絶望を払う者~狂気の神々vs愉快で〇〇な仲間達~ 作:葉月華杏
Re:
元、生まれた国……日本に肩入れした結果。
日本は、第二次バブル時代が幕を開けてしまった(笑)。
ヤバい。超が付く、黒字の日々が開始される。
これが、俺の《黄金律》による影響だとしたら笑いが止まらない。まあ、実際の俺はというと身体の震えが止まらなくなったけど。
ガクガク((((;゚Д゚))))ブルブル
「お、恐ろし過ぎる……」
やらかした手前、俺が何を言ってもチートに呻く馬鹿の成れの果てなので『イキって居る』と評されるんだろうな(卑屈モード)。つか、何気なく願ったモノがまさかここまで影響を及ぼすとか思わないじゃないか!まあ、不老不死になるとも思って無かったけど……まさか、ここまでとは。
「俺の人生に置ける金銭の宿命が、ここまで影響を及ぼすとは……どうなってしまうと言うんだ!?」
「まあ、今でも換えようと思えば幾らでも換えられそうですけどね?つか、俺より4ケタ程多い貢献度よ……」
妖精と共に、自室へと拉致られていたトーマが己の貢献ポイントと俺の貢献度ポイント比べて愕然としている。
だが、そんなもんちょっと頑張れば直ぐに貯まる数値だぞ?
実際、俺が一度の戦闘で得られる貢献ポイントは二万弱。
アニメ知識を提供をしても、小一時間のヲタク談義程度では五千くらいにしかならんからな?小出しにするって方法もあるが、それはそれで面倒臭い。その都度なんて、師匠と共に行動してなければ出来ない芸当だからな。ソレに比べたら、戦闘一回で二万弱は美味い。《堕ち神》を倒せば、ボーナスで十万超えるポイントが貰えるんだぜ?
断然、戦闘を中心に添えた方が良いに決まってる。
「戦闘主体の【戦鬼】なら、コレくらいすぐ貯まりますよ?なので、もっと鍛錬と訓練を頑張りませんか?」
「というか、アンタは先ず【戦鬼】並の体力を付けなさい!ちょっと、頑張れば直ぐに付くんだから……」
優しく勧誘する師範代と、投げやりに勧誘を始める妖精。
流石、長年トーマの尻を蹴り続けた妖精さんは年季が違うぜ!それに比べて、師範代はトーマがアレの被害者だからか中々踏み込み切れないご様子。やはり、トーマはもっと気さくに突っ込んで行かないとやらないタイプだったか。ソフトな対応をすると、それに甘えて何もしない奴が居るとは聞いていたけど……コイツも、怠け者の類な訳だ。
根が、素直で真面目だったから騙されたぜ!!
「そう言えば、俺もそこそこの体力だった訳ですが……元から、高かった気がするんですよね?アレって、元々体力があったからですか?」
「そんなん、転生した時点でリセットされているわよ!多少多いと感じたのなら、アンタが最適な肉体の操作法を知っていたからよ!脳筋って、そういう所は優れてるのよねぇ…」
成程。俺ってば、既に脳筋の類へと退化していたのか!!
納得したよ。そりゃ、【戦鬼】との相性が良い訳だ。戦闘主体の《神殺し》なんて、脳みそまで筋肉になった様な奴が成る種族らしいからな。俺みたいな脳筋とは、それなりに良い相性だ。となると、師匠も脳筋に分類される存在という話になるが……策謀三昧しているんだが!?
まあ、これは当人の性格や性質によるモノだと思われる。
つか、そう信じたい。
因みに、魂自体に何かしらの経験値が溜まっていたんじゃ無いか?と訊ねたら……魂ではなく、生前からの記憶の方に積み重ねた経験がこびり着いていたんだと逆ギレされる。
いやぁ、幾ら短気だからって質問にキレられるのは堪えるなぁ?そりゃ、トンチンカンな質問をしたのは俺だけど。その程度の事くらい、気兼ねなく答えてくれれば良いモノを。
「じゃ、トーマが動けないのは……」
「神様特典に頼り切ってたからでしょ?だって、コイツの能力ってテイマーみたいな他力本願だったもの。四聖獣って言うの?四匹の獣を使って、戦うなんて非効率の極みだわ!」
つまり、トーマはテイマーみたいな存在らしい。
そりゃ、動けませんわ。獣を呼び出して、闘わせてたんじゃ何の経験も得られないじゃ無いですか。多少は、刀が使えると聞いていたけど……この様子じゃ、武具の性能に振り回されているんじゃね?つか、コイツの武具こそ俺の《ダーティ・ニーズ》みたいに巫山戯た能力を積んでれば良かったのに。
「そう言えば、トーマにも専用武具がありましたよね?使ってる所、見た事無いけど……ん?」
「ブフッ!そ、そうね。あ、あるにはあるわね……ふふふ」
おや?この反応……何となく、初めて俺が《ダーティ・ニーズ》で変態へ変身した時の師範代達に似ている?
