絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

397 / 592
三七四話

Re:

 

 

「……うん。君達は、本当に似た者同士なんだね」

 

「はあ……?」

 

師匠が、何か良くわからない事を言ってるけど俺的にはそれ処の話ではなかった。つか、俺の記憶が……記憶が、シッチャカメッチャカなんですけど!?滅茶苦茶過ぎて、頭が痛いとしか言えない。というか、特に酷い欠落が……今一、思い出す事の出来ない重要な記憶があるという事だった。……事件の要となる記憶が!

例えば、佐藤奏が検査入院する事になった理由とかイジメの主犯共がアンチ佐藤奏のグループだったとかいった辺り。てか、アンチ佐藤奏グループってなんだよ!?訳がわからんのだが!?小学生低学年で、分け隔てなく接する佐藤奏を憎々しく思っていた女子グループが居たらしく、ソイツ等が俺をイジメていたグループに指示を出していたとか?……何なんですかねぇ?

既に、佐藤奏は死んでいて居ないんだから俺をイジメても意味はないと思うんだけど?どうなっているのか、意味不明過ぎる。

つか、そのグループのリーダーが悪神と知り合いとか……マジで、訳がわからない。なんで、人間と神様が知り合いなんですかね?

 

「きっと、《神の愛し子》だったんじゃ無いかな?」

 

「《神の愛し子》!?乙女ゲー転生小説で、良くあるあの《神の愛し子》ですか?マジで、リアルにそんな加護持ちが居たと!?」

 

「正確には、現世の発展具合を見る為のシステムなんだけどね。《愛し子》の目を通して、自分が管理する世界を見守る為の……」

 

その目を借りる代わりに、神々の目になってくれる人間(生物)に謝礼として優遇される加護が与えられるとのこと。その多くが、鳥類。空が飛べて、長距離を移動する鳥類は持って来いな生物だろう。ただ、向かう先が固定されていてランダムではないけど。

その次が、人間なんだそうだ。職種によっては、世界中をウロウロしてくれるので重宝しているという。陸上移動では、限りがあるもんな……つか、世界を見て回るという条件だと鳥類と人間以外は難しいと思われる。

そう説明されると、何となくそういうシステムがあっても不思議では無い様な気がしてくる。てか、特定の人間の目を通して現世を見て回る神様も少なくないという。

ぶっちゃけ、人間の目を借りるが故にその人間が持つ感情に流される事もあるらしい。

それって、アンチ派の感情が逆流入したんじゃね!?

 

「つまり、アンチ佐藤奏グループの女子が奏に良くない感情を持ってたから奏は転生させられたと……?」

 

「いや、多分順序が逆なんじゃないかなぁ?」

 

「順序が、逆!?」

 

「彼の悪神が、佐藤奏を知っていたから特定の人間である少女が佐藤奏を憎々しく思っていた……って事なんだろうね」

 

「は?それって、つまり……『佐藤奏』は、転生者だった!?」

 

え!?ちょっと待って、それじゃあ時系列がわからなくなるんですけど!?てか、『佐藤奏』は俺の生まれた世界の主人公だった!?もし、特典とか持っていたら俺の生まれた最初の世界にもチートな転生者が居た事になるんだが……マジで!?(大混乱)

 

「君は、何を言っているんだい?そんなの当たり前じゃないか……そもそも、転生輪廻という思想は転生者が居たから生まれた思想だろう?なのに、何故その思想がある世界生まれの君がそれを知らないんだ!?普通は、逆じゃないか?」

 

「あ……そうか。前例が無い世界では、そもそも転生という概念すら存在しないのか……うへぇ……」

 

まさか、『転生輪廻』がそういう前例があったからこそ生まれた思想だった……とか、知らねぇつーの!!つか、そもそも前例があったのか!?いや、そういう思想が自由だからこそあの世界は発展して来たのでは?と思わずには要られない。でも、じゃぁその思想が何処から来るのかと言われると……中々、答え難いのも事実。だが、そういう前例があったからこそ、その思想が生まれたのだと言われたら納得せざるを得ない。(超混乱)

 

「えっと、つまり……『佐藤奏』は、あの悪神によって転生させられて来た転生者だったと?」

 

「もしくは、何らかの目的で彼の者に生み出された魂だった可能性も視野に入れるべきだろうな……」

 

そう言われると、一つ心当りがあるのだが……『妾』とか?

