絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

381 / 592
三五六話

Re:

 

 

どーも、朝から愚痴られている神崎でーす。

自宅に帰って来て、気絶?する様に眠ったクロノくんが目覚めた後……話を聞いて、ひたすら愚痴を言い続けている。その上、時々思い出したかの様にリンディさんにからかわれるので暴走中。

なので、俺も乗っかってクロノくんをからかっていた。

いやー、叩けば叩く程響く鐘って良いですよね!師匠が、クロノくんをからかう率が高いのもわかる気がします。

ついでだったので、エイミィさんとの結婚話も持ち出して父親側の挨拶もしてやろうか?と聞いてみたらガチギレされた。

 

「えー?良いじゃん。減るもんでもないし……」

 

「減る減らないの問題じゃない!!」

 

「クロノは、リンディさんを俺に任せてエイミィさんとよろしくしてたら良いんだよ。それで、みんなハッピーじゃないか?」

 

「そのつもりもない癖に!仮定の話で、盛り上がるんじゃない!」

 

「じゃ、本気だったら良いのか?」(真顔)

 

「え……」

 

「あらあら♪」

 

「なんで、そこで詰まるかなぁ?」

 

「まあまあ♪」

 

「リンディさん、楽しそうッスね?つか、適当に相打ちを入れないで下さい」

 

「とは言ってもねぇ?二人の会話って、面白いのよ?」

 

まあ、否定はしない。端から見れば、ボケとツッコミの応酬でしかないからな。俺は、最初からそのつもりだし……クロノくんは違うとしても、周囲に魅せる為にやっている様なモノだからな。

 

「まあ、冗談はさておき……」

 

「やはり、仮定の話なんじゃないか!?」

 

「つか、クロノくんよぉ?普通、からかわれたら俺の情報収集とかしねぇ?酒でも飲ませて、口が軽くなった所であれこれ聞くのが普通なんだが……まあ良いや。俺の居た平行世界で、俺が結婚しなかったなんて事は無いんだぜ?因みに、俺が結婚したのは()()ベルカの騎士にして烈火の将……シグナムだ!!」

 

「「「は?」」」

 

ドヤ顔で、暴露してみたら何故か疑問の声と『何言ってんだコイツ』みたいな視線が返って来た。まあ、普通に考えたら何をどうすればベルカの騎士烈火の将シグナムに行き着くのかわからないわなぁ(笑)。

だがしかし、俺が結婚したのは本当にシグナムです。

 

「言葉で口説いても無理だったんで、魔法無しの剣術のみで勝利したら付き合っても良いって条件で勝負を持ち掛け……結婚に漕ぎ着けるまで、割りと時間が掛かったからなぁ……」

 

「え?ちょっと待って……貴方、シグナムと結婚したの!?」

 

「そだよ?スッゲー大変だった……そして、見るが良い。これが、その証拠だ!!」

 

言葉にして言っても、頭が理解しないって言うのなら画像で見せてやるのが親切心ってモノなので宝物庫から俺のデバイスを取り出し結婚式の映像を正面に展開してやる。

 

「大変だったって……お前……っ!?」

 

「うわぁ……シグナムさん、綺麗……」

 

「本当ねぇ……ハッ( ゚д゚)ハッ!!というか……今、魔法無しの剣術のみで勝ったって言った?」

 

「言いましたね。普通に、何度も挑んで勝率上げて勝ち越してからお付き合いを始めましたね。最後の方は、百回やれば九十回は勝てる状態にしましたよ?」

 

「えっと……魔法無しで?」

 

「もちろん、魔法無しで!」

 

「「「……………………」」」

 

うわぁ……なんとも言えない、『コイツ、大丈夫か?』的な視線が俺を突き刺して来るんですけど!?

つか、誘導されたとは言え普通にシグナムと添い遂げたらこんな視線は向けられなかったかも知れない。

だが、俺は師匠に色々されちゃったので究極の選択を突き付けられた感じだけど……擬似ハーレムは、普通に体験出来たので良しとしている。

 

「えっと……神崎くんは、この世界でもシグナムさんと良い関係を築いたりはしないの?」

 

「もう一度、あの苦労をしろと?」

 

エイミィさんは、鬼畜な事をおっしゃいますね?

