絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

500 / 592
四八四話

神崎:

 

 

どうも!蘇生?された神崎大悟です。

ドえらい、衝撃を頂き心がへし折れて立つ気力も失っていた訳ですが師匠がどうしても外せない用事が出来たそうで一人【組織】へと戻ってしまった。なので、俺達だけで人間に転生した神を見付け出し討伐する件を任されてしまう。とは言え、やる事は変らないので引き続き転生者達と戯れるだけだ。後、俺の専用武具について掲示板で訊いたら命令ばっかりも良くないというアドバイスを頂きました。ずっと、命令を続けていると問答無用でお仕置きされるそうです。なので、『方向性と手加減を告げて後は好き勝手にさせると良いよ』というとんでもない助言?を告げられて……絶望した!!そうか……そうですか。結局、そこら辺は経験でどうにかしろと言う事ですか。というか、生まれてまだ一周期も経ってない精霊にどんな経験を積ませろと!?意思疎通だって、ままならないって言うのに方向性?手加減?メッチャ難しいと思います。師範代は、多分大丈夫だとは言ってくれるけど。俺は、不安が拭い切れなくて未だに専用武具の扱いがわかりません。

下手したら、また記憶を失って己の恥ずかしい言動を世に知らしめる事になるだろうから。ハッキリ言って、抜きたくも無ければ使いたくも無いけど……それも、封じられている。使わなくても、安全策を取っ手もその絶望から抜け出せないとは……悪夢だ。

 

「だからと言って、経験不足な状態で振るう訳にも行かない……」

 

これが、八方塞がりというヤツなんだろう。まさか、希望も無いとは思いもしなかった。そんな、ストレスを感じながら俺の腰には問題の剣がブラ下がっている。手に馴染ませて、いつでも抜ける様に……もしくは、鍛錬で使う為にそうしている。だが、今すぐ『蔵』に入れて封印したい気持ちでいっぱいだった。

 

「そうして、また記憶が跳ぶ様な恥を撒き散らされるんですね?」

 

「しかも、友人や恋人(仮?)に見られてまた引き籠もるのかの?」

 

「きゃっるーん♪ みんな、みんな、俺の愛すべき転生者よぉ~!」

 

「止めろ!止めろ下さい!!のおぉぉぉぉぉ!!」

 

唐突に始まった、師範代の嫌がらせみたいなイジリが発生する。

 

――ええぃ!俺の心をへし折りに来るんじゃない!!

 

というか、師範代達の馬尻に乗って一緒にイジリ始める白亜。お前、こっちの味方じゃねぇのかよ!?と言いたい所ではあるけれど、前回ネタバレをやらかした手前。ああやって、師範代達の印象を良くしようと努力しているだけかも知れない。なので、白亜に関しては良いとしてトーマお前はこちら側に落としてやろう。

そっと、《ダーティ・ニーズ》の鞘をチョンチョンと叩いてトーマの方を顎で示す。トーマの専用武具は、ウチの子よりも後に生まれた精霊なのでランク的に格下となる。しかも、ウチの子は未来の自分と出会った事によって普通よりも格段に成長していると師範代は言っていた。だから、こうやって、悪戯を誘導してやれば割と簡単にトーマを羞恥心の渦へと叩き落とす事が出来るのだ。

唐突に、魔法少女へと変身したトーマが『きゃるーん♪』と言いつつシナを作りクネクネし始めると、その場に居た全員がトーマから一歩離れる。そして、奇なモノを見る様な目でトーマへと視線を向けていた。ハハハ、ざまぁ!!と笑っていたかったが……いやー、他人が例のアレを踊っていたとしても自分にまで被害が来るもんなんだな?視覚的暴力と言うより、無かったハズの記憶がフラッシュバックしてこっちにまでダメージがガガガガ。

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

「何させとんじゃ!?我!!」

 

「なんか、思い出せそうで思い出せなかった……」

 

OK、OK。冷静になろうぜ?まあまあと、怒り狂うトーマを落ち着かせつつ思い出せそうで思い出せなかった記憶を探ってみた。ちょっとした、冗談のつもりだったんだけど本当にフラッシュバックしそうになるとは思わなかった。でも、思い出せなかったのでもっと別のアプローチを掛けたらアッサリ思い出せたりしてな?

