絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四〇〇話

Re:

 

 

あ、なのはさんが起きt……即、脱落した。

ちょっと、目の前に透けた女の人が浮かんでただけだったんだけど……それを視界に納め、暫く見詰め続けた後に小さく悲鳴を上げてそのまま帰らぬ人となる(朝になれば帰って来るよ!)。

 

「いやいや、はエーよw。つか、起きて即脱落とかマジねぇーからw。もう一回、起きて頑張ろうよ!」

 

とは言うものの、なのはさんはこのまま朝まで眠りt……気絶したままだったりする。そのお陰で、長い夜が幕を降ろすまで二時間を彼女達は絶望的な気持ちで経験する事になるのだった。とは言え、時間的には二時間だけれど……彼女達が、体感する時間は24時間程に相当する。何たって、その為だけに結界を展開し体感時間を加速させるという荒業を俺は使っているのだ。これなら、倍率的には11.5倍程で二時間を24時間に引き延ばす事が可能だ。

ほぼ、一日単位の恐怖体験。いやー、楽しみだなぁw。

そうこうしている内に、誰かさん達の騒ぎに年少組が起き始めた。

そして、一歩部屋の外へ出ると……そこは、魑魅魍魎が蔓延る恐怖と絶望の世界。慌てて戻ろうとするも、一度外に出てしまえば戻る事叶わぬ迷宮のど真ん中に彼女達は居た。

 

「態々、安全圏から外に出たんだ。タップリ、楽しんで行くと良い。前回は、何も出来なかったから今回はタップリ踊って頂きましょう!!ええ。問答無用で、ね?」

 

前回のオフトレでは、何も知らないコロナに抱かれて地獄の空間へ連れて行かれた為に恐怖で何もさせて貰えなかったから、今回はタップリ遊ばせて頂こうと企画したのがこのパニックロッジ。

悪戯大好き魑魅魍魎達を呼び出し、みんなを恐怖のドン底に叩き落とすのが我が使命と見た。と言うか、奴等に復讐します。

 

「泣き喚け!恐怖せよ!地獄に落ちるが良い!!」

 

今回は、ちゃんとリオに俺が女性の裸恐怖症である事を告白し……途中、リオを勘違いさせる様な発言もしたけれど。概ね、一緒のお風呂は危険という結論を印象付ける事に成功した。まあ、ティアナやノーヴェはその辺りを気にしない人なので『俺は男だぁ!』と言っても……見た目、六歳くらいのチビッ子なので一緒にお風呂へ連れて行こうとする。恥じらいは無いのか!?お前等は、痴女なのか!?フェイトちゃんと同じお色気担当か!?……と言って、漸く反応があったくらいだ。つーか、ティアナにしろノーヴェにしろフェイトちゃんレベルの物量が無いからって『お色気担当』扱いにしたら反応するってどういう感覚!?そんなに、自分の身体に自信が無いのかな?まあ、フェイトちゃんに比べたらアレだけど……それなりには、あると思うよ?

 

「最終的に、拗ねちゃったけどねぇ……」

 

ノーヴェは兎も角、ティアナの方はダメージが大き過ぎたのかその後ティアナが浮上してくるまでそれなりの時間が掛かっている。

余程、ショックだったのか……それとも、別の要因かはわからないけど。ティアナの落ち込み具合と言ったら、それはそれは酷い落ち込み様だった。まるで、憧れていた女性が自分の理想から外れて目標を失ったかの様な……そんな、落ち込み様だったよ。

立ち直った後は、落ち込んだ事なんて無かったかの様に振る舞ってたけど。アレは、立ち直ったと言うより開き直った感じかな?

だって、その後のフェイトちゃんとのやり取りや付き合い方を見てたけど……フッ切れた感じだった。例え、フェイトちゃんがお色気担当で痴女ッポかったとしても執務官としての能力は間違い無いのだから憧れのまま目標としていれば良い……的な?