まさか、トーマの持つ【迦楼羅】も俺の《ダーティ・ニーズ》と似た様な仕掛けがしてあるのか!?なら、見てみたい!トーマが、どんな事になるかはわからないけれど俺の黒色無双歴史ばかり知られるのは不公平だ!!
ならば、トーマも俺にソレを見せるか情報開示するべきだと思われる。
「何か、使うとデメリットでもあるんですか?」
「ふふふ、鋭いわね。だって、あの子が持っている武具も組織で創られたモノだもの。精霊が宿って居るし、ヘソを曲げる事がある危険物よ?まあ、早々簡単に扱えるモノでは無いのもまた事実。アレと向き合うには、根気が必要ね」
「え!?それって……アイツも、また俺みたいな体験をしているってこと!?情報開示を求める!!」
「そうねぇ……本人は、すっごく嫌がってたけれど。他人から見たら、それ程でも無いと思うわ。ええ、貴方程の逸材って訳じゃ無いから気にしなくても大丈夫よ?」
俺、
つまり、この妖精は俺のアレやコレを知っているって事だ。まあ、DVDにもなったらしいから覚悟はしていたけれど。こうして、初対面の相手に【逸材】とか言われると精神的に来るモノがある。
つか、その一言で俺の心は傷付いた。
それはもう、膝から崩れ落ちるくらいには衝撃的だったさ!
「グフッ……orz」
「あら?……もしかして、気にしていたの?アハハハ!ウケるぅ!!あの程度で、崩れ落ちる程にショックな訳!?アハハハハハ!!」
くっ……コイツ、マジウゼェ!!
何、人の傷を抉ってくれてやがりますか!?
師匠が、妖精を嫌っている理由が良くわかった様な気がした(勘違い)。これは、確かに腹が立つ!!
「あ、あの程度だと!?お前、男の俺が女装してブリっ子させられるアレがどれだけ残酷だと思ってやがるんだ!?」
「だって、女のコの方が似合うからって強制的に女にされた奴が居たわよ?元は、見た目だけが美少女だったのに名実共に女性として第三の人外生を送らさせられてる奴……知ってるもの。それに比べたら、女装くらい何とも無いわよ!」
マジか!?その話を聞いて、思わず師範代達の方へ振り向いたらニッコリ笑顔で頷かれた。つまり、ガチでTSさせられた奴が居るって事だ。しかも、当人の許可も無く問答無用で性別を逆転させられたのか……それはまた、最悪の現実ッスね?でも、それは見た目的に似合ってたからだろう?
俺の場合は、一切似合って無いんだよ!!
「《ダーティ・ニーズ》!!」
翼が傍に居たけれど、構わず俺はその感情のままに勢いで専用武具を宝物庫から取り出しセットアップ。
「きゃるーん♪」
その結果、俺の意識は遠のいて人格は精霊のモノと入れ代わり唐突にブリっ子な性格へと変貌した。
妖精は、男のままフリフリ系魔法少女の姿へと変わった俺を見てお腹を抱えて大爆笑を始めるけど……以前の俺だと思われては困る!
確かに以前は、入れ代わった精霊の気の向くまま思うままにしか動けなかったけれど。現在は、俺も専用武具の精霊と多少の意思疎通が出来る様になっているのだ。
だから、問題ですらない!!