そう考えて、視線を上に上げると胸の前で腕を組んだトーマが仁王立ちし俺を蔑む様な目で見下ろしていた。

 

「ほほぉ……なら、トーマ?鍛錬所へ行って、ちょっとばかし殴り合いでもするか?喧嘩といえば、殴り合いでしょう?」

 

ただし、男限定の方法なので女性の方々は自分達で決着を付ける方法を模索して下さい。すると、怒り心頭ダッタハズのトーマはササッとソファーに座り視線を合わせようとしなくなった。全く、わかり易い奴め。だがしかし、お前の鍛錬はそこそこ遅れて居るんだ。ちょっと、殴り合いと言わずガッツリ追い駆けっこでもしようや?俺も手伝ってやるからさ。

つーか、後衛の白亜とは別でトーマには前衛から中衛を担う役割が与えられている。なので、もう少し頑張って欲しい所。よって、遅れている訓練&鍛錬を俺も一緒にやってやるから訓練所へ行こうぜ?何も言わず、首根っこを掴んだ俺はニッコリ笑顔でトーマを引き摺って行く。流石のトーマも、俺が何をしようとしているのか察したらしくメッチャ嫌がる。ハッハッハッ、今回は逃しはしないぞぉ?なんたって、フレールくんの協力を得られたからな?

三百六十度、超範囲でどこに隠れたとしても見付けられるからw。

フレールくん達、2兆の目から逃れられると思うなよ?草の根を分けてでも、見つけ出せるからとっても楽しみだぜ?ハハハ!!

そういう訳で、死角無しの鬼ごっこが始まった。フレールくんという、心強い監視者が居るので問答無用かつ容赦無しに追い回す。

 

「フハハハハハ。何処へ行こうというのかね?」

 

「ひ、卑怯だぞ!?こんなん、逃げられないじゃないか!?」

 

「フハハハハハ。毎回、毎回、鍛錬から逃げやがって今日という今日は、本気で挑んで貰うからなぁ?さぁ、逃げ惑え!!」

 

「兄様が、本気です」

 

「まあ、我等も参加するんだがの?」

 

心強い味方が、更に増えて逃げ惑うトーマを追い駆けて行く。

その日は、ドップリと夜がふけるまでトーマの体力作りに勤しんだ。とりあえず、数日はこんな感じでトーマを追い回す日々を送る。その間も、使い魔による転生者のサーチ&デストロイは行われ続け遂に転生神様の居場所が突き止められた。

 

 

 

 

……………………

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

「まさか、灯台元暮らしとはこの事か!?」

 

「でも、原作人物に憑依しているなんて最悪ね!!」

 

本人達の気が付かない所で、疑似ハーレムを愉しんでいたソイツはその状態を維持出来なくなったらしく憑依体から弾き出されてしまった。更には、弾き出された際に別の世界へ逃げようとしたのか無人世界にジャンプアウト。流石に力尽きたらしく、今はジャンプアウトした場所でグッタリと倒れ伏していた。

 

「どーも、《神殺し》です。貴方を殺しに来ましたー?」

 

「何ッスか?ソレ……まるで、三河屋みたいなノリッスね?」

 

「実際、気分的にはそんな感じだ」

 

ホントに、言葉の言い方も御用聞きな三河屋だったしな?

 

「さて、動けないなら好機だ!今の内に殺してしまおう!!」

 

言って、《ダーティ・ニーズ》を引き抜く。

今回は、手加減とか必要ないので何も言わず剣を構える。

さあ、《神殺し》の時間だ!

 

「「「……………………」」」

 

好機だと言うのに、何故かその場に立ち止まり動かない二人。コイツ等、ホントに消極的な奴等だな?ここは、『おっ先ぃ!』とか言って迷わず斬り捨てに行く場面だろう?何故、様子見なんてやるんだろうねぇ?てか、サッサと動かないと師範代達に後から鍛錬を増やされるぞ?マジでwそんな事を思いつつ、諦めて俺から動く。

《ダーティ・ニーズ》を振り上げて、一気に間合いを潰し剣を振り下ろしつつジャンプ。その際に、重力刃を穿つのを忘れない。というか、十中八九罠だと思っていましたとも。だって、相手は狡猾な神だぜ?絶対、罠だと確信してたわ!!だがしかし、転生者の短期入れ替えがそれなりのダメージになっていたらし、倒れ伏した神は反応したもののそのまま真っ二つに切り裂かれて消えて行った。

そして、黒い霧になると散無する。

 

「ファ!?え、ちょ、マジで!?」

 

「「おぉ!?」」

 

地面に降り立ち、更に間合いを開ける様にバックステップ。俺的には、散無したのは偽装で死角から襲われる気がしていたんだが……本当に本気で、終わったらしい。

余りの呆気なさに、俺は周囲を警戒して剣を構えたまま固まっていたら世界がTVの砂嵐みたいに一瞬荒れて元に戻る。

 

――ガチ?ガチッスか!?

