絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
Re:
とりあえず、待っている間暇だったので幼馴染み達の身体能力表を見せて貰う事にする。それによると、白亜の身体能力が一番高くて次に蒼炎、亮、美愛と続いていた。
やはり、にんげんだとしても白亜が最も強くなりますか。
そりゃ、現役の戦闘タイプだからな。漫才コンビとは、比べモノにもならんだろうさ。ただ、遠藤蒼炎の身体能力が割と低くて驚いている。まあ、よくよく考えるとパワードスーツに身を包んでいるだけだから、それ程肉体を強化しなくても済んでいるのかも知れない。
「というか、『最強の女剣士強過ぎワロタ』って誰の感想だ?」
とりあえず、誰が誰と戦ったのかを確認する。
何となく、白亜辺りが伸び切った鼻をへし折られている様な気がするので記録を確認してみた。記録を確認すると、やはり白亜があの女剣士と模擬戦した様だ。ただし、内容はズタボロのボロ雑巾である。途中、銀河さんが割り込んで白亜が人間である事を教えた辺りで試合は終了。
そうか、あの女剣士さんは白亜が人間だと知らなかったのか……不殺の誓いをしているらしく、かなりヤバかったとのこと。
「んん?【不殺の誓い】ってなんだ?」
はいはい。わからない事があったら、端末起動!
でもって、検索を掛ければ一瞬で答えが出て来ます。
【不殺の誓い】。主人に該当する者からの命令以外での殺人は、己の命を持って償うと言う隷属契約に近い【呪】の事。この誓いを立てた者は、魔法・魔術等の影響を受けなくなる。その代わり、それ以外の命令は受け付けないので性的な行為を拒否する事が出来る。ただし、当人がその気なら主人を襲う事が可能……と。
「フム。隷属契約に近いモノがあるけれど、内容的には殺人に関しての呪いであってそれ以外は適応されない……ってか?」
つまり、こういう呪いで縛って置かないと無意識に人を殺し捲くる様な事をする訳か……これ、Pohよりヤバい奴では?亮は、やけにPohを警戒していたけどそれ以上の方がここにいらっしゃる様ですよ?そう言えば、女剣士さんには言ってはイケない三つの言葉があった様な?確か、ペチャバイとか寸胴とか大根足だったかな?兎に角、それを呟くモノなら剣撃が飛んで来るんだっけ?
「高々、子どもの口喧嘩レベルで殺される訳が……ペチャ――」
瞬間、師匠と同等の異次元な殺気が飛んで来た。
「――ンコになった猫と同レベルじゃん。そう言えば、猫踏んじゃった~♪ つー歌があったなぁ?童謡だっけ?踏んだら、ぺちゃんこになるとかありえないだろ?臓物どこ行った?って話だよ!」
余りの恐怖に、俺の知るギリギリラインなモノを攻める。それが、童謡だか何だかわからないけど古くから愛されている系統の『猫踏んじゃった』の評価?になってしまっていた。生き残る為、最悪を回避する為に最善を尽くすだけである。まさか、ここまで敏感だとは思いもしなかったよ。マジで、殺気だけで人を殺せるんじゃないかと思ってしまうレベルの殺気が飛んで来た。これは確かに、【三大禁句】と言われる訳だ。二度と、お巫山戯でその言葉を口にしないからな!?等と、心に誓いながら『猫踏んじゃった』のフレーズを口ずさむ。と言うか、一番歌詞が思い出せないんですが……何だったかなぁ?
「一番目の歌詞が思い出せない……猫、踏んじゃったらふーんふふーん?アレ?マジで、思い出せんのだが?二番目は、猫踏んじゃったら飛んでった?だったっけ?」
何だったかなぁ?と、首を捻っている内に背後から押付けられていた殺気が薄まって行った。その後も、思い出せないネタを転がしながら永遠と思い悩んでいたら完全にフリーと化す。やはり、こう言うのは別の何かに首ったけとなっていれば何とかなるモノである。
ま、女性の体型をネタにするのは良くない事だからな。
例え、好きでも何でもない女性であっても礼儀と敬畏は必要だ。
「踏んじゃったら……」
「何、馬鹿な事を口ずさんでいる?」
「へ?って、師匠!?」
思い出せない歌詞に、思考の大半を持って行かれていた俺は師匠が背後に来ている事にも気が付かずぼーっとしていた様だ。というか、本当に神出鬼没な人である。このタイミングで、ここに現れるとか……ちょっと、警戒心が足りないのかな?