ぶっちゃけ、あんな苦労は一度体験すればそれで十分ですよ?マジで!!

 

「ごめん。ちょっと、もう一度やれと言われてもやりたいとは思わないかな……」

 

「おぉう……そんなに、苦労したんだ……」

 

「普通に、仕事+鍛練&私生活とか……仕事が、不定期過ぎて死にそうだったよ?まあ、ほぼ毎日シグナムの居る部署通いしたけど……シグナムってば、『私に勝てばな?』というだけで甘い時間なんて皆無で殺伐とした毎日でした……」

 

「……………………」

 

「次に恋人を作るなら、甘いイチャイチャが出来る人にしたいかな?いや、マジで。普通の恋愛がしたい……」

 

「……そ、そうか……」

 

何故か、視線を外すクロノくん。

俺が、『普通の恋愛がしたい』と言った辺りで何か困惑した顔をしていたが何ですかね?もしかして、哀れんでるんですか?

ならば、よろしい。戦争だ。

 

「クロノ、ちょっと模擬戦でもしようか?ああ、空を飛んじゃ駄目だよ?俺も、クロノを蒸発させたいとは思ってないから……」

 

「蒸発!?待て、空を飛んだら蒸発させる様な事をする気か!?」

 

「フフフ……大丈夫。手加減は、しないから……」

 

「ちょ、待て!君は、何を想定した模擬戦をするつもりだ!?」

 

「まあ、冗談はさておき……クロノ、マジで模擬戦しようか?何なら、助っ人を呼んでも構わないよ?」

 

一緒に蹂躙するから、何人居ても然程戦力は変わらないハズだ。俺が知る、知り合いが来るのであればの話だけど……まあ、予想はかわならいと思うので問題はない。

 

「待て!君と武装隊の模擬戦なら、僕も見せて貰ったが……」

 

「良いじゃない、クロノ。神崎君と、模擬戦してあげたら」

 

「ちょ、提……母さん!?」

 

「よっしゃ!リンディさんの許可は降りたぞ?さあ、殺ろう。今すぐ、殺ろう!」

 

「何か、不穏な事を言ってる気がするんだが……」

 

「大丈夫、大丈夫。非殺傷設定は使ってやるから。魔力電池は、さて何処にやったかな?確か、【鮮血の】さんに作って貰ったヤツを宝物庫に入れてたハズなんだけど……」

 

「……………………」

 

とても、不安な視線を向けているクロノくんが居るけど……俺は知らないよ?まあ、オーバーテクノロジーが出て来るかも知れないけど……大丈夫、大丈夫。バレなきゃ犯罪は犯罪じゃないんだよ。という訳で、俺とクロノくんで模擬戦をする事になりました。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

そして、予想通り助っ人として八神家が参戦です。

まあ、俺的にはヒロインコンプリートだぜ!って感じですけど。

 

「おぉ……アースラだ!懐かしいなぁ……」

 

「神崎君が居た時代には、もう廃艦しているのかしら?」

 

「フェイトが、11歳だから後八年で廃艦ですね。それ以降は、クロノの船に乗ってましたよ?」

 

「ん?君は、何処の部署に居たんだ?」

 

「ああ、ミッドの地上部隊と本局のクロノ隊を行ったり来たりしてました。いやー、執務官の資格も取ってたんであっちこっち引っ張りダコで……」

 

「そうなの!?」

 

「つか、フェイトが23歳位には艦長さんになってたんでそっちでも活躍はしてましたよ?まあ、どんな事件があったとかは言えませんけど……」

 

実際問題、俺が体験した事件がこの世界でも起きるかが不明なので言えないってのがある。師匠も、そういう細かい事件はイレギュラーの行動によって、変化する可能性を示唆していたので言っても参考にならない。

