絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四一七話

神崎:

 

 

つい、先程まで……放置されてた神崎大悟です。

そして、一瞬で拉致られて地球に戻って参りました。

ええ、一瞬で、です。師匠が、ブレッブレッの残像ッポイ状態で現れて俺を影で掴み翼、リリィ達に手を伸ばし有栖川&遠藤にフレールくんを投げ付けたと思った時には地球の隠れ家に居ました。

 

「はい、お疲れ~!!」

 

そう言って、俺達をペイッと秘密基地にあるソファーに投げると自室へと入って行った。いや、うん?顔を見る暇も無かったんですが……何かあったんですかねぇ?今一、師匠の心理状態がわからないのだけれど?どう、なりました???

 

「師匠ぉー!ハーレム野郎は、どうなりましたぁ!?」

 

《コォン》

 

扉の前で騒いでいると、質問の返答なのかメールが来た。

まさか、顔も合わせたく無いって事なんですかねぇ!?等と思いつつ、メールを開いて見てみると報告書調の結論が記載されていた。と言うか、師匠から初めての報告書が届いたんですけど!?

 

「ほ、報告書が……報告書が、来た!!」

 

「あー……これは、何かありましたね?」

 

「間違いなく、何かあったの……」

 

とりあえず、一応師匠の作った報告書には目を通しておいた。

内容的には、ハーレム野郎の特典を特定の条件下でしか発動しない様にした事とトラウマを刺激して闇落ち固定したって事だけが書かれている。つか、トラウマの闇落ち固定とは一体……!?それに、スキルの特定条件下での発動!?ちょっと、師匠は何をやらかして来たんですかねぇ?

 

「これは、間違いなく鬼畜な事をして来ましたね!!」

 

「特定の条件下での、能力発動……モルモットかの?」

 

「その一言でわかる、師匠の鬼畜な事とか……( ´∀`)w」

 

「羨ましいんじゃない?大悟君なら……」

 

「ははは、ハーレム。あ!翼が、複数人居たら最高かな?」

 

「…………それ、ハーレムって言えるの?」

 

「幼少期から、現在に至るまで取り揃えれば普通にハーレムw」

 

「それな!でも、同じ顔が複数も居たら怖いと思うぞ?」

 

「幼児な翼、小学生な翼、中学生な翼、高校生な翼、大学生な翼、二十代後半な翼、三十代な翼……十人も居れば、問題無かった件」

 

「…………既に、大分染まってたか……」

 

「もう、翼大好きってのを隠さなくなったな……」

 

「大悟くんが、ドンドンキモくなってるんだけど……」

 

「冗談だよ!冗談!!冗談に決まってるだろ?」

 

クソォ!どいつもこいつも、人の黒歴史を抉りやがって……。

 

「翼が増えると、別の意味で怖いからパス」

 

例えば、親密度が上がって複製された翼の様になった時に嫉妬や羞恥を誤魔化すのに暴力で訴えて来る癖があったから……下手をすると、複製人分の暴力に曝される可能性がある。そうなった時、絶対ハーレムを望んだ事を後悔する自信があるので全力で回避したい所。つか、恋人は一人で十分かと思われ!!

 

「言い出しっぺが、否定するとか……言い出しっぺの法則を知らないのか?最初に言い出したんだ、責任持てよ!?」

 

「サーセン。マジ、許して下さい。ホンの出来心だったんです」

 

「うわぁ!必死過ぎて、逆に引くわ!!」

 

ちょっとした、ネタのつもりだったのに段々分が悪くなって来たので土下座をして話を変えさせて貰う事にする。つか、本局襲撃が終わったんだから次は有栖川達を【組織】へ送る作業だよね!?

 

「世界の歪みは、排除したんだから師匠が調整を終えたら【組織】へ行くんだろ?そこの二人、準備は万端か?」

 

「止めろ。今、必死に忘れ様としているのに思い出させるな!」

 

「そうですよ。これから、地獄が待っているとわかっているんですからもう少しシャバの空気を堪能させて下さい」

 

「シャバって……どこの牢獄に入るつもりか!?」

 

「似た様なモノだろ!?はああぁぁぁ……憂鬱だ」

 

有栖川が、頭を抱える様にして丸まって行く。まあ、俺もその気持ちがわからなくも無いんだけれど……物事を引っ掻き回すから俺もそういう事をしたくなるんだろう!?自業自得だよ!!