 

「……えっと、例えば『妾』とか?」

 

「かも、知れぬし……そうでないかも知れない。だが……フム。そうなると、物言わぬ人形よりも意思ある人を蹂躙したかった……という事なのかもな?」

 

「…………クズめ!」

 

師匠の予想が、100%その通りだとかは言わないがそれでも俺をイラッ!ムカッ!とさせるには十分な想定だった。

つか、あそこまで腐った存在に成り果てた悪神の事だ、俺や師匠の予想が大きくハズレている等という事もないだろうと思われる。

きっと、物言わぬ人形では飽きたらず意思ある人間を凌辱したいと考えたに違いない。だから、物言わぬ人形の魂を一度人間へと転生させて意思を育み……その魂を使って、『妾』を作ろうとしたに違いないのだ。もしくは、最近流行りの異世界転生物を知ってその波に乗ろうとし墓穴を掘ったのかも知れない。いずれにしろ、既に存在しない悪神の真意はわからないが大体そんな所だろうと結論付けた。

 

「何にせよ、師匠には感謝してますよ?」

 

「ん?なんだ、改まって……」

 

「いやー、俺みたいな馬鹿野郎を取り立ててくれただけでなく、翼や他の友人に至るまで色々配慮して貰って感謝するにし切れないッスよ?」

 

「フム……まあ、消滅した処で後腐れない程にはゴミだったからな。それに、拾った時にはこんな芋づる式になっているとは思わなかったからなぁ……」

 

なんか、とっても酷い事を言われてる様な気がするけど……これで、『照れてるぅ』とか『ツンデレ』とかふざけた日には明日の朝日は拝めないと予測できるので何も言わない。例え、それが本音だったとしても結果が出ちゃってる今になって文句を言う気もない。沈黙は美徳と言うしな、下手なツッコミは己が命を削るモノと知っているので無言でお茶を啜った。直感が!直感がぁ!!

 

「【真実の瞳】で、わかっていたんじゃぁ……」

 

「基本、【真実の瞳】で視てない。視えてしまうモノは、仕方がないとしても視たくないモノもあるから基本視ない様にしてる」

 

「視たくないモノ……ですか?」

 

「視ようと思うモノと、視たいとも思わないモノがあるってだけの話だよ。目を逸らしたいモノまで視えるから、スルー力がとっても鍛えられる鍛えられるw」

 

「師匠の口から、『スルー力』とか聞くと凄く意味深に聞こえる」

 

「いずれにしろ、そんな感じでスルーしたりするから後手に回る事もあるんだけど……本人すら、関知しない幸運でカバーしてる。まあ、僕にとって『幸運』とか眉唾なんだけどね……」

 

言われて、師匠の人生が頭を過って【幸運】って何だろう?と哲学レベルの疑問を考察させられる。つか、周囲の人々が不幸過ぎて辛い。既に、その不幸が過去であるが故に手も足も出ない辺りが辛過ぎる。例え、手や足が出たとしてもより不幸になるか破滅しか無いって言うんだから詰んでる。ぶっちゃけ、師匠は発狂しても仕方がないレベル。つか、発狂したから【魔王】なんだよな。

それはさておき、目の前に居る人と翼に関して俺が何かを言う事は出来ない。何と言っても、己の手を赤く染めはしたけど楽しい日々を送らせて貰っていたのは事実だからな……それを考えれば、怨まれても仕方がない。つい先日も、偶々俺が翼を留める為に肩を掴んだらパシッと払われて『気安く触るな』と言われ逃げられた事があった。流石にあれは堪えたが、そういう背景がある以上今までの様に気安い関係は控えた方が良いかも知れない。

 

「って訳で、傷心のハーレム作りに行って来ます!」

 

「何が、『って訳』なのかは知らぬが……死ぬぞ?」

 

翼に見限られた以上、俺の心を癒せるのは原作ヒロイン達しか居ない!悪神の呪いは、解けたかも知れないが……ハーレム作りは、男達の儚き人の夢!それが、出来る()()知れない世界があるんだ。なら、やるっきゃないっしょ!?

 

「HAHAHAHA!!死にませんよぉ~w。ほいじゃ、ちょっくら行ってきますわぁwヒャッhブベラッ!?」

 

ゴッビチャッ!!