「師匠……なんでここに?」
「…………そうだな。ちょっとした、根回しをしている所だ」
「ちょっとした、根回し、ですか?」
「ああ。神々の娯楽に、参加してみないか?と【組織】所属の神族に呼び掛けている所だ。唆しているとも言うな?」
「は?え、あの、それって……《神殺し》側からも、転生者を送り出すって事ですか!?え……なんで!?」
混乱する俺を見て、苦笑いを浮かべた師匠は少し遠い目をして言う。それは、余りにも途方も無い計画の話だった。ぶっちゃけて言って、これまで通り【娯楽】の廃止を行った所で娯楽に飢えている神々がこちらの要望に従う訳が無い。なので、それならば《神殺し》側からも転生者を送り出し世界の歪みを緩和しようとしてみたらどうかと言う提案が出たらしい。その難しくも、初の試みに何人かの有志が立候補して準備に勤しんでいるそうだ。例え、失敗したとしてもサクッと辞めれば良いという事で試しにやってみる事となったとのこと。
「それで、第一転生者として神崎……お前の複製を転生させる予定だ。一応、当人の意思も確認するべきだと言う事で確認に来た」
「それ、言われ無かったら勝手に転生させる気だったんですか?」
「問題は、無かろう?まあ、適任者がお前くらいしか思い浮かばなくてな?とは言え、今は候補者に霧島白亜や遠藤蒼炎も入っている。だが、それは今直ぐでは無い。本人次第ではあるが――」
「……とりあえず、転生する候補世界を教えて頂けますか?」
師匠の、長くなりそうな話をブッた切って俺は転生する世界の候補先を確認出来るかと訊いてみた。すると、割と簡単にサクッとその候補地のデータが送られて来たので確認する。すると、割とメジャーな題名が並んでいた。
中には、俺の知らない題名もある。
「これ、俺の知らないモノもあるんですが……」
「それは、別の者が担当するから気にしなくて良い」
詰まる所、《神殺し》側からも転生者を送り込んで歪みの元をどうにかするか……歪みが、起き難い状況を作り出すというモノ。
「それって、可能なんですか?」
「可能では、あるな。ただし、人間として送り込む訳じゃ無いぞ?犬や猫に扮して、紛れ込ませる方法になるだろう。もしくは、人として送り込み変身魔法で犬猫になって貰う予定だ」
「それって……完全に、仕事扱いですよね!?」
「何度か、転生を繰り返して貰って、その後解放。その頃には、転生特典も増えてウッハウッハだろうさ……」
「へ?転生特典って、増やせるんですか!?でも、三つ以上は魂の質が悪いから増やせないって――!?」
「一回の転生に、特典は一つだけだが……引き継ぎが、出来ない訳じゃ無い。二度、三度と、転生を繰り返して行けば前の特典は引き継ぎだから増やす事は可能だ。ただ、五つ以上は無理だけど」
ぶっちゃけると、一度目で複数の特典は付与出来ないけど……繰り返すならば、最大五つまでは特典をGET出来るらしい。
「俺、三回転生してますよね!?」
「そうだな。でも、神様特典は三つだから馴染んだんじゃね?」
「魅了系特典が、消えてますからもう一つくらいはGETできるのでは?あ。いやいや、何も難しい特典が欲しい訳じゃ無いんです。ちょぉーっと、適正能力の向上をですね?」
「お前の場合、翼に便宜を通す為に一つ分を消費しただろう?ああ。それと、セイビアにはお前の願いを叶えない様に命じて置いた。アレでは、根本的な問題の解決になってない。不許可だ」
「えぇー!?ちょ……だったら、どうすれば良いって言うんですか!?俺的に、生前の罪なんぞに興味はありませんよ!?」
「被害者であるお前が、負い目を感じる必要は無いと言った。お前は、被害者なんだ。何故、加害者を気遣う必要がある?」
「え、あ、それは……」
「被害者は、お前なんだぞ?なら、何も考えずに踏ん反り返って居れば良い。それに、だ。そんなに早急に、答えを出さなくても良いんだよ。これから、永い時間を生きるんだ……今直ぐに答えを出す必要も無い。全く、我が弟子は〜そそっかしくてかなわん」
『そそっかしい』かぁ……確かに、師匠の言う通り早急に答えを求め過ぎていた様な気はする。でも、だったらどうすれば良かったと言うのだろうか?当人達は、罪を償いたいと言うし?俺は、そんなモノを与えたいとも思わないし……どうすれば?