 

「え?終わり!?ちょ、今ので終わりッスか!?」

 

「呆気ないモノね……」

 

「いや、実は今のが偽装で神崎さんの背後に!」

 

「「……………………」」

 

「出て来ないわね?」

 

「ぅえぇえぇぇぇ!?コレで、終わり?終わりッスか!?」

 

「だよな!?だよな!?絶対、罠だと思うよな!?」

 

「呆気なさ過ぎると、兄様達は疑心暗鬼になるのですね……」

 

「まあ、わからないでも無い。だが、兄様よ。相手は《堕ち神》では無いのだぞ?真っ当な神が、Gみたいにしぶとい訳がなかろう?……稀に根性のある神も居るには居るが……」

 

それこそ、本当に【稀】らしい。後、そういう神は《神殺し》の対象にならないんだとか。そりゃ、根性のある奴が脇道に逸れる訳が無いですよね!言われてみれば、その通りなので苦笑いを返して置いた。そう言えば、娯楽に走る奴って仕事に『飽きた』だとか『面倒だ』って言ってる様な奴等ばかりでしたね?

成程。根性の座ってる奴が、『仕事嫌だー』とかサボりに邁進してるとかあり得ないッスわ。気合も根性も足りないから、横道に逸れて悪堕ちするんでしたね。

 

――アハハハ……。

 

「サボタージュから、悪堕ち……何だか、遣る瀬無いですね?」

 

「っていうか、仕事が嫌なら転職すれば良いんじゃない?」

 

「まあ、普通は()()なんですけどね……でも、【神】って職業は色々便利な権利や利益が付いて回るので辞めたくても辞められないんですよ」

 

でなければ、誰も《堕ち神》なんて呪いの塊になんてなりたくも無いだろう。だからと言って、そこまで堕ちる前に離脱すれば良いんだろうけど……【呪い】の浄化率が、問題になって離脱しそこねる奴が大多数を占める。【神】という職業には、自動浄化魔法なるモノが組み込まれているからなぁ?それが、あると無しでは雲泥の差なんだそうだ。それに、【呪い】は気が付いた時には手遅れになっている事の方が多いらしい。

 

「それで、最後まで行き着いてお疲れ様〜する奴しか居ないんだね?というか、【呪い】って気が付かないモノなの?」

 

「気が付けませんね。普通は、己を蝕んでいるエネルギーなんですが……【呪い】は、その者の負の感情に紛れて入って来るので気が付けないんです。蝕まれて居るハズなのに、痛みや苦しみがないですからわかり難いんです」

 

「多少、負の感情が増大したりはするの。しかし、明確に【呪い】だ!とは言い切れぬが故、誰も気が付かぬのだ」

 

「……染み込んで来るのか。最悪だな……」

 

「痛みも、苦しみも無い……【呪い】、怖い……」

 

手遅れにならないと発覚しないって所が、とても有名な病気に似ていて少しゾッとした。特に、末期にならないと痛みや苦しみが伴わないなんて所が良く似ている。成程、定期的に検診を受けていても見落とされやすいアレと同じなんですね?

 

「とりあえず、これで終わりだと言うのなら終わりなんだろう」

 

「全然、納得が行かないんだけど……終わったんだね?」

 

「終わったというか、転生が全自動になっているならリソースが無くなるまでひたすら入れ替えられるんだと思ってた」

 

「「「……………………」」」

 

トーマの何気ない一言に、固まる俺と師範代達。

そう言えば、斬り捨てた神が現世で謳歌していても転生者が追加されていたって事はそういうシステムがあるって事だよな?って事は、神を倒しても転生者は順次転生して来るんじゃね?

