーーー!!!」(噴き出し)

 

「ちょ、クロノ!?汚い事するなよ……」

 

「き、君は、自己紹介直後に何故……」

 

「いや、だって……フェイト達が、19歳の頃には甥っ子達がいたハズだから?まあ、まだ11歳って言ってたから居ないのはわかってるが……リンディさんの手前、聞かずにはいられなかった」

 

「あらあら♪」

 

「この二人、結婚しますぜ?」

 

「そうなの?」

 

「しかも、双子が生まれます。男の子と女の子の!」

 

「まあまあ♪」

 

「待ってくれ!」

 

「だから、さっさと結婚してリンディさんに孫を見せてやれ……」

 

「だ、だから!」

 

「そして、仕事柄忙しくてたまに帰って来るが……出勤時に、『おじちゃん、バイバイ』と言われ絶望するが良い!!」

 

「ーーーーー」(|| ゜Д゜)

 

「あらあら、まあまあ♪ ダメよ?クロノ。忙しさにかまけて、エイミィや子供を放置するのは……」

 

「……………………」

 

「クロノ、撃沈。やったね!俺、魔法使わないでクロノ撃沈しちゃった。まあ、他にも色々とネタはあるから何度でも撃沈出来るけど……という訳で、仕事にいってらっしゃい?後は、任せろ!」

 

「そんな事言われて、行けると思うのか!?」

 

「でも、行くんだろ?」

 

「くっ……何故、こんな事に……」

 

「何時だって、そんなもんだよ?クックックッ……」

 

そもそも、あの台詞は君も良く口にしていたじゃないか?

『こんなハズじゃ無かった』は、君の十八番だろう?なら、それが君に振り掛かる事になってもそれは仕方がない事でしかない。

という訳で、クロノ君は泣く泣く仕事に出掛けて俺はまったりとリンディさん達の質問に答えながら緑茶を頂く。

もちろん、話題は平行世界のクロノ君に関してのモノ。

割りとポピュラーなモノから、イレギュラーなモノまでチョイチョイ笑いを挟んでチクっておいた。そう言えば、この世界の転生者達はどんな過去を過ごしたのだろう?

少し気になったのでそれとなく訊いてみよう。

下手をすると、愚痴大会が始まってしまうけれど……今後の事を考えると、これは外せない話題だろう。

 

「そろそろ、そっちの話も聞かせてくれね?俺の世界とは、多分大きく歴史の流れが違うハズだし……」

 

「…………そうかしら?」

 

「ぶっちゃけ、俺が居た世界ではプレシアとかアリシアが普通に生き残ってる世界なん、だ、が……」

 

話の途中から、リンディさんやフェイトの様子がとてもおかしくなってしまったので声量が萎んでいく。ああ、あの様子からしてこの世界のプレシアさんは助からなかったみたいですね。良し、この話はここで終了って事で!!とは、問屋が許さなかった。

 

「それはつまり、貴方の世界ではプレシア・テスタロッサが助かった……という事ですね?」

 

「あ……はい、まあ……」

 

ええ、ウチの師匠が死者蘇生でアリシアを生き返らせちゃったのでプレシアさんも改心して病気も治され普通に楽しい毎日を過ごして居られますよ?まあ、あれから数十年経っているので今も健在かは不明ですけど。

あ、いや、そう言えば俺の前記憶が戻ってるから既に存在しませんね。つか、俺も老衰で死んでたわw。

 

「俺の師匠が、死者蘇生の魔法を持ってましてね?それで、アリシアを蘇生したらプレシアさんが改心して……アリシアに叱られて、フェイトと和解した?ってな感じですかね?」

 

「和解、したんだ……」

 

「あーまあ、アリシアに『大嫌い』なんて言われたら普通に吐血してブッ倒れたよ?」

 

まあ、その『大嫌い』も師匠の仕込みだった訳ですが……今思えば、死に掛けてる人間になんて惨い事をしてるんでしょうね?ウチの師匠は!?マジで、鬼畜の所業だ。

 

「そ、そう……『大嫌い』、ね……」

 

「ははは。因みに、『大嫌い』を仕込んだのも俺の師匠だったりします。確か、フェイトが虐待されている映像を何度も見せて説得し……病気で弱っているプレシアさんに、『大嫌い』と会心の一撃を加え更に病状を悪化させた張本人です」

 

「アンタの師匠ってのは、鬼か!?」

 

「鬼畜ですが何か?」

 

「おぉぅ……そ、そうなんだ……」

 

「他にも、闇の書の管制ユニット……リインフォース・アインス。彼女もまた、ウチの師匠によって生き残ってたよ?」

 

「…………アンタの師匠ってのは、何者だい!?」

 