「別に、罪を償わせなくても良いんだよ。それが、最も簡単で最も重い償い方になるだろうからな?」
「……罪を償わせない?」
「そうだ。罪を償わせてしまえば、それでその罪は洗い流された……心軽やかになるのは加害者だけだ。ならば、罪を償わせずに放置すれば良い。このままであれば、お前はアイツ等と縁を切るつもりだろう?馬鹿なお前が、考えそうな事だ。だが、縁を切るのは許さん。だから、お前が本当に彼等を必要とした時に呼び寄せられる様に貸しにして置けば良い」
そうすれば、問答無用に呼び出せると師匠は邪悪な笑みを浮かべた。いや、まあ……確かに、その通りなんですが?でも、それ、俺に言わせる予定ですよね?だけど……そうか。償わせないという、方法もあるんだな。
確かに、罪を償わせればそれで終わりだけれど、罪を償わせない事で得られる権利もある訳だ。罪を償って、心軽やかになるのは加害者だけ……か。こちらが、どう思っていようと相手が気にするだけなんだから放置で良い。
俺自身、相手が気にしているだけだから……と、そこまでは考えられたのに罪と償いばかりに気を取られて償わせないなんて発想が出て来なかった。
「まだまだ、未熟ですね。俺は……」
「構わんさ。直ぐに、一人前になる必要は無い。それに、学ぶべき事は多いから気長にやる事だ。さて、問題が片付いたら次の世界へ行くぞ?ああ、セイビアに断りを入れなくても構わん」
どうせ今頃、上からの圧力が掛かっているからと笑う師匠にちょっとドン引き。そう言えば、『セリュウ』さんと会っておられましたね?セリュウさんと言えば、軍の総大将さんの弟さんだと聞いた事がある。更に、突っ込んだ話をするとその総大将さんは弟さんに滅法弱いとか言われてた様な?つまり、セリュウさんに依頼したんですね?
お兄さんに掛け合って、セイビアさんに圧力を掛けて欲しい、と。何となく、遠回りをしている様な気がしないでも無いけど……直接的な行動を取らない辺り、何かあるんだろう。多分、《神殺し》になった経緯とかで色々命令系統が違うんだと思われる。もしかしたら、越権行為ってヤツになるのかも?
