絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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三七六話

双夜:ちょっと時間を遡る

 

 

まさか、ネタで断る奴が居るとは思わなかった。

神崎大悟のオリジナル、鈴木満男を《神殺し》にスカウトした後……俺は、一度【塔】に戻って彼の世界の再調整を行った。一度、世界を出たお陰か【塔】の周辺には誰も居なかったけどね。

そして、再度《時渡り》をして【組織】へ戻り報告書を受け取る。そこで、セイビア達が動き出した事を知った。何故、アイツ等が動くの?そんなに暇なの?と思ったものの……なんだろう?厄介なトラブルに発展する様な気がする。というか、神崎を転生させた【神】と真正面から正々堂々と戦わせたいんだけど……そうも言ってられなさそうだ。折角、それなりのモノを用意したのにセイビア達に勝手されたらこっちの計画がオジャンじゃないか!!

とはいえ、この話を聞いた時点で既に手遅れとなっていたので本当に水の泡になってしまった。掲示板を利用していた時は、そんな感じの流れじゃ無かったのに……セイビアの馬鹿ぁ!!後、イン〇ィニット・スト〇トス第四十世代型試作改のテスト起動はしません!!つか、四十世代型改とか作ってるのか!?

ほぼ、半泣き(冗談)で【魔法少女】の世界に戻ったら時間移動を失敗したらしく神崎が使い魔や世界に利用されてイレギュラー狩りをさせられているという報告が入る。休暇を与えたハズなんだけどなぁ……それを世界が、無料で利用しているのは気にくわないので《時渡り》ログを調べてイレギュラー狩りをさせられた世界に報酬を出す様に交渉した。ただ、イレギュラー狩りをしているのが《神殺し》とは言え『見習い』である事を考慮して、貢献ポイントの増加程度にしておく。これなら、正規の《神殺し》へ支払われる報酬レベルではないので世界も払い易かろうと思ったからだ。案の定、正規の《神殺し》報酬では無いからか後払い請求であるにも関わらずイレギュラー狩りをした世界から神崎の貢献ポイントに加算ポイントが入って行く。何となく、スロットゲームで当たりが出ているイメージが頭を過るが気にしない。

 

「さくらんぼが、連続してるイメージかな?」

 

微々たるモノではあるが、塵も積もれば山となるだろうから神崎に取っては棚ぼただろう。とりあえず、神崎には自分に取って最も都合の良い世界が見付かるまでは休暇が始まらない事を伝えて置く。それと、使い魔達には余り神崎を利用しない旨を伝えて置いた。要は、釘を刺して置いた訳だ。ついでに、進捗状況を確認する。例の世界への誘導は、上手く行っているのか?と。例の世界は、神崎が神崎らしく過ごせる唯一の世界だ。それに連なる、連座する世界も……包囲網を広げる。広げられるだけ広げた人海戦術の檻。【群大の魔術師】である俺にだけ許された技法。

【京】にも届く、人材の宝庫……俺だけの魔術。俺だけの、魔法。

 

「全システム、オールグリーン。システムの再調整……確認。システム・ユグトラシル。システム・アガシオ。システム・魔導太陽炉……機能正常。魔導太陽炉は、テスト起動の予定だったんだけどなぁ?人工魔導太陽を中心に、数万のシステム・ユグトラシルを使った人為的に【無限のマナ】を作り出すシステム……」

 

そもそも、【マナの大樹】や【ユグトラシル】と【世界樹】はどうやって世界を満たす程の【マナ(魔力)】を生み出していると思う?いずれも、【大樹】……即ち、大きな【樹】をイメージにしている。という事は、だ。もう、光合成で【マナ】を生み出していると考えざるを得ない。嗚呼、それならば確かに何のリスクもなく膨大な【マナ(魔力)】を生み出せるだろう。

そして、【魔工技術】で最初に造り出せたのが電気を魔力に……魔力を電気に変換する魔法陣だった。それが、可能であるとするなら当然……太陽の光で、【樹】が光合成するのと同じ様に【太陽電池】に似た様なモノで【マナ(魔力)】も作り出せる!ハズだ。