イレギュラー達が、どこで何をするかによって起きたり起こらなかったりするからだ。

 

「って訳で、初めまして神崎大悟だ。ああ、そっちの自己紹介は省いて貰っても構わない。君達の事は、よーく知っているからねぇ……」

 

「平行世界から、来たんやってなぁ?それで、リンディさんに聞いたんやけど……ホンマにシグナムと結婚したん?」

 

自己紹介は要らないと言った後、八神はやてがグイグイと食い付いて来た。つか、リンディさん?何、暴露しちゃってくれているんですか!?全く、サプライズが出来ないじゃないですか!?

 

「リンディさんか?……たっく、残念。シグナムのウェンディングドレス姿見たい?デバイスに残ってるから、見せられるよ?」

 

言って、デカデカとシグナムのウェンディングドレス姿を展開する。それを見て、八神はやてがうわぁ!と大喜び。ついでだったので、普段は見られないシグナムのマル秘画像も見せてやる。

はい。はやてが、全力で食い付いて来ました。

ええ、猫耳とかしてるシグナムに超大喜びです(笑)。

尚、烈火の将シグナムがその映像を見て滅茶殺気だってますが気にしません。(ノリノリ)

 

「因みに、初夜の後……はやてに、『お楽しみでしたね?』とかからかわれたけどな?シグナムが(笑)」

 

「せやろうなぁ!!ムッチャ、わかるわぁ!!」

 

「まあ、あの流れはテンプレだからな。つか、普通に八神家に住み込みでしたが、何か?」

 

「あー……シグナムが、私から離れとうないとか言ったん?」

 

「なんで、増築されるまで居候でしたね(笑)」

 

「それで、初夜……そんな状況で?」

 

「シグナム鳴かして、楽しんでましたが?」

 

「ああ、うん。はっちゃけてたんやな!?」

 

「翌日、耳まで赤くしたシグナムがウマウマ」

 

「そっちは、残してへんの?」

 

「臨界点突破!ブチギレシグナム。半壊する自宅」

 

「OK把握。そっかぁ、残ってないんかぁ……」

 

「すまんな。朝食を守るので手一杯だった……」

 

「朝食かい!?」

 

いやぁ、はやてとのボケツッコミが楽しくてついつい話し込んでしまった。というか、そろそろシグナムさんも名乗り出たりしませんか?俺と、ガチバトルしようぜ!!

まあ、その前にクロノくんとバトルだけどな。

とりあえず、クロノくんの戦術はわかっているので問題はない。確か、相手を捕縛してからの撃沈ですね?

持久戦に持ち込まれたら、アレだけど……こっちはパワーファイター!相手の懐に飛び込めば勝てる。まあ、クロノくんならそこを狙って設置型バインドとか仕込んでそうだけど……パワーファイターにそんな小細工は、通じないのだった!!って、まだ始まってもないからわからないけど。

それでも、バインド……バインドなぁ?身体魔力強化が、出来る様になってからバインドが全くバインドとして機能しなくなった件。ちょっと、引っ張られる感じはするけど……それだけで、ちょっと力を入れるだけで砕ける感じだ。

一応、《アンチェイン・ナックル》は使ったけど……成功しているのか、失敗しているのか今一判断できない。

 

「もう、良いか?」

 

「おう。待たせたな!」

 

右手を虚空に差し出せば、何もない空間ーー宝物庫ーーから剣の柄が飛び出して来る。それを掴んで、ゆっくりと引き抜けば俺の手にはずっと使い続けて来た愛剣が握られていた。

 

ーーー聖剣、エクスカリバー。

 

彼の騎士王が、その生涯をとして使い続けたとされる幻想。結局、俺はその担い手には届かなかったけど……記憶を取り戻した事ーー原因不明ーーにより継承された聖剣である。一応、真名解放が使えるので魔力云々の問題は解決していると思われるが……ありとあらゆる意味で、何故それが使えるのかは不明だ。

