絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~   作:葉月華杏

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四九九話

Re:

 

 

「お、お兄ちゃん!た、助けて!!」

 

白亜の、助けを呼ぶ声が聞こえる。

しかし、その姿は、俺の居る場所からは見えない。

 

「クロエは、俺が最初に見付けたから俺の嫁ぇ!!」

 

「ああ!?ふざけんな!俺、俺だよな!?俺の方が、イケメンなんだ!俺を選ぶよな!?選ぶよな!?選ぶって言えよ!!」

 

「ハハハ!残念でした!!お前等みたいなイケメンよりも、美少年タイプの方が好みなんだよ!クロエは。そうだよな!?」

 

とりあえず、助けを求める白亜を呆然と眺めながら俺は金縛りに合った様な硬直状態で立ち尽くしている。というか、外見クロエな白亜を高町家に連れて来た瞬間、俺の知らない転生者達が現れて白亜を取り囲んだと思ったら唐突に取り合いを始めたのだ。

当然、昨日の話し合いに来ていた元消防士や元爺も居て呆然とその光景を眺めている。つか、お前等の顔見知りじゃねぇのか?

 

「…………アイツ等は、知り合いか?」

 

「いや、知らん。というか、こんなに転生者が居たのか!?」

 

「知りませんよ。しかし、クロエなんて何処に居たんですか!?」

 

「ああ。アイツは、俺の幼馴染みだった奴。それが、英霊エミヤ……つまりは、アーチャーに転生したらしいんだけど。その後、TSしてイリヤスフィール・フォン・アインツベルンになり、剣製を繰り返した結果……肌が褐色化してクロエになった?」

 

「「何、その、胸熱展開!?」」

 

「え゛?これって、そんなに胸熱展開か!?」

 

「いやいや、普通に胸熱展開じゃないですか!!」

 

「TSだろ!?つまりは、女体化!!胸熱じゃないか!!」

 

「「調教して、俺の女にしたいくらいだよ!」」

 

元男でも、女体化したら気にならないのか!?コイツ等は……つか、白亜を囲んでいる奴等にも似た様な事を言い出す奴は居るだろうからこの情報は秘匿するに限る。そもそも、一定数の奴等には中身が何であれ外見が良ければOKと言い出す変態がいるので下手を打つと拉致られる可能性があった。なので、脳みそが腐った輩を刺激したくも無かった俺は黙して語らずを貫く。

 

「てか、男の娘(ムスメ)でも良いのかよ?」

 

「あー……流石に、男の娘は難しいけどTSしているなら無問題」

 

「付いてないってだけで、十分魅力的だなw」

 

マジか……転生者ってのは、こんな変態しか居ないのか等と思い掛けた所である人物が視界に入った。てか、予想外の存在に思わず二度見までしてその人物を確認してしまう。

 

――ヤバい!つか、嘘だろう!?マジで、ここで出て来るのか!?

 

そもそも、ソイツは俺の予想からしてここに居るハズが無い人物だった為に少し同様してしまう。下手をすると、挙動がおかしくなっていたかも知れないけど……ある意味、最高に幸運な出来事に驚きを隠せなかった。つか、お前……修行は、どうした!?

そこに居たのは、ずっと探していた幼馴染の一人である『黒龍巽』だった。但し、ソレは外見だけの話であって中身までも『黒龍巽』であるかはわからない。パッと見は、十五歳以上の見た目だったので白亜(16)に釣合う事は釣合う。なので、白亜に『cぼっちが居る』とだけ念話を飛ばして後はアイコンタクトのみで指示を出す。

 

「……………………」

 

「…………コク。もう!いい加減にしてよ!!」

 

次の瞬間、白亜は大声を上げて囲い込んで来る転生者達を押し退けその輪から脱出すると一直線に黒龍へと向かう。そして、黒龍の腕を取って絡み着くと黒龍を指して自分には黒龍という恋人が居ると宣言。その行動に、面食らう黒龍と殺気立って騒ぎ出す転生者達。そこへ、彼等を上回る大声で『なんだってー!?』と割り込むとどこぞのシスコン張りで俺は白亜に詰め寄ってみたw。