……………………。
なにはともあれ、師匠はいつの間にか居なくなっていたので俺は集まって来た幼馴染み達に師匠からの提案を告げた。まあ、その時に一悶着ありはしたけど……『それで、心晴れやかになるのは加害者だけだ』と言えばぐぅの根も出なかった模様。事実、嫌そうで苦しそうな顔をしたのは浅上兄妹だけだったから、罪を償ってサッサとその苦しみから逃れたかったんだと思われる。
「それに、俺は被害者だから加害者に負い目を感じるのは筋違いだとも言われたなぁ?筋違い、だってさ……」
「くっ……その通りだけど、ちょっと残酷過ぎないか?」
「とりあえず、必要になる日が来るだろうからその時まで待てってさ。だから、その日まで精々罪の意識に苛まれてくれ!」
「お前……あの鬼畜に、染まり過ぎだろう!?」
「そりゃぁ……師匠ですからw。それに、このまま悩み続けるならお前等との縁……切っちゃおうかと思ってたし?」
「継続、ウェルカーム!!縁、切られるくらいなら罪悪感に苛まれていた方が百万倍マシよ!!イェーイ\(>o<)/!!」
「お、おう……ってなこった」
「縁切りしようぜ!縁切り!!確か、《神殺し》の誰かが縁切り刀持ってたハズだ。アレなら、後腐れなくバッサリ切れるぜ?」
「嫌ー!!絶対、縁切りなんてしないからね!?」
【縁切り刀】
確か、二つの藁人形を用意してその藁人形を赤い糸で繋ぐんだったか?色無しでも、良かったんだっけ?まあ、兎に角それで準備完了。それで、紐で繋がれた藁人形を【縁切り刀】で切り離すと本当に縁が切れるって話だったハズだ。
それが、本当かどうかはわからないけど……ここは異世界で、妄想が現実になる世界だから信憑性は高い。
他にも、【縁切り刀】の真逆で【縁結び刀】なんてモノもあるらしい。こっちは、刃と刃の間に二本の紐を通すと一本に繋がった紐になるらしい。それで、縁が繋がったって事に成るらしい。それでも、紐が繋がらなかった場合はそもそも縁が無かったという事になる。実物を見た訳じゃ無いから、どんな形でどんなモノなのかはわからないけど……刀と名が付くのに、ナイフみたいなモノだと聞く。
「とりあえず、銀河さんに誰が【縁切り刀】を持っているのか聞いてみたい所だよな?「聞きたくなーい!」もしかすると、【縁結び刀】とか持っているかもよ?」
「それ!もっと、詳しく!!」
「無いよ?」
「「へ?」」
美愛に嫌がらせをしていると、背後からそんな答えが返って来た。振り返ると、銀河さんがキョトンとした顔で『だから、無いって【縁結び刀】』と同じ答えを告げる。
「……無いんですか?」
「別に、紛失したとか壊れたとかじゃ無くて……無いよ?」
「えっと、最初から無かったとか?」
「いや、記録上にはあるとされているけど……」
「……別のモノに作り変えられた?」
「お?正解。流石、双夜の秘蔵っ子だね」
ニッコリ笑う銀河さん。俺は、この人がどんな人であるかは知らないけど……【縁結び刀】や【縁切り刀】が、どうなったかは大体予想が付いた。これ、ロクな結果を出して無いぞ?絶対、とても面倒でロクでも無いモノへと変化している。
「……どうなりました?」
「聞きたい?」
「あ、良いです。聞きたく無いです」
「えー?聞きたーい!」
「止めとけ!絶対、聞かなかった方が良かったと後悔するぞ!」
「えー……そんなの、聞いてみないとわからないじゃん」
「OK。じゃぁ、こうしよう。聞きたい奴だけ、残ると良い。俺は、聞きたくないからさるわ……」
間違い無く、この手のパターンはロクな結末を迎えて居ないと言い切れる。そもそも、こういう曖昧な笑顔をする輩は師範代達で嫌と言うほど経験させられていた。
ぶっちゃけ、気にはなるが聞かない方が精神衛生上良いに決まっているんだ。警告はしたので、俺は足早にその場から立ち去った。
「ふぅ……ここまで来れば、もう大丈夫かな?」
「兄様。我々が、居ますよ?」
「話さなくて良いぞ。どうせ、痴情の縺れとかそんな感じだろう?しかも、後味の悪いヤツ……」
「…………まあ、そうですね」
「痴情の縺れでは無いが、後味が悪いのはかわらぬの……」
「なら、良い。忘れててくれ……教えなくて良いから!」
「「チッ……」」
本当に、先に釘を刺して置いて良かった。全く、油断も隙もない。だけど、それ以上なにも言って来ない辺り忘れてはくれる模様。でも、近い内にその話を聞く事になるのは目に見えて居るので今は一時の休息に心を休める事にした。どうせ、また直ぐに騒がしくなるだろうけど。
さて、師匠はこの事をどう判断するかな?
