絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四五〇話

Re:

 

 

あの後、予想通り……いや、予想通りと言うか何と言うか。シャマル先生と共に、帰路に付くと守護騎士全員で待ち伏せされてて俺は変身魔法を解除するハメになった。

いや、変身魔法を解除して前に出ると共に使い魔に俺の首を斬り飛ばして貰った。それと同時に、俺の頭を八神はやてにパス。肉体は、ゴーレム操作魔法でシグナムに突撃。

思いっ切り、蹴り飛ばしてやった。それと同時に、八神はやてが首を投げ出したのでシグナムを蹴り飛ばした肉体が《神威》を使って頭を取りに来させる。何とか、空中でキャッチした頭を元あった場所に戻しつつ斬り裂かれた傷口を洗浄してくっ付けた所で、その場に居た全員が正気を取り戻した。

 

「な、なんや、ソレ……」

 

「ああ?相手の意表を突いただけだが?戦術としては、真っ当な分類だぞ?やり口はまあ、誰にも真似出来ないだろうけど」

 

自ら進んで首を斬り、頭を相手に投げて思考を停止させるなんて行為……それを『意表を突いた』なんて言い出す奴はーーー俺以外にも、そこそこ居る。

まあ、【組織】限定だけれど。『不老不死』限定の特殊戦術だとでも思っててくれ。

 

「まあ、そう言う訳だから後悔しなくても良いぞ?ヴィータ」

 

「なっ!?」

 

「トラウマになってたみたいだから、アレはデモンストレーションってヤツだ。だから、気にするな」

 

言って、アイテムBOXからハルバートを取り出す。

ハルバートには、返しの部分があるので突いた後に相手の足や一部に引っ掛けて引き倒す事が出来るのである。

なので、薙刀とは違った使い方が出来る武器だ。まあ、下手をすると大怪我をさせるモノではあるけど。バリアジャケットありきで言えば、今最も使える武器では無かろうか?という訳で、俺はハルバートを手にして一回転させると同時に突撃した。先ずは、守護騎士であるシグナムを落とす!まあ、一撃の元に倒せたら良かったんだけれど。

流石に、歴戦の騎士であるシグナムを一撃で気絶させるのは難しい。それに、交戦が始まってしまえば四の五の言ってる暇は無くなる。突き、なぎ払い、引っ掛け、振り降ろし、突き上げる。合い間に、ザフィーラが突っ込んで来るけど気にせず斬り払っていなした。

とりあえず、石突きでヴィータを追い払ってシグナムの武器を突いて引っ掛けて奪ってみる。あ!という顔をするシグナムを横目に、手元へと来たレヴァンティンを掴んで呆然としている八神はやてに向けて投擲。これには、戦闘中の守護騎士全員が硬直していたけど後方でアワアワしていたシャマル先生が何とか防いでいた。コレによって、シャマル先生の裏切り行為のフォローになったかな?まあ、協力して貰った手前彼女等の関係が壊れるのはちょっと困るからねぇ?出来る限りは、フォローして置かないと。

 

「コラ!危ないでしょう!?」

 

「えー?今は、敵対中じゃん。それに、棒立ちしている八神を狙うのは定石だと思うんだけど?戦術的に……」

 

「そうだとしても、もっとやり用があるでしょう!?」

 

「ワザワザ、砂浜へ出て来てやったんだから広域魔法でも使ってフォローすりゃぁいいんじゃね?例え、コントロールが未熟でもみんな諸共氷漬けとか出来るだろ!?」

 

「無理です!はやてちゃんの大雑把さは、未来永劫治りません!」

 

「ぐはっ!!……そ、そんな、未来永劫やなんて……」

 

戦闘をこなしながら、シャマル先生と会話をしていたら何故か八神はやてに流れ言葉が突き刺さる。まさか、シャマル先生が自ら進んで八神はやてに精神攻撃を仕掛けるとは思わなかった。というか、仕事はしっかりやる癖に魔法は大雑把ってどういう事なんですかねぇ?そろそろ、本腰を入れて魔力コントロールを研鑽した方が良いんじゃ無いですか?