理論的には、【マナの大樹】も【太陽電池】も同じ技術の応用だと思われる。ならば、太陽エネルギーを電気に出来る様にマナ(魔力)も生成できるのではないか……と思った訳だ。若干、太陽から発せられる光ではない何らかのエネルギーを【マナ(魔力)】に変換している可能性もあったんだけど……後で、気が付いた時には実験段階まで進んでいて冷や冷やしたけどね。まあ、何とかなったんだよ。うふふふふ(恐怖)。上手く行けば、()()のシステム・アガシオを永続的に運用できる様になる新たな技術となろう。

だが、まだまだ手探りであるが故に色々不足し不十分な事の多い技術。それでも、少しでも手が伸ばせる範囲が広がるならと【鮮血の】と共に作り上げた俺とアイツの血と涙の結晶。

 

「試作段階だけれど、持ってくれよ?……魔導太陽炉、フルオーバー・ドライブ!!システム・アガシオ、全機!全力稼働!!!」

 

正真正銘!システム・アガシオ百機、オール起動による人海戦術の檻。俺の目であり、耳であるフレールくんが一番多いけど……それ以上に兆に届く人型使い魔の活躍が期待されている。情報処理の人員としてな?流石に、京にも届く使い魔達から送られて来る情報の処理を一人で賄える訳が無いだろう?だから、それを処理する使い魔が必要になった訳だ。故に、それを担うのは人型の使い魔で……それでも足りない部分を、【真実の瞳】が担当する。

因みに、システム・アガシオは人型使い魔百万を搭載するのがやっとの小型機じゃないぞ?人型使い魔、約百億をサクッと搭載出来る大型機を百機準備したからな?まあ、それを個人の魔力で起動させれるかと言うと……無理!としか言えないけど。

普通に死ぬね!死なないけど、死ぬんだよ!!ぶっちゃけると、目が覚めなくなる。魔力の回復に、全部持って行かれるから。

そんな、永遠に噴き出す消火栓の如く魔力を消費するシステム・アガシオ(大型)が百機……ははは。恐怖しか感じないシステムが、ドバドバ魔力を消費しながら百機も稼働している。

 

「……………………」

 

それを、【真実の瞳】を通して眺める俺。余りの魔力消費量に、段々怖くなってきた。スルー、スルーしなきゃ……駄目だ。これだけ、ドバドバ消費される魔力が視えている状況では気になり過ぎてスルーも儘ならない。というか、これ……【組織】に観測されてるんじゃないの?という事は、そろそろ誰かが駆け付けて来るんじゃぁ?と思ってたら、目の前に【魔導兵器】が現れた。

 

「おい、双夜。何してんだ!?魔力機計が、とんでもない事になってるぞ!?てか、お前……顔、蒼白になってんぞ!?」

 

いや、うん。そう言えば、ここ……【外側】でしたね。下手に、【内側】で起動実験なんて出来ないから何の遠慮も要らない【外側】で起動させる事にしたんだった。だから、目の前に【魔導兵器】が現れてもおかしくはないんだけど……そうか。俺、蒼白になってるのか……まあ、アレを視ていればわからなくもない。

 

「…………視るが良い。これが、魔工技術だ!!」

 

「…………お、おう…………ひぇっ……」(蒼白)

 

【魔導兵器】でも、この反応。お分かり頂けるだろうか?魔導太陽炉が、どれだけヤバい技術であるかを!!まあ、技術的には人工の太陽をシステム・ユグトラシル(多数)で囲い込んだだけの代物だけど。人工の太陽は、発光さえしていれば良いって程度の発想で作ったが高出力の光を出すのである程度の熱が発生するのを抑え切れず……システム・ユグトラシルは、魔力伝達の観点から未加工のオリハルコンをそのまま使っているので数時間もすると融解しちゃうんだよね。一応、強化耐熱ガラス板で覆っているけど……時間が経てば、ガラス板諸とも溶けちゃう。ハルコンの透明版があれば、熱を通さない透明な板が出来るんだけど技術的に無理なので強化耐熱ガラスで何とかしている。研究が進めば……とか、技術革新が……とか。そういうのが起きれば、何とかなるっちゃぁ何とかなるけど……現段階では、無理な話だ。