……………………
……………………
……………………。
Side 双夜
場所/不明
「Master……此度の兄様の件ですが……」
「保留とする。こちらにも、不手際があったからな。結論は、先伸ばしにして……アイツ等の問題である『コミュ障』を軽く見たせいだな」
まさか、ここまで社交性が低いとは思っても居なかった。
いや、社交性が低い訳では無い。アレは、ネット環境に対する警戒心の現れだろう。まさか、ソレがここまで足を引っ張るとは考えもしていなかった。多少の違いはあれど、似た様な環境であればそこそこの交友関係を築けられると思っていたんだがな?
どうやら、我が世界の【魔法大戦】という悲劇はそれなりの効果を発揮していたのだと考えられる。即ち、結束力を高めた世界と……ちょっとした事で、不特定多数の他者から攻撃されるのが当たり前とされた世界。
成程……警戒心が強い訳だ。
それが、神崎の言う所の『コミュ障』というモノの正体か?
「身内に甘いのも、致し方無いな……」
人間だった頃の感性が、未だに根強いのは仕方がないとしても培われた警戒心を緩めるのは至難の業。ましてや、相談する相手が乏しい中でそれでも多くの人と交流を持とうと足掻いた神崎を褒めてやりたいくらいだ。だが、今回はそれが裏目に出た……と言うべきか?まさか、内輪のみで結論を急ぐとは、な?
【組織】の公的施設や人材を介さず、設備や法を無視して自分達の判断で裁きを決し様とか無茶をする。何の為の【組織】で、何の為の端末か……わかって居るのかな?
「俺自身、【組織】に対して警戒心を持っているからな。神崎が、それを真似て【組織】の者を警戒するのはわかるんだ。でも、だからと言って設備や施設を利用しないのは間違っている」
「Masterの場合は、致し方ありませんが……それを兄様が、真似る理由にはなりません。そこは、感性の問題では?」
「じゃが、子が親を真似るのは至って普通の事じゃよ?」
「兄様は、Masterの子ではありません!」
「そんな事はわかっておる。例えじゃ。例え……」
「いずれにしろ、掲示板という交流の場があるんだ。僕の真似をしているからと言って、それ等を蔑ろにして良い訳ではあるまい。それに、セイビアや銀河という他者に相談する事もできたハズだ」
多分、アレが現世での掲示板と似た様なモノだと思って居るからおかしな事になって居るんだろう。そもそも、アレは相手が誰であるかってのがわかっているタイプの掲示板だ。不特定多数の匿名かつ悪意を持った書き手が、
「改善要求として、【鮮血の】に顔写真が出る様にして貰うかな?そうすれば、不特定多数の匿名希望な輩では無いとわかるだろうし?悪意で持って、他者を傷付けるばかでもない事を理解させれるだろう。ただ、法整備には時間が掛かりそうだけど」
多少、やったもん勝ちな所はあるけれど比較的に公平を掲げている【組織】だから誰か個人の思惑でどうにかなる訳じゃ無い。
それでも、突ける穴はあるんだけどな?
「今後は、もう少し頼れる人脈作りと並行して【組織】にある公機関の説明も追加する必要があるだろう。セイビアには、『役立たず』とクレームを入れて置こうか?」
話を聞いた辺りで、公的機関を進めてくれれば及第点が付けられたモノを……あの馬鹿、マトモに頭を使う事なくやりたい事優先させやがって!お陰で、こちらの試験がオジャンですよ?とりあえず、賠償モノなので手酷く罵ってから総合評価にヒビが入る様にして置く。常連上位から、転落して貰いました。
「趣味と実益を履き違えた馬鹿……と」
「辛辣ですね?」
「鬼畜の所業……」
フレールくんに意識を移した、テオルグとラヴォルフの呟きが聞こえる。だが、こちらが色々しているのを知っていながら己の趣味を優先した輩に掛ける情けは無い。こういう時は、容赦無く追い落として殺るのがここでの常識だった。まあ、自身の評価は最底辺でも良いからな?とはいえ、俺の評価は大体『アイツを休ませろ!!』という訳のわからないモノなので無視するに限る。
ちょっと、『小人が見える…(四徹目の意味)』と言っただけなのに……全く。そもそも、そういう研究レポートが出ている時点で不眠不休を体験した研究者が居ると知られているって話だろう?