 

「そんな話、俺は聞いてないぞ!?」

 

茶番開始。幼馴染なら、コレを懐かしがってくれるだろう。ほぼ、賭けみたいなモノだったけれど……コレが、一番簡単な選別方法だった。つか、幼馴染みならコレが何なのかわかるだろう。

 

「そ、それは……だ、だって、お兄ちゃん。私に、恋人が居るだなんて言ったら会わせろって言うじゃない!?」

 

「当たり前だ!!俺は、お前の唯一の肉親で兄妹だ。唯一の妹を心配しない兄がどこに居るって言うんだ!?」

 

とりあえず、周囲の転生者に対して俺と白亜が血の繋がった兄妹であると宣言。というか、自己紹介を開始。

まさか、誰もこれが自己紹介だなんて思いもしないだろうなぁ?つか、この発言によって今まで俺を警戒していた転生者の態度が和らぐ。

やはり、ライバルの一人だと思われていたらしい。

なにはともあれ、黒龍の困惑を放置しつつ俺と白亜は名前を呼び合わない様にしながら兄妹喧嘩を開始してみた。

意外と、名前を言わなくても喧嘩できる事に面白味が出始める。これくらいの難易度なら、もう少しボケ倒しても良さげな気がした。そんな事とは知らない周囲は、『お、お兄さん、落ち着いて下さい』とか言って俺に取り入ろうとし始める。流石、手首がドリルと評判の手の平クルクル転生者だ。先程まで、敵視してた癖にこの態度w。

思わず、呆れた視線を向けてしまった。

 

「だって、お兄ちゃん……巽の事を知ったら、ボコボコにしちゃうでしょう!?私を護れる程の力があるか!?とか言って!!」

 

「そ、そんな事は……だ、だが、一人の女の子を護れる程度の力は必要だ。そう!せめて、お前を抱き上げて十キロくらいはダッシュ出来ないと……」

 

「そんなの、誰にも出来る訳が無いじゃない!?」

 

「お前の事が、本当に好きならきっと出来るさ!なぁ?」

 

等と言いながら、唐突に話を黒龍に振ってみるとかなり混乱した様子の黒龍は戸惑った感じで言葉に詰まる。

それを、俺は拒絶的な反応とするかで迷った。

チラッと白亜を見る。白亜は、苦笑い。

ならば、黒龍が最も嫌うネタで煽ってみる事にした。

 

「それとも、見た目通りの男って事か……」

 

「あ゛あ゛!?今、なんつった!?」

 

コイツが、本当に『黒龍巽』だと言うのなら今の反応で十分な程に確定した様なモノだ。だが、この手は余り使いたくない手段だった為に逆ギレしたコイツを宥める必要があるんだが……一度、成長したコイツの実力を見るには丁度良い流れだった。

 

「はっ!お前みたいな軽薄そうな輩に俺の妹はくれてやれねぇって言ったんだよ!!聞こえたか、チャ ラ 男 w?」

 

「殺す。絶対、お前だけは殺してやるっ!!」

 

「ハハハ!口だけなら、誰でも言える言葉だよなぁ?」

 

「俺が、口先だけのゴミでない事を証明してやるから付いて来い!!高々、ギルガメッシュの転生者如きに負ける俺じゃねぇ!!」

 

そう言って、転生者達含む俺達はヴィヴィオがなのはさんと向かった公園へと移動する。本当なら、何処かの施設を借りてやるのが普通なのだけれど。その場合、死合は出来ないから仕方がない。

そんな訳で、近場にある公園へとやって来た俺達は向かい合って其々の名乗りを上げた。

 

「俺の名は、黒龍巽!!いざ、尋常に勝負!!」

 