師匠に聞けば、わかるかも知れないけど……師匠、何処にいるんですかねぇ?いや、マジで。全く、師匠と来たら……鉄砲弾か!?撃ったが最後、二度と戻って来ないとか……洒落にもならん。

 

「…………それが、君のレアスキルか?」

 

「あー、そうだな。これが、俺のレアスキルだ」

 

「そうか。だが、それは質量兵器なのでは?」

 

「……まあ、近付いて『殴る』。『叩き斬る』は、クロノの友人にも似た様な奴が居るが……」

 

つい、俺とクロノくんの視線がシグナムに向けられる。

 

「ん、んん。後で、確認させて貰うからな?」

 

「まあ、調べても『剣』である事に変わりはないんだけどな?さて、魔力バッテリーを付けて……デバイスをセット。で、OK?」

《No Problem.My Master!》

 

「じゃ、非殺傷設定はよろしく。お待たせ!」

 

「…………はぁ。その魔力バッテリーも、後で調べさせて貰うからな!?」

 

「あるぇ?これも、駄目なのか?」

 

どうしよう?これ、あの【鮮血の】さんが作ったモノなんだけど……ロストロギア認定されたりしないだろうな!?

んー……ま、大丈夫だろう。【鮮血の】さんは、師匠と違ってこのアニメを知らない訳じゃないだろうからとんでも技術を寄越したりはしないハズ!きっと……多分。

うっかり、してなければ大丈夫!!

 

「……し、信じてますよぉ!?【鮮血の】さん!?」

 

超不安ではあるが、今は模擬戦に集中したいので一旦忘れる事にする。大きく息を吸い、吐き出してクロノくんを睨んだ。ここで、殺気は出さずに闘気だけを当てに行く。あ、この技術は師範代に教えて貰いました。

上手く行けば、相手を怯ませる効果があるそうでオルタが初期からガッツリ叩き込んでくれた技術でもある。

だが、多少の怯みはあるものの流石はクロノくん。

この程度では、怯えてくれたりはしない模様。

まあ、原因は間違いなくシグナムだろうね(苦笑)。

あれだけ、やる気満々で向かって来られたら多少の闘気程度では怯む事も無くなるだろう。

 

「フム。じゃ、《神速》からの《瞬動術》で……」

 

剣を持たぬ側の肩で、ショルダータックルモドキを実行。

そこからの連撃で、設置されたバインド諸とも斬り捨てて行く。

 

「なっ!?」

 

クロノくん、超驚愕顔。まあ、わからないでもないけど。

相手が、いきなり懐に現れて剣を振り回して来たら誰でも驚きますわなぁ(笑)。しかも、ほとんどが見切れぬ速さで自分の手を封殺してきたら……地獄ですわ。

つーか、魔力の流れを読むなんて訓練をしこたまさせられていたからか……なんか、魔法の気配というか魔力が集まってるい場所がわかるんですけど?あ……これ、クロノくんみたいなタイプからすると悪夢なんじゃ!?

 

「くっ!何故!?」

 

「あ、サーセン。なんか、バインドがある位置がわかるんですけど……もしかしたら、師範代の扱きが関係しているやも?」

 

後、クロノくんの動きが鈍k…ではなく、遅くて弱い者イジメみたいな気分になりつつある。というか……うん。終わらせよう。

 

「せいっ!!」

 

「かはっ!?」

 

普通に、《鎧通し》で腹パンしたら終わってしまった。

お腹を抱えて、膝を付くクロノくん。そのまま、前のめりに倒れてうずくまってしまう。

ありゃ!?え、これも駄目なの!?