 

「師範代。まさか、まだ終わって無いんッスか!?」

 

「ちょっと、待って下さいね……」

 

ウィンドを開き、何やら操作を始める師範代。

そのすぐ後、『もう、大丈夫ですよ?』ととても良い笑顔で振り返った彼女は何事も無かったかの様に秘密基地へと戻って行く。成程。【外】に居る奴等に指示してリソースを食い尽くさんと転生者を順次送り込んでいたシステムを破壊させたな?全く、今回ばかりは調子に乗った師範代が見られたって事で手打ちとしよう。どっちにしろ、この世界で遊んでいる神を倒さない事には何度でも全自動転生システムを復活させられていただろうからな。ただ、最後の最後で詰めを見誤り掛けただけで……それが、致命的なのはナイショ。

何はともあれ、これでこの世界の異常は取り除けたんだから撤収準備をしなければならないのは言うまでもなかった。そう言えば、秘密基地を設置したの誰だったかなぁ?まあ、俺だったら問題無く解除出来るだろうけど……師匠だったら、帰りを待たないとな?

そんな訳で、紫天の書にすずか達を回収してから秘密基地も回収しようとしたんだが……やっぱり、師匠が設置してやがったらしい。つまり、師匠が戻って来るまでこの世界に残留が決定した模様。何でコレ、設置した人にしか解除出来ないのかねぇ!?

 

「出来ますよ?」

 

「え?でも、これまでずっと師匠待ちしてたじゃないですか!?」

 

「まあ、それはそうなんじゃが……アレには、アレで色々あったんじゃよ。でも、【船】はこちらに置いてあるし問題無かろう」

 

言って、師範代はアッサリと設置された秘密基地を解除してしまった。『マジか……』と、呟いている内に奪われた俺の《時空石》を使って【船】へと戻って来る事に。一瞬の浮遊感と共に、見上げればそこはもう【船】の中で俺達は唖然とするだけだった。

 

「これまでは、どんな問題があったんですか?」

 

「え!?あ、そ、そうですね。ぶっちゃけると、トーマさんが居たり居なかったりしたからでしょうか?」

 

「つまり、【始まりの】に居場所がバレない様にしていたと?」

 

「う、ウム。それもあるが……あ、彼奴のせいで、色々面倒な事になっておっての?下手をすると、全員がバラバラにされていたやも知れぬのじゃ……」

 

「どういう事ですか?是非、御説明を!!」

 

先程の『うっかり』をネタに、話を聞き出して見れば……大体、【始まりの魔法使い】が悪いと言う事で全員が納得した。というか、俺達の居場所を知りうる為に敵側にも居場所が流出する恐れがあったとか洒落にもならない。既に、そのヤバい代物はトーマの手から離れて俺達の側には無いらしいけど……持っているだけで、敵にも味方にも居場所がバレるっていうのはハイリスク過ぎる。だって言うのに、見返りの『リターン』が俺達の居場所が【始まりの】に特定されるだけとはコレ如何に!?

 

「シネと、言われている様なモノですよね?」

 

「そうですね……」

 

「でも、それなら何で今まで黙っていたの?」

 

「むしろ、【始まりの魔法使い】を庇うみたいな……」

 

「庇っては、居らぬよ?」

 

「つまり、俺達を囮にしていた、と?」

 

「「あー……成程……」」

 

瞬間、トーマと白亜が納得した様に頷いた。

その様子を横目に、俺は『囮なんて何時もの事だろう?』等と思い。それによって、もたらされる結末の事を考えていた。それでなくても、ウチの師匠は一人なのに戦力過多だから下手に手を出したら全滅させられる恐れがある。しかも、《神殺し》のスキルを十全以上に出来る技術もあるんだから手も足も出せないだろう。

例え、その技術がまだ敵側に知られて居なくても師匠が一筋縄では行かない事くらいあちらだってわかっているハズだ。もし、ウチの師匠に手を出す馬鹿が居たら会ってみたいくらいである。

 

「というか、フラグとか建てたら……イケるか?」

 

「何を考えて居られるのか察せますが……無理ですよ?」

 

「軍団単位で、やった事があるからのぉ?Masterに請われて……」

 

「とりあえず、十年程続けましたが手を出して来る馬鹿は出ませんでした。むしろ、有名になればなる程避けられる傾向にあります。最近では、我々の噂をする者すら居りません」

 

ハハハ。そうッスか、十年も続けて音沙汰無しだったんッスね?