そんな、悟りを開いたティアナと言えば……現在、ゾンビに扮した使い魔達に追い回されてトイレにお籠り中。まあ、逃げ込む場所としては適切な場所ではあるんだけどね?でも、そこに居るとトイレの怪談が……なんで、そこに逃げ込んだし!?ああ……当分、一人でトイレに行けなくなるパターンですね。お疲れ様です。

そして、始まる悪夢に等しいトイレの怪談企画。便器から、血濡れの手が飛び出してティアナがドン引きしつつ鍵の掛かったドアを蹴破って逃走。あー……ゾンビ諸君。申し訳無いんだけど、ドア直して置いてくれないかなぁ?そこ、まだ使う予定なんだ。

何故か、ゾンビのままOKサインを出して修復を始めるゾンビ諸君。その様子を見てたけど、ゾンビが蹴破られたドアを直してる後ろ姿ってかなりシュールなモノなんだなぁ……と残念な気分でいっぱいになる。これは、壊れた物を直す部隊が必要だったかも知れない。全く、ドッキリ企画で物を壊すターゲットとか迷惑極まりないな。まあ、そのドアを蹴破ったターゲットは……リビングで、お兄さんの幽霊と遭遇。そして、お兄さんのストーカー具合にドン引き中だった。いやー、何を語って聞かせているのかな?あの人はw。

妹の成長具合を、具体的に語る闇落ちストーカー兄貴ってどんな需要があるのやら?お陰で、一瞬感動的な雰囲気に成り掛けたのにティーダ・ランスターの暴露話でティアナがガチ引きしてるんだが……あー、どうしたモノかなぁ?

 

「んー……成る様になるしかならんな。すまん、許せ……」

 

画面越しに、ティアナが大音量の悲鳴を上げているけど……まあ、()()は妹大好きだから仕方がないんだ。見付けた時は、まだ普通のお兄さんだったんだけどなぁ……ちょっと、ティアナの周辺を嗅ぎ回った辺りから闇落ちが始まって現在に至る。

 

「いや、ホント……申し訳ないとしか言い様が無いな……」

 

ちょっと、妹愛が溢れ過ぎているだけなんだ。それを助長させたのは俺だけど、まさかあんなストーカー野郎になるとは思わなかったんだ。その後、ティアナがリビングから逃げ出してそれを追い掛けるティーダが映っているけど……次、行ってみよう!!

 

「次は、と……あ、ルールーだ……」

 

エリオとキャロは、今尚お休み中。

これだけ、周りが騒いでいるって言うのに其々別室にてお休み中とか睡眠薬でも盛られましたかねぇ?ってのは、冗談で……昼間、そこそこ身体を動かしていたから夜の睡眠は深いのかも知れない。

キャロも、そんなエリオに付き合って動き回っていたからなぁ……目覚めないのなら、仕方がないので次のターゲットを探す。

 

「お?おんやぁ……スバルさんじゃ、ありませんかw。にゃははは。メッチャ、ビビってるw!」

 

既に、魑魅魍魎とは遭遇してしまったのか周囲を見回しつつ青ッポイ顔でガタガタ震えながら先へ進んで行く。師弟揃って、ホラー苦手とか……大丈夫か?まあ、どれだけ頑張っても仲間と合流する事は出来ないので諦めて?と言う訳で、空間ズレてて仲間と合流出来ないゲームスタートだぁw!

さあ、始まりました。先ずは、セイン&ノーヴェチーム!

現在は、セインが恐慌状態で逃げ回りそれをノーヴェが追っている。だけど、合流する事は叶わず。既に、二人とも完全に迷子で見付けられない状況に陥っている。つか、セインはループする廊下で足止めしてるけど……ノーヴェと合流出来そうにない。ノーヴェも迷子になっているみたいだからな……それに、障害も多い。今は、チェーンソーを持った大男(使い魔)に追い回されているよ?

