絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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アルカリア(使い魔)から、連絡が来ない件。
でも、存在しているのはわかるので何らかの支障があるのかな?と双夜は、思っている。

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三二話

 

 

 

「…………主人公不在の物語か……」

 

 

その呟きは、私の胸にザックリと突き刺さった。

その言葉は、【私】がしてきた愚行を思い出させ様とする。

そう、【私】はジュエルシード事件で物語をハッピーエンドに導けたからと調子に乗っていたんだ。

だから、闇の書事件では……猫達に撃沈されて、グレアムに協力してはやて達には何も出来なかった。

私は、はやてを見捨てたのだ。それからは、ずっと貧乏くじを引き続けている。まあ、魔力ランクだけは高いから、全然問題なく士官になれると保証して貰っているけど……踏ん切りがつかない。もしかしたら、ミッドチルダには移住しないかもしれなかった。

だけど……そうなると、自分はどうなるのだろうか?

魔法少女リリカルなのはでの【なのは】は、航空戦技教導隊に所属していたけど……私は、時空管理局にそこまでのめり込む事が出来なかった。

だからと言って、地球に残って何ができると言うのだろう。

この平和な国で、ダラダラと日々を謳歌して良いといえるだろうか……だって私は、大きな罪を犯してしまった。

ミッドチルダの未来を……親友になるはずだった女の子を自分の為に見棄ててしまったんだ。

そのせいか、クロノ達とは顔を合わせにくい。

この世界の主人公になって、最初は喜んだけど……今は、その肩書きが重くて苦しい。こんなことになるなら、主人公になんてならなければ良かった。

あんな特典、望まなければ良かったんだ。

 

○世界の主人公。

 

○幸せになりたい。

 

○物語をハッピーエンドにする力。

 

 

『…………主人公不在の物語か……』

 

 

本当に、彼の言う通りだ。

私は、この物語の主人公にはなれなかった。

 

 

「とりあえず、君に必要なのは力でも運でも無いね……」

 

 

「え?」

 

 

思考の海に沈んでいた私を、彼がグイッと引き上げた。

掴まれた腕を見て、ビックリする。

彼の顔を見れば、力強い笑みとその瞳に心奪われた。

 

 

「君に必要なのは、君を支えてくれる仲間だ。人間ってのは、一人で全部できるモノじゃ無いんだよ。そこの馬鹿含め、仲間を集めようか?……ねぇ?他に、転生者知らない?もしくは、魔力を持っている奴とか……ん?この気配……」

 

 

力強い笑みは、いつの間にか邪悪な笑みになっていた。

ビクッ!と身がすくむのを感じる。

なんだろう……すごく、目の前の彼が、怖い。

けど、それ以上に頼もしかった。

 

 

「ははあ……成る程ね。だから、アイツは……うん。何とかなりそうだ……もう一回、人生やり直そうか?」

 

 

「え?ええっ!?」

 

 

「後悔しているんだろ?」

 

 

「…………」

 

 

「自分の為に、誰かを失って絶望しているんだろう?」

 

 

「ーーーーー」

 

 

「だったら、その絶望……俺が払ってやるよ!」

 

 

「え……?」

 

 

「だけど、俺は優しくは無いぜ?俺が、君に与えられるのは“チャンス”だけだ。それ以外のことはしてやれねぇ。その“チャンス”を、モノにするかしないかは君次第だ!」

 

 

「……チャンス?」

 

 

「ああ、もう一度……君にチャンスをくれてやる!まあ、ちょいと事前準備が必要だろうけど……ま、何とかしてやるよ!」

 

 

ニカっと笑う彼から、目が離せなかった。

ずっと後悔していたソレに、もう一度チャンスをくれると言われても実感なんて湧かない。だけど……何故かはわからなかったけど、とても力強い味方を得たような気がした。

 

 

「じゃ、海鳴市をSLBで消し飛ばそうか!」

 

 

「「「は!?」」」

 

 

「大丈夫!ちゃんと、結界は展開するから!」

 

 

なんだろう……先程まで感じていた、力強さは消え失せて物凄く不安になってきた。

そして、展開したままのBJとレイジングハートから薬莢が二発飛び出た。

 