 

「汚い……全く、爆散させるのなら外でやれ……」

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

いつの間に眠っていたのか、目が覚めると何故か俺を憐れな目で見詰めている師範代達の顔が見える。少し、頭痛がした様な気がして額を押さえるが気のせいだったかも知れない。寝落ちする直前まで、師匠と話をしていたハズ。だが、今は師匠の姿は拠点内に見当たらなかった。まさか、また一人で出掛けてしまったのだろうか!?出来れば、俺の休暇がどうなるのか教えて欲しいんだけど!?合流したから、消滅ッスか!?

 

「兄様。そろそろ、現実逃避から戻って来て下さい」

 

「そうだぞ?兄様よ……現実逃避したい気持ちも、わからぬではないが……戻って参れ」

 

「止めて!少しくらい、逃避させてよぉ!!」

 

視界の端に、悪落ちしたッポイ翼の姿がチラホラ見えてるけど……気にしない!気にしないったら、気にしたくないんだ!!(恐)

とは、言った所で現実は無情である事を俺は知っている。

知っているので、ああ成ってしまった翼の心情を考察する事にした。要は、現実逃避である。つか、逃避させてつかぁさい!!

はてさて、翼が何で()()なってしまったのかというと……十中八九、俺の責任だね(笑)。ぶっちゃけ、現在の【翼】には三人分の記憶と感情がある。当然、一人目は『佐藤奏』の記憶。

二人目は、『不知火翼(前・今世)』の記憶。そして、三人目が『インスタント・ソウルだった翼』の記憶である。それに伴い、今の翼には三人分の感情も存在する訳で……ネックになっているのは、インスタント・ソウルだった『翼』の記憶だろうか?

インスタント・ソウルの翼の記憶は、変態爺の婚約者という立場から俺達に保護され連れ回されているだけの平穏なモノだ。

それに比べて、『翼(転生後)』と『オリジナルの不知火翼』の記憶は不穏な空気漂う絶望的な記憶しかない。ある意味、『悪夢』と言い変えても問題ないだろう。そんな、『オリジナル翼』と『インスタント・ソウルな翼』の記憶が現在の翼の人格を決めているとするなら……全ての怨み辛みが、俺に向けられても致し方ないと思われる。

 

つか、満男君……君の考えは、どうでありますか?

 

ーーハーレム発言が、駄目だったと思われます!

 

フム。どの人格が、キレたんだと思う?

 

ーー奏じゃね?アイツ、不誠実な奴キライだろ?

 

そう言えば、そうだったな。でも、【ハーレム】は全てとは言わないが多くの男性が思い願う夢!俺、ヤリ掛けの世界があるんだよ!?転生とも、ヒロイン達共顔合わせを終わらせた世界が!!

 

ーーお巡りサーン!

 

止めてぇ!!念話で、通報しないでぇ!!ってか、いつまで自我を保っているつもりだ!?さっさと、吸収されちゃえよ!?

 

ーーそれが……吸収だっけか?融合?が、止まっちゃってるんだよね。てか、これ以上飲み込めなさそう。

 

は?なんでさ!?

 

良くわからないけど、満男君が言うにはゆっくり飲み込まれて行く様子だった魂が今は全く飲み込まれていないそうだ。とりあえず、何らかの不具合なのか満男君の意思を残したままピタリと止まってしまっているらしい。フム、成る程。

 

「師匠、魂の融合が上手く行ってないみたいなんですが……」

 

「ん?んー……あ、魂の規格がインスタント・ソウルのままだったみたいだ。んー、ここには魂を改造する施設はないからなぁ……次に【組織】へ戻る時まで、頑張って?」

 

「魂の規格!?【組織】に戻るまで、放置!?」

 

なんでも、インスタント・ソウル(劣)だった俺がインスタント・ソウル(普)を一度食っちゃって今度はオリジナルを食おうっていうから無理が祟っているらしい。これを正常に戻す為には、一度【組織】に戻って魂の改編が出来る術者によって魂の拡張を行わねばならないとのこと。

つか、段々本気で【始まりの魔法使い】モドキに成りつつあるんですが……【内側】に、入れなくなるなんて事には成らないよね?ね!?

 

「高々、三つ程度では次元を割るなんて事は出来ないから安心してろ。僕や【魔導兵器】は、特殊な分類に当たるから……」

 

「そう、言われても……中々、安心出来ないのが人間なんだが!?しかも、自分からは見えない部分がバグってると言われて安心出来るとか、どんだけ図太いんですか!?」

 

ーーつまり、俺はこのままなのか!?