 

「OK。なら、話を変えてやろう。最近、師匠に悪役令嬢がヒロインの小説とかオススメしてたんだけど……」

 

「また、使い古されたネタモノを……」

 

「なんで、そのチョイス!?」

 

「師匠に言われたよ。なんで、正規ヒロインがサイコパス化するの?って。思わず、確かに多いなぁと思わずには要られなかった」

 

「確かに、ああいう物語って基本ヒロインがサイコパス化してるよな。自作自演で、破滅する馬鹿の多い事……」

 

「でも、それって悪役令嬢が転生者の場合だろう?」

 

「いや、それが……悪役令嬢が、転生者じゃ無くてもヒロイン=サイコパスが成立するらしいぞ?あ、ソースは掲示板な?」

 

「掲示板?」

 

「組織に属する新人専用の掲示板があるんだ。まあ、閲覧だけなら組織に属して無くても見れるんだけど……あそこ、ネタの宝庫になってて結構面白いんだよねぇ……」

 

「暇人が、居たもんだ……」

 

「最近は、浅上兄妹が常駐しているらしいぞ?」

 

「ごめんなさい!」

 

「許して下さい!」

 

唐突に謝り始める二人。いや、チクったりはしないから土下座とかし始めなくて良いから!!ちょ、暇人って言ったくらいで黒歴史を掲示板に流されたりしないって!!

 

「で、悪役令嬢が転生者であったにしろ無かったにしろヒロイン=サイコパス説を問うたら普通にあるって返って来たよ」

 

「ヒロイン=サイコパス……」

 

「転生者じゃ無かったら、ヒロインの魅力で恋人を奪い……転生者だった場合でも、令嬢を悪役に仕立てて恋人を奪う、と?」

 

「イケメンで、金持ってて、贅沢したい放題……これ、日本での常識を異世界に持ち込んでヒャッハーしているだけなのでは?」

 

「常識つーか、イケメンで金持っててって時代によって変わる流行みたいなモノだろう?そんなもん、常識にされたら世界中のブサメンがブチギレる処の話じゃねぇよ……」

 

まあ、物語の中にブサメンは出て来ないけど。あ、いや、居るか?

ブサメンと言うか……別の意味での悪役が!大抵が、出っ歯でガリガリの卑怯者とか……太ってて、嫌味なクズ野郎とか。悪人顔で、傲慢かつ不遜な言動をする成金貴族の子息が必ず一組は居るだろう。

だからこそ、現代女子は基本的にイケメンでお金を持ってて贅沢させてくれる玉の輿を狙っている訳だ。性格は……二の次ではなく三の次。つか、贅沢をさせてくれるイコール優しいっていうのは違うんだけど……何故か、そういう風潮になってる。

 

「それな!てか、そんなもん常識じゃねぇよ!!遠藤は、恐ろしい事を言い出してくれるなぁ……」

 

「イケメン……サディスト……俺様……うっ、頭が……」

 

「神崎は、疲れてるんだよ……」

 

「つか、それってギルガメッシュの事じゃん……」

 

「止めて!風評被害は、マジ勘弁!!」

 

「風評被害www!!」

 

「事実だろ!?」

 

皆の一言が、ザクザク心に突き刺さる。そう言えば、ゲームのギルガメッシュって全力でイケメンで金持ちでサディストでしたね!

ほほぉ?つまり、現代女子はあんな慢心王が好きな訳か?まあ、全てがそうじゃ無いだろうけど……大体、あんな感じなのが好きなんだと思われる。俺は、見た目と能力で決めたけど……凹むわ。

 

「フッ……思い上がったな?雑種……」

 

「唐突に、ギルガメッシュ化すんなよ……」

 

「うっせぇ!テメェ等が、風評被害なんぞ撒き散らすからノッてやったんだろうがよ!?文句を言うなら、お前等も痛い痛い病を発症すれば良かったんだ!!」

 

「痛い痛い病?」

 

「俗称、中二病……というヤツだ」

 

「痛い痛い病……確かに、痛いけどさぁ……」

 

「中二病が、痛い痛い病w……ウケるw」

 

「重病な程、痛い痛いしいよな?」

 

「「それな!!」」

 

特にヤバいのは、口にする言葉まで真似る馬鹿である。まあ、言うまでもなく俺もそうだった訳だけど。だが、その痛い痛いしさに気が付いた……いや、気付かされた時に思った。それは、思い出の大半が黒歴史なのは辛過ぎる!!という事。ええ、生まれて師匠に会うまでの日々が全て黒歴史だった時の俺の気持ちをプライスレス!!アレは、地獄としか言い様が無かったよ。