今回の変身が、どんな意味を持っているかを武具の精霊に伝えてある。よって、その意志を受け取った彼女は薄く不気味な笑みを浮かべつつ妖精をガシッと掴み……おもむろに己の頬に妖精を当てるとスリスリと優しく軽やかに頬ずりを開始した。
「ちょ、何よ!?や、止めなさい!ってか、止めてぇ!!」
しかも、その不気味な笑顔のままスリスリと妖精を愛でる。ブリっ子な女性が、意味もなく愛想を振り撒く様な感じで妖精を愛で捲くった。
結果、何故かはわからないけれど妖精は顔色を真っ青にしてガタガタブルブルと震えている。
クックックッ、良し良し。
何か、俺の中から喪ってはイケないモノがゴリゴリと削られている様な気がしないでも無いけど……無問題。
多分、気のせい。気のせいなんだ!!
「ちょ、やめっ!?ひぃ、は、離しなさいよ!?」
「いや〜ん、か〜わ〜い〜ぃ♪」
ついでに、デスボイスでブリっ子を続ける精霊。
ついに、妖精から悲鳴が上がり……翼からは、何やら生暖かい視線を送られる様になった。多分、いつもの茶番だとわかっていて貰えて居るはずだけれど。ナニカ、喪ってはイケないモノを喪った気がする。とりあえず、一通り妖精を弄くり回して開放したらテーブルの上にフラフラと降り立って崩れ落ちる。
「…………何よ!?何で、男のままな訳!?普通、TSさせるのが筋ってもんじゃ無いの!?こんな……こんなのって、酷い。全然、萌えないじゃないの!?」
どうやら、妖精はわかってくれたらしい。
まあ、どちらかと言うと『わからせた』だけの様な気がしないでもないけど。これはコレで、良いのだと己に言い聞かせた。というか、コイツもハプシエルとか知っているはずだよね?絶対、アレにディープなキッスやアレコレされているはずなんだけれど?んー……可能性があるとしたら、その部分の記憶だけ欠落しているのかな?トラウマとかで……。
「モードリリース…………どうだった?」
「最悪よ!もっと、可愛い感じのモノだと思ってたわよ!!なのに、こんな。こんな……ちょっと、クレーム入れて来るわ!!」
そう言って、妖精はトーマの部屋へと飛んで行った。
フフン(笑)。わからせてやったぜ!!失ったモノは大きいけれど、勘違い妖精に俺が受けた屈辱を理解させられたのは大きい。つか、彼女にも何時か俺と似た様な状況へ落としてやろう。つまり、ガチムチでピッチピチのパッツンパッツンな女装男子になって貰おうじゃないか!!
もちろん、衣装はスクール水着だ!!一応、ソレが可能かどうかを師範代達に相談してみた所……問題なく出来るとサムズアップされた。
ただ、ソレをどうやって妖精に持たせるかが問題で……彼女らも、見た事の無い物には極力触らないとのこと。
それを聞いて、マジかぁ!?と思ったものの……やり方次第で、なんとか話題の物を掴ませるくらいは出来ると思う。だから、妖精にソレを掴ませる作戦を考える事になった。まあ、ほぼ悪戯みたいなモノになるだろうが……絶対掴ませてやるぞ!!
「兄様も、本気で妖精を取り締まってくれるみたいですし上手く行きそうですね?これは、とても心強いです。とりあえず、もう良い時間帯なんで夕飯の買い物に行きましょうか?オルタ」
「そうだの。さて、今日の買い物担当は...我らか」
俺が、妖精にガチムチで衣服がピッチピチのパッツンパッツンになる武具(?)を手に掴ませる作戦を考えている間に師範代達が買い物に行くという相談を始めた。お、荷物持ちをせねば……こういう時は、俺かトーマが率先して名乗りを上げるのが暗黙の了解になっている。
なんで、そんな暗黙の了解が出来たかというとあのストーカー事件から師範代達が転生者達の視線に怯えるという事が多々あったからだ。
あの時の事が、しっかりトラウマになってて笑えたけれど……それはそれこれはこれなのである。
そんな訳で、俺かトーマが何も言わずに荷物持ちとして師範代達に付いて行くのが暗黙の了解となったんだ。
コレばっかりは、体験した当人にしかその恐怖はわからないだろうから致し方ない。
トーマと妖精は、現在進行系で取り込み中なので俺がその荷物持ちに付き合う事にした。