 

ねぇねぇ、今どんな気分?どんな気分!?

 

ーー煽って来るんじゃねぇよ!?

 

つか、マジでどんな状況よ!?(不安)

 

ーー……触手に絡まれて、今正に飲まれようとしている所だ!

 

なっ!?それ、どんな薄い本!?(恐)

 

ーー首から下が、触手って感じのイメージでOK。

 

「ちょぉ!?」

 

「嘘は、止めよ。魂を不安定にするな……」

 

ーーウッス。

 

いや、マジで本当に止めて貰えませんかねぇ!?

 

特に見えない部分で、想定外の事が起きてるととても不安になるんですが……本当に、大丈夫なんですか!?(恐怖&不安)

とまあ、そんな現実逃避を満男君と共に行っていた訳ですが……そろそろ、現実に向き合わねばならない様です。つか、そんなコントを師匠と繰り広げていたら翼がジリジリと動き出したではありませんか!こりゃ不味いと思って、話を聞く体制を整えようと翼に視線を合わせたら……狂ったかの様な目に、思わず視線を逸らしてしまっていた。つか、無理です。こんな、翼と会話とか俺の精神が持ちそうにありません。

 

ーーうわぁ……ヤバい!!

 

逃げて良い?逃げて良い!?

 

ーー逃げられるモノならな!

 

ぶっちゃけ、狂人と話をするのは構わないのですが会話になるかは別なのでとても心苦しい。というか、あの報告書を読む前だったらこんな仕打ち理不尽だ!と言えたんだが……あれを読んだ後だと、彼女が受けた『理不尽』こそ理不尽なので何も言えない。

それに、俺の発言が原因らしいので逃げた所で何も解決しないんだよなぁ。とは言え、悪神は俺が倒したーーアレを『倒した』と言えるかどうかは別としてーーし……今更、翼の未来をどうにかしようとする馬鹿も居ない。

つか、しようとすれば《神殺し》の団体さんがお出ましだ。誰が、そんなモンに喧嘩を売るんだよ!?って感じなので無問題。ならば、後は翼次第で幸せにも不幸にもなれるんだから俺関係無くない?まさかとは思うけど、回収したのが俺だから俺に幸せにして欲しいとか……無いな。

だって、現在の関係性からして俺と翼はただの『幼馴染み』に戻っているからな?それに、これは翼本人が言い出した事なので俺には関係の無い話だと思うんだけど?

 

「悪神は、もう居ないんだから翼の気持ち次第で幾らでも幸せになれるだろう?これ以上の理不尽も、不幸も無いんだからさ」

 

ーーいや、そういう事じゃないから!!

 

「え?でも……俺と翼の関係性は、『幼馴染み』に戻ったんだろう?だったら、俺が何をしようが問題無くない?」

 

「……貴方が、ここに連れて来たんでしょう!?」

 

「そりゃ、目の前で苦しんでる子が居たんだ。助けるだろ?」

 

「さ、最後まで、面倒見なさいよ!?」

 

「見るよ?でも、それは俺がずっと隣に居るって事じゃないよな?そもそも、翼は《神殺し》の活動に貢献して次代への転生権を得るが故にここにいるんだろ?」

 

ーーえ!?

 

「え?」

 

「え?」

 

え?違ったっけ!?確か、そういう話で翼は納得してたと思うんだが……何か、間違った?翼も翼で、何やら顔を青くしたり白くしたりしているが……もしかして、忘れていたんだろうか?

 

「俺は、師匠の元に残る予定だけど……満男はどうする?」

 

ーーえ……どうする?って言われても、半分以上も融合しているんですけど!?

 

「……師匠。満男の意思のみを、別のモノに入れ替えとか出来ますか?そもそも、俺に必要なのは魂だけですよね?」

 

「……また、無茶を言ってくれる。だが、満男の意思のみを別のモノに移し変える事は可能だな。まあ、意思だけの入れ替えだから記憶とかは複製という事になるけどな」

 

ーーえっと?俺、インスタント・ソウルになるんですか!?