 

「それ……完全に避けられて居ませんか?」

 

「まあ、最初が最初でしたからね。何せ、【魔王】堕ちした者が【組織】に拾われて《神殺し》となり小銀河を消し飛ばして【組織】を機能不全に追い込んだ……等と噂されれば、誰だって避けると思われます」

 

「あー……そう言えば、そんな事もありましたねぇ……」

 

掲示板等で、ちょっと小耳に挟んだ程度だけれど。師匠がやらかしたそれ等は、実際に起こった事であり他にも言い訳すら出来ない事柄が山の様にやらかされていますもんね?うん、知ってた。というか、そんな存在にチョッカイを出す馬鹿はアホでも居ない。

下手に関わろうモノなら、壊滅は確実だろうし破滅は免れない。となれば、幾らフラグを建設しても偶発的な事以外では関わる事も無いと思われる。てか、気が付いた時点で逃げ出すんじゃね?

 

「ウチの師匠だとわかって、即逃げ出した馬鹿も居そうですね?」

 

「「……………………」」

 

そんな、冗談を口にしたのに師範代達から返って来た反応は沈黙だった。成程、既にそういう馬鹿をやらかしたアホ共が居たんですね?多分、軍団単位で居たのかも知れない。だけど、黙って置こう。それが、《旧・神族》なのか他の犯罪者共なのかはわからないけど?あー、両方の気がする。既に、色々やらかし捲くっててブラックリストに登録されているのかも?嗚呼、アリそうだ。

 

「あるぇ?だったら、ウチの師匠の側は世界一安全って事になりませんか?それだけ、避けられているんですよね?」

 

「…………まあ、否定はしません。しませんが、狙い目は在ると考えられるので警戒するに越した事はありません」

 

「もしかしたら、万が一もありえるからの?」

 

「フムフム……つまり、俺達は師匠にマーキングとかされているんですね?連れらさられても、直ぐに見付け出せる様に……」

 

それが、どんなモノかはわからないが……どれだけ離れていても、空間遮断で隔離されていても見付けられるんじゃないのかな?

例えば、《神殺し》に転生した時点で身体の中に《R,B》が組み込まれているとか?そんな、超高レベルの居場所特定方法がありそうだ。なので、適当にジィーッと師範代達を眺めて置く。

暫く眺めて居たけど、視線が合う事は無かった。

 

「まあ、良しとしましょう。それで、トーマは【始まりの魔法使い】の眷族だったから拉致られたと?」

 

「……というか、我等がMasterの庇護から離れたので回収されたんだと思われます。実際、なんだかんだと言いながらも近くに居る事を許されていた訳ですから、使えると思われたのかも知れません。まあ、結果は御存知の通りかと……」

 

デスヨネー。そうなると、師匠の庇護下から離れたら《旧・神族》側に拉致られる可能性が高くなるって事か。って、今とかヤバく無い?そう思って、師範代を見たら首を横に振られた。

 

「我々の事をお忘れではありませんか?」

 

「あー……使い魔が側に居ると、庇護下って事になるんだ?」

 

「というかの?ホレ、彼処で伸び伸びとしておる猫が居ろう?アレ、ミドルネーム持ちじゃぞ?」

 

「うはぁ!?ミドルネームっ!?そ、それ、ちょ、超長い名前の使い魔さんじゃありませんか!?」

 

しかも、師匠の側近とか言われている十三文字以上のガチ戦闘系使い魔さんですよね!?ひぇ、ちょ、マジッスか!?パッと見た感じでは、誰もそんな超級戦力だとは思わないくらいマッタリしているにゃんこさんなんですけど!?たまに、翼が猫じゃらしで遊んでいる場面とか見たりしてますが!?マジで!?