 

「…………てか、これ……動かなくなったら、どうなるんだ?」

 

「僕の存在力呑み込んで稼働し続けるんじゃない?」

 

「……………………それって、どうなの!?」

 

「下手したら、一生目覚めないんじゃね?」

 

「は!?おま、いや、何体の使い魔動かしてんの!?」

 

「【京】に届くレベルの使い魔を……」

 

「は?けい?って、京いぃ!?おま、一億動かすだけでもアップアップしてる癖に一億倍とか馬鹿じゃね!?」

 

「もし、消えたら後ヨロシク……ね?」

 

「ふざけてんじゃねぇよ!?ああ、もう!太陽炉が、駄目になったらこっちに繋げ!!俺の魔力で、何とかしてやらぁ!!」

 

「うふふふ。それで、貸しになったら嫌なのでパス……」

 

「しねぇよ!?つか、貸しとか借りとか抜かしている場合か!?存在が、掛かってるんだろうがよ!?」

 

「だからって、【魔導兵器】に貸しを作るのは……ねぇ?」

 

「ねぇ?……じゃねぇ!」

 

だって、その貸しを盾に【組織】へ勧誘されたら断れないじゃないか。そんな事になる位なら、ここで消滅しても構わないと思ってしまう程に嫌だった。なので、【魔導兵器】の提案を却下する。

 

《第一強化耐熱ガラス、融解……》

 

「うおおぉおぉい!ちょ、なんかヤバい事言い出してんぞ!?」

 

「ついに、融解が始まってしまったか……」

 

「しまったか……じゃねぇ!!ちょ、おま、ふざけてんのか!?」

 

「ふざけてはいない。【組織】に入りたく無いだけだ!!」

 

「どんだけ、【組織】が嫌い何だよ!?」

 

「ここで、消滅しても構わないと思う位には……嫌!」

 

「そんなレベル!?わかった、勧誘はしない!貸しも無しだ!!だから!!」

 

「でも、残念。助けられた、という事実は変わらないし……何より、僕の精神的に嫌だ!!」

 

「そんなに!?わかった。なら、ちょっと前に俺のなんちゃってお見合いを企てた奴が誰なのかを教えてくれ!!【真実の瞳】の偽証無効をすり抜けるレベルの偽証だ」

 

「あ、それ……凍真が提案して、妖精さんとセイビア達が練り捲った奴だろ?まだ、わかって無かったのか?」

 

「あ、ああ、アイツかああぁぁぁ!!クソッ……路頭に迷わせた手前、何も仕返し出来ない!!!」

 

「律儀だな。まあ、アイツが路頭に迷っていたのは事実だから何も言わないけど……身から出た錆び。自業自得……だな?」

 

「だが、妖精は潰す!!絶対に!!」

 

「セイビア達は?」

 

「…………何とか出来ると思うか?」

 

「トラブル舞い込んで、有耶無耶にされるだけだと思う」

 

「デスヨネー」

 

という訳で、遠慮なく【魔導兵器】を太陽炉に繋げてその膨大な魔力を使い魔達に流してやる。流石の【魔導兵器】でも、【京】レベルの使い魔を運用するのはキツかったらしくフラッと足元がおぼつかない感じだった。

 

「あ、これキツイわぁ……」

 

「そうか。もっと、頑張らないとだな……」

 

せめて、熱を全く通さないハルコンを透明にする技術を作り上げなければならないだろう。そうすれば、魔法陣を描いている未加工のオリハルコンが溶ける事も無くなるので魔導太陽炉は正常に機能するハズだ。まあ、その頃には人工太陽の方も熱を出さないモノになっているかも知れないけど。

 

キィン!