 

「クッ……レヴァンティン!!」

《Jawohl.!!》

 

シャマル先生と会話している間に、己の武器を回収したシグナムがカートリッジを一個消費してレヴァンティンを振り翳して来た。だが、それを石突きでレヴァンティンを持つ手の小指を打って攻撃力を減衰させる。振り降ろされても、剣がスッポ抜けているので当たる事は無かった。

しかも、スッポ抜けたレヴァンティンがヴィータの頬を掠めて行動を阻害。ヴィータが、シグナムに文句を言っている間にザフィーラ目掛けて突撃した。

 

ーー浸透系、《鎧通し》。

 

それを、ハルバートを通してザフィーラの内蔵に叩き込む。悪いな?ザフィーラ。お前は、ここで沈んでくれ。何、二、三時間もすれば起き上がれるだろうさ。

そういう訳で、ガッツリザフィーラの内蔵に破裂しない程度の衝撃を叩き込んで沈める。悪いけど、お前等のお得意パターンにはハマらないぜ?てか、一体一の状態へ持ち込まれなければ楽々全滅させる事は可能なんだろう?

だからこそ、一体一の状況にならない様に戦っている訳だが……これ、最終的に一体一の状況になるんじゃね?まあ、一人一人倒して行ったら確実にそうなるだろうな。

だけど、俺の苦手な分類は基本的に武器の種類だ。

一部、使わない武器もあるから面倒で仕方がない。

やっぱり、俺的には長物が一番しっくり来る。身体が小さい分、リーチの長い棒状の獲物がかなり使えるのだ。

本来なら、肘から手までの獲物の方が良いらしいけど……そんなモノは、怠け者の言い訳だろう。こんなモンは、反復練習でどうにでも出来るからな?要は、何度も練習すれば良いだけ。

ただし、西洋剣は放置。刀なら、問題無い。日本男児たる者、両刃な西洋剣等邪道!我、叩き斬るより斬り刻む方を所望する。それに、体格も良くなければ力も無いし。

殆ど、魔力頼みで誤魔化しているだけだから魔力切れに成らない様に節約してはいるけど。

基本、ギリギリの所を低空飛行中だ。流石に、魔力動力炉で作ったモノを体内に入れるのは避けたい。システム・ユグドラシルの魔力だって、切り札として使う事はあっても補填に使えるモノでもない。結局は、己が内から湧いたモノが一番しっくり来る。

 

「拒絶反応も、馬鹿にならんしなぁ?」

 

うっかり、考え込んでしまっていたが現在進行系で戦闘中な俺。目の前では、苦し気な顔のヴィータとこっちの気の抜けた戦い方にブチギレ寸前となったシグナムが怒り心頭な顔で剣を振るう。

そもそも、俺の戦い方は眼球から取り込んだ映像を元にして戦っていた訳じゃない。というか、俺の視力はそもそも辛うじて色の判別が出来る程度だったので視覚を使ったモノでは逆に意味が無い。魔力の幕を使ったレーダーで、相手の位置と動きを感じ取って対応するのが俺の戦い方だ。故に、気が散漫状態であってもある程度は戦えるのである。これが、最強の女剣士やセリュウ辺りなら真剣に向き合うけど……シグナムだから。あ、ヴィータも居たね?ああ、いや……《神速》が、使えない者ではこんなモノだ。

使えたとしても、コイツ等の動きなんて今一キレが無いから流すのも弾くのも弾くのも楽に出来る。(【組織】の戦闘員が基準)

ここで、意識が戻って来たのでヴィータを弾き飛ばして本格的にシグナムと打ち合って行く。漸く、本腰が入ったからかシグナムがニヤリとメッチャ嬉しそうに笑う。

だけど、連続攻撃を始めたら防戦一方になって苦し気に表情を変えた。手は緩めず、時折突っ込んで来るヴィータを避けながらレヴァンティンをガンガン削ってみる。

ずっと、同じ場所付近を削っていたからか……その結果、バキン!とレヴァンティンが半分にへし折れた。それを見たシグナムが、ギョッ!?とした顔になったのを見て反転して蹴り飛ばす。次に向かったのは、驚いているヴィータの元だ。

そして、グラーフアイゼンの柄を問答無用で削って行って……こっちも、真っ二つにへし折ってやった。そこへ、動きの鈍いザフィーラが突撃して来て大振りに拳を振り回す。俺は、アイテムBOXの中にハルバートを仕舞い同じ様に拳で殴り掛かる。内臓は先にダメージを与えているので、今度は両腕や両足に攻撃を集中して行く。そんな戦いの中で、拳と拳がぶつかり合う事があるんだけれど。その際に、二重の極みを打ち込むのを忘れなかった俺はザフィーラの拳を潰す事に成功する。拳を潰されたザフィーラは、蹴りのみで向かって来たのでその脚も潰してやった。