 

「人格&記憶の剥離?いや、複製なんだからインスタント・ソウルになるのか?だが、来世の人格や記憶が既に決まっているから別の個体として登録する事になるから魂はオリジナルのままなんじゃぁ……?」

 

はい。師匠が、良くわからない事を言い出しました。普通に、満男君の記憶と人格をコピペするんだから『インスタント・ソウル』で決まりでしょう?つか、新しい魂は何処ですかねぇ?

 

「オリジナルの魂を分割して、満男は満男……神崎は神崎とするならインスタント・ソウルとは違う魂になるんじゃないかな?」

 

まだ、ブツクサ言ってるけど……インスタント・ソウルじゃ無いの?コピペするなら、インスタント・ソウルじゃ無いのかよ!?

 

「つか、コピペしてオリジナルとかおかしくないですか!?」

 

「……ああ!そう言えば、【魔導兵器】みたいには成りたくないって言ってたよな?なら、【魔導兵器】とは違う存在にならないか?それと、今余分な魂が規格からはみ出しているんだろう?なら、そのはみ出している余剰分を纏めて切り離したらどうだ?」

 

「え!?余剰分の切り離しですか?」

 

「ああ。そうする事で、インスタント・ソウルではなく全く別のオリジナル・ソウルって事になるハズだ」

 

ーーへぇ。それなら、分割で良くね?

 

いやいや、分割って……俺の魂、分裂するんですか!?

 

ーー分裂!ぷくくく、分裂って……スライムか!?(笑)

 

「ではなくて、分割。要は、規格を越えた魂を二つに分けて其々を其々に管理運営させようかなぁって……」

 

だから、インスタント・ソウルではなくオリジナル・ソウルと師匠は言ったのである。そして、魂を分割する事で魂の規格を統一すると同時に人間バージョンと《神殺し》バージョンの【俺】を作ろうと言う。ぶっちゃけ、それってどうなの?と思わずにはいられなかったが……それが、可能であるならば俺としては不満が無い事もない。つか、俺にとって極めて都合の良い世界に至る前に散々《神殺し》としてのお仕事をさせられていた間に一人くらいなら転生させられる程度の貢献ポイントが溜まっていたらしい。

その貢献ポイントを使って、魂を分割すれば満男君だけは転生する事が可能という事だった。それを聞いた時、俺はその貢献ポイントを翼に渡せば良いんじゃね?と思ったが……確か、転生に必要なポイントは本人が集めないとイケないって話を師範代達にされたのを思い出す。それ以外なら、幾らでも貢いで構わないとのことだったけど。満男君は、直ぐに転生出来るのかぁ……と奇妙な気分にさせられた。

 

ーー転生かぁ……あ、それってチートありますか!?

 

「無いな」

 

ーーあ、はい。

 

「つか、公正とか秩序を守る存在にチート求めるとかありえんわ」

 

ーーそれでも、聞いて置けるなら聞くべきだろう?

 

「多少、優遇は出来るが反則は無理だな」

 

「え?優遇が、可能なんですか!?」

 

「可能だ。可能だが、それに胡座を掻くと……クックックッ(笑)」

 

「ひぇ!?」

 

ーーひぇ!?

 

唐突に、邪悪な笑みを浮かべ笑い出すのは止めて貰えませんかね?メッチャ怖くて、思わず満男くんと共に悲鳴を上げてしまう。

 

ーーあ、これ……ヤバいヤツだよ!?

 

満男君、その優遇は止めた方が良さげだ!!

 

そんな風に、心へ語り掛けると直ぐに了承の返答が来た。

流石、師匠。自主的に断らせる方法を、良く熟知されてますね!思わず、御断りの返答をしてしまったよ。とは言え、師匠があんなにも愉しそうに嗤っているのを見てそれでもその優遇を受けようとは思えなかったのも事実。

一応、後で師範代達に聞いてみた所……断って正解だったとのこと。優遇処置を受けた状態で、下手に胡座を掻いたりすると等価交換を原則とした《代償・対価の魔法》レベルの不幸が押し寄せて来ると説明を受けた。

 

「ああ、あれかぁ……」

 

ーー等価交換を原則とした《代償・対価の魔法》?