 

「行くよ!レイジングハート!!」

《Yes Master!!》

 

 

「ま、待って!な、何、するの!?」

 

 

「もちろん!108機のBビットからディバインバスター乱舞で町を焼き払いながら、転生者を炙り出すんじゃないか!いやー、この世界に時空管理局の支部が無くて助かったよ……クロノ・ハラオウンがいたら、煩いだろうからなぁ!」

 

 

「ーーーーー」

 

 

さあぁ……と、血の気が引いていく音が聞こえた様な気がした。多分私は今、顔を真っ青にしているだろう。

きっと、この人を止められるのは私達しかいない。

直ぐにでもっと思った時には、遅かった。私もフェイトも、ピンクのバインドで拘束されている。

夜鏡も既にグルグル巻きになっていて、後はプレシアさんが自宅でフェイトの帰りを待っているだけとなっていた。

ちょっとだけ、プレシアさんが何とかしてくれないだろうか……と期待する。

 

 

「ブラスターツー!!」

 

 

ドカン!と、魔力を自己ブーストする彼を見て、なんであんな簡単に自らの命を棄てる様な真似ができるのかわからない。後で、知ることになるけど……この時の私は、そんな彼が眩しかったんだと思う。誰かの為に、後先考えずに全力を出せる……そんな生き方が、凄く羨ましくて眩しい。

空へ向かって飛んで行く彼を見送って、私達は本当の恐怖に身を震わせるはめになるなんて思わなかった。

結界が展開されて、私とフェイト……夜鏡が残される。

そして、見える範囲全てに天からピンクの極光が降り注ぐ光景を見せられたのだ。フェイトちゃんに至っては、ガタガタと怯えている。ジュエルシード事件の時に、私の放ったSLBを思い出していたのかもしれない。

その後も、ピンクの極光は留まる事を知らないとばかりにアメアラレよろしく大地を穿って、なにもかもを消し去って行った。

そういえば、彼は先程……恐ろしいことを言っていなかっただろうか?SLBがどうとか……ソレを思い出した瞬間、私は怖いなんて話しではなくなった。

 

 

「ま、待って!SLB!?SLBを撃つの!?」

 

 

「!!?」

 

 

私の言葉にフェイトちゃんが、恐怖で引きつった様な……驚愕に目を見開いたまま硬直している様子が見える。

生まれて初めて、私はフェイトちゃんと同じ体験をすることになった。フェイトちゃんは、二回目である。

 

 

 

……………………

 

 

 

…………

 

 

 

 

目を覚ますと、見たこともない女性が私の顔を覗き込んでいた。目が合うと、申し訳無さそうに微笑み掛けられる。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「あ、えっと……はい……」

 

 

「そう、良かった……それで、どういう事なのか説明してくれるんでしょうね!?」

 

 

「もちろんだとも、君がここにいる事を含めて説明しよう……不知火 翼……」

 

 

この人は、不知火翼というらしい。

何故かはわからないけど、彼女がここにいるのは不測の事態らしかった。

 

 

「以前、君に《ルール・ブレイカー》を預けた事があっただろう?」

 

 

「ええ。言われた通りに、この世界に刺したわ……」

 

 

《ルール・ブレイカー》?

 

 

「うん。きっと、その行為が君を此方の世界に出現させた理由だろう……」

 

 

「どういうこと!?」

 

 

「要するに、神々からしたら君は裏切り者だ。だから、排席されたんだよ。あの世界からね……」

 

 

「え!?それって……」

 

 

「まあ、こちらに悟られないようにと、バックアップで誤魔化そうとしたみたいだけど?」

 

 

「待って!バックアップって何?」

 

 

「バックアップは、バックアップだよ……ああ、そういえば知らないんだよね?君達、特典を持った【転生者】は……新しい魂に人格と記憶をコピーしたインスタント・ソウルだ。つまり、未だ死んでない人間の人格と記憶を複製して新に用意した魂に人格と記憶をダウンロードして転生させたって事。だから、バックアップさえあればいくらでも複製が可能なんだ……」

 

 

「ーーーーー」

 

 

彼女は、顔を蒼白にして震えていた。

それと同時に、私もその恐怖に震えるはめになる。

 

 

「本当の意味で、君達転生者は神々の玩具程度のモノでしか無いんだよ……その君が裏切りをしたんだ……他の世界に放り出されても仕方ないって!」

 

 

「それ、いつ気がついたの?」

 

 

「んー?……三桜が、神々のサポートがあって当たり前だって言ってた時だから……TAKE3の時だな……」

 

 

TAKE3?それって、どういうこと?