「あー……【真実の瞳】っていうレアスキル保持者?その名の通り、ありとあらゆる真実を見通す【瞳】を持つ天才児。ぶっちゃけ、神様が持つ神の目を持って生まれた反則存在だよ」

 

「そんな奴が、その世界には居たのかい!?」

 

「居たつーか、ある日突然現れたんだよ。師匠は、自力で平行世界を渡り歩く能力を持っていて、呼ばれたって言ってたけど……本当に突然やって来て、色々引っ掻き回して去って行ったよ」

 

「……………………」

 

「今も、ここではない平行世界で泣いてる子を助けてるんじゃないかなぁ?あの人は、そういう人だから……」

 

というか、確実に誰かを救おうと色々暗躍しているに違いない。

例えば、俺とか?そして、間接的に翼?鉄や凍真も、そうだろうけど……アイツ等は、【今】を楽しんでる奴等だからなぁ。俺や翼みたいに、悪辣な神様に転生させられた訳でもない。もしかしたら、後回しにされて放置されている可能性もある。いや、十中八九後回しにされているのだろう。あの人も、色々考え過ぎている所があるからなぁ……空回りする事だってあるだろう。

そう、結論を付けて周囲を見回す。うっかり、師匠信者の前でそんな結論を上げたとなればヤバイ人達がいつの間にか背後に立ってたりするけど……そんな事もなく。俺は少し、ホッとしていた。いやー、習慣というのは本当に恐ろしい。居ないとわかってはいるが、ついつい怯えた様子で背後をチェックしていた模様。

気を付けねば。

 

「成る程。本当なら、貴方の師匠という人が居たのね?」

 

「いや、俺も師匠もイレギュラーな存在だな。何を持って、【本来】とすれば良いかはわからないが……余分な存在が、紛れ込んでいて歪められた未来が更におかしくなってたら介入して来る……それが、俺の師匠かな?」

 

「イレギュラー?歪められた未来?」

 

「例えば、フェイトの幼馴染みに男とか居る?ああ、クロノとユーノは別として……」

 

「えっと、クロノとユーノ以外でなら拓斗とかの事?」

 

「数人居るのか……多分、それがイレギュラーな存在だろう。ソイツ等が、色々と面倒を引き起こし頼んでも居ないのに君達の周囲に集まって来ているのなら……ほぼ、間違いないかな?」

 

「そう……あの子達は、イレギュラーな存在だったの……」

 

「まあ、結末を知っていながら自分達の理想を追求するクズ共だよ。例えば、フェイトやなのはを自分の恋人にする為に……とか。ハーレムに加える為に……とか、色々目論んでいるアホ共だな」

 

「そう言えば、そんな事を言ってたねぇ……」

 

「ぶっちゃけ、中には相手を魅了する能力を持っている奴も居るから気を付けてね?」

 

「魅了能力!?」

 

リンディさんが、悲鳴に似た声を上げたけど……フェイト達が、引っ掛かってないので問題ないと思うよ?まあ、場をわきまえずニコニコ笑顔を向けて来る奴や頭を無断でナデナデして来る奴には御用心って忠告はしておいた。

フェイトには、その話を聞いて心当たりがあったらしく複数人の名前を上げていたけど。

 

「レアスキルのバーゲンセール状態なら、間違いないよ?ま、俺もその一人だったし……師匠にプチッてされて、根性を叩き直された上に徹底的に扱き上げられて今はこの通りだけどな?」

 

「…………アンタも、ソイツ等の仲間だったんだ……」

 

「あー……仲間って訳じゃねぇよ。ただ、俺の目的を歪めた奴が居て……ソイツが、楽しむ為に俺等が努力するっていう宿命だっただけだ。因みに、俺の目的はフェイト達みたいに悲しむ子を少しでも助けられたら良いなぁって願いだった訳だけど。出来れば、その悲しみを払ってハッピーエンドに出来れば上々?」

 

「それを、歪められた……と?」

 

ちょっと、ギャンブルになったけど……今が大丈夫なら、彼等と似た様な存在の俺でも受け入れてくれる模様。

いやはや、ヒヤヒヤしましたとも。でも、リンディさんは警戒度を上げちゃった模様。まあ、フェイトが堕ちたらダイレクトにその波を受ける事になりますもんね?とても、わかります。

 

「洗脳っていうか、ある意味【呪い】が掛かってるんだよ。その、黒幕が望む未来を作るのが俺等に課せられた使命って事になるのかな?まあ、俺を俺が居た世界に送り出した奴は『他人が苦しみ不幸になっていくのを見るのが大好きな奴』で……俺の知り合いの一人に、ありとあらゆる苦しみと絶望を集約された奴が居てな?今は、ソイツを救う為に奔走中って所かな?」