 

「あー……等価交換は、わかるだろう?」

 

ーーアレだろ?何かを得る為には、それと同価の代償が必要ってヤツ。

 

「まあ、そうなんだけど……それでも、運が無くて得られなかったら人は得られるまでそれを繰り返すだろう?」

 

ーー……まあ、そうだな。

 

「でも、世界ってのは……何でかそれを許容してくれない。だから、二回目からは代償となる対価が二倍に。四倍に、八倍に、と……段々、倍増していくらしい」

 

ーーひぇ!?そ、それって……。

 

「最終的に、存在そのものさえも……」

 

ーーマジか……OK。優遇は、受けたくありません。

 

「デスヨネー……」

 

 

 

 

 




アンチ佐藤奏派!!小学生低学年で、それは無いわぁ……と思った男性諸君。女子の派閥グループは、保育園で生まれて幼稚園で確立するから。アレは、割りと真面目に早いんだよね。表面上は、仲の良いグループに見える事もあるけど……女子共の派閥云々は、割りとドロドロのグッチャグチャなんだよ。かなり、早い段階で。因みに、男がその派閥に口を出すと社会的に抹殺されます。全力でスルーして、『おれ、なにもしらないよ?』って顔をしておきましょう。口は、災いの元です。

さて、そんな落とし穴的な話題をネタにした作者ですが……なんというか、過去だから出来る話でしかないと宣誓して置きます。因みに、このグループが満男君に絡み続けたのは悪神の意向です。当初から、使われる予定だった。
結果、思わぬ者を釣り上げちゃって破滅しましたが……冤罪を押し付けた挙げ句、社会的に抹殺されて塵芥の様に行き着く果てまで行き着かせる予定だったとか。
誰をって、神崎くんを?っていうか……佐藤奏派閥に所属していた皆を……だな。彼等は、皆……似た者同士だったからねぇ。『何でも、願いを三つ叶えてやろう』『じゃ、生き返らせて?』『それは無理だ』『神様が、嘘付いて良いのかよ?』『ムカッ(怒)!!そなたの肉体は、蘇生出来ぬレベルで破損している。故に、生き返らせたくても器がない』という会話があったとかなんとか……なら、肉体を再生して時間を死ぬ直前に戻せば良いじゃんって話だよね。そして、生き返らせて貰う。ほら、願い事三つでOKじゃん!
とは、問屋が卸さない訳ですね(笑)。それなら、『何でも』と言わなければ良いのに馬鹿だよね。己の全知全能性を見せ付けたいが故に『何でも、願いを三つ叶えてやろう』とか口にしたのに叶えられないとか屈辱でしかない訳だ。

微妙に神崎くんが、淡白な反応をしている様に見えるけど……既に、粛清が行われた結果の成れの果てだった。
親しい友人に、手を払われ気安く触るなと言われた後だった!!親しくも気安い友人……翼の事ですね?