 

「ここに来て、化け物とばかり戦っていた弊害が……」

 

「……ぐっ……き、君は、一体、何と、戦って、いたんだ……」

 

「えっと……師匠とか、師範代達とか?あー……ちょぉーと、人間の領域を軽く越えちゃった人達と修行を少々……?」

 

ーーーとしか、言えない。流石に、《神殺し》云々とか言い出したら面倒な事になるのはわかっている。師匠を見ていて、それは十分にわかっているのでここは人外ッポイ化け物と修行していた事にした。まあ、これだけでもアウト近いんだけどね。

 

「……………………ガクッ」

 

はい、色々考えている内にクロノくん耐え切れず気絶しちゃいました。あー……。そう言えば、あの人達って人間じゃありませんでしたね(笑)。でも、見た目は普通に人間ッポかったんだ。だから、嘘ではない。ちょこっと、語弊があるだけであるだけで他意はない。それに、人間の限界を越えちゃった人達はこの世界にも居るだろう?

例えば、戦闘民族高町家とか……月村家とか?

 

「……OK。とりまー、シャマルさん。クロノを医務室に連れてって貰えますか?そして、シグナムカモーン。不完全燃焼なんだ」

 

「……よろしいですか?」

 

「え?ええ……」

 

「おいおい、先程の羞恥心MAX事件で俺を斬り捨てたい気満々な癖にリンディさんに許可をm……あ、アースラ壊す気か!?」

 

「ちょ、シグナム!?リンディさんに許可を求めるって、アースラを壊す許可やないやろな!?」(煽)

 

「いえ、そんな事は……」

 

「リンディさん。トレーニングルームのシールド強化を!」(煽)

 

「私からも、お願いします」(煽)

 

「あ、主……(汗)!?」

 

「ちょぉーと、猫耳でウェンディングな画像を見せただけだろう?自分の騎士としてのイメージを損ねたからってアースラに当たったらアカンぜよ?」(煽)

 

「恥ずかしかったからって、物に当たったらアカン」(煽)

 

てな感じで、俺とはやてのダブル煽りでシグナムが修羅モードに入りました。やっちまった!感はあるけど、はやてのやり切った感溢れる『フィー……』と額の汗を拭う仕草を横目に目の前の敵に視線を向ける。

さて、いつものシグナムさんですよ?魔法無しで、剣術と格闘術のみの戦闘を余儀なくされるこちらの身にもなって欲しい。だが、クロノくんの戦闘力からしてやはりこのシグナムも経験不足なのかねぇ?まあ、とりあえず……この世界のシグナムが、どこまで戦えて俺がどの辺に居るのかを見極めさせて貰いましょう。つか、もう人間の世界じゃ敵無しなのかも知れないけど……でも、俺も全力を出した訳じゃないからどの辺りかは不明のままだ。

それじゃ、聖剣エクスカリバーを片手剣扱いでやり合って様子見と行きましょうかね。

 

「始め!」

 

「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!」

 

ガキン!と、エクスカリバーとレヴァンティンが撃ち付けられる。出来るだけ、大振りにならない様に細かく丁寧に……下手に大振りをやると、サクッと討ち取られるからな。特に、オルタが嬉々として取りに来るので大振りは怖いって恐怖が俺の身体には刻み込まれている。

それによって、出来るだけ速く細かく内々に収まる程度に剣を撃ち合う形となった。イメージ的には、Fate/staynightの初頭……士朗を襲いに来たランサーと撃ち合うセイバーみたいになっている。もっと速く!もっと鋭く!!そうする事は可能だが、デバイスの処理速度を越えるスピードになると非殺傷設定が外れる可能性がある。なので、これ以上速くする事は叶いそうにない。

これに、《瞬動術》を組み込めば……師匠のいる高みに至れるかも知れない。だけど、これはあくまで模擬戦。

殺し合いではない。歯痒いが、《神速》も使えないので若干気が緩んだ状態の剣撃を続ける事になりそうだ。

ははは……厄介な位置に至ったモノだ。まさか、シグナムが遅いと感じる日が来ようとは……中々に、傷付くなぁ。

まだ、第二の人生に挑んでいた時は目標のある充実した日々にワクワクしたモノだけど……これは。そりゃ、師範代達や師匠が居れば日々に飽きる事はない。ないけど、もう俺を満足させてくれる相手は下界には居ないらしい。

あ、いや……翼が、居たか。俺よ、思い出せ!ここに、来る前に感じたあの恐怖を……振り返れば、背後に忍び寄っている翼が憤怒の形相で追い掛けて来る絶望を!!