 

 

「そう……TAKE2だったら、八つ裂きにしてあげたのに……」

 

 

「返り討ちになったんじゃない?それに、相手が違うし……」

 

 

「ねぇ……」

 

 

「…………八つ当たりくらいさせなさいよ!」

 

 

「当人にしろよ……っても、神権剥奪されたか殺されているだろうけどさ……」

 

 

「ねぇってば!!」

 

 

「あん?なんだよ?」

 

 

「インスタント・ソウルとか……TAKE3とか……説明しなさいよ!?訳がわからないわ!!」

 

 

「ふむ」と彼は言って、掌の前に見たこともない魔法陣を展開した。それは、私の頭の中にたくさんの知識を刻み込んで消えていく。彼の言葉を信じるなら、反芻するだけでそれを知ることができるらしい。

 

 

「……………………」

 

 

思い起こせば、私の知らない知識と情報がドンドン頭の中に浮かぶ。すごい……世界の在り方から、その存在の意味まで全てを教えてくれる……なんてことはなかったけど、今起きていることは大体理解した。

 

 

「便利な魔法ね……」

 

 

「まあ、因果律からアクセスできる世界の成り立ちが、これと同じ法盤使っててさ……見ただけで、知識を得られるってんで真似したのが始まりさ。それからドンドン別の使い方に発展していって……今では、こんな使い方まで出てきたってだけだよ……まあ、反芻しないと覚えられないんで、面倒なのは面倒なんだけどさ……」

 

 

「それで?私達は、どうすれば良いの?」

 

 

「彼女と協力して、世界の確変をしてこいって話さ」

 

 

「…………また、やり直すのね……」

 

 

「彼女の満足が行く結果を叩き出すまでな!」

 

 

「ちょ、本気!?」

 

 

「頑張れ!!」

 

 

彼はニコやかな笑顔で、不知火さんの肩をポン!と叩いた。何故か、彼女に睨まれる私。

 

 

「ううっ……御迷惑をお掛けします……」

 

 

「……はあ、善処するわ……それに、全てはそこにいる鬼、悪魔、人でなしの責であって貴女の責任じゃないわ!!」

 

 

「にゃははは!あ、そうそう暁さん?君と高町なのはは双子の姉妹になるから、あしからず!」

 

 

「……………………え?」

 

 

「まあ、これは僕のわがままだから……気にしないで!後、君の【世界の主人公】って願いはスキルブレイクしておくね?邪魔なんで!!」

 

 

そう言って、彼は虹色に輝く魔法陣の剣を取り出した。

そして、それをブンブン振り回して私を袈裟斬りにする。

その行為に驚いたけれど、身体には何の傷も無かった。

 

 

「大丈夫、大丈夫。これが斬れるモノってそう多くは無いから。なんたって、【幻】に実体なんて斬れるものではないからね?」

 

 

お父さんやお兄ちゃんが、慌てたみたいだったけど……私に、なんの危害も加えられて無いことを確認してホッとしていた。

 

 

「幻の剣……」

 

 

「そう。これが、斬るのは【世界の理(コトワリ)】だけさ!さて、今ので君の【世界の主人公】って願いは消えてしまった。その代わり、《ルール・メイカー》で別の願いにしたんで高町家の子供となるのは間違いない……」

 

 

つまり、どんな形であれ私はお母さんの元に【子供】として戻って来るんだそうだ。

 

 

「お母さん……」

 

 

「【なのは】……」

 

 

「それと、遅くなったが……初めましてだね?君の名前を聞いても良いかな?」

 

 

彼が、見た方向を同じ様に見る。

そこには、私も良く知っている人が座って……もとい、すずかちゃんに拘束されている禍焔凍真(マガツヒ トウマ)が、凄く困った顔をして座っていた。

 