「神崎大悟。そこにいる、霧島白亜の義理兄だw」

 

すると、俺の名乗りを聞いた辺で黒龍が呆然としたので容赦なく腹パンをしてみるw。いやー、楽しいですなぁ?www。

 

「へ?ゴフォー!?」

 

「オラオラ!どうした?チャラ男w。隙だらけだぞぉ?」

 

「……て、テメェ!!神崎か!?お前、神崎かああぁぁ!?」

 

これが、何時もの茶番だと気が付いた黒龍はガチギレした挙げ句の果てに隙だらけのままに俺の名を確認する。そして、怒鳴ったと思えば我武者羅に突っ込んで来て勢いのみで拳を振るって来た。

それを、ヒョイヒョイ避けながらニヤけ顔で捌いていると完全に理解したらしくガチな目で向かって来る。流石に、俺が守護騎士を越える人物だった事を思い出してくれたらしい。その上で、更に腕を上げた事に驚いていた様子だった。だから、更にブッ込む。

 

「よぉ?覚えてくれてて嬉しいぜ?久保アーキダランス・ウェスト・フォン・デル・アヴェレスト?」

 

俺が、そんな前世の名前を呟いた瞬間。黒龍は、何故か力が抜けた様子で顔面から地面へと倒れてしまった。

そして、何か慌てた様子であたふたとし始めるのだから笑えて来る。

 

「因みに、白亜は元柴田源蔵だぞ?」

 

「えええぇえぇ!?」

 

微妙に、怯えた様子の黒龍に耳元で囁く様に霧島白亜の生前名を教えてやったら驚きの声を上げながら白亜の方へと視線を向ける。

 

「ヤッホー?cッボッち。お久ー?」

 

手を小さく振りながら、白亜が笑顔で応援みたいな事をしている。きっと、周囲の転生者を煽って彼等のヘイトを黒龍に集めているのだろう。周囲の転生者達は、白亜の一挙一動に段々黒龍へと殺気を向け始めているのだから笑えて来た。お前等www。

 

「じゃ、じゃぁ、お前は、誰なんだ!?」

 

「んー?因みに、浅上兄妹は新庄兄妹だったぞ?」

 

「―――――っ!?」

 

「それから、穂波、雪、葵はちゃんと保護したからな?新庄兄妹は、保護する側になるそうだ。お前を除けば、残りはレオ――」

 

「お前、満男か!?」

 

「わかってるじゃないか……そうだよ。俺等は、ずっと幼馴染みって括りで纏められる存在さ。おかえり。cぼっち……」

 

「…………お、っ!あ、ああ。ただいまっ!!」

 

手を差し伸べて、漸く会えた感謝を込め『おかえり』と言えば、cぼっちは言葉に詰まりつつも俺の手を取って『ただいま』と言ってくれた。腕を引いて、立ち上がらせれば……殴りかかって来たので、再度殴って転がしてみるとスゲー睨まれるw。まあ、どんな時でも俺を狙っているという意思表示なんだろうけど。

 

「まだ、怒っているのか?チャラ男……」

 

「わかっているなら言わないでくれる!?」

 

「えーぇ……とっても便利な挑発用語なのに……」

 

「斬り捨てられたい様だな!?」

 

「わかってるさ。黒龍チャラ男!もしくは、ナンパ師だろう?軽薄で、女を取っ替え引っ替えしているチャラい男だよな?」

 

「OK。余程、死にたいらしい。お望み通り、殺してやるよ!!」

 

「ヘイ!カマァ〜ン?プレイボーイ?」

 

とりあえず、適当に並べた単語で俺が黒龍を舐め腐った挙げ句に煽っているという事は伝わったハズだ。そんな訳で、ガチギレした黒龍を目の前に更に煽ってみる。

当然、黒龍は煽られたら煽られるだけキレて行くのだった。とは言え、人間の範囲を逸脱していない黒龍の攻撃なんて《瞬動術》を多用して回り込めばダメージを受けずに闘える。そりゃ、魔法を含めればその限りでは無いんだろうけど。それでも、負けるイメージは浮かばなかった。

 

「……す。殺してやるぞ!神崎いいいぃぃぃぃ!!!」

 

言って、殴り掛かって来る黒龍。

 

「はいはい。できると、良いね?」

 

それでも尚、黒龍を煽って行くスタイルな俺。

いやー、挑発スキルが良い仕事をしてくれているみたいッスね?有るかどうかは、わからないけれど。もしくは、煽りスキル?