 

「転生してから、師匠に出会うまでの思い出が……全部、黒歴史」

 

「オフッ……い、痛々しい……」

 

「そ、それは……また……」

 

「お前等だって、知っているだろう?俺が、どんな日々を送っていたか……正気に戻された俺が、どんな地獄を味わったか……わかるか!?」

 

「……自業自得じゃね?」

 

「そうだけれど!そうなんだけれど!!残ってんだろ?繰り返した日々を……俺は、アレが無かったら痛々しい馬鹿のままだったんだよな……」

 

「……ま、まあ、そうだな……」

 

「そう言えば、かなっチはその頃の記憶ってあるの?」

 

「ねぇよ」

 

「なんで、お前が答えるんだよ……」

 

そりゃ、俺の方が翼の現状を理解しているから、な?

多分、翼自身よりも俺の方が彼女の状態をわかっているハズだ。

まあ、保護した段階までの……と頭に付くけど。保護してからは、ほぼ毎日一緒に居るから心の底まではわからないけど……彼女の状態だけは、ほぼ把握している。そんな、傲慢な俺に呆れる有栖川を無視して話を続けた。

 

「師匠が、居なくなると同時に俺達を転生させた神に回収されたからな。複製体を残して……俺達にその翼を保護させた」

 

「複製体……つまり、インスタント・ソウルって事か!?」

 

「え?インスタント・ソウルを、更にインスタント化させたの!?それって、劣化率とかヤバくない!?」

 

「問題ねぇよ。元々、翼はオリジナルの魂で転生していたからな。それを、コピーしたってインスタント・ソウルになるだけだから問題にもならねぇよ……」

 

「は?オリジナルの魂で転生してた!?」

 

「そうか。そうだよね……かなっチは、ずいぶん前に本当に死んじゃったんだからオリジナルの魂でもおかしくはないんだ……」

 

「そりゃ、そうだけど……現状は、どうなんだ!?」

 

「現在も、問題ねぇよ。俺達を転生させた神は、【組織】が仕留めたし……その時に、翼のオリジナルは回収してインスタント・ソウルと融合させたから、な」

 

「つまり、現在のかなっチはオリジナルの魂な訳だね?」

 

「そうだな。ただ、魂の大きさに少し問題があるって程度の話だけど……そこは、師匠に丸投げするしかない」

 

流石の俺でも、魂をどうこう出来る様な術式を扱えるとは思わないし、例え使えたとしても一人ではどうにもならない。なんたって、魂を扱う術者は最低でも三人は必要らしいから師匠だけではどうにもならないとのこと。だから、その術式が使える術者を確保する為に師匠は動いてくれているらしいんだけど。どうなってるのか……今は、ただ沈黙が続いている。

 

「それで?そっちは、どうなっているんだ?」

 

「どう、とは?」

 

「同じ時間を繰り返しているんだろう?」

 

「同じというか……平行世界の同じ時間軸を、何度も繰り返している感じかな?ただ、転生させている神様が違うからか保証が異なるんだけどな……例えば、入金は最低限、とか?」

 

「前は、数億貰えてたのに今は雀の涙程度だよ。まあ、僕等はそれを放棄して次元世界をフラフラしているけど、ね?」

 

「記憶は?特に、師匠と会った時の事を教えて欲しい」

 

「…………それは、覚えて居たのかとかそういうヤツか?」

 

「それなら、『湧いて来た』が正しいんじゃ無いかな?」

 

「…………そうだな。確かに、知らないハズなのに『思い出した』からなぁ……アレは、不思議な感覚だった」

 

「…………『湧いて来た』?『思い出した』ではなく、思い出がどこかから『湧いて来た』のか!?」

 

「あ?ああ、なんつーか……頭の奥から?思い出した感じ?」

 

「ごめん。ちょっと、表現が難しい。でも、有栖川の言った感じのままなんだ。本当に、頭の奥から無理矢理思い起こさせられたって感じだったんだ……それ以外なら、普通に覚えているんだけど、ね?ホント、不思議な感覚だったよ」

 

ニュアンスだけなら、彼等の言ってる意味はわかるんだけど?

だが、《神殺し》を思い起こすプロセスが物理的な記憶への干渉じゃ無いとするなら……それは、何だ?本当に、【魂の記憶】みたいな所から情報を抜き出したというのか?そう言えば、師匠は最初その事を知らない風だった記憶があるんだけれど???