 

「禍焔凍真。16歳だ……」

 

 

「巻き込んで申し訳ないが……君にも手伝って貰うよ?」

 

 

「できれば、原作には関わりたく無いんだけど……」

 

 

「まあ、関わりたく無くても……君は、凌辱系転生者に殺される可能性が高いとだけ言っておくよ?どうするかは、君が決めれば良い。ただし、僕と出会った時点で世界が消滅したらループ確定なんだけどね!!」

 

 

「…………………」

 

 

「ってか、僕……この後、死者蘇生で起きた世界の歪みを修正する仕事が待っているんだ……本当なら数十年掛かるんだけど……一年ほどで終わらせるんで……しばらくは、缶詰になるのかな?……まあ、君達より大変だ……」

 

 

「……………………」

 

 

「他にも、原作的にいるはずの人がいなくなってたり、いないはずの人がいたりと……世界は、かなり歪になっている……ぶっちゃけ、一年で済めば良いなぁ……」

 

 

そう言って、彼は遠い目をして天井を見上げた。

否、あの目は地獄を見ていたのかもしれない。

影のある笑みを見る限り……彼の言う『大変』とは、私達が思う『大変』とは違う気がした。

 

 

「でも、どうするつもり?【次元消滅術式搭載型爆弾】があるかどうかもわからないのよ?」

 

 

「その時は、僕の【破壊神最終奥義魔法】を使うのに決まっているだろう?」

 

 

「「「……………………」」」

 

 

「でも、貴方……闇系や暗黒系魔法苦手とか言って無かった?」

 

 

「にゃははは!神聖系魔法に実在するんだよね……【破壊神最終奥義魔法】が……!!」

 

 

「ゲッ!!そんな魔法が、実在する訳!?」

 

 

「ええ!実在しますとも!!」

 

 

あははと、笑う悪魔がいた。

彼は、とても楽しそうに笑っている。

だけど、急に真面目な顔になって告げた。

 

 

「冗談だ。ああ、魔法は実在はするけど……世界を滅ぼすなんて……面倒な事はしないよ?君達の意識のみを過去に送るよ……それだけで、世界は変化していくから問題ない……」

 

 

「…………意識だけ?」

 

 

「そ、意識だけ!ついでに言えば、暁は生まれる前に……君達に到っては、原作開始前後に送るんで……よろしく!」

 

 

「…………なんだか、そっちの方が面倒そうなんだけど……」

 

 

「あ……わかる?準備に2、3日掛かるんだよね……コレ。でも、忍が一生養ってくれるらしいんで……楽しようかと……それに、アリちゃママともっとじゃれあいたいんで5日後に決行するね?」

 

 

「双夜……」

 

 

「…………アリちゃママ……」

 

 

感極まった様な二人が、ヒシッと抱き合った。

 

 

「ねぇ……ちょっと、良いかしら?」

 

 

声のする方を見ると、ピンクのバインドでグルグル巻きにされたプレシアさんがこちら……正確には、彼を睨んでいた。

 

 

「じゃあ、僕はアリちゃママのところに行くね?」

 

 

「ええっ!?」

 

 

無視しているのか、ニッコリ笑顔で彼は宣言してこの場から離れようとしている。できるなら、あの爆弾を持って帰って欲しかった。今にも爆発しそうなプレシアさんが、更にキツい目で彼を見る。

 

 

「にゃはは。なんだい?プレシアちゃん……僕に用かい?」

 

 

「貴方に、ちゃん呼ばわりされる覚えはないわ!」

 

 

「自分よりも年下の子に……敬称をつける気は無いかな?」

 

 

「と……年下!?」

 

 

「見た目で判断した?残念、こちとら不老不死の超寿命でね……一万年は生きてる怪物さ……だから、プレシア『ちゃん』って呼んでいるんだよ……」

 

 

クスクスと笑いながら、目を細める彼。

まさか、不老不死で一万年も生きているとは思わなかったけど……なら、どうしてアリサちゃんの事を『ママ』なんて呼んでいるのだろうか……。

 

 

「なら、どうしてその子の事を『ママ』なんて……」

 