 

「おっと……フム。彼の世界への誘導を成功させたか……なら、後は【億】でも問題ないな。システム・魔導太陽炉、出力低下。オーバー・ドライブしてたから、作り直しは免れないけど……」

 

透明じゃないハルコンのシャッターによって、人工太陽は覆い隠された。そもそも、ハルコンは熱を通さない特殊架空金属なので人工太陽その物にシャッターとして取り付けてある。よって、人工太陽を覆っているハルコン・シャッターを閉じてしまえば熱も光も遮断されるという設計だ。それと、強化耐熱ガラスやシステム・ユグトラシルは人工太陽が発する熱で溶けてしまう恐れがあるのでそれなりの距離を置いて無重力制御で浮遊させていた。

それでも、数時間ブッ通しで使い続ければシステム・ユグトラシルも重力制御装置も壊れてしまうので俺と【鮮血の】が頭を抱えたのは言うまでもない。

 

『予算がぁー!!』とか、『必要物質がぁー!!』とかwww。

 

まあ、物質は天地創造系の能力者によって作り出されるとは言えシステム・ユグトラシルも重力制御装置もただではない。それなりの資金は、溜め込んでいるけれど。

それでも、足りなくなる時は足りなくなるし……それによって、出来なくなる事は多い。

人工太陽も、本来の太陽の十万分の一にしてあるとは言え……それでも、巨大な代物である事は代わりない。

故に、人工太陽建設用の物質にしろシステム・ユグトラシルの材料にしろ洒落にならないレベルのお金が掛けられてある。もう一度、同じモノを造れと言われたら俺も【鮮血の】も半泣きになる可能性大だ。と言うか、確実に泣くね!お金集めなきゃぁ!とか、必要物質創って貰わなきゃ!とか。惑星の表面積レベルの魔法陣(システム・ユグトラシルの)とか、反対側に同レベル面積で冷却用の魔法陣を書いたりとか……あの、書いても書いても全く終すら見えない地獄の日々をもう一回!?。最終的にキレて、魔法でザックバランに転写して繋げてみたらウンともキャッとも起動しない魔法陣。

良く見てみたら、魔法陣の継ぎ目めがズレてて……切って、貼って、繋げて、調整して、切り過ぎて、失敗して、最初からとか。もうね!もうね!!

 

「死にたい……」

 

「こらこら、いきなり何を言い出すのかな!?」

 

「あの地獄をもう一回とか、死ねる!!」

 

「あー……知ってる知ってる。俺も手伝わされたからね……全く、終わりすら見えて来ない作業だったね?」

 

「惑星規模の魔法陣とか、誰の発想だよ!?」

 

「お前な?お前。つか、最初は太陽を丸ッと使う計画だったからな!?でも、魔法陣描き込み作業で心折れて小さくしたんだよ」

 

そう、最初は通常の大きさな太陽を丸ッと覆ってしまう計画だったんだけど……太陽の直径だけで、地球規模の惑星一万個が一列で並ぶレベルの大きさってのを忘れてたんだよね。そんなモンを、覆える程の物質をどうしろと!?って話になって、諦めたんだよ。

まあ、天地創造系の能力者を総動員すれば創れなくも無かったんだけど。でも、それに魔法陣を刻むのは俺と【魔導兵器】の二人だけ……一体、何万年掛ける気なんだか(笑)。

 

「【魔導兵器】は、暇してるんだろ?仕事は、してやるから魔法陣を刻み続けてくんね?」

 

「ははは。気が狂うわ!!てか、お前もやれよ!?」

 

「し、資金集め……頑張るから……つ、使い魔も付けるよ?」

 

「どっちも、辛れぇ……」

 

「無尽蔵、無尽蓄、無限大の資金があれば……」

 

「無理だ。諦めろ……」

 

「デスヨネー。そして、技術も足りない。せめて、ハルコンを透明に出来れば何とかなるのに……はあぁ……」

 

「無い物ねだりか……」

 

「……無い物ねだり……静ぅ……」

 

「それもまた、無理な話だよな……」

 

「死ね。無能……【組織】で、見付けられるって言ったのは嘘だったのかよ!?だから、僕はーーー」

 