「あ、はいはーい!俺、荷物持ちに立候補しまーす!」
「また、例の新作お菓子ですか?兄様も好きですね……」
そう言って、呆れた様子を見せるリリィ。
お菓子云々ってのは、建前で本当は師範代達のトラウマを少しでも解消するためなのだが……トラウマ云々と言うと、意固地になって拗ねるのでそういう理由で付いて行ってる事になっている。全く、面倒な妹達だぜ。
ただ、この時は翼も何やら欲しいお菓子があったらしく一緒に行く事となった。
翼が、この買い物に着いて来る場合は彼女の記憶の底にある嘗ての思い出が呼び起こされたからに過ぎない。
本来なら、本人の意志次第で思い出されるはずなんだが……翼の場合、『佐藤奏』だった時の記憶と生まれた時から入院し続けて来た時の記憶。それに加え、転生後の『不知火翼』として生まれ生きた記憶の三種類が混在している。なので、翼の頭の中ではこれらの記憶がごちゃ混ぜ状態で点在している為に突発的にその三種類の何れかが呼び起こされるのである。
結果的には、『佐藤奏』の頃の記憶が一番良く呼び起こされるみたいだ。しかも、俺達と遊んだ頃の記憶が最も多いのでこうして楽しかった思い出の欠片を確かなモノにする為に行動するのである。多分、今回も嘗ての記憶(幼馴染み関連)が蘇り懐かしく楽しかった何かの記憶を思い出したのだろう。
楽しかった記憶で、お菓子関係と言えば……駄菓子屋かな?という事は、ちょっと遠回りになるけど駄菓子屋の方へ足を伸ばさなければならないかも知れない。
そんなこんなで、秘密基地を出発した俺達だったけれど。偶然か必然か、面倒な転生者に突撃される事になるのだった。
まあ、頭のおかしい転生者が突撃して来るのはいつもの事ではあるけど……どいつもこいつも、俺の周囲にいる女性達を欲して来る馬鹿しか居なくてとても笑えて来る。
なんで、どいつもこいつも女性の外見でしか物事を判断しねぇのかねぇ?俺の周囲にいる女性達は、基本的に俺の手が届かない系の女性だと言うのに……ホント馬鹿ばっか(笑)。
……閑話休題……。
「お前が、神崎大悟か?やはり、転生者だったな?もう、十分に愉しんだんだろう?チートで、俺SUGEEE!! で、ハーレム作ってブイブイ言わせたんだろう?中古品なのは、ちょっとアレだが……後は、俺が引き継いでやるよ。だから、全部寄越せ!!主人公である、俺が引き継いでやるって言ってるんだ嬉しいだろう?」
当然の様に湧く、イカれた転生者がまるで自分のモノかの様に彼女達を欲して俺に話し掛けて来る訳なんだが……違うんだよ。俺は、基本的に侍っているホスト側であって主人ポジじゃ無いんだ。
だから、俺に何を言っても彼女達を手に入れる事は出来ない。それに、俺が何かを言い出す前にその話し掛けて来た馬鹿は翼によって排除されてしまった。
つか、一撃である。木端微塵には、なっていない。
「ホント、良く湧くよね?こういう勘違い野郎って……」
「………………そうですね……」
あ。今日は、『奏』がメイン人格なんですね?
まあ、懐かしい記憶が思い出された場合は大体『奏』メインになっている事が多い。なので、馬鹿の扱いは雑なモノになる。すまんな?立場が違うんで、俺に何を言っても意味はないんだ。それに、間違った認識で話し掛けるとコイツみたいに排除されちゃうぞ?そんな事を思いながら、気配のする方に視線を巡らせると動揺した様な気配が返って来た。
「残念。俺が、侍っている側なんでお前の発言はトンチンカンなモノと認識されるぞ?逆ハーって知らねぇ?」
「………………ぞっぢ、がよ……」
それだけ言って、その転生者は力尽きてしまった。
ガックリと気を失うのを確認し、俺は翼達に付き添う為にその場から立ち去る。まさか、踏み台転生者っぽいのが逆ハーメンバーで翼をチヤホヤしている側だとは思うまい。
なので、そういう設定で外をウロウロしている間は俺が排除とかする事は無かった。言うても、ホスト側扱いになって居るからな?何時だって、ハーレム系のホスト側になった者の行動は受動タイプだもんな?