次は、チビッ子チーム。最初は、リオ一人でキャーキャー言ってたけど。いつの間にか、ヴィヴィオやコロナが合流していて暫くしたら覇王っ娘も合流した。現在は、一纏めに行動してはいるけど。

覇王っ娘以外が、パニック状態で恐怖が混乱を呼び混乱が恐怖を呼ぶ……一番、ハマっては成らないパターンに陥っていた。アレは、一度感情をリセットしない限りひたすら落ち続ける恐慌の悪循環だ。覇王っ娘が、表面上は冷静ッポイけど……アレも、駄目ッポイなぁ?目が据わってて、全く大丈夫そうではない。

ルールーは、メガーヌさんと一纏めのチーム扱いになってるけど……メガーヌさんは、まだ寝てるので一人でロッジの中を捜索中。ガリューとか、他の虫を召喚して賑やかにすれば気にならないだろうに……何故か、一人で恐々とロッジの中をさ迷っている。

手持ちのカードで、ルールーが喜びそうなモノと言えば『騎士ゼスト』だけど……後で、メッチャ怒りそうなので止めておく。

因みに、気絶しているなのはさんだけどフェイトちゃんと同じチーム扱いになっているので出来れば目覚めてロッジをさ迷って欲しい所。まあ、無理そうだけどな?へい、目覚めよー!!

 

「ーーー……え……ひぃいぃぃぃ!?ふっきゅぅ……!?」

 

無理矢理、叩き起こしたんだけれど……また、気絶しちゃったので諦める。後は、ユーリが居るけど……そう言えば、ユーリどこ行った!?あ、居た居た。居たけど……何故、そんな所で段ボール箱の中に籠ってるのかな?場所は、ロッジの玄関付近。自分の体をスッポリ、段ボール箱に納めてガタガタ震えておられるんだけど?

まあ、お約束だからな。段ボール箱に納まっている間は無視しておいて上げよう。それに、今はなのはさんの悲鳴で目を覚ましてくれたフェイトちゃんの方が面白そうなのでこっちを驚かしてやりたい!いやー、良い仕事してくれたぜ。なのはさん!!

てな訳で、現在ロッジ内で起きているホラー地獄にフェイトちゃんも参加させるべく、チビッ子達の悲鳴をクグモッた感じで聞かせてやる。ここで、普通に悲鳴を聞かせると臨場感が薄れるので絶対に『遠から響いて来る』とか、『その場ではない別の所から』という風にしておくべきだ。その方が、グッと現実味が増すからな。

それにより、フェイトちゃんが完全覚醒。瞬時にセットアップして部屋から飛び出して行った。そして、一拍を置いて……目の前に現れた、素早くアクロバティックに動く死体に悲鳴を上げているw。

にゃははは!やはり、スピード狂には速度で対抗しないとねぇ?それがちょっと、現実ではあり得ない事だとしても問題はないと思われる。つーか、《真・ソニックムーブ》を軽く越えた動きを見せるグールが余りにもブッ飛んでいるのだが……これをやってる使い魔って誰だ?まあ、面白いからもっとやれ!!

そんな鬼畜な事を考えながら、俺は招かざる客達の様子も確認する。というか、そもそもこの茶番は彼女達が彼等の存在を認識するのを阻害する為のモノ。何故なら、事もあろうにこの転生者共と来たら原作ヒロインと知り合いに成れないからと、緊急事態が起きても直ぐに救援に来られないカルナージを襲撃する事にした模様。

しかも、オフトレの情報をどこかから得たらしく今日この日に絞って襲撃して来たのだ。まあ、その計画を俺の使い魔達が掴んだからこそ、こんな茶番を用意して原作ヒロイン達の目をそちらに釘付けにした上で馬鹿共の排除を行っている。というか、目的がコロナやリオ……それに、ヴィヴィオをあわよくば拉致する予定だって言うんだから腹立たしい。

 