「ちゃんと、探しているよ。俺の《未来予知》では、ちゃんと見付かっていただろう?だからこそ、ここに居るんだろ?」

 

「……………………」

 

そうだ。【組織】に協力していれば、いずれまた【静】に会えるから俺はここに居るんだった。でも、出来るならコイツ等よりも先に【静】を確保したいけど……その為のシステム・アガシオだけど、技術的に色々足りなくて堂々巡りになっている。

 

「変な事を【静】にしたら、殺す!!」

 

「それは……願ったり叶ったりだな。俺の……俺達の願いは、知っているだろう?《旧・神族》が居なくなるのと同時に消えたい。旧世代の遺物は、未来に残しておきたくは無いからな」

 

「…………脅しにもならないか。ぬかに釘。馬耳に念仏」

 

コイツ等は、永きに渡り存在し続けて来たせいで未来に希望が持てなくなってる。《旧・神族》の存在も、その想いに拍車を掛けているから尚救いがない。全く、どいつもこいつも自分勝手過ぎるんだよ。だから、コイツ等に協力したく無いのに……協力せざるを得ない状況にされていた。未来に希望を持てない者に、諦めなかった俺が協力したくもないんだけどな。

 

「いすれ、消滅させてやるよ」

 

「そう、願いたいモノだ。それより、例の件はどうなってるの?」

 

「ん?……例の件?どれの話だ」

 

「……どれって……どんだけ、暗躍しているんだよ!?」

 

「え?今、僕が抱えている計画の総数は……二百程かな?」

 

「……………………」

 

うわぁ……コイツ、あり得ねぇ!?という顔をする【魔導兵器】。いや、あの【組織】に関わる者としてはこれくらい普通の話なんだけど……あるぇ?多いのかな!?でも、【例の件】という事だから【魔導兵器】に話している件に関する話だろうと当たりを付ける。とは言え、直ぐに思い当たらない辺り俺の暗躍は右斜め遥か彼方に逸れて行ってる模様。そろそろ、修正するべきか?

 

「スキルを増やすとか言ってなかったか!?」

 

「ああ、それか……見合い話の方かと思ったよ」

 

「…………うぉい!?悪戯する気満々か!?」

 

「いや、そっちは真面目な方の計画だ。要は、お前の存在力を何とか出来れば良いんだろ?ブラックホール系の能力者ならイケるんじゃね?」

 

「止めろ。変な期待を持たせるな」

 

ええ!?折角、色々造ったのに……人の思いやりを斬り捨てるなよ。まあ、その気持ちもわからないでもないが……世界に悲観して、絶望している馬鹿に希望を持たせたくなるじゃないか!?

 

「はいはい。ま、楽しみにしててよ」

 

「良いから!で、スキルは増えたのか!?」

 

「増えたよ。まあ、結論だけの話だけど……」

 

《神殺し》の固定スキルを、使い魔に分け与えて増やす計画があるにはあった。正確には、スキル《神殺し》に《ルール・メーカー》でレベルという概念を差し込み《ルール・ブレイカー》で分割して使い魔に分配した訳だ。ぶっちゃけ、かなりの無茶をしたのは否めない。だが、レベルという概念を差し込んでレレ上げをしたのは最悪の思い出だ。レベル一つ上げるのに、すんごい経験値が必要だったらしく何戦もさせられたし……使い魔にそれを分配しようとすも、レベル1の状態からじゃないと機能しないという鬼畜仕様。それでも、レベル2だからそれを経験値換算で分配しようと考えてたら……一体にしか渡せないという事実にドン引きさせられた。二体以上に渡そうとすると、レベル0の状態になって機能しないと言うんだから最悪だ。レベル3で、漸く二体分のスキルになるんだぜ!?レベル4なら、三体かと思ったらレベル3と似た様な状態で二体にのみ。ただ、次のレベルへの経験値は少なく済んだ。それだけが、レベル4の救いだったけど……レベル一つ上げ様としても、中々上がらない上に分配にも制限が付くなんて一瞬目眩がしたわ!!