前衛かつ、能動的なホスト側なんてそう多くは無いから(イメージ的に)俺は付き従っている風を装うだけで事足りる。
だから、そういう時の気分はいつだって執事な事が多い。
――従者?従僕?奴隷は、違うかw。俺は、執事。
これでも、執事の勉強はそれなりにしたけど幼馴染み気分の方が大きいのでついついタメ口になってしまう事がある。
外を歩く時は、基本的に茶番モードなんだけれど。
どうしても、馴れ合い感が出てしまうのは致し方ないのかも知れなかった。普段から、執事風を装っていればそれなりの風格でも身に付くんだろうけど……普段は、チャランポランなのでそんな風格なんて皆無だ。
「まさか、兄様がホストだとは思わないでしょうね?」
「どう見ても、女性側の方が多いからのぉ?これで、逆ハーだとは思うまいて……まあ、我らも男に戻れば逆ハーが完成するがの?」
そこら辺は、師範代の趣味(?)が関係している。
なんでも、一度女として護衛に当たって居るのだから時と場合で性別をコロコロ変えていては意味が無いんだと。
だったら、秘密基地に居るあのにゃんこ達の中から誰か人型で付いて来れば良いのだけれど。それでは、護衛として優秀過ぎるので師範代達だけで何とかしなければならないとのこと。つまり、能力値が大き過ぎて護衛にならないんだそうだ。
「つか、勘違い系の転生者って多いんですか?」
「ウム。何故か、自分こそが世界の中心だと思っておる馬鹿が多いの?そんなモノは、最初から一人であるし他の誰でも入れ替われる訳でも無いからのぉ?」
「やっぱり、二次創作小説がそんなにも影響を及ぼしているのか……まあ、誰だって自分が考えたキャラクターを中心に物事を勧めたいってのはわかる。だが、それにしても転生して現実になってもソレが適応されるとか思ってんのか……」
ホント、面倒臭い輩オンリーだな?
「ウキュ!」
「「「ウキュ?」」」
見上げれば、フレールくんが器用に何かのファイルを引っ提げて視界の右斜め上方向を浮遊していた。
そう言えば、聖女と勇者達の関係性を調べて来いとか言った様な……サーセン。そう言えば、あの後……色々あってスッカリ忘れていたよ。
まさか、ずっと待っていてくれたんだろうか!?
「あ、ありがとう……待たせて、ごめんね?」
「キュ!キュキュッ!」
俺は、慌ててそのファイルを受け取りフヨフヨと去って行くフレールくんを見送った。そして、俺は何気なくそのファイルをめくって視界に入った情報に目を剥く。
アイツら、兄妹だったのか!?
しかも、勇者(笑)と賢者(笑)は元引き籠もりのニートで妹が日夜働いて兄共を養っていたらしい。
両親は、それぞれの浮気相手と共に家から出て最初の頃は罪悪感から多少のお金は入れて居たみたいだけれど……一番上の兄が成人した際に、縁を切って何処かへ蒸発したらしい。
その結果、残された妹さんが一人で家を切り盛りしていた模様。それなら、兄共を見捨てて一人逃げれば何とかなるとも思ったけれど……その時、妹は未だ16歳の未成年。
彼女が、一人で生きるには保護者の同意が必要だ。
その保護者はというと、自室に籠もって遊び呆けている。
しかも、その下の兄は妹が稼いだお金を暴力を用いて奪ってはソーシャルメディアに貢ぐ日々。最終的に、彼女は二人の兄から搾取される毎日を過ごしていた。彼女が、一人で生きて行く為には最低でも18歳にならなければならない。それ故か、彼女は働かない兄達を養う為に学校を辞めて働き始めた。中卒で、雇ってくれる所なんてそう多くは無いというのに学費が払えないという理由から学校を辞めて働かざるを得なかったみたいだ。
「OKOK。勇者(笑)と、賢者(笑)の記憶をリセットしましょうか?ついでに、聖女の記憶も消したら引きニートから開放されて自由になれるんじゃないかなぁ?」
そんな生活が、ずっと続くかと思われた日々だったが偶々引きニートからニートへと転職していた下の兄が何を思ったのか妹をドライブに誘う。どんな理屈で、妹をドライブに誘ったのかはわからないが……ソレを了承した妹は、一番上の兄を自室から引き摺り出してドライブへと出掛けた。それが、何を意味していたのかはわからないが、兎に角妹と下の兄は上の兄をドライブに連れ出す事に成功した。