 

「……他人の不幸を食い物にしてる奴が居るのかい!?全く、聞いていて腹が立って来たよ!!見付け出して、一発ぶん殴ってやりたいね!!」

 

「本当に、その様な黒幕が居ると言うなら捕まえて監獄に叩き込まねばなりませんね?それで、その黒幕の居場所はわかっているのですか?」

 

ありゃ?アルフはわかるとして、リンディさんも御立腹ですか?まあ、他人の不幸が己の幸せなんて言われたらイライラするのは仕方がないかと思うけど。まさか、ここまで怒りを露にするとは……こりゃ、自分を重ねちゃったのかな?怖くて訊けないけど。

 

「それが、全く。師匠と同じで、平行世界&並列世界を行ったり来たりして逃げ回っているから探そうにも人手が足りなくて……」

 

「ああ、時空管理局よりも世界が広いんでしたね。故に、人手が足りない……と。どこでも、似た様な問題があるんですね……」

 

「そして、奴は他人に色んなレアスキルを与える事が出来るっていう能力者だからな。まあ、その代わりに【デメリットスキル】も与えられるんだけどな……」

 

「【デメリットスキル】?」

 

「その言葉通りだよ。例えば、俺達が保護した奴には『己の不幸は他人の幸せ』ってデメリットスキルが付けられていたな。これは、自分が不幸になれば成る程……周囲の人間が、幸せになっていくっていうスキルだ。まあ、それに気が付いた親が己の子を不幸に貶めて自分達だけ幸せになろうとしてたんで拉致った訳ですが……普通に、胸糞の悪くなる話だよな!!」

 

「全くだね!あたしゃぁ、イライラして来たよ!!」

 

「だよな!テメェが幸せに成りたいなら、努力して幸せに成りやがれって言うんだ!誰かを泣かして、自分だけ幸せに成りたいとか、舐めとんのかボゲー!!!」

 

「私に言わせてみりゃ、幸せに成りたいならみんなで幸せに成れば良いじゃんか!って話だ。なんで、一人で幸せに成ろうとしてんだい!?」

 

「根性が歪んでんだよ。というか、気が合うな?アルフ」

 

「オウともさ、大悟。アンタとなら、良い関係を築けそうだ!!」

 

俺とアルフは、ガッシリと握手を交わし一緒になって糞野郎の臨時悪口大会を始めてしまった。だが、許して欲しい。だって、俺も知らぬ内に色々溜め込んでいたみたいだからな。

その後、ヒートアップして頭を悩ませていたフェイト達が止めに来るまでアルフと二人糞野郎共の悪口大会をやっていた。

 

 

 

 

 




漸く、漸く神崎君をSAOモドキ世界から追い出せたぜ!!
ヒャッフゥーーー!!!全く、本当に全く!!時間の掛かる奴だった。主に翼が、駄々を捏ねた感じが強いけど……今後の事を考えたらこうするのがベストな気もしないでもない。それにしても、まさか翼が人気の高い女神の容姿をしていたなんて誰も気が付かなかっただろう?しかも、妾とか(笑)。普通に、『見た目が女神』って説明文を載っけてたのに誰もがスルーしてた話だったからな。それを、金髪碧眼にすると普通の女神降臨だから笑える話である。
ついでにいうと、設定上の翼は濃い青の髪と紫の色彩を持つ目を持っている美女でナイスバディという設定だ。
普通に美人なのに、色彩を明るくするともっと美人になる美女って扱いなので……神崎君が、落ちるのも仕方がない。
いやはや、SAOモドキ世界から出るのに後ろ髪が引かれてる時点でハーレム諦めれば良いモノを……馬鹿だよね(笑)。
まあ、そんな訳で……神崎君の神崎君による神崎君の為のパラダイスを創る神崎君ルート開始です!!まあ、彰はこのまま【堕ち神】編で行くけどね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

どうでも良い話。

そう言えば、皆さんはゲーム等でのキャラ名どうしてます?作者は、基本的に如月双夜か双夜のローマ字とかで登録してますが……大体、複重禁止の所では中々入らない事が多いです。なので、名字付きにしたりしてます。でも最近は、『ソウニャ』で纏めだしたのでサクサク進みますよ?
モバゲーなんかは、普通にフルネームですね(笑)。多分、如月双夜で検索したら出て来るんじゃないかなぁ?
可愛い系のにゃんこフィーバーなアバターなら、間違いなく作者ですね(笑)。モフモフしてます(笑)。一応、モフラーなのでモフ(。・ω・。)モフは好きですね。


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m(_ _)m

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