なのに、それを実践したら全員で押さえ付けに来るとか意味がわからない。精神に異常を来たさない程度になら、不眠不休をやっても問題ないって話じゃないか?仮にも、俺だって研究者の端くれ……常軌を逸した研究を延々と行っている訳じゃ無い。そりゃ、出来るモノなれば『やりたい』『知りたい』と思うのは致し方無いというモノ。だって、俺は研究者だもの。知って体験して、実践から学ぶ実体験は何物にも替えがたい貴重な経験だ。
「とりあえず、神崎にはもっと交流を広げて貰う予定だ。その為の教育……頼んだぞ?テオルグ。ラヴォルフ……」
「「御意」」
最終的に、選ぶのは神崎になるだろうが……アイツには、俺の後人を任せたいと思っている。まだ、姿形も無い思想の段階ではあるけれど。《旧・神族》と現《神殺し》の両方を排除する事が出来たら、新たな時代の幕開けに付き合って貰うとしよう。
今は、未だ夢の一滴――人材も何も足りない段階ではあるけれど。本格的に動き出せば、後は突き進めれるだけ突き進むのみ!
「いずれは、どこもかしこも忙しくなるだろうけど……先ずは、セイビアにクレームを入れる事にしようか?」
そんな訳で、セイビアに理不尽極まりないクレームを入れるのだった。もちろん、大量の添付ファイル付きのメールをセイビアのアドレスに送って殺る。添付されるファイルには、俺の秘蔵コレクションの一部を抜擢し車輪付きのカートを用意して書類と一緒に転移させた。
セイビアは、どちらかと言うと事務より体を動かす方が得意な行動派だ。なので、こういう書類の山を見せてやれば辟易とするタイプである。よって、これまでに判明したあちら側の動きや今後の活動予測を報告書に纏めて送り出す。ただし、これ等はクレームという体なので紙媒体に出力して大量に送って置いた。これで、俺が如何にセイビアの私的な行動を問題視しているか良く理解出来るだろう。 出来ないなら、似た様な報告書を福重させて数を増やし何度でも送るだけだ。ええ、謝罪のメールが来たけど気にせずに次から次へと内容は同じだけど言い回しの違う報告書を作成して送り出す。ほーらほら、ただ似た様な話を読むだけの簡単な事務仕事だよぉ?速読を持たないセイビアには、嫁さんとの時間を削る悪夢な作業だろうけど……こちらのやって欲しい行動を無視して趣味に走った報いを受けるが良い!!
《キン!》
『ごめんなさい。許して下さい。神崎くんの口車に乗ってしまったんです。だからと言う訳じゃ無いけど、勘弁して下さい!今後は、気を引き締めて事に当らせて頂きますのでこの辺りで矛を収めては頂けないでしょうか?後、嫁さんにいつやったかも忘れた様な浮気の証拠を送り込むのも勘弁して貰えませんでしょうか?いや、マジでレイが凹むので勘弁して下さい!!』
セイビアが、まさかのオチ担当にw
とりあえず、今回は日本人の悪い所をピックアップした感じ?後、永遠を生きる者とそうでない者の違いっていうか…価値観と柵(シガラミ)を言葉にするとこんな感じになるんじゃないかなぁ?ってお話でした。浅上兄妹は、生前から神崎達幼馴染みに色々していた為に普通の幼馴染みよりも柵が強くなっている。その上で、良くも悪くも日本人としての特性というか…早急に答えを出さないとイケない!という強迫観念を持って居る人が多いから今回の悪循環と成してみました!借金したら、直ぐに返さなきゃー!的なアレ。借金とか、誰かに何かを借りたらメッチャ重荷に感じるだろう?まあ、感じない人も居るだろうけど…大半の人が、借金したら重荷に感じる人だと思う。それもこれも、テレビドラマで出て来るヤミ金系の借金取りの人達が悪いんだけどね?
多分、大半の人々にはあの取り立て風景がイメージにあるから借金したくない!とか借りたら返さなきゃ!っていう強迫観念に苛まれるんだろうね?そして、一人で時間と戦い始めるんですね?わかりますw。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。