「まさか、真性のロリコンが混ざっているとは……」

 

『ジークリンデ・エレミア、護衛継続中?というか、転生者の護衛かも知れません!ジークリンデ・エレミア、暴走中!!』

 

『ヴィクトーリア・ダールグリュンの執事に見付かりました!!とりあえず、許可は頂きましたので護衛継続中です!!』

 

『ハリー・トライベッカ、爆睡中にて護衛が成立。継続中です!』

 

『ハリー選手のクラスメイトの所にも、襲撃アリ!こちらは、別動隊が対処中です。後、別動隊にはこのまま三人の護衛を継続させますのであしからず!!』

 

『こちらが把握していなかった、『エルス・タスミン』という少女?の元にも転生者が現れましたので分隊が護衛します!』

 

『ミウラ・リナルディですが……守護騎士というか、転生者を抑えていたら背後にシグナムが出現。とりあえず、協力要請を出して手伝って貰ってます!護衛継続中』

 

『シャンテ・アピニオンなんですけど、シスターシャッハが来てメッチャ睨まれているんだけど……どうしたら良いですか?後、護衛は出来てます。ええ、一応……』

 

『ミカヤ・シェベル……本人に気が付かれてしまいましたが護衛継続中です。』

 

『ファビア・クロゼルク、ロリ魔女っ娘らしいです。というか、ロリコンしか居ないのか!?護衛継続中』

 

「にゃはは……三百人近い転生者が今回の襲撃に参加、かぁ。しかも、知り合えなかったからって暴走するなよ……」

 

元々、DSAAが男女合同競技であればそこで出会い知り合う予定だった奴等が現在の暴走者達である。こればっかりは、もっと早く動いていればわかっていたハズなのに最近までDSAAをまともに調べて居なかった馬鹿共が男女別を知って暴走した結果だった。そもそも、馬鹿共は『原作を知っているから』とか『結末がわかっているから』という理由で直ぐに動き出さなくとも原作さえ始まれば介入出来る等と思い込んでいた模様。そういう傲りから、ロクに情報を集める事なく知識に胡座を掻き高を括っていた。

だが、実際に原作が始まろうとした時になってDSAAが男女別で、ちょっとやそっとの事では原作に関われないと知った瞬間彼等の計画は瓦解する。慌てて、原作に向けて動き出そうにもライバルの出現や他の邪魔者の存在を知って更に慌てる事になった。その結果、混乱の極地に至った馬鹿共は暴走というか……それぞれの好みのヒロイン?を襲撃する計画を建てて行く事になる。

その時点で、彼等の行く末が決まった様なモノだ。

だから、俺はそれに便乗し襲撃者を逆襲撃してみた次第である。

まあ、使い魔達は『護衛』という建前を用意していた訳だけど……それでも、現地人に見付かったり協力したりと大賑わい。

こちらも、そこそこの賑わいを見せているけど……その人数には、呆れるしかないんだから笑えない。この後、俺はカルナージに居るヒロイン達に気が付かれない様に馬鹿共を処理しなければならないんだぜ?これぞ正しく、残業である!使い魔が、居てくれるからこそ、そこまで絶望的では無いけど……これを一人でとか、死ねるね。最悪、皆殺しなんて結論に至っていたかも知れない。

とりあえず、転生者達は使い魔にお願いしてコンテナとかに纏めた後でアリちゃやすずかの元に送り届けるしか無いだろう。

護衛、必須だけど……放置する訳には行かない。

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

それじゃぁ、俺もそろそろ〆に行きますかねぇ?