 

「ぐわあああぁぁぁ!!!」

 

「はい。お終い……」

 

「まだだ!!」

 

声が聞こえて、そっちを見ればレヴァンティンを鞘に納めリボンで鍔と鞘を括って固定した武器を構えるシグナムの姿。どこまで行っても、騎士を貫こうとするその姿勢はちょっと羨ましく思えた。俺の人生で、そこまで打ち込めたモノなんて存在しない。魔術は、生きて行く為に必要だったから覚えただけだし……それ以外の選択肢が無かったから習得しただけだ。だから、元は闇の書の防衛プログラムの一つだとしてもソレを誇りに出来る彼女等はとても眩しく思える。だからこそ、その輝きを窮地に追い込むのは楽しい。更なる輝きを魅せてくれるから。同時に、悪戯心が疼き出す。ここで、レイジングハートやクラールヴィントを持ち出して翻弄したらどうなるのかと想像するととても心躍った。まあ、更に場が混乱するだけなのでヤラないけど。でも、レイジングハートを持ち出して『高町なのはは、もう居ない』とか言ってみたらどうなるのかという結論は見てみたい。とても、楽しい事になるのは目に見えてわかっているから。特に、八神はやての反応が見たい。

友人を失ったという嘘を信じて発狂する光景が目に浮ぶ。

でも、それはヤッてはイケない事だ。だから、妄想の中だけに留めて置く。嫌がらせ、したいなぁ……。

 

「再び、武器を構えて主の前に立つシグナム格好良い!!とでも言うと思ったか?シグナム、お前は騎士失格だな」

 

「なっ……」

 

「五体満足で、放置してやったんだから騎士らしく八神はやてを連れて逃げるのがお前に課せられた行動だろう?」

 

生き延びて、反撃の機会と準備をしてこそ騎士という者の生き様だろうに戦う事を優先させるとは……戦闘馬鹿?コイツ、騎士っていう存在の意味を勘違いしてないか?何も、正々堂々と戦う事が騎士の仕事じゃ無いんだけど?まあ、こっちとしては好都合なので何の問題も無い。

一歩、前に出る。ただし、『一歩』と言っても《神速》を使った『一歩』であって大股に脚を一つ分前に出た訳では無い。この場合の『一歩』は、『相手の懐に潜り込んだ』という意味の『一歩』である。そして、ただの一撃でシグナムを沈めた俺はその次に八神はやてを潰そうとして……シャマル先生に止められた。

 

「止めて!もう、十分でしょう!?」

 

「十分?何を言ってるのかな?シャマル先生は……」

 

シャマル先生は、『十分』だと言うが何が『十分』なんだろう?B・Jを展開してない子供に、セットアップした騎士がフルボッコにされた事が『十分』なんだろうか?

それとも、騎士たる者が本来の役割を忘れて戦闘狂いの如く戦い負けた事が『十分』なのだろうか?まあ、いずれにしろ俺の目的は達成されて居ないのでこのまま有耶無耶には出来ないんだけれど。

 

「さて、八神はやて。君に、選択肢を上げよう」

 

「……………………」

 

「何、簡単な事だ。今回の事を管理局に報告するか……今日、君は何も気が付かなかった……って事にしてくれれば良い。そうすれば、今まで通り何も無い日常を過ごすだけで良い。僕が望むのは、『誰にも邪魔されない日常だ』。ただ、ソレだけだ。それだけで、君達は頭痛の種をどうにか出来る?」

 

「…………頭痛の種って、なんや?」

 

「フッ……あるだろう?頭痛の種が……例えば、『八神はやては俺の嫁だ!』とか『俺はハーレム王になる!』とか言われ続けて来たと報告書が上がって来てたんだが……」

 

「……………………」

 

それを聞いて、苦虫を噛み潰したかの様な顔をする八神はやて。きっと、何人かの心当たりがあるのだと推測される。もしかすると、何十人という心当たりがあるかも知れない。

 

「どうするつもりや!?」

 