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

因果応報ストーリー。思い付いたので(笑)。

舞台は、乙女ゲームの世界。ヒロインが糞で、悪役令嬢が8歳の時に儚くなっちゃってる設定。主人公は、転生者だけどモブ……というか、平民(♀)。アトリエシリーズが好きで、錬金術と調合にのめり込んで成り上がりストーリー。
主人公本人は、その世界が乙女ゲームだとは知りません。
で、悪役令嬢の代わりに悪役令嬢をやらされる事になった可哀想な令嬢が居て……それを主人公が助けるんだけど、そこでヒロインがなんで正式な悪役令嬢が居ないんだよ!?と文句を言い出す訳です。正当な悪役令嬢さえ居れば、彼女は幸せになれた訳ですから。で、錬金術で成り上がってその場に居た主人公がヒロインの言う悪役令嬢が8歳の時に儚くなった令嬢である事を知って質問攻めにする。
質問の内容は、ヒロインが幼い頃に可愛がっていた野生動物(魔物)の話から……幼い頃、どこに住んでいたのかとかそんな感じの質問。あ、ヒロインがイレギュラーなら何かやらかしてても可笑しくはない的な理由で質問攻めです。
結果、ヒロインが可愛がっていた野生動物(魔物)が枯れ果てた古井戸に落ちちゃって助けられなかったという事を聞き出す。更には、その古井戸が源泉に近い井戸である事とか……小動物(魔物)が、どんな病原体を持っているかとか。まあ、これはこの世界でも常識な話しなんだけどね。
後は、悪役令嬢(公爵)が8歳の時に井戸水(生水)が原因で儚くなったとか……季節が冬で、必要とする薬草が中々取れなくて用意出来た特効薬が二本しか作れなかったとか。悪役令嬢の弟(攻略対象)が、主人公が折角用意した特効薬を一本駄目にしたとか。嫡男だからと、悪役令嬢が最後の一本となった特効薬を弟に譲ったとか。そんな感じの物語を思い付いた訳よ。ぶっちゃけ、ヒロインが魔物の子供を可愛がってなければ起きなかった悲劇なんだよね。因みに、悪役令嬢だけで無くヒロインの軽率な行動が原因で多くの人々が儚くなってたとか……まあ、色々ありますね。それを聞いたヒロインが、亡くなった人々を『多少の犠牲』とか言っちゃって王様に国母には相応しくないと断罪されたりとか……つか、数千人の死亡者を魔物が居る世界で『多少の犠牲』は無いわぁ(笑)。そりゃ、世界人口が70億もあれば『多少』と言えるかも知れないけど……魔物の居る世界で、世界人口が億に届いている世界は少ないと思うぞ?ぶっちゃけ、一千万も居れば良い方じゃね?そりゃ、エルフとかドワーフとか獣人とかヒューマンタイプの人類種を入れたらどうなるかわからないけど……人間だけで、一千万以上は無いわ。そこまで、生易しくはないと思われる。
まあ、主人公は公爵領で公爵家に取り込まれ王都へと進出した成り上がりの少女。後に賢者と呼ばれる様になる。
因みに、この主人公のチート能力は『お手本』というスキル。必要とされる薬を作りたいと願うと、イメージが湧いてきてその通りに物を集めたり行動したりすると願う薬が出来るという能力だ。ぶっちゃけ、解析も分析も必要無い能力だよね。イメージで、必要とされる薬草とかも頭の中に思い浮かぶんだから必要となる薬草さえ見付ければどうとでもなる訳だ。『お手本』……ヤバイなぁ(笑)。

そもそも、イレギュラーである転生者が紛れ込んで居るんだぜ?普通に、まともな歴史を歩むハズ無いだろう?
絶対、何かしらの異常が起きるに決まっているハズだ。
この話では、ヒロインが魔物に餌を与えていた(違法)って事から始まり……その魔物の幼体が、古い井戸に落ちたのにも関わらず大人に届けなかった結果、水脈が幼体の出すウイルス?寄生虫?に汚染されてそのまま飲むと病気になります。作者には、何らかの本?TVで見た類いの特定食物(木の実)を小動物に与えると寄生虫が体内で沸くという知識があるんですが……何だったのか思い出せないんです。でも、木の実に潜んでいるヤバい生き物については幾つか見付けたのでありそうな話ではありました。熱を通せば、問題無いんですよ?熱を通せば。でも、小動物なのでそのまま与えても不思議では無いんですよ。即ち、この物語で語られる病原体の小動物にヒロインが手を加えた結果……大量虐殺になった訳ですね。その中に悪役令嬢が居たって話。
本来なら、主人公(錬金薬師)が助ければ良かったって話だけど……弟君の我が儘で、儚くなってしまいました。我が儘な坊っちゃんが、苦い薬を飲めるかというと……飲まないだろうと思われ。まあ、メイドとかには我が儘な坊っちゃんも鬼の様な顔をした父親が相手の場合は飲むだろうけどw。
そして、弟君ってば姉殺しの罪に耐え切れず主人公を己の姉と認識し(すり替えます)て都合の悪い記憶を封印。
以降、主人公を姉と慕って行動する……とかになると、ヒロインが主人公を悪役令嬢と認識するのも仕方がないかも知れないw。けど、平民発言で悪役令嬢探しを再開w。別の貴族令嬢を悪役にして攻略対象にすり寄って行く訳です。
まあ、自分に取って極めて都合の良い解釈ですよね!!
クソッタレですが、まあどっちも良くあるあるな話。
後は、貴族の令息令嬢が集まる学院でヒロインが入って来たら始まるのはヒーロー攻略ゲー。で、ヒロインに落とされて婚約破棄とかやっちゃったら廃嫡決定!!しかも、悪役令嬢(仮)に『卑しいお前は、国母に相応しくない。ヒロインこそ、国母に相応しい』とか言っちゃってたら完全にアウトでしょ(笑)。彼女のやらかしで、少なくとも一万人くらいは死にますよ?大量虐殺者ですね!虐殺者が国母に相応しい、と!?マジで!?な話に……。

以上。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。