どうせ、彼方さんも俺との再戦を望んでおられる様だし……上手い具合に、ヴィヴィオ達とも離れたみたいだから。まあ、彼女が引き継いだ記憶からちょこっと思い出深い方の記憶を抽出し幻にして誘導しただけなんだけど。

 

「オリヴィエ・ゼーゲブレヒト……か?」

 

聖王と呼ばれ、ヴィヴィオ誕生の元となった人物。

俺は、【彼女】の事を何も知らないけど……悲しい決断をした、脳筋だと認識している。使い魔達が集めた情報によると、ベルカと呼ばれる世界で大きな戦争があり、そこで後の無い質量兵器が使われたそうだ。まあ、後が無いという事だけど核兵器の様な危険な兵器でもバラ撒いたのだと思われる。ただ、ベルカにしろミッドチルダにせよ微妙に戦闘方向へ傾いた術式を使っているから浄化とか出来なかっただけにも考えられた。その場合、ベルカという世界は浄化さえ出来たら戻れる可能性がある。まあ、そんな事をしたらまた時空管理局がウザくなるのでしないけど。

ヴィヴィオの元になった者は、その戦争を止める為にあのゆりかごに乗る選択をして束の間の平和を得たそうだ。結局、ゆりかごは数年ベルカの空を飛んでいたけど……何があったのか、何処かへ飛んで行って戦争は再開。ベルカは、人の住めない世界へと変貌したとのこと。

 

「結局、力で抑えた所で本当の平和は得られないって事だな……」

 

そんなもん、神々が居る世界でも得られるモノでは無いのだから当たり前の話なんだけどな。むしろ、その神々が平和を乱す張本人って言うんだから真の平和なんて早々手に入る訳がないと言うものだ。そんな事をツラツラ考えていると、目的の人物が周囲をキョロキョロしながら俺の前に立つ。

 

「よぉ。良い夜だな?」

 

「貴方でしたか……」

 

「まあ、多くは語るまい。約束を果たそうと思ってなぁ……」

 

「……それならば、怪我が治ってからでも構いません」

 

「治ってるよ?というか、不老不死である僕に怪我なんて何の意味もないとも。腕が千切れようと、胴体に穴が開こうと戦えと言われれば戦える神造の魔導兵器……それが、僕の正体だし?」

 

「しんぞうの魔導兵器……?」

 

「神が造りし、魔導の兵器って事だよ。それが、元となった技術。それの複製体が、僕達《神殺し》の正体だから……」

 

「か、神っ!?」

 

「気になっているんだろ?僕の《円華拳》が……君のカイザーアークにモロ被りだもんなぁ?円を基準とした、筋肉と骨の連動……そこから、生じるエネルギーを打撃として打ち込む技術……」

 

「……………………」

 

「きっと、君が習得するであろう技術の延長線上にある至るべき領域が《円華拳》と呼ばれる武術の極みだろうな……どうする?ヤるかい?一応、僕はこの武術を極めているから君が到達するべき領域を魅(見)せる事は出来るだろうけど?」

 

「……やりますっ!」

 

「ただ……君が、僕の模倣をするだけの存在となるならば僕は君を殺さねば成らなくなるだろう。理由は、多々あるが……つまらないだろう?只の模倣なんて。だから、完全な模倣ではなく僕の技術を見て盗み参考程度に己の武術に取り込みなさい」

 

「…………わかりました」

 

「ああ。後、勝とうなんて思わない事だ。己の記憶にある武術を、極める所か一部しか使えぬ未熟者に一つの武術を極めた者に勝てるハズが無かろう?コレは、一つの終着点。君達が、辿るであろう長き修練の先にある【答え】であると知れ!」

 

「……はいっ!」

 

言って、俺は片手を上げてハンドサインで『来い』と示す。

それを見た覇王っ娘は、一度頷いてから構えを取り一気に間合いを詰めて来た。そして、馬鹿正直に俺の真っ正面から自分が持てる全てを穿って来る。流石に、『来い』と言って置きながらコレを避けるのは情けないので受けてやる事にした。というか、一つの武術を極めたと断言して見せたのだ。

ここは、極めし者の実力を魅せてやるべきだろう。

 

ーーー《見切り》&《受け流し》の極意!