世界軸を変えても、親しみの様な感情を記憶の無い者ですら得ている事にも何か関係があるのかな?そう言えば、『Fate』でも【魂】を命題とした仮想理論的説明が幾つかあったっけ?

確か、アレはゲーム機に例えて居たような?魂が、コントローラーを持ってて遠隔操作で肉体を操ってるから無敵だとか何とか……うん、わからん。つか、詳しく思い出せないんだが!?

 

「フッ……所詮は、一行や二行の話だったからな。思い出せなくても仕方がないか……」

 

俺が生きた、ホンの一瞬程度の話だからなぁ……しかも、エピローグ中の一行程のフワッと話なんざ覚えてなくても仕方がない。

これは、話題を覚えていたら師匠に聞いてみるのも一つの手だろう。答えて貰えるかは、別としても質問をするだけならタダだ。

 

「そう言えば、かなっチは問題が解決したらどうするの?」

 

「転生する事になっているよ?」

 

「は?何故、お前が答えるんだよ!?あ、いや……つーか、もうずっと一緒に居れば良いじゃないか!?」

 

「いや、翼の複製体が言ってたんだよ。転生したいってな?」

 

「待って……それって、『私』の望みじゃないでしょう?」

 

「まあ、確かにそれを聞いたのは複製体の翼からだったけど……」

 

そう言えば、オリジナルとコピーじゃそれぞれの望みも違うハズだから、其々に其々の望みを聞かなければおかしい。だけれど、師匠はオリジナルである翼からの話を聞いた様子も無かった。という事は、もう翼を転生させる気は無いって事なのかな?確認していない事だからわからないけど……もし、そうなら俺的には嬉しい。

だって、大切な存在を失わなくても良いって事だから。

 

「…………まあ、そうは問屋が卸さないんだろうけど」

 

「何故?本人が、望んでいないのに転生させるって事か!?」

 

「……多分?つか、翼が転生を望んでいないとは限らない。今は、奏や絶望の淵にいた翼の記憶が勝っているかも知れないけれど。複製体だった、翼コピーの記憶も引き継がれている訳だし……」

 

多分、三人分の記憶や感情が一つになったら翼が何を望むかは言うまでもない。比較的に心が落ち着いていて、それなりに感情的に成らず冷静に考えられた複製体の翼が出した結論だ。今は、絶望していた頃の記憶が強くて『落ち着いた』とは言えない翼では冷静な判断は難しいだろう。だから師匠は、其々の可能性を残して翼に何も聞かないのかも知れない。

 

「最終的に、どんな答えを出すかわからない状況だからな……その時の為に、選択肢は多い方が俺も良いと思う。だから、結論を急がない急がせない為に何も聞かないのかもな?」

 

「最終的な結論か……」

 

「本当にそうなら、良く考えて答えを出さないと、ね?」

 

「俺も、安易な答えは出して欲しくない。だから、翼は本当に自分が望む答えを出してくれれば良いよ」

 

「満男。大人になったなぁ……」

 

「おい、こら(怒)!なんで、茶化すんだ!?」

 

「昔のお前を知ってるからな。何となく、保護者気分になるんだよ。まあ、百点満点かどうかはわからないけど……お前の口から、そんな言葉を聞ける日が来るとはなぁ?十分だよw」

 

「うん。本当に、ね?たまに、『コイツ、大丈夫なんだろうか?』と思わせてくれてた君が……成長したねぇ(泣)……」

 

「これは、浅上兄妹に報告せねば!!」

 

「だよね!だよね!!報告は、絶対必要だよね!!」

 

「止めろ!子供の成長を見守る親か!?貴様等は!?」

 

唐突に、ウザく成りやがって反応に困る類いのおふざけは止めてくれ!!いや、マジで!!そりゃ、コイツ等には情けない姿しか見せて来なかったけれど……ここまで、心配される謂れは無い!