 

…… 洒 落 に な ら ん か っ た !!

 

一瞬、ゾワッと背筋に悪寒が走って俺は思わずシグナムのレヴァンティンを弾き飛ばした。シグナムは、驚いた表情で己が手から溢れ落ちた剣に視線を向ける。

その瞬間を見逃さず、懐へと潜り込み肩甲骨辺りをシグナムに押し付ける様にして一気に身体を伸ばした。

最終的な見た目が、八極拳の鉄山靠な終わり方なので普通に《鉄山靠》と名打っておくが……師匠達の名だと、《金剛背衝撃》とかいう名前だったハズ。これに、《瞬動術》を組み込むとこう……シグナムが、トレーニングルームの端までフッ飛んだ挙げ句に壁へとめり込むのでやらかしてはいない。

そう、間合い……間合いを開けたかったんだ(言い訳)。

 

「OK、OK。俺は、強くない。師匠や師範代達からすれば、雑魚でゴミな馬鹿、なん、だ……(傷付き)。オレ、ツヨクナイ……」

 

ここで、傲りなんて持ったら師匠達と合流した時に絶望させられるので翼や師範代達の事を考えて忘れる事にする。その際、自分で言った『俺、雑魚』にうっかりダメージを受けて鬱に……ちょっと、シグナムに無双していた事で夢を見ていたらしい。

 

「フフフ……オレ、ツヨクナイ。ザコッス……」

 

さて、自分に自分で雑魚なんだ!と暗示を掛け終えた俺はエクスカリバーを両手で構えてシグナムを見据えた。出来る事なら、弱い者と戦っても傲らず自らを鍛えられる方法を編み出してみたい所なんだが……どうしたものか?

ここで、《神速》を用いてどっかの抜刀斎の如く紙一重ルールを実行した方が良いのだろうか?

もしくは、なんちゃって覇王流をちょこっと組み込んだ方が良いか?

 

「……………………」

 

そう言えば、師匠のなんちゃって覇王流は通常の覇王流と少し違った所があったっけ。そもそも、力の起点である場所は『()()から』が通常だけど……師匠の場合は、その身がエネルギー体であるが故に足裏を地面にベタ付けでも問題にならないとか言っていた。

むしろ、足裏をベタ付けにしてないと地面に伸ばした魔力の帯が上手く捻れないとか何とか……お?っと、考え事をしていると剣を拾って戦線に復帰したシグナムが突っ込んで来る。それを、難なく受け流して逸れた所を上から叩き落とした。

 

「あ……」

 

結果、シグナムは剣を取り落とし膝を付く。

それを見て、俺は考え事をしていた事を後悔した。

考え事さえしていなければ、シグナムが突っ込んで来た時でも適切に対応出来たのに……今のは、デバイスの処理能力を遥かに越えたスピードだった。上手く、レヴァンティンに当たってくれたから事なきを得たが……下手をしていれば、危うくシグナムの両腕を斬り落としていただろう。

 

「…………ぜ、だ……」

 

「ん?あ、やべ……」

 

「何故、全力で打って来ない!?」

 

「あー……」

 

はい、やってしまいました。

手加減が、バレてしまった様です。

まあ、最初から手加減している事には気が付いていたみたいだけど。あからさまに、切り返しのスピードで遥かに上回っているのに関わらず……ワザと攻撃しなかったり、追撃の手を抜いていたりすればシグナムが怒るのも仕方がない気がする。

 

「あー……すまん、すまん。デバイスの処理速度と、俺のスピードがかち合って無くてな……非殺傷設定の処理速度が、間に合わないんだ。なんで、追撃出来なかったり打ち込めなかったりしてるだけだ。整備したくても、設備も無かったから……」

 

「……………………それだけか?」

 

「あー。後、俺……未来から来てるッポイんで、未来デバイスを現在の整備に預けるのはちょっと……」

 