そして、黒龍の拳はどれだけ速く振るわれ様とも俺に届くレベルではなかった。というか、セットアップして魔法で身体強化を施しても届かないってどういうこと?師範代達との戯れは、『そんなレベルだったのか!?』と逆に驚いてしまったよ。

 

「ふふーん?ホラ、ホラァ~、俺を殺すんじゃ無かったのかね?」

 

「うるさい!今、殺してやるから黙ってろ!!」

 

フムフム。そろそろ、一分程経つからこちらからも手を出して見るかな?そんな事を考えながら、黒龍を軽くあしらって居ると周囲を囲んでいる転生者達が視界に入る。どいつもこいつも、皆一様に驚愕の表情を浮かべており何故か焦って居る様な?雰囲気だ。

 

―――ああ。そう言えば、俺って踏み台の代名詞だったわw。

 

そんな、久しぶりな対応につい笑いが込み上げて来る。踏み台である俺が、格闘で主人公張りに戦えて居るんだ。そりゃ、驚くわなぁ?しかも、神様特典におんぶに抱っこされてる転生者からしてみれば俺みたいに努力している奴なんて想像すらしてなかっただろうからな?なので、俺は極力素早くこの模擬戦を終わらせる事にした。余り、長引かせる様なモノじゃないからな。

 

「なんちゃって、覇王・断空拳!」

 

爪先を地面に叩き付ける様に押し当て、そこを基点に円を描く様に力を練り上げ上半身へ。発生した力を、拳へと凝縮しつつ黒龍の顔面へと叩き込んだ。結果、黒龍は何の前触れもなく顔面に強烈な打撃を叩き込まれてフッ飛んで行く。あ!?と思った時には、池ポチャしてて……慌てて拾いに行く事になった。

 

「悪ぃ悪ぃw。つい、力んじゃって……」

 

「リキんだって……嘘だろ?嘘だよな!?お前、『なんちゃって』とか言ってたじゃないか!?」

 

「…………良いじゃないか。そんな細かい事、気にするなよ」

 

「気にするわ!!つか、何だよ!?その戦闘力……ギルガメッシュって、雑魚じゃなかったのかよ!?」

 

「それは、原作のギルガメッシュだろう?俺は、皮だけがギルガメッシュの別人だぜ?そもそも、ギルガメッシュは王様だったからああなっただけで頑張ってたらそれなりの英雄になっていたハズだ。それこそ、英霊エミ○を圧倒出来るくらいのな?」

 

「……………………」

 

「詰まりだ。俺は、ガチでギルガメッシュのスペックを最大にまで引き上げつつ日々を過ごして居るって事だな?」

 

「…………お、俺だって、山籠りとかしてるのに……」

 

「ハッハッハッ!残念だったな?黒龍巽。これが、地力の違いというモノだよ。つか、山籠りなんてしなくても強くなる事は出来ると思うぞ?というか、考え方が古いんだよ……」

 

どこぞの仙人じゃねぇんだから、山に籠もった所で強く成れるとは限らない。むしろ、幼い子供とかだったら普通に町中で頑張った方が良いとさえ言って置こう。

ぶっちゃけ、山に籠もったりしたら必要な栄養を取られなくて肉体の成長を妨げる可能性がある。

各言う黒龍も、その可能性を引いた奴ッポイので割と小柄な体格をしていた。触った感じ、それなりに引き締まった筋肉を作ってはいるけど……身体が小さいから、そもそもの出力が低い。要は、軽いのだ。これだと、重量級な奴とは相性が良く無いだろう。まあ、そのお陰でイケメンとか美少年のままで居られるんだけど。

つーか、黒龍巽はかなりの美青年だ。多少、小柄ではあるものの鍛えているお陰かイケメン分類に入るだろう。

つか、美少年なのにチャラッポイ出で立ちとか……どうなってんの?