 

「もう……【超】が、付く程の鬼畜仕様だったよ……」

 

「まあ、初の取り組みだからな……」

 

「レベル一つ上げようとしても全く上がらないし、分配も洒落にならない制限があるし……あのスキル、滅茶苦茶だったよ!?」

 

「ああ、うん……お疲れ!!」

 

『お疲れ!』、なんてレベルの話ではない。あの鬼畜仕様には、何度も頭を抱えさせられた。というか、あれ程経験値効率の悪いスキルも珍しい。固有スキルで、特定の存在しか持たないモノだからってのもあるけど……あれはもう、完全な嫌がらせスキルである。それを、レベル3まで育てて分配を繰り返し何とか百万体分のスキルとする事に成功した。ええ、未だ百万体分のスキルしか用意出来てませんよ?しかも、平均レベルが3という状態。

 

せめて、7くらいあれば使えるんだけど……微々たる効果だ。

 

そして、もう一つ。スキル《神殺し》を魔術式に変換する事に成功した。これも、何度も諦め掛けた代物だったりする。でも、レベル分配と一緒に使えば強力なスキルになる事はわかっていたので頑張ってみた。結果、何とか魔術式に変換する事が出来た訳だが……成る程。

これは……キツイ理由が、わかった様な気がする。これ……《神殺し》って、後付けの哲学礼装だったんかい!?

そら、正規の理と違って《神殺し》達が長年に渡って神を殺し続けたから生じた後天的に生じた概念だったからあんな鬼畜仕様になっていた訳だ。後天的に生じた概念は、基本的に基礎の部分があやふやになっているモノが多い。そもそも、存在しなかった概念で人々願いから生まれた理である。そりゃ、色々と抜けているモノの方が多いさ。

とりあえず、人々の願いで機能している概念は理論をスッ飛ばして稼働してくれるので、それを利用する者は中身から用意しなければならないという状況だ。それは、形にするのに時間が掛かって当たり前である。なので、【真実の瞳】ですら見抜けないのは仕方がないというもの。

つか、誰だよ!?《神殺し》スキルが、《神殺し》よりも高位の存在が創ったスキルだから干渉出来ないとかほざいた奴は!?全然、違う理由じゃないか!?お陰で、しなくても良い遠回りをさせられたんだけど!

 

「次から、君達の言葉は信じない様にするよ……」

 

「あるぇ!?スキルの話が、唐突に株の暴落になったど!?」

 

「後発の概念哲学礼装とか、お前ら知らなかっただろ?」

 

まあ、哲学と言っても偉い学者さん達がその遺物の歴史を紐解いてあーだこーだと語り合った様なモノではないけど。ある種の願望が、形になったという意味では同じなのでそう結論付けた。

 

「え゛!?《神殺し》って、概念哲学礼装だったの!?」

 

「しかも、後付け。中身空っぽで、人々のそうであって欲しいという願望だけで形になってる概念だったよ!!」

 

「うわぁ……」

 

コイツ……今直ぐ、消滅させたろか!?

やっちゃったぁ!的な顔をして、テヘペロ♥コツン☆!をやってくれた【魔導兵器】に思わず殺意が沸き上がる。とりあえず、報復措置として吸引する魔力の量を一段階上げてやった。

 

「ちょ!?ゴメン!ごめんなさい!謝るから、許して!!」

 

急激に消費する魔力量が増えた事で、慌てた【魔導兵器】が顔を真っ青にして平謝りを開始。でも、俺のイライラは頻度が上がるだけなのでもう一段階上げてさしあげた。

 

「さて、とりあえず……魂蔵の一つ、二つは空っぽにしてやるからちょっと黙って様な?」

 

「あ、しまった!命握られてる時に、やらかした!!」

 

まだ、反省してない様なのでもう一段階引き上げてみる。これで、様子を見てまだイケそうならもう二・三段階上げても良いだろう。

 

「ちょ、上がってる!上がってるよぉ!?」

 

「頑張れ、魔力タンク。もしくは、外部充電器?」

 