「…………成る程」

 

俺のデバイスは、この世界に来てから出て来たので【鮮血の】さんの魔改造を受けていない。なので、デバイスの処理能力は本当に俺のスピードに付いて来られていなかった。とは言え、俺の記憶が正しければこのデバイス……通常の魔改造を受けているんだよなぁ。例えば、マリーさんとかシャーリーとかデバイスマイスターと呼ばれる方々の力作だったり。整備班夢のコラボレーション的な魔改造を……あの人達に、俺の【黄金律】でかき集めた資金を丸々渡して予算度外視の魔改造させたから中々恐ろしい性能になっている。いやー、あの時のマリーさん達と来たら予算気にしなくて良いからってやりたい放題してくれたからなぁ……趣味で!請求書が、とんでもない金額になってたよ(笑)。

ただ、魔法なんて使わない物理オンリーの剣士と化していたのにな?俺。そんなこんなで、余り過去のマリーさん達にこのデバイスを預けるのはちょっと避けたい所。

だがしかし、この後俺のデバイスは整備不良扱いで彼女の元に預けられるのだった。

 

 

 

 

 




はい、神崎くん無双中です。普通に、人間レベルじゃあ相手に成らなくなってしまったくらい強くはなってます。
まあ、人外レベルに慣れただけで……一兵卒レベルなんですけどね。ただ、普段相手にしている方々がヤバい人達なので問題なく運用出来てる感じです。そして、デバイスの非殺傷設定用の処理が全く間に合わない状態ですかねぇ!?


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

どうでも良い話。
まあ、もう一人の双夜について。
あっちの話は、こっちの話とは180度程内容が異なります。
ぶっちゃけ、あっちの双夜は【宮使え】の《神殺し》ですね。神様の許可というか、依頼的な命を受けて神を殺すお話です。まあ、殺すのは同じなんですけど(笑)。
基本的に、断罪対象となる神様は……①己が管理する世界への攻撃が認められた。②管理放棄した。③他世界へ干渉した。④他世界の人物及び物体を私的に引き寄せた。⑤特定の人物に入れ込んだ。⑥個人的な理由で【理】を歪めた。⑦世界情勢操作をした。⑧自世界へ数多く強制干渉。
等、他数点をした者に限られる。

逆に、不細工な女神様が己の管理する世界の美醜を逆転させた等では断罪されない。これでもし、異世界から美少女&美女を引き込んで虐道の限りを尽くした場合は断罪対象となる。しかし、己の管理世界で収まる場合はギリギリセーフ。まあ、特定の~~に入れ込んでいると思われても仕方がないんだけど……救済処置としてイケメンや美少女達は基本的に神職へ就職させていれば問題無し。
これで、逆ハーや残虐性を見せるとアウトになるけどね。
そして、良くあるあるな男性神の場合は性的行為扱いになってアウト。例えば……『生け贄寄越せ!』とか、『イケメン発ぜろ!!』とかは確実。救済処置をしてれば、特殊条件でOKだったりするけどね。だが、ほぼ断罪傾向強し。
美醜逆転の女神様が、環境的な問題で許される事がある。イジメカッコ悪い的な理由。特に、『女神』っていう言葉イコール美少女&美女的なイメージがあるからと不細工な女神をイジメるアホ女神が居るからねぇ。なので、環境的な問題と認識されてスルーされる事がある訳よ。まあ、救済処置がされていなければ断罪かな?何事も、ケースバイケース。ってな感じで、様々問題に対処するのがもう一人の如月双夜の物語。

ぶっちゃけ、こっちの如月双夜はストレスでかなりイっちゃってる傾向が強いんだけどねぇ。ブチギレで、メテオスォーム!!とかやらかすから(笑)。ゼウス・エクス・マキナ(科学系の神様)と、次元兵器で天界消し飛ばし掛けたり……色々、はっちゃけて居るからなぁ。ストレスがマッハで、鰻登り状態の物語だから(笑)。サイコパスレベルで(笑)。


誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。