 

「…………お前、今、何歳?」

 

「んあ?……十八だけど。それが、なんだよ?」

 

「十八歳?って事は、インターミドルに参加出来る最後の歳だな?……つか、参加するつもりなのか!?」

 

「……参加はするけど……毎年、参加しているだろ?」

 

「そうなのか!?すまんな。俺等は、最近こっちに来たから……」

 

「え、お前が!?原作人物で、ハーレム作るって息巻いていたのに!?本人の目の前で、恥も外聞も無く大きな口で宣言し捲くっていたのに!?今頃になって、こっちに来たのか!?」

 

「……………………」

 

こ、コイツ、負けたからって人の黒歴史を抉って来やがった!!周囲の転生者達が、黒龍の言葉に騒ぎ出すけど俺は黒歴史を掘り返された事に顔が熱くなる。黒龍を見れば、ニヤニヤと悪どい顔をしているのでワザと言った事が見て取れた。だったら……。

 

「佐藤奏に会ったんだ……」

 

「―――――」

 

だから、俺達幼馴染み共通の急所である奏の名を出してやったら驚愕の顔で固まった。その一言で、固まるとは……お前も、それなりのトラウマになっているよな?

いや、全員か。

 

「残念だったな?ハーレムなんざ、こっちからお断りなんだよ!何故なら、維持費が洒落にならんかったからな。女だけなら、まあ大丈夫だったけど……子供までとなると、際限なく掛かるからな!?俺は、ギルガメッシュのスキルがあったから問題無かったけど……一ヶ月に最低、百万以上はキツイって……」

 

「お、おう……神崎、子供が居たんか……」

 

奏に会った発言から、説明口調かつ早口で捲し立てたら俺の勢いにドン引きする黒龍。安心しろ。ハーレムなんて、作った事ないから。これらは、概算でだした結果の話である。

 

「女達を、維持するだけで百万以上だぞ?子供が生まれたら、数百万確実なんだから最終的に工口い事なんて出来なくなる」

 

「マジか……つか、ハーレム作ってたんだ……」

 

そんな黒龍以上に、周囲に居た転生者達は思いも依らぬ事実を突き付けられた様な顔をしてこっちを見ている。先程まで、騒いでいたのにその可能性を言っただけで驚愕するとか……大丈夫か?

 

「もし、局員になる予定なら最悪二人くらいが限界だぞ?まあ、余裕を持ちたいならだけど。ジリ貧なら、三人か?何れにしても、ハーレム自体が推奨されない世界だからな?ミッドも……」

 

「え!?マジで!?つか、それミッドの話だったのかよ!?」

 

「日本で出来る訳が無いだろう!?全部、こっちに移住してからの話だよ!!それに、女も働かせれば……なんて、軟弱な発想は止めとけよ?見切られるぞ?それに、女の金は自分の子供に当てられる金だから他の女には使えねぇからな?」

 

「…………まあ、そうだわな……」

 

「それでも、ハーレムを作りたいなら頑張れ!俺は、これ以上なにも言わん。てか、今から財を作ると言うなら速くした方が良いぞ?更には、強さも求めるんだろう?ストーカーなんてしてる暇なんて無いなw。下手にそんな事をしていたら、ハーレムなんて夢のまた夢だ。そうだなぁ……成人までに、一億くらいは必須だぞ?《黄金律》無くして、どこまで稼げるかで今後が違って来る」

 