 

「ええ、十三文字以上のヤバい戦闘民族です」

 

「おい(怒)!」

 

「サーセン。マジ、生意気言いました!!」

 

「ひぇ!?」

 

師範代が、一言掛けられただけでスライディング土下座を披露してしまうくらい危険な使い魔さんが近くに居た模様。つか、師範代がマッタリしている猫に土下座しているという光景が繰り広げられて居るのを見ると膝が震えて来る。アレは、ヤバい使い魔だ。

 

「チッ……怯えられてしまったではありませんか……」

 

「ハハッ!申し訳ございません!!」

 

師範代が、素に戻っている、だと!?アレは、マジ真剣な謝罪だ。

お巫山戯を一つも挟めない、完全な上下関係に畏怖すら感じる。

成程。これは、確かに手が出せないッスわ。こんな、超級使い魔が居たんじゃ敵もおいそれと手を出して来ないだろう。そう言えば、あの使い魔さんずっと秘密基地にも居ましたよね?ああ、だから問題無いと言われていたんだ?そりゃ、安全だわ。

 

「い、一応、お名前を聞かせて頂いても?」

 

「……正式に名乗らせて貰うぞ?アルカリア・キサラギヅキ・フォーゲストだ。普段は、アルカリア・フォーゲストで通している。よろしく頼む……」

 

「あ、これは、ご丁寧なご挨拶ありがとうございます。神崎大悟を名乗らせていただいてます鈴木満男です。よろしくお願いします」

 

そう言って、頭を下げた俺。しかし、十七文字とか聞いていませんが!?てか、『キサラギヅキ』ってなんですか?絶対、師匠の関係者とわかる様に付けた名前ですよね!?こりゃ、ヤバい。

とんでもない存在が、俺達の護衛に付いててビビる。

 

「そう言えば、師匠の側近使い魔とか見た事無かったわ……側近なのに……と思ってた俺、バカ?」

 

そりゃ、近くに居てあまり前ですよね!!側近ですもんね?姿が見えないからって、その場に居ないとは限らないという現実を見せられた気分。ツーか、師匠ってば割とファンシーなモノが好きだから秘密基地に猫が居ても気にしなかった。だけど、ここにいる猫や犬すべてが使い魔と言われたら納得できる話だ。普段は、何気なく居るのはわかっていても空気扱いで視界の端にも入れない動物達に目を向ける。これ、全部側近使い魔ですか?ヤベェ……なんてモノに囲まれて居るんだ!?俺達。ただのモフモフ要員だと思ってた俺を殴ってやりたい。

 

「そこまで、気にする必要はないぞ?普段は、認識阻害を掛けているから視界の端にも入らなくて当然だ。今は、話のネタにされたから出て来たが空気と同じ扱いで構わんぞ?というか、無視してて構わん。我々は、むしろ無視されて居たいからな」

 

「…………それって、敵を欺く為に、ですか?」

 

「ソレもある。他にも、理由はあるが……今は未だ、知る必要の無い事だ。今は、この場を最大に使うと良い。精進せよ。何れ、我等がMasterの隣に立つのであろう?」

 

「ウッス!精進します!」

 

直立し、手を後で組んで頭を下げる。これは、労いか?それとも、励ましか……何れにしても、この場を利用して強くなれと言われたみたいなのでその通りにする。というか、師匠の側近使い魔から言われた事だ。お言葉に甘えて、精々足掻いてみせましょう。

 

 

 

 

 




呪い……それは、がん細胞!!正に、がん細胞と同じ様なモノです。末期にならないと判明しない所とか、あの病気と似た様なモノだと思って問題無いです。怖いですよね?気が付かないし、気が付いた時には末期で手の施しようも無いとか鬼畜ですよね!そんな呪いですが、使い魔には効きません。呪われるには呪われますが、双夜に融合しているアーティファクトの影響で直ぐに解除されます。まあ、暫くの休養は必要だけれど。ヤバい時は、彼等が先頭に立って何とかしてくれます。

そして、ミドルネーム持ちの側近使い魔が実は最初からずっと居たというオチ。余程、双夜から離れない限りは手も足も出せません。トーマみたいに、一人で活動していなければどうにもならなかったという、ね?下手に手を出したら、壊滅か破滅に陥るのは間違いないので気軽には手を出せない一行なのが如月双夜ファミリーなんだよなぁ。
最悪、【魔王】化して暴走…なんて未来もあるから、みんな尻込みしているんだよ。狙い目なのに、手が出せないそんなポジションなんだよ。双夜って。ルール・ブレイカーは、それだけヤバい代物だからなぁ?ついでに、クレッセント・ノヴァも《旧・神族》から敬遠される理由。
流石に、良い子ちゃんにはなりたくない模様。
良い子ちゃんになったら、ありとあらゆる事をぶっちゃけそうで…近付けも出来ません。尋問に使われたら地獄だ。

誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m

感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。