「それを告げた所で、人知を超えた存在同士の戦いに関われるとでも?言っとくけど、僕等の戦いで君達の糧になる様なモノは何もないよ?なんたって、記憶や記録に残せないからねぇ……ああ。別に、記録媒体にハッキングして抹消する訳じゃ無いよ?ただ、君達の頭蓋にはイレギュラーに対応してないだけだから……」

 

「どういう意味や!?」

 

「だから……例えば、だよ?例えば、僕がその頭痛の種を殺したとしよう。すると、どうなると思う?普通なら、死体が残り……ソレが、殺害だと判断されれば捜査の手が入るだろう。だが、そうは成らない。何故なら、死体が消えるから。そして、ソレに関わった者達からソレの記憶や記録が消える。そもそも、居なかった事になる。居なかった事になって、記憶や記録は別のモノで補完される。即ち、何も無かったという結論だ」

 

「……………………」

 

「ほら、問題にも成らない。何を、どう、頑張っても議題にすら上がらないんだ。何せ、彼等はイレギュラーだからね。本来であるならば、この世に存在しない存在だ。ソレが、存在して今を楽しく生きているとしても……死ねば、何も残らない。ああ、そうそう。既に、数人殺したけど君達の記憶には残って居るかい?というか、その中には君の幼馴染みって奴も居たんだが……覚えているかい?」

 

「え………」

 

最初、意味がわからないという顔をしていた八神はやては幼馴染みが死んだと聞いて顔を歪ませる。歪ませたけど、その『幼馴染み』が誰であるかはわからない。まあ、地球に残り月村すずかやアリサ・バニングスと恋人になろうと頑張っていた奴等の内、犯罪に走った馬鹿を処理しただけなんだけど。

 

「とりあえず、○△✕✕✕▽って奴だ。ん?おやおや……今、言葉を潰されたか?ふーん……成程、成程。八神はやての初恋の人か……初恋の人くらいは覚えているよな?まさか、忘れてしまったのかい?」

 

「…………初恋?」

 

ここに来て、八神はやてが酷く動揺する様な仕草をした。これは、『初恋をした』という記憶はあってもソレが誰だったのかが思い出せないパターンか?いや、そう言う感情を得た事があったけどソレが何時で誰に対して感じたのか思い出せないだけかも知れない。いずれにしろ、八神はやてにはソレを思い出す術は無かった。

 

「残念だったね?君の初恋の人は、ライバルを蹴落とす為に犯罪に走った事が原因で消された見たいだね?まあ、それがどんな犯罪でどんな結果をもたらしたかは教えないけど……ああ。写真あるよ?見る?記憶や記録が消えても、感情や心は残るから見れば心揺り動かされるんだよね……はい」

 

言って、こちらの記録媒体からその転生者の姿が写った画像を八神はやての目の前に出して見せた。すると、八神はやてが大きく動揺する様子を見る事となる。例え、そこに写る青年がどこの誰かまではわからずともその青年に恋心を抱いたという心は残っているから見れば心が想い出す。

ソレがわかってて、その記録を見せた。結果は、御覧の通り。八神はやては、酷く取り乱し……でも、思い出せなくて混乱する。だから、突き落としたった。

 

「まあ、その動揺もいずれは思い出す事も無くなるんだけどね。今は未だ、日が浅いから動揺する事が出来るけど……明日、明後日になれば『コレ、誰?』って言う様になるよ?フフフ、『思い出せなくなる』では無く……そもそも、知り合ってすら居なかった事になるからその動揺は今だけのモノだよ」

 

「ーーー嘘、や!」

 

「にゃははは!わかって居るだろう?今、尚、記憶が段々薄れて行く事に。感情ですら、何も残らない失われて行く感覚を君は感じているハズだ!本来であるならば、消えるハズの無い記憶。そりゃ、外的衝撃で一時的に忘れる事はあれど時間を掛けてゆっくり消えて行くなんて現象……ある訳が無いだろう?痴呆になった訳でも無いんだから。関わらなければ、知る事も無かっただろうに……災難、だったね?正義感で行動して、知らなくても良い事を知る事になろうとは……正義感ってのは、時に残酷な現実を突き付ける事もあるんだよ。一つ、賢くなったね?」

 

「はやてちゃん!良いんです!双夜くんの話は、聞かなくても良いんです!!彼の話は、いずれ忘れます。彼もまた、イレギュラーなのですから!!」

 