とは言ったものの、《黄金律》を持たない者がそれだけの金を稼ぐにはそれ相応の代償が発生する。更に、他の転生者を押し退けて原作人物と恋愛までしなければならないって言うんだから茨の道だ。お金に強さに恋愛に……どれも、時間の掛かる話である。

 

「でも、大変だな?転生者諸君。どうせ、君達の事だ。神様特典を三つくれてやると言われて素直に三つ貰ったんだろう?」

 

「んん!?なんだ、お前は三つ貰わなかったのか?」

 

「そりゃぁ、罠だからな。神様特典を一つだけなら、なんのデメリットも無く使えるんだけど。二つ得ると、一つのデメリットを……三つ全部を得ると二つのデメリットを得てしまうんだ」

 

「つまり、どういうことだってばよ!?」

 

「神様特典を一つ以上持ってると、願いは叶わない上に破滅するってことだ。なので、セット特典をGETした者が勝ち組っていう……お疲れ様ぁ〜。因みに、セット特典っていうのは某アニメや小説に出て来るキャラクターの能力を得ることだな」

 

俺の場合は、転生者であるなら誰もがご存知なキャラクターだ。だから、どんなスキルを持っているかなんて一目瞭然だろう。なので、説明は省くが神様特典の中ではかなり破格の願いだった。

 

「更に、デメリット特典の中には本人が深層意識内で最も願っているモノを邪魔するという鬼畜なモノもあるらしい。つまり、【俺TUEEE!】や【可愛い女の子達にモテモテ】とか【お金持ちだぜぇ!】っていうのは、ほぼほぼ封じられているってとこだ」

 

そんな、暴露話を転生者達に投げ掛けてみたら全員が硬直する。あるぇ?やっぱり、コイツ等素直過ぎねぇ?普通は、もっと否定したり反論したりするんじゃねぇの?だって言うのに、転生者の殆どがとても素直に他者の言葉を聞くとか……どうなってんの?

 

「……因みに、俺の場合だったらどうなんの?」

 

そう言って、己を指差す黒龍は少し青冷めた顔で聞いて来た。黒龍の場合?んー……コイツの場合か?名前がアレだから、性格とか趣向とか結構見向きされないけど。

大の修行好きで、ちょくちょく山とか海へ籠もりに行っているけど余り大成はしてなさそうなんだよなぁ?つまり、コイツの場合は幾ら修行を重ねても見た目が変わる事も無く。更には、筋力が付く事も無い……と?

 

「あー……ありそうな話だな?幾ら修行しても、実りを得られないって感じか?強くなれなさそう……」

 

「( ゚∆゚)・∵. グハッ!!」

 

俺の言葉で、衝撃を受けた黒龍は膝から崩れ落ちた上にorz状態へと移行する。とは言え、それなりにガッシリした身体をしている黒龍だったが……闘ってみた感じ、それ程強いとは感じなかった。つまり、デメリット特典が邪魔をしてどれだけ努力を重ねてもそこそこまでしか肉体を鍛えられないってオチだ。あれだけ、あっちこっちに籠もって修行を重ねていたハズなのに転生直後のスペックから余り成長していない模様。いったい、どんな神様特典を得たのかは知らないがまさかこんな落とし穴があるとは考えても居なかっただろう。コイツも、転生被害者か……。

 

「そう言えば、お前の夢って熊を素手で倒せる様な強い男になる……だったけ?背が高く、筋肉モリモリのビルダーみたいな」

 

「…………なんで、生前の夢を覚えていやがる!?」

 

「一度だけ、聞いた事があったのを思い出した」

 

「あれだけ、長い人生の中でたった一瞬の一言を覚えているとか……お前、化物か!?それとも、絶対記憶でもあったのか!?」

 

「馬鹿か!お前は……他人ならいざ知らず、お前は幼稚園から付き合いのある幼馴染みだろう?たかが、人生の中の一瞬でも覚えているもんは覚えているさ」

 

『『『おぉ……!』』』「惚れてまうやろ……」「俺が女なら……」「良い話だなぁ……」「ヤバい!これがイケメンか!?」

 

「え!?何故、お前等が反応するんだ!?」

 

「え、や、何か、カッコいい事を言ってたので……」

 

「ハーレム志望が、男に惚れるというカオスな件」

 

「てか、オチを付け様とすな……」

 

だって、こんなに注目を集める事になろうとは思って無かったから茶化したくなったんだ。それに、お前も感動しているみたいだったから余計恥ずかしくなったんだよ!