 

「はっ!……僕が、人間だった頃……あんまり、幸せじゃなかったからやり直してるだけだよ」

 

 

「に、人間!?」

 

 

「そうだな……3歳の時に地下牢で泥を啜って虫を食って生きていた……と、言ったら?」

 

 

『『なっぁ!?』』

 

 

驚愕のカミングアウトに、私達は言葉を失った。

高々、3歳の赤ん坊を地下牢に入れるとか……頭おかしいとしか思えない。泥を啜って……とか、虫を食べた……とか、もう常識では考えきれない話だった。

 

 

「良く言われたよ……『お前なんか、生まなきゃ良かった』……ってね。ただ、魔力を持って生まれただけで迫害された過去があるんだよ……まあ、魔法至上主義世界に生まれた君にはわからないだろうけどな?」

 

 

「……………………」

 

 

「……クローンに『大嫌い』と言ったあんたにはわからないだろうけどね……?」

 

 

「そんなつもりじゃあっ!」

 

 

「…………知らなかったとは言え、ゴキブリ食って生きてた奴よりかは幸せだったんだろう?」

 

 

『『『ひぃいぃぃ!!?』』』

 

 

「ゴ……ゴ……………………」

 

 

ダメだ!コレは、考えちゃいけない話しだ!

耳を塞いで、頭をブンブン振り回すけど……少しずつ、私の中に浸透してくる。しょ、衝撃が大きくて、直ぐには忘れられそうにない。そしてそれは、プレシアさんもそうだったらしく蒼白な顔で床に頭を打ち付けていた。

 

 

「ゴキブリって、口にくわえるとヒンヤリしているんだぜ?」

 

 

彼は、プレシアさんの側に近付いて語り始めた。

 

 

「やめてぇ!!そんな話、聞きたくないぃ!!」

 

 

『『ひぃいぃぃ……』』

 

 

「甲殻類ってさぁ……外側はーーー」

 

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

 

プレシアさんが、壊れた。

それでも彼は、容赦なく続けている。

私は、フェイトちゃんを連れて店から外に出た。

あの中にいたら、きっと精神を病む以上の恐怖を体感することとなっただろう。私に続くように、美由紀ねぇさんが……桃子母さんが……忍さんが……すずかが……アリサがと、慌てて出てくる。父さんと兄さんは……出て来ない。

まさか、あれを聞いても平気なのだろうか……!?

「無理だ!!」と言いながら凍真先輩も飛び出してくる。

我慢大会気分で、聞いていたらしい。

 

 

 

…………………………………………

 

 

 

………………………

 

 

 

………

 

 

 

 

「お待たせ……じゃ、アリちゃママ……帰ろう?」

 

 

「え?……ええ。わかったわ……」

 

 

30分くらいして、ちっちゃくなった彼が出てきた。

私は少し驚いてしまったけど……お肌が艶々していて、とっても晴れやかというか……爽やかというか……「ヤり切った」という風体の彼は、笑顔でアリサの手をとる。

その奥側では、トウマ先輩の腕を抱いたすずかがニコニコと困り顔で棒立ちになっている先輩と立っていた。

その隣には、同じ様に恭也兄さんと腕を組んだニヤニヤ顔の忍さんが初々しい二人を見ている。と、唐突に真剣な顔で彼に問う。

 

 

「今日は、本当に家に戻らないのかしら?」

 

 

「え?バレたその日に、決行したいの?仕方がないなぁ……恭にぃ!逃げてぇ!!」

 

 

「わかった!」

 

 

「ちょっ!?」

 

 

「「冗談だ……」」

 

 

一瞬、何事かと思ったが……二人が声を揃えて「冗談」と言って事を納める。でも、逃げようとした時……少しだけ恭也兄さんの顔が真剣身を帯びていた様な気がした。

偶々、忍さんに腕を組まれていて逃げられなかったから、彼の「冗談」って言葉に乗じて言っているような気もする。

まあ、彼に関しては本当に冗談なのだろうけど……。

 

 

「とりあえず、プレシアは轟沈しておいたのでフェイトちゃんに持って帰って貰って……後日、日を改めるってことで!」

 

 