「シャマル……シャマルは、知ってたん?私の幼馴染みが、そう言う存在やって知ってたん!?」

 

「……薄々は、気が付いていました。彼等の言動は、皆大体同じですから……死ねば、忘れてしまいます」

 

縋る様な目で、シャマル先生を見上げて現実に打ちひしがれる八神はやて。その言い方では、駄目だよ。それじゃぁ、シャマル先生は『忘れていない』って告白する様なモノだ。そして、ソレを八神はやては正確に理解している。だから、八神はやてはショックを受けると同時に裏切られた様な目でシャマル先生を見上げてていた。全く、このおバカさんはどうでも良い事には鋭いんだから……気が付かなくて良いんだよ。

 

「シャマル先生も、イレギュラーなんだ」

 

「え……」

 

「パラレルワールドって知ってるかい?」

 

とりあえず、混乱しているおバカさん達にこちらの事情を少し教えてやる事にする。じゃないと、色々と面倒な事になり掛けているから余計な事をされる前に制限を設けた方が良いだろうという結論に至った。全く、優秀な奴ってのは中途半端に面倒臭い存在だ。下手に、首を突っ込まれて痛い事は無いが……いや、痛い思いをするのは何時だって首を突っ込んだ奴等だけだ。ここで、八神はやて達に首を突っ込まれてもこっちが困るだけなので少し情報を与えて遠ざける予定だ。ホントに、コイツ等は突っ込ま無くても良い事に首を突っ込みやがって面倒臭いんだよ!!

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

「ーーーっと言う訳で、関わらないでね?」

 

とりあえず、平行世界と転生者の話だけはしたから後は問題ないかな?これ以上は、こちらも踏み込む気は無いので線引は必要だ。

それでも、クズる様ならこちらも武力行使も止む得ないだろうけど……八神はやてはそこまで愚かでも無いだろう。

 

「せやったら、アンタは何なんや!?」

 

「あん?俺は、《神殺し》だ」

 

「カ、ミ、コロし?」

 

どうせ、忘れてしまう事を説明させられるこっちの身にもなって欲しい。全く、なんで八神はやて達はそんな事を知りたがるのか意味がわからない。いずれにしろ、これ等を記憶していられる訳じゃ無いって言うのに……コレだから、人間ってヤツは。

 

「あー、別に良い神様を殺す事はしないぞ?ある程度、存在して人間や創造物の感情を共感し、ソレに引き摺られて悪落ちした神様の処理を担当している」

 

担当と言うか、他にも色々と抱え込んでいるのでソレだけをやっていれば良いって訳じゃない。だけど、親切丁寧に教えてやる義理も無い。これまでが、おかしかったんだ。まあ、新人の教育の為と言えばそれだけなんだけど。ここに、神崎は居ないし無問題。

 

「ま、人間の感情なんて共感するもんじゃ無いんだがな……欲望とか、憎悪とか負の感情を共感して処理仕切れずに闇落ちする馬鹿がいてな?そういう奴は、自分が生み出した生物を使って遊び出すんで邪魔になるんだよ。干渉し過ぎるのも、非干渉なのも駄目なんだ。要は、ホドホドが良いのさ。ホドホドが、ね?」

 

「…………なんや、それ……」

 

そんな風に非難されても、ねぇ?どちらを選択しても、その世界に取っては地獄でしか無いんだよ。神様が、ドヤ顔で往来を闊歩してたら色々と大変だろう?姿が、視界に入るだけで跪きたくなるんだぞ?仕事の邪魔だし、人間が痴呆になる。

 

「お前等だって、困るだろう?自分達を駒とした、戦争を問答無用に引き起こされるのって……戦争する理由も無いのに、戦わなきゃ滅ぼされると言う強迫観念に突き動かされて殺し合いに参加させられる奴等の苦しみを……ベルカの騎士なら、良く知っているハズだ。終わりのない戦争とか、なぁ?」

 

「……………………」

 

「ま、ソレが神々の引き起こしたモノだとは断定できないが……終わらなかったんだろう?」

 

だからこそ、ベルカと呼ばれた世界は滅んでしまった訳だけれど。俺には、ソレが人間を駒に弄んだ結果だと思っている。前回、【組織】に戻った時にこの世界周辺の記録を幾つか確認したけど記載は無かった。一応、かなり古い報告書とかも探したけど見当たらなかったんだよなぁ。

まるで、意図的に消したかの様な感じだ。とりあえず、使い魔の一人に情報捜索の継続をする様にお願いしたけど、どうなる事やら。これには、どこかの小悪魔が関わっているのだろう。セイビアは、締め上げたけど『知らない』の一点張りだったし【鮮血の】に訊ね様にもソレを口にした途端逃げられた。絶対、何か知ってやがる模様。それも、誰にも知られたく無いレベルの内容で、だ。予測は出来るが…まさか、なぁ?