 

「それよりも、かなッチがこっちに転生してたのか!?」

 

「というか、お前も顔合わせはしているハズだぞ?」

 

「え!?ちょ、マジで!?」

 

「あのぉ……質問良いですか?」

 

「何だ?ああ、デメリット特典についてなら消せる能力者を紹介するぞ?まあ、今は忙しいだろうからあっちの問題が片付くまではこっちに来ないけど」

 

『『『おぉ!!』』』

 

喜び湧き立つ転生者達。

だが、その喜びはちょっと待って欲しい。

デメリット特典を消すに当たって、メリットに当たる特典をも削除しなければならないからだ。その旨を、喜び勇む転生者達に告げると……何故か、『仕方がない』という空気になった。だから、何でお前等はそんなに素直なんだよ!?納得行かねぇ……。

 

「お前等は、それで良いのか?」

 

「身体能力の数値は残るんですよね?なら、別に構わないかな?」

 

「神様特典消したら、全部駄目になるとかだったらキレてたかもだけど……残るんなら、別に問題でも無いし?」

 

「そうか。なら、メリット特典とデメリット特典は二つで一セットだからどれを残すか決めて置けよ?デメリットのみを削除して、メリット特典を三つ残すのは叶わないからな?」

 

『『『え?ま、マジ!?』』』

 

「当たり前だろう?だからこそ、俺等は敵視されるんだ。なんで、俺がお前等を『素直』だとか『お人好し』とか言ったと思ってる?本来なら、受け入れ難い者だろう?」

 

「でも、デメリット特典がある限り俺等の望みは叶わないんですよね!?それに、身体能力の強化は特典を消しても残るんでしょ?なら、全然問題ないですよ?なぁ?」

 

「まあ、原作ヒロインに無視されるよりかは良いかな?」

 

「視界にも入れて貰えないとか……」

 

「SPが出て来て、問答無用に排除されるとか……」

 

「いきなり殴られるとか……」

 

『『『もう、嫌なんだ!!』』』

 

あー……既に、心折れてたか。

 

 

 

 

 




とりあえず、白亜イリジから入っての幼馴染み再会話です。そのついでで、転生者達の説得に入った神崎でしたが……まさか、転生者達の素直な反応が心折れてるからとは予測出来なかった模様。基本的に、人の話を聞かない系の転生者はそもそも原作人物に張り付いているだろうし、ライバルが出現したらヒロインへの当たりが強くなる傾向があります。そんな馬鹿な真似をしたらどうなるかくらいはわかるでしょう?ええ、メッチャ嫌われますね!余計に嫌われますね!下手をしたら、無視される可能性もあります。ええ、あの原作のヴィヴィオ達が無視行動に出るとは思いませんが呆れられたり白けたりされます。
お馬鹿行動も程々に。ほら、諺?にもあるでしょう?
『馬鹿は休み休みやれ』って…あれ?言い回し?
兎に角、何事もホドホドを推奨します!!(経験談)
とりあえず、ジークリンデやヴィクトーリアには総スカンを食らっているらしい転生者達。そういうニュアンスが、転生者達の会話からも臭って来たでしょう?一応、そういう前提で話がされているからな?結果、心折れた者達が足の引っ張り合いをやっているのが現状。『さあ、君も負け犬組の仲間になるんだ!』の精神で他の転生者達にひっ付き回っている模様。

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m(_ _)m

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