そして、ソレが必然であるかの様に事故が起きる。
ペーパードライバーだった下の兄は、起こした事故によって真っ先に死んでその人生に幕を閉じた。否、その人生に幕を閉じるはずだった。運が良いのか悪いのか、転生する事になったその下の兄は事もあろうに未だ死んでいなかった妹を無理矢理転生させる為に神に願った。
『苦しむ妹が不憫だから、俺達と共に転生させてやって欲しい……』と涙ながらに語るその姿は一人残される妹を本気で心配する兄の姿……の様に見えた。まあ、見えただけであって改心した訳じゃ無い。要は、自分達だけで転生してもその末路は見えているから自分達を世話する相手が必要だと感じたのだ。
だから、危ない状況ではあるが未だ生きていると教えて貰った妹を連れて行く事にした。妹だけでは怪しまれるので二つ目の神様特典を上の兄の転生権に変えた。
それによって、最後の願いは様々な魔法を自由自在に使える【賢者】という特典だけとなる。後は、上の兄に全てを託して自分は先に転生して行った。魔力強化等は無し。でも、それで十分だった。
そして、下の兄の意志は正確に上の兄へと伝わる。
上の兄は、転生権を得た理由を知り下の兄が言いたい事を全て悟った。それにより、彼が願った特典は《隷属魔法》と《洗脳魔法》。それから、良い感じに戦える程度の身体能力である。これで、多少妹が嫌がったり逃げ出そうとしても何とかなると考えた訳だ。ホント、最悪の兄弟である。良くぞここまで、実の妹を自分達の都合の良い様に使えるモノだ。
いや、実の妹だからこそ遠慮が無いのかも知れない。
しかし、それも後数時間の話である。残念だが、その妹さんにはミッドチルダへ避難して貰う事になるだろう。もちろん、生前と現在の記憶を消して縁切りも使って貰おうかな?
「全く。なんで、一生懸命生きてる奴が不幸になって……頑張らない奴が、威張って愉しそうに生きてやがるんですかねぇ?こういう馬鹿は、社会的に抹殺されて世界の片隅で小さくなっていれば良いんだ!」
一生懸命生きてる奴が、頑張って頑張って涙を拭って働いているのに、それを嘲笑い馬鹿にしながら楽をしている輩が居るのは我慢できない。こういう馬鹿は、社会的に抹殺されるか世界の片隅で細々と生きていれば良いんだ。
とりあえず、これで勇者(笑)&賢者(笑)と聖女のお話はおしまいかな?それにしても、毒親と毒兄弟がたった一人の妹を徹底的に追い詰めるだけのお話とか胸糞ですよね!
これで、性的虐待とかされてたら問答無用でハプシエルを呼び出したくなるって話だ。そして、18禁モードでけし掛けてやりたくなる。何なら、《マインドダウン》とか掛けて精神を徹底的に弱体化させた後にハプシエルとか、な?
絶対、耐え切れずに自◯しちゃう話になるわw
というか、《マインドダウン》をされた上でヨグソトースvsハプシエルの試合見に行くとか…耐えられねぇだろう!?普通に、精神が融けるわw!細切れになるかも知れない。あ、ちょっと組織の奴等でお試しをせねば!!そうすれば、人間の精神がどうなるかが良くわかるw
あの時は、普通に試合を見ただけで崩れ落ちちゃったからなぁ?そこへ、精神の弱体化なんてやらかしたらその場で自◯する奴が出てもおかしくは無い!!
とりあえず、神崎くんの《黄金律》はとんでもない数値を叩き出しているのでメッチャ儲けるよ?それこそ、世界規模で超黒字に出来るくらいにはとんでもないですw
まさかの金運チートに片足を突っ込む事になろうとは考えてもいなかっただろうなぁw
あ。因みに、この物語の世界設定の一つに成人=20歳というのがあります。なので、18歳ならイケると書いてありますが…それは、進学せずに就職した場合の話を元に言ってるだけなので法的にはまだ未成年扱いになります。
じゃ、保護者は必要だろう?という話になるんですが…保護者が居なくても入住できる場所の最低年齢が18歳ってだけの話なので気にしないで下さい。そういう物件があったんだよw。それが、元になってます。
誤字・方言あれば報告をお願いします。
m(_ _)m
感想もあれば、お願いします!
いつも、読んでくれてありがとうございます。