 

   ーーー我皇流・硬化術《金剛》&我皇流・柔軟術《軟鋼》!

 

相手の拳から、放たれた衝撃を基点にソレと同等のスピードで衝撃を地面に逃がして見せた。これは、とある哲学者が導き出した技術で【衝突球】というモノがある。これは、球体が幾つか吊り下げられた状態で並んでおり、その端の球体だけがふりこ運動をしているというモノだ。その原理を模倣し、相手が放ったエネルギーを受け止めた瞬間に、同速で己の肉体を吊り下げられた球体に見立て衝撃を地面に逃がすという技法である。まあ、一部のダメージは蓄積するので何度もは行えないけど……ここぞ!という時に、使う程度の技術の無駄遣いって奴ですねw。まあ、本来与えられるダメージを何分の一程度に抑えてくれるモノではあるが多用は出来ないとだけ言って置こう。からの、カウンター!!

カウンターの拳には、何の技術も技法も使わない只のパンチにしておく。下手に傷付けると、後でヴィヴィオが恐過ぎるからな。

それに、明日のチーム戦で覇王っ娘が戦え無いとか……ノーヴェも怒りそうだ。よって、馬鹿にしている訳じゃ無いけど怪我をさせる様な攻撃は出来なかった。それでも、それなりの衝撃と《鎧通し》は使っているのでダメージはある。覇王っ娘の顔を見れば、そこそこ痛かったのか驚きと痛みに歪んでいた。それを見届けて、グッと左足に力を込め右足を前へ。それと同時に右掌で、覇王っ娘の腹を押し退ける様に弾き飛ばす。謀らずも、それは覇王っ娘が初めてヴィヴィオと戦った時と同じ様な状況となる。あの時は、ここで覇王っ娘が引いて次の試合へのフラグとなったけど……俺は、ここで止める気は無いのでそのまま棒立ち状態へ戻るだけだ。

そして、再度『来い』のハンドサインを出して待ち構える。

 

「…………行きます!」

 

覇王っ娘が、俺の懐に飛び込んで来て膝蹴りを放って来るが……地面に足が、付いて無い故に踏ん張りが効かず簡単にその体を横へと流されて行く。覇王っ娘は、そこから何とかこちらに追撃を撃ちたい様だったけど、俺が突き出された脚側へ回り込んでいるので動きに切れがない。まあ、こんな刹那の瞬間に対応出来る人間は早々いないので、そのまま背中を押す様な形で体重を覇王っ娘の体に押し付ける。

 

「格闘家が、地面から足を放すんじゃねえよ!爪先は、常に地面に置き続けろ!馬鹿娘!!」

 

ギュルッ(比喩)と、大地に突き立てた爪先に力を入れて生じた力で体を回し相手の体を弾けば、体勢を崩しながら吹き飛んで行く覇王っ娘。だが、追撃はせずまた棒立ち状態へと戻る。地面を見れば、最初の場所からほぼ移動はしていなかった。いつ、気が付くかな?視線を戻し、次の技術を見せる準備をする。やるべきは、【覇王流】という武術が至るであろう終着点の一つを見せる事。