 

「ハハハ。まあ、お前は……放って置いたら、いつの間にか居なくなってそうな奴だったからなぁ……」

 

「ただ、こちらの予想と違ってずっと引き籠ってくれていたから心配は半分程で済んではいたけど……」

 

「引き籠りのニートと思いきや、在宅ワークしてるって聞いた時の安心感。マジで、驚いたし……マジでホッとしたからw」

 

「それな!お前のおばさんから、その話を聞いた時は思わず浅上兄妹に連絡して家に突撃したからw」

 

「アレって、そういう意味だったのか!?」

 

あの時は、突然家に雪崩れ込んで来たからマジでビビったんだけど……まさか、俺が働き始めパーティーだとは思わなかった。

まあ、朝まで騒いで両親にマジギレされたけど……成る程。アレは、俺の就職記念だったらしい。そりゃ、説教が短く済んだ訳だ。

他の四人も来てたから、色んな奴に俺は心配を掛けていたらしい。

 

「…………まあ、心配してくれたのは嬉しいんだけど……仕事あるのに、拉致ってキャンプとかマジウザかったんだけど?」

 

「あー……アレは、亮のおふざけだから……」

 

「あー、うん。バーベキューパーティーのハズが何故かキャンプファイヤーに成ってたからなぁ……」

 

「納期が、ギリギリでマジ焦ったから……」

 

「「おぉぅ……すまんません」」

 

話は、続く。

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

Side 双夜

 

少し、時間は遡り……俺が、自室に籠った後に【アストラルサイド】からウォーティーが精神干渉を使った連絡を寄越して来た。

 

「珍しいね?君から、連絡して来るなんて……やぁ、先日は消し飛ばしてくれてありがとう?」

 

この方法を使うと、つ通信システムのログや記録に何も残らないから余り推奨はされてないけれど……内緒話には持って来いだった。つまり、彼女は俺と内緒話がしたいらしい。

 

『別に、消し飛ばしたくてセレスティアを放った訳じゃないわ。ただ、射線上にいた貴方が悪いのよ……』

 

「ふーん。で、謝罪の連絡って訳じゃないんだろう?」

 

『もちろん。これは、前回の世界に関しての報告よ?それと、一つ質問があるの』

 

「報告は、ありがたいけど……質問は、ちょっと怖いかな?」

 

『良いから、聞きなさい。一つ目だけれど、あの世界軸は消滅させられたわ』

 

「は?消滅???リソースは、十分な程にあったのに消滅?」

 

『ええ。《旧・神族》が、存続に必要なリソースまで奪い取って存在を維持する事が出来なくなったみたいね』

 

「へぇ……また、クソッタレな事を仕出かしてくれるじゃないか。他に、消滅した世界はあるかい?」

 

『いいえ。あの世界だけ、消滅させられたみたいね』

 

「ふーん……奴等に取って、不都合でもあったかな?」

 

元々、無理のある世界形成ではあったから最悪のケースは想定していたけど。まさか、リソース奪って消し去るなんて暴挙に出るとはねぇ?細かくは、覚えていないけど……ヤバい情報とかあったかな?サッと、前世界のシステムコピーを展開して内容を確認する。

とりあえず、表層面的には不自然さは見られないのでもっと奥深くに問題があるんだと思われた。こりゃ、データの方はウォーティーに丸投げかな?いや、暇な奴にお任せするか?

 

『…………驚かないのね?』

 

「まあ、僕が排出された所で可能性はあったからねぇ……」

 

それでも、残こせる程度には手を加えたつもりだったけど……足りなかったみたいだ。だが、世界を維持し発展させられるだけのリソースを奪われたとなるとまた面倒な事を考えていそうで恐ろしい。とは言え、それとこれは別問題なので別々に対処が必要だ。

 

「それに、あの世界って複製世界を更に複製した世界だろ?それなりに、脆弱な所があったから仕方がないよ」

 

『それで、良いの?』

 

「報復は、するさ。でも、それは今じゃない」

 

『そう。貴方が、それで良いのなら良いわ。じゃ、次の質問ね?あの女神もどきをどうする気?』

 

「んん!?女神もどき、とは???」

 

『貴方の弟子が、連れていた子の事よ!!』

 

「ああ、翼かぁ……まあ、転生を望んだんで転生させる気ではある。まあ、どうなるかは不明だけど……本人も、転生を望むんじゃ無いかな?」

 

『……あの二人、恋仲じゃ無いの!?』

 

んん!?ウォーティーには、あの二人が恋人に見えたって事なのかな?でも、あの二人は関係性こそ近過ぎるけど恋人未満で停滞しているんだけどなぁ?それでも、パッと見た程度のウォーティーに恋人同士に見えたのなら恋仲ではあるんだろう。

 

「…………ウォーティーが、そう見えたと言うのであればそうなんだろう。だけど、恋仲であろうと何だろうと本人が望んだんだ。なら、俺のやるべき事は彼女が安心して転生出来る様にする事だ」