「止めてぇ!干からびる!干からびるから!!」

 

「大丈夫。スキルと魔法陣合わせて、効果は二倍になったから……最終的に、神との戦いというよりは【呪い】との戦いになるからね?呑まれるか、浄化仕切るかの戦いに……」

 

「ちょ!?マジで、搾り取られてるから!!」

 

「快楽を感じられる様になれば、それも恍惚の極致になると思うよ?変態。がんばって?」

 

「双夜の視線が、変態を蔑む様な視線に!!サーセン!マジ、すいませんでした!!」

 

「知らん」

 

 

 

 

 




双夜の暗躍ネタ。何してたのかな?話。人海戦術の檻……これが、やりたかっただけです。技術的に魔工技術レベルが3なのでこれが限界ですが……技術が進歩すれば、もっと出来る事は増えます。因みに、ハルコンの透明化はレベル5からですね。レベル4でギリギリ光を通す曇りガラス擬きが出来るくらい。まあ、それでも十分だけど。現段階では無理。

それと……魔導兵器が言ってる、『一億動かすだけでアップアップ』というのは事実です。フレールくんは、人型の使い魔を動かす程は魔力を使わないからねぇ。因みに、システム・ユグドラシル(小)で人型・獣型使い魔を動かすならギリギリ一億体しか動かせないけど……フレールくん程度なら、システム・ユグドラシル(小)で生成できる魔力半分で一兆体は動かせる事になりますね(笑)。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ちょっとした、小ネタ。
前回は、成り上がりをテーマにしてましたが……今回は、タイムリープがテーマです。シチュエーションは、そのままアトリエシリーズ(RPG)+乙女ゲームですね。
今回は、題名もありますよぉ(笑)。
題して、『成長チートで化け物に成りつつある』ですかね?ぶっちゃけると、主人公の預かり知らぬ所でタイムリープする馬鹿が居るせいで強くてニューゲームを強制されてる主人公がいる的な?転生者は皆、そのタイムリープの影響を受けるという裏設定のせいでもあるけど……結果、主人公が成長チートで化け物に成長してるって話ですね。
因みに、主人公は一人ではありません。複数居ます。例を上げると……冒険者な男女とか、結婚式まではイケるのに結婚出来ない男女とか、成り上がれそうで成り上がれなかった男女とか……まあ、そんな感じの物語ッスね。ああ、あと一歩って所で巻き戻されるって意味合いだよ?

そして、走り書きは……

最近、困ってる事がある。
何故か、特定の年齢になると時間を逆行して五歳の頃にタイムリープするのだ。しかも、スキルやレベルがそのままに。即ち、強くてニューゲームである。

的な書き出しになるかな?その後は、自分が如何に強いのかを書いて……それが、終わったら原因を探る話へとシフト。そして、とある国のとある貴族達に行き至る。それにより、その世界が混合世界だと知る訳だ。で、悪役令嬢と協力してヒロインを撃退するのである。

因みに原因は、タイムリープ(チート)を持ったヒロインが悪役令嬢(魔力が多いだけの転生者ではない普通の令嬢)を生け贄にして何度も愛され恋愛を繰り返しているってオチ。
ハッピーエンドの後は、ヒロイン&ヒーローが断罪されるのでイチャイチャしていられる間だけを何度も繰り返してるパターン。結果、他の転生者も巻き添えにw。

まあ、行き着くまでにも幾度となくタイムリープしてるんだけどね?結果、ランクSSSの冒険者(主人公)が出来上がる(笑)。好きで成った訳じゃねぇよ?どっかの馬鹿が、何度もタイムリープするからそうなったんだよ!的なキレ方をする主人公達の物語。

この物語は、主人公達の預かり知らぬ所でタイムリープが発生し何故か他の転生者達にも影響を及ぼしているっていうお話だよ!ちょっと、あり得なさそうな巻き添え系の物語を考えたかったのもあってそういうのを思い付いた訳ですが……こう言うのは、面白いと思いますか?

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m(_ _)m

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