 

「だから、僕に関わるな。シャマル先生は、僕ととある約束をして貰う。それと、外法だったかな?これ以上、転生を繰り返すのも大変だろう?それを防ぐ為の秘術がソレしか無かったから……それに、外法と言っても言葉的な響きが悪いだけで本当に悪い術法という訳でも無いから安心してくれ……」

 

「ええ、それは構いませんが……ゲホウって、何ですか?」

 

「ん?ああ、外法ってのは人間以外の知的生命体が作った魔法って奴だな。本来であれば、人間には使えないモノなんだがソレをありとあらゆる方法で使える様にしたモノを外法と言う。ただ、そのありとあらゆる方法の中に倫理観をド外視したモノが含まれるので大体が悪い印象のある魔法と認識されるんだ。でも、僕は人外なので問題無く使えるから大丈夫だよ?って事さ」

 

「へぇ……」

 

「…………なんや、違う様な違わない様な?」

 

「嘘は言ってないぞ?言葉は、選んだけれど……」

 

「せやろうなぁ……それで、関わるなっちゅうんはわかったわ。せやけど、なんでこんな遠回りをしたんや?」

 

「遠回り?そりゃ、仕方がないよ。僕等の行動って基本的に犯罪傾向が強いんだ。だから、行動していると転生者だけでなく管理局も邪魔しに来る。だから、姿形を晒さない様に行動するんだけど……最終的に、その世界の住人が一番妨害して来る様になるんだよね」

 

だから、遠回りでも現地に協力者を作りある程度の暴走を放置して目的を達成出来る様に行動する。でなければ、最初から存在を晒さない方法を取るとも。それが出来ないから、俺達はこんなにも苦労を強いられているんじゃないか。本当に、難儀な職業だこと。

 

 

 

 

 




今回は、メッチャ時間が掛かったよw。機種変で、十万円以上のスマホにしたから『二ノ国』と『ブラックサージナイト』を始めたら時間が……(自業自得)。いやー、何度も処理落ちするゲームライフから脱却したかったから機種変は変更出来ない予定だったけどね。お陰様で、快適なゲームライフを過ごしているよ。まあ、ブラサジはスタミナが六万超えしてて終わりのない行動エンドレスに陥っているけど。二ノ国は、攻撃力が足りないって言う、ね?
因みに、作者のスマホはSO-52A型だ。今、メッチャ宣伝して居るヤツだなw。快適だぞう?まあ、iphoneが、私は使えないのでAndroidしか購入しません。まあ、そこら辺は人によるんだろうけど……私は、断然Android派です。
最近、ハイスクール・フリートというアニメを見ました。
艦隊戦、ちょっと熱かった。でも、艦これはちょっと……あまり、好みではなかったよ。多分、女の子が武器を持って戦うアニメよりゴツイ戦艦を操って戦っている方が良いらしい。こういうのは、観てて楽しい。因みに……インフィニット・ストラトス(ハーレムアニメ)よりも、ハイフリ(青春アニメ)の方が良いかな?こういうアニメって、他にもあるなら教えて貰えるとありがたい。

え?艦これが、駄目だった理由?ああ……女の子が武器を持って怪我をするのが駄目だった。しかも、砲弾で←コレが、ねぇ?女の子を使い潰している様に見えて駄目だったんだよ。撃沈したら、戻って来れないってのもアウト。
非殺傷設定とか無いんかーい!!ってキレたわwww。

でも、『はいふり』は戦艦を操って戦うから逆に燃えたw。誰も、死ななかったし。そう言う、アニメ教えてくれるとありがたいかな?あ、バイオハザード系は勘弁。見れるヤツは見れるけど、リアルっポイのは無理だった。想像力で、腐敗した血肉の臭いまで漂って来るみたいで……ヤバい。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。

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