「それで、意識だけを過去に飛ばすつもりなのね?」

 

 

「うん!過去を変えても、大きな変化はないよ?例えば、一気に世界が変化する!ビバ、タイム・パラドックス!!みたいな?事にはならないよ。まあ、記憶の修正や様々な変化やら……多岐に渡る地味な変化はあると思うよ?その時は、一つずつ対応していくことになりそうだけど……まあ、なんとかするよ……」

 

 

「その辺りは、任せるわ……じゃ、5日後に……」

 

 

大きな溜め息を吐いて、不知火さんはここから去っていった。凍真先輩には、何故か夜鏡君が引き渡され……すずかが、渋々といった感じで凍真先輩とまた明日!をしている。

プレシアさんは、半泣き状態でフェイトちゃんに抱きついてそのまま帰路につく。昔は、あんなだったのに……事あるごとに、フェイトちゃんに抱き付いているようにも思える。

フェイトちゃんに『大嫌い』って言った人と同一人物だとは思えない。

 

 

「みんな、御飯は一緒じゃないんだね!」

 

 

「双夜のせいね……全く!」

 

 

「食べないの?」

 

 

「なんなら、家に泊まって行くぅ?」

 

 

「イヤです!!」

 

 

マッタリとした和気藹々な雰囲気の中……彼の拒絶の声が響く。お母さんが、「泊まって行くぅ?」と聞いた瞬間の出来事だった。アリサにガシッリとしがみついて、家のお母さんを警戒する彼の姿がある。どうしてそこまで、お母さんに怯えるのかと思っていたらアリサがアッサリ訳を教えてくれた。

 

 

「すみません。この子、女性の《裸》が苦手なんです……多分、平行世界や未来で……散々、桃子さんにお風呂に連れて行かれたのではないかと…………」

 

 

「ええっ!?女性の《裸》が苦手なの!?」

 

 

「はい、まあ……」

 

 

お母さんが、ショックを受けた顔でフラフラと数歩下がる。

ガーンという効果音を背負っているかの様な姿に、何故か恨めしそうな感想を得たのが印象的だった。

 

 

「なら、しょうがないわね……残念だけど……」

 

 

「ひぃっ!!」

 

 

彼が、アリサに更に怯えたようにしがみつく。

アリサが苦笑いして、彼の頭を撫でていた。

それを見ていて、子供を抱き上げたい衝動に襲われる。

何故かはわからなかったけど、抱き締めて頭を撫でて頬擦りして……と、奇妙な衝動が駆け巡っていた。

それをなんとか無視して、遅くはなったけど注文されたメニューをアリサに出して、私もそのまま翠屋で晩御飯にしてしまう。

彼が、御飯を食べている間も、お母さんはチョッカイをかけていて彼に怯えられていたのが気になった。

あれだけ嫌われていながら、良くあんな風にチョッカイが出せるなぁ……と気になったけど、何故かそれを聞くのはあまり良くない気がして聞けなかった。

 

 

 




最後の衝動は、『なのはママ』の名残かと思われる。

不知火翼が、再度登場!
平行世界1(二十話)で、《ルール・ブレイカー》を次のTAKE前……【過去】に突き刺したのに過去に行かないとはどういう事だ!?と思ってた方々へ……。
不知火翼が、平行世界を渡る為の布石だったのです!
他にも、平行1で活躍していない【転生者】がいますよね♪

双夜、ブラスターモードを多様。自己ブーストがお気に入りなのではなくて、あれは素でやっている事。自己を削り戦うのは《神殺し》特有の特性なので……実際、神堕ちとの戦いは自身の身体を文字通り削ります。
腕、千切れるし……身体消し飛ぶし……魂さえ残らない戦いだからな。まあ、【鮮血の】にDNA提出しておけば肉体は何とかしてくれるけどw。
【大魔導師】に【魂】の欠片を提出すると【魂】すら復元されますw。
最悪の事態の場合、【魔導兵器】がいればアカシックレコードから復元されることもあるし……w
自分が自分で無くなっても気にしないのが【次元の果てから】の奴等だから。
もはや、キチガイとしか表現できない。

情報をかき集めている使い魔達は……???

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m(_ _)m

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