 

『…………必要無いんじゃないかしら?』

 

「んん?……必要無いとは、どういう意味かなぁ???」

 

『愛する者が側に居て、楽しく今を過ごせるなら今一度転生する必要は無いって事よ!それに、転生した所で幸せに成れるとも言えないじゃない……』

 

そうだねぇ……現状、翼ってあやふやな立場であやふやな存在と化しているから、ちょっと手が出しにくいのも仕方がないんだよね。

例えば、本来の姿に戻った時点で女神としても覚醒しちゃって不老不死とは言えなくても長寿を手にしちゃってるし?女神として、覚醒した事で女神が使える権限がアンロックされちゃっているから、その気になれば神の代行者としての能力も使えたりする。

ぶっちゃけ、《神殺し》である神崎でしか彼女を止められなかったりするんだよなぁ。だからこそ、あの二人をセットにしてフラフラウロウロするしかない状況だったりしている。

 

「…………やっぱり、一度転生させた方が良いと思うよ?」

 

『…………そう。気は、変わらないのね?』

 

「君だって、女神が持つ権限とか知ってるだろう?」

 

『あら?彼が居れば、問題ないんじゃないかしら?』

 

「本人が、望んだにしろ望まないにしろ発動する女神の能力は危険だよ。それなら、何の力もない方が彼女の為になるだろう?」

 

特に、本人が自分を人間だと思い込んでるので女神の能力が発動していても、気が付いていないのでとんでもない危険物と化している。だから、現状を説明して能力の制御を学ばせなければならないんだけど……絶望の淵から、救われ過去の思い出すら失っている彼女にソレを告げるのは躊躇われた。

 

「彼女、悪堕ちしそうなんだよなぁ……」

 

『え゛!?』

 

やはり、ウォーティーってどこか抜けてるよねw。

 

 

 

 

 




とりあえず、神崎君が真理に辿り着いたので《神殺し》が世界軸を隔てても関わった人々の感情が次の世界軸で引き継がれる理由を書いて置こうかな?
ぶっちゃけると、魂が一つしかなくてそこから多数の肉体へ繋がるコードが伸びているイメージを思い浮かべていただければ正解です。要は、肉体と魂を繋ぐのが精神とするなら精神がコードの役割を持ってて他の世界軸で得た感情を魂経由で他の世界の肉体や精神へ伝達しているって感じかな?
まあ、心が精神に宿るモノとするのならではありますが……という前提の下の仮説ですけど。心が、肉体に宿るモノであるならそこから溢れたモノがあったとしても精神経由で魂に届くとは中々言えないので。それなら、魂に直接繋がっている精神で心が発生するとするなら直通ですからねぇ……他の世界軸の肉体にも届くかも知れません…………っていう結論。

つか、この結論だと魂の形って丸い球体から何本もの触手が生えてるヤバい寄生虫的なモノになるんだけれど……考えたくもないなw。
ウネウネ……ウネウネ……あ、精神が絡まると面倒だから動かないか!
って事は、ウニ?針の先に肉球が付いてるウニかぁ……いや、余計なモノを付けたらただの化け物になるから!止め止め!考えるな!

ただ、感情のみの共有なので……その人物像や、情報が共有される事は無いけどね。問題は、双夜を直に目にした際の印象にその感情が干渉してくるのは避けられないので登場人物達が双夜に特別な感情を抱いたとしてもそれは仕方がないんだよ。っていう、基本設定があります。まあ、面倒臭い事を延々と考察していた作者の黒歴史?なので気にしないでやって下さい。実際に、そうなるとは限らないし……なぁ?(保険w)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

作者のどうでも良い話

走り高跳び……跳べないのはわかっているので、偶然を装って跳び越える為の棒を折りに行くスタイル。チッ……中々、折れないモノだったよw。

そして、気が付いてしまった……戦姫絶唱シンフォギアで、フィーネがカリンゲル?を撃った時点でフィーネが望んだ自身の目的を果たせていたかも知れない件!!
アレってさぁ、響達の相手をせずに月に向かってネグシタンの鎧の鞭を伸ばし、鞭先を月にブッ刺して自分を月に向かって引き上げていれば……神様に会えたんじゃね?って説。
月の欠片の裏側に、バラルの呪詛遺跡があった訳だから……普通に、目的を果たせていたハズなんだよね。dアニメストアで、シンフォギア見直しててフと思ってしまった結論でしたw。

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