多分、それほど大きく外れる事はないと思うけど……彼女の代で至れるかは不明。俺はただ、可能性の一つを見せるだけである。

体勢を整え、向かって来る覇王っ娘が走る勢いと共に拳を放つ。

それを受け止め、それを基点に上半身のバネみで円運動を再現してやる。受け止めた腕から生じたエネルギーを上半身の筋肉のみで左から蓄積しつつ右へ。威力は、多少落ちるけど撃てない訳ではないのでそのまま撃つカウンター!そして、左フック。ついでに《鎧通し》。下から上へ、抉り込む様な一撃を覇王っ娘の腹部に入れて、左爪先から生じた円エネルギーを蓄積しながら右上半身へ加速し集約した氣と共に右掌底で相手を穿つ。拳を放つと共に、前に出た右爪先に力を入れて生じた円エネルギーを再度蓄積しながら肉体上部へ加速しつつ……身体を大きく右後ろへ振って、真っ直ぐ振り上げる様に脚を伸ばす。足裏が、覇王っ娘の体に触れた所で肉体上部へ加速させたエネルギーを更に加速させながら左足裏への直線運動に換えて突き放つ。結果、タイムラグが生じるものの円エネルギーを乗せた蹴りを放つ事が出来る訳で……それを受けた覇王っ娘は、上半身を後ろへ吹き飛ばされながら体勢を崩し転がる。まあ、連続で放てる事を見せたかっただけなので拳でワンツーフィニッシュでも良かったんだけど……蹴りも放てるよ?って事も見せたかったので、こんな無茶な円運動を再現するハメになった。やっぱり、欲張るとロクな事には成らないな。

 

「あー……今、ちょっと捻ったか?妙な痛みが生じたぞ?」

 

痛みが生じる様な一撃は、未熟者がする行為なのでちょっと反省。

それでも、無茶をした意味はちゃんとあったみたいなのでOKとする。あんな無茶な体勢から、《覇王断空脚》?を放った事に驚いているのか目をパチパチさせる覇王っ娘が面白い。

うん。足を地面に着いたままにせず、素直にジャンプした方が良かったかも知れない。だが、覇王っ娘に足を着けたままにしろと言った手前空中に躍り出るのは……ねえ?

なんか、負けた気分になる気がしたから止めたんだよw。

まあ、虚空《円華拳》で空中でも《鍛針功》は放てるんだけどね。

その場合は、全身を使ってやる事になっただろうから……無茶な体勢から、放つ事にしたんだ。それに、《遠当て》で離れていても《鍛針功》を穿つ事も可能なので俺から距離を取ったとしても意味はない。ただし、魔法……というか、魔力を使う場合は変な体勢で放つ事には成らないんだけど。それに、今は足裏を地面から離さずに戦うという縛りプレイ中なので空中に飛び上がったりする気は一切ないんだけどなw。それじゃぁ、そろそろ連続《断空拳》で覇王っ娘をビビらせつつ倒して行きますかねぇ?

 

 

 

 

 




悪戯と思いきや、実は転生者の襲撃に備えた茶番だったというオチ。そして、アインハルトとの約束を果たしてみました。なのに、縛りプレイとかw。でも、覇王流は地面に足を着けた状態じゃ無いと撃てない流派なのに……空を飛んだり、ジャンプ中とかには放てないっていう制約があるんだよ。まあ、刹那の瞬間に爪先にシールドでも展開出来るなら関係ない話なんだけど……そんな事、出来る奴が早々いる訳が無いのでやっぱり空は弱点なんじゃないかと。
まあ、双夜にはハンデにすら成らないんだけどね。何処でも、マナやエーテル・魔素等……魔力に関係するモノがあれば、それを足場に出来る存在なので。チートっすよ!?チート!!
でも、双夜って精神体なのでチートとは違う可能性もあるけどね。物質化してるけど……元は、高純度の魔力体だったりする。ぶっちゃけ、使い魔と同じ体ですね!!ま、本体は【外】に居るし?消滅しても、何度でも送られて来る程度の話だし……ある意味、鬼畜。
倒しても倒しても、第二第三の双夜が現れるだけという悪夢w。
元々、それをヤりたくてそういう状態を作り出したのに中々使えない状況に双夜はその事を忘れているっていうオチw。言いたいセリフだったのにね?『例え、俺が倒れても……第二、第三の俺が何度でも現れるだろう!!フハハハ、ハーハッハッハッハッ!!』って感じのネタをやりたかったんだよw。でも、双夜を倒せるだけの存在が居ない上に双夜自身がその事を完全に忘れてるってオチなので……無理!!諦めるしか無いね!!三下ッポイ